これ以降で言及される場合、「WTRU」という用語は、限定することなく、UE(ユーザ機器)、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、PDA(携帯情報端末)、コンピュータ、M2M(マシン対マシン(machine−to−machine))デバイス、センサ、またはワイヤレス環境で動作可能な他の任意のタイプのデバイスを含む。これ以降で言及される場合、「ノードB」という用語は、限定する
ことなく、基地局、サイトコントローラ、AP(アクセスポイント)、またはワイヤレス環境で動作可能な他の任意のタイプのインタフェースデバイスを含む。
ネットワークは、少なくとも1つのダウンリンク搬送波および/または少なくとも1つのアップリンク搬送波を、それぞれアンカーダウンリンク搬送波およびアンカーアップリンク搬送波として割り当てることができる。マルチキャリア動作において、WTRUは、周波数とも呼ばれる搬送波を2つ以上用いて動作するように構成することができる。これらの搬送波の各々は、異なる特性、ならびにネットワークおよびWTRUとの異なる論理的関連性を有することができ、動作周波数は、グループ化することができ、アンカー搬送波またはプライマリ搬送波、ならびに補助搬送波およびセカンダリ搬送波と呼ばれる。これ以降、「アンカー搬送波」と「プライマリ搬送波」という用語、および「補助搬送波」と「セカンダリ搬送波」という用語は、それぞれ交換可能に使用される。3つ以上の搬送波が構成される場合、WTRUは、2つ以上のプライマリ搬送波および/または2つ以上のセカンダリ搬送波を含むことができる。本明細書で説明される実施形態は、これらのシナリオにも同様に適用可能であり、これらのシナリオに合わせて拡張することができる。例えば、アンカー搬送波は、ダウンリンク/アップリンク送信のための特定の1組の制御情報を搬送するための搬送波として定義することができる。アンカー搬送波として割り当てられない搬送波はいずれも、補助搬送波とすることができる。あるいは、ネットワークは、アンカー搬送波を割り当てなくてもよく、いかなる優先度、プリファレンス、またはデフォルトステータスも、ダウンリンク搬送波またはアップリンク搬送波に与えなくてよい。これ以降、「アンカー搬送波」、「プライマリ搬送波」、「アップリンク搬送波1」、「第1の搬送波」、および「第1のアップリンク搬送波」という用語は、便宜上、本明細書では交換可能に使用される。同様に、「補助搬送波」、「セカンダリ搬送波」、「アップリンク搬送波2」、「第2の搬送波」、および「第2のアップリンク搬送波」という用語も、本明細書では交換可能に使用される。マルチキャリア動作の場合、2つ以上の補助搬送波すなわちセカンダリ搬送波が存在し得る。
図2は、アップリンク送信が単一の搬送波160を用いて処理され、ダウンリンク送信が複数の搬送波170を使用して処理される、従来技術によるワイヤレス通信システム100の一例を示している。ワイヤレス通信システム100は、複数のWTRU 110と、ノードB 120と、CRNC(制御無線ネットワークコントローラ(controlling radio network controller))130と、SRNC(サービング無線ネットワークコントローラ(serving radio network controller))140と、コアネットワーク150とを含む。ノードB 120およびCRNC 130は、一括して、UTRANと呼ばれることもある。
図2に示されるように、WTRU 110は、ノードB 120と通信し、ノードB 120は、CRNC 130およびSRNC 140と通信する。図2には、3つのWTRU 110、1つのノードB 120、1つのCRNC 130、および1つのSRNC 140が示されているが、無線および有線デバイスの任意の組合せがワイヤレス通信システム100に含まれ得ることに留意されたい。
図3は、アップリンク送信が複数の搬送波260を使用して処理され、ダウンリンク送信が複数の搬送波270を使用して処理される、実施形態の一例によるワイヤレス通信システム200の一例を示している。ワイヤレス通信システム200は、複数のWTRU 210と、ノードB 220と、CRNC 230と、SRNC(240)と、コアネットワーク250とを含む。ノードB 220およびCRNC 230は、一括して、UTRANと呼ばれることもある。
図3に示されるように、WTRU 210は、ノードB 220と通信し、ノードB 220は、CRNC 230およびSRNC 240と通信する。図3には、3つのWTRU 210、1つのノードB 220、1つのCRNC 230、および1つのSRNC 240が示されているが、無線および有線デバイスの任意の組合せがワイヤレス通信システム200に含まれ得ることに留意されたい。
図4は、図3のワイヤレス通信システム200のWTRU 410およびノードB 220の機能ブロック図である。図3に示されるように、WTRU 410は、ノードB 420と通信し、どちらも、WTRU 410からのアップリンク送信が、複数のアップリンク搬送波460を使用して、ノードB 420に送信される方法を実行するように構成される。WTRU 410は、プロセッサ415と、受信機416と、送信機417と、メモリ418と、アンテナ419と、典型的なWTRUに見出し得る他のコンポーネント(図示されず)とを含む。アンテナ419は、複数のアンテナ要素を含むことができ、または複数のアンテナが、WTRU 410に含まれ得る。メモリ418は、オペレーティングシステム、アプリケーションなどを含む、ソフトウェアを保存するために提供される。プロセッサ415は、単独で、あるいはソフトウェアおよび/またはいずれか1つもしくは複数のコンポーネントと連携して、複数のアップリンク搬送波を用いてアップリンク送信を実行する方法を実行するために提供される。受信機416および送信機417は、プロセッサ415と通信する。受信機116および送信機117は、同時に1つまたは複数の搬送波を受信および送信することが可能である。あるいは、複数の受信機および/または複数の送信機が、WTRU 410に含まれ得る。アンテナ419は、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にするように、受信機416および送信機417の両方と通信する。
ノードB 420は、プロセッサ425と、受信機426と、送信機427と、メモリ428と、アンテナ429と、典型的な基地局に見出し得る他のコンポーネント(図示されず)とを含む。アンテナ429は、複数のアンテナ要素を含むことができ、または複数のアンテナが、ノードB 420に含まれ得る。メモリ428は、オペレーティングシステム、アプリケーションなどを含む、ソフトウェアを保存するために提供される。プロセッサ425は、単独で、あるいはソフトウェアおよび/またはいずれか1つもしくは複数のコンポーネントと連携して、以下で開示される実施形態に従って、WTRU 410からのアップリンク送信が、複数のアップリンク搬送波を使用して、ノードB 420に送信される方法を実行するために提供される。受信機426および送信機427は、プロセッサ425と通信する。受信機426および送信機427は、同時に1つまたは複数の搬送波を受信および送信することが可能である。あるいは、複数の受信機および/または複数の送信機が、ノードB 420に含まれ得る。アンテナ429は、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にするように、受信機426および送信機427の両方と通信する。
本明細書で説明される実施形態は、マルチキャリアアップリンク送信を実施するための、複数のアップリンク搬送波上で電力制御を実行するための、ならびに複数の異なるアップリンク搬送波に電力およびデータを割り当てるための、いくつかの手法を提供する。本明細書で説明される実施形態は、デュアルアップリンク搬送波のシナリオに関して説明されるが、本明細書で説明される実施形態は、任意の数のアップリンク搬送波が実施されるシナリオにも適用可能であることを理解すべきであることを指摘しておく。
本明細書で説明される実施形態は、3GPPリリース4から7に関連するチャネルを参照して説明されるが、実施形態は、LTEリリース8および他の任意のタイプのワイヤレス通信システム、ならびにそこで使用されるチャネルなど、さらなる3GPPリリース(およびそこで使用されるチャネル)にも適用可能であることに留意すべきであることも指摘しておく。本明細書で説明される実施形態は、任意の順序または任意の組合せでも適用可能とし得ることにも留意されたい。
ここで図5を参照すると、両方のアップリンク搬送波520、540上で(すなわち、
デュアル搬送波シナリオにおいて)電力制御を実行し、アップリンク搬送波に電力およびデータを割り当てるための実施形態が、これ以降で説明される。図5〜図7および図9には、アップリンク搬送波およびダウンリンク搬送波によって搬送される特定のチャネルが示されているが、任意のチャネルがそのような搬送波で搬送され得ることを指摘しておく。
一実施形態によれば、アップリンク搬送波520、540上でのアップリンクDPCCH(個別物理制御チャネル(dedicated physical control channel))送信525、545の送信電力は、ノードBによって送信される2つの別個のTPC(送信電力制御)コマンドによって制御される。一方のTPCコマンドは、第1のアップリンク搬送波520の電力を制御し、他方のTPCコマンドは、第2のアップリンク搬送波540の電力を制御する。WTRUは、対応するTPCコマンドに基づいて、各アップリンク搬送波520、540上のDPCCH525、545の電力を変化させる。
ノードBは、アップリンク搬送波のためのTPCコマンドを、そのアップリンク搬送波520、540にそれぞれ対応するダウンリンク搬送波570、590上のF−DPCH560、580を介して送信する。アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波の間のマッピングは、事前に定義することができる。WTRUは一般に、2つの異なるダウンリンク搬送波上で送信される2つのチャネル(例えば、F−DPCH)を聴取することによって、TPCコマンドを獲得するが、もちろん、そのようなコマンドを送信するための異なるチャネルを使用することもできる。
あるいは、ここで図6を参照すると、2つのアップリンク搬送波520、540のためのTPCコマンドは、同じダウンリンク搬送波570(ダウンリンク搬送波570または590の一方を使用できるが、この実施形態では、ダウンリンク搬送波570を使用するものとして示している)上の2つの異なるチャネル562、564を介して送信することができる。この実施形態では、ダウンリンク搬送波の少なくとも一方で他の活動が存在しない場合、WTRUは、両方のダウンリンク搬送波570、590を聴取する必要はない。
図7に示されるさらなる一代替実施形態では、2つのアップリンク搬送波520、540のためのTPCコマンドは、単一のダウンリンク搬送波570(やはり、ダウンリンク搬送波570または590の一方を使用できるが、この実施形態では、ダウンリンク搬送波570を使用するものとして示している)における単一のチャネル562(例えば、F−DPCH)を介して搬送することができる。図8は、この代替実施形態による、F−DPCHスロットフォーマットの一例を示している。F−DPCHスロットフォーマットは、スロット当たり2つのTPCフィールドを含み、TPC1およびTPC2は各々、アップリンク搬送波1およびアップリンク搬送波2のための電力制御コマンド(UPまたはDOWN)をそれぞれ含む。
図7を再び参照すると、両方のアップリンク搬送波のための電力制御コマンドが、F−DPCHチャネルなどの単一のチャネル562を介して送信される、別の代替実施形態では、電力制御コマンドは、時間多重化される。電力制御コマンドの時間多重化は、多くの異なる方法で達成することができる。電力制御コマンドは、アップリンク搬送波1 520とアップリンク搬送波2 520の間で均等に交代する。例えば、電力制御コマンドが対象とするアップリンク搬送波は、以下のようにして決定することができる。
If (現在のCFN(接続フレーム番号(connection frame number))+スロット番号) modulo 2=0
then TPCはアップリンク搬送波1用
Else TPCはアップリンク搬送波2用
例えば、アップリンク搬送波1 520のための電力制御コマンドは、無線スロット#0、2、4、6、8、10、12、および14で搬送することができ、一方、アップリンク搬送波2 540のための電力制御コマンドは、無線スロット#1、3、5、7、9、11、および13で搬送することができ、またはこれの反対である。あるいは、アップリンク搬送波1 520には、アップリンク搬送波2 540よりも多くの電力制御コマンドを割り当てることができる。例えば、アップリンク搬送波1 520のための電力制御コマンドは、無線スロット#0、1、3、4、6、7、9、10、12、および13で搬送することができ、一方、アップリンク搬送波2 540のための電力制御コマンドは、無線スロット#2、5、8、11、および14で搬送することができる。この代替形態は、より多くの電力制御コマンドを提供することで、全体的な効率が向上する理由が存在する場合に、使用することができる。そのようなシナリオは、例えば、アップリンク搬送波1 520が、アップリンク搬送波2 540よりも多くの物理層チャネルを搬送している場合とすることができる。
同期も、搬送波単位に定義することができる。WTRUは、両方の搬送波に対して別々に同期手順を適用することができる。WTRUには、搬送波上での同期ステータスに応じて、その搬送波上での送信を許可することができる。無線リンク障害は、両方の搬送波で同期が失われた場合に宣言することができる。
図7を依然として参照すると、両方のアップリンク搬送波のための電力制御コマンドが、F−DPCHなどの単一のチャネル562を介して送信される、また別の代替シナリオでは、両方のアップリンク搬送波上でのDPCCH送信の送信電力は、このシナリオではF−DPCHを介してノードBによって送信される単一のTPCコマンドによって制御することができる。ノードBからのTPCコマンドが電力を増加させるよう指示する場合、両方のアップリンク搬送波上で電力が(例えば等しく)増加され、TPCコマンドが電力を低減させるよう指示する場合、両方のアップリンク搬送波上で電力が(例えば等しく)低減される。例えば、電力制御コマンドは、単一のTPCフィールド内にジョイント符号化(joint−coded)することができる。NTPC=2およびNTPC=4である場合の、TPCコマンドのジョイント符号化の例が、表1に示されており、ここで、NTPCはTPCコマンドのビット数である。
ここで図9を参照すると、以下の実施形態は、ダウンリンク電力制御を目的とする、アップリンクDPCCHを介するWTRUからノードBへのTPC(送信電力制御)コマンドのアップリンク送信に関する。WTRUは、アップリンク搬送波の一方(この例では920)のみのアップリンクDPCCH 925を介して、TPCコマンドを送信することができる。別のアップリンク搬送波(この例では940)上では、WTRUは、TPCビットを送信する代わりにDTX(不連続送信(discontinuous transmission))を、またはTPCフィールドをもたない新しいスロットフォーマットを使用することができる。TPCコマンドは、例えばF−DPCH 975などのダウンリンクチャネルが送信されるダウンリンク搬送波970上で測定された品質から導出することができる。この手法は、WTRUからの干渉をいくらか低減するという利点を有する。WTRUは、ノードBによるチャネル推定のために使用されるパイロットビットのみを有するアップリンクDPCCH 925、945を送信することができる。
あるいは、WTRUは、両方のアップリンク搬送波920、940のアップリンクDPCCH 925、945を介して、同じTPCコマンドを送信することもできる。TPCコマンドは、F−DPCH 975が送信されるダウンリンク搬送波970上で測定された品質から導出することができる。ノードBは、WTRUからのTPC信号の信頼性を向上させるために、2つのアップリンクDPCCH 925、945からのTPCコマンド信号を組み合わせることができる。
あるいは、WTRUは、各アップリンク搬送波920、940のアップリンクDPCCH 925、945を介して、独立のTPCコマンドを送信することもできる。この場合、アップリンク搬送波920、940上で送信されるTPCコマンドは、F−DPCH 975が送信されるダウンリンク搬送波とは独立の、対応するダウンリンク搬送波(複数可)(図示されず)から測定された信号品質に基づいて導出することができる。この方式は、ダウンリンクチャネルに関するいくらかの追加の情報をネットワークに提供するという利点を有する。
2つのアップリンク搬送波上のアップリンクチャネル925、927、945は、同じに振る舞わないことがあるので、チャネル品質が、一方の搬送波920上では別の搬送波940上でとは異なって変化することがあり得る。一方の搬送波920上ではチャネル品質が変化し、別の搬送波940上ではチャネル品質が変化しないことも可能である。一例では、一方のアップリンク搬送波920上ではチャネル品質が悪化し、他方のアップリンク搬送波940上ではチャネル品質が向上する。この場合、ノードBは、F−DPCH 975上のTPCビットの値を設定するための異なる選択肢を有する。ノードBは、搬送波920、940の一方の品質が閾値を下回る場合は常に、TPCビットを「up」に設定することができ、それ以外の場合は、「down」に設定することができる。この選択肢は、搬送波920、940の一方でアップリンクDPCCHの電力が高くなるという結果をもたらすことができ、ノードBにとってチャネル推定をより容易にする。あるいは、ノードBは、搬送波920、940の一方の品質が閾値を上回る場合は常に、TPCビットを「down」に設定することができ、それ以外の場合は、「up」に設定することができる。この選択肢は、搬送波920、940の一方でアップリンクDPCCH925、945の電力が閾値よりも低くなるという結果をもたらすことができ、そのため、ノードBは、他方の搬送波からの情報を使用して、この搬送波上での許容可能なチャネル推定を導出することができる。
平均アップリンク干渉(ノイズ発生(noise rise))レベルが、両方のアップリンク搬送波920、940で同じではない場合、長期的にはアップリンク搬送波間でチャネル品質の著しい不一致が生じることがある。WTRUは、一方のアップリンク搬送波(例えば920)の送信電力に、他方のアップリンク搬送波(例えば940)と比べて、オフセットを適用することができる。このオフセットは、より高位の層のシグナリング(例えば、RRCシグナリング)などを介して、ネットワークによって伝達することができる。ネットワークは、両方のアップリンク搬送波920、940の平均信号品質が同じか、またはほぼ同じになるように、オフセットを設定することができる。
ネットワークは、(データビットを含む)E−DPDCH 927、947のSIR(信号対干渉比(signal−to−interference ratio))が、両方のアップリンク搬送波920、940でほぼ同じになるように、2つのアップリンク搬送波920、940に対して、基準E−TFCI(E−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインデックス(E−DCH transport format combination index))と対応する利得係数の異なる組を定義することができる。例えば、アップリンク搬送波1 920のDPCCH SIRが、平均で−22dBであり、一方、アップリンク搬送波2 940のDPCCH SIRが、平均で−19dBである場合、(基準E−TFCIが同じならば)アップリンク搬送波2に対して基準利得係数を3dBだけ低く設定することで、両方のアップリンク搬送波920、940および与えられたE−TFCに対して、ほぼ同じE−DPDCH SIRがもたらされる(アップリンク搬送波2 940の基準利得係数は実際には、アップリンク搬送波1 920を下回るように、3dBよりもわずかに低く設定することができ、アップリンク搬送波2 940を用いたより良いチャネル推定が与えられる)。
同期は、搬送波単位で定義することができる。WTRUは、両方の搬送波に別々に同期手順を適用することができる。WTRUには、搬送波上での同期ステータスに応じて、その搬送波上での送信を許可することができる。無線リンク障害は、両方の搬送波で同期が失われた場合に宣言することができる。
図9を依然として参照すると、E−TFC制約および選択のための実施形態が、これ以降で説明される。WTRU送信は、最大許容送信電力によって制約を受けることがある。WTRUの最大許容送信電力は、伝達された設定値とWTRU設計制約によって許容される最大電力との小さい方とすることができる。WTRUの最大許容送信電力は、与えられたTTI(送信時間間隔)における両方のアップリンク搬送波920、940についての合計の最大電力として設定することができ、または搬送波固有とすることができる。後者の場合、同じ最大電力値が、各アップリンク搬送波920、940に割り当てられることがあり、または異なる最大電力値が、各アップリンク搬送波920、940に割り当てられることがある。これは、デバイスの特定の構成(例えば、WTRUの電力増幅器およびアンテナの数)に依存することがあり、ならびに/またはネットワーク制御および構成に依存することもある。合計の最大送信電力および搬送波毎の最大送信電力は、同時に設定することができる。
WTRU挙動および動作は、両方のケースで(すなわち、1つの合計の最大送信電力か、それとも独立の搬送波毎の最大送信電力かで)、まったく異なることがある。したがって、WTRUは、ネットワークが、WTRUが両方のアップリンク搬送波920、940についての合計の最大電力を有するか、それとも各アップリンク搬送波920、940についての搬送波固有の最大電力を有するかを知って、動作をスケジュールし、WTRUによって報告されたアップリンクの電力ヘッドルーム(power headroom)を正しく解釈できるように、WTRUの電力能力(1つの合計の最大電力か、それとも搬送波毎に定義された最大電力か)をネットワークに通知することができる。電力要件が規格で規定されている場合、WTRUは、これらの能力を伝達する必要はない。
図10には、2つのアップリンク搬送波を利用する場合の、E−TFC選択およびMAC−i PDU生成のためのプロセス1000の一例のフロー図が示されている。上で言及したように、搬送波を指すための特定の用語は、本明細書では交換可能に使用されるが、HSPA+タイプのシステムでは、2つの搬送波は、アンカー(すなわちプライマリ)搬送波および補助(すなわちセカンダリ)搬送波と呼ばれることがあり、図10を説明する際には、これらの用語が便宜的に使用されることを指摘しておく。WTRUは、次回のTTI中に送信される2つの(一般にはN個、Nは2以上の整数)新しい送信が存在するかどうかを判定する(ステップ502)。次回のTTI中に1つの新しい送信が存在する(例えば、1つの新しい送信と、先に失敗した送信の1つの再送が存在する)場合、WTRUは、E−TFC選択のためにアップリンク搬送波(新しい送信のための搬送波を)を選択し、新しい送信のためのE−TFC選択手順を実行するが、新しい送信のためにサポートされるE−TFCIは、再送によって使用される電力を減算した後に決定される(ステップ516)。送信される2つの新しい送信が存在する場合、WTRUは、WTRUが電力制限されているかどうか(すなわち、グラント(スケジュールド、非スケジュールド)および制御チャネルが与えられた場合に各搬送波においてWTRUによって使用される合計電力の和が、任意選択的にバックオフ(backoff)も含む、WTRUによって許可された最大電力を超えているか)を判定する(ステップ504)。電力制限されていない場合、プロセス500は、ステップ508に進む。電力制限されている場合、WTRUは、アップリンク搬送波の間で電力割り当てを実行する(ステップ506)。あるいは、WTRUは、電力制限されているかどうかをチェックすることなく、搬送波の間での電力割り当てのために、ステップ506に進むこともできる。電力割り当てが実行されると、WTRUは、一方の搬送波の後に他方の搬送波というように順番に、トランスポートブロックを満たす。
WTRUは、優先度が最も高い送信されるデータを有するMAC−dフローを決定し、選択されたMAC−dフローのHARQプロファイル(HARQ profile)に基づいて、使用する多重化リスト(multiplexing list)および電力オフセットを決定する(ステップ508)。優先度が最も高いMAC−dフローを決定するとき、WTRUは、すべての搬送波について、すべてのMAC−dフローのうちで、利用可能なデータを有するように構成された優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。一代替実施形態では、WTRUは、E−TFC選択または優先度が最も高いMAC−dフローの選択が実行されるすべての搬送波について、与えられた搬送波上での送信を許可されたすべてのMAC−dフローのうちで、優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。WTRUは、複数のアップリンク搬送波のうちで最初にデータで満たすアップリンク搬送波を選択するために、アップリンク搬送波選択手順を実行する(ステップ510)。搬送波選択、MAC−dフロー決定のステップは、必ずしも説明された順序で実行されなくてよく、任意の順序で実行できることに留意されたい。WTRUは、E−TFCIを選択し、またはサポートされる最大ペイロード(すなわち、1組のサポートされるE−TFCI)、残余のスケジュールドグラントペイロード、残余の非スケジュールドグラントペイロード、データ可用性、および論理チャネル優先度に基づいて、選択された搬送波上で送信できるビットの数を決定する(ステップ511)。
WTRUは、選択されたE−TFCに基づいて、選択された搬送波を介するE−DCH送信のためのMAC−eまたはMAC−i PDUを生成する(ステップ512)。選択された搬送波のためにSI(スケジューリング情報(scheduling information))を送信する必要がある場合、WTRUは、他の任意のデータを含める前に、この搬送波上に最初にSIを含めることができる。WTRUが選択された搬送波上の利用可能なスペースを使い尽くした場合、またはTTI中での送信を許可されたバッファからデータがあふれた場合、WTRUは、利用可能な別のアップリンク搬送波が存在するかどうか、またデータがまだ利用可能であるかどうかを判定する(ステップ514)。否定的な判定の場合、プロセス500は終了する。肯定的な判定の場合、プロセス500は、次の搬送波のE−TFCIを選択するために、ステップ510に(または代替としてステップ508に)戻る。
この時点で(ステップ508において)、WTRUは、任意選択的に、送信されるデータを有する優先度が最も高いMAC−dフローを再決定することができる。再選択された優先度が最も高いMAC−dフローは、先に選択された搬送波を満たす前に最初に決定されたMAC−dフローと異なってよい。最も高いMAC−dフローが新たに選択された場合、WTRUは、新たに選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルに基づいて、電力オフセットを決定し、その後、新しい電力オフセットに従って、サポートされる最大ペイロード(または1組のサポートされるE−TFC)および残余のスケジュールドグラントペイロードを決定することができる。あるいは、WTRUは、手順(例えばステップ508)の開始時に一度だけ、MAC−dフロー優先度を決定し、選択されたHARQプロファイルおよび多重化リストを両方の搬送波に適用することができる。これは、WTRUが、両方の搬送波についてのサポートされる最大ペイロード(またはサポートされるE−TFCおよび残余のスケジュールドペイロード)を、並列して同時に、またはE−TFC選択シーケンスに従ってこれらの値が必要とされるときにのみ決定することを暗に示唆する。この場合、2番目に選択された搬送波のために、WTRUは、ステップ510に戻ることができる。プロセス500は、3つ以上のアップリンク搬送波が利用される場合にも適用可能であることに留意されたい。
電力割り当て、搬送波選択、ならびにE−TFC制約および選択の詳細が、以下で説明される。
サポートされる最大ペイロードとは、任意のアップリンク搬送波のために利用可能な電力に基づいて送信できるビットの最大許容数のことである。これは、一例として、サポートされる最大E−TFCIとも呼ばれることがある。例えば、HSPAシステムでは、サポートされる最大ペイロード、または1組のサポートもしくはブロックされるE−TFCIは、E−TFC制約手順の一部として決定され、選択されたHARQオフセットに依存し得る。加えて、1組のサポートされるE−TFCIは、最小セットのE−TFCIにも依存し得る。E−TFC制約およびサポート/ブロックされるE−TFCIの決定のための実施形態が、以下で説明される。
これ以降で言及される場合、MAC−dフローとは、論理チャネル、論理チャネルのグループ、データフロー、データストリーム、もしくはデータサービス、または任意のMACフロー、アプリケーションフローなどのことでもあり得る。本明細書で説明されるすべての概念は、他のデータフローにも等しく適用可能である。例えば、E−DCHのためのHSPAシステムでは、各MAC−dフローは、論理チャネルに関連付けられ(例えば、1対1マッピングが存在し)、それに関連付けられた1から8までの優先度を有する。
一般に、アップリンク送信およびデータ送信のために使用されるスケジューリングメカニズムが存在する。スケジューリングメカニズムは、QoS(サービス品質)要件および/または送信されるデータストリームの優先度によって定義することができる。QoSおよび/またはデータストリームの優先度に応じて、データストリームのいくつかは、多重化されて、1つのTTI中に一緒に送信される許可を得ることができ、または得ることができない。一般に、データフローおよびストリームは、ベストエフォートか、それとも非リアルタイムサービスかでグループ化することができ、いくつかの厳格な遅延要件を有するビットレートサービスを保証される。QoS要件を満たすため、異なるスケジューリングメカニズムが使用され、あるメカニズムは本質的に動的であり、あるメカニズムはあまり動的ではない。
一般に、LTEおよびHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス(high speed uplink packet access))などのワイヤレスシステムは、要求−許可ベースで動作し、WTRUは、アップリンクフィードバックを介して、データを送信する許可を要求し、ノードB(eNB)スケジューラおよび/またはRNCは、いつ、いくつのWTRUがデータを送信する許可を得るかを決定する。これ以降、これは、スケジュールドモード送信(scheduled mode transmission)と呼ばれる。例えば、HSPAシステムでは、送信の要求は、WTRU内にバッファされたデータの量を示す表示、およびWTRUの利用可能な電力余裕(すなわち、UPH(UE電力ヘッドルーム(UE power headroom)))を含む。スケジュールド送信のために使用できる電力は、ノードBによって、絶対グラントおよび相対グラントを通して動的に制御される。
VoIP(ボイスオーバIP(voice over IP))もしくはシグナリング無線ベアラ、または厳格な遅延要件を満たす必要がある他の任意のサービスなど、厳格な遅延要件および保証されたビットレートを有するいくつかのデータストリームの場合、ネットワークは、本質的にあまり動的ではない特別なスケジューリングメカニズムを介して、そのような送信のタイムリな配送を保証することができ、事前スケジュールされた期間およびリソースにおいて、最大で設定されたデータレートまで、WTRUが特定のフローからのデータを送信することを可能にすることができる。例えば、HSPAなどの、いくつかのシステムにおけるこれらのフローは、非スケジュールドフロー(non−scheduled flow)と呼ばれる。LTEなどの他のシステムでは、それらは、準永続的スケジューリングおよび準永続的フローと呼ばれることがある。本明細書で説明される実施形態は、スケジュールドおよび非スケジュールドデータに関して説明されるが、それらは、類似のスケジューリング手順およびデータフロー間の区別を使用する他のシステムにも等しく適用可能であることを理解されたい。
ある送信および可能な再送にリソースを割り当てるために制御チャネルが使用される動的スケジューリングは、リソース割り当てを最適化するための完全な柔軟性を与える。しかし、それは、制御チャネル容量を必要とする。制御チャネル制限問題を回避するため、LTEなどのシステムでは、SPS(準永続的スケジューリング(semi−persistent scheduling))を使用することができ、UMTSなどのシステムでは、非スケジュールド送信を使用することができる。動的スケジューリングまたは(例えば、物理チャネル制御シグナリングを介する)動的グラントベースのメカニズムを使用するフローは、スケジュールド送信と呼ばれる。リソースのより準静的で定期的な割り当てを使用するデータストリームは、非スケジュールド送信と呼ばれる。
例えば、HSPAでは、各MAC−dフローは、スケジュールドまたは非スケジュールドモードの送信を使用するように構成され、WTRUは、スケジュールドフローまたは非スケジュールドフローのためのデータレートを独立に調整する。各非スケジュールドフローの最大データレートは、より高位の層によって設定され、一般に、頻繁には変更されない。
E−TFC選択手順では、WTRUは、非スケジュールドグラントを有する各MAC−dフローについての残余の非スケジュールドグラントペイロードも決定することができ、それは、与えられたMAC−dフローについて設定された非スケジュールドグラントに従って送信を許可されたビットの数のことであり、それに対応する。
上の手順における残余のスケジュールドグラントペイロードとは、ネットワークにより割り当てられたリソースによって送信できる最も高いペイロードのことである。例えば、ネットワークにより割り当てられたリソースとは、サービンググラント(serving grant)、またはHSPAシステムに対して割り当てられたE−DPDCH対DPCCH電力比のことである。アップリンク搬送波についての残余のスケジュールドグラントペイロードを計算するために使用されるサービンググラントの値は、アップリンク搬送波に割り当てられた実際のサービンググラントの値、および選択されたHARQ電力オフセットに基づくことができる。あるいは、プライマリ搬送波および/またはセカンダリ搬送波についての残余のスケジュールドグラントペイロードは、電力割り当てが実行された後のスケーリングされたグラントまたは架空(fictitious)もしくは仮想(virtual)グラントに基づくことができるので、WTRUは、残余のスケジュールドグラントペイロードを決定するために、「仮想」もしくは「架空」サービンググラントまたはスケーリングされたサービンググラントを使用することができる。3つの用語は、交換可能に使用することができ、各搬送波についてのスケジュールド送信のための電力割り当てまたは電力分割のことを指す。グラントのスケーリングは、以下で電力割り当て方式の一部として説明される。あるいは、WTRUが両方のアップリンク搬送波のために1つのサービンググラントを共用する(すなわち、両方のアップリンク搬送波のために1つのサービンググラントが与えられる)場合、WTRUは、サービンググラントの半分を各アップリンク搬送波に対して使用することができる。あるいは、WTRUは、この計算を実行するときに、すべてのサービンググラントが一方のアップリンク搬送波に割り当てられると仮定することができる。
非スケジュールドグラントは、搬送波固有とすることができる(例えば、設定された非スケジュールドグラントの値は、非スケジュールド送信が許可された、ただ1つの搬送波のために割り当てられ、設定される)。非スケジュールド送信が構成/許可される搬送波は、事前に決定することができる(例えば、非スケジュールド送信は、プライマリ搬送波上で、または代替としてセカンダリ搬送波上で許可することができる)。あるいは、そのような搬送波は、ネットワークによって動的に構成することができる。非スケジュールドグラントの値は、搬送波独立とすることができ、その場合、両方の搬送波に対して、合計数が決定される。
データフローは、搬送波固有となるように構成することができる(例えば、ネットワークが、フローおよびこのフローを送信できる関連する搬送波を構成する)。データフローが搬送波固有である場合、WTRUは、各搬送波に対して独立に、E−TFC選択手順を実行することができる。ネットワークは、搬送波に属するHARQプロセスに基づいて、非スケジュールドグラントを提供することができ、またはTTIに適用可能な非スケジュールドグラントを提供することができ、WTRUは、搬送波を選択する。
図5のステップ504において決定されるように、WTRUが電力制限される場合、WTRUは、2つの搬送波にわたる合計の送信電力が最大電力を超過しないという制約内で、電力割り当てを実行し、電力を2つ(または2つ以上)の搬送波の間で分割する。電力制限されていることをUEがどのように決定するかについてのさらなる詳細は、これ以降で説明される。
電力割り当てについての実施形態が、これ以降で開示される。各搬送波に割り当てられる最大送信電力は、多くの方法で計算することができる。一実施形態では、各搬送波上で個々の最大許容スケジュールド送信電力に達するまで、UL搬送波には、電力を等しく割り当てることができ、この最大許容電力は、サービンググラントおよび現在のチャネル状態(例えば、UL DPCCH電力)に基づく。UL搬送波のどちらかにおいて、最大許容スケジュールド送信電力に達すると、さらなる利用可能な送信電力は、他方の搬送波上で最大スケジュールド送信電力に達するか、または最大合計送信電力に達するまで、他方の搬送波に割り当てられる。
Pmaxは、任意選択的にバックオフを含む、両方のアップリンク搬送波にわたって結合された合計の許容最大送信電力を表すとし、Pgranted,zは、グラント(スケジュールドおよび/または非スケジュールド)ならびに制御チャネルに基づいて、搬送波z(z=xもしくはy、またはz=1もしくは2)において許容される最大送信電力を表すとする。搬送波xまたはyは、プライマリ搬送波またはセカンダリ搬送波に対応することができる。3つ以上の搬送波が構成される場合、kを構成される搬送波の数として、すべての搬送波z=1...kに対して、より多くのそのようなPgranted,zが計算されることが理解されよう。一例として、Pgranted,zは、以下のように計算することができる。
Pgranted,z=SG×PDPCCH,z+PDPCCH,z+PE-DPCCH,z+PHS-DPCCH,z 式(1)
搬送波z上で、HS−DPCCHが送信されない場合、項PHS-DPCCH,zは、式(1)から取り除くことができる。任意選択的に、非スケジュールド送信を考慮した場合、搬送波z分に相当する合計送信電力は、以下に等しい。
Pgranted,z=SG×PDPCCH,z+Pnon-SG+PDPCCH,z+PE-DPCCH,z+PHS-DPCCH,z 式(2)
WTRUは、Pgranted,x+Pgranted,y>Pmaxである場合、WTRUが電力制限されると決定する。
この電力割り当て方式は、2つの搬送波の間で使用される電力を均等にすることを目的とする。各搬送波に割り当てられる電力は、以下のように決定することができる(任意選択的に、以下の電力割り当て方式は、WTRUが電力制限状態にある(すなわち、Pmax≦Pgranted,x+Pgranted,yである)場合に実行することができ、それ以外の場合は、電力またはグラントをスケーリングしなくてよい)。
If min(Pmax/2,Pgranted,x,Pgranted,y)=Pmax/2:
Pmax,x=Pmax/2、Pmax,y=Pmax/2;
Else if min(Pmax/2,Pgranted,x,Pgranted,y)=Pgranted,x:
Pmax,x=Pgranted,x、Pmax,y=Pmax−Pgranted,x;
Else(すなわち、min(Pmax/2,Pgranted,x,Pgranted,y)=Pgranted,y):
Pmax,y=Pgranted,y、Pmax,x=Pmax−Pgranted,y
任意選択的に、(例えば、電力制限状態に関わりなく上記の方法が実行される場合)電力には以下に示すように上限を設けることができる。
If min(Pmax/2,Pgranted_x,Pgranted_y)=Pmax/2:
Pmax_x=Pmax/2、Pmax_y=Pmax/2;
Else if min(Pmax/2,Pgranted_x,Pgranted_y)=Pgranted_x:
Pmax_x=Pgranted_x、Pmax_y=min(Pgranted_y,Pmax−Pgranted_x);
Else (すなわち、min(Pmax/2,Pgranted_x,Pgranted_y)=Pgranted_y):
Pmax_y=Pgranted_y、Pmax_x=min(Pgranted_x,Pmax−Pgranted_y)
上で説明された選択肢のどちらかに従って、Pmax,xが決定されると(これは以下で説明されるものにも適用可能である)、使用される最終的なPmax,xは、その搬送波xのための実際のサービンググラントによって割り当てられた許容電力Pgranted xを超過しないことを保証することができる。これは以下の方法で行うことができる。
Pmax x=min(Pmax x,Pgranted x)
任意選択的に、WTRUが電力制限状態にある(例えば、Pmax<Pgranted_x+Pgranted_yである)場合、WTRUは、以下を実行することができる(それ以外の場合は、サービンググラントおよび電力はスケーリングされない)。
If min(Pgranted_x,Pgranted_y)=Pgranted_x(すなわち、Pgrant_x<Pgrant_y)
Pmax_x=min(Pgranted_x,Pmax/2)、Pmax_y=Pmax−Pgranted_x
else
Pmax_y=min(Pgranted_y,Pmax/2)、Pmax_x=Pmax−Pgranted_y
以下も実行することができる。
If min(Pgranted_x,Pgranted_y)=Pgranted_x、すなわちPgrant_x<Pgrant_y
Pmax_x=min(Pgranted_x,Pmax/2)、Pmax_y=min(Pgranted_y,Pmax−Pgranted_x)
else
Pmax_y=min(Pgranted_y,Pmax/2)、Pmax_x=min(Pgranted_x,Pmax−Pgranted_y)
あるいは、両方の搬送波を最小グラントになるまで満たすのに十分な電力がない状況であっても、使用される合計電力が均等になるような方法で、電力を分割することができる。より具体的には、Plowest=min(Pgranted,x,Pgranted,y)とし、2×Plowest<Pmaxである場合、上記の公式は、より多くの電力が搬送波の一方に割り当てられるので、いくらかの電力不均衡をもたらし得る。電力割り当てを最適化するため、以下を実行することができ、Pmax<Pgranted,x+Pgranted,yである場合は、グラントをスケーリングすることができる。
If 2×Plowest<=Pmax
Then θ=Pmax/(2×Plowest)
Pmax,x=θ×Pgranted,x、Pmax,y=θ×Pgranted,y
Else
If Pgranted,x<Pgranted,y
Pmax,x=Pgranted,x(すなわち、SGinput,x=SGx)、Pmax,y=Pmax−Pgranted,x
Else
Pmax,x=Pmax−Pgranted,y、Pmax,y=Pgranted,y
それ以外の場合、電力またはグラントはスケーリングされない。
あるいは、電力割り当てのために、以下を使用することができる。
If Pmax>Pgranted,x+Pgranted,y
何もせず、同じSGを維持する
Else
if min(Pgranted,x,Pgranted,y)=Pgranted,x、すなわちPgranted,x<Pgranted,y
Then Pmax,x=Pgranted,x、すなわちSGmax,x=SGx、Pmax,y=Pmax−Pgranted,x
Else (すなわち、min(Pmax/2,Pgranted,x,Pgranted,y)=Pgranted,y)
Then Pmax,y=Pgranted,y、すなわちSGmax,y=SGy、Pmax,x=Pmax−Pgranted,y
Else if Pgranted,x=Pgranted,y
どちらの場合も、計算されたPmax,xは、E−TFC制約のための新しい制限として使用することができる。あるいは、Pmax,xは、新しいスケーリングされた架空のサービンググラントSGinput x=(Pmax,x−PDPCCH,x−PE-DPCCH,x+PHS-DPCCH,x)/PDPCCH,xを計算するために使用することができる。後者の場合、グラントは、両方の搬送波に対する制限ファクタとすることができる。
あるいは、2つの搬送波の間で使用される合計電力を均等にしようと試みる代わりに、WTRUは、使用されるサービンググラントを均等にしようと試みることができる。最大のE−DPDCH/DPCCH電力比がサービンググラントによって提供されると仮定すると、WTRUは、WTRUが搬送波z={x,y}についてのE−DCHスケジュールド送信のために使用できる電力を、以下のように計算または推定することができる。
PE-DPDCH,z=SGzPDPCCH,z 式(3)
Pgranted,x+Pgranted,y<Pmax、または等価的にPE-DPDCH,x+PE-DPDCH,y>Pmax−(PDPCCH,z+PHS-DPCCH,z+PE-DPCCH,z)=PDATA,maxである場合、両方の搬送波にわたって使用される電力は、スケールダウンし、均等にする必要がある。その後、WTRUは、上と同様の手順を実行することができるが、Pgranted,zおよびPmaxを使用する代わりに、WTRUは、それぞれPE-DPDCH,zおよびPDATA,maxを使用することができる。
任意選択的に、最小電力割り当てまたは電力比を、一方または両方の搬送波に対して定義することができる。
任意選択的に、制御チャネルの送信のための最小電力割り当てPmin,z(z=xまたはy)およびデータの送信のための最小電力比の両方を、一方または両方の搬送波に対して定義することができる。Pmin,zは、以下のように計算することができる。
Pmin,z=PDPCCH,z+PE-DPCCH,z+PHS-DPCCH,z 式(4)
搬送波z上でHS−DPCCHが送信されない場合、項PHS-DPCCH,zは省略することができる。Betaed_min_zが、搬送波z(z=xまたはy)上で最小許容トランスポートブロックサイズを送信するのに必要な電力比を表すとする。制御チャネルの送信のための電力は、以下のように、すなわち、Pmax,x=Pmin,xおよびPmax,y=Pmin,yと割り当てられる。その後、第1の搬送波である搬送波xの最小電力比要件を満足するように、残余の電力を以下のように割り当てる。
Premaining=Pmax−(Pmax,x+Pmax,y)と設定する。
If Premaining>Betaed_min,x×PDPCCH,x
Then Pmax,x=Betaed_min,x×PDPCCH,x+Pmax,xと設定する
Else
Premainingを任意選択的に搬送波yに割り当てることができる
Pmax,y=Pmax,y+Premaining
その後、第2の搬送波である搬送波yの最小電力比要件を満足するように、残余の電力を以下のように割り当てることができる。
Premaining=Pmax−(Pmax,x+Pmax,y)と設定する。
If Premaining>Betaed_min,y×PDPCCH,y
Then Pmax,y=Betaed_min,y×PDPCCH,y+Pmax,yと設定する
Else
Premainingを任意選択的に搬送波xに割り当てることができる
Pmax,x=Pmax,x+Premaining
その後、残余の電力は、本明細書で開示される実施形態のいずれかに従って(例えば、各搬送波について比を計算することによって)、両方の搬送波に割り当てることができる。
上の実施形態では、搬送波xと搬送波yは、交換することができる。残余の電力を最初に割り当てる搬送波は、以下の基準のいずれか、または上で開示された搬送波選択基準のいずれかを使用して選択することができる。搬送波xまたはアンカー搬送波を、最初に選択することができる。あるいは、最も大きい電力ヘッドルームを有する搬送波を、最初に選択することができる。あるいは、最も大きいサービンググラントを有する搬送波を、最初に選択することができる。
代替的な電力割り当て実施形態では、最大許容電力比になるまで電力比が2つの搬送波に等しく分配されるように、電力を各搬送波に割り当てることができる。これは、データの送信のための電力比(すなわち、Betaed)の代わりに、絶対電力が割り当てられる先の実施形態とは対照的である。Pmaxは、両方の搬送波にわたって結合された合計の最大送信電力を表す。SGzは、搬送波z(z=xまたはy)におけるサービンググラント(または等価的にスケジューリンググラント)を表す。PRzは、E−DCHの送信のために搬送波zに割り当てられる電力比を表す。PDPCCH,zは、搬送波z上でのUL DPCCHの送信電力を表す。PCzは、搬送波z上での(UL DPCCHを含む)制御チャネルの送信電力を表す。
PRxは、合計送信電力になるまで両方の搬送波に電力比が等しく割り当てられると仮定して、以下のように計算することができる。
PRx=PRy=(Pmax−PCx−PCy)/(PDPCCH,x+PDPCCH,y)
PRxがSGxを超過した場合、残余の電力を、以下のように搬送波yに割り当てることができる。
If PRx>SGx Then
PRx=SGxと設定する
PRy=(Pmax−PCx−PCy−PRx×PDPCCH,x)/PDPCCH,yと設定する
PRyがSGyを超過した場合、残余の電力を、以下のように搬送波xに割り当てることができる。
If PRy>SGy Then
PRy=SGyと設定する
PRx=min(SGx,((Pmax−PCx−PCy−PRx×PDPCCH,x)/PDPCCH,x))と設定する
搬送波zについての最大送信電力は、以下のように計算することができる。
Pmax,z=PRz×PDPCCH,z+PCz
任意選択的に、各搬送波について、最小電力比PRmin,zを定義することができる。この場合、上の式は、以下のように変更することができる。PRzは、合計送信電力になるまで両方の搬送波に電力比が等しく割り当てられると仮定して、以下のように計算することができる。
PRx=PRy=(Pmax−PCx−PCy)/(PDPCCH,x+PDPCCH,y)
その後、最小電力比が搬送波xに割り当てられたこと(PRmin,xが設定され、0より大きいかどうか)が、以下のように検証される。
If PRx<PRmin,x then
搬送波xに割り当てられた電力を搬送波yに割り当てる
PRy=(Pmax−PCx−PCy)/PDPCCH,y
PRx=0
その後、最小電力比が搬送波yに割り当てられたこと(PRmin,yが設定され、0より大きいかどうか)が、以下のように検証される。
If PRy<PRmin,y then
搬送波yに割り当てられた電力を搬送波xに割り当てる
PRx=(Pmax−PCx−PCy)/PDPCCH,x
PRy=0
搬送波xと搬送波yは、交換することができる。搬送波xまたはアンカー搬送波を、最初に選択することができる。あるいは、最も大きい電力ヘッドルームを有する搬送波、または最も大きいサービンググラントを有する搬送波を、最初に選択することができる。
浪費される電力を低減するための電力割り当て実施形態が、これ以降で開示される。これらは、上で開示された電力割り当て実施形態と組み合わせることができる。電力および/またはグラントの並列的な割り当ては、より低い電力不均衡をもたらすことができるが、グラントがスケールダウンされた場合、電力の浪費が生じることがあり、WTRUは、MAC−dフロー多重化制約に起因する、第1の搬送波におけるバッファ制限を被る。
一実施形態によれば、WTRUは、搬送波の間で電力を均衡させるために、電力またはグラントをスケーリングするスケーリング係数を決定することができる。スケーリング係数またはスケーリング値は、各搬送波についてのサービンググラントまたは電力に適用可能とすることができ、任意の方法によって計算できることが理解されよう。スケーリング係数は、θと呼ばれ、またはρzと呼ばれることもある。
最大のE−DPDCH/DPCCH電力比がサービンググラントによって提供されると仮定すると、WTRUは、WTRUが搬送波z={x,y}(例えば、x=1およびy=2、または代替として、x=2およびy=1)についてのE−DCHスケジュールド送信のために使用できる電力を、以下のように計算または推定することができる。
PE-DPDCH,z=SGz×PDPCCH,z 式(5)
任意選択的に、PE-DPDCH,zは、割り当てられたサービンググラントおよび(許容されるならば)搬送波における非スケジュールドグラントに従って、スケジュールドおよび非スケジュールド送信を送信するために必要とされる電力を含むことができ、または代替として、非スケジュールド送信のために必要とされる電力は、以下に示されるように、搬送波zについての合計送信電力の計算において獲得される。
電力が制限される場合、WTRUは、使用される合計電力が最大電力Pmaxを超過しないように、各搬送波に関連付けられる送信電力を低減させる必要がある。WTRUは、Px+Py>Pmaxである場合、または等価的に、PE-DPDCH,x+PE-DPDCH,y>Pmax−(PDPCCH,z+PHS-DPCCH,z+PE-DPCCH,z)=PDATA,maxである場合、電力制限状態にあると見なすことができる。Pzは、非スケジュールド送信を含むことも、または含まないこともある、搬送波z上での送信のために使用される合計電力に対応し、以下のように決定される。
Pz=PDPCCH,z+PHS-DPCCH,z+PE-DPCCH,z+PE-DPDCH,z 式(6)
(許容されるならば)非スケジュールド電力が搬送波zについて考慮される任意選択的な Pz=PDPCCH,z+PHS-DPCCH,z+PE-DPCCH,z+PE-DPDCH,z+Pnon-SG,z 式(7)
PDATA,maxは、E−DCHトラフィックに割り当てることができる電力を表す。最初に、WTRUが電力制限されている場合の第1のステップとして、WTRUは、PE-DPDCH,xおよび/もしくはPE-DPDCH,yをスケーリングするために、またはサービンググラントをスケーリングするために使用できる、スケーリング係数θ=PDATA,max/(PE-DPDCH,x+PE-DPDCH,y)を計算する。
この実施形態の一部として、使用されるPmaxは、最悪ケースのバックオフ状況(すなわち、WTRUがサービンググラントに従ってPE-DPDCH,zを送信した場合にもたらされるバックオフ)を考慮することができる。しかし、WTRUが電力制限される場合、実際のPE-DPDCH,z,usedはサービンググラントによって提供される値よりも低い値に対応し、したがって、実際のバックオフははるかに低くなり得るので、この考慮は、WTRUの電力が浪費される結果をもたらすことがある。E−DPCCH電力昇圧(power boosting)が設定される場合、同じことが、推定されるPE_DPCCH,z値にも当てはまる。WTRUは、SGzに従った最終的なPE-DPDCH,zレベルを仮定して、最悪ケースシナリオの値を使用することができる。しかし、使用されるPE-DPDCH,z,usedは、サービンググラントによって許容される値よりも低い値をもたらす可能性がきわめて高く、したがって、PE-DPCCHzは、式中で使用される仮定された電力よりも低くなることがあるので、この場合にも、電力浪費が生じることがある。したがって、電力を浪費しないように、WTRUは、どのようなバックオフも考慮せずに、または代替として、最も低いバックオフおよび最小許容PE-DPCCH,z値とともに、Pmaxを使用することができる。
スケーリング係数または値が決定されると、WTRUは、このスケーリング係数または値を一方の搬送波に対して使用して、他方の搬送波が、残余の電力および許容されたサービンググラントを完全に使用することを可能にすることができる。より具体的には、ジョイントバッファからのデータは、順序通りの配送を保証するために、順番に取り出して、一度に1つの搬送波を満たさなければならず、優先度が最も高いMAC−dフローの決定は、バッファ制約および多重化制約に応じて、したがって、HARQプロファイル(オフセットおよび再送が異なることがある)、ならびにE−TFC制約に応じて、2つの搬送波で異なることがあるので、E−TFCI決定(およびデータフィリング(data filling))は、一度に1つの搬送波ずつ順番に実行しなけれならないことがあり、またはより具体的には、1組のサポートされるE−TFCIは、使用されるHARQオフセットに依存し、また第2の搬送波におけるバックオフも、E−TFC(他方の搬送波で送信される符号の量)に依存するので、サポートされるE−TFCIの決定は、順番に行う必要がある。
この実施形態によれば、決定されるスケーリング係数または値は、最初に選択された搬送波にのみ適用することができる。これは、WTRUが使用を許可された絶対最大E−DPDCH対DPCCH電力比を最初の搬送波に課すことができる。搬送波xのE−DPDCHに関連する変更された電力レベルは、PE_DPDCH,mod,x=θ×PE-DPDCH,xとして計算することができ、ここで、xは、E−TFC選択を最初に実行するために最初に選択された搬送波である。その後、この電力は、架空の「サービンググラント」SGinput,x=θ×SGxにマッピングすることができる。
WTRUは、搬送波xのためのE−TFC選択の部分として、優先度が最も高いMAC−dフロー、多重化リスト、およびHARQプロファイルを決定し、WTRUがいくつのビットをこの最初の搬送波内に収めることができるかを決定するために、E−TFC選択手順を実行する。その後、WTRUは、搬送波xのためのE−TFC制約の一部として、1組のサポートされるE−TFCを決定する。E−TFC制約は、搬送波に対して順番に実行することができる。例えば、この手法では、WTRUは、1組のサポートされるE−TFCを決定する場合に、WTRUが十分な利用可能な電力を有し、E−DPDCHおよびE−DPCCHが他方の搬送波で送信されないことを仮定することができる(すなわち、スケーリングされたサービンググラントが、WTRUが一定の電力割り当てを超過しないことを保証する)。
その後、WTRUは、スケジュールド送信のための最大ビット数kを決定するために使用される最大E−DPDCH/DPCCHの値として、SGinput,x=θ×SGxを使用する。論理チャネルまたはMAC−dフロー優先度、バッファ可用性、架空スケジュールドグラント、および非スケジュールドグラントに基づいて、その後、WTRUは、搬送波xのためのE−TFCIを決定する。
最初の搬送波が選択され、この搬送波に含まれ得るビットの数が決定されると、WTRUは、他方の搬送波である搬送波yに対してE−TFC選択を実行する。最初の搬送波におけるバッファ制限が原因で、SGinput,xによって与えられる許容電力のすべてが使用できたわけではないので、他方の搬送波に対してE−TFC選択を実行する場合、WTRUは、実際に提供されるサービンググラントまで、残余の電力のすべてを使用できると仮定する。より具体的には、SGinput,y=SGyであり、または等価的に、SGinput,y=θ×SGyが成り立つように、スケーリング係数θ=1である。任意選択的に、Pmax,y=Pmaxであると見なすこともできる。
この方式は、未使用の電力が第2の搬送波によって使用されることを可能にするが、並列的な割り当て方式は、第1の搬送波の電力が割り当てられた電力を決して超過せず、したがって、第2の搬送波における電力もそれを決して超過しないことを依然として保証している。したがって、搬送波yに対して、WTRUは、優先度がより高い新しいMAC−dフロー、ならびに新しい搬送波のための新しい多重化リストおよびHARQプロファイルを決定することができる。残余の全電力がこの搬送波で利用可能であり、他方の搬送波xにおいてE−DPDCHおよびE−DPCCHのために使用される電力が考慮されると仮定して、この搬送波に対して、E−TFC制約が実行される。その後、WTRUは、1組のサポートされるE−TFC、搬送波yの実際のサービンググラント、およびバッファ可用性に基づいて、搬送波yのために使用するビットの数またはE−TFCIを決定する。
このメカニズムは、以下のことを保証する。搬送波xに対して十分なデータが存在する(すなわち、SGinput,xが完全に使用されるか、またはPE-DPDCHused,x=PE-DPDCHmod,xである(これは初期電力割り当て方式で使用されるような近似である)場合、
PE-DPDCHusedmax,y=PDATA,max−PE-DPDCHused,x=PDATA,max−PE-DPDCHmod,x=PE-DPDCHmod,y 式(8)
である。これは、不均衡および割り当てが、両方のグラントがスケーリングされたかのようであることを意味する。搬送波xに対して十分なデータが存在しない(すなわち、SGinput,xが完全には使用されないか、またはPE-DPDCHused,x<PE-DPDCHmod,xである)場合、第2の搬送波によって、PE-DPDCHmod,x−PE-DPDCHused,xが使用される。これは、PE-DPDCHusedmax,y=PDATA,max−PE-DPDCHused,x<PDATA,max−PE-DPDCHmod,x<PE-DPDCHmod,y)であり、したがって、PE-DPDCHmod,y<PE-DPDCHusedmax,y<PE-DPDCH,yであることを保証する。
したがって、これは時に、スケーリングされたPy,newよりも高い電力をわずかに利用する第2の搬送波をもたらすことがあるが、電力が浪費されず、電力不均衡が依然として許容範囲内にあることを保証している。
あるいは、WTRUは、Pinput,E-DPDCHy=PData−PE-DPDCHused,xという追加の計算を実行することができる。Pinput,E-DPDCHyは、PE-DPDCHmod,yに対応し、SGinpnt,y=Pinput,E-DPDCHy/PDPCCHyを計算するために使用することができる。
あるいは、SGおよびDPCCH電力に基づいて、電力を割り当てることもできる。各搬送波における電力は、その搬送波におけるサービンググラントとDPCCH電力の比に関してスケーリングすることができる。より具体的には、各搬送波上でE−DPDCHに対して割り当てられる残余の電力の割合ρzは、以下のように、スケーリング係数Wz、z=x,yに基づくことができ、
ρz=Wz/(Wx+Wy) 式(9)
ここで、Wz=SGz/(PDPCCH,z)z=x,yであり、SGzおよびPDPCCH,zは、それぞれ搬送波zにおけるサービンググラントおよびDPCCH電力である。
この手法は有望な結果を示したが、DPCCH電力レベルは素早く変化し、この情報はノードBのスケジューラでは利用不能であるので、WTRUによって各搬送波において使用される電力量をネットワークが予測することは困難なままである。
あるいは、Wzを計算するときに、DPCCH電力の平均値を使用することができる。
この平均は、多くの方法で取ることができる。例えば、WTRUは、固定された時間間隔(スライディングウィンドウ)にわたって平均されたDPCCH電力を計算することができる。この時間間隔は、仕様書で規定することができ、または任意選択的に、この時間間隔は、ネットワークによって設定することができる。WTRUは、UPHの計算で使用された平均DPCCH電力を使用することができる。WTRUは、最後に送信されたSIについてのUPHの計算で使用された平均DPCCH電力を使用することができる。WTRUは、最後に正常に送信されたSIについてのUPHの計算で使用された平均DPCCH電力を使用することができる。WTRUは、最後に正常に送信された定期的なSIについてのUPHの計算で使用された平均DPCCH電力を使用することができる。DPCCH電力推定のこの手法は、DPCCHの電力を必要とする電力割り当て方式のいずれに対しても使用することができる。
非スケジュールド送信を考慮する並列的な電力割り当て方式が、これ以降で説明される。ネットワークは、搬送波に属するHARQプロセスに基づいて非スケジュールドグラントを与え、またはTTIに適用可能な非スケジュールドグラントを与え、WTRUが、搬送波を選択する。
搬送波を満たす前に、最大電力がスケーリングされ、両方の搬送波の間で割り当てられる、並列的な電力割り当て方式のための実施形態では、非スケジュールドデータおよびそれらの送信に関連する優先度は、考慮されなかった。非スケジュールドデータの送信は、プライマリ搬送波上でのみ許可することができる。これは、WTRUが電力制限状態にある場合、および電力が両方の搬送波にわたって分割される場合、非スケジュールド送信のために使用できた電力の一部が、非スケジュールドデータを送信できない他方の搬送波に割り当てられたため、WTRUは、すべての許容される非スケジュールドデータを完全には送信できないことがあることを意味する。判定は、図10のステップ504において行うことができる。WTRUは、Px+Py>Pmaxである場合、電力制限状態にあると判定することができる。Pxは、SGに基づいてE−DCHスケジュールドデータを送信するのに必要とされる電力、E−DCH非スケジュールド送信を送信するのに必要とされる電力、E−DPCCH、DPCCH符号電力、および存在するならばHS−DPCCH電力に従って、計算することができる。例えば、Px=(SG×PDPCCH+Pnon-SG+PDPCCH+PHS-DPCCH+PE-DPCCH)である。Pyは、上記の実施形態において説明されたように計算することができる。この例では、搬送波xが、非スケジュールド送信が実行される搬送波に対応することが理解されよう。
一実施形態によれば、電力を搬送波の間で分割する前に、WTRUは、許容される利用可能な(利用可能であれば)非スケジュールド送信を送信するのにWTRUが必要とする電力を、プライマリ搬送波に割り当てようと試みる。Pnon-SGは、与えられたTTI中に許容される非スケジュールドMAC−dフロー(例えば、許容されるMAC−dフローの各々または利用可能なデータを有する許容されるMAC−dフローの各々についての残余の非スケジュールドグラントペイロードの和)を送信するのに必要とされる電力と呼ばれる。許容されるMAC−dフローは、優先度が最も高いMAC−dフローの多重化リストに従って決定される。
Pnon-SGは、すべての許容される利用可能な非スケジュールドMAC−dフローを送信するのに必要とされる電力を決定することによって、計算することができる。上で説明したように、これは、許容される利用可能な各非スケジュールドフローについての残余の非スケジュールドグラントペイロードの合計または和を送信するのに必要とされる電力とすることができる。あるいは、これは、設定された非スケジュールドグラントを利用可能なビット数まで加算し、利得係数、または最も優先度が高いMAC−dフローのHARQオフセットを与えた場合に計算されたビット数を送信するのに必要とされる電力を決定することによって、計算することができる。この方法の使用は、WTRUが、データの可用性に従って必要とされる電力をより正確に計算することを可能にする。利用可能なビット数は、WTRUがより多くの非スケジュールドグラントを有する場合でも、制限ファクタとすることができる。したがって、送信できる許容される各MAC−dフローの「非スケジュールドビットの数」は、min(残余の非スケジュールドペイロード,利用可能なビットの数)に対応することができる。
非スケジュールドグラントおよび利用可能なビットに基づいて送信できるビットの総数は、Nに等しく、ここで、N=Σ(優先度が最も高いMAC−dフローおよび多重化リストに従って許容されるMAC−dフロー当たりの非スケジュールドデータ)であり、MAC−dフロー当たりの非スケジュールドデータは、min(利用可能な非スケジュールドデータ,非スケジュールドグラント)として、または(定義上、非スケジュールドグラントのことである)残余の非スケジュールドグラントペイロードとして決定することができる。任意選択的に、ヘッダを考慮することができる。その後、WTRUは、Nビットを送信するのに必要とされる電力、またはこのデータの送信を可能にするE−TFCI、Pnon-SGを決定することができる。許容されるMAC−dフローは、与えられたTTI中に送信を許可されたMAC−dフロー、および/または利用可能なデータを有する優先度が最も高いMAC−dフロー、もしくは与えられた搬送波について利用可能なデータを有する優先度が最も高いMAC−dフロー、もしくは(スケジュールド送信を排除した)優先度が最も高い非スケジュールドMAC−dフローの多重化リストに従って許容されるMAC−dフローに対応する。任意選択的に、Pnon-SGは、計算において、DPCCH電力および利用可能ならばHS−DPCCH電力を考慮することができ、または代替として、
Pnon-SG=利得係数×DPCCH電力(プライマリ搬送波DPCCH電力) 式(10)
と等価とすることができ、ここで、利得係数は、例えば、3GPP TS25.214の、E−DPDCH電力外挿公式、または代替として、E−DPDCH電力補間公式を使用して、非スケジュールド送信について計算されるE−DPDCH利得係数である。利得係数計算は、利用可能な非スケジュールドデータが存在する優先度が最も高いMAC−dフロー、もしくは代替として、任意の種類の利用可能なデータが存在する優先度が最も高いMAC−dフローのHARQオフセット、または代替として、事前設定されたHARQオフセットを潜在的に使用することができる。
Pnon-SGが与えられた場合、その後、両方の搬送波の間での電力割り当てを、以下の選択肢の一方で決定することができる。第1の選択肢によれば、WTRUは、スケジュールド送信のために両方の搬送波の間で電力を分割するために使用されるPmaxを、以下のように決定することができ、
Premaining=Pmax−Pnon-SG 式(11)
ここで、初期Pmaxは、潜在的に電力バックオフを考慮した、WTRUによって許容される最大電力である。その後、WTRUは、スケジュールドグラントおよびデータについて本明細書で説明された実施形態のいずれかに従って、両方の搬送波の間でどのように電力を共有および分割するかを決定するために、新しい残余の電力を使用することができる。例えば、上で説明されたようなθを決定するために、WTRUは、Pmaxの代わりに、または以下の解法、すなわち、
の一方のために、式(11)のPremainingを使用することができる。これは、計算されるPDATA,maxが、スケジュールド送信のために使用できる利用可能な電力であることを意味する。非スケジュールド送信が利用可能でない場合は、Premaining=Pmaxである。
第2の選択肢によれば、WTRUは、最初に電力を非スケジュールド送信のためのプライマリ搬送波に割り当て、十分なグラントが利用可能である場合は、残余の電力を他方の搬送波に割り当てることによって、両方の搬送波の間で電力を均衡させようと試みることができる。PE-DPDCH,iは、搬送波iにおけるE−DPDCH送信のために必要とされる電力と等価である。したがって、この選択肢では、WTRUは、搬送波2に対して、以下のようなP2を提供する。
P2=Min(Pmax−Pnon-SG,PE-DPDCH,2) 式(14)
電力が依然として残っている場合、WTRUは、利用可能なグラントと電力とのうちの小さい方まで、それを搬送波1に割り当てる。以下の条件が、すなわち、Ptot=P1+P2>Pmaxが真である場合に、第2の選択肢に従うことができ、ここで、P1およびP2は、それぞれ各搬送波においてスケジュールド送信および非スケジュールド送信によって許容される合計送信電力である。
あるいは、WTRUがPnon-SGをプライマリ搬送波に割り当てる場合、WTRUは、最初に非スケジュールド送信のためにプライマリ搬送波に割り当てられたのと少なくとも同じ電力を搬送波2に割り当て(すなわち、P2=Min(Pnon-SG,PE-DPDCH,2,Premaining))、ここで、Premainingは、プライマリ搬送波における非スケジュールドデータが考慮された後の、残余の電力である。電力が依然として利用可能である場合(すなわち、Premaining>P2+Pnon-SG)、両方の搬送波にわたる残余の電力のスケーリングは、並列的な電力共有手法について説明された方法のいずれかを使用して、行うことができる。
第3の選択肢によれば、非スケジュールド送信によって必要とされる電力を考慮せずに、スケジュールド送信のためのθまたはスケーリング係数が独立に決定される。より具体的には、スケーリング係数は、合計ヘッドルームPDATA,maxがスケジュールド送信のために利用可能であり、スケーリング係数がしかるべく決定されることを仮定して計算される。
加えて、一実施形態では、すべての電力(すなわちPmax)が第1の搬送波でのみ利用可能であることを仮定して、また他方の搬送波上ではデータが送信されない(すなわち、PE_DPDCH,2およびPE_DPCCH,2がゼロである)ことを仮定して、第1の搬送波に対するE−TFC制約を実行することができる。これは、非スケジュールドグラント、データ、および電力がすべて利用可能である場合、すべての利用可能な電力が非スケジュールド送信に充てられることを保証する。加えて、スケジュールド送信が非スケジュールド送信よりも高い優先度を有する場合、スケジュールド送信は、利用可能な電力をサービンググラント(またはスケーリングされたグラント)まで利用する際に、より高い優先度を取得することができる。その後、残余の電力を、非スケジュールド送信に割り当てることができる。これは、選択肢1または選択肢2におけるようなスケーリングされるサービンググラントと比較した場合、異なっている。スケジュールドデータが非スケジュールドデータよりも高い優先度を有する場合、いくらかの電力が非スケジュールド送信に事前に割り当てられているので、WTRUは、量が制限された実際に送信できるデータを有する。
スケジュールド送信が非スケジュールド送信よりも高い優先度を有する場合、第1の搬送波におけるサービンググラントまたは架空サービンググラントが完全に利用されており、優先度がより高いこのスケジュールドMAC−dフローが依然として残っている状況では、WTRUは依然として、利用可能な電力を有し、バッファ内には優先度がより高いスケジュールドデータを有することがあるが、第1の搬送波のSGは超過されている。そのような状況では、WTRUは、非スケジュールド送信がより低い優先度を有するとしても、非スケジュールドデータを用いて第1の搬送波を満たし続けることができる。非スケジュールドグラントまでのデータが第1の搬送波に含まれると、その後、WTRUは、第2の搬送波に移り、優先度がより高いスケジュールドMAC−dフローの送信を続けることができる。これは、優先度がより高いデータがまだ利用可能であるうちに、利用可能な電力が、優先度がより低いデータによって使用されることを暗に示唆しているが、簡潔であるという理由で、最初に一方の搬送波を使い尽くし、その後、他方の搬送波に移る方がより優れている。
あるいは、優先度がより低いデータのために使用される電力の量を最小化するため、WTRUは、最初にセカンダリ搬送波を満たすことを選択することができる。これは、WTRUが、非スケジュールド送信よりも優先度が高いスケジュールド送信を有する場合に、望ましいことがある。これは、WTRUが、サービンググラントを使用して、優先度がより高いデータを有する一方の搬送波を最適化することを可能にし、その後、グラント/電力/または利用可能なデータが利用されると、WTRUは、プライマリ搬送波に移る。プライマリ搬送波では、優先度がより高いスケジュールドMAC−dフローがまだ存在する場合、WTRUは、このデータを送信するために、プライマリ搬送波の電力およびサービンググラントを利用することができる。残余の電力に基づいて、優先度が次に最も高いデータが非スケジュールドデータである場合、WTRUは、非スケジュールドデータを送信するために、電力の残りを使用することができる。
第4の選択肢によれば、WTRUは、最初に非スケジュールドMAC−dフローのために、アンカー搬送波に対してE−TFC選択を実行することができる。これは、WTRUが、プライマリ搬送波で送信できる非スケジュールドデータの数、およびこの送信のために必要とされる電力を決定することを可能にする。その後、WTRUは、最初のE−TFC選択によって非スケジュールドによって送信されると分かったものが最大電力において考慮される場合のスケーリング係数を決定することによって、スケジュールド送信のためのデュアルキャリアE−TFC選択を実行する。
WTRUが電力制限されているかどうかを決定する場合、または電力割り当ての場合、与えられたTTI中にHARQプロセスが活動化されていないならば、またはそのTTI中にWTRUがスケジュールド送信を送信するように許可もしくは構成されていないならば、スケジュールド送信のためのE−DPDCH送信のための電力は、計算に含めなくてよい。これは、スケジュールド送信を考えるだけであるならば、PE-DPDCH,z=0であることを暗に示唆することができる。あるいは、WTRUは依然として、その搬送波上でスケジュールドデータを送信できると仮定することもできる。
任意選択的に、WTRUは、スケジュールド送信が許可されず、非スケジュールド送信が利用可能でないか、または許可されない場合、その搬送波についてのPE_DPCCHzを考慮しないこともある。あるいは、WTRUは、E−DCHデータが送信されない場合でも、E−DPCCHの電力を考慮することができる。あるいは、この搬送波についてSIがトリガされた場合、WTRUは、SIのみを送信するのに必要とされる電力であるE−DPCCHおよび/またはE−DPDCHの電力を、以下に公式化されるように考慮することができる。
PE-DPCCH,z=PE-DPDCH,0,zおよびPE-DPCCH,z=PE-DPCCH,0,z
初期E−TFC選択のためにアップリンク搬送波を選択するための実施形態が、これ以降で開示される。以下で説明される搬送波選択のための実施形態は、単独で、または本明細書で開示される他の任意の実施形態と組み合わせて実行することができる。各アップリンク搬送波で送信されるビットの数、および各アップリンク搬送波で使用する電力などの選択に影響する手順はすべて、WTRUがどのアップリンク搬送波を最初に選択し、処理するかに依存する。
一実施形態によれば、WTRUは、アンカー搬送波に優先権を与え、それを最初に処理することができる。これは、非スケジュールド送信がアンカー搬送波において許可される場合に望ましいことがある。あるいは、セカンダリ搬送波に優先権を与え、それを最初に選択することができる。
あるいは、WTRUは、セル間干渉を最小化し、WTRUのバッテリ寿命を最大化し、および/またはビット送信当たり最も効率的なエネルギーを提供するように、優先度が最も高い搬送波を決定することができる。より具体的には、WTRUは、最大の計算された搬送波電力ヘッドルームを有するアップリンク搬送波を選択することができる。WTRUは、各搬送波についての現在の電力ヘッドルーム(例えば、UPH(UE電力ヘッドルーム))の測定に基づいて(UPHは、最大WTRU送信電力と対応するDPCCH符号電力の比を表す)、または最低のDPCCH電力(PDPCCH)を有する搬送波に等価的に変換される、E−TFC制約手順の結果(例えば、各搬送波についてのNRPM(正規化残余電力余裕(normalized remaining power margin))計算もしくは残余電力)に基づいて、この決定を行うことができる。例えば、アップリンク搬送波選択は、ビットの数に関して行うことができる(例えば、アンカー搬送波と補助搬送波のうちでより大きな「サポートされる最大ペイロード」を提供する搬送波に優先権を与えることができる)。サポートされる最大ペイロードは、WTRUの残余電力(例えば、NRPMまたは以下で開示される他の値)に基づいて決定されるペイロードである。
あるいは、WTRUは、最も大きい利用可能なグラントをWTRUに提供するアップリンク搬送波に優先権を与えることができ、このことは、WTRUが、最も大量のデータを送信し、おそらくは最も少数のPDUを生成することを可能にし、したがって、効率を向上させ、オーバヘッドを低下させることを可能にする。WTRUは、アンカー搬送波のためのサービンググラント(SGa)と補助搬送波のためのサービンググラント(SGs)との大きい方の値に基づいて、搬送波を選択することができる。
あるいは、WTRUは、アンカー搬送波と補助搬送波とのうちでより大きな「残余スケジュールドグラントペイロード」を提供する搬送波に優先権を提供することができる。残余のスケジュールドグラントペイロードは、ネットワークからのスケジューリンググラントに基づいて決定され、DCHおよびHS−DPCCHの処理の後に残った利用可能なペイロードである。
あるいは、WTRUは、最大電力と最大グラントとの間で最適化を行うことができる。より具体的には、WTRUは、最も多数のビットが送信されることを可能にする搬送波を選択することができる。WTRUは、電力およびグラントの両方によって制限される、アンカー搬送波および補助搬送波についての送信できるビットの数(すなわち、アンカー搬送波についての「利用可能なペイロード」および補助搬送波についての「利用可能なペイロード」)を決定し、最も高い利用可能なペイロードを提供する搬送波を選択することができる。利用可能なペイロードは、残余のスケジュールドグラントペイロードとサポートされる最大ペイロードとの小さい方として決定することができる。
任意選択的に、利用可能なペイロードを計算するときに、多重化できる各MAC−dフロー(または利用可能なデータを有することができるすべての非スケジュールドMAC−dフロー)についての「残余のスケジュールドグラントペイロード」の和を考慮することもできる。より具体的には、利用可能なペイロードは、(残余のスケジュールドグラントペイロード+SUM(許容されるすべての非スケジュールドフローについての残余の非スケジュールドペイロード))とサポートされる最大ペイロードとの小さい方として決定することができる。非スケジュールドフローが一方の搬送波のみで(例えば、アンカー搬送波のみで)許可される場合、アンカー搬送波について利用可能なペイロードが考慮される。
上記の実施形態は、ビットの数に関して説明されたが、電力比に基づいた搬送波選択にも等しく適用可能である。例えば、WTRUは、グラント(アンカー搬送波のためのサービンググラント(SGa)および補助搬送波のためのサービンググラント(SGs))に関して送信できるビットの最大数を提供する、SG(サービンググラント)を使用することができ、SG=PE-DPDCH/PDPCCHである。あるいは、WTRUは、残余電力を使用することができ、残余電力に基づいて、ビットの最大数を提供する。RP(残余電力(remaining power))は、特定の搬送波についての最大送信電力(一般にPmaxと呼ばれる)から何らかの電力パラメータを減算することによって、任意の方法で計算することができる。例えば、搬送波を選択するために使用できるRPは、以下のうちの1つまたはそれらの組合せとすることができる(ここで、z=xまたはy)。
(1)RPz=PMAX/PDPCCH,target,z
(2)RPz=(PMAX−PE-DPCCH,z−PHS-DPCCH−PDPCCH,target,z)/PDPCCH,target,z、または
(3)RPz=NRPM(正規化残余電力余裕)
PMAXは、最大WTRU送信機電力である。
PDPCCH,target,zは、以下のようにして導出される。PDPCCH,x(t)およびPDPCCH,y(t)は、それぞれ搬送波xおよびyにおける、時刻tでの、現在のWTRU DPCCH電力のスロット毎の推定を表す。zが値xまたはyを取り得るとして、WTRUが、時刻tにおいて、搬送波zで圧縮モードフレームを送信している場合、PDPCCH,comp,z(t)=PDPCCH,z(t)×(Npilot,C/Npilot,N)であり、それ以外の場合は、PDPCCH,comp,z(t)=PDPCCH,z(t)である。圧縮モードギャップのために、または不連続アップリンクDPCCH送信動作が使用可能であるときに、WTRUが、時刻tのスロットの最中に、搬送波z上でアップリンクDPCCHを送信していない場合、電力は、フィルタリングされた結果に寄与することができない。E−DCH TTIが2msである場合は、PDPCCH,comp,z(t)の3個のスロット毎推定の、またはE−DCH TTIが10msである場合は、PDPCCH,comp,zの15個のスロット毎推定のフィルタ期間を使用して、PDPCCH,comp,z(t)のサンプルをフィルタリングして、PDPCCH,filtered,zを与えることができる。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応しない場合、PDPCCH,target,z=PDPCCH,filtered,zである。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応する場合、PDPCCH,target,z=PDPCCH,filtered,z×(Npilot,N/Npilot,C)である。Npilot,Cは、圧縮フレーム内のDPCCHにおけるスロット当たりのパイロットビットの数であり、Npilot,Nは、非圧縮フレーム内のスロット当たりのパイロットビットの数である。
PHS-DPCCHは、PDPCCH,target,zならびにΔACK、ΔNACK、およびΔCQIの直近に伝達された値に基づいた、最大HS−DPCCH利得係数に基づいた、推定HS−DPCCH送信電力である。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応する場合、圧縮モードのために生じた利得係数に対する変更を、PHS-DPCCHzの推定に含めることができる。それぞれ、z=xおよびz=yである場合に、搬送波xまたは搬送波yとすることができる一方の搬送波で、HS−DPCCHが送信されることを許可することができる。HS−DPCCHが両方の搬送波で送信される場合、PHS-DPCCHzは、両方の搬送波における推定DPDCH電力に対応する。
PE-DPCCH,zは、搬送波z(z=xまたはy)について決定されたE−TFCIのための推定E−DPCCH送信電力である。
ここで別の実施形態を参照すると、MSAP(サポートされる最大利用可能電力(maximum supported available power))を計算することができる。MSAPは、搬送波xおよびyについてのサービンググラントおよび残余電力に以下のように基づいた、その搬送波上での送信のために使用できる電力であり、
MSAPx=MIN(SGx,RPx)
MSAPy=MIN(SGy,RPy)
ここで、MSAPxは、アンカー搬送波(または第1の搬送波)についてのMSAPであり、MSAPyは、補助搬送波(または第2の搬送波)についてのMSAPであり、RPxは、アンカー搬送波(または第1の搬送波)のRPであり、RPyは、補助搬送波(または第2の搬送波)のRPである。
WTRUは、大きい方のMSAPを有する搬送波を最初に満たす(すなわち、優先権を与える)ことを選択することができる。選択された搬送波が満たされた後に、残余電力が存在する場合、その残余電力は、他方の搬送波に割り当てられる。MSAPが両方の搬送波で等しい場合、WTRUは、残余電力が大きい方の搬送波を、または等価的に、PDPCCHが小さい方の搬送波を選択することができる。残余電力およびPDPCCHが両方の搬送波で等しい場合、WTRUは、グラントが大きい方の搬送波を選択することができ、または送信のためにアンカー搬送波を選択することができる。
非スケジュールドグラントが搬送波毎に提供される場合、または非スケジュールド送信が一方の搬送波において許可される場合、WTRUは、そのTTI中に送信される中で優先度が最も高い非スケジュールドMAC−dフローを含む搬送波、または非スケジュールドMAC−dフローを許可する搬送波に優先権を与えることができる。例えば、非スケジュールド送信がプライマリ搬送波においてのみ許可され、与えられたHARQプロセスについて、WTRUが非スケジュールドデータを有するように構成され、データが利用可能である場合、WTRUは、プライマリ搬送波に優先権を与える(すなわち、最初にプライマリ搬送波を満たす)ことができる。与えられたTTIにおいて、優先度が最も高いMAC−dフローが、非スケジュールドフローに対応しないが、非スケジュールドフローが、選択された優先度が最も高いMAC−dフローと多重化されることを許可される場合、WTRUは依然として、非スケジュールド送信を許可する搬送波に優先権を与えることができる。したがって、現在のTTIにおいて、何らかの非スケジュールドフローが送信されることを許可され、非スケジュールドデータが利用可能である場合、WTRUは、非スケジュールドフローの送信を許可する搬送波を最初に満たすことができる。WTRUは、設定された論理チャネル優先度に従って、利用可能な電力および/またはグラントまで、選択された搬送波を非スケジュールドまたはスケジュールドデータで満たす。その後、残りの搬送波について、データ、電力、およびグラントが利用可能である場合、残りの搬送波(複数可)が満たされる。
あるいは、最初にプライマリ搬送波を選択して、それを満たすことができる。例えば、非スケジュールド送信の場合、WTRUは、非スケジュールド送信を有する搬送波を最初に選択することができる。非スケジュールド送信が、選択された搬送波に含まれると、その後、WTRUは、上で説明された実施形態の1つまたは組合せを使用する、スケジュールド送信のための搬送波選択に進むことができる。この代替的実施形態を使用して、WTRUは、与えられたTTIにおいて、非スケジュールドデータのために選択された第1の搬送波とは異なる、スケジュールド送信のための搬送波を選択することができる。この実施形態の一部として、WTRUは、新たに選択された搬送波に対してE−TFC選択および制約を実行することができ、E−TFC制約は、新たに選択された搬送波に対して順番に実行されるならば、他方の搬送波における非スケジュールド送信のためのE−DCHおよびE−DPCCH電力のために使用される電力を考慮する。並列的なE−TFC制約が実行される場合、電力は適切に割り当てられ、したがって、WTRUは、再計算を行う必要はない。その後、WTRUは、許可された電力、グラント、または利用可能なデータに達するまで、搬送波をスケジュールド送信で満たすことができる。電力、データ、およびグラントが、他方の搬送波のために利用可能である場合、WTRUは、(初期非スケジュールドデータを含む)他方の搬送波に戻って、それをスケジュールドデータで満たすことができる。
あるいは、最初にセカンダリ搬送波を選択することもできる。例えば、与えられたTTIにおいて、スケジュールドフローが最も高い優先度を有する場合、本明細書で説明される実施形態の1つに従って、スケジュールド送信のための搬送波が選択されるように、E−TFC選択を実行することができる。セカンダリ搬送波に対するE−TFC選択は、グラント、電力、およびバッファ可用性に従って、ビットの数を決定し、それを含むことができ、その後、プライマリ搬送波を満たすことができる。
あるいは、論理チャネル優先度に従って非スケジュールド送信を処理する場合のE−TFC機能は、非スケジュールド送信のためのデータが適切な搬送波(例えば、プライマリ搬送波)に送られることを保証する。これは、最初にスケジュールドデータを処理することを暗に示唆し、最初に満たす搬送波は、上で説明された実施形態の1つに従って選択される。E−TFC選択は、選択された搬送波上で送信できるビットの数を計算し、選択された搬送波を優先度が最も高いチャネルからのデータで満たす。このチャネルからのデータが超過を起こした場合、またはスケジュールドグラントに基づいたデータの最大量に達した場合に、電力がまだ残っているならば、WTRUは、優先度が次に最も高い論理チャネルからのデータで満たすことができる。次の論理チャネルが非スケジュールドフローに対応し、非スケジュールドフローがアンカー搬送波においてのみ送信でき、現在の搬送波がセカンダリ搬送波に対応する場合、WTRUは、セカンダリ搬送波において電力および/またはグラントが残っている場合でも、アンカー搬送波に対するE−TFC選択を実行することができ、または代替として、WTRUは、例えば、バッファ内の利用可能な許容されたデータが尽きてから、もしくは許容されたグラント/電力が尽きてから、セカンダリ搬送波上での送信を完了することができる。(例えば、1組のサポートされるE−TFCを決定する)E−TFC制約手順が、アンカー搬送波のために実行される。E−TFC制約が順次的に行われる場合、E−TFC制約は、セカンダリ搬送波において使用されるE−DPDCH電力を考慮することができる。その後、WTRUは、非スケジュールドフローを有する搬送波を満たす。
電力がまだ残っている場合、およびいくらかのグラントがまだ利用可能である場合、WTRUは、スケジュールド送信のための以下の2つの実施形態の一方または組合せを実行することができる。WTRUは、最大電力または最大グラントに達するまで、アンカー搬送波を満たし続けることができる。搬送波が満たされた後、他方の搬送波において利用可能な電力または利用可能なグラントがまだ存在する場合、E−TFC選択は、初期選択された搬送波を満たすために、初期選択された搬送波に戻ることができる。その場合、これは、追加のE−TFC制約手順を実行するWTRUが、この搬送波における初期送信およびアンカー搬送波における送信のための電力を考慮することを必要とする。あるいは、他方の搬送波において残余の電力およびグラントが存在する場合でも、E−TFC選択手順は終了する。
あるいは、WTRUは、最初に選択された搬送波に戻り、最大電力および/または最大グラントに達するまで、その搬送波を満たし続けることもできる。これは、WTRUが、E−TFC制約手順を再び実行することを必要とすることがある。アンカー搬送波において電力がまだ残っている場合、その後、WTRUは、アンカー搬送波に戻ることができる。
同様に、DPDCH送信が特定の搬送波(例えば、プライマリ搬送波)においてのみ許可されており、DCHデータが利用可能である場合、WTRUは、プライマリ搬送波またはDPDCHが許可された搬送波に優先権を与えることができる。あるいは、WTRUは、TFC選択を実行し、プライマリ搬送波上での送信についてDPDCHデータをスケジュールすることができ、その後、E−DCH送信についての優先権をどの搬送波に与えるかを決定するために、本明細書で説明される実施形態の1つまたは組合せを使用することができる。
あるいは、一方の搬送波が電力制限され、他方の搬送波がグラント制限される場合、電力が両方の搬送波で共有されるケースでは、WTRUは、電力制限される搬送波を選択することができる。電力制限される搬送波は、グラント(スケジュールドおよび/または非スケジュールド)によって許可されたすべてのデータを送信するのに十分な電力がない搬送波とすることができる。グラント制限される搬送波は、グラントによって許可されたよりも多くのデータを送信するのに十分な残余電力を有する搬送波とすることができる。
あるいは、搬送波選択は、バッファ内で利用可能なデータの量に依存することができる。限られた量のデータが利用可能である場合、WTRUは、利用可能な電力ヘッドルームもしくはNRPMが最も大きい搬送波を、または等価的にPDPCCHが最も小さい搬送波を優先することができ、それ以外の場合、上述の実施形態のうちの1つを適用することができる。より具体的には、一例として、ビットのTEBSが、サポートされる最大ペイロードよりも小さく、両方の搬送波についてのグラントによって許可されるビットの数よりも小さい場合、WTRUは、残余電力(または電力ヘッドルームもしくはNRPMなど)が大きい方の搬送波を選択することができる。
あるいは、WTRUは、そのTTI中にHS−DPCCHを送信しなければならない搬送波に優先権を与えると決定することができる。あるいは、(各搬送波におけるDPCCHバーストサイクルまたは一方の搬送波における非活動期間に従って)DPCCHを送信しなければならない搬送波に優先権を与えると決定することができる。より具体的には、一方の搬送波がDTX(不連続送信)サイクル1にあり、他方の搬送波がDTXサイクル2にある場合(DTXサイクル2の方がDTXサイクル1よりも長い)、WTRUは、DTXサイクル1が進行中である搬送波に優先権を与えることができる。一方の搬送波が連続送信中であり、他方の搬送波がDTX中である場合、WTRUは、連続送信が進行中である搬送波に優先権を与えることができる。
HS−DPCCHが一方の搬送波上のみで送信される(すなわち、フィードバックを提供するために1つのHS−DPCCHチャネライゼーションコード(channelization code)が存在する、または2つのコードが使用される場合でも、WTRUが一方の搬送波のみから送信を行う)場合、HS−DPCCHを送信しなければならないならば、WTRUは、その搬送波に優先権を与えることができる。あるいは、WTRUは、その搬送波についてのNRPM計算において、HS−DPCCHのために使用される電力を考慮することができ、上で説明された実施形態のうちの1つを使用して、搬送波を選択することができる。ネットワークは、WTRUが、HS−DPCCHフィードバックが送信される搬送波を選択できるようにすることができる。より具体的には、デュアルキャリア動作の場合、WTRUは、HS−DPCCHをアンカー搬送波上でのみ送信するようには制限されない。これは、WTRUが、上で説明された実施形態の1つまたは組合せに従って、優先度が最も高い搬送波を、または送信を最適化する搬送波を選択することを可能にし、HS−DPCCHフィードバックが必要とされる場合、フィードバックもその搬送波上で送信される。
あるいは、WTRUは、各搬送波におけるCPICH測定およびHARQ誤り率などの1つまたは組合せに基づいて、搬送波を選択する決定を行うことができる。
搬送波の一方で再送が進行中である場合、WTRUは、他方の搬送波上でE−DCH送信を実行することができ、したがって、その搬送波に対してのみE−TFC選択を実行することができる。
E−TFC選択および搬送波選択手順の一部として、WTRUは、許容される/利用可能な最大送信電力とDPCCH符号電力の比が与えられた場合に、アンカー搬送波に対してサポートされる最大ペイロードおよび補助搬送波に対してサポートされる最大ペイロード(すなわち、アンカーアップリンク搬送波および補助アップリンク搬送波上でそれぞれ送信できる最大MAC−eまたはMAC−i PDU(プロトコルデータユニット)サイズ)を決定するために、(E−TFCI(E−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインデックス)制約とも呼ばれる)E−TFC制約を実行する。アンカーアップリンク搬送波および補助アップリンク搬送波についてのビットの最大数は、アンカー搬送波および補助搬送波の許容される/利用可能な最大送信電力およびDPCCH符号電力にそれぞれ基づいて、決定することができる。1つのDPCCHが送信される場合、ビットの最大数は、送信の電力、または送信されるDPCCHからの定義もしくは設定されたオフセットに基づいて、決定することができる。
各搬送波が独立の最大送信電力を有する場合、ビットの最大数は、アンカー搬送波および補助搬送波に対して許容される最大電力、ならびにアンカー搬送波および補助搬送波のDPCCH符号電力にそれぞれ基づいて決定される。両方の搬送波が共有の最大送信電力を有する場合、WTRUは、共有の最大送信電力が各搬送波に割り当てられ、各搬送波で利用可能であることを仮定して、ビットの最大数を計算することができる。両方の搬送波が共有の最大送信電力に加えて、搬送波毎の追加の最大送信電力を有する場合(例えば、電力が搬送波間で異なるように事前に割り当てられる場合)、WTRUは、最大送信電力が共有の最大送信電力と各搬送波について設定/計算された最大送信電力との小さい方であることを仮定して、ビットの最大数を計算することができる。
E−TFC制約は、各TTIにおいて行うことができ、すべてのHARQ電力オフセットまたはプロファイルについて事前に計算することができる。データが満たされると、WTRUは、NRPMを再計算する必要なく、NRPMをルックアップテーブルから取り出すだけで、選択されたHARQ電力オフセットに基づいて、1組のサポートされるE−TFCを決定することができる。あるいは、WTRUは、いつでも必要なときに、NRPMを計算することができる。
上で開示された優先搬送波選択のための実施形態のいくつかの場合、WTRUは、他方の搬送波上ではデータが送信されないことを仮定して、最初に各搬送波のNRPMを独立に決定することができる。独立のNRPM計算は、搬送波1および2について以下のように実行することができる。
NRPMj,1=(PMaxj,1−PDPCCH,target1−PDPCCH,target2−PDPDCH−PHS-DPCCH1−PE-DPCCH,j,1)/PDPCCH,target1 式(15)
NRPMj,2=(PMaxj,2−PDPCCH,target2−PDPCCH,target1−PDPDCH−PHS-DPCCH2−PE-DPCCH,j,2)/PDPCCH,target2 式(16)
PMaxj,1は、搬送波1におけるE−TFC−jについての最大WTRU送信機電力であり、PMaxj,2は、搬送波2におけるE−TFC−jについての最大WTRU送信機電力である。PMaxj,1は、電力要件および/またはPA(電力増幅器)の数および/または各搬送波に対する電力割り当てに応じて、PMaxj,2と等しいことも、または異なることもある。DTXに起因する非活動期間が存在しない限り、E−DCHデータが送信されるかどうかに関係なく、WTRUが両方の搬送波においてDPCCHを送信しなければならない場合は、PDPCCH,target1およびPDPCCH,target2を考慮することができる。PHS-DPCCH2は、第2のHS−DPCCHが第2の搬送波において送信される場合に適用可能であり、それ以外の場合、両方の搬送波のNRPM計算から同じHS−DPCCH電力を減算することができる。E−TFC選択/制約が実行されるTTI中に、DPDCH送信が行われる場合、WTRUは、NRPM計算においてこれを考慮することができる(すなわち、同様にPDPDCHを減算することができる)。DPDCH送信が行われない場合(またはデュアルキャリアを用いるDPDCH送信が許可されない場合)、PDPDCHを考慮しなくてよい。プライマリ搬送波においてのみDPDCHが許可される場合、プライマリ搬送波についてのNRPMのみが、それを考慮することができる。あるいは、DPDCHがどこで送信されるかに関係なく、搬送波を選択する場合、両方のNRPMの計算において、DPDCHのための電力が考慮される。同じことが、HS−DPCCHにも当てはまる。その後、この計算または別の言い方をすればサポートされるE−TFCに従って、各搬送波について独立に、サポートされる最大利用可能ペイロードまたはサポートされるE−TFCIを決定することができる。
E−TFC制約についての実施形態が、これ以降で説明される。本明細書で説明されるE−TFC制約についての実施形態は、上で開示されたいずれのE−TFC選択方式にも適用可能とすることができる。E−TFC制約手順は、各アップリンク搬送波に対して順番に、または両方の搬送波に対して並列に実行することができる。
E−TFC制約が両方のアップリンク搬送波に対して並列に実行される場合、合計のWTRU電力の一部を、各アップリンク搬送波に事前に割り当てることができ、またはWTRUによってTTI毎に計算することができる。(E−TFCjのMPR(最大電力低減(maximum power reduction))に関係なく)E−DCH送信のために搬送波xに割り当てられる最大電力は、DC−HSUPAシステムではPmax,x(x=搬送波1または搬送波2)になる。任意選択的に、非スケジュールド送信が存在する場合、Pmax,xは、非スケジュールド送信を送信するのにWTRUによって必要とされる電力も考慮することができる。例えば、Pmax,x=Pnon-s+Psgであり、ここで、Pnon-sは、以下で説明されるように計算される非スケジュールド送信のために必要とされる電力であり、Psgは、スケジュールド送信を送信するために搬送波xに割り当てられる電力である。アップリンク搬送波に割り当てられる電力(例えば、Pmax,xおよびPmax,y)の和は、(WTRU電力クラスに従った、またはネットワークによって設定される)最大許容WTRU電力以下である。Pmax,xおよびPmax,yは、(それぞれ搬送波xおよび搬送波yのための制御チャネルのための電力を含む)それぞれ搬送波xおよび搬送波yに最終的に割り当てられる電力を表すことができる。その場合、正規化残余電力を、各搬送波について独立に計算することができる。E−TFCjならびに搬送波xおよびyについてのNRPMは、以下の形を取ることができる。
NRPMj,x=Pmax,x/PDPCCH,target x 式(17)
NRPMj,y=Pmax,y/PDPCCH,target y 式(18)
Pmax,xおよびPmax,yが制御チャネルのための電力を含まない場合、正規化残余電力を、各搬送波について独立に計算することができる。E−TFCjならびに搬送波1および2についてのNRPMは、以下の形を取ることができる。
NRPMj,1=(PMaxj,1−PDPCCH,target1−PHS-DPCCH1−PE-DPCCH,j,1)/PDPCCH,target1 式(19)
NRPMj,2=(PMaxj,2−PDPCCH,target2−PE-DPCCH,j,2)/PDPCCH,target2 式(20)
式(19)および式(20)では、DPDCHが送信されず、HS−DPCCHは搬送波1(例えば、アンカー搬送波)上でのみ送信できることが仮定されている。HS−DPCCHが送信されない場合、PHS-DPCCH1=0である。PMaxj,1およびPMaxj,2は、E−TFCjに対して許容される最大電力低減および各搬送波に対して割り当てられる最大電力を考慮した、搬送波1および搬送波2における最大電力をそれぞれ表す。E−TFCjについて、例えば、以下のように(dBを単位として)、E−TFCjに対して許容されたMRP(最大電力低減)だけ、搬送波xに割り当てられた最大電力(Pmax,x)を低減させることによって、PMaxj,x、x=1,2が計算され、
PMaxj,x,dB=Pmax,x,dB−MPRE-TFCj 式(21)
ここで、MPRE-TFCjは、dBを単位とするE−TFCjについての電力低減の量であり、Pmax,x,dBは、dBを単位とする搬送波xに対して割り当てられる最大電力であり、PMaxj,x,dBは、dBを単位とする搬送波xおよびE−TFCjについての結果の最大電力である。あるいは、Pmax,x,dBの初期計算において、最大電力低減を考慮することができ、その場合、PMaxj,x=Pmax,xである。その後、E−TFC制約手順が、各TTIにおいて、各搬送波について1組のサポートおよびブロックされるE−TFCを決定する。この動作は、与えられたMAC−dフローのHARQプロファイルに依存するので、WTRUは、各TTIにおいて、両方の搬送波について各MAC−dフローに対してサポートされる組を計算することができる。Pmax,xは、多くの方法で、決定または事前設定または動的に計算することができる。
別の実施形態によれば、搬送波に対するE−TFC制約手順を、順番に実行することができる。この実施形態は、再送が進行中であるときに、並列ケースにおいて適用可能である。WTRUは、上で説明されたように搬送波xと呼ばれる、E−DCH送信のための一方の搬送波を最初に選択する。再送が進行中である場合、搬送波xは、再送が進行中である搬送波に対応し、搬送波xに対して、E−TFC制約またはE−TFC選択を実行することはできない。他方の搬送波は、搬送波yと呼ばれる。WTRUにおいて、他の目的で、搬送波xに対してE−TFC制約を実行することはできるが、与えられたTTIにおいて再送が進行中である搬送波に対して、E−TFC選択の目的で、E−TFC制約を、または別の言い方をすれば、この搬送波xについてのサポートされる最大ペイロードを決定する必要はないことが理解されよう。搬送波の選択は、上で説明された実施形態のうちの1つを使用して、実行することができる。搬送波xが選択されると、搬送波xに対するE−TFC選択手順は、DPDCH送信が一方の搬送波において許可される場合、搬送波xまたは搬送波yにおいてDPDCHが存在するならば(DPDCH送信がまったく許可されていない場合は、DPDCHの電力は考慮されない)、TFC選択からの、(HS−DPCCH送信が一方の搬送波で許可される場合)搬送波xまたは搬送波yにおいて送信が行われているならば、HS−DPCCHからの、および(送信が行われているならば)搬送波yにおけるDPCCH送信からの、電力の残余の推定を実行しなければならない。
WTRUは、E−TFC候補jについての以下の式に基づいて、実行されるならば、搬送波xに対するE−TFC選択のために利用可能な正規化残余電力余裕を推定する。
NRPMj,x=(PMaxj,x−PDPCCH,target x−PDPCCH,target y−PDPDCH,x,y−PHS-DPCCH,x,y−PE-DPCCH,j,x)/PDPCCH,target x 式(22)
その後、WTRUは、E−TFC候補jについての以下の式に基づいて、搬送波yに対するE−TFC選択のために利用可能な正規化残余電力余裕を推定する(搬送波yについてのNRPMは、搬送波xに対するE−TFC選択が完了した後(すなわち、WTRUが搬送波xにおいて送信されるE−TFCIを選択した後)に、または代替として、搬送波xにおいて再送が進行中である場合に計算される)。再送の場合のNRPMまたは残余電力の計算は再送によるデータチャネル(複数可)および制御チャネルによって使用される電力を考慮することが理解されよう。これは、すべての電力割り当て方式に当てはまる。
搬送波yについてのNRPMは、以下のように計算することができる。
NRPMj,y=(PMaxj,y−PDPCCH,target x−PDPCCH,target y−PHS-DPCCH,z−PE-DPCCH,x−PE-DPDCH,x−PE-DPCCH,j,y)/PDPCCH,target y 式(23)
PMaxj,xは、E−TFC−jのための最大WTRU送信機電力である。これは、合計の共有WTRU送信電力に対応することができ、PMaxj,yに等しくすることができ、または搬送波xにおける合計の許容最大電力とすることができる。PMaxj,yは、E−TFC−jのための最大WTRU送信機電力である。これは、合計の共有WTRU送信電力に対応することができ、PMaxj,xに等しくすることができ、または搬送波yにおける合計の許容最大電力とすることができる。
PDPCCH,target,z(z=xまたはy)は、以下のように導出される。PDPCCH,x(t)およびPDPCCH,y(t)は、それぞれ搬送波xおよびyにおける、時刻tでの、現在のWTRU DPCCH電力のスロット毎の推定を表す。zが値xまたはyを取り得るとして、WTRUが、時刻tにおいて、搬送波zで圧縮モードフレームを送信している場合、PDPCCH,comp,z(t)=PDPCCH,z(t)×(Npilot,C/Npilot,N)であり、それ以外の場合は、PDPCCH,comp,z(t)=PDPCCH,z(t)である。圧縮モードギャップのために、または不連続アップリンクDPCCH送信動作が使用可能であるときに、WTRUが、時刻tのスロットの最中に、搬送波z上でアップリンクDPCCHを送信していない場合、電力は、フィルタリングされた結果に寄与することができない。E−DCH TTIが2msである場合は、PDPCCH,comp,z(t)の3個のスロット毎推定の、またはE−DCH TTIが10msである場合は、PDPCCH,comp,zの15個のスロット毎推定のフィルタ期間を使用して、PDPCCH,comp,z(t)のサンプルをフィルタリングして、PDPCCH,filtered,zを与えることができる。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応しない場合、PDPCCH,target,z=PDPCCH,filtered,zである。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応する場合、PDPCCH,target,z=PDPCCH,filtered,z×(Npilot,N/Npilot,C)である。Npilot,Cは、圧縮フレームにおけるDPCCH上でのスロット当たりのパイロットビットの数であり、Npilot,Nは、非圧縮フレームにおけるスロット当たりのパイロットビットの数である。
PDPDCH,zは、PDPCCH,target,zおよび搬送波zに対してすでに行われたTFC選択からの利得係数に基づいた、推定DPDCH送信電力である。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応する場合、圧縮モードのために生じた利得係数に対する変更を、PDPCCHの推定に含めることができる。搬送波xまたは搬送波yとすることができる一方の搬送波において、DPDCHが送信されることを許可することができ、PDPDCHzは、それぞれの搬送波(それぞれz=xまたはz=y)における推定DPDCH電力に対応する。DPDCHが両方の搬送波において送信される場合、PDPDCHzは、両方の搬送波における推定DPDCH電力の和に対応する。
PHS-DPCCH,zは、PDPCCH,target,zならびにΔACK、ΔNACK、およびΔCQIの直近に伝達された値に基づいた、最大HS−DPCCH利得係数に基づいた、推定HS−DPCCH送信電力である。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応する場合、圧縮モードのために生じた利得係数に対する変更を、PHS-DPCCH,zの推定に含めることができる。それぞれ、z=xおよびz=yである場合に、搬送波xまたは搬送波yとすることができる一方の搬送波で、HS−DPCCHが送信されることを許可することができる。HS−DPCCHが両方の搬送波で送信される場合、PHS-DPCCH,zは、両方の搬送波における推定DPDCH電力に対応する。
PE-DPCCH,j,xは、E−TFCIjのための推定E−DPCCH送信電力である。E−TFCIjがE−TFCIec,boost以下である場合、推定は、PDPCCH,target xおよびΔE-DPCCHの直近に伝達された値を使用して計算されたE−DPCCH利得係数に基づく。E−TFCIjがE−TFCIec,boostよりも大きい場合、推定は、E−TFCIjについて計算されたE−DPCCH利得係数βec,jに基づく。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応する場合、圧縮モードのために生じた利得係数に対する変更を、PE-DPCCH,j,xの推定に含めることができる。
PE-DPCCH,j,xは、搬送波xについて決定されたE−TFCIのための推定E−DPCCH送信電力であり、PE-DPDCH,xは、搬送波xについて決定されたE−TFCIのための推定E−DPDCH送信電力である。
PE-DPCCH,j,yは、E−TFCIjのための推定E−DPCCH送信電力である。E−TFCIjがE−TFCIec,boost以下である場合、推定は、PDPCCH,target yおよびΔE-DPCCHの直近に伝達された値を使用して計算されたE−DPCCH利得係数に基づく。E−TFCIjがE−TFCIec,boostよりも大きい場合、推定は、E−TFCIjについて計算されたE−DPCCH利得係数βec,jに基づく。NRPMjが評価される目標E−DCH TTIが、圧縮モードフレームに対応する場合、圧縮モードのために生じた利得係数に対する変更を、PE-DPCCH,j,yの推定に含めることができる。すべての電力変数は、線形電力単位で表現される。
SI(スケジューリング情報)が搬送波毎に送信される場合、一方の搬送波のためのSIをトリガすることができ、SIをその搬送波を介して送信しなければならない。これは、WTRUがその搬送波上で他の何らかのデータを送信できるかどうかに関係なく、WTRUがその搬送波を介してSIを送信しなければならないことがあることを暗に示唆する。したがって、SIをトリガした搬送波における少なくともそのSIの送信のために、WTRUが電力を事前に割り当てる、または割り当てることが提案される。
事前割り当て電力に対して使用される例では、この特定の実施形態のためのE−TFC制約は、SIは他方の搬送波上で送信される必要があるという事実を考慮することができ、したがって、電力または事前割り当て電力を、少なくとも1つのSIに対して、および1つのSIのためのE−TFCを送信するのに必要とされる対応するE−DPCCHに対して割り当てることができる。WTRUは、SIを送信するのに必要とされるE−DPDCHの電力を、Pz、Pgranted,zの計算に含めることができ、またはその代わりに、以下で説明されるように、NRPM計算に含めることができる。
WTRUが第1の搬送波で電力を使い尽くすことがあるので、NRPM計算は、SIのための、他方の搬送波においてE−DPDCHおよびE−DPCCHのために必要とされる電力を除外することができる。これは、少なくともSIを送信するために他方の搬送波において十分な電力が利用可能であり、最大電力が超過されないことを可能にする。NRPMは、以下のように計算することができ、
NRPMj,x=(PMaxj,x−PDPCCH,target x−PDPCCH,target y−PDPDCH,x,y−PHS-DPCCH,x.y−PE-DPCCH,j,x−PE-DPCCH,0,y−PE-DPDCH,0,y)/PDPCCH,target x 式(24)
ここで、PE-DPCCH,0,yおよびPE-DPDCH,0,yは、SIがトリガされ、他方の搬送波上で送信されなければならない場合に考慮され、それらは、E−TFCI=0(すなわち、SIを送信するためのE−TFC)を送信するのに必要とされるE−DPDCHおよびE−DPCCH電力に対応する。
SIをどちらの搬送波においても送信できる場合、トリガされると、SIは、最初に選択された搬送波を介して送信することができ、したがって、他方の搬送波で使用しなければならない電力を考慮する必要はない。
WTRUが、順次的手法または並列的手法で、搬送波xのNRPMを計算する場合、WTRUは、θをスケーリング係数とするスケーリングされたグラント(すなわち、θSGy)に基づいて、送信されることが予想されるPE-DPCCH,yを減算することができる。任意選択的に、新しいスケーリングされたグラントによって許容され得るPE-DPDCH,yも、Pmaxから減算することができる。これは、計算されるときに、スケーリング係数が両方の搬送波のE−DPCCHおよびE−DPDCH電力を考慮しなかった場合に、必要となることがある。
E−TFC選択の一部として、WTRUは、利用可能な正規化残余電力余裕に基づいて、各E−TFCの状態を決定する。与えられたE−TFCは、サポートされる状態またはブロックされる状態にあることができる。E−TFC制約によればE−TFCがサポートされる状態にない(利用可能な電力がいかなるE−TFCの送信も許可しない)状況であっても、WTRUは、サポートされる状態にある最小セットのE−TFC(minimum set E−TFCs)に含まれるE−TFCを考えることができる。デュアルキャリア動作を用いる場合の、最小セットのE−TFCの使用が以下で説明される。
1つの最小E−TFCセット(minimum E−TFC set)が設定された場合の、最小セットの使用についての多くの規則が本明細書で説明される。一実施形態では、WTRUは最初に選択された搬送波においてのみ、最小セットのE−TFCを許可することができる。WTRUが、第2の搬送波上でデータを送信するのに利用可能な十分な電力を有さない場合、WTRUは、最小E−TFCセットによって許可されていても、第2の搬送波上でいかなるデータも送信することを許可されないことがある。あるいは、その場合、WTRUは、第2の選択された搬送波に対して最小E−TFCセットを適用することができる(すなわち、最小セットのE−TFCIを使用することができ、それが両方の搬送波上でサポートされると見なす)。
あるいは、WTRUは、WTRUがセルエッジ状態にあり、第1の搬送波において送信するのに十分な電力を有さない(すなわち、WTRUが最小E−TFCセットを使用しなければならなかった、または第1の搬送波における再送電力のため、第2の搬送波上でのいずれのE−TFCIの送信も完全に許可するには残余電力が十分ではない)場合、第2の搬送波上で何も送信しないことがある(すなわち、最小E−TFCセットをサポートされるものとは見なさない)。あるいは、NRPMが所定のまたは設定された閾値を下回る場合(例えば、NRPM<0である場合)、WTRUは、最小セットのE−TFCIを第2の搬送波上でサポートされるものと見なさないことがある。あるいは、UPH(UE電力ヘッドルーム)が閾値を下回る場合、WTRUは、第2の搬送波上で送信を行わないことがある。あるいは、WTRUは、残余データの量が閾値を下回る場合(すなわち、TEBSが所定のまたは設定された閾値を下回る)場合、第2の搬送波上で送信を行わないことを選択することができる。あるいは、ネットワークによって設定される場合、プライマリ搬送波上での最小E−TFCセットの使用をWTRUに許可することができる。これは、他方の搬送波上で再送が進行中であり得るので、プライマリ搬送波が第2の選択された搬送波であっても、または唯一の搬送波であっても、WTRUが、プライマリ搬送波上で少なくとも最小E−TFCを送信することを可能にする。これは、非スケジュールド送信がプライマリ搬送波上でのみ送信できる場合に、役立つことがある。
あるいは、2つの新しい送信が行われる場合は、最初に選択された搬送波にのみ、最小E−TFCセットを適用することができる。新しい送信が一方の搬送波上で行われ、再送が他方の搬送波上で行われる場合、WTRUは、E−TFC選択が行われるこの搬送波上で、最小E−TFCを利用することができる。あるいは、新しい送信が行われる搬送波上で最小セットのE−TFCを許可すべき、または拒否すべきときを決定するために、以下で説明される基準の1つを組み合わせて使用することができる。
あるいは、非スケジュールド送信を許可する搬送波上で、最小E−TFCをWTRUに許可することもできる。任意選択的に、与えられたTTIにおいて、WTRUが非スケジュールドデータを有し、その搬送波上で非スケジュールドデータの送信が許可される場合、最小E−TFCをその搬送波に適用することができる。この規則は、それが第2の搬送波であるかどうかに関係なく適用することができ、または代替として、第2の搬送波が処理されるときに適用することができる。最初に選択される搬送波についての規則は、上で説明された規則と同様とすることができる。
あるいは、最小E−TFCを、ネットワークによって独立に設定することができ、WTRUは、どの搬送波が最初に選択されるかに関係なく、最小E−TFCのネットワーク設定に従う。
あるいは、単一の最小E−TFCを、ネットワークによって設定することができる。例えば、ネットワークによって、最小E−TFCが一方の搬送波について設定され、他方の搬送波については存在しない場合、並列的E−TFC制約手順が使用されるか、それとも順次的E−TFC制約手順が使用されるかに関係なく、WTRUは、最小E−TFCのネットワーク設定に従い、それを両方の搬送波に対して適用することができる。
最小E−TFCが使用されず、利用可能な電力が存在しない場合、E−TFC選択は、サポートされるE−TFCを出力せず、したがって、SIが存在しない限り、送信は行われない。任意選択的に、WTRUは、許容される最大電力が、最初に選択された搬送波または再送が行われる搬送波によってすでに超過されたと決定した場合、第2の搬送波上でのE−TFC選択さえも実行しないことがある。
あるいは、WTRUは、一度に1つの搬送波において送信を行うように構成され、許可されることができる。上の基準の1つまたは組合せに従って、優先度が最も高い搬送波が選択されると、WTRUは、他方の搬送波上で送信を行うことはできない。
独立の最大電力制限のためのE−TFC選択についての実施形態の例が、これ以降で説明される。WTRUは、特定のデバイス構成または設計に依存し得る、搬送波毎に異なる送信電力および最大許容電力を有することができる。これは、実装設計に依存し(例えば、WTRUは、2つの異なる電力増幅器および2つの異なるアンテナを備えるように設計することができる)、ならびに/またはネットワーク制御および構成に依存する。上述の実施形態で説明されたように、WTRUが、搬送波の間で事前に電力を割り当てる場合、または並列して電力を割り当てる場合にも、それは適用可能である。これらの状況では、各搬送波によって使用できる最大電力または利用可能な電力は、搬送波毎に割り当てられた電力に対応する。実施形態は、電力が搬送波の間で共有されるが、搬送波を満たす前に、電力が搬送波の間で割り当てられる、またはスケーリングされる場合にも適用可能である。
電力が事前に割り当てられるか、または電力の最大量が各搬送波において独立である場合、より高位の層の適切な動作を可能にするにはRLC PDUの配送順序が維持されなければならないという事実のために、MAC PDUは、順番に満たされなければならないことがある。加えて、WTRUは、バッファ制限されることがあり、そのような場合、一方の搬送波を介して送信するのに十分なデータを利用可能にすることができる。
この状況では、WTRUは、上で説明された実施形態のうちの1つに基づいて、優先度が最も高い搬送波P1を最初に選択することができる。例えば、WTRUは、より大きな電力ヘッドルームを有する搬送波を、等価的により小さなDPCCH電力を有する搬送波を選択して、最初にデータで満たすことができ、またはプライマリ搬送波もしくはセカンダリ搬送波を最初に満たすことができる。これは、バッファ制限されたWTRUであっても、そのデータの大部分または優先度が最も高いデータを、最良のチャネル品質を有する搬送波を介して、または非スケジュールド送信など、優先度が最も高いデータの送信を可能にする搬送波を介して送信することを可能にする。
優先度が最も高いMAC−dフロー、関連するHARQプロファイル、および多重化リストに従って、その後、WTRUは、「サポートされる最大ペイロードp1」、「残余のスケジュールドグラントペイロードp1」、および選択された搬送波P1において許可され、設定される場合は、残余の非スケジュールドグラントペイロードに応じて、搬送波p1のトランスポートブロック上の利用可能なスペースを満たす(すなわち、搬送波p1上で送信されるMAC−eまたはMAC−iを生成する)。先に言及したように、これは、許容される電力、許容されるスケジュールドグラント、および許容される非サービンググラントにそれぞれ従って送信できるビットの数に対応する。この状況では、許容される電力および許容されるグラントは、各搬送波の電力および/もしくはグラントの、または設定された電力もしくはグラントのスケーリングされた値に対応することができる。これは、電力またはグラントが2つの搬送波の間で潜在的に分割される、または並列に割り当てられる場合に行うことができる。SIが送信される必要がある場合、WTRUは、搬送波p1においてSIを送信することができ、またはその代わりに、SIを送信するように構成された搬送波においてSIを送信することができる。
WTRUは、搬送波p1上の利用可能なスペースを使い尽くすと、その後、次の搬送波を満たす。この時点で、WTRUは、送信されるデータを有し、処理される搬送波において許可された中で、優先度が最も高いMAC−dフローを再決定することができる。この時点で、優先度が最も高いMAC−dフローは、搬送波p1が満たされる前に、最初に決定されたMAC−dフローと異なってよい。
優先度が最も高いMAC−dフローを決定する場合、WTRUは、すべての搬送波について、すべてのMAC−dフローの中で、利用可能なデータを有するように構成された優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。一代替実施形態では、WTRUは、E−TFC選択または優先度が最も高いMAC−dフロー選択が実行されるすべての搬送波について、与えられた搬送波上での送信を許可されたすべてのMAC−dフローの中で、優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。
優先度が最も高いMAC−dフローを決定するときに、E−TFC選択が実行される搬送波が、あるタイプのMAC−dフローを許容しない場合、WTRUは、与えられた搬送波上での送信を許可されないMAC−dフローについて検討することができない。例えば、WTRUが第2の搬送波についてE−TFC選択を実行する場合、WTRUは、優先度が最も高いMAC−dフローの選択において非スケジュールドMAC−dフローを含めないことがある。そのため、非スケジュールドMAC−dフローが利用可能なデータを有し、設定された最も高いMAC−d優先度を有する場合、WTRUは、このMAC−dフローを優先度が最も高いMAC−dフローとして使用することができず、その搬送波のためのTTIの間、HARQプロファイル、電力オフセットおよびHARQ再送、ならびに多重化リストを使用することができない。具体的な例として、HSPAデュアルキャリアULの場合、第2の搬送波を処理する場合、WTRUは、すべてのスケジュールドMAC−dフローの中で優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。
最も高いMAC−dフローが決定されると、WTRUは、新しい搬送波のために使用される選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルに基づいて、このTTIにおいて多重化できる新たに割り当てられたMAC−dフロー、および電力オフセットを決定する。その後、WTRUは、新しい電力オフセットに従って、サポートされる最大ペイロードおよび残余のスケジュールドグラントペイロードを決定することができ、利用可能なデータがあれば、搬送波をしかるべく満たすことができる。
あるいは、WTRUは、E−TFC選択手順の開始時に、または搬送波を満たす前に、両方の搬送波について、サポートされる最大ペイロードおよび残余のスケジュールドペイロードを決定することができ、これは、WTRUが、その最初に選択された最も高いMAC−dフローからのデータが両方の搬送波上で送信されるかどうかに関係なく、両方の搬送波に対して同じ電力オフセットを使用できることを暗に示唆する。この場合、多重化リストは、両方の搬送波で同じままであり、それらの論理チャネルから十分なデータが利用可能でない場合に、制限ファクタとすることができるが、WTRUは、他の論理チャネルの送信のために利用可能なより多くの電力およびグラントを有する。
(上述のように決定し、順番に満たすことができる)搬送波p1がデータで満たされると、WTRUは、直ちに他方の搬送波に移り、それをデータで満たし続ける。
あるいは、搬送波は、並列して満たすことができ、これは、許容されるすべての論理チャネルからのデータが2つの搬送波の間で分割されることを暗に示唆する。順番が乱れた配送を回避するため、データまたはRLCバッファを分割しなければならない。例えば、SN0からSN9を有する10個のRLC PDUが利用可能である場合、RLC PDUの0から4は、搬送波1に送られ、5から9は、搬送波2に送られる。その後、スペースがまだ残っている場合、WTRUは、次の論理チャネルに移り、バッファが、再び同様に分割される。
あるいは、E−TFCおよび搬送波フィリングは、並列に実行することができるが、各搬送波は、異なる論理チャネルからデータを取得する。これは、WTRUが、優先度が最も高い2つのMAC−dフローを選択し、各々についてのHARQプロファイルおよび各々についての多重化リストを決定し、それらを2つの個々の搬送波にマッピングすることを暗に示唆する。これは、順番が乱れたRLC配送を引き起こすおそれなしに、WTRUが、並列してフィリングを行い、E−TFCを実行することを可能にする。しかし、これは、最も高い論理チャネルからのデータがまだ利用可能であるのに、搬送波が満杯であるため、WTRUがそのようなデータをもはや送信できない状況を生じさせることがある。
別の実施形態では、データフローは、搬送波固有とすることができる。この場合、WTRUは、各搬送波について独立にE−TFC選択手順を実行することができる。
合計の結合された最大電力限界に関するE−TFC選択についての実施形態の例が、これ以降で説明される。この実施形態の態様のいくつかは、2つの搬送波の間で電力が並列に割り当てられるか、または何らかの形態の動的電力割り当てが実行される場合、上で説明されたように適用可能とすることもできる。
順次的な手法では、WTRU最大電力が両方の搬送波の間で共有される場合、WTRUは、上で説明された実施形態のうちの1つを使用して、優先度が最も高い搬送波(P1)を最初に選択することができる。E−TFC制約および選択は、依然として順次的に実行することができ、利用可能な電力および使用されるグラントは、割り当てられたまたはスケーリングされた電力またはグラントに等しい。
優先度が最も高い搬送波を選択すると、WTRUは、E−TFC選択および制約手順を実行し、優先度が最も高いMAC−dフローが選択され、電力オフセット、サポートされる最大ペイロードp1が決定され、搬送波P1のサービンググラントに従って、利用可能なスケジュールドペイロードが選択され、利用可能な非スケジュールドペイロードが選択される。SIを送信する必要がある場合、SIは、最初に選択された搬送波とともに処理することができ、またはその代わりに、SIを送信することが許可された搬送波上で処理することができる。この場合、WTRUは、上で説明されたような順次的なE−TFC制約手順を実行することができ、WTRUは、すべての電力が搬送波P1によって使用するために利用可能であることを仮定し、セカンダリ搬送波上ではデータが送信されないことを仮定する。WTRUは、E−TFC選択に従って、この搬送波上で送信されるMAC−eまたはMAC−i PDUを生成する。あるいは、SIが一方の搬送波のみ(すなわち、アンカー搬送波のみ)において送信される場合、SIが送信される搬送波に対してE−TFCを実行するとき、E−TFC選択は、それを考慮する。
選択された搬送波についてのサポートされる最大ペイロード(すなわち、E−TFC制約)は、例えば、NRPM計算に従って決定することができる。搬送波xにおいてWTRUが再送を有する場合、搬送波xに対して、E−TFC選択は実行されない。WTRUは、E−TFC選択を実行し、残りの搬送波である搬送波yについてのMAC−iまたはMAC−e PDUを生成する。
その後、WTRUは、残りの搬送波についてMAC−eまたはMAC−i PDUを生成しなければならない。この時点で、WTRUは、選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルおよびMAC−dフローの多重化リストに基づいて、送信されるデータを有する優先度が最も高いMAC−dフロー、および電力オフセットを再決定(または搬送波x上で再送が進行中である場合は初めて決定)することができる。あるいは、WTRUは、手順において最初に決定されたのと同じ電力オフセットを使用する。
その後、WTRUは、この第2の搬送波に対してE−TFC制約手順を実行する。WTRUは、最初の搬送波で使用される電力を考慮することができ、サポートされる最大ペイロードを計算するとき、または1組のサポートされるE−TFCIを決定するとき、残余の利用可能な電力が使用される。あるいは、WTRUは、2つの新しい送信が行われるとき、または他方の搬送波におけるHARQ再送のために1つの新しい送信が行われるとき、第2の搬送波(すなわち、2番目に選択された搬送波)に対してE−TFC制約を実行する前に、「バックオフ電力」(すなわち、WTRUが同じTTIにおいて2つの搬送波上で送信を行うときに経験される特定の電力損失)を減算することができる
本明細書で説明されるこれらの実施形態では、WTRUは、データを送信する必要がないと決定された場合、DPCCHを送信しないように構成することができる。WTRUは、最大電力が搬送波毎に割り当てられるときに、十分な電力を有さない場合、第2の搬送波上でいかなるデータも送信しないように構成することもできる。例えば、搬送波の一方が十分な電力を有さない場合、WTRUは、最小セットのE−TFCIを使用する代わりに、一方の搬送波(最も大きなUPHまたは最も大きなNRPMを有する搬送波)を使用して、送信を行うことができ、またはその代わりに、WTRUは、両方が十分な電力を有さない場合、搬送波の一方において送信を行うことができない。WTRUは、搬送波の一方において最小セットを使用することができ、第2の搬送波上では送信を行うことができない。
その後、決定されたサポートされる最大ペイロード、(この搬送波のサービンググラントに従う)利用可能なスケジュールドペイロード、および妥当な場合は、利用可能な非スケジュールドペイロードに従って、MAC−iまたはMAC−e PDUが満たされる。
別の実施形態では、WTRUは、各搬送波における(すべてのULチャネル、すなわち、DPCCH、E−DPCCH、HS−DPCCH、E−DPDCH上での)送信電力が同じになるか、または2つの間の差が事前設定された最大値よりも小さくなるような方法で、各搬送波においてE−TFCを選択することができる。これは、例えば、各搬送波におけるDPCCHおよび他のチャネルの送信電力が与えられた場合に、与えられた送信電力レベルに対して、どのE−TFCが各搬送波上で送信できるかを計算することによって、達成することができる。例えば、DPCCH電力レベルが、例えば、搬送波1および2においてそれぞれ7dBmおよび10dBmであり、HS−DPCCHおよびE−DPCCHの電力レベルが各々、DPCCHの電力レベルよりも−3dB下回ると仮定すると、各搬送波における送信電力レベルが18dBmである場合、各搬送波における電力ヘッドルームは、それぞれ8dBおよび5dBであり、対応するE−TFCサイズは、600ビットおよび300ビットとすることができる。したがって、WTRUは、搬送波1では600ビットのE−TFCを、搬送波2では300ビットのE−TFCを選択することによって、両方の搬送波上で(18dBmの)等しい電力を用いて送信を行うことができる。
この原理は、異なるケースにも適用することができる。WTRU送信が最大UL電力によって制限される場合、WTRUは、最大UL電力を2つの搬送波の間で等しく分割し(したがって、各搬送波で利用可能なUL電力は最大を3dB下回る)、上で開示された方法を使用して、各搬送波においてサポートされる最大E−TFCを決定することによって、各搬送波においてE−TFCを選択することができる。WTRU送信がWTRUバッファ内のデータ量によって制限される場合、WTRUは、各搬送波上で結果のE−TFCを用いて送信できるデータの量がバッファ内のデータの量と一致するように、両方の搬送波の送信電力レベルを求めることができる。
別の実施形態では、WTRUは、各搬送波上で被る干渉負荷が同じか、ほぼ同じになるような方法で、各搬送波におけるE−TFCを選択することができる。搬送波上で被る干
渉負荷は、例えば、スケジューリングのために使用される電力比に対応する、E−DPDCH電力とDPCCH電力の電力比として推定することができる。したがって、両方の搬送波においてスケジューリンググラントおよび電力ヘッドルームが十分である場合、WTRUは、グラントに基づいてWTRUバッファから何バイトを送信できるかを決定することによって、またこのバイト数を2で除算し、適切なMACヘッダを適用することで、各搬送波において必要とされるE−TFCサイズを決定することによって、各搬送波においてE−TFCを選択する。
この方法は、基準電力比と基準E−TFCの間のマッピングが搬送波の間で同じであるならば、またすべてのデータが同じHARQオフセットを有する論理チャネルに属するならば、各搬送波において等しい電力比をもたらす。データが、必ずしもすべてが同じHARQオフセットを有さない論理チャネルに属する場合、WTRUは、バイトのどの共有が、両方のE−TFCについて同じ電力比をもたらすかを見出さなければならない。
本明細書で説明される実施形態を組み合わせた実施形態の例が、以下で説明される。これらの実施形態は、例示的なものであるにすぎず、本明細書で説明される実施形態の他の組合せも、本発明によって企図されている。アクションは、任意選択的に、任意の組合せにおいて(例えば、2つ以上の実施形態にわたって)実行することができる。特に、アンカー搬送波に関するアクションは、セカンダリ搬送波にも適用可能とすることができる。
これらの実施形態の第1のものは、割り当てがE−TFC制約レベルで処理される、並列的な手法を採用する。この実施形態では、WTRUは、電力制限されるかどうかを判定する。WTRUは、E−DPDCHデータのための電力の量を以下のように計算し、
ここで、Pmaxは、デュアルキャリア動作のために必要な電力バックオフを考慮し、搬送波z(z=xまたはy)についてのE−DPCCHの電力は、サービンググラントに従った、その搬送波についての最大E−DPDCH電力に基づいて計算される。その後、Px+Py>PDATA,maxである場合、WTRUは、電力制限される。実施形態のこれらの例におけるPz(z=xまたはy)は、スケジュールドE−DPDCH送信のために必要とされる電力に対応することができる。数学的な公式では、Pzは、式(5)に従って、PE-DPDCH,zに対応することができ、PE-DPDCH,zを意味することができ、またはPE-DPDCH,zとして定義することができる。より具体的には、
Pz=PE-DPDCH,z=SGz×PDPCCH,z 式(26)
である。
WTRUは、上で説明された実施形態のいずれかに従って、各搬送波に割り当てられる残余電力の割合を計算する。各搬送波についての正規化残余電力は、例えば、以下のように計算することができ、
NRPM,x=ρx(PDATA,max)/PDPCCH,x 式(27)
NRPM,y=ρy(PDATA,max)/PDPCCH,y 式(28)
ここで、ρz(z=xまたはy)は、いくつかの電力割り当て規則に基づいて、搬送波zに割り当てられる残余電力の割合である。実施形態のこの例にわたって、ρz(PDATA,max)は、電力割り当て方式/実施形態のいずれかを使用して、E−DCH送信のために搬送波zに割り当てられる電力を表す。これは、公式の別の例においては、Pmax,zまたはPE-DPDCHmod,zまたは(PE-DPDCHmod,z+Pnon-SG)に対応することもできる。
あるいは、各搬送波についての正規化残余電力は、例えば、以下のように計算することもでき、
ここで、SGinput,xおよびSGinput,yは、それぞれ搬送波xおよび搬送波yについての架空サービンググラントである。
その後、WTRUは、各搬送波について別々に、これら2つのNRPMに基づいて、E−TFC制約を実行する。その後、非スケジュールド送信が送信されるアンカー搬送波から開始して、または上で説明された手順のいずれかに従って選択されたどちらかの搬送波から開始して、サービンググラントにいかなる変更も施さずに、一度に1つの搬送波について、従来のE−TFC選択を実行することができる。
さらなる実施形態は、割り当てがE−TFC制約レベルで処理される、並列的な手法を採用し、非スケジュールド送信の保護を可能にする。この実施形態では、WTRUは、WTRUが電力制限されるかどうかを判定する。WTRUは、式(25)におけるように、E−DPDCHデータのための電力の量を計算する。Px+Py>PDATA,maxである場合、または任意選択的に、Px+Py+Pnon-SG>PDATA,maxである場合、Pxが非スケジュールド送信のための電力を含まないならば、WTRUは、電力制限される。WTRUは、上で説明された実施形態のいずれかに従って、各搬送波に割り当てられる残余電力の割合を計算する。各搬送波についての正規化残余電力は、式(26)および式(26)におけるように、計算することができる。その後、WTRUは、各搬送波について別々に、これら2つのNRPMに基づいて、E−TFC制約を実行する。その後、WTRUは、各搬送波について別々に、E−TFC選択を実行する。アンカー搬送波に対して、WTRUは、非スケジュールド送信が送信されることを保証するために、仮想サービンググラントを使用する。この仮想サービンググラントは、以下のように計算することができ、
SGinput,x=(ρxPDATA,max−Pnon-SG)/PDPCCH,x 式(31)
ここで、電力割り当ては、仮想サービンググラントが非負であることを保証することが仮定される。セカンダリ搬送波についてのE−TFC選択は、従来の手法を使用して実行される。
また別の実施形態は、割り当てがE−TFC制約レベルで処理される、並列的な手法を採用し、非スケジュールド送信の絶対保護を提供する。この実施形態では、WTRUは、上で説明された実施形態のいずれかに従って、例えば、両方の搬送波上のスケジュールドおよび/または非スケジュールドチャネルならびに制御チャネルのために必要とされる電力を考慮することによって、WTRUが電力制限されるかどうかを判定する。
WTRUは、スケジュールドE−DPDCHデータのための電力の量を以下のように計算し、
ここで、Pmaxは、デュアルキャリア動作のために必要な電力バックオフを考慮し、搬送波z(z=xまたはy)についてのE−DPCCHの電力は、サービンググラントに従った、その搬送波についての最大E−DPDCH電力に基づいて計算される。PDATA,maxは、ここでは、スケジュールドE−DPDCHのために利用可能な電力に対応する。Px+Py>PDATA,maxである場合、WTRUは、電力制限される。WTRUは、第1の搬送波のために非スケジュールド送信の電力が考慮される、上で説明された実施形態のいずれかに従って、各搬送波に割り当てられる残余電力の割合を計算する。各搬送波についての正規化残余電力は、以下のように計算することができ、
NRPM,x=(ρxPDATA,max+Pnon-SG)/PDPCCH,x 式(33)
NRPM,y=ρyPDATA,max/PDPCCH,y 式(34)
ここで、ρzは、非スケジュールド送信が行われ得ることを任意選択的に考慮して、いくつかの電力割り当て規則に基づいて、スケジュールド送信のための搬送波zに割り当てられる残余電力の割合である。その後、WTRUは、各搬送波について別々に、これら2つのNRPMに基づいて、E−TFC制約を実行する。搬送波xの場合、搬送波xについてのサポートされるE−TFCIが非スケジュールド送信も搬送できることを保証するために、非スケジュールド送信の電力が、第1の搬送波における残余電力に追加される。実施の例において、ρxPDATA,maxが、スケジュールドおよび非スケジュールドの両方についての、搬送波xまたはプライマリ搬送波に割り当てられた電力を含む場合、Pnon-SGを公式に追加する必要はないことが理解されよう。
その後、WTRUは、各搬送波について別々に、E−TFC選択を実行する。WTRUは、E−TFC選択への入力として、両方の搬送波における(スケーリングされていない)完全なサービンググラントを使用して、スケジュールドおよび非スケジュールドの両方のためのリソースのプールとして、各搬送波におけるヘッドルームを使用することを可能にし、利用可能なデータを有するMAC−dフローの論理チャネル優先度を尊重する。
実施の第3の異なる例では、アンカー搬送波に対して、WTRUは、非スケジュールド送信が送信されることを保証するために、仮想サービンググラントを使用する。この仮想サービンググラントは、以下のように計算することができる。
SGinput,x=(ρxPDATA,max)/PDPCCH,x 式(35)
セカンダリ搬送波に対するE−TFC選択は、従来の手法を使用して実行され、任意選択的に、同様に計算される仮想サービンググラントも使用する。
さらなる実施形態は、割り当てをE−TFC制約レベルで処理し、非スケジュールド送信の絶対保護および電力再割り当てを提供する。この実施形態では、WTRUは、WTRUが電力制限されるかどうかを判定する。WTRUは、式(32)におけるように、スケジュールドE−DPDCHデータのための電力の量を計算する。Px+Py>PDATA,maxである場合、WTRUは、電力制限される。WTRUは、第1の搬送波について非スケジュールド送信の電力が考慮される、上で説明された規則のいずれかに従って、各搬送波に割り当てられる残余電力の割合を計算する。各搬送波についての正規化残余電力は、式(33)におけるように、計算することができる。その後、WTRUは、NRPM,xに基づいて、第1の搬送波のためのE−TFC制約を実行する。搬送波xの場合、搬送波xについてのサポートされるE−TFCIが非スケジュールド送信も搬送できることを保証するために、非スケジュールド送信の電力が、第1の搬送波における残余電力に追加される。
その後、WTRUは、アンカー搬送波(ここでは搬送波x)に対してE−TFC選択を実行する。アンカー搬送波に対して、WTRUは、非スケジュールド送信が送信されることを保証するために、仮想サービンググラントを使用する。この仮想サービンググラントは、式(35)におけるように、計算することができる。セカンダリ搬送波に対するE−TFC選択は、E−TFC選択がアンカー搬送波上で実行された後の合計の残余電力に基づいたE−TFC制約を用いて、また任意選択的に、非スケジュールドフローが送信されないという制約を用いて、従来の手法を使用して実行される。第2の搬送波を満たす場合、UEは、E−TFC選択への入力として、セカンダリのための完全なサービンググラントを使用することができる。
別の実施形態は、割り当てがグラントレベルで処理される、並列的な手法を採用し、非スケジュールド送信の絶対保護を提供する。この実施形態では、WTRUは、WTRUが電力制限されるかどうかを判定する。WTRUは、式(32)におけるように、スケジュールドE−DPDCHデータのための電力の量を計算する。Px+Py>PDATA,maxである場合、またはPDATA,maxが例えば式(25)に従ってすでに非スケジュールドを考慮していないならば、Px+Py>PDATA,max−Pnon-SGである場合、WTRUは、電力制限される。WTRUは、第1の搬送波について非スケジュールド送信の電力が考慮される、上で説明された規則のいずれかに従って、各搬送波に割り当てられる残余電力の割合を計算する。例えば、各搬送波についての仮想グラントは、以下のように与えることができ、
SGinput,x=ΦSGx 式(36)
SGinput,y=ΦSGy 式(37)
ここで、Φは、
Φ=(PDATA,max)/(Px+Py) 式(38)
によって与えられる。
WTRUは、例えば、式(25)に従って、2つの搬送波のいずれにおいてもE−DPDCHが送信されないことを仮定して、2つの搬送波に対してE−TFC制約を実行する。この実施形態によれば、各搬送波についてのNRPMは、
NRPM,x=PDATA,max/PDPCCH,x 式(39)
NRPM,y=PDATA,max/PDPCCH,y 式(40)
に等しく、またはρzが1に等しい場合、式(26)もしくは式(27)に等しい。PDATA,maxが、式(31)に従って、Pnon-SGを考慮する場合、
NRPM,x=(PDATA,max+Pnon-SG)/PDPCCH,x 式(41)
NRPM,y=PDATA,max/PDPCCH,y 式(42)
である。
実施形態のこの例を用いた場合、各搬送波についての1組のサポートされるE−TFCIは、他方の搬送波においてデータが送信されない場合にUEによって送信できるE−TFCIに対応する。しかし、グラントは、非スケジュールド送信を考慮して計算される、仮想グラントによって制限されるので、その場合、合計送信電力は、(最小セットのE−TFCが使用されない限り)最大許容電力を超過しない。WTRUは、論理チャネル優先度の順に、仮想グラントに従った、非スケジュールドグラントおよび利用可能な非スケジュールドデータに従って、各搬送波を満たす。従来のE−TFC選択が、非スケジュールドフローはアンカー搬送波にのみマッピングできるという任意選択的な制約を伴って、その後、プライマリ搬送波に対して実行され、その後、セカンダリ搬送波に対して実行される。
本開示の全体にわたって、スケジュールド送信のための各搬送波に割り当てられる電力が、実際のサービンググラントによって許容される電力を超過しないことを保証することによって、WTRUは、上で説明された実施形態のいずれかに従って、WTRUが電力制限されているかどうかを決定または計算し、電力を割り当てる必要がないことがあることを理解されたい。例えば、これは、SGzとSGinput,zとの小さい方を取ることによって、または計算されたスケーリング係数と1との小さい方になるようにスケーリング係数を決定することによって、達成することができる。
デュアルキャリア電力バックオフ、およびマルチキャリア動作のための最大電力制約についての実施形態が、これ以降で開示される。WTRU電力増幅器設計および電力消費を軽減するため、WTRUは一般に、一定のMPR(最大電力低減)を許容される。この電力低減余裕は、電力増幅器の非線形性によって意図しない隣接搬送波干渉を引き起こすことを回避するため、WTRU実施が、最大送信電力を低減すること(これは電力バックオフとも呼ばれる)を可能にする。
一般に、電力バックオフの量は、送信される信号の組合せに依存する。従来、シングルキャリア動作について、様々なケースに関するTFCおよびE−TFC制約手順に対して許容される最大電力低減が規定されている。例えば、E−TFC制約を実行する場合、最大送信電力PMaxjは、表2に示されるように、E−TFCjに対応する信号構成ケースに対応するMPR(E−TFC−MPR)量を最大として低減させることが許可される。
一実施形態によれば、電力バックオフは、1つではなく2つのアップリンク搬送波上で送信を行う場合に、適用することができる。WTRUは、本明細書で説明される実施形態のいずれかに従って、両方の搬送波上で送信されるデータの量を決定し、データが2つの搬送波上で送信される場合、電力バックオフ(すなわち、合計の送信電力または搬送波毎の送信電力の低減)を適用することができる。その場合、電力バックオフの適用は、各搬送波におけるより小さなE−TFCIの使用をもたらす。WTRUは、より多くのデータを送信できるようにするのに、電力バックオフを用いずに単一の搬送波を使用するか、それとも電力バックオフを用いて2つの搬送波を使用するかを決定することができ、最も多い合計ビット数の送信を可能にする選択肢を選択することができる。
デュアルキャリア動作の場合、補助搬送波上に第2のDPCCHが存在するケースと組み合わされた、すべての既存(1〜6)または関連ケース、補助搬送波上に第2のDPCCHおよびHS−DPCCHが存在するケースと組み合わされた、すべての既存(1〜6)または関連ケース、ならびに補助搬送波上に第2のDPCCHおよびHS−DPCCHが存在するケースに加えて、E−DCH構成の異なるケースとも組み合わされた、すべての既存(1〜6)または関連ケースのような、追加のケースをサポートするために、MPR表の新しい組を定義することができ、またはE−TFC制約のための従来の表を拡張することができる。DC−HSUPA動作のためにWTRUが構成されるときに、DPDCHが許容されない場合、表2の最初の2つのケースが関連する。
一実施形態によれば、E−TFC制約手順を順次的に実行する(すなわち、搬送波xのためのE−TFC制約手順が、搬送波yのためのE−TFC制約手順の前に実施される)場合、搬送波xについてE−TFC制約手順を実行するとき、PMaxj,xの計算は、搬送波xにおいて送信されるチャネルに加えて、搬送波yにおけるDPCCHの存在および潜在的にHS−DPCCHなどの他のチャネルの存在に起因する追加的な電力低減を考慮することができる。この最大許容電力低減は、例えば、新しいE−TFC−MPRの表3から獲得することができる。表3では、MPR値X1〜X4は、例えば、シミュレーションまたは測定を通して決定された一定の数であり、(例えば、E−TFC制約を順次的に実行する場合に)最初に選択された搬送波についてE−TFC制約を実行するとき、WTRUは、各E−TFCiについて、表に従ってE−TFC−MPRを決定し、それを最大送信電力に適用することができる。同様に、搬送波yについてE−TFC制約を実行するとき、PMaxj,yの計算は、搬送波yにおいて送信されるチャネル(すなわち、DPCCH、E−DPCCH、EDPDCH、および潜在的にHS−DPCCH)に加えて、実際のE−DCHトランスポートフォーマットが選択された、搬送波xの存在に起因する追加的な電力低減を考慮することができる。この最大許容電力低減は、例えば、新しいE−TFC−MPRの表4から獲得することができる。
その後、第2の搬送波について、WTRUは、データが第1の搬送波上で送信されることを知る(さもなければ、第2の搬送波はデータで満たされない)。表4では、MPR値Y1〜Y6は、例えば、シミュレーションまたは測定を通して決定された一定の数である。
DC−HSUPA動作のためにWTRUが構成される場合、例えば、搬送波上で再送が存在し、他方の搬送波が空いているとき、E−TFC選択、したがって、E−TFC制約は、単一のトランスポートブロックに対して実施することができる。そのような場合、E−TFC制約についてのMPRは、類似の手順に基づくことができるが、(搬送波1上でデータがすでに送信されているので)搬送波2のためのMPR計算から開始する。表4に示されるようなE−TFC−MPRの表は、この目的で使用することができる。
別の実施形態では、データまたは制御情報が第2の搬送波を介して送信されている場合、固定されたMPRオフセットを、従来の表の値に適用することができる。より具体的には、この固定されたDC−HSUPA−MPR値(dB単位)は、E−TFC制約を実施するときに各搬送波について個別に計算されたE−TFC−MPR値に追加することができる。例えば、WTRUは、MPRを以下のように計算することができる。各搬送波および各E−TFCIについて、DC−HSUPAが活動化され、E−TFC選択が実施される場合、WTRUは、E−TFC制約のレガシ手順に従って(例えば、表2を使用して)、最初の「シングルキャリアMPR」を計算することができる。その後、各搬送波について、WTRUは、上で計算されたこのシングルキャリアMPR値に、DC−HSUPA−MPR値を追加する。その後、各搬送波について、WTRUは、その搬送波のための最大電力の計算において、この合計MPRを使用する。
別の例では、例えば、E−TFC制約が順次的に実施される場合、WTRUは、MPRを以下のように計算することができる。E−TFC制約が適用される最初の搬送波のためのMPRを計算する際、WTRUは、E−TFC制約のレガシ手順に従って(例えば、表2を使用して)、「シングルキャリアMPR」を最初に計算することができる。任意選択的に、WTRUは、計算されたこのシングルキャリアMPR値に、DC−HSUPA−MPR値を追加する。任意選択的に、WTRUは、以下の条件、すなわち、(1)他方の搬送波におけるDPCCHの電力が非ゼロであるか、もしくは次回のTTIにおけるスロットの少なくとも1つで非ゼロであること、または(2)HS−DPCCHが他方の搬送波上で送信されているか、もしくは送信されることのうちの1つまたは複数が(任意の順序または組合せで)満たされた場合に、計算されたこのシングルキャリアMPR値に、DC−HSUPA−MPR値を追加する。
E−TFC制約が適用される第2の搬送波のためのMPRを計算する際、WTRUは、E−TFC制約のレガシ手順に従って(例えば、表2を使用して)、「シングルキャリアMPR」を最初に計算することができる。任意選択的に、WTRUは、計算されたこのシングルキャリアMPR値に、DC−HSUPA−MPR値を追加する。任意選択的に、WTRUは、以下の条件、すなわち、(1)第1の搬送波におけるE−DPDCH(およびE−DPCCH)の電力が非ゼロであること、(2)第1の搬送波におけるE−DPDCHの電力が、WTRUがより高位の層のシグナリングを介してこの閾値を受け取るか、もしくはその値が事前設定される閾値を上回ること、(3)第1の搬送波におけるE−DPDCHのチャネライゼーションコードの数が、その値がネットワークによって伝達されるか、もしくは仕様によって事前設定される与えられた値以上であること、(4)第1の搬送波のE−DPDCHにおいて使用される最小の拡散係数が、事前設定される値以下であること、または(5)第1の搬送波がHS−DPCCHにおいて非ゼロの電力を有することのうちの1つまたは複数が(任意の順序または組合せで)満たされた場合に、計算されたこのシングルキャリアMPR値に、DC−HSUPA−MPR値を追加する。
別の実施形態では、WTRUは、MPRとともにレガシまたは従来のE−TFC制約手順を使用することができ、シングルキャリアが活動化される場合、また2つ以上の搬送波が活動化される場合、WTRUは、固定されたMPR値を使用することができる。あるいは、2つの搬送波が活動化され、両方の搬送波においてE−DCH送信が行われる場合、WTRUは、固定されたMPRを使用することができる。それ以外の場合、WTRUは、E−DCH送信を有する搬送波を使用して計算されたレガシ手順に基づいて、MPRを適用し、他方の搬送波に対して、追加のMPRは考慮されない。あるいは、2つの搬送波が活動化され、各搬送波において2つ以上の物理チャネルが送信される場合、WTRUは、固定されたMPRを使用することができる。それ以外の場合、WTRUは、E−DCH送信を有する搬送波を使用して計算されたレガシ手順に基づいて、MPRを適用し、他方の搬送波に対して、追加のMPRは考慮されない。あるいは、2つの搬送波が活動化され、各搬送波において同時に少なくともDPCCHが送信される場合、WTRUは、固定されたMPRを使用することができる。それ以外の場合、WTRUは、E−DCH送信を有する搬送波を使用して計算されたレガシ手順に基づいて、MPRを適用し、他方の搬送波に対して、追加のMPRは考慮されない。固定されたMPR値は、表2の最も大きいMPR値に対応することができる。WTRUは、すべての関連するE−TFCIおよび搬送波の組合せについて、MPRを事前に計算することができる。
z=xまたはz=yとし、E−TFCj,zに対して電力低減が適用される場合、PMAXの値は、E−TFCjおよび搬送波xまたはyについての電力バックオフの量だけ低減される。最大WTRU送信機電力は、以下のようになり、
最大WTRU送信機電力(dBm単位)=MIN{最大許容UL TX電力(dBm単位),PMAX,dBm−PBACKOFF,j,z} 式(43)
ここで、最大許容UL TX電力は、UTRANによって設定され、PMAX,dBmは、WTRU電力クラスによって定められるWTRU公称最大送信電力(dBm単位)であり、PBACKOFF,j,zは、E−TFCjおよび搬送波z=xまたはz=yに対して適用される電力バックオフの量(dB単位)である。
SI(スケジューリング情報)は、それが各搬送波についてのUL電力ヘッドルーム測定を個別に提供するように、変更することができる。より具体的には、SIのフォーマットは、図11に示されるように、補助搬送波のためのUPHを含むように拡張することができ、UPH1およびUPH2は、最大WTRU送信電力と対応するアンカーDPCCH符号電力の比、および最大WTRU送信電力と対応する補助DPCCH符号電力の比にそれぞれ対応する。
あるいは、WTRUは、1つのUPH測定を報告することができ、ノードBは、搬送波間のノイズ発生差に基づいて、他方の搬送波のUPHを推測することができる。
あるいは、単一のUPHを以下のように計算し、報告することができ、
ここで、Pmax,txは、WTRUによって送信できる合計の最大出力電力であり、PDPCCH1およびPDPCCH2は、それぞれ搬送波1および搬送波2のDPCCH上での送信符号電力を表す。搬送波毎の最大送信電力が設定される場合、Pmax,txは、搬送波毎の最大送信電力の和を表す。
あるいは、スケジューリング情報フォーマットは、変更されないままであるが、WTRUは、各搬送波において個別にSIを報告することができる。例えば、SIがアンカー搬送波上で送信される場合、SIは、アンカー搬送波のUPHを報告し、SIが補助搬送波上で送信される場合、SIは、補助搬送波のUPHを報告する。
E−TFC制約手順を実行する場合、WTRUは、設定される各E−TFCIおよび各HARQオフセットについてのE−DPDCH利得係数およびE−DPCCH利得係数(E−DPCCH電力昇圧が設定される場合)を計算する必要がある。これらの利得係数は、ネットワークによって設定される1組のパラメータに依存する。WTRUは、これらの利得係数の計算を可能にする構成メッセージを受信することができる。構成メッセージは、以下のパラメータ、すなわち、1組の基準E−TFCI、E−DPDCH電力オフセット、構成される各MAC−dフローについてHARQオフセット、それを上回るとE−DPCCH電力昇圧が適用されるE−TFCIを表すE−TFCIec,boost、E−DPCCHのための利得係数、(E−DPCCH電力昇圧についての)トラフィック対合計パイロット電力(traffic to total pilot power)などのうちの少なくとも1つまたは複数を含む。WTRUが与えられたE−TFCIのための利得係数を必要とするたびに、WTRUは、電力補間または外挿公式、ならびに潜在的にE−DPCCH電力昇圧公式を使用して、利得係数を計算する。
あるいは、WTRUは、E−TFCIの各々について、設定されるすべてのHARQオフセットまたはすべてのMAC−dフローのために必要とされる利得係数を事前計算することができる。WTRUは、(例えば、E−TFC制約が実行されるたびに)将来の使用のために、結果の電力オフセットを保存する。WTRUは、与えられたHARQオフセットおよびE−TFCIについて1組の電力オフセットを必要とする場合、事前計算されたテーブル内で必要とされる値を検索することができる。この手法は、上で説明されたE−TFC制約/選択手順のいずれに対しても使用することができる。
本発明では、WTRUは、すべてのHARQオフセットについての1組のサポートされるE−TFCIを、これらの値がE−TFC選択手順において必要とされる前に、事前計算することができる。例えば、設定される各HARQオフセットについての1組のサポートされるE−TFCIは、搬送波毎に独立に、すべてのTTIの開始時に計算して、メモリに保存することができる。E−TFC選択手順によって必要とされる場合、WTRUは、WTRUメモリから所望の1組の値を読み出すことができる。したがって、本発明においてE−TFC制約手順の実行に言及する場合、多くの場合、1組のサポートされるE−TFCIの実際の計算は、(例えば、TTI境界において)すでに実施されていてよく、したがって、E−TFC制約の実行は、メモリからの1組のサポートされるE−TFCIのWTRU読み出しを指すことがあることを理解されたい。
他の実施形態では、複数の搬送波にわたって変調方式を最適化することができる。これらの実施形態を説明する目的で、16QAM(16値直交振幅変調(16 quadrature amplitude modulation))およびQPSK(直交位相偏移変調(quadrature phase shift keying))について言及がなされる。様々な16QAMおよびQPSKシナリオ、ならびにE−DPCCH昇圧が、これ以降で開示される。本明細書で開示される順次的な手法の場合、WTRUは、最初にデータで満たす一方の搬送波を選択することができる。WTRUが電力制限され、その搬送波上でのグラントが、16QAMまたはE−DPCCH昇圧を使用するデータの送信を可能にするのに十分な大きさを有する状況において、一方の搬送波において16QAMが使用され、他方の搬送波において十分な電力が残っていない場合、データ送信が非効率となることがある。一実施形態では、例えば、一方の搬送波のみで16QAMを送信するよりも、QPSKを使用して2つの搬送波上で送信を行う方が、データ送信および電力利用に関して、より効率的になることがある。実際に、より高次の変調は、より低次の変調よりも、ビット当たり多くのエネルギーを一般に必要とするので、QPSKを使用する最大のE−TFCが両方の搬送波において使用され、WTRUが追加のデータを送信するのに十分な電力およびグラントを有する場合、WTRUが16QAMのみを使用する方が、よりエネルギー効率が良いことがある。そうすることで、WTRUのバッテリ寿命を改善することができるばかりでなく、与えられたユーザエクスペリエンスに対してネットワーク容量を改善することもできる。
さらなる例として、別の実施形態では、WTRUは、WTRUが電力制限される場合、16QAMを使用することができない。例えば、WTRUが電力制限される場合、QPSKを用いて満たされた2つの搬送波は、16QAMを用いる1つの搬送波、および潜在的にQPSKまたはBPSK(2相位相偏移変調)を用いる別の搬送波よりも多くのデータを搬送することができる。さらに、16QAMを用いる1つの搬送波、およびQPSKまたはBPSKを用いる別の搬送波という後者の構成は、追加的なWTRUバッテリ電力を消費し、WTRUのスループットを低下させ、ネットワーク容量を減少させることがある。
また別の実施形態では、WTRUは、WTRUがバッファ制限される場合、16QAMを使用しないように構成することができる。16QAMを用いるシングルキャリアまたは16QAMを用いる1つの搬送波、およびQPSKまたはBPSKを用いる別の搬送波の代わりに、QPSKを用いる2つの搬送波を用いて、WTRUがそのバッファを空にする方が、動作的により効率が良いことがある。これは、バッテリ寿命を改善し、ネットワーク容量を増加させる。
一実施形態によれば、WTRUは、少なくとも2回、DC−HSUPAのためのE−TFC選択手順を実行することができる(すなわち、DC−HSUPAのためのE−TFC制約手順が2回実行される)。第1の暫定的なE−TFC選択手順において、WTRUは、16QAM動作を必要とすることが知られているE−TFCIを許容しないことによって、E−TFCを計算する。この追加的な制約は、これらのE−TFCIがE−TFC選択手順に対してブロックされて見えるように、例えば、各搬送波に対するE−TFC制約手順の最中に実施することができる。その後、WTRUは、(搬送波毎に1つの)E−TFC選択手順からもたらされる2つのTBS(トランスポートブロックセット(transport block set))を記録し、2つの搬送波を介して送信されるデータビットの(または任意選択的に、データビットに、ヘッダビットおよび/もしくはパディングビットを加えた)総数を記録し、これらのTBSに対応するPDUを生成することができる。
第2の暫定的なE−TFC選択手順において、WTRUは、E−TFCIに対するさらなる制約を用いずに、E−TFCを計算する。これは、通常のE−TFC制約手順を実行することによって達成される。その後、WTRUは、(搬送波毎に1つの)E−TFC選択手順からもたらされる2つのTBSを記録し、2つの搬送波を介して送信されるデータビットの(または任意選択的に、データビットに、ヘッダビットおよび/もしくはパディングビットを加えた)総数を記録し、これらのTBSに対応するPDUを生成することができる。
その後、WTRUは、各手順について、送信されるビットの総数を(選択されたTBSの和または上で計算されたデータビットの総数を使用して)比較し、ビット数の合計が最大になる暫定的なE−TFCを選択する。その後、WTRUは、MAC PDUを生成し、送信することができる。PDUがあらかじめ生成される場合、WTRUは、最大のビット総数に対応するPDUのペアを送信し、他の2つのPDUは廃棄することができる。
別の実施形態によれば、E−TFC制約手順を更新して、1つの搬送波のみで16QAMを利用しないように、WTRUを制約することができる。
この制約は、以下の条件、すなわち、
(1)ここでのヘッドルームは平均ヘッドルーム(例えばUPH)もしくは瞬間ヘッドルームにし得るとして、WTRUの共有される利用可能なヘッドルームが閾値を下回ること、
(2)NRPMが閾値を下回ること、
(3)WTRUの共有される利用可能なヘッドルームが閾値を下回り、一方のもしくは最初に選択される搬送波のグラントが閾値を上回ること、
(4)最初に選択される搬送波におけるグラントが共有される利用可能なヘッドルームもしくはNRPMよりも大きいこと、または
(5)グラントの和が閾値よりも大きく、一方の搬送波におけるグラントが閾値を上回ること
の1つまたは組合せが真である場合に、適用することができる。
上で説明された閾値は、WTRUにおいて事前定義することができ、またはネットワークによって設定することができ、または他の設定値に基づいてWTRUによって決定することができる。
あるいは、この制約は、連続的に適用し、実行することもできる。上で説明された条件の1つが満たされた場合、WTRUは、一方の搬送波のみでの16QAMまたはDPCCH昇圧を拒否するよう試みることができる。E−TFC制約は、最初に選択された搬送波に対して実行することができる。E−TFC制約が実行される場合、WTRUは、16QAMまたはDPCCH昇圧を使用してWTRUに送信させるE−TFCIの範囲をブロックすることができる。E−TFC制約機能は、以下の基準、すなわち、
(1)すべてのE−TFCIが、E−TFCIboost以上であること、
(2)すべてのE−TFCIが、16QAMを使用するようにWTRUをトリガしたE−TFCI以上であること。この値は、最初にWTRUによって計算および決定できる、
(3)ブロッキングのために使用するE−TFCIを、ネットワークによって設定できること、または
(4)WTRUが、一定のビット数(例えば1000ビット)を上回るすべてのE−TFCIをブロックすること
の1つまたは組合せを使用して、どのE−TFCIがブロックされるかを決定することができる。
E−TFC選択は、許容されるグラントおよびサポートされるE−TFCIに従って実行され、最初の搬送波は、この値および関連するE−TFC選択手順に従って、データで満たされる。その後、WTRUは、第2の搬送波に進み、第2の搬送波に対してE−TFC制約を実行する。第2の搬送波に対するE−TFC制約手順は、上で説明されたように、E−TFCIをブロックすることもできる。第2の搬送波が、サポートされるE−TFCIおよび許容されるグラントに従って満たされると、WTRUは、E−TFC選択手順を停止することができ、またはその代わりに、電力およびグラントがまだ残っている場合は、最初に選択された搬送波に戻ることができる。E−TFC制約が2回目に実行される場合、16QAMまたはDPCCH昇圧を利用するE−TFCIは、通常のE−TFC制約手順のように、電力によって許容されないことがない限り、ブロックされない。あるいは、WTRUは、通常のE−TFC選択を実行するだけである。WTRUは、電力がまだ残っている場合、再び第2の搬送波に戻ることもできる。この手順は、反復E−TFC選択手順を必要とし、複雑さを増すことがある。しかし、上で説明された基準が満たされたときに、この手順が実行される場合、WTRUは、反復プロセスを行う必要がないこともある。
あるいは、E−TFC制約が第2の搬送波に対して実行される場合、WTRUは、上で言及されたE−TFCIのいずれもブロックしないことがある。このように、WTRUが十分な電力およびグラントを有する場合、WTRUは、より多くのデータを送信することができる。第2の搬送波がこのようにして満たされると、E−TFC選択手順は終了することができ、またはその代わりに、WTRUは、電力、グラント、およびデータが残っている場合、最初の搬送波を引き続き満たそうと試みることができる。
電力不均衡を考慮するための実施形態が、これ以降で説明される。2つの搬送波が、電力の均衡を大きく崩して送信されている場合、電力が小さい方の搬送波のSNR(信号対雑音比)は、他方の搬送波の存在によって悪化させられることがある。搬送波が(例えば、電力不均衡が原因で)隣接搬送波干渉を被る場合、ノードBにおいて測定されるSIRは、送信機におけるSIRの低下が原因で、低下させられる。大きな電力不均衡からもたらされる問題は、E−TFC選択およびE−TFC制約手順の一部として緩和することができる。
一実施形態によれば、2つの搬送波の間における電力不均衡の発生は、結果の電力不均衡が特定の限界または閾値内に維持されるように、E−TFC制約手順の最中に、1組のサポートされるE−TFCをさらに制約することによって、減少させることができる。これは、例えば、E−TFC制約手順のNRPMj計算において、有効なPMaxjを低減させることによって達成することができる。
あるいは、WTRUは、E−TFC候補jについての以下の式に基づいて、E−TFC選択のために利用可能な正規化残余電力余裕を推定することができ、
NRPMj=(PMaxj−Pimbalance,j−PDPCCH,target−PDPDCH−PHS-DPCCH−PE-DPCCH,j)/PDPCCH,target 式(45)
ここで、PMaxjは、与えられた搬送波についての残余最大電力を表すことが仮定される。PMaxjは、妥当な場合は、他方の搬送波上で送信されるチャネルの寄与を含むことができる。パラメータPimbalance,jは、ネットワークによって設定することができ、またはWTRUによって計算することができる。
WTRU動作を簡略化するため、電力不均衡状況は、(すべてのチャネルを含む)合計送信電力と他方の搬送波における送信DPCCH電力との差が閾値(PThresh)よりも大きい場合に発生すると考えることができる。WTRUは、最初に満たすために搬送波の一方を選択する(搬送波xが、優先度が最も高い搬送波(すなわち、最初に満たされる搬送波)に対応し、搬送波yが、電力またはグラントが残っている場合に満たされる第2の搬送波に対応する)。
各E−TFC候補jについて、WTRUは、搬送波z(zは搬送波インデックスxまたはy)のためのE−TFCjについての合計送信電力を以下のように計算することができ、
Ptot,z,j=PDPCCH,target z+PHS-DPCCH+PE-DPCCH,z,j+PE-DPDCH,z,j 式(46)
PHS-DPCCHは、搬送波zが、アンカー搬送波またはHS−DPCCHが送信される搬送波に対応する場合に考慮される。
If |Ptot,z,j−PDPCCH,target k|>PThresh
Then Pimbalance,j,z=|Ptot,z,j−PDPCCH,target k|−PThresh;
else
Pimbalance,j,z=0
kは、k≠zの搬送波インデックスである(例えば、zが搬送波xである場合、kは搬送波yを表し、その逆も成り立つ)。
搬送波xのためのNRPMは、以下のように計算される。
NRPMj,x=(PMaxj,x−PDPCCH,target x−PDPCCH,target y−PDPDCH,x,y−PHS-DPCCH,x,y−PE-DPCCH,j,x−Pimbalancex,j,x)/PDPCCH,target_x 式(47)
任意選択的に、Pimbalance,j,zが0よりも大きく、上記の条件が満たされる場合、Pimbalance,j,zを考慮することができる。Pimbalance,j,zが0よりも小さい場合、Pimbalance,j,zを0に設定することができ、または同等に、NRPM計算において考慮しなくてよい。
Pthreshは、ネットワークによって設定することができ、WTRUによって決定することができ、または特定のデバイス設計もしくは要件に基づいて計算することができる。Pthreshは、静的な数とすることができ、またはその代わりに、候補E−TFCjに基づいて動的に変化することができる。
その後、WTRUは、搬送波xのためのNRPMに従って、サポートされるE−TFCを選択する。NRPMにおいて電力不均衡が考慮されるので、サポートされるE−TFC(複数可)は、電力不均衡問題が生じないE−TFCを含む。
搬送波xにおいてE−TFC選択が実行されると、または搬送波xにおいて再送が進行中である場合、搬送波yについても同じ電力不均衡チェックを実行することができる。搬送波xにおいて再送が進行中である場合、搬送波xに対してE−TFC選択は実行されないが、搬送波xにおける再送の電力は、搬送波yのE−TFC制約において考慮される。
より具体的には、NRPMj,yは、以下のように計算され、
NRPMj,y=(PMaxj,y−PDPCCH,target x−PDPCCH,target y−PDPDCH,x,y−PHS-DPCCH,x,y−PE-DPCCH,x−PE-DPDCH,x−PE-DPCCH,j,y−Pimbalance,j,y)/PDPCCH,target y 式(48)
ここで、Pimbalance,j,yは、z=yおよびk=xとして、上で説明されたのと同様に計算することができ、PE-DPDCH,z,jは、搬送波zについて決定されたE−TFCIjのための推定E−DPDCH送信電力である。
あるいは、WTRUは、合計送信電力Ptot,yと搬送波xにおける合計送信電力Ptot,xとの差が閾値Pthreshよりも大きい場合、電力不均衡を考慮することができる。
任意選択的に、搬送波xにおいて再送が進行中であり、搬送波xにおける電力が搬送波yにおいて決定された電力に対して高すぎるか、またはその反対である場合、E−TFC選択は、これを考慮し、パディングによって問題を緩和することができる。この状況は、WTRUがバッファ制限され、他方の搬送波において利用可能な十分なグラントおよび電力が存在する場合に、生じることがある。より具体的には、2つの搬送波間の合計電力の差(Pdiff)がPthreshよりも大きい場合、WTRUは、その差(Pthresh−Pdiff)をパディングビットで満たすことができる。
順次的なE−TFC制約手順のケースのいくつかの追加的な例が、これ以降で説明される。WTRUは、TTI毎に両方の搬送波においてDPCCHを送信することができる。あるいは、WTRUは、一定の条件が満たされた場合は、同じTTI中に両方の搬送波においてDPCCHを送信しないことによって、電力消費を最適化することができる。搬送波の一方においてE−DCHデータが送信されない場合、WTRUがその搬送波上でDPCCHを送信しないことが役立つことがある。この場合、WTRUは、設定されたサイクルに従って、または非活動期間(すなわち、搬送波の一方においてデータが送信されない期間)において、その搬送波上でDPCCHを送信することができる。これは、長期間のDPCCHサイレンスを回避する。例えば、x個のTTIがサイレンス期間であった後、WTRUは、適切な電力制御を可能にするために、DPCCHバーストを送信することができる。
WTRUは、上で説明された搬送波選択の実施形態のうちの1つに従って、最初に処理する搬送波を選択する。搬送波は、xおよびyとして識別され、xは、最初に選択される搬送波であり、yは、他方の搬送波であり、xは、必ずしもアンカー搬送波に対応する必要はない。
WTRUは、WTRUがDPCCHおよび/またはHS−DPCCHを両方の搬送波上で送信することを求められているか、それとも単一の搬送波上で送信することを求められているかを決定する。WTRUは、制御チャネルのいずれかを両方の搬送波上で送信しなければならないかどうかを、以下の、すなわち、WTRUが、両方の搬送波上でそのTTI中に(すなわち、各搬送波上でのDTXサイクルに従って)DPCCHバーストのためにスケジュールされるかどうか、WTRU挙動が、E−DCHデータが送信されない場合、もしくはHS−DPCCHがその搬送波上で送信されない場合に、WTRUがDPCCHを送信しないことを許容するかどうか、WTRUが、両方の搬送波上でHS−DPCCHを送信しなければならないかどうか、または上で説明された実施形態のうちの1つに基づいて、WTRUがE−DCHデータを送信する一方の搬送波を選択した場合に、残りの搬送波上でDPCCHもしくはHS−DPCCHが必要とされるかどうかの1つまたは任意の組合せに基づいて、決定することができる。
搬送波y上でDPCCHまたはHS−DPCCHが必ずしも必要とされないと決定された場合、WTRUは、搬送波xに対するE−TFC制約手順を実行することができ、NRPMj,xは以下に等しい。
NRPMj,x=(PMaxj,x−PDPCCH,target x−PDPDCH,x−PHS-DPCCH,x−PE-DPCCH,j,x)/PDPCCH,target x 式(49)
式(49)において、搬送波xにおいてDPDCHが許容されない場合、またはDPDCHが送信のためにスケジュールされない場合、PDPDCH,xは考慮しなくてよい。
搬送波yにおいてDPDCHが送信され、搬送波xがE−DCH送信のために最初に選択される場合、以下のようになる。
NRPMj,x=(PMaxj,x−PDPCCH,target x−PDPDCH,y−PDPCCH,target y−PHS-DPCCH,x−PE-DPCCH,j,x)/PDPCCH,target x 式(50)
E−TFC選択およびE−TFC制約に基づいて、WTRUは、上のNRPMに基づいて決定された利用可能な残余電力、選択された搬送波xのために利用可能なサービンググラント、および非スケジュールドグラントに従って、選択された搬送波x上で送信できるビットの数を決定する。その後、搬送波xのためのMAC−i PDUを生成することができ、またはE−TFCIを決定することができる。
その後、WTRUは、搬送波yに対してE−TFC制約手順を実行し、NRPMj,yを以下のように決定することができる。
NRPMj,y=(PMaxj,y−PDPCCH,target x−PDPDCHx/y−PHS-DPCCHx/y−PE-DPCCH,j,x−PE-DPDCH,x−PDPCCH,target y−PHS-DPCCHjy−PE-DPCCH,j,y−Pbackoff)/PDPCCH,target y 式(51)
Pbackoff(最大電力低減)は、式(51)に示されるように、NRPM計算において明示的に減算することができ、または決定されるPMaxj,yの値において考慮することができ、それについては以下で説明される。その値は、静的な値とすることができ、またはその代わりに、追加的な搬送波において使用される多くのファクタおよびリソースに依存することができる。
その後、WTRUは、搬送波yにおいてE−DCHデータが送信できるかどうかを決定することができる。WTRUは、NRPMyが、設定された閾値を下回る、E−TFC制約手順から獲得される最も大きなサポートされるE−TFCが、最小E−TFCセットの最も大きなE−TFC以下である、(E−TFC制約手順から)決定された「サポートされる最大ペイロード」が、設定された閾値を下回る、搬送波yのための残余のスケジュールドグラントペイロードとサポートされる最大ペイロードの間の最小値が、設定もしくは事前決定された閾値を下回る、および/または搬送波yのための残余のスケジュールドグラントペイロードが、設定もしくは事前決定された閾値を下回るなどの条件の1つまたは組合せのもとで、搬送波y上でE−DCHを送信しないことを決定することができる。WTRUが新しい搬送波においてE−DCHを送信する場合、そのTTI中に、DPCCH送信も行わなければならない。
搬送波y上でDPDCHおよび/またはHS−DPCCHが送信される必要があると、WTRUが決定した場合、NRPMj,xを求める以下の計算を実行することができる。
NRPMj,x=(PMaxj,x−PDPCCH,target x−PDPDCH,x−PHS-DPCCH,x−PE-DPCCH,j,x−PDPDCH,y−PHS-DPCCH,y−Pbackoff)/PDPCCH,target x 式(52)
上記の式(52)は、E−TFC制約の一部として決定される、サポートされる最大ペイロードxに影響する。式(52)のNRPMj,xの公式は、両方のケースについて使用することができ、DPCCHまたはHS−DPCCHは送信されていないとWTRUが決定した場合、対応する電力は考慮されない。Pbackoffは、(例えば、送信機において線形性を維持するための電力制約に起因する)WTRUが両方の搬送波上で送信を行う場合にもたらされる追加的な電力損失に対応する。この値は、定数とすることができ、または他のファクタに依存することができる。上で説明されたNRPM計算は、手順が実行されているTTIが圧縮モードギャップに対応する場合、しかるべくスケーリングされる。
搬送波の一方(すなわち、搬送波x)において再送が進行中である場合、残りの搬送波yに対してE−TFC選択およびE−TFC制約が行われ、以下のようになる。
NRPMj,y=(PMaxj,y−PDPCCH,target x−PDPDCH,x/y−PHS-DPCCH,x/y−PE-DPCCH,j,x−PE-DPDCH,j,x−PDPCCH,target y−PHS-DPCCH,y−PE-DPDCH,j,y−Pbackoff)/PDPCCH,target y 式(53)
実施形態
1.複数のアップリンク搬送波を使用するアップリンク送信のためにWTRUにおいて実施される方法。
2.あるTTI中に送信される優先度が最も高いMAC−dフローを選択するステップを含む実施形態1に記載の方法。
3.複数のアップリンク搬送波の中からアップリンク搬送波を選択するため、およびサポートされる最大ペイロード、残余のスケジュールドグラントペイロード、または残余の非スケジュールドグラントペイロードのうちの少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つの新しいE−DCH送信のためのE−TFCを選択するために、アップリンク搬送波選択、およびE−TFC選択を実行するステップを含む実施形態2に記載の方法。
4.選択されたE−TFCに基づいて、選択されたアップリンク搬送波を介したE−DCH送信のために、MAC PDUを生成するステップを含む実施形態3に記載の方法。
5.E−TFC選択が、複数の新しいE−DCH送信のために、一度に1つの搬送波に対して順番に実行される、実施形態3〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.優先度が最も高いMAC−dフローは、アップリンク搬送波毎に順番に決定される、実施形態3〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.WTRUが電力制限されるかどうかを決定するステップをさらに含む実施形態3〜6のいずれか1つに記載の方法。
8.WTRUが電力制限されるならば、アップリンク搬送波の間で電力割り当てを実行するステップを含む実施形態7に記載の方法。
9.SGに基づいてすべてのアップリンク搬送波上でスケジュールド送信を送信するのに必要とされる電力、および非スケジュールド送信のために必要とされる電力が、WTRUの最大許容送信電力を超過するならば、WTRUは、WTRUが電力制限されると決定する、実施形態7〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.WTRUは、アップリンク搬送波の間で、サービンググラントに従って比例的に、利用可能な電力を割り当てる、実施形態7〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.スケジュールドグラントを処理する前に、非スケジュールド送信のための電力が事前に割り当てられる、実施形態10に記載の方法。
12.非スケジュールド送信のために必要とされる電力は、TTI中に利用可能なデータを有して送信することが許可された非スケジュールドMAC−dフロー、最大で許可された非スケジュールドMAC−dフローのための非スケジュールドグラントまでを送信するのに必要とされる電力、または設定された非スケジュールドグラントと非スケジュールドMAC−dフロー内の利用可能なデータとの小さい方のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、実施形態10〜11のいずれか1つに記載の方法。
13.WTRUは、搬送波がプライマリ搬送波であるか、それともセカンダリ搬送波であるか、電力ヘッドルーム、サービンググラント、搬送波が非スケジュールド送信を有するかどうかのうちの少なくとも1つに基づいて、どのアップリンク搬送波を最初に選択するかを決定する、実施形態3〜12のいずれか1つに記載の方法。
14.すべてのアップリンク搬送波についてのDPCCH電力のために必要とされる電力、E−TFC選択が実行されているアップリンク搬送波についてのE−DPCCHのために必要とされる電力、再送のためのE−DPDCHおよびE−DPCCHのために必要とされる電力を減算することによって、E−DCH再送のための搬送波選択およびE−TFC選択を実行するステップをさらに含む実施形態2〜13のいずれか1つに記載の方法。
15.複数の新しいE−DCH送信のためのE−TFC選択が、複数のアップリンク搬送波に対して並列に実行される、実施形態3〜14のいずれか1つに記載の方法。
16.E−TFC制約のための正規化残余電力余裕が、E−DCHおよびDPCCH送信のために各アップリンク搬送波に割り当てられる電力、各搬送波についてのスケジュールドE−DCH送信のために各搬送波に割り当てられる電力と、各搬送波についての非スケジュールド送信およびDPCCH送信のための電力とを加えた電力、またはE−DCH送信のためにすべての搬送波上で共有される電力のうちの少なくとも1つに基づいて計算される、実施形態15に記載の方法。
17.正規化残余電力余裕は、係数をDPCCH電力に乗じることによって計算される、実施形態16に記載の方法。
18.残余のスケジュールドグラントペイロードは、実際のグラントまたは仮想のグラントに基づいて決定される、実施形態3〜17のいずれか1つに記載の方法。
19.複数のアップリンク搬送波を使用するアップリンク送信のためのWTRU。
20.複数のアップリンク搬送波を介して送信するように構成された送信機を備える実施形態19に記載のWTRU。
21.少なくとも1つのダウンリンク搬送波を介して受信するように構成された受信機を備える実施形態19〜20のいずれか1つに記載のWTRU。
22.あるTTI中に送信される中で優先度が最も高いMAC−dフローを選択し、複数のアップリンク搬送波の中からアップリンク搬送波を選択するため、およびサポートされる最大ペイロード、残余のスケジュールドグラントペイロード、または残余の非スケジュールドグラントペイロードのうちの少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つの新しいE−DCH送信のためのE−TFCを選択するために、アップリンク搬送波選択、およびE−TFC選択を実行し、選択されたE−TFCに基づいて、選択されたアップリンク搬送波を介したE−DCH送信のために、MAC PDUを生成するように構成されたプロセッサを備える実施形態19〜20のいずれか1つに記載のWTRU。
23.プロセッサは、複数の新しいE−DCH送信のために、E−TFC選択を一度に1つの搬送波に対して順番に実行するように構成される、実施形態22に記載のWTRU。
24.プロセッサは、優先度が最も高いMAC−dフローをアップリンク搬送波毎に順番に決定するように構成される、実施形態22〜23のいずれか1つに記載のWTRU。
25.プロセッサは、WTRUが電力制限されるかどうかを決定し、WTRUが電力制限されるならば、アップリンク搬送波の間で電力割り当てを実行するように構成される、実施形態22〜24のいずれか1つに記載のWTRU。
26.プロセッサは、SGに基づいてすべてのアップリンク搬送波上でスケジュールド送信を送信するのに必要とされる電力、および非スケジュールド送信のために必要とされる電力が、WTRUの最大許容送信電力を超過するならば、WTRUが電力制限されると決定するように構成される、実施形態22〜25のいずれか1つに記載のWTRU。
27.プロセッサは、アップリンク搬送波の間で、サービンググラントに従って比例的に、利用可能な電力を割り当てるように構成される、実施形態26に記載のWTRU。
28.プロセッサは、スケジュールドグラントを処理する前に、非スケジュールド送信のための電力を事前に割り当てるように構成される、実施形態27に記載のWTRU。
29.プロセッサは、非スケジュールド送信のために必要とされる電力を、TTI中に利用可能なデータを有して送信することが許可された非スケジュールドMAC−dフロー、最大で許可された非スケジュールドMAC−dフローのための非スケジュールドグラントまでを送信するのに必要とされる電力、または設定された非スケジュールドグラントと非スケジュールドMAC−dフロー内の利用可能なデータとの小さい方のうちの少なくとも1つに基づいて決定するように構成される、実施形態27〜28のいずれか1つに記載のWTRU。
30.プロセッサは、搬送波がプライマリ搬送波であるか、それともセカンダリ搬送波であるか、電力ヘッドルーム、サービンググラント、搬送波が非スケジュールド送信を有するかどうかのうちの少なくとも1つに基づいて、どのアップリンク搬送波を最初に選択するかを決定するように構成される、実施形態22〜29のいずれか1つに記載のWTRU。
31.プロセッサは、すべてのアップリンク搬送波についてのDPCCH電力のために必要とされる電力、E−TFC選択が実行されているアップリンク搬送波についてのE−DPCCHのために必要とされる電力、再送のためのE−DPDCHおよびE−DPCCHのために必要とされる電力を減算した後で、E−DCH再送のための搬送波選択およびE−TFC選択を実行するように構成される、実施形態22〜30のいずれか1つに記載のWTRU。
32.プロセッサは、複数の新しいE−DCH送信のためのE−TFC選択を、複数のアップリンク搬送波に対して並列に実行するように構成される、実施形態22〜31のいずれか1つに記載のWTRU。
33.プロセッサは、E−TFC制約のための正規化残余電力余裕を、E−DCHおよびDPCCH送信のために各アップリンク搬送波に割り当てられる電力、各搬送波についてのスケジュールドE−DCH送信のために各搬送波に割り当てられる電力と、各搬送波についての非スケジュールド送信およびDPCCH送信のための電力とを加えた電力、またはE−DCH送信のためにすべての搬送波上で共有される電力のうちの少なくとも1つに基づいて計算するように構成される、実施形態32に記載のWTRU。
34.プロセッサは、正規化残余電力余裕を、係数をDPCCH電力に乗じることによって計算するように構成される、実施形態33に記載のWTRU。
35.プロセッサは、残余のスケジュールドグラントペイロードを、実際のグラントまたは仮想のグラントに基づいて決定するように構成される、実施形態22〜34のいずれか1つに記載のWTRU。
上では機能および要素が特定の組合せで説明されたが、各機能または要素は、他の機能および要素を伴わずに単独で、または他の機能および要素を伴ってもしくは伴わずに様々な組合せで使用することができる。本明細書で提供された方法およびフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行するための、コンピュータ可読記憶媒体内に含まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(デジタル多用途ディスク)などの光媒体を含む。
適切なプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)回路、他の任意のタイプのIC(集積回路)、および/または状態機械を含む。
ソフトウェアと連携するプロセッサは、WTRU(ワイヤレス送受信ユニット)、UE(ユーザ機器)、端末、基地局、RNC(無線ネットワークコントローラ)、または任意のホストコンピュータで使用するための、無線周波数トランシーバを実施するために使用することができる。WTRUは、センサネットワークまたはマシン対マシンネットワーク環境などの自律的な環境で使用することができ、あるいはWTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカフォン、バイブレーションデバイス、スピーカ、マイクロフォン、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(周波数変調)ラジオユニット、LCD(液晶表示)ディスプレイユニット、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)もしくはUWB(超広帯域)モジュールなど、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施される他のモジュールと併せて使用することができる。