JP2015225962A - シリコン層の結晶化方法及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

シリコン層の結晶化方法及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スループットを大幅に低下させることなく電子の移動度をさらに向上することができるシリコン層の結晶化方法を提供する。【解決手段】基板Sにおいて露出する酸化珪素層55の表面にSPM洗浄やAPM洗浄を施し、CVDによって酸化珪素層55上にアモルファスシリコンからなるシリコン層56を形成し、基板Sをマイクロ波処理装置10のチャンバ11の内部へ搬入し、基板Sへマイクロ波を全方位から照射して基板Sを加熱するマイクロ波加熱を実行し、その後、基板Sを加熱炉の内部へ搬入して基板Sのシリコン層56をヒータ等によって加熱する通常加熱を実行し、シリコン層56をアモルファスシリコン層からポリシリコン層へ変性させる。【選択図】図5

Description

本発明は、シリコン層の結晶化方法及び半導体デバイスの製造方法に関する。
TFTや3Dメモリのチャネルにポリシリコンが用いられている。ポリシリコンを得る1つの手法として、堆積させたアモルファスシリコンを結晶化させる手法が用いられる。ここで、ポリシリコンには結晶粒界が存在するが、結晶粒界が多いと電子の移動度が低下する。したがって、電子の移動度を向上させるためには、結晶粒界を減じる必要がある。
結晶粒界を減じさせるには結晶粒径を大きくする必要があるが、結晶粒径は結晶数に半比例することから、結晶数を減じるためにアモルファスシリコンの膜を有する基板へ比較的低温の熱処理を長時間に亘って施すことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。比較的低温の熱処理では結晶核発生速度が遅くなって結晶の成長の起点となる結晶核の数がさほど増加しないため、結晶数が増加するのを抑制することができ、結果として結晶粒径が大きくなり、結晶粒界を減じることができる。
特開平8−274185号公報
しかしながら、近年、TFTのさらなるスイッチング速度の向上が求められており、チャネルにおける電子の移動度をさらに向上することが求められている。したがって、結晶数をさらに減じて結晶粒径をさらに大きくする必要がある。結晶を成長させる際に、さらなる低温の熱処理をより長時間に亘って施すことにより、さらに結晶数を減少させることも可能であるが、その場合、スループットが大幅に低下するという問題がある。
本発明の目的は、スループットを大幅に低下させることなく電子の移動度をさらに向上することができるシリコン層の結晶化方法及び半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のシリコン層の結晶化方法はアモルファスシリコンからなるシリコン層をマイクロ波で加熱した後、前記シリコン層を加熱炉の内部でさらに加熱することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の半導体デバイスの製造方法は、結晶化されたシリコン層を有する半導体デバイスの製造方法であって、前記シリコン層を結晶化する際、アモルファスシリコンからなる前記シリコン層をマイクロ波で加熱した後、前記シリコン層を加熱炉の内部でさらに加熱することを特徴とする。
本発明によれば、アモルファスシリコンからなるシリコン層がマイクロ波で加熱される。基板との境界付近のシリコン層には、基板及びシリコン層の結晶格子の構造が異なることに起因する複数の欠陥が生じるが、マイクロ波は電界や磁界を変動させて欠陥の未結合手を振動させて終端させる。これにより、結晶核の発生要因となる欠陥を減少させることができるため、さらなる低温の熱処理をより長時間に亘って施すことなく、結晶数が増加するのを抑制することができる。その結果、スループットを大幅に低下させることなく電子の移動度をさらに向上することができる。
本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法を実行するマイクロ波処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法が適用されて形成されるトップゲート型のTFTの構成を示す断面図である。 従来のシリコン層の結晶化方法を示す工程図である。 本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法を示す工程図である。 本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法を示すフローチャートである。 図1のマイクロ波処理装置における基板の冷却方法を説明するための図である。 図1のマイクロ波処理装置における基板の反りの観測方法を説明するための図である。 基板の変位量と反射LED光の光量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法を実行するマイクロ波処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
図1において、マイクロ波処理装置10は、基板Sを収容するチャンバ11と、チャンバ11内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入機構12と、チャンバ11内において基板Sを支持する支持機構13と、チャンバ11内に所定のガスを導入する2つのガス導入機構14と、チャンバ11内を減圧排気する排気機構15とを備える。
チャンバ11は、板状の天井部16と、該天井部16と対向する底部17と、天井部16及び底部17を連結する側壁部18とを備え、直方体状を呈する。天井部16、底部17や側壁部18は金属、例えば、アルミニウムやステンレスからなる。天井部16は図中上下方向(以下、単に「上下方向」という。)に関して貫通する複数のマイクロ波導入ポート19を有し、底部17は排気ポート20を有する。各側壁部18の内面はチャンバ11内に導入されたマイクロ波を反射するように平坦に構成される。また、一の側壁部18には基板Sの搬出入口21が設けられ、該搬出入口21にはゲートバルブ22が設けられ、該ゲートバルブ22は上下方向に移動して搬出入口21を開閉する。
支持機構13は、底部17を貫通して上下方向に沿って延在するシャフト23と、該シャフト23の上部から図中水平に展開する複数のアーム24と、シャフト23を回転させる回転駆動部25と、シャフト23を上下方向に昇降させる昇降駆動部26と、シャフト23の基台として機能し、回転駆動部25や昇降駆動部26が取り付けられるシャフト基部27とを有する。シャフト23はベローズ28によって覆われてチャンバ11の外部から遮断される。
支持機構13では、各アーム24の先端から突出するピン29によって基板Sが支持され、シャフト23が回転することによってアーム24に載置された基板Sはチャンバ11内において図中水平に回転し(図中矢印で示す。)、シャフト23が昇降することによって基板Sはチャンバ11内において上下方向に移動する(図中白抜き矢印で示す。)。また、シャフト23の先端には基板Sの温度を測定するための放射温度計としてのパイロメータ30が設けられ、チャンバ11の外部に設けられた温度計測部31と配線32で接続される。
天井部16や側壁部18に設けられる各ガス導入機構14は複数の配管35を介して天井部16や側壁部18に開口する複数のガス導入口36に接続され、処理ガス、冷却ガス又はパージガスとして、例えば、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、酸素(O)ガス、水素(H)ガスをチャンバ11内へダウンフロー方式やサイドフロー方式で導入する。配管35にはマスフローコントローラや開閉バルブ(いずれも図示しない)が配され、処理ガス、冷却ガスやパージガスの種類や流量を制御する。なお、図1において、複数のガス導入口36が天井部16や側壁部18に開口するが、支持機構13に基板Sを載置するステージを配置し、該ステージの載置面に複数のガス導入口を開口させ、パージガス等をアップフロー方式でチャンバ11内へ導入してもよい。
排気機構15はドライポンプ等の排気装置を有し、排気管33を介して排気ポート20に接続される。排気ポート20は、支持機構13が支持する基板Sに関してガス導入口36が開口する側壁部18とは反対側の側壁部18の近傍に開口する。これにより、側壁部18のガス導入口36から導入された冷却ガス等をチャンバ11内において水平方向に移動させ、該冷却ガス等を基板Sの表面に沿って流す。また、排気管33には圧力調整バルブ34が設けられ、チャンバ11内の圧力を調整する。
また、圧力調整バルブ34の上流側及び下流側にはそれぞれ、大気圧に対する陽圧状態にあるか否か、並びに、大気圧に対する陰圧状態であるか否かを監視する微差圧計51,52が設けられ、微差圧計51,52の監視結果に基づいてチャンバ11内の圧力状態が所望の陽圧状態、又は陰圧状態に保たれる。さらに、圧力調整バルブ34の上流側の排気管33は分岐して大気圧に保たれた搬送モジュール53に接続される。排気管33及び搬送モジュール53の間にはリリーフバルブ54が配され、チャンバ11内が過加圧状態になった際にリリーフバルブ54が開弁し、チャンバ11内の圧力を搬送モジュール53に逃がしてチャンバ11内の圧力を安全な範囲に収め、且つチャンバ11内を陽圧状態に保つことが可能な構成になっている。
なお、マイクロ波処理装置10に排気機構15を必ず設ける必要はなく、排気機構15を設けない場合には、マイクロ波処理装置10が設置される工場が有する排気設備の排気ラインを排気ポート20へ直接接続する。
チャンバ11内において、アーム24と側壁部18の間には整流板37が配置される。整流板37は多数の貫通穴37aを有し、各貫通穴37aへチャンバ11内の雰囲気を流すことによって基板S周りの雰囲気の流れを整える。
マイクロ波導入機構12は天井部16の上方に配置され、マイクロ波をチャンバ11内に導入する複数のマイクロ波ユニット38と、該複数のマイクロ波ユニット38に接続された高電圧電源39とを有する。
各マイクロ波ユニット38は、マイクロ波を生成するマグネトロン40と、生成されたマイクロ波をチャンバ11へ伝送する導波管41と、マイクロ波導入ポート19を塞ぐように天井部16に固定された透過窓42とを有する。
マグネトロン40は高電圧電源39に接続され、該高電圧電源39から高電圧が供給されて、種々の周波数、例えば、2.45GHzや5.8GHzのマイクロ波を生成する。マグネトロン40はマイクロ波処理装置10で実行される熱処理において最適な周波数のマイクロ波を選択的に生成する。
導波管41は矩形の断面、並びに角筒形状を有し、マイクロ波導入ポート19から上方へ立設され、マグネトロン40と透過窓42を接続する。マグネトロン40は導波管41の上端近傍に設けられ、マグネトロン40が生成したマイクロ波は、導波管41内において伝送されて透過窓42を介してチャンバ11内へ導入される。
透過窓42は誘電体材料、例えば、石英やセラミックスからなり、透過窓42及び天井部16の間はシール部材によって気密にシールされている。
マイクロ波ユニット38は、さらに、導波管41の途中に設けられたサーキュレータ43、検出器44、チューナ45及びサーキュレータ43に接続されたダミーロード46を有し、サーキュレータ43、検出器44及びチューナ45は、上方からこの順で配置される。サーキュレータ43及びダミーロード46は、チャンバ11内から反射するマイクロ波(以下、「反射波」という。)のアイソレータとして機能し、ダミーロード46はサーキュレータ43によって導波管41から分離された反射波を熱に変換して消費する。
検出器44はチャンバ11内からの反射波を検出し、チューナ45はマグネトロン40及びチャンバ11の間のインピーダンスを整合する。チューナ45は導波管41内へ突出可能に構成された導体板(図示しない)を有し、該導体板の突出量を制御することによって反射波の電力量が最少となるように上記インピーダンスを整合する。
マイクロ波処理装置10では、チャンバ11内へ導入されたマイクロ波が側壁部18等の内面によって反射されて散乱し、該散乱したマイクロ波が全方位から基板Sへ照射される。基板Sへ照射されたマイクロ波は、基板S内の双極子を振動させて摩擦熱を発生させ、該摩擦熱によって基板Sが加熱される。すなわち、マイクロ波を用いた熱処理(以下、「マイクロ波加熱」という。)が実行される。このとき、シャフト23が回転して、散乱するマイクロ波が基板Sの各部へ満遍なく照射されるように基板Sを図中水平に回転させる。また、マイクロ波が散乱するチャンバ11内が減圧されると、異常放電が生じるおそれがあるため、基板Sにマイクロ波が照射される際、排気機構15の圧力調整バルブ34の圧力調整と、ガス導入機構14からのガス供給とによってチャンバ11内がほぼ大気圧に維持される。
図2は、本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法が適用されて形成されるトップゲート型のTFTの構成を示す断面図である。
図2において、TFT47は、基板S上に成膜されたアンダーコート層48と、アンダーコート層48の上に部分的に形成されたチャネル49と、アンダーコート層48の上においてチャネル49の両脇にそれぞれ形成されたソース電極50及びドレイン電極51と、チャネル49、ソース電極50及びドレイン電極51を覆うように形成されたゲート保護膜52と、ゲート保護膜52の上においてチャネル49の直上に配置されるように形成されたゲート電極53と、ゲート電極53及びゲート保護膜52を覆うように形成されたパッシベーション層54とを備える。
TFT47では、チャネル49がポリシリコン層からなり、アンダーコート層48、ゲート保護膜52やパッシベーション層54は絶縁層からなるが、特にアンダーコート層48が酸化珪素(SiO)層からなる。本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法はチャネル49を構成するポリシリコン層の形成に適用される。
通常、酸化珪素膜の上に堆積等によって形成されたアモルファスシリコンを結晶化させる場合、酸化珪素層上に堆積されたアモルファスシリコンからなるシリコン層を有する基板を、ヒータ、例えば、ランプヒータやステージヒータを有する加熱炉の内部へ搬入し、ヒータによって基板へ比較的低温の熱処理(以下、「通常加熱」という。)を長時間に亘って施す。
ところで、基板Sにおいて酸化珪素層55との境界付近のアモルファスシリコンからなるシリコン層56には、酸化珪素層55及びシリコン層56の結晶格子の構造が異なることに起因する複数の欠陥57が生じる(図3(A))。欠陥57はシリコン原子のダングリングボンド(未結合手)を多く含むが、基板Sを加熱すると欠陥57を起点としてシリコンの結晶核58が生じる(図3(B))。その後、基板Sの加熱を継続すると、各結晶核58を起点としてシリコンの結晶59が成長してシリコン層56がアモルファスシリコン層からポリシリコン層へ変性する(図3(C))。このとき、各結晶59は各結晶核58を起点として成長するため、結晶核58の数が多いと結晶59の数も多くなり、各結晶59の粒径が小さくなる。その結果、結晶粒界が増加してチャネル49を構成するポリシリコンの電子の移動度が低下する。
本実施の形態では、これに対応して結晶核58を減少させ、もって、結晶59の数を減じさせることによって各結晶59の粒径を大きくし、シリコン層56の電子の移動度を向上させる。
本発明者は、本発明に先立ち、以下の実験を行った。すなわち、まず、酸化珪素層55が露出する基板Sを準備し、酸化珪素層55の表面に硫酸過酸化水素水洗浄(SPM洗浄)やアンモニア過酸化水素水洗浄(APM洗浄)を施した後、雰囲気温度530℃においてモノシラン(SiH)ガスを用いたCVDによって酸化珪素層55上にアモルファスシリコンからなるシリコン層56を形成し、さらに基板Sを加熱炉(図示しない)の内部へ搬入して基板S、特にシリコン層56を550℃に加熱する通常加熱を20時間に亘って実行し、ポリシリコンからなるシリコン層56を得た(比較例)。その後、当該シリコン層56における各結晶59の結晶粒径を、SEMを用いた電子線後方散乱回折法(EBSD法)で確認したところ、結晶粒径の平均値が0.387μmであり、結晶粒径の加重平均値が0.667μmであることを確認した。
一方、比較例と同様に、基板Sにおいて、酸化珪素層55上にアモルファスシリコンからなるシリコン層56を形成した後、基板Sを加熱炉の内部へ搬入する前に、基板Sをマイクロ波処理装置10のチャンバ11の内部へ搬入し、さらに、支持機構13によって支持された基板Sへマイクロ波を全方位から照射してシリコン層56を550℃に加熱するマイクロ波加熱を5分間に亘って実行した。その後、基板Sを加熱炉の内部へ搬入してシリコン層56を550℃に加熱する通常加熱を20時間に亘って実行し、ポリシリコンからなるシリコン層56を得(実施例1)、当該シリコン層56における各結晶59の結晶粒径を確認したところ、結晶粒径の平均値が0.411μmであり、結晶粒径の加重平均値が0.736μmであることを確認した。
また、マイクロ波加熱におけるシリコン層56の温度を600℃に維持したこと以外は実施例1と同じ条件でポリシリコンからなるシリコン層56を得(実施例2)、当該シリコン層56における各結晶59の結晶粒径を確認したところ、結晶粒径の平均値が0.368μmであり、結晶粒径の加重平均値が0.704μmであることを確認した。さらに、マイクロ波加熱におけるシリコン層56の温度を650℃に維持したこと以外は実施例1と同じ条件でポリシリコンからなるシリコン層56を得(実施例3)、当該シリコン層56における各結晶59の結晶粒径を確認したところ、結晶粒径の平均値が0.377μmであり、結晶粒径の加重平均値が0.649μmであることを確認した。
以上の比較例及び実施例1乃至3の確認結果から、少なくとも結晶粒径の加重平均値に関しては、基板Sへマイクロ波加熱を施し、さらに、マイクロ波加熱におけるシリコン層56の温度を600℃以下に維持すれば、基板Sへマイクロ波加熱を施さない場合よりも大きい値を得ることができ、マイクロ波加熱におけるシリコン層56の温度を550℃以下に維持すれば、より大きな値を得ることができるのが分かった。
基板Sへマイクロ波加熱を施すことにより大きな結晶粒径が得られる理由については詳細が不明であるが、本発明者は以下の仮説を類推した。
すなわち、欠陥57(図4(A))は未結合手を多く含むために極性を有するが、マイクロ波加熱においてマイクロ波が電界や磁界を変動させる際、極性を有する欠陥57の未結合手が電界や磁界の変動によって振動してエネルギーが高まり、未結合手と他の元素等との結合が促進されて未結合手が終端し、結果として欠陥57の数が減少する(図4(B))。これにより、欠陥57を起点とする結晶核58の数が減じ(図4(C))、さらには結晶核58を起点とする結晶59の数も少なくなり、各結晶59の粒径が大きくなる(図4(D))。本発明は上述した知見に基くものである。
図5は、本実施の形態に係るシリコン層の結晶化方法を示すフローチャートである。
まず、基板Sにおいて露出する酸化珪素層55の表面にSPM洗浄やAPM洗浄を施し(ステップS51)、CVDによって酸化珪素層55上にアモルファスシリコンからなるシリコン層56を形成し(ステップS52)、さらに、基板Sをマイクロ波処理装置10のチャンバ11の内部へ搬入し、基板Sへマイクロ波を全方位から照射して基板Sを加熱するマイクロ波加熱を実行する(ステップS53)。このとき、基板Sのシリコン層56の温度は600℃以下、好ましくは550℃以下に維持されるが、±20℃程度の誤差は許容される。
次いで、基板Sを加熱炉の内部へ搬入して基板S、特にシリコン層56を550℃に加熱する通常加熱を実行し(ステップS54)、シリコン層56をアモルファスシリコン層からポリシリコン層へ変性させた後、本処理を終了する。
図5のシリコン層の結晶化方法によれば、アモルファスシリコンからなるシリコン層56がマイクロ波で加熱される。酸化珪素層55との境界付近のシリコン層56には複数の欠陥57が生じるが、マイクロ波は電界や磁界を振動させて欠陥57の未結合手を終端させる。これにより、結晶核58の発生要因となる欠陥57を減少させることができるため、ポリシリコンからなるシリコン層56を得る際に低温の熱処理をより長時間に亘って施すことなく、結晶59の数が増加するのを抑制し、各結晶59の粒径を大きくして結晶粒界を減じさせることができる。その結果、スループットを大幅に低下させることなく、チャネル49を構成するシリコン層56における電子の移動度をさらに向上することができる。
また、図5のシリコン層の結晶化方法では、シリコン層56が形成される前に酸化珪素層55の表面にSPM洗浄やAPM洗浄が施される。SPM洗浄やAPM洗浄に用いられる過酸化水素等は酸化珪素層55における欠陥の未結合手をある程度終端するため、酸化珪素層55における未結合手の存在によって誘発されるシリコン層56の欠陥57を減じることができ、もって、シリコン層56において結晶59の数が増加するのを確実に抑制することができる。
上述した図5のシリコン層の結晶化方法では、欠陥57の未結合手が、電界や磁界の変動によって振動することにより、エネルギーが高まって終端し、結果として欠陥57の数が減少する。したがって、欠陥57の数を減少させる観点からは、電界や磁界を変動させるマイクロ波の出力を向上させるのが好ましく、マイクロ波加熱において、例えば、マイクロ波の出力を5000W以上に維持するのがよい。
しかしながら、マイクロ波の出力が向上するとシリコン層56へ付与されるエネルギーも大きくなるため、シリコン層56の温度を600℃以下に維持するのが困難となる。上述した実施例3において確認されたように、マイクロ波加熱におけるシリコン層56の温度が600℃を超えると、シリコン層56において、結晶核58の生成速度が向上して結晶59の数が増加し、各結晶59の結晶粒径が大きくならないため、電子の移動度を向上することができないおそれがある。
そこで、ステップS53において、図6に示すように、マイクロ波60が全方位から基板Sへ照射される際、マイクロ波処理装置10のガス導入口36から冷却ガス61をチャンバ11の内部へ導入し、基板Sの表面上に冷却ガスの気流を生じさせるのが好ましい。これにより、欠陥57の数を減少させるためにマイクロ波の出力を向上させてもシリコン層56の温度が必要以上、例えば、600℃を超える程度に上がるのを抑制することができ、もって、シリコン層56の結晶粒径が小さくなるのを抑制することができる。
以上、本発明について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図5のシリコン層の結晶化方法では、基板Sのマイクロ波加熱を実行した後、基板Sの通常加熱を実行したが、マイクロ波処理装置10のチャンバ11内にヒータ等を設けることにより、マイクロ波処理装置10において、基板Sのマイクロ波加熱と基板Sの通常加熱を実行してポリシリコンからなるシリコン層56を得てもよい。このとき、基板Sのマイクロ波加熱が終了しないうちに基板Sの通常加熱を開始してもよい。また、基板Sの通常加熱を行うことなく、基板Sのマイクロ波加熱のみを長時間に亘って実行することによってポリシリコンからなるシリコン層56を得てもよい。さらには、基板Sのマイクロ波加熱が終了し、所定の時間が経過した後に基板Sの通常加熱を開始してポリシリコンからなるシリコン層56を得てもよい。いずれの場合でも、基板Sへマイクロ波が照射されるため、シリコン層56の欠陥57の未結合手が終端し、欠陥57の数が減少して結晶核58の数が減じ、さらには結晶核58を起点とする結晶59の数も少なくなり、各結晶59の粒径が大きくなって結晶粒界が減じる。
また、図5のシリコン層の結晶化方法では、シリコン層56を形成する前に酸化珪素層55の表面にSPM洗浄やAPM洗浄を施したが、酸化珪素層55の表面にSPM洗浄やAPM洗浄を施すことなくシリコン層56を形成してもよい。
ところで、基板Sのマイクロ波加熱を実行する際、基板Sにおける温度分布が不均一となり、基板Sに反りが生じるおそれがある。基板Sに反りが生じると、基板Sの面内において均一な処理を施すのが難しくなる。
そこで、マイクロ波処理装置10において基板Sのマイクロ波加熱を実行する際、基板Sの反りの発生の有無を観測するのが好ましく、基板Sの反りの発生の有無の観測には、マイクロ波処理装置10のパイロメータ30が用いられる。
パイロメータ30はLED光を基板Sへ向けて照射する照射部(図示しない)と、基板Sから反射するLED光(以下、「反射LED光」という。)を受光する受光部(図示しない)とを有するが、基板Sが上へ凸に反った場合における反射LED光62の光路長(図7(B))は、基板Sが反っていない場合における反射LED光62の光路長(図7(A))よりも長くなるため、反射LED光62の減衰が進み、パイロメータ30の受光部が受光する反射LED光62の光量が減少する。一方、基板Sが下へ凸に反った場合における反射LED光62の光路長(図7(C))は、基板Sが反っていない場合における反射LED光62の光路長(図7(A))よりも短くなるため、反射LED光62の減衰が進まず、パイロメータ30の受光部が受光する反射LED光62の光量が増加する。
例えば、図8のグラフに示すように、基板Sが反っていない場合(基板変位量が0mm)の反射LED光62の光量を1とすると、基板Sが1mmほど上へ凸に反った場合(基板変位量が1mm)の反射LED光62の光量は約0.87となり、基板Sが1mmほど下へ凸に反った場合(基板変位量が−1mm)の反射LED光62の光量は約1.13となる。したがって、パイロメータ30を用いて反射LED光62の光量を測定することにより、基板Sの反りの発生の有無、及び基板Sの反りの方向を観測することができる。
また、本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、コンピュータ、例えば、マイクロ波処理装置10の制御部に供給し、制御部のCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより制御部に供給されてもよい。
また、制御部が読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、制御部に挿入された機能拡張ボードや制御部に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
S 基板
10 マイクロ波処理装置
47 TFT
49 チャネル
55 酸化珪素層
56 シリコン層
57 欠陥
58 結晶核
59 結晶
60 マイクロ波
61 冷却ガス

Claims (6)

  1. アモルファスシリコンからなるシリコン層をマイクロ波で加熱した後、前記シリコン層を加熱炉の内部でさらに加熱することを特徴とするシリコン層の結晶化方法。
  2. 前記シリコン層を前記マイクロ波で加熱する際、前記シリコン層の表面上に気流を生じさせることを特徴とする請求項1に記載のシリコン層の結晶化方法。
  3. 前記シリコン層を前記マイクロ波で加熱する際、前記シリコン層の温度は600℃以下に維持されることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン層の結晶化方法。
  4. 前記シリコン層を前記マイクロ波で加熱する際、前記シリコン層の温度は550℃以下に維持されることを特徴とする請求項3に記載のシリコン層の結晶化方法。
  5. 前記シリコン層は基板に形成され、前記シリコン層が形成される前に前記基板の表面が洗浄されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシリコン層の結晶化方法。
  6. 結晶化されたシリコン層を有する半導体デバイスの製造方法であって、
    前記シリコン層を結晶化する際、アモルファスシリコンからなる前記シリコン層をマイクロ波で加熱した後、前記シリコン層を加熱炉の内部でさらに加熱することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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