JP2015230084A - ダンパ装置 - Google Patents

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Yoshihiro Takigawa
由浩 滝川
陽一 大井
Yoichi Oi
陽一 大井
大樹 長井
Hiroki Nagai
大樹 長井
伊藤 和広
Kazuhiro Ito
和広 伊藤
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Abstract

【課題】コンパクトに構成可能であると共に、捩り振動の減衰特性をより向上させることができるダンパ装置の提供。
【解決手段】ダンパ装置10は、ドライブ部材11と中間部材12との相対回転運動を移動部材21の直線運動に変換する変換機構20と、移動部材21と中間部材12との間に配置されてダンパ装置10の軸方向に沿って撓む皿ばねSPdと、中間部材12とドリブン部材15との間に配置されてダンパ装置10の回転要素の回転方向に沿って撓むコイルスプリングSPcとを含み、ドライブ部材11と共に入力要素を構成するロックアップピストン80は、移動部材21が中間部材12に接近して皿ばねSPdを圧縮するのに伴って当該中間部材12に作用する軸方向のスラスト力を受ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力要素、中間要素、および出力要素を含む複数の回転要素を有するダンパ装置に関する。
従来、一次側要素(入力要素)および二次側要素(出力要素)を有するダンパ装置として、一次側要素と二次側要素との相対回転運動に伴って一次側要素を二次側要素に対して軸方向に移動させる変換機構を含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このダンパ装置では、一次側要素と二次側要素との間に、一次側要素が二次側要素に対して接近する際に軸方向に沿って撓む第1の皿ばねと、一次側要素が二次側要素から離間する際に軸方向に沿って撓む第2の皿ばねとが配置される。これにより、一次側要素と二次側要素との相対回転運動に伴って捩り振動が軸方向の振動に変換され、一次側要素と二次側要素との間で軸方向に沿って撓む第1または第2の皿ばねにより当該振動が減衰(吸収)される。
また、車両の駆動源と変速歯車組を有する駆動系との間の捩り振動を吸収して減衰する振動減衰装置として、回転トルクが入力される外周筒状部材(入力要素)と、回転トルクが出力される内周筒状部材(出力要素)と、両者の間に介装される中間筒状部材とを有するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。この振動減衰装置では、外周筒状部材の内周部と中間筒状部材の外周部とが角ねじにより連結され、中間筒状部材の内周部と内周筒状部材の外周部とがボールスプラインを介して連結される。そして、外周筒状部材を構成するカップ部材の側壁の内周部と中間筒状部材の回転軸方向における一端部の外周部との間には、第1の皿ばねが介装され、外周筒状部材を構成するリヤプレートの内周部と中間筒状部材の回転軸方向における他端部の外周部との間には、第2の皿ばねが介装される。これにより、この振動減衰装置では、外周筒状部材と内周筒状部材とが捩れた場合に、第1または第2の皿ばねが弾性変形することにより、中間筒状部材を介して外周筒状部材と内周筒状部材との間で動力が伝達されると共に、外周筒状部材と内周筒状部材との捩り振動が減衰される。
独国特許出願公開第102008017458号明細書 国際公開第2012/046273号
上述のような2つの回転要素の相対回転運動を直線運動に変換して回転要素の軸方向に沿って弾性体を撓ませるダンパ装置によれば、入力要素と出力要素との捩れ角をより大きくして捩り振動の減衰特性をより向上させることができる。しかしながら、上述のようなダンパ装置において、変換機構を介して大きな回転トルクを伝達するためには、回転要素の軸方向に沿って撓む弾性体からの荷重(反力)をより大きくする必要があり、当該弾性体を大型化せざるを得ない。更に、弾性体からの荷重(反力)が大きくなると、当該荷重すなわち軸方向のスラスト力を受け持つために装置全体を大型化する必要が生じる。従って、上記従来のダンパ装置では、装置全体をコンパクト化することが極めて困難となる。
そこで、本発明は、コンパクトに構成可能であると共に、捩り振動の減衰特性をより向上させることができるダンパ装置の提供を主目的とする。
本発明によるダンパ装置は、
入力要素、中間要素、および出力要素を含む複数の回転要素を有するダンパ装置において、
トルク伝達経路上における前記入力要素と前記中間要素との間に前記回転要素の軸方向に移動自在かつ前記中間要素と一体に回転するように配置される移動部材を有し、前記入力要素と前記中間要素との相対回転運動を前記移動部材の前記軸方向における直線運動に変換する変換機構と、
前記トルク伝達経路上における前記変換機構の前記移動部材と前記中間要素との間に配置されて前記軸方向に沿って撓む第1弾性体と、
前記トルク伝達経路上における前記中間要素と前記出力要素との間に配置されて前記回転要素の回転方向に沿って撓む第2弾性体とを備え、
前記入力要素は、前記移動部材が前記中間要素に接近して前記第1弾性体を圧縮するのに伴って前記中間要素に作用する前記軸方向のスラスト力を受けるように構成されることを特徴とする。
このダンパ装置は、トルク伝達経路上における入力要素と中間要素との間に配置される移動部材を有する変換機構を含む。移動部材は、回転要素の軸方向に移動自在であると共に中間要素と一体に回転可能であり、変換機構は、入力要素と中間要素との相対回転運動を移動部材の当該軸方向における直線運動に変換する。そして、トルク伝達経路上における変換機構の移動部材と中間要素との間には、回転要素の軸方向に沿って撓む第1弾性体が配置され、トルク伝達経路上における中間要素と出力要素との間には、回転要素の回転方向に沿って撓む第2弾性体が配置される。このように、入力要素と中間要素との相対回転運動を移動部材の直線運動に変換し、移動部材を介して第1弾性体を回転要素の軸方向に沿って撓ませることにより、入力要素と出力要素との捩れ角をより大きくして捩り振動の減衰特性をより向上させることができる。また、このダンパ装置では、回転要素の軸方向に沿って撓む第1弾性体と、回転要素の回転方向に沿って撓む第2弾性体とが直列に作用するように配列される。これにより、捩り振動の減衰に第1弾性体を常時用いる必要がなくなることから、入力要素と出力要素との間で回転トルクを伝達するために第1弾性体が発生すべき軸方向の荷重(反力)を低下させることができる。従って、第1弾性体の大型化を抑制し、装置全体をコンパクト化することが可能となる。更に、このダンパ装置において、入力要素は、移動部材が中間要素に接近して第1弾性体を圧縮するのに伴って中間要素に作用する軸方向のスラスト力を受けるように構成される。これにより、第1弾性体からの大きな荷重(反力)すなわち軸方向のスラスト力を受け持つために装置全体が大型化するのを抑制すると共に、当該スラスト力が出力要素に伝達されないようにすることができる。この結果、このダンパ装置では、装置全体のコンパクト化を図りつつ、捩り振動の減衰特性をより向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るダンパ装置を含む発進装置を示す概略構成図である。 図1の発進装置を示す部分断面図である。 図2に示すダンパ装置の拡大斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るダンパ装置を含む発進装置を示す部分断面図である。 図4に示すダンパ装置の要部拡大図である。 図4に示すダンパ装置の要部拡大斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に係るダンパ装置を含む発進装置を示す部分断面図である。 本発明の他の実施形態に係るダンパ装置を含む発進装置を示す概略構成図である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るダンパ装置10を含む発進装置1の概略構成図であり、図2は、発進装置1を示す部分断面図である。これらの図面に示す発進装置1は、駆動装置としてのエンジン(内燃機関)を備えた車両に搭載されるものであり、ダンパ装置10に加えて、エンジンのクランクシャフトに連結される入力部材としてのフロントカバー3や、フロントカバー3に固定されて当該フロントカバー3と一体に回転するポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5、ダンパ装置10に連結されると共に自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)である変速機の入力軸IS(図1参照)に固定される出力部材としてのダンパハブ7、単板油圧式クラッチであるロックアップクラッチ8等を含む。
ポンプインペラ4は、フロントカバー3に密に固定されるポンプシェル40と、ポンプシェル40の内面に配設された複数のポンプブレード41とを有する。タービンランナ5は、タービンシェル50と、タービンシェル50の内面に配設された複数のタービンブレード51とを有する。タービンシェル50の内周部は、複数のリベットを介してダンパハブ7に固定される。ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6が同軸に配置される。ステータ6は、複数のステータブレード60を有し、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ61により一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータ(流体伝動装置)として機能する。なお、発進装置1において、ステータ6やワンウェイクラッチ61を省略し、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を流体継手として機能させてもよい。
ロックアップクラッチ8は、ダンパ装置10を介してフロントカバー3とダンパハブ7すなわち入力軸ISとを連結するロックアップを実行すると共に当該ロックアップを解除することができるものであり、フロントカバー3と摩擦係合する環状の摩擦材81を有するロックアップピストン80を含む。ロックアップピストン80は、図2に示すように、フロントカバー3の内部かつ当該フロントカバー3のエンジン側(図2における右側)の内壁面近傍に配置され、ダンパハブ7に対して軸方向に摺動自在に嵌合される。また、摩擦材81は、ロックアップピストン80の外周側かつフロントカバー3側の面に貼着される。
ロックアップピストン80(図2における右側の面)とフロントカバー3との間には、ロックアップ室82が画成される。当該ロックアップ室82には、入力軸ISに形成された図示しない油路等を介して油圧制御装置(図示省略)から作動油が供給され、ロックアップ室82内に供給された作動油は、当該ロックアップ室82からポンプインペラ4およびタービンランナ5等(トーラス)が収容される流体伝動室9に流入する。従って、流体伝動室9内とロックアップ室82内とが等圧に保たれれば、ロックアップピストン80は、フロントカバー3側に移動せず、ロックアップピストン80がフロントカバー3と摩擦係合することはない。これに対して、図示しない油圧制御装置によりロックアップ室82内を減圧すれば、ロックアップピストン80は、圧力差によりフロントカバー3に向けて移動してフロントカバー3と摩擦係合する。これにより、フロントカバー3は、ダンパ装置10を介してダンパハブ7に連結される。なお、ロックアップクラッチ8は、多板油圧式クラッチとして構成されてもよい。
ダンパ装置10は、図1および図2に示すように、回転要素として、ロックアップクラッチ8のロックアップピストン80と共に入力要素を構成するドライブ部材11と、中間部材(中間要素)12と、ドリブン部材(出力要素)15とを含む。また、ダンパ装置10は、ドライブ部材11と中間部材12との間に設けられて回転運動を直線運動に変換する変換機構20を含む。更に、ダンパ装置10は、動力伝達要素として、ダンパ装置10の外周に近接すると共に当該ダンパ装置10(回転要素)の軸方向に並ぶように配置される環状に形成された複数(本実施形態では、6個)の皿ばね(第1弾性体)SPdと、複数の皿ばねSPdにより囲まれるように同心円上に周方向(ダンパ装置10や回転要素の周方向)に間隔をおいて配置される複数(例えば2〜6個)のコイルスプリング(第2弾性体)SPcとを含む。
ドライブ部材11は、円筒状に形成されており、その一端はロックアップピストン80の外周部に溶接により固定される。これにより、ドライブ部材11は、ダンパ装置10(ロックアップピストン80)の軸方向に延在し、ロックアップピストン80と一体に回転する。
中間部材12は、ロックアップピストン80(フロントカバー3)に近接するように配置される環状の第1中間プレート部材121と、第1入力プレート部材12よりもロックアップピストン80から離間するようにポンプインペラ4およびタービンランナ5側に配置される環状の第2中間プレート部材122と、第1および第2中間プレート部材121,122の間に配置される環状の第3中間プレート部材123とから構成される。
中間部材12を構成する第1中間プレート部材121は、ロックアップピストン80の内筒部(内周部)の外周面により回転自在に支持される環状壁部121aと、ロックアップピストン80から離間するように環状壁部121aの外周部から軸方向に延出された筒状部121bと、筒状部121bのロックアップピストン80とは反対側の端部から径方向外側に延出された環状のスプリング当接部121cとを有する。また、入力要素としてのロックアップピストン80の内筒部には、第1中間プレート部材121の環状壁部121aのタービンランナ5側(ロックアップピストン80とは反対側)の面と対向するように、ナットを介して環状の当接部材83が固定される。更に、第1中間プレート部材121の環状壁部121aと当接部材83との間には、スラスト軸受90が配置される。これにより、第1中間プレート部材121すなわち中間部材12は、タービンランナ5側からスラスト軸受90を介して当接部材83により支持される。
中間部材12を構成する第2中間プレート部材122は、複数のコイルスプリングSPcの外周部やタービンランナ5側(変速機側)の側部を支持(ガイド)するように構成される。図2に示すように、第2中間プレート部材122は、タービンランナ5側からロックアップピストン80に向けて延びると共に複数のコイルスプリングSPcの外周部を支持するように形成された筒状部122aと、軸方向に延びる複数のスプリング当接部(弾性体当接部)122cとを有する。筒状部122aの遊端部には、それぞれ第1中間プレート部材121に形成された対応する開口部に嵌合される複数の係合突起部122pが周方向に間隔をおいて形成されており、第2中間プレート部材122は、第1中間プレート部材121に一体に回転するように連結される。また、複数のスプリング当接部122cは、例えば2個ずつ対をなして周方向に間隔をおいて並ぶように配設され、互いに対をなす2個のスプリング当接部122cは、コイルスプリングSPcの自然長に応じた間隔をおいて対向する。
中間部材12を構成する第3中間プレート部材123は、それぞれ対応するコイルスプリングSPcの内周部を支持(ガイド)する複数のスプリング支持部123aと、径方向に延びる複数のスプリング当接部(弾性体当接部)123cとを有し、複数のリベットを介して第2中間プレート部材122に連結される。複数のスプリング当接部123cは、例えば2個ずつ対をなして周方向に間隔をおいて並ぶように配設され、互いに対をなす2個のスプリング当接部123cは、コイルスプリングSPcの自然長に応じた間隔をおいて対向する。
複数のコイルスプリングSPcは、互いに連結される第2および第3中間プレート部材122,123により支持され、タービンシェル50の内周部の近傍で周方向に間隔をおいて(例えば等間隔に)並ぶ。そして、第2および第3中間プレート部材122,123の各スプリング当接部122c,123cは、ダンパ装置10の取付状態において、対応するコイルスプリングSPcの端部と当接する。すなわち、ダンパ装置10の取付状態において、各コイルスプリングSPcの両端部は、第2中間プレート部材122の互いに対をなす2個のスプリング当接部122cの対応する一方および第3中間プレート部材123の互いに対をなす2個のスプリング当接部123cの対応する一方と当接する。なお、コイルスプリングSPとしては、荷重が加えられてないときに円弧状に延びる軸心を有するように巻かれた金属材からなるアークコイルスプリングや、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなるストレートコイルスプリングが採用される。また、コイルスプリングSPとしては、図示するような、いわゆる二重ばねが採用されてもよい。
ドリブン部材15は、複数のスプリング当接部(弾性体当接部)15cを有し、中間部材12の第2中間プレート部材122と第3中間プレート部材123との間に配置されると共に、複数のリベットを介してタービンランナ5のタービンシェル50と共にダンパハブ7に固定される。これにより、タービンランナ5は、ドリブン部材15に連結され、ドリブン部材15は、ダンパハブ7を介して変速機の入力軸ISに連結される。ドリブン部材15の複数のスプリング当接部15cは、例えば2個ずつ対をなして周方向に間隔をおいて並ぶように配設され、互いに対をなす2個のスプリング当接部15cは、コイルスプリングSPcの自然長に応じた間隔をおいて対向する。そして、各スプリング当接部15cは、ダンパ装置10の取付状態において、対応するコイルスプリングSPcの端部と当接する。すなわち、ダンパ装置10の取付状態において、各コイルスプリングSPcの両端部は、ドリブン部材15の互いに対をなす2個のスプリング当接部15cの対応する一方とも当接する。
更に、ダンパ装置10は、中間部材12とドリブン部材15との相対回転を規制する回転要素間ストッパ(第2ストッパ)16を含む。本実施形態において、回転要素間ストッパ16は、中間部材12を構成する第2および第3中間プレート部材122,123を連結する複数のリベットに装着された図示しないカラーと、ドリブン部材15に形成された例えば円弧状に延びる複数の開口部(切欠部)とにより構成される。ダンパ装置10の取付状態において、第2および第3中間プレート部材122,123を連結するリベットおよびカラーは、ドリブン部材15の対応する開口部内に当該開口部を画成する両側の壁面と当接しないように配置される。そして、中間部材12およびドリブン部材15が相対回転するのに伴って上述の各カラーが対応する開口部の一方の壁面と当接すると、中間部材12およびドリブン部材15の相対回転並びに各コイルスプリングSPcの撓み(捩れ)が規制される。本実施形態では、ドライブ部材11への入力トルクが高まって予め定められた値Tmaxに達し、ダンパ装置10の捩れ角が予め定められた最大捩れ角θmaxになると、回転要素間ストッパ16により中間部材12およびドリブン部材15の相対回転並びに各コイルスプリングSPcの撓みが規制される。
ダンパ装置10に設けられる変換機構20は、トルク伝達経路上におけるドライブ部材11と中間部材12との間にダンパ装置10(回転要素)の軸方向に移動自在に配置される環状の移動部材21を有し、ロックアップピストン80およびドライブ部材11(入力要素)と中間部材12との相対回転運動を移動部材21の軸方向における直線運動に変換するものである。移動部材21は、図2および図3に示すように、径方向に延びる環状の側壁部(弾性体当接部)21cと、側壁部21cの外周部から軸方向の一側に延出された円筒部21dと、それぞれ円筒部21dにより包囲されるように側壁部21cの内周部から周方向に間隔をおいて軸方向に延出された複数の係合凸部21eとを有する。
そして、本実施形態において、変換機構20は、ドライブ部材11の内周面に形成されたねじ溝11tと、移動部材21の円筒部21dの外周面に形成されたねじ溝21tと、ねじ溝11t、21tを転動する複数のボール22(図2参照)と、図示しないボール循環機構とを含むボールねじ機構として構成される。これにより、損失を低減しつつ、ロックアップピストン80およびドライブ部材11と中間部材12との相対回転運動を移動部材21の直線運動に変換することが可能となる。
また、中間部材12を構成する第1中間プレート部材121の筒状部121bには、それぞれ軸方向に延びる複数の係合凹部121eが周方向に間隔をおいて並ぶように形成されている。各係合凹部121eは、移動部材21の係合凸部21eよりも僅かに大きい幅と当該係合凸部21eよりも長い軸長を有し、各係合凹部121eの環状壁部121a側(ロックアップピストン80側)の端部は開放されている。図2および図3に示すように、各係合凹部121eには、移動部材21の対応する係合凸部21eが嵌め込まれる。これにより、移動部材21は、第1中間プレート部材121すなわち中間部材12によってダンパ装置10(回転要素)の軸方向に移動自在に支持されると共に、当該第1中間プレート部材121と一体に回転可能となる。
更に、移動部材21の側壁部21cは、円筒部21dの遊端部よりもロックアップピストン80側(図2における右側)に位置して第1中間プレート部材121のスプリング当接部121cと対向し、両者の間には、複数の皿ばねSPdがダンパ装置10(回転要素)の軸方向に沿って撓むように配置される。本実施形態において、複数の皿バネSPdは、同じ向き(並列)に重ね合わされた2枚を互い違い(直列)に重ね合わせて、トルク伝達経路上における移動部材21の側壁部21cと中間部材12のスプリング当接部121cとの間に配置され、両端の皿ばねSPdは、側壁部21cおよびスプリング当接部121cの対応する一方と当接する。
これにより、複数の皿バネSPdは、複数のコイルスプリングSPcを囲んでダンパ装置10の外周に近接するように配置される。従って、ダンパ装置10では、各皿ばねSPdの外径をより大きくして剛性(ばね定数)をより高くすることができる。また、移動部材21の円筒部21dに形成されたねじ溝21tを含む変換機構20も、複数の皿バネSPdと同様に、複数のコイルスプリングSPcを囲むように配置されることになる。すなわち、本実施形態では、変換機構20、複数の皿ばねSPdおよび複数のコイルスプリングSPcがダンパ装置10の径方向からみて重なり合うように配置される。これにより、ダンパ装置10の軸長を短縮化して装置全体をより一層コンパクト化することが可能となる。更に、本実施形態では、図に示すように、変換機構20および複数の皿ばねSPdがダンパ装置10の軸方向からみてタービンランナ5の外周部と重なり合うように配置される。
上述のように構成される変換機構20の移動部材21は、ダンパ装置10の取付状態において、側壁部21cの背面がロックアップピストン80に含まれる当接部85の内面(タービンランナ5側の面)と当接するようにダンパ装置10(回転要素)の軸方向におけるロックアップピストン80(入力要素)と第1中間プレート部材121(中間部材12)との間に配置される。以下、側壁部21cの背面がロックアップピストン80の当接部85と当接する位置を移動部材21の「初期位置」という。
そして、ダンパ装置10のドライブ部材11や中間部材12、ドリブン部材15がエンジンからの駆動力(駆動トルク)により回転し、ドライブ部材11の回転速度が中間部材12の回転速度よりも高くなって両者が相対回転すると、移動部材21は、変換機構20の作用により初期位置から第1中間プレート部材121のスプリング当接部121cに向けて移動(接近)して複数の皿ばねSPdを圧縮する。こうして移動部材21がロックアップピストン80から離間するように移動する際、円筒部21dの遊端部は、ドライブ部材11と第1中間プレート部材121のスプリング当接部121cとの間の間隙から突出する。
更に、本実施形態では、ロックアップピストン80およびドライブ部材11への入力トルクが上述の最大捩れ角θmaxに対応した値Tmax(第2の値)よりも小さい所定値(第1の値)T1に達してドライブ部材11の中間部材12(および移動部材21)に対する捩れ角が所定角度θref(例えば30°〜90°の範囲内の値)になると、移動部材21の各係合凸部21eの先端面が第1中間プレート部材121の対応する係合凹部121eの端面(底面)と当接する。これにより、第1中間プレート部材121すなわち中間部材12に対する移動部材21の接近移動が規制され、各皿ばねSPdの更なる撓み(収縮)が規制される。すなわち、移動部材21の各係合凸部21eと中間部材12の各係合凹部121eとは、ドライブ部材11への入力トルクが高まるのに伴って上述の回転要素間ストッパ16により中間部材12およびドリブン部材15の相対回転並びに各コイルスプリングSPcの撓みが規制される前に、中間部材12に対する移動部材21の接近移動を規制する軸方向移動規制ストッパ(第1ストッパ)23を構成する。なお、変換機構20におけるねじ溝11t、21tのピッチ等は、上述の所定角度θrefや初期位置での係合凸部21eの先端面と係合凹部121eの端面との間隔等に基づいて定められる。
また、ダンパ装置10は、図3に示すように、ドライブ部材11に対する移動部材21の回転を規制する回転規制ストッパ(第1ストッパ)24を含む。本実施形態において、回転規制ストッパ24は、移動部材21の円筒部21dの遊端部から周方向に間隔をおいて径方向外側に延出された複数のストッパ部(突部)21sと、ドライブ部材11の一端部(遊端部)に形成された円弧状に延びる複数のストッパ凹部11sとにより構成される。移動部材21が初期位置にある際(ダンパ装置10の取付状態において)、移動部材21の各ストッパ部21sは、対応するストッパ凹部11sを画成する2つの壁面の一方(ドライブ部材11の回転方向下流側の壁面)と当接する。
そして、ドライブ部材11と中間部材12(および移動部材21)とが相対回転するのに伴って各ストッパ部21sが対応するストッパ凹部11sの他方の壁面(ドライブ部材11の回転方向上流側の壁面)と当接すると、ドライブ部材11と移動部材21(および中間部材12)との相対回転が規制され、ドライブ部材11、移動部材21および中間部材12が一体となって回転する。本実施形態において、回転規制ストッパ24は、上述の回転要素間ストッパ16により中間部材12およびドリブン部材15の相対回転並びに各コイルスプリングSPcの撓みが規制される前であって、上述の軸方向移動規制ストッパ23により中間部材12に対する移動部材21の接近移動が規制された後(それとほぼ同時)にドライブ部材11と移動部材21(および中間部材12)との相対回転を規制するように構成される。
一方、ダンパ装置10のドライブ部材11や中間部材12、ドリブン部材15が回転する際に、中間部材12の回転速度がドライブ部材11の回転速度よりも高くなって両者が相対回転すると、移動部材21は、変換機構20の作用により第1中間プレート部材121のスプリング当接部121c(中間部材12)から離間するように初期位置に向けて移動して複数の皿ばねSPdの圧縮を解除する。そして、中間部材12の回転速度がドライブ部材11の回転速度よりも高い状態で移動部材21が初期位置に戻ると、側壁部21cの背面がロックアップピストン80に含まれる当接部85の内面と当接する。これにより、移動部材21が初期位置に戻った後に、中間部材12の回転速度がドライブ部材11の回転速度よりも高い状態が継続したとしても、移動部材21が初期位置を超えてスプリング当接部121c(中間部材12)から離間するように(ロックアップピストン80側に)移動するのを規制することが可能となる。すなわち、入力要素としてのロックアップピストン80は、初期位置にある移動部材21と皿ばねSPdとは反対側で当接する移動規制部材として機能する。
続いて、上述のように構成される発進装置1の動作について説明する。
発進装置1のロックアップクラッチ8によりロックアップが解除されている際には、図1からわかるように、原動機としてのエンジンからの回転トルク(動力)が、フロントカバー3、ポンプインペラ4、タービンランナ5、ダンパハブ7という経路を介して変速機の入力軸ISへと伝達される。また、発進装置1のロックアップクラッチ8によりロックアップが実行される際には、図1からわかるように、エンジンからの回転トルク(動力)が、フロントカバー3、ロックアップクラッチ8、ロックアップピストン80、ドライブ部材11、変換機構20、移動部材21、複数の皿ばねSPd、中間部材12、複数のコイルスプリングSPc、ドリブン部材15、ダンパハブ7というトルク伝達経路を介して変速機の入力軸ISへと伝達される。
すなわち、ロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されている際、ロックアップクラッチ8によりフロントカバー3に連結された入力要素としてのロックアップピストン80およびドライブ部材11がエンジンからの回転トルク(駆動トルク)により回転し、ドライブ部材11の回転速度が中間部材12の回転速度よりも高くなって両者が相対回転すると、移動部材21は、変換機構20の作用により初期位置から第1中間プレート部材121のスプリング当接部121cに向けて移動する。この際、移動部材21は、スプリング当接部121cに接近して複数の皿ばねSPdをダンパ装置10(回転要素)の軸方向に沿って圧縮する(撓ませる)。また、中間部材12のスプリング当接部122cおよび123cは、対応するスプリングSPの一端を押圧し、各コイルスプリングSPcの他端は、対応するドリブン部材15のスプリング当接部15cを押圧する。このため、中間部材12の回転速度がドリブン部材15の回転速度よりも高くなって両者が相対回転すると、各コイルスプリングSPcは、ダンパ装置10(回転要素)の回転方向(ダンパ装置10や回転要素の周方向)に沿って圧縮される(撓む)。
これにより、軸方向移動規制ストッパ23により中間部材12に対する移動部材21の接近移動が規制されるまでの間(ダンパ装置10の入力トルクがT1未満である際)、フロントカバー3に入力されるトルクの変動すなわち捩り振動は、直列に作用するダンパ装置10の皿ばねSPdとコイルスプリングSPcとにより減衰(吸収)される。従って、発進装置1では、ロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されている際に、フロントカバー3に入力されるトルクの変動をダンパ装置10により良好に減衰(吸収)することが可能となる。そして、ドライブ部材11および中間部材12の相対回転運動を移動部材21の直線運動に変換し、移動部材21を介して複数の皿ばねSPdをダンパ装置10(回転要素)の軸方向に沿って撓ませることにより、ドライブ部材11と中間部材12との捩れ角をより大きくして捩り振動の減衰特性をより向上させることができる。
また、移動部材21が初期位置から中間部材12(スプリング当接部121c)に向かう方向(軸方向における第1の方向)に移動して皿ばねSPdを圧縮する際には、皿ばねSPdから第1中間プレート部材121すなわち中間部材12に対して当該中間部材12を移動部材21から離間させる方向のスラスト力が加えられる。これを踏まえて、ダンパ装置10では、入力要素としてのロックアップピストン80にスラスト軸受90を介して第1中間プレート部材121の環状壁部121aのロックアップピストン80とは反対側の面を支持する当接部材83が固定されている。
これにより、移動部材21が第1中間プレート部材121(中間部材12)に接近して皿ばねSPdを圧縮するのに伴って中間部材12に作用する軸方向のスラスト力は、入力要素としてのロックアップピストン80により受けられる。この結果、ダンパ装置10では、皿ばねSPdからの大きな荷重(反力)すなわち軸方向のスラスト力を受け持つために装置全体が大型化するのを抑制すると共に、当該スラスト力がドリブン部材15に伝達されないようにすることができる。加えて、ロックアップピストン80に、環状壁部121aのロックアップピストン80とは反対側の面を支持する当接部材83を固定することで、スラスト軸受90の数の増加や大型化を抑制しつつ、入力要素としてのロックアップピストン80により複数の皿ばねSPdからの軸方向のスラスト力を受けることが可能となる。
そして、ダンパ装置10では、ロックアップピストン80およびドライブ部材11への入力トルクが上述の所定値T1に達した段階、すなわち当該入力トルクが高まるのに伴って回転要素間ストッパ16により中間部材12およびドリブン部材15の相対回転並びに各コイルスプリングSPcの撓みが規制される前に、軸方向移動規制ストッパ23により中間部材12に対する移動部材21の接近移動が規制され、その直後に回転規制ストッパ24によりドライブ部材11と移動部材21(および中間部材12)との相対回転が規制される。この結果、各皿ばねSPdの更なる撓み(収縮)が規制され、ドライブ部材11、移動部材21および中間部材12が一体となって回転することになる。
従って、各皿ばねSPdは、ドライブ部材11への入力トルクが高まるのに伴って軸方向移動規制ストッパ23(および回転規制ストッパ24)により撓みが規制された後、捩り振動の減衰に寄与しなくなり、その後にロックアップピストン80およびドライブ部材11への入力トルクが高くなる際(回転要素間ストッパ16により中間部材12およびドリブン部材15の相対回転が規制されるまで)の捩り振動の減衰は、専らコイルスプリングSPcにより行われることになる。すなわち、ダンパ装置10の軸方向に沿って撓む皿ばねSPdと、ダンパ装置10の回転方向(ダンパ装置10や回転要素の周方向)に沿って撓むコイルスプリングSPcとを直列に作用するように配列することで、捩り振動の減衰に皿ばねSPdを常時用いる必要がなくなる。この結果、変換機構20を介してドライブ部材11と中間部材12との間で回転トルクを伝達するために皿ばねSPdが発生すべき軸方向の荷重(反力)を低下させることができるので、皿ばねSPdの数(軸長)の増加や大型化を抑制し、装置全体をコンパクト化することが可能となる。
更に、ダンパ装置10には、軸方向移動規制ストッパ23と回転規制ストッパ24との双方が設けられ、回転規制ストッパ24によりドライブ部材11に対する移動部材21の回転が規制される前に、軸方向移動規制ストッパ23により中間部材12に対する移動部材21の接近移動が規制される。これにより、皿ばねSPdの撓みをより確実に規制した上で、それ以降にロックアップピストン80およびドライブ部材11または中間部材12と移動部材21とを一体に回転させることができる。この結果、変換機構20、すなわちねじ溝11t,21tやボール22の耐久性を向上させることが可能となる。
一方、中間部材12の回転速度がロックアップピストン80およびドライブ部材11の回転速度よりも高いとき、すなわちドリブン部材15側からドライブ部材11側に減速トルクが伝達されるとき(車両のコースト走行時)には、移動部材21が第1中間プレート部材121(中間部材12)のスプリング当接部121cから初期位置に向かう方向(第1の方向と反対向きの軸方向における第2の方向)に移動して皿ばねSPdの圧縮を解除する。更に、初期位置で側壁部21cの背面がロックアップピストン80の当接部85の内面に当接することで、移動部材21の中間部材12からロックアップピストン80(入力要素)に向かう方向(第2の方向)の移動が規制される。これにより、皿ばねSPdは、中間部材12の回転速度がロックアップピストン80およびドライブ部材11の回転速度よりも高くなるときに、捩り振動の減衰に寄与しなくなり、この際の捩り振動の減衰は、専らコイルスプリングSPcにより行われることになる。
この結果、中間部材12の回転速度がロックアップピストン80およびドライブ部材11の回転速度よりも高くなるときに軸方向に沿って撓んで捩り振動を減衰する弾性体を別途用意する必要がなくなるので、ダンパ装置10の軸長の増加を良好に抑制することが可能となる。また、ダンパ装置10では、移動部材21の軸方向の移動に伴って皿ばねSPdからダンパ装置10の中間部材12に加えられる力の向きを一方向にすることができるので、皿ばねSPdからの軸方向のスラスト力を受け持つためにダンパ装置10が大型化するのを良好に抑制することが可能となる。更に、ダンパ装置10において、入力要素としてのロックアップピストン80は、中間部材12の回転速度がロックアップピストン80およびドライブ部材11の回転速度よりも高いときに、移動部材21が初期位置を超えて中間部材12からロックアップピストン80に向かう方向(第2の方向)に移動するのを規制する移動規制部材として機能する。このように、入力要素としてのロックアップピストン80により初期位置で移動部材21の軸方向における移動を規制することで、部品点数の増加を抑制して装置全体をよりコンパクト化することが可能となる。
また、ダンパ装置10では、変換機構20、皿ばねSPdおよびコイルスプリングSPcが当該ダンパ装置10の径方向からみて重なり合うように配置される。これにより、ダンパ装置10の軸長を短縮化して装置全体をより一層コンパクト化することが可能となる。更に、変換機構20および皿ばねSPdは、複数のコイルスプリングSPcを囲むように配置されるので、装置全体の大型化を抑制しつつ、皿ばねSPdの外径をより大きくして剛性(ばね定数)をより高くし、当該皿ばねSPdからの荷重(反力)を充分に確保することができる。従って、ロックアップピストン80およびドライブ部材11とドリブン部材15との間、すなわちドライブ部材11と中間部材12との間で変換機構20を介して回転トルクを良好に伝達することが可能となる。また、変換機構20および複数の皿ばねSPdをダンパ装置10の軸方向からみてタービンランナ5の外周部と重なり合うように配置することで、ダンパ装置10におけるスペース効率をより向上させつつ、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
更に、ダンパ装置10の軸方向に沿って撓む第1弾性体として皿ばねSPdを採用すると共に、ダンパ装置10の回転方向に沿って撓む第2弾性体としてコイルスプリングSPcを採用することにより、ダンパ装置10の軸長の増加をより良好に抑制することが可能となる。そして、変換機構20として、ドライブ部材11に形成されたねじ溝11tと、移動部材21に形成されたねじ溝21tと、ねじ溝11t,21tを転動するボール22とを含むボールねじ機構を採用すれば、損失を低減しつつ、ドライブ部材11および中間部材12の相対回転運動を移動部材21の直線運動に変換することが可能となる。ただし、ボールねじ機構の代わりに、変換機構20としてボールを有さない送りねじ機構が採用されてもよい。
ここまで説明したように、ダンパ装置10によれば、当該ダンパ装置10ひいては発進装置1全体のコンパクト化を図りつつ、捩り振動の減衰特性をより向上させることが可能となる。なお、皿ばねSPdの撓みを規制する第1ストッパとしては、中間部材12に対する移動部材21の接近移動を規制する軸方向移動規制ストッパ23と、ドライブ部材11に対する移動部材21の回転を規制する回転規制ストッパ24との何れか一方のみが採用されてもよい。すなわち、軸方向移動規制ストッパ23によって中間部材12に対する移動部材21の接近移動が規制されるか、あるいは回転規制ストッパ24によってロックアップピストン80およびドライブ部材11に対する移動部材21の回転が規制されれば、それ以降に皿ばねSPdの撓みを規制すると共に、ロックアップピストン80およびドライブ部材11または中間部材12と移動部材21とを一体に回転させることが可能となる。
また、回転要素間ストッパ16は、皿ばねSPdの撓みが規制された後にコイルスプリングSPcの撓みを規制するものであれば、ドライブ部材11(あるいはロックアップピストン80)とドリブン部材15との相対回転を規制するものであってもよい。更に、回転規制ストッパ24は、ドライブ部材11および中間部材12の相対回転を規制するものであってもよい。また、タービンランナ5は、ドライブ部材11(ロックアップピストン80)および中間部材12の何れかに連結されてもよい。
図4は、本発明の他の実施形態に係るダンパ装置10Bを含む発進装置1Bを示す部分断面図である。なお、発進装置1Bやダンパ装置10Bの構成要素のうち、上述の発進装置1やダンパ装置10と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示す発進装置1Bに含まれるダンパ装置10Bは、ボールねじ機構である変換機構20の代わりに、図5および図6に示すようなカム機構として構成された変換機構20Bを含むものである。図4から図6に示すように、変換機構20Bは、ロックアップピストン80に固定されたドライブ部材11Bの遊端部に形成されたカム面11cと、移動部材21Bに設けられたカムフォロア25とを複数(より好ましくは3組以上)含むものである。
図示するように、カム面11cは、周方向における中央部がロックアップピストン80に向けて窪むようにドライブ部材11Bの遊端部の端面に形成された斜面である。また、カムフォロア25は、円筒部21dの径方向に延在するシャフト26を介して移動部材21Bにより回転自在に支持されてドライブ部材11Bのカム面11c上を転動するローラである。このようなカム機構として構成された変換機構20Bを採用しても、損失を低減しつつ、ロックアップピストン80およびドライブ部材11Bと中間部材12との相対回転運動を移動部材21Bの直線運動に変換することが可能となる。なお、変換機構20Bは、ドライブ部材11Bに設けられたカムフォロアと、移動部材21Bに形成されたカム面とを含むものとされてもよい。また、カム面とカムフォロアとは、構成によっては、1組のみ設けられてもよい。
図7は、本発明の更に他の実施形態に係るダンパ装置10Cを含む発進装置1Cを示す部分断面図である。なお、発進装置1Cやダンパ装置10Cの構成要素のうち、上述の発進装置1やダンパ装置10と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示すダンパ装置10Cは、回転要素として、ロックアップピストン(第1入力部材)80Cと共に入力要素を構成するドライブ部材(第2入力部材)11Cと、環状の中間部材(中間要素)12Cと、環状のドリブン部材(出力要素)15Cとを含む。また、ダンパ装置10Cは、入力要素としてのロックアップピストン80Cおよびドライブ部材11Cと中間部材(中間要素)12Cとの相対回転運動を移動部材21Cの直線運動に変換する変換機構20Cを含む。図7の例において、変換機構20Cは、ねじ溝11t,21tや複数のボール22等を有するボールねじ機構として構成されている。
図示するように、ダンパ装置10Cのドライブ部材11Cは、ボルトによってロックアップピストン80Cの内筒部(内周部)に当該内筒部よりも外周側の部分と軸方向に間隔をおいて固定される環状プレート部材110と、環状プレート部材110の外周部に固定(溶接)されてタービンシェル50の内周部の近傍でダンパ装置10の軸方向に延在する円筒部111とを有する。円筒部111の外周面には、変換機構20Cを構成するねじ溝11tが形成されている。
また、中間部材12Cは、ロックアップピストン80Cと同程度の外径を有する環状部材であり、複数のコイルスプリングSPcをダンパ装置10の外周に近接するように支持する環状のスプリング支持部12aと、それぞれ対応するコイルスプリングSPcの端部と当接する複数の外側スプリング当接部12coと、スプリング支持部12aの径方向内側に形成された環状の内側スプリング当接部12ciと、内側スプリング当接部12ciの径方向内側から周方向に間隔をおいて軸方向に延出された複数の係合凸部12fとを有する。中間部材12Cは、ダンパ装置10Cの軸方向におけるロックアップピストン80Cとドライブ部材11Cとの間に配置され、当該軸方向における中間部材12Cとロックアップピストン80Cとの間には、スラスト軸受90が配置される。
更に、ダンパ装置10Cのドリブン部材15Cは、タービンランナ5のタービンシェル50に固定され、ドライブ部材11Cの径方向外側に配置される。ドリブン部材15Cは、それぞれ対応するコイルスプリングSPcの端部と当接する複数のスプリング当接部15cと、複数のスプリング当接部15cの径方向内側でタービンランナ5から離間するように軸方向に延びる複数のストッパ部15sとを有する。複数のストッパ部15sは、中間部材12Cに形成された複数の切欠部12sと共に中間部材12Cおよびドリブン部材15Cの相対回転を規制する回転要素間ストッパ16Cを構成する。また、ドリブン部材15Cの内周部には、タービンランナ5から離間するように軸方向に延びる環状の移動規制部15xが形成されている。
変換機構20Cの移動部材21Cは、トルク伝達経路上におけるドライブ部材11Cと中間部材12Cとの間に配置され、径方向に延びる環状の側壁部(弾性体当接部)21cと、側壁部21cの内周部から軸方向の一側に延出された円筒部21dとを有する。円筒部21dの内周面には、変換機構20Cを構成するねじ溝21tが形成されており、円筒部21dの外周面には、それぞれ軸方向に延びる複数の係合凹部21fが周方向に間隔をおいて並ぶように形成されている。各係合凹部21fは、中間部材12Cの係合凸部12fよりも僅かに大きい幅を有し、各係合凹部21fの側壁部21cと反対側の端部は開放されている。
図7に示すように、各係合凹部21fには、中間部材12Cの対応する係合凸部12fが嵌め込まれる。これにより、移動部材21Cは、中間部材12に対してダンパ装置10(回転要素)の軸方向に移動自在となり、かつ当該中間部材12と一体に回転可能となる。また、中間部材12Cの各係合凸部12fと移動部材21Cの各係合凹部21fとは、上述の回転要素間ストッパ16Cにより中間部材12Cおよびドリブン部材15Cの相対回転並びに各コイルスプリングSPcの撓みが規制される前に、中間部材12Cに対する移動部材21Cの接近移動を規制する軸方向移動規制ストッパ(第1ストッパ)を構成する。なお、ダンパ装置10Cに対しても、ドライブ部材11Cに対する移動部材21Cまたは中間部材12Cの回転を規制する図示しない回転規制ストッパ(第1ストッパ)が設けられる。
更に、移動部材21Cの側壁部21cは、円筒部21dの遊端部よりもタービンランナ5側(図7における左側)に位置して中間部材12Cの内側スプリング当接部12ciと対向し、両者の間には、複数(本実施形態では、6個)の皿ばねSPdがダンパ装置10(回転要素)の軸方向に沿って撓むように配置される。図7の例においても、複数の皿バネSPdは、同じ向き(並列)に重ね合わされた2枚を互い違い(直列)に重ね合わせて、トルク伝達経路上における移動部材21Cの側壁部21cと中間部材12Cの内側スプリング当接部12ciとの間に配置され、両端の皿ばねSPdは、側壁部21cおよび内側スプリング当接部12ciの対応する一方と当接する。
これにより、ダンパ装置10の軸方向に沿って撓む複数の皿バネ(第1弾性体)SPdおよび変換機構20Cは、ダンパハブ7に近接するように配置され、ダンパ装置10の回転方向に沿って撓む複数のコイルスプリング(第2弾性体)SPcは、複数の皿バネSPdおよび変換機構20Cを囲むように配置される。従って、ダンパ装置10Cでは、各コイルスプリングSPcをより低剛性化して捩り振動の減衰効果をより向上させることが可能となる。更に、ダンパ装置10Cにおいても、変換機構20、複数の皿ばねSPdおよび複数のコイルスプリングSPcが当該ダンパ装置10Cの径方向からみて重なり合うように配置される。これにより、ダンパ装置10Cの軸長を短縮化して装置全体をより一層コンパクト化することが可能となる。
また、変換機構20Cの移動部材21Cは、ダンパ装置10Cの取付状態において、側壁部21cの背面がドリブン部材15Cの移動規制部15xの端面(ロックアップピストン80C側の面)と当接するようにダンパ装置10C(回転要素)の軸方向におけるタービンランナ5と中間部材12Cとの間に配置される。ダンパ装置10Cにおいて、側壁部21cの背面が移動規制部15xと当接する位置は移動部材21Cの「初期位置」となり、出力要素としてのドリブン部材15Cは、初期位置にある移動部材21Cと皿ばねSPdとは反対側で当接する移動規制部材として機能する。このように、ダンパ装置10Cの回転要素であるドリブン部材15Cにより初期位置で移動部材21Cの軸方向における移動を規制しても、部品点数の増加を抑制して装置全体をよりコンパクト化することが可能となる。
更に、ダンパ装置10Cでは、ドライブ部材11Cがボルトによってロックアップピストン80Cの内筒部(内周部)に軸方向に間隔をおいて固定される。また、中間部材12Cは、ダンパ装置10Cの軸方向におけるロックアップピストン80Cとドライブ部材11Cとの間に配置され、当該軸方向における中間部材12Cとロックアップピストン80Cとの間には、スラスト軸受90が配置される。これにより、スラスト軸受90の数の増加や大型化を抑制しつつ、入力要素としてのロックアップピストン80により複数の皿ばねSPdからの軸方向のスラスト力を受けることが可能となる。
図8は、本発明の他の実施形態に係るダンパ装置10Dを含む発進装置1Dを示す概略構成図である。なお、発進装置1Dやダンパ装置10Dの構成要素のうち、上述の発進装置1やダンパ装置10と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示す発進装置1Dのダンパ装置10Dは、回転要素として、ドライブ部材(入力要素)11Dと、中間部材(中間要素)12Dと、ドリブン部材(出力要素)15Dとを含む。また、ダンパ装置10Dは、トルク伝達経路上における中間部材12Dとドリブン部材15Dとの間に当該ダンパ装置10D(回転要素)の軸方向に移動自在かつドリブン部材15Dと一体に回転するように配置される移動部材21Dを有する変換機構20Dを含む。変換機構20Dは、ボールねじ機構あるいはカム機構として構成され、中間部材12Dとドリブン部材15Dとの相対回転運動を移動部材21Dの軸方向における直線運動に変換する。
更に、ダンパ装置10Dは、当該ダンパ装置10Dの軸方向に沿って撓む第1弾性体としての複数の皿ばねSPdと、ダンパ装置10D(回転要素)の回転方向に沿って撓む第2弾性体としての複数のコイルスプリングSPcとを含む。複数の皿ばねSPdは、トルク伝達経路上における変換機構20Dの移動部材21Dとドリブン部材15Dとの間に配置され、複数のコイルスプリングSPcは、トルク伝達経路上におけるドライブ部材11Dと中間部材12Dとの間に配置される。加えて、ダンパ装置10Dは、ドリブン部材15Dに対する移動部材21Dの接近移動を規制する軸方向移動規制ストッパ23D(皿ばねSPdの撓みを規制する第1ストッパ)と、中間部材12Dに対する移動部材21Dの回転を規制する回転規制ストッパ24D(第1ストッパ)と、ドライブ部材11Dおよび中間部材12Dの相対回転並びに各コイルスプリングSPcの撓みを規制する回転要素間ストッパ17(第2ストッパ)を含む。このように構成されたダンパ装置10Dにおいても、上述のダンパ装置10,10Bおよび10Cと同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によるダンパ装置は、入力要素、中間要素、および出力要素を含む複数の回転要素を有するダンパ装置において、トルク伝達経路上における前記入力要素と前記中間要素との間に前記回転要素の軸方向に移動自在かつ前記中間要素と一体に回転するように配置される移動部材を有し、前記入力要素と前記中間要素との相対回転運動を前記移動部材の前記軸方向における直線運動に変換する変換機構と、前記トルク伝達経路上における前記変換機構の前記移動部材と前記中間要素との間に配置されて前記軸方向に沿って撓む第1弾性体と、前記トルク伝達経路上における前記中間要素と前記出力要素との間に配置されて前記回転要素の回転方向に沿って撓む第2弾性体とを備え、前記入力要素は、前記移動部材が前記中間要素に接近して前記第1弾性体を圧縮するのに伴って前記中間要素に作用する前記軸方向のスラスト力を受けるように構成されることを特徴とする。
このダンパ装置は、トルク伝達経路上における入力要素と中間要素との間に配置される移動部材を有する変換機構を含む。移動部材は、回転要素の軸方向に移動自在であると共に中間要素と一体に回転可能であり、変換機構は、入力要素と中間要素との相対回転運動を移動部材の当該軸方向における直線運動に変換する。そして、トルク伝達経路上における変換機構の移動部材と中間要素との間には、回転要素の軸方向に沿って撓む第1弾性体が配置され、トルク伝達経路上における中間要素と出力要素との間には、回転要素の回転方向に沿って撓む第2弾性体が配置される。このように、入力要素と中間要素との相対回転運動を移動部材の直線運動に変換し、移動部材を介して第1弾性体を回転要素の軸方向に沿って撓ませることにより、入力要素と出力要素との捩れ角をより大きくして捩り振動の減衰特性をより向上させることができる。また、このダンパ装置では、回転要素の軸方向に沿って撓む第1弾性体と、回転要素の回転方向に沿って撓む第2弾性体とが直列に作用するように配列される。これにより、捩り振動の減衰に第1弾性体を常時用いる必要がなくなることから、入力要素と出力要素との間で回転トルクを伝達するために第1弾性体が発生すべき軸方向の荷重(反力)を低下させることができる。従って、第1弾性体の大型化を抑制し、装置全体をコンパクト化することが可能となる。更に、このダンパ装置において、入力要素は、移動部材が中間要素に接近して第1弾性体を圧縮するのに伴って中間要素に作用する軸方向のスラスト力を受けるように構成される。これにより、第1弾性体からの大きな荷重(反力)すなわち軸方向のスラスト力を受け持つために装置全体が大型化するのを抑制すると共に、当該スラスト力が出力要素に伝達されないようにすることができる。この結果、このダンパ装置では、装置全体のコンパクト化を図りつつ、捩り振動の減衰特性をより向上させることができる。
また、前記ダンパ装置は、前記入力要素の回転速度が前記中間要素の回転速度よりも高いときに、前記移動部材が初期位置から前記中間要素に向けて移動し、かつ前記中間要素の回転速度が前記入力要素の回転速度よりも高いときに、前記移動部材が前記中間要素から前記初期位置に向けて移動すると共に前記初期位置で前記移動部材の前記中間要素から前記入力要素に向かう方向の移動が規制されるように構成されてもよい。
このように構成されるダンパ装置では、入力要素の回転速度が中間要素の回転速度よりも高いときに、移動部材が初期位置から中間要素に向けて移動して第1弾性体を圧縮し、第1弾性体から中間要素に対して当該中間要素を移動部材から離間させる方向のスラスト力が加えられる。これに対して、中間要素の回転速度が入力要素の回転速度よりも高いときには、移動部材が中間要素から初期位置に向けて移動して第1弾性体の圧縮を解除し、初期位置で前記移動部材の前記中間要素から前記入力要素に向かう方向の移動が規制される。従って、このダンパ装置では、移動部材の軸方向の移動に伴って第1弾性体から中間要素に加えられる力の向きを一方向にすることが可能となり、第1弾性体からの軸方向のスラスト力を受け持つために装置全体が大型化するのを良好に抑制することができる。加えて、第1弾性体は、中間要素の回転速度が入力要素の回転速度よりも高くなるとき、すなわち出力要素から入力要素に減速トルクが伝達されるときに、捩り振動の減衰に寄与しなくなり、この際の捩り振動の減衰は、専ら第2弾性体により行われることになる。この結果、中間要素の回転速度が入力要素の回転速度よりも高くなるときに軸方向に沿って撓んで捩り振動を減衰する弾性体を別途用意する必要がなくなるので、ダンパ装置の軸長の増加を良好に抑制することが可能となる。
更に、前記変換機構および前記第1弾性体は、前記第2弾性体を囲むように配置されてもよく、前記変換機構の前記移動部材は、前記軸方向における前記入力要素と前記中間要素との間に配置されてもよく、前記入力要素には、スラスト軸受を介して前記中間要素の前記入力要素とは反対側の面を支持する当接部材が固定されてもよい。これにより、第1弾性体からの軸方向のスラスト力を受けるスラスト軸受の数の増加や大型化を抑制しつつ、入力要素により第1弾性体からの軸方向のスラスト力を受けることが可能となる。
また、前記第2弾性体は、前記変換機構および前記第1弾性体を囲むように配置されてもよく、前記入力要素は、第1入力部材と、前記第1入力部材に前記軸方向に間隔をおいて固定される第2入力部材とを含んでもよく、前記変換機構の前記移動部材は、前記トルク伝達経路上における前記第2入力部材と前記中間要素との間に配置されてもよく、前記中間要素は、前記軸方向における前記第1入力部材と前記第2入力部材との間に配置されてもよく、前記軸方向における前記第1入力部材と前記中間要素との間には、スラスト軸受が配置されてもよい。このような構成を採用しても、第1弾性体からの軸方向のスラスト力を受けるスラスト軸受の数の増加や大型化を抑制しつつ、入力要素により第1弾性体からの軸方向のスラスト力を受けることが可能となる。
更に、前記第1弾性体は、皿ばねであってもよく、前記第2弾性体は、コイルばねであってもよい。これにより、ダンパ装置の軸長の増加をより良好に抑制することが可能となる。
また、前記変換機構は、前記入力要素と前記移動部材とに形成されたねじ溝と、前記ねじ溝を転動するボールとを含むボールねじ機構であってもよい。これにより、損失を低減しつつ、入力要素および中間要素の相対回転運動を移動部材の直線運動に変換することが可能となる。
更に、前記変換機構は、前記入力要素と前記移動部材との一方に形成されたカム面と、前記入力要素と前記移動部材との他方に設けられたカムフォロアとを含むカム機構であってもよい。このような構成を採用しても、損失を低減しつつ、入力要素および中間要素の相対回転運動を移動部材の直線運動に変換することが可能となる。
そして、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本発明は、ダンパ装置の製造分野等において利用可能である。
1,1B,1C,1D 発進装置、3 フロントカバー、4 ポンプインペラ、5 タービンランナ、6 ステータ、7 ダンパハブ、8 ロックアップクラッチ、9 流体伝動室、10,10B,10C,10D ダンパ装置、11,11B,11C,11D ドライブ部材、11c カム面、11s ストッパ凹部、11t ねじ溝、110 環状プレート部材、111 円筒部、12,12C,12D 中間部材、12a スプリング支持部、12ci 内側スプリング当接部、12co 外側スプリング当接部、12f 係合凸部、12s 切欠部、121 第1中間プレート部材、121a 環状壁部、121b 筒状部、121c スプリング当接部、121e 係合凹部、122 第2中間プレート部材、122a 筒状部、122c スプリング当接部、122p 係合突起部、123 第3中間プレート部材、123a スプリング支持部、123c スプリング当接部、15,15C,15D ドリブン部材、15c スプリング当接部、15s ストッパ部、15x 移動規制部、16,16C,17 回転要素間ストッパ、20,20B,20C,20D 変換機構、21,21B,21C,21D 移動部材、21c 側壁部、21d 円筒部、21e 係合凸部、21f 係合凹部、21s ストッパ部、21t ねじ溝、22 ボール、23,23D 軸方向移動規制ストッパ、24,24D 回転規制ストッパ、25 カムフォロア、26 シャフト、40 ポンプシェル、41 ポンプブレード、50 タービンシェル、51 タービンブレード、60 ステータブレード、61 ワンウェイクラッチ、80,80C ロックアップピストン、81 摩擦材、82 ロックアップ室、83 当接部材、85 当接部、90 スラスト軸受、SPc コイルスプリング、SPd 皿ばね。

Claims (7)

  1. 入力要素、中間要素、および出力要素を含む複数の回転要素を有するダンパ装置において、
    トルク伝達経路上における前記入力要素と前記中間要素との間に前記回転要素の軸方向に移動自在かつ前記中間要素と一体に回転するように配置される移動部材を有し、前記入力要素と前記中間要素との相対回転運動を前記移動部材の前記軸方向における直線運動に変換する変換機構と、
    前記トルク伝達経路上における前記変換機構の前記移動部材と前記中間要素との間に配置されて前記軸方向に沿って撓む第1弾性体と、
    前記トルク伝達経路上における前記中間要素と前記出力要素との間に配置されて前記回転要素の回転方向に沿って撓む第2弾性体とを備え、
    前記入力要素は、前記移動部材が前記中間要素に接近して前記第1弾性体を圧縮するのに伴って前記中間要素に作用する前記軸方向のスラスト力を受けるように構成されることを特徴とするダンパ装置。
  2. 請求項1に記載のダンパ装置において、
    前記入力要素の回転速度が前記中間要素の回転速度よりも高いときに、前記移動部材が初期位置から前記中間要素に向けて移動し、かつ前記中間要素の回転速度が前記入力要素の回転速度よりも高いときに、前記移動部材が前記中間要素から前記初期位置に向けて移動すると共に前記初期位置で前記移動部材の前記中間要素から前記入力要素に向かう方向の移動が規制されるように構成されることを特徴とするダンパ装置。
  3. 請求項1または2に記載のダンパ装置において、
    前記変換機構および前記第1弾性体は、前記第2弾性体を囲むように配置され、
    前記変換機構の前記移動部材は、前記軸方向における前記入力要素と前記中間要素との間に配置され、
    前記入力要素には、スラスト軸受を介して前記中間要素の前記入力要素とは反対側の面を支持する当接部材が固定されることを特徴とするダンパ装置。
  4. 請求項1または2に記載のダンパ装置において、
    前記第2弾性体は、前記変換機構および前記第1弾性体を囲むように配置され、
    前記入力要素は、第1入力部材と、前記第1入力部材に前記軸方向に間隔をおいて固定される第2入力部材とを含み、
    前記変換機構の前記移動部材は、前記トルク伝達経路上における前記第2入力部材と前記中間要素との間に配置され、
    前記中間要素は、前記軸方向における前記第1入力部材と前記第2入力部材との間に配置され、
    前記軸方向における前記第1入力部材と前記中間要素との間には、スラスト軸受が配置されることを特徴とするダンパ装置。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載のダンパ装置において、
    前記第1弾性体は、皿ばねであり、前記第2弾性体は、コイルばねであることを特徴とするダンパ装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載のダンパ装置において、
    前記変換機構は、前記入力要素と前記移動部材とに形成されたねじ溝と、前記ねじ溝を転動するボールとを含むボールねじ機構であることを特徴とするダンパ装置。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載のダンパ装置において、
    前記変換機構は、前記入力要素と前記移動部材との一方に形成されたカム面と、前記入力要素と前記移動部材との他方に設けられたカムフォロアとを含むカム機構であることを特徴とするダンパ装置。
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