JP2015225735A - 超電導コイル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導コイルを形成する超電導線材に線材幅方向の歪の発生を抑制して、好適な超電導特性を確保できること。【解決手段】テープ形状の超電導線材14が巻軸11の表面に巻き回されて形成された3次元形状の超電導コイル12を複数備えた超電導コイル装置10であって、超電導コイルは、対向して長尺状に延在すると共に、超電導線材が線材面20を超電導コイルの軸線Oに平行な状態として設けられた偏向部16と、この偏向部の両端に連続し位置付けられると共に、超電導線材が線材面を超電導コイルの軸線Oに対し外側へ傾斜させて捻られた捻り部17と、偏向部の両側で対向する捻り部を連結し、曲線状に存在する延在方向中央部位24で超電導線材が線材面を超電導コイルの軸線Oに対し内側へ傾斜させて設けられた連結部18とを有し、この連結部では、延在方向中央部位から捻り部へ向かって超電導線材の傾斜が連続的に変化して構成されたものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、テープ形状の超電導線材が巻き回されて形成された超電導コイルを有する超電導コイル装置に関する。
超電導コイル装置には、荷電粒子を加速する加速器に、加速器用偏向電磁石として用いられるものが知られている。この加速器用偏向電磁石は、磁場によって荷電粒子を曲げてコントロールするものであり、一般的にコイル、鉄心(ヨーク)、磁極からなる(例えば特許文献1参照)。
荷電粒子を正確に導くためには偏向電磁石に高い磁場均一度が求められる。この均一な磁場分布は、荷電粒子が流れるビーム軌道領域付近に設けられる磁極の形状により実現される。但し、磁極に飽和があると磁場分布が励磁電流によって変化してしまうので、発生させる磁場は最大で約1.7Tに制限され、また、この磁場を発生させるコイルには銅線が使用される。
一方、偏向電磁石に小型軽量化が求められる場合には、コイルに超電導が適用される(例えば特許文献2、3、4参照)。超電導を適用することで高い磁場を発生することが可能となり、荷電粒子の軌道半径を小さくできるため、偏向電磁石の小型軽量化を実現できる。しかし、超電導を適用して高い磁場を発生させると、鉄心及び磁極の鉄が飽和してしまうので、磁極で磁場を形成することができなくなる。
このため、超電導を使用する場合には、図14に示すように、複数のコイル(超電導コイル101〜106)を組み合わせ、これらの配置を工夫することによって目的の磁場分布を得る超電導コイル装置100が用いられる(例えば特許文献5、6参照)。なお、図14中の符号107は巻軸、符号108は磁場をそれぞれ示す。
特開平10−335100号公報 特開2011−91094号公報 特開2010−118457号公報 特開平8−293410号公報 特開平4−97506号公報 特開2007−260222号公報
超電導コイル装置100では、磁場を有効に利用するために、超電導コイル101〜106は一般的に鞍型でビームの進行方向に長い形状をしており、荷電粒子が流れるビームダクトの周囲に配置される。その際、ビーム軌道が曲率一定の曲線(円)を描くため、超電導コイル101〜106はそのビーム軌道に沿った形状で、長手方向に対し湾曲していることが望ましい。
しかしながら、超電導コイル101〜106を形成する超電導線材がイットリウム系超電導線材などのテープ形状の超電導線材である場合には、この超電導線材を幅方向に曲げることが困難である。この超電導線材を幅方向に無理に曲げようとすると、この超電導線材に幅方向の大きな歪みが発生して、超電導コイル装置100の超電導特性が低下してしまう。
このように、テープ形状の超電導線材から形成される鞍型の超電導コイル101〜106のうち、長手方向に対して湾曲した超電導コイル101〜106を備える超電導コイル装置100では、その超電導特性が低下してしまう恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、巻き回されることで超電導コイルを形成する超電導線材に線材幅方向の歪の発生を抑制して、好適な超電導特性を確保できる超電導コイル装置を提供することにある。
本発明に係る超電導コイル装置は、テープ形状の超電導線材が巻軸の表面に巻き回されて形成された3次元形状の超電導コイルを複数備えた超電導コイル装置であって、前記超電導コイルは、対向して長尺状に延在すると共に、前記超電導線材が線材面を前記超電導コイルの軸線に平行な状態として設けられた本体部と、この本体部の両端に連続し対向して位置付けられると共に、前記超電導線材が前記線材面を前記超電導コイルの前記軸線に対し外側へ傾斜させて捻られた捻り部と、前記本体部の両側で対向する前記捻り部を連結し、曲線状に延在する延在方向中央部位で前記超電導線材が前記線材面を前記超電導コイルの前記軸線に対し内側へ傾斜させて設けられた連結部とを有し、前記連結部では、前記延在方向中央部位から前記捻り部へ向かって前記超電導線材の傾斜が連続的に変化して構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、超電導コイルの連結部では、曲線状に延在する延在方向中央部位で超電導線材が線材面を超電導コイルの軸線に対し内側へ傾斜させ、この中央部位から捻り部へ向かって超電導線材の傾斜を連続的に変化させている。このため、超電導コイルでは、連結部及び捻り部において、超電導線材の幅方向両側のエッジ部に、この線材の長手方向の引張力及び圧縮力が作用しない。この結果、超電導線材の幅方向両側におけるエッジ部の長さが略等しくなり、超電導コイルの連結部及び捻り部に、超電導線材の幅方向の歪の発生を抑制できるので、超電導コイル装置の超電導特性を好適に確保できる。
(A)は本発明に係る超電導コイル装置の第1実施形態を示す平面図、(B)は図1(A)の超電導コイルを形成するテープ形状の超電導線材を示す表面図。 図1のII−II線に沿う断面図。 図2を概略的に拡大して示す断面図。 図1のIV−IV線に沿う断面図。 図4を概略的に拡大して示す断面図。 図1のVI−VI線に沿う断面図。 (A)から(D)は各々図1の超電導コイルの偏向部、捻り部及び連結部における超電導線材の傾斜の変化を説明する説明図。 本発明に係る超電導コイル装置の第2実施形態を示す平面図。 図8のIX−IX線に沿う断面図。 図8のX−X線に沿う断面図。 本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態における超電導コイルの偏向部を示す断面図。 本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態における超電導コイルの捻り部と連結部との境界部位を示す断面図。 本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態における超電導コイルの連結部の延在方向中央部位を示す断面図。 従来の超電導コイル装置を示し、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は図14(A)のXIV−XIV線に沿う断面図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図7)
図1は、(A)が本発明に係る超電導コイル装置の第1実施形態を示す平面図、(B)が、図1(A)の超電導コイルを形成するテープ形状の超電導線材を示す表面図である。また、図2は図1のII−II線に沿う断面図であり、図4は図1のIV−IV線に沿う断面図である。これらの図1、図2及び図4に示す超電導コイル装置10は、例えば荷電粒子を加速する加速器に偏向電磁石として用いられるものであり、荷電粒子が通る円環状のビームダクトの外側に配置されて、荷電粒子に円形軌道を描かせるための磁場1(図2、図4)を形成する。
本第1実施形態の超電導コイル装置10は、パイプ形状の巻軸11の外表面に3次元形状(本実施形態では鞍型形状)の超電導コイル10が同軸状態で複数設けられて超電導コイル体13が構成され、この超電導コイル体13が巻軸11の軸心Qに対向配置されることで構成される。各超電導コイル体13のそれぞれの超電導コイル12は、テープ形状の超電導線材14が、巻軸11の外表面に設置されたリング形状の巻枠15に、図3、図5及び図6に示すように複数回巻き回されることで形成された鞍型の超電導コイルである。
この鞍型の超電導コイル12は、レーストラック形状の超電導コイルのコーナー部(後述の連結部18)が、上方へ湾曲して立ち上がった形状の超電導コイルである。この超電導コイル12は、対向して平行に設けられた本体部としての2つの偏向部16と、これらの各偏向部16の両端に連続して設けられた4つの捻り部17と、偏向部16の両側で対向する2つの捻り部17を連結する2つの連結部18と、を有して構成される。
ここで、超電導線材14は、基板、中間層、RE系酸化物超電導層及び保護金属層を積層した多層構造であって、テープ形状の薄膜の超電導線材である。また、巻軸11は円筒(パイプ)形状であり、加速器の円環状のビームダクトに沿って軸心Qが湾曲して構成される。但し、この巻軸11は、円筒形状に限らず、例えば楕円形状、角部が湾曲した角筒形状であってもよい。
超電導コイル12の偏向部16のそれぞれは、巻軸11の軸心Qが湾曲されたことで、この巻軸11に沿って一定の曲率Rに湾曲した状態で、対向して長尺状に延在される。この偏向部16では、図1、図3及び図7(A)に示すように、超電導線材14が線材面20を超電導コイル12の軸線O(y方向)に平行な状態として配置されている。これにより、偏向部16が一定の曲率Rで湾曲している場合にも、この偏向部16における超電導線材14に厚さ方向の曲げのみが生じることになる。従って、この偏向部16における超電導線材14では、この超電導線材14の幅方向Wの両側におけるエッジ部21の長さL1、L2が略等しくなる。
図1に示すように、超電導コイル12における対向して位置づけられた2つの捻り部17は、偏向部16の一端から直線状に延び、また、超電導コイル12における対向して位置づけられた他の2つの捻り部17は、偏向部16の一端の反対側の他端から直線状に延びる。超電導コイル12における捻り部17のそれぞれでは、超電導線材14は、偏向部16との境界部位22で線材面20が超電導コイル12の軸線Oと平行になった状態(図7(A)参照)から、一定のペースで超電導コイル12の外側へ捻られ、線材面20が超電導コイル12の軸線Oに対し外側へ傾斜されて連結部18に連続する。この捻り部17と連結部18との境界部位23で超電導線材14は線材面20が、図4、図5及び図7(B)に示すように、超電導コイル12の軸線Oと平行な直線に対し超電導コイル12の外側へ傾斜角αだけ傾斜し、巻軸11の略径方向を向く。
図1に示すように、超電導コイル12における偏向部16の両側で対向する2つの捻り部17を連結する連結部18は、この2つの捻り部17間に曲線状に存在する。この連結部18の超電導線材14は、連結部18の延在方向中央部位24で、図6及び図7(D)に示すように、線材面20を、超電導コイル12の軸線Oと平行な直線に対し超電導コイル12の内側へ傾斜角φだけ傾斜させて配設される。更に、この連結部18では、超電導線材14は、連結部18の延在方向中央部位24から捻り部17へ向かう傾斜が、超電導コイル12の内側から外側へ向かって連続的に変化して配設される。例えば、超電導線材14は、連結部18における延在方向中央部位24と、連結部18と捻り部17との境界部位23との中間部位25において、図7(C)に示すように、超電導コイル12の軸線Oと平行な直線に対する線材面20の傾斜角βが、捻り部17との境界部位23での傾斜角αよりも小さな角度に設定される。
上述のように超電導コイル12の連結部18において、超電導線材14は線材面20が、連結部18の延在方向中央部位24で、超電導コイル12の内側に傾斜角φだけ傾斜し、この延在方向中央部位24から連結部18と捻り部17との境界部位23へ向かって傾斜角が超電導コイル12の内側から外側へ連続的に変化し、連結部18と捻り部17との境界部位23で超電導コイル12の外側へ傾斜角αで傾斜している。更に、超電導コイル12の捻り部17において、超電導線材14は超電導コイル12の外側へ捻られ、線材面20が、捻り部17と偏向部16との境界部位22での超電導コイル12の軸線Oに平行な状態から、捻り部17と連結部18との境界部位23での傾斜角αまで、傾斜角が連続的に変化する。
超電導コイル12の捻り部17及び連結部18において、超電導線材14の線材面20の傾斜角が捻り部17から連結部18の延在方向中央部位24へ向かって、超電導コイル12の外側から内側へ連続に変化することで、この捻り部17及び連結部18における超電導線材14では、この超電導線材14の幅方向Wの両側のエッジ部21に、超電導線材14の長手方向の引張力及び圧縮力が作用せず、このため、超電導線材14の幅方向W両側のエッジ部21の長さL1、L2が略等しくなる。このとき、超伝導線材14の幅方向W両側のエッジ部21の長さL1、L2の差の比Lcは、次式で与えられる。
Figure 2015225735
この長さL1、L2の差の比Lcは、超電導線材14に許容される歪をε%としたときにε以下(Lc<ε)であることが望ましい。
例えば、巻軸11の巻枠15に超電導線材14が巻き回されて形成される超電導コイル12の開き角θ(図3、図5)を64度とし、超電導コイル12の連結部18における巻軸11の軸心Qに沿う寸法P1(図1(A)を100mmとし、巻軸11の直径D(図3)を140mmとし、超電導コイル12の連結部18における延在方向中央部位24での超電導線材14の線材面20の傾斜角φ(図6、図7(B))を45度とし、超電導線材14の幅方向Wの寸法Wu(図1(B))を2mmとするとき、超電導コイル12の連結部18における超電導線材14の幅方向W両側のエッジ部21の長さL1、L2の差の比Lcは、最大で0.09%になる。
ここで、超電導線材10に許容される歪ε%は、その超電導線材14の形状や特性によって異なるが、一般的には0.1%〜0.5%である。従って、このとき、超電導コイル12の連結部18における超電導線14の幅方向W両側のエッジ部21の長さL1、L2の差の比Lcが、超電導線材14に許容される歪ε(0.1%〜0.5%)以下に設定されていることが分かる。尚、超電導コイル12の捻り部17における巻軸11の軸心Qに沿う寸法P2(図1(A))は、開き角θの単位をラジアンとして次式で与えられる。
Figure 2015225735
上述のような構成の超電導コイル12を製作する2方式の製作手順を次に述べる。
第1の製作手順では、まず、レーストラック形状またはリング形状の巻枠に超電導線材14を巻き回して2次元形状の超電導コイルを製作し、その後、この2次元形状の超電導コイルに外力を加えることで、3次元形状の鞍型の超電導コイル12を製作する。また、第2の製作手順では、3次元の鞍形形状の巻枠15を用い、この巻枠15に超電導線材14を巻き回して3次元形状の鞍型の超電導線コイル12を直接製作する。これら第1及び第2のいずれの製作手順においても、巻枠と超電導線材14とが、並びに巻き回される超電導線材14同士が接着剤により接着されることで、超電導コイル12は高い巻線精度に保持される。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(3)を奏する。
(1)超電導コイル装置10における超電導コイル12の連結部18は、曲線状に延在する延在方向中央部位24で超電導コイル14が線材面20を超電導コイル12の軸線Oと平行な直線に対し内側へ傾斜角φで傾斜させ、この延在方向中央部位24から捻り部17へ向かって超電導線材14の傾斜を、超電導コイル12の内側から外側へ連続的に変化させている。このため、超電導コイル12は、連結部18及び捻り部17において、超電導線材14の幅方向W両側のエッジ部21に、この超電導線材14の長手方向の引張力及び圧縮力が作用しない。この結果、超電導線材14の幅方向W両側におけるエッジ部21の長さL1、L2が略等しくなり、超電導コイル12の連結部18及び捻り部17に、超電導線材14の幅方向Wの歪の発生を抑制できるので、超電導コイル装置10の超電導特性を好適に確保できる。
(2)超電導コイル装置10における超電導コイル12の偏向部16では、超電導線材14が線材面20を超電導コイル12の軸線Oに平行な状態として設けられたので、この偏向部16が巻軸11の軸心Qに沿って一定曲率Rに湾曲した状態で延在される場合にも、その曲げは超電導線材14の厚さ方向の曲げのみとなる。この結果、超電導コイル12の偏向部16では、超電導線材14の幅方向W両側におけるエッジ部21の長さL1、Lが略等しくなり、超電導線材14の幅方向Wの歪の発生を抑制できるので、超電導コイル装置10の超電導特性を好適に確保できる。
(3)特に、超電導コイル装置10の超電導コイル12の連結部18における超電導線材14の幅方向W両側のエッジ部21の長さL1、L2の差の比Lcが0.1%以下に設定された場合には、超電導線材14の形状を保持するためにこの超電導線材14に作用する外力を極力小さくできるので、超電導コイル装置10の超電導コイル12に高い巻線精度を実現できる。
[B]第2実施形態(図8〜図10)
図8は、本発明に係る超電導コイル装置の第2実施形態を示す平面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分ついては、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態の超電導コイル装置30が第1実施形態と異なる点は、巻軸31における超電導コイル12の捻り部17及び連結部18に対応する部分が、第1実施形態と同様にパイプ形状の円筒体32(図10)であるのに対し、巻軸31における超電導コイル12の偏向部16に対応する部分が、図9に示すように複数枚の平板33にて構成された点である。
巻軸31における超電導コイル12の偏向部16に対応する部分は、円筒体32の直径方向に所定間隔で複数枚配列された平板33と、これらの平板33間に配置されて各平板33を支持する図示しないステーとを有して構成される。各平板33の表面に、一定曲率Rに湾曲した形状の巻枠35が設置される。また、円筒体32の表面に、巻枠35に連続する巻枠34が設置される。これらの巻枠35と巻枠34とに超電導線材14が巻き回されて超電導コイル12が形成される。この超電導コイル12の偏向部16は、超電導線材14が平板33に設置された巻枠35に巻き回されて形成された部分であり、捻り部17及び連結部18は、超電導線材14が円筒体32に設置された巻枠34に巻き回されて形成された部分である。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
(4)巻軸31における超電導コイル12の偏向部16に対応する部分が複数枚の平板33にて構成され、この平板33に設置された巻枠35に超電導線材14が巻き回されることで超電導コイル12の偏向部16が形成されるので、超電導線材14を巻枠35に容易に巻き回すことができる。従って、この超電導コイル12の偏向部16における超電導線材14の巻線誤差を抑制でき、この巻線誤差による磁場1の乱れを回避できる。この結果、超電導コイル装置30に高い磁場精度を実現できる。
[C]第3実施形態(図11〜図13)
図11は、本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態における超電導コイルの偏向部を示す断面図である。また、図12は、同第3実施形態における超電導コイルの捻り部と連結部との境界部位を示す断面図であり、図13は、同第3実施形態における超電導コイルの連結部の延在方向中央部位を示す断面図である。この第3実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第3実施形態の超電導コイル装置40が第1実施形態と異なる点は、超電導コイル41の捻り部17及び連結部18において、巻き回される超電導線材14の各ターン間に、超電導線材14の幅方向Wに沿って厚さが異なる調整部材としてのスペース42が配置され、超電導コイル41の偏向部16において、巻き回される超電導線材14の各ターン間に、調整部材としてのスペース43が配置された点である。
つまり、図12及び図13に示すように、超電導コイル41の捻り部17及び連結部18においては、これらの捻り部17及び連結部18を形成すべく巻枠15に巻き回される超電導線材14の各ターン間(全てのターン間または一部のターン間)に長尺形状のスペース42が介在される。このスペーサ42は、スペーサ42の長手方向に対する垂直断面形状の厚さTが、巻軸11側が厚く、この巻軸11から径方向に離れるに従って漸次薄くなる楔形状またはドッグボーン形状である。尚、このスペーサ42は、スペーサ42の長手方向に対する垂直断面形状が、巻軸11側が薄く、巻軸11から径方向に離れるに従って漸次厚くなる楔形状またはドッグボーン形状であってもよい。
また、図11に示すように、超電導コイル41の偏向部16においては、この偏向部16を形成すべく巻枠15に巻き回される超電導線材14の各ターン間(全てのターン間または一部のターン間)に長尺形状のスペーサ43が介在される。このスペーサ43は、スペーサ43の長手方向に対する垂直断面形状が均一な厚さSの矩形形状、またはスペーサ42と同様な楔形状またはドッグボーン形状である。尚、このスペーサ43は超電導線材14間に介在されず、超電導コイル41の捻り部17及び連結部18においてスペーサ42のみが超電導線材14間に介在されてもよい。
本第3実施形態の超電導コイル41は、第1実施形態の超電導コイル12に比べて超電導線材14のターン数(巻き数)が多い超電導コイルである。このように超電導線材14のターン数が増加すると、超電導コイル41の偏向部16、捻り部17及び連結部18(特に捻り部17及び連結部18)において、超電導線材14の幅方向W両側のエッジ部21の長さL1、L2を略等しくするための線材面20の傾斜角が、巻枠15によって決定される傾斜角に対して変化してしまう。このため、超電導コイル41の捻り部17及び連結部18における超電導線材14の各ターン間にスペーサ42を介在させ、超電導コイル41の偏向部16における超電導線材14の各ターン間にスペーサ43を適宜介在させることで、超電導コイル41を形成する超電導線材14の幅方向W両側のエッジ部21の長さ1、L2を略等しくすることが可能になる。
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)超電導コイル41の捻り部17及び連結部18は、超電導線材14の各ターン間に、超電導線材14の幅方向Wに沿って厚さTの異なるスペーサ42が介在されるので、これらの捻り部17及び連結部18を形成する超電導線材14における幅方向W両側のエッジ部21の長さL1、L2を、超電導線材14のターン数が増加した場合にも略等しく設定できる。この結果、超電導コイル41の捻り部17及び連結部18において、超電導線材14の幅方向Wの歪の発生を抑制できるので、超電導コイル装置40の超電導特性を好適に確保できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 超電導コイル装置
11 巻軸
12 超電導コイル
14 超電導線材
16 偏向部(本体部)
17 捻り部
18 連結部
20 線材面
21 エッジ部
24 延在方向中央部位
30 超電導コイル装置
31 巻軸
33 平板
40 超電導コイル装置
41 超電導コイル
42 スペーサ(調整部材)
L1、L2 長さ
O 軸線
Q 軸心
R 曲率
S、T 厚さ
W 幅方向
α、β、φ 傾斜角

Claims (5)

  1. テープ形状の超電導線材が巻軸の表面に巻き回されて形成された3次元形状の超電導コイルを複数備えた超電導コイル装置であって、
    前記超電導コイルは、対向して長尺状に延在すると共に、前記超電導線材が線材面を前記超電導コイルの軸線に平行な状態として設けられた本体部と、
    この本体部の両端に連続し対向して位置付けられると共に、前記超電導線材が前記線材面を前記超電導コイルの前記軸線に対し外側へ傾斜させて捻られた捻り部と、
    前記本体部の両側で対向する前記捻り部を連結し、曲線状に延在する延在方向中央部位で前記超電導線材が前記線材面を前記超電導コイルの前記軸線に対し内側へ傾斜させて設けられた連結部とを有し、
    前記連結部では、前記延在方向中央部位から前記捻り部へ向かって前記超電導線材の傾斜が連続的に変化して構成されたことを特徴とする超電導コイル装置。
  2. 前記超電導コイルの本体部は、巻軸の軸心が曲げられることで、一定曲率に湾曲した状態で対向して長尺状に延在されたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  3. 前記超電導コイルの連結部では、超電導線材の幅方向両側におけるエッジ部の長さの差の比が0.5%以下に設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の超電導コイル装置。
  4. 前記巻軸は、超電導コイルの本体部に対応する部分が、所定間隔で配置された複数枚の平板を備えて構成され、前記本体部は、超電導線材が前記平板の表面で巻き回されて構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超電導コイル装置。
  5. 前記超電導コイルの連結部及び捻り部では、超電導線材の各ターン間に、前記超電導線材の幅方向に沿って厚さの異なる調整部材が配置されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超電導コイル装置。
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