JP2015226469A - 新規dna、およびそれを利用したカロテノイドの製造方法 - Google Patents

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憲之 木崎
Noriyuki Kizaki
憲之 木崎
西村 明
Akira Nishimura
明 西村
拡敏 松田
Hirotoshi Matsuda
拡敏 松田
清敬 原
Kiyotaka Hara
清敬 原
近藤 昭彦
Akihiko Kondo
昭彦 近藤
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Abstract

【課題】本発明は新規なDNA、および、そのDNAを利用したカロテノイドの製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】キサントフィロマイセス・デンドロアスのカロテノイド生産に関与するタンパク質をコードする新規なDNA、これを含むベクター、このベクターにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体、および、遺伝子組換えの手法で当該DNAの発現を増強した細胞を培養する工程含む、カロテノイドの製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、キサントフィロマイセス(Xanthophyllomyces)属に属する生物由来の新規なDNA、およびそのDNAを利用したカロテノイドの製造方法に関する。
カロテノイドは、植物、動物、微生物などが持つ黄色、赤色、紫色などの色素で、化学式C40H56の基本構造を持つ化合物の総称である。天然のカロテノイドとしては、βカロテン、αカロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンなど約600種類が知られている。アスタキサンチンは、養殖魚の肉や皮膚、鶏卵の卵黄等の色調を改善するための飼料用添加物として広く用いられると共に、近年では、機能性食品素材としても注目されている。
キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)(旧名:ファフィア・ロドジーマ(Phaffia rhodozyma))は、アスタキサンチンを特異的に生成する酵母として知られ、工業的にアスタキサンチンを生産する手段の1つとして注目されている。このような背景から、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)からアスタキサンチン高生産株を得るための菌株改良研究が多数実施されてきており、当初は専らランダム変異導入法が菌株改良に利用された。しかし、ランダム変異導入法によるアスタキサンチン高生産株の取得は、多大な時間と労力を要するため、最近では、遺伝子工学的手法を利用した菌株改良研究が試みられている。
例えば、非特許文献1は、キサントフィロマイセス・デンドロアスの染色体に存在するリボゾームDNAに、相同組換えを利用して外来遺伝子を導入する形質転換方法を開示している。
また、特許文献1は、キサントフィロマイセス・デンドロアスのカロテノイド生合成経路上の、ゲラニルゲラニルピロリン酸からβ−カロテンへの反応を触媒する3種類の酵素をコードするDNA、および、それらのDNAを含む発現ベクターをキサントフィロマイセス・デンドロアスに導入した形質転換体を開示している。
さらに、特許文献2は、キサントフィロマイセス・デンドロアスのメバロン酸経路上の3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A合成酵素、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A還元酵素、メバロン酸キナーゼ、メバロン酸ピロリン酸脱炭酸酵素、およびファルネシルピロリン酸合成酵素を各々コードするDNA、および、それらのDNAを含むベクターで形質転換した宿主細胞を培養することを含む、カロテノイドの製造法を開示している。
国際公開公報第97/23633号 特開2000−50884号公報
Gene,184,89−97,1997
本発明は新規なDNA、および、そのDNAを利用したカロテノイドの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、キサントフィロマイセス・デンドロアスのカロテノイド生産に関与するタンパク質をコードする新規なDNAを見出した。さらに、生物の細胞において、当該DNAの発現を増強することで、当該生物細胞のカロテノイド生産能力が向上することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
以下の(A)〜(H):
(A)配列表の配列番号1に示す塩基配列を含むDNA;
(B)配列表の配列番号1に示す塩基配列と相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA;
(C)配列表の配列番号1に示す塩基配列と85%以上の配列同一性を有するDNA;
(D)配列表の配列番号1に示す塩基配列において、1もしくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列からなるDNA;
(E)配列表の配列番号2に示す塩基配列を含むDNA;
(F)配列表の配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA;
(G)配列表の配列番号2に示す塩基配列と85%以上の配列同一性を有するDNA;
(H)配列表の配列番号2に示す塩基配列において、1もしくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列からなるDNA;
のいずれかのDNAに関する。
また、本発明は、以下の(I)〜(K):
(I)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(J)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(K)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換及び/または付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド;
のいずれかのポリペプチドをコードするDNAに関する。
前記DNAは、キサントフィロマイセス属に属する生物に由来することが好ましい。
前記生物が、キサントフィロマイセス・デンドロアスであることが好ましい。
また、本発明は、前記DNAを含むベクターに関する。
また、本発明は、前記ベクターにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体に関する。
前記形質転換体がカロテノイド生産能を有することが好ましい。
前記宿主細胞がキサントフィロマイセス属に属する生物の細胞であることが好ましい。
前記キサントフィロマイセス属に属する生物が、キサントフィロマイセス・デンドロアスであることが好ましい。
また、本発明は、遺伝子組換えの手法を用いて、前記DNAの発現が付与および/または増強され、且つ、カロテノイド生産能を有する細胞を培養する工程を含む、カロテノイドの製造方法に関する。
前記カロテノイド生産能を有する細胞が、キサントフィロマイセス属に属する生物の細胞であることが好ましい。
前記キサントフィロマイセス属に属する生物が、キサントフィロマイセス・デンドロアスであることが好ましい。
本発明により、キサントフィロマイセス・デンドロアスのカロテノイド生産に関与するタンパク質をコードする新規なDNA、および、そのDNAを利用したカロテノイドの効率的な製造方法が提供される。
以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれらにより限定されるものではない。
本発明は、以下の(A)〜(D)のいずれかに記載のDNAである:
(A)配列表の配列番号1に示す塩基配列を含むDNA;
(B)配列表の配列番号1に示す塩基配列と相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA;
(C)配列表の配列番号1に示す塩基配列と85%以上の配列同一性を有するDNA;
(D)配列表の配列番号1に示す塩基配列において、1もしくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列からなるDNA。
ここで、「配列表の配列番号1に示す塩基配列と相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA」とは、配列表の配列番号1に示した塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAをプローブとして、ストリンジェントな条件下にコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、あるいはサザンハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味する。
ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning,A laboratory manual,second edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ここで、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA」とは、例えば、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃の条件下でフィルターを洗浄することにより取得できるDNAを挙げることができる。好ましくは65℃で0.5倍濃度のSSC溶液で洗浄、より好ましくは65℃で0.2倍濃度のSSC溶液で洗浄、さらに好ましくは65℃で0.1倍濃度のSSC溶液で洗浄することにより取得できるDNAである。
以上のようにハイブリダイゼーション条件を記載したが、これらの条件に特に制限されない。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度や塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで最適なストリンジェンシーを実現することが可能である。
上記の条件にてハイブリダイズ可能なDNAとしては、配列番号1に示されるDNAと、配列同一性が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上のDNAを挙げることができ、コードされるポリペプチドが、本発明のポリペプチドの理化学的性質を有する限り、上記DNAに包含される。
ここで、「配列同一性(%)」とは、対比される2つのDNAを最適に整列させ、核酸塩基(例えば、A、T、C、G、U、またはI)が両方の配列で一致した位置の数を比較塩基総数で除し、そして、この結果に100を乗じた数値で表される。
配列同一性は、例えば、以下の配列分析用ツールを用いて算出し得る:GCG Wisconsin Package(Program Manual for The Wisconsin Package, Version8, 1994年9月, Genetics Computer Group, 575 Science Drive Medison, Wisconsin, USA 53711; Rice, P. (1996) Program Manual for EGCG Package, Peter Rice, The Sanger Centre, Hinxton Hall, Cambridge, CB10 1RQ, England)、及び、the ExPASy World Wide Web分子生物学用サーバー(Geneva University Hospital and University of Geneva, Geneva, Switzerland)。
上記で記載の「複数個の塩基」とは、例えば、600個、好ましくは300個、より好ましくは100個、さらに好ましくは50個、20個、10個、または5個以下の塩基を意味する。
上記(A)〜(D)のいずれかに記載のDNAの起源となる生物は特に限定されないが、カロテノイドを生産する生物が好ましく、より好ましくはキサントフィロマイセス属に属する生物、さらに好ましくはキサントフィロマイセス・デンドロアス種に属する生物、さらにより好ましくはキサントフィロマイセス・デンドロアスNBRC10129株である。キサントフィロマイセス・デンドロアスNBRC10129株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門(NBRC:〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)より入手することができる。
該DNAの起源となる生物から該DNAを単離する方法は特に限定されないが、例えば、該DNAの起源となる生物の染色体DNAを鋳型とし、プライマーを用いてPCR(Polymerase Chain Reaction)を実施することにより、該DNAを増幅できる。該DNAが増幅できれば、当業者であれば公知の方法で、該DNAを単離できる。例えば、増幅された該DNAを適当なクローニングベクターに連結し、適当な宿主細胞に導入することにより、単離できる。
該プライマーの例としては、配列番号4および配列番号5で示されるDNA配列からなるプライマーの組合せが挙げられる。該DNAの起源となる生物が真核生物である場合、このようにして得られる該DNAは、イントロン等の非翻訳配列を含み得る。
本発明は、また、以下の(E)〜(H)のいずれかに記載のDNAである:
(E)配列表の配列番号2に示す塩基配列を含むDNA;
(F)配列表の配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA;
(G)配列表の配列番号2に示す塩基配列と85%以上の配列同一性有するDNA;
(H)配列表の配列番号2に示す塩基配列において、1もしくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列からなるDNA。
上記(E)〜(H)のいずれかに記載のDNAの起源となる生物は特に限定されないが、カロテノイドを生産する生物が好ましく、より好ましくはキサントフィロマイセス属に属する生物、さらに好ましくはキサントフィロマイセス・デンドロアス種に属する生物、さらにより好ましくはキサントフィロマイセス・デンドロアスNBRC10129株である。キサントフィロマイセス・デンドロアスNBRC10129株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門(NBRC:〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)より入手することができる。
該DNAの起源となる生物から該DNAを単離する方法は特に限定されないが、例えば、該DNAの起源となる生物のcDNAを鋳型とし、プライマーを用いてPCR(Polymerase Chain Reaction)を実施することにより、該DNAを増幅できる。該DNAが増幅できれば、当業者であれば公知の方法で、該DNAを単離できる。例えば、増幅された該DNAを適当なクローニングベクターに連結し、適当な宿主細胞に導入することにより、単離できる。該プライマーの例としては、配列番号4および配列番号5で示されるDNA配列からなるプライマーの組合せが挙げられる。このようにして得られる該DNAはイントロン配列を含まないため、該DNAの塩基配列を解析することで、該DNAがコードするポリペプチドのアミノ酸配列が明らかとなる。該DNAがコードするポリペプチドは特に限定されないが、例として、配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドが挙げられる。上記(E)〜(H)における、ストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA、配列同一性、並びに、塩基の欠失、挿入、置換及び/または付加は、(A)〜(D)と同様である。
本発明はまた、以下の(I)〜(K)のいずれかに記載のポリペプチドをコードするDNAである:
(I)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(J)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(K)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換及び/または付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド。
上記(K)に記載のポリペプチドをコードするDNAは、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons, Inc, 1989)等に記載の公知の方法に準じて調製できる。
配列表の配列番号3に示したアミノ酸配列において、アミノ酸が置換、挿入、欠失及び/または付加される場所は特に制限されないが、高度保存領域を避けるのが好ましい。ここで、高度保存領域とは、由来の異なる複数の酵素について、アミノ酸配列を最適に整列させて比較した場合に、複数の配列間でアミノ酸が一致している位置を表す。高度保存領域は、配列番号3に示したアミノ酸配列と、公知のタンパク質のアミノ酸配列とを、GENETYX等のツールを用いて比較することにより確認することができる。
置換、挿入、欠失及び/又は付加により改変されたアミノ酸配列としては、1種類のタイプ(例えば置換)の改変のみを含むものであっても良いし、2種以上の改変(例えば、置換と挿入)を含んでいても良い。
また、置換の場合には、置換するアミノ酸は、置換前のアミノ酸と類似の性質を有するアミノ酸(同族アミノ酸)であることが好ましい。ここでは、以下に挙げる各群の同一群内のアミノ酸を同族アミノ酸とする:
(第1群:中性非極性アミノ酸)Gly,Ala,Val,Leu,Ile,Met,Cys,Pro,Phe;
(第2群:中性極性アミノ酸)Ser,Thr,Gln,Asn,Trp,Tyr;
(第3群:酸性アミノ酸)Glu,Asp;
(第4群:塩基性アミノ酸)His,Lys,Arg。
上記で記載の「複数個のアミノ酸」とは、例えば、20個、好ましくは15個、より好ましくは10個、さらに好ましくは5個、4個、3個、または2個以下のアミノ酸を意味する。
上記(J)に記載のポリペプチドと配列表の配列番号3のアミノ酸配列との配列同一性は85%以上だが、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましく、99%以上が最も好ましい。
アミノ酸配列の配列同一性は、配列表の配列番号3に示したアミノ酸配列と評価対象のアミノ酸配列とを比較し、両方の配列でアミノ酸が一致した位置の数を比較総アミノ酸数で除して、さらに100を乗じた値で表される。
本発明のDNAは、後述する方法に従って導入された宿主細胞内でカロテノイド生産に関与し得るものであればいかなるものでもよく、任意の非翻訳領域を含んでいてもよい。
本発明はまた、本発明のDNAを含むベクターに関する。本発明において使用されるベクターは、本発明のDNAを所望の宿主細胞に導入できるものであれば特に限定されず、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、コスミドベクター、さらに、複数種の宿主へ導入可能なシャトルベクターなどが使用できる。本発明のDNAは、所望の宿主細胞内において有効な発現プロモーター、ターミネーター等を付加して、ベクターに連結することが好ましい。各種生物において利用可能なベクター、プロモーターなどに関しては、「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立出版」などに詳細に記述されている。本発明のDNAを含むベクターは特に限定されないが、例として、プラスミドpUCRPKT−PT(実施例2参照)が挙げられる。
本発明はまた、前記ベクターにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体に関する。本発明のDNAを含むベクターにより形質転換される宿主細胞は、特に限定されないが、例えば、エシェリヒア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリイウム(Corynebacterium)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ブレバンディモナス(Brevundimonas)属、エリスロバクター(Erythrobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、パラコッカス(Paracoccus)属、及びラクトバチルス(Lactobacillus)属などの細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属及びストレプトマイセス(Streptomyces)属などの放線菌、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、クライベロマイセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属、及びキサントフィロマイセス属などの酵母、ノイロスポラ(Neurospora)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、セファロスポリウム(Cephalosporium)属、及びトリコデルマ(Trichoderma)属などのカビ、ヘマトコッカス(Haematococcus)属、クラミドモナス(Chlamydomonas)属、及びモノラフィディウム(Monoraphidium)属などの藻類、ラビリンチュラ(Labyrinthulea)属、ディプロフリス(Diplophrys)属などのラビリンチュラ(Labyrinthulea)類の各細胞が挙げられる他、タバコ、レタス、ナタネなどの植物細胞や動物細胞でもよいが、好ましい宿主細胞はキサントフィロマイセス属の細胞であり、より好ましくはキサントフィロマイセス・デンドロアスの細胞である。
本発明のDNAを含むベクターを宿主細胞に導入する方法は特に限定されず、公知の方法を利用できる。例えば、宿主細胞としてキサントフィロマイセス・デンドロアスの細胞を用いる場合は、電気穿孔法を用い得る(実施例3参照)。ベクターの導入後、本発明のDNAは宿主細胞の染色体とは独立に維持されてもよく、また、宿主細胞の染色体中に挿入されてもよい。さらに、rDNA配列等は染色体に複数存在することから、rDNA配列中に本発明のDNAを配置することによって、宿主細胞の染色体中に複数挿入することができる。
本発明はまた、遺伝子組換えの手法を用いて、本発明のDNAを発現する能力が付与および/または増強され、且つ、カロテノイド生産能を有する細胞を培養する工程を含む、カロテノイドの製造方法である。
遺伝子組換えの手法を用いて本発明のDNAを発現する能力が付与および/または増強された細胞は、本発明のDNAを含むベクターにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体に限定されない。例えば、本発明のDNAを元来有している細胞であって、該遺伝子の発現プロモーターとして機能するDNA、および/または、該遺伝子の発現を調節する機能を有するDNAを、遺伝子組換えの手法を用いて、置換、付加、破壊、および/または、削除して得られる細胞は、本発明のDNAを含むベクターにより宿主細胞を形質転換せずとも得られるが、本発明のDNAを発現する能力が付与および/または増強されている限りにおいて、遺伝子組換えの手法を用いて本発明のDNAを発現する能力が付与および/または増強された細胞に包含される。
カロテノイド生産能を有する細胞は、元来カロテノイド生産能を有する細胞に限定されず、遺伝子組換えの手法を用いてカロテノイド生産能が付与された細胞も、これに包含される。
遺伝子組換えの手法を用いて本発明のDNAを発現する能力が付与および/または増強され、且つ、カロテノイド生産能を有する細胞は特に限定されないが、好ましくは、キサントフィロマイセス属に属する生物の細胞であり、より好ましくはキサントフィロマイセス・デンドロアスの細胞である。
遺伝子組換えの手法を用いて本発明のDNAを発現する能力が付与および/または増強され、且つ、カロテノイド生産能を有する細胞の培養方法は特に限定されず、該細胞が生育し、カロテノイドの生産が可能であれば、いかなる培地組成、培養条件で培養してもよい。
遺伝子組換えの手法を用いて本発明のDNAを発現する能力が付与および/または増強され、且つ、カロテノイド生産能を有する細胞の培養物から、カロテノイドを取得する方法は特に限定されず、公知の技術を単独で、または組み合わせて用いることで実施できる。例えば、培養物を、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等の手法を用いて乾燥することで、カロテノイド含有乾燥物を得られる。また、例えば、培養物を適当な溶媒で抽出した後、溶媒を留去することで、カロテノイド含有抽出物が得られる。さらに、カロテノイド含有抽出物を精製して、高純度のカロテノイドを取得することも可能である。
本発明において、カロテノイドは特に限定されないが、例えば、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテン、リコペン、β−クリプトキサンチン、アドニキサンチン、フェニコキサンチン、ルテイン、エキネノン、ヒドロキシエキネノン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アンテラキサンチン、ビオラキサンチン、および、アスタキサンチンが挙げられ、アスタキサンチンが特に好ましい。
以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下の実施例において用いた組み換えDNA技術に関する詳細な操作方法などは、次の成書に記載されている:
Molecular Cloning 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)、
Current Protocols in Molecular Biology(Greene Publishing Associates and Wiley−Interscience)。
(実施例1)DNAの単離
以下の方法に従って、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株より、本発明のDNAを単離した。
(PCRプライマーの作製)
キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の染色体DNA配列情報から、配列表の配列番号4に示すプライマー1(5’−CTCCGTCCGAGAGCTAGCGATATCCCGCGGATGACCGCTATAGCCACCACCGCTATATC−3’)、および、配列表の配列番号5に示すプライマー2(5’−CTGCTTCGTGAGGCCTACGCGTACTAGTCCGCGGCTACAGACATTCCCTCAAACCGGTG−3’)を設計し、合成した。
(PCRによる遺伝子の増幅)
キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の菌体から、GenとるくんTM(タカラバイオ株式会社製)を用い、その取り扱い説明書に従って染色体DNAを抽出した。次に、上記で調製したDNAプライマーを用い、得られた染色体DNAを鋳型としてPCRを行ったところ、目的遺伝子を含むと考えられる約2.3kbpのDNA断片が増幅された。PCRは、DNAポリメラ−ゼとしてPrimeSTAR HS(タカラバイオ株式会社製)を用いて行い、反応条件はその取り扱い説明書に従った。このDNA断片について、BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社製)およびApplied Biosystems 3130xlジェネティックアナライザ(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社製)を用いてダイレクトシーケンスを行い、その塩基配列を解析した。その結果判明した染色体DNAの配列を、配列表の配列番号1に示した。
(cDNA配列の決定)
キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の菌体から、RNeasyPlant Mini Kit(キアゲン社製)を用いて、その取扱い説明書に従って総RNAを調製した。この総RNAから、RNA LA PCR KIT(タカラバイオ株式会社製)を用いて、その取扱い説明書に従いcDNAを調製し、これを鋳型として上記で調製したDNAプライマーを用いてPCRを行ったところ、目的遺伝子を含むと考えられる約1.6kbpのDNA断片が増幅された。このDNA断片について、BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社製)およびApplied Biosystems 3130xlジェネティックアナライザ(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社製)を用いてダイレクトシーケンスを行い、その塩基配列を解析した。その結果判明したcDNA配列を、配列表の配列番号2に示した。また、該cDNA配列から推定されるアミノ酸配列を、配列表の配列番号3に示した。
(実施例2)ベクターの構築
まず、国際公開公報第97/23633号を参考にして設計した、配列表の配列番号6に示すプライマー3(5’−CAGGAATTCCGGCAAGTCGAGGGAACCCGAGAG−3’)、および、配列表の配列番号7に示すプライマー4(5’−CACGAGCTCGATGGTAAGAGTGTTAGAGAAGTAG−3’)を用いて、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の染色体DNAを鋳型としてPCRを実施し、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのプロモーター配列を増幅した。これを、制限酵素EcoRIおよびSacIで消化し、同様に消化したプラスミドpUC19(タカラバイオ株式会社製)に挿入して、プラスミドpUC19Pを作製した。
次に、国際公開公報第97/23633号を参考にして設計した、配列表の配列番号8に示すプライマー5(5’−CAGCTGCAGACGGTTCTCTCCAAACCCTCTC−3’)、および、配列表の配列番号9に示すプライマー6(5’−CACAAGCTTTGGAAGGGCTGCTGATGGACTGG−3’)を用いて、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の染色体DNAを鋳型としてPCRを実施し、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのターミネーター配列を増幅した。これを、制限酵素PstIおよびHindIIIで消化し、同様に消化したプラスミドpUC19Pに挿入して、プラスミドpUC19PTを作製した。
次に、配列表の配列番号10に示すプライマー7(5’−CAGCCCGGGATGATTGAACAAGATGGATTGCACG−3’)、および、配列表の配列番号11に示すプライマー8(5’−CACGTCGACTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCG−3’)を用いて、プラスミドpHSG298(タカラバイオ株式会社製)を鋳型としてPCRを実施し、カナマイシン耐性遺伝子を増幅した。これを、制限酵素SmaIおよびSalIで消化し、同様に消化したプラスミドpUC19PTに挿入して、プラスミドpUC19PKTを作製した。
次に、Gene.1997 Jan 3;184(1):89−97を参考にして設計した、配列表の配列番号12に示すプライマー9(5’−CAGCATATGTTCCGTAGGTGAACCTGCGGAAGG−3’)、および、配列表の配列番号13に示すプライマー10(5’−CACCATATGCTTTTCCTCCGCTTATTGATATGC−3’)を用いて、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の染色体DNAを鋳型としてPCRを実施し、リボゾーマルDNAの一部を増幅した。これを、制限酵素NdeIで消化し、同様に消化したプラスミドpUC19に挿入して、プラスミドpUC19Rを作製した。
次に、配列表の配列番号14に示すプライマー11(5’−CAGATCGATCGGCAAGTCGAGGGAACCCGAGAG−3’)、および、配列表の配列番号15に示すプライマー12(5’−CACATCGATTGGAAGGGCTGCTGATGGACTGG−3’)を用いて、プラスミドpUC19PKTを鋳型としてPCRを実施し、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのプロモーターとターミネーターの間にカナマイシン耐性遺伝子が挿入されたDNAを増幅した。これを、制限酵素ClaIで消化し、同様に消化したプラスミドpUC19Rに挿入して、プラスミドpUC19RPKTを作製した。
次に、配列表の配列番号16に示すプライマー13(5’−GGTTCTCGCTTCGAACGGCAAGTCGAGGG−3’)、および、配列表の配列番号17に示すプライマー14(5’−CTTGTTCAATCATCCGCGGGATATCGCTAGCGATGGTAAGAGTGTTAGAGAAG−3’)を用いて、プラスミドpUC19RPKTを鋳型としてPCRを実施し、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのプロモーター配列を増幅した。これを、制限酵素BstBIおよびSacIIで処理して、プラスミドpUC19RPKTに挿入するためのDNA断片Pを作製した。
次に、配列表の配列番号18に示すプライマー15(5’−CGCCTTCTTGACCCGCGGACTAGTACGCGTAGGCCTACGGTTCTCTCCAAACCCTC−3’)、および、配列表の配列番号19に示すプライマー16(5’−CCCCCCGCTGCGTTCTTCATCGATTGGAAGGGCTGCTG−3’)を用いて、プラスミドpUC19RPKTを鋳型としてPCRを実施し、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのターミネーター配列を増幅した。これを、制限酵素ClaIおよびSacIIで処理して、プラスミドpUC19RPKTに挿入するためのDNA断片Tを作製した。
次に、pUC19RPKTを制限酵素ClaIで処理し、さらにアルカリホスファターゼで脱リン酸化処理した後、上述のDNA断片PおよびDNA断片Tと連結することにより、プラスミドpUCRPKT−PTを作製した。
次に、配列表の配列番号4に示すプライマー1(5’−CTCCGTCCGAGAGCTAGCGATATCCCGCGGATGACCGCTATAGCCACCACCGCTATATC−3’)、および、配列表の配列番号5に示すプライマー2(5’−CTGCTTCGTGAGGCCTACGCGTACTAGTCCGCGGCTACAGACATTCCCTCAAACCGGTG−3’)を用いて、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の染色体DNAを鋳型としてPCRを実施し、両端に制限酵素SacIIおよびSpeIの認識配列を付加したDNAを増幅した。これを、制限酵素SacIIおよびSpeIで消化し、同様に消化したプラスミドpUCRPKT−PTに挿入して、プラスミドpUCRPKT−PMKを作製した。プラスミドpUCRPKT−PMKは、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのプロモーターとターミネーターの間に本発明のDNAが挿入された構造を有し、本発明のDNAの発現ベクターとして機能する。このように作製したプラスミドpUCRPKT−PMKを制限酵素NdeIで消化し、線状DNAとしたものを、形質転換用ベクターとした。
(実施例3)形質転換体の取得
実施例2で作製した形質転換用ベクターを、電気穿孔法(Biotechnology techiques 1997 10:929−932)により、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の細胞に導入し、抗生物質G418を40mg/L添加したYM寒天培地(ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、グルコース1.0%、寒天2.0%、pH6.2)のプレート上で、形質転換細胞を選択し、抗生物質G418を40mg/L添加したYM寒天培地のスラント上に移植して保存した。得られた形質転換細胞をキサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129(pUCRPKT−PMK)株と命名した。
(実施例4)形質転換体によるアスタキサンチンの生産
抗生物質G418を40mg/L添加したYM培地(ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、グルコース1.0%、pH6.2)5mLを入れた試験管をオートクレーブ殺菌し、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129(pUCRPKT−PMK)株を接種した。これを22℃で2日間振盪培養し、前培養液とした。次に、抗生物質G418を40mg/L添加したYM培地80mLを入れた振盪フラスコをオートクレーブ殺菌し、上述の前培養液0.8mLを接種した。これを、22℃で3日間振盪培養し、得られた培養液のアスタキサンチン含量および細胞乾燥物含量を測定した。アスタキサンチン含量を細胞乾燥物含量で除し、細胞乾燥物中のアスタキサンチン含量を算出した。その結果、細胞乾燥物中のアスタキサンチン含量は0.28mg/gであった。
(比較例1)
プラスミドpUCRPKT−PMKから、本発明のDNAのみを除去したプラスミドであるpUCRPKT−PTを、キサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129株の細胞に導入して得られた形質転換細胞であるキサントフィロマイセス・デンドロアス(Xanthophyllomyces dendrorhous)NBRC10129(pUCRPKT−PT)株を、実施例4と同様に培養し、細胞乾燥物中のアスタキサンチン含量を算出した。その結果、細胞乾燥物中のアスタキサンチン含量は0.25mg/gであった。
実施例4と比較例1の結果から、本発明のDNAを導入することにより、細胞によるアスタキサンチンの生産量が増加すると考えられる。
なお、培養液のアスタキサンチン含量は、以下のように測定した。培養液1mLを密栓可能な1.5ml容のポリプロピレン製容器に分取し、約15000×Gで5分間遠心分離後に上清を除去する。これに約1gのガラスビーズ(直径0.5mm)、1mlのアセトンを加え、マルチビーズショッカー(安井器械株式会社製)を用いて4℃で3分間破砕処理する。破砕物をフィルターろ過(コスモナイスフィルターS、0.45μm;ミリポア社製)して、固形物とガラスビーズを除去し、HPLCを用いてアスタキサンチン含量を測定する。HPLCを用いたアスタキサンチンの定量は、以下の条件で実施する。 カラム:Develosil ODS−HG−5 φ4.6×250mm(野村化学株式会社製)、カラム温度:25℃、移動相:アセトニトリル/メタノール/イソプロパノール=85/10/5(体積比)、流速:0.8mL/分、検出波長:471nm。
培養液の細胞乾燥物含量は、以下のように測定した。予め風袋重量を測定した試験管に培養液5mLを分取し、約5000×Gで10分間遠心分離後に上清を除去する。これに、水5mLを添加して細胞を再懸濁し、同様に遠心分離した後、上清を除去する。これを110℃で12時間乾燥した後重量を測定し、風袋重量との差から内容物重量を算出する。さらに、内容物重量を最初に分取した培養液量で除し、細胞乾燥物含量を算出する。

Claims (12)

  1. 以下の(A)〜(H):
    (A)配列表の配列番号1に示す塩基配列を含むDNA;
    (B)配列表の配列番号1に示す塩基配列と相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA;
    (C)配列表の配列番号1に示す塩基配列と85%以上の配列同一性を有するDNA;
    (D)配列表の配列番号1に示す塩基配列において、1もしくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列からなるDNA;
    (E)配列表の配列番号2に示す塩基配列を含むDNA;
    (F)配列表の配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA;
    (G)配列表の配列番号2に示す塩基配列と85%以上の配列同一性を有するDNA;
    (H)配列表の配列番号2に示す塩基配列において、1もしくは複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列からなるDNA;
    のいずれかのDNA。
  2. 以下の(I)〜(K):
    (I)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (J)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (K)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換及び/または付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    のいずれかのポリペプチドをコードするDNA。
  3. キサントフィロマイセス属に属する生物に由来する、請求項1又は2に記載のDNA。
  4. 前記生物が、キサントフィロマイセス・デンドロアスである請求項3に記載のDNA。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のDNAを含むベクター。
  6. 請求項5に記載のベクターにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体。
  7. カロテノイド生産能を有する、請求項6に記載の形質転換体。
  8. 前記宿主細胞がキサントフィロマイセス属に属する生物の細胞である、請求項7に記載の形質転換体。
  9. 前記キサントフィロマイセス属に属する生物が、キサントフィロマイセス・デンドロアスである、請求項8に記載の形質転換体。
  10. 遺伝子組換えの手法を用いて、請求項1〜4のいずれか1項に記載のDNAの発現が付与および/または増強され、且つ、カロテノイド生産能を有する細胞を培養する工程を含む、カロテノイドの製造方法。
  11. 前記カロテノイド生産能を有する細胞が、キサントフィロマイセス属に属する生物の細胞である、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記キサントフィロマイセス属に属する生物が、キサントフィロマイセス・デンドロアスである、請求項11に記載の製造方法。
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