JP2015229428A - 船舶設計支援プログラム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態1に係る船舶設計支援プログラム120を実行するコンピュータ100およびその周辺構成を示す図である。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)110、船舶設計支援プログラム120、記憶装置130を備える。記憶装置130は構造データ131を格納している。
船舶設計支援プログラム120は、記憶装置130から構造データ131を読み取り、構造データ131の記述にしたがって、重複しない辺のリストを作成する。辺が重複するとは、例えば図2(b)の原点から左下点に向かう辺と左下点から原点に向かう辺を、互いに異なる2つの辺とみなすことである。同じ辺を重複して探索するのは処理効率が悪いので、このような辺重複をあらかじめ本ステップにより排除することとした。
船舶設計支援プログラム120は、ステップS502で作成した辺リストに含まれる各辺について、以下のステップS503〜S505を網羅的に実施する。
船舶設計支援プログラム120は、辺リスト内の適当な辺(およびその端点)を取り出し(S503)、図3で説明した手法により所定方向(図3においては左方向)に向かって点および辺を辿るとともに、各辺について辿った方向を記憶しておく(S504)。船舶設計支援プログラム120は、両方向に辿った辺が存在する場合は、その時点でその辺を辺リストから削除する(S505)。船舶設計支援プログラム120は、これらステップにおいて開始位置に戻ってくることができた経路については、その経路によって囲まれる領域を閉区間候補として抽出する。
船舶設計支援プログラム120は、ステップS502〜S505によって抽出された各閉区間候補の面積を、断面0次モーメントとして計算する。面積が0以下となった閉区間候補については削除する。船舶設計支援プログラム120は、閉区間候補を構成する点と辺のリストを記述したデータを、例えば記憶装置130など適当な出力先へ出力する。
以上のように、本実施形態1に係る船舶設計支援プログラム120は、構造データ131が記述している点を一定方向に辿って元の開始位置へ戻ることができた場合は、その経路によって囲まれる領域を閉区画候補として抽出する。両方向に辿った辺については探索対象から削除する。閉区画候補の断面0次モーメントが0以下である場合は、その閉区画候補は削除する。以上の手法により、構造データ131が記述している点と辺を効率的に自動探索して閉区間候補を抽出するとともに、閉区画とみなすのに適していない候補を除去することができる。
図6は、構造データ131の変形例を示す図である。構造データ131は、図6の「ヒゲ」が示すように、検出対象となる閉区画を構成しない点や辺を含む場合がある。本発明の実施形態2では、船舶設計支援プログラム120がこのような点や線をあらかじめ削除する手法について説明する。その他構成は実施形態1と同様である。
実施形態1〜2においては、構造データ131は単一の独立グラフ(他のグラフと接続されていないグラフ)を形成する断面構造を記述していることを前提として説明した。すなわち、点と辺の集合によって構成されるグラフは1つのみであった。しかし実際の船舶の断面構造においては、複数の独立グラフが含まれる場合がある。そこで本発明の実施形態3に係る船舶設計支援プログラム120は、実施形態1〜2で説明した処理の前に、構造データ131から独立グラフを抽出する。その他は実施形態1〜2と同様である。
船舶設計支援プログラム120は、構造データ131が記述している辺のリストから隣接行列Mを作成する。隣接行列Mは、点iと点jを結ぶ辺があるとき、要素M(i,j)とM(j,i)がともに1であるような行列である。
船舶設計支援プログラム120は、点i=1,・・・N(点の総数)について隣接行列Mを順次掛け合わせ、MNを求める。隣接行列Mは接続されている点間の辺に対応する要素が1である行列であるため、これを各点について掛け合わせていくにしたがって、接続されている辺に対応する要素が1以上でありその他の要素が0である行列に収斂されていく。
船舶設計支援プログラム120は、ステップS702で求めた行列MNにしたがって各点間の接続関係を特定することにより、グラフを抽出する。さらに、他のグラフと接続されていないグラフを特定することにより、独立グラフを抽出することができる。
図7右側の図は、行列MNによって表される独立グラフのイメージ図である。行列MNの行iの要素は、点iと接続されている点については要素値が1以上であり、点iと接続されていない点については要素値が0となっている。隣接行列Mは対称行列であるため、列iについても同様の値となっている。したがって行列MNを整列して独立グラフを構成する要素値を纏めると、図7右図のように各独立グラフに対応する部分が1つの塊となって現れる。ただし図7右図は、行列MNが表す各独立グラフを視覚的に把握できるようにしたものであるため、船舶設計支援プログラム120自身にとっては図7右図のような整列を実施する必要はない。
実施形態1〜3においては、船舶の断面構造が有する1以上の独立グラフ内に含まれる閉区画を特定する手法を説明した。この手法は通常であれば正しい結果を得られると考えられるが、得られた結果が幾何学的に正しいことを念のため確認することが望ましい。そこで本発明の実施形態4に係る船舶設計支援プログラム120は、実施形態1〜3の手法を実施した後、以下に説明する手法により閉区画の特定結果が妥当であることをチェックする。その他の構成は実施形態1〜3と同様である。
Claims (5)
- 船舶の構造を設計することを支援する処理をコンピュータに実行させる船舶設計支援プログラムであって、前記コンピュータに、
前記船舶の断面構造を表す点の座標と前記点間を結ぶ辺を指定する情報を記述した構造データを記憶装置から読み取るステップ、
前記船舶の断面におけるいずれかの前記点を開始位置として前記辺を一定方向に辿り前記開始位置まで戻ってくることにより、前記船舶の断面における閉区画候補を特定する閉区画列挙ステップ、
前記閉区画列挙ステップを実行する過程において辿った前記点と前記辺を、辿った方向と併せて記憶しておく方向記憶ステップ、
前記船舶の断面における各前記点をそれぞれ前記開始位置として前記閉区画列挙ステップと前記方向記憶ステップを実行するステップ、
前記閉区画列挙ステップと前記方向記憶ステップにおいて互いに反対向きの2方向に沿って辿った前記辺を削除するステップ、
各前記閉区画候補の断面0次モーメントを求めることにより各前記閉区画候補の面積を求め、面積が0以下となった前記閉区画候補を削除するステップ、
前記閉区画候補を構成する前記点および前記辺のリストを、前記船舶の断面における閉区画を特定するデータとして出力するステップ、
を実行させることを特徴とする船舶設計支援プログラム。 - 前記船舶設計支援プログラムは、前記コンピュータに、前記閉区画列挙ステップの前において、接続されている前記辺が1つのみである前記点、およびその点に接続されている前記辺を削除する余剰点削除ステップを実行させる
ことを特徴とする請求項1記載の船舶設計支援プログラム。 - 前記船舶設計支援プログラムは、前記余剰点削除ステップにおいて、前記コンピュータに、
前記構造データが記述している前記点を、接続されている前記辺が少ない順にソートするステップ、
前記ソートによって得られた前記点のリストの先頭から順に、接続されている前記辺が1つのみである前記点、およびその点に接続されている前記辺を削除するステップ、
を実行させることを特徴とする請求項2記載の船舶設計支援プログラム。 - 前記船舶設計支援プログラムは、前記コンピュータに、前記閉区画列挙ステップの前において、前記点と前記辺によって構成される1以上の独立グラフを特定させ、特定した各前記独立グラフそれぞれに対して各前記ステップを実行させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の船舶設計支援プログラム。 - 前記船舶設計支援プログラムは、前記コンピュータに、前記閉区画候補を削除するステップの後において、
オイラーの多面体定理に基づき前記閉区画候補が妥当であるか否かをチェックするステップ、
前記閉区画候補が妥当でない場合はエラーが発生した旨の警告を発するステップ、
を実行させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の船舶設計支援プログラム。
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