JP2015224568A - 単発駆動内燃機関 - Google Patents

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洋二郎 石野
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Abstract

【課題】燃焼式釘打機などの熱効率を格段に高める。【解決手段】予混合ガスを閉じ込めた主ピストン7とシリンダー5との間に形成される燃焼室において、予混合ガスを燃焼させ、主ピストンを駆動し、エネルギーを得る熱機関において、予混合ガスの全量を一度に燃焼させるのでは無く、主ピストン7とシリンダー5との間に前駆ピストン9を配置し、燃焼室を、主予混合ガスを閉じ込める主燃焼室11と、前駆予混合ガスを閉じ込める前駆燃焼室13とに分け、前駆予混合ガスをはじめに着火させ、その燃焼圧力により前駆ピストン9を移動させ、主予混合ガスを圧縮し、最大圧縮が達成された状態で、前駆ピストン9を固定し、主予混合ガスを着火させ、主予混合ガスの膨張により主ピストン7を駆動し、高効率・高出力を得ることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、単発駆動型でピストン方式の内燃機関に関するものである。
従来この種の技術としては、主として押し出し出力用の主ピストンとシリンダーとから成り、両者の間に形成される空間に閉じ込められた作動流体(空気および燃料の混合気)の燃焼によって、作動流体が膨張する際に(燃焼膨張)、作動流体が主ピストンを押し出することによって、押し出し出力を得るものがあった(特許文献1、非特許文献1参照)。
特開2006−224268号公報
「等身大ヒューマノイド型跳躍ロボット用の力学エネルギー蓄積式直動燃焼アクチュエータの開発」石野 洋二郎、齋木悠、柴田 遼平、大澤 明日菜、前田一樹、大岩 紀生、日本機械学会論文集(B編)、76巻761号2010pp123−128
本発明に係る単発駆動型のピストン方式(容積型)内燃機関の場合、従来技術では、燃焼前の作動流体の予圧縮が困難であるため、低熱効率である無圧縮サイクル(ルノアール・サイクル)により動作を実現し、低熱効率であるのが現状である。
前記問題を解決するため、請求項1に記載の発明は、主ピストン(7)とシリンダー(5)との間の燃焼室を、前駆ピストン(9)を配置することにより主燃焼室(11)および前駆燃焼室(13)に分割し、前記前駆燃焼室(13)内の前駆作動流体を加熱し膨張させ、前記前駆ピストン(9)を移動させ、前記主燃焼室(11)内の主作動流体を圧縮し、前記主燃焼室(11)内が最大圧縮の状態で、前駆ピストン(9)を固定し、前記主燃焼室(11)内の主作動流体を加熱し膨張させ、
前記主ピストン(9)を駆動することを特徴とする単発駆動内燃機関である。
請求項2に記載の発明は、主ピストン(7)とシリンダー(5)との間の燃焼室を、前駆ピストン(9)を配置することにより主燃焼室(11)および前駆燃焼室(13)に分割し、前記前駆燃焼室(13)内の予混合ガスを着火し燃焼膨張させ、前記前駆ピストン(9)を移動させ、前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを圧縮し、前記主燃焼室(11)内が最大圧縮の状態で、前駆ピストン(9)を固定し、前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを着火し燃焼膨張させ、前記主ピストン(9)を駆動することを特徴とする単発駆動内燃機関である。
請求項3に記載の発明は、前駆イグナイター(3)により、前記前駆燃焼室(13)内の予混合ガスを着火し、主イグナイター(1)により、前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを着火することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単発駆動内燃機関である。
請求項4に記載の発明は、主ピストンバネ29を、前記前駆ピストン(9)に、前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを着火し燃焼膨張させる際に、圧縮するように設置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の単発駆動内燃機関である。
請求項5に記載の発明は、主ピストン7は、主燃焼室11の圧力が一定圧力(臨界主燃焼室圧力)以下では移動せず、主燃焼室11の圧力が一旦、一定圧力(臨界主燃焼室圧力)を超えた場合に、
移動し始めることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の単発駆動内燃機関である。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
本発明に係る単発駆動内燃機関によれば、最大圧縮が達成された状態で、前記前駆ピストンを固定し、前記主予混合ガスを着火させ、前記主予混合ガスの膨張により前記主ピストンを駆動させるため、従来製品に比べ、高効率・高出力を得られる効果を奏する。
図1は本発明に係る単発駆動内燃機関の基本作動および構成を示す説明図である。 図2は同、給排気系(共通排気系)を考慮した作動構成を示す説明図であり、状態1から状態6を示す図である。 図3は同、状態7から状態11並びに状態1に復帰することを示す図である。 図4は本発明に係る単発駆動内燃機関の別の例である給排気系(別個排気系)を考慮した作動構成の説明図であり、状態1から状態5を示す図である。 図5は同、状態6から状態11並びに状態1に復帰することを示す図である。 図6は本発明に係る単発駆動内燃機関を、燃焼式釘打機とした例を示す正面図である。 図7は同、燃焼式釘打機の使用状態を示す説明図であり、状態1から状態6を示す図である。 図8は同、状態7から状態11を示す図である。
以下、図に基づいて、本発明に係る単発駆動内燃機関の実施例について説明する。
図1により、本発明に係る単発駆動内燃機関の基本的構成を説明する。
主イグナイター1および前駆イグナイター3を備えたシリンダー5に、主ピストン7および前駆ピストン9がはめ込まれ、主燃焼室11と前駆燃焼室13が形成されている。なお、主イグナイター1および前駆イグナイター3は主ピストン7および前駆ピストン9と干渉しない位置に設置する。
主燃焼室11には、主作動流体15が閉じ込められている。また、同様に、前駆燃焼室13には前駆作動流体15が閉じ込められている。燃料混合および燃焼促進のために、主作動流体15および前駆作動流体17を撹拌するためのファンを設けても良い。
主ピストン7は、ストッパー(図示せず)などの機構により、主燃焼室11の圧力が一旦、一定圧力(臨界主燃焼室圧力)以上になった場合に、移動し始めることができる構造となっている。
主ピストン7には、主ピストン棒19が接続されている。
シリンダー5の内径は、主ピストン7通過部と前駆ピストン9通過部とで異なっていても良い。
なお、図中、黒丸印はシール部材21を示す。
図1に基づいて、本発明に係る単発駆動内燃機関の基本作動を説明する。
(状態1)
主作動流体15および前駆作動流体17は、常温常圧の予混合ガス(通常は空気・燃料の予混合ガス)である。本説明では、予混合ガスに対してイグナイター1、3により点火を行うことで、作動流体の加熱を実施するが、空気あるいは希薄予混合ガスを作動流体とし、作動の途中で燃料インジェクターから燃料を噴霧し、自着火あるいは点火により、作動流体の加熱を実施しても良い。また、伝熱面からの伝熱により作動流体の加熱を実施しても良い。
主作動流体15および前駆作動流体17に対する前駆作動流体17の体積割合および質量割合を「前駆割合」とする。
状態1において、前駆作動流体17に前駆イグナイター3により点火を行う。
(行程1−2)
行程1−2では、前駆作動流体は燃焼し、加熱する。
(状態2)
状態2では、前駆作動流体17は、高温高圧の前駆燃焼ガスである。
(行程2−3)
行程2−3では、前駆ピストン9が高圧の前駆燃焼ガスによって押され、主作動流体17を圧縮しながら移動する。前駆ピストン9は、前駆ピストン9の移動による慣性により、前駆作動流体17の圧力より高い圧力まで主作動流体15を圧縮し、主作動流体15が最も圧縮された状態(以下、「最大圧縮状態」)で静止する。図示していないラチェットなどの機構により、最大圧縮状態の位置で、前駆ピストン9は固定される。なお、この行程では、主燃焼室11の圧力は、前記臨界主燃焼室圧力を越えず、主ピストン7は移動しない。
(状態3)
状態3では、最大圧縮状態にある主予混合ガスに対して、主イグナイター1によって点火が行われる。
(行程3−4)
行程3−4では、主予混合ガスが燃焼し、加熱する。
(状態4)
状態4では、主作動流体15は、高温高圧の主燃焼ガスとなる。主燃焼室11の圧力は、前記臨界主燃焼室圧力を越えるため、主ピストン7は移動可能となる。
(行程程4−5)
行程4−5では、主燃焼ガスの膨張により、主ピストン7が駆動され、移動する。この移動により、主ピストン棒19から出力が取り出される。装置が釘打ち機の場合、主ピストン棒19により、釘を建材などに打ち付けることができる。
(状態5)
状態5では、主ピストン7が押し出された状態となる。
図2および図3に、本発明に係る単発駆動内燃機関の主燃焼室11と前駆燃焼室13とに共通の給排気系を配置した例を示してある。
図2および図3により、構成を説明する。
主イグナイター1、前駆イグナイター3、給気機構(本例では給気バルブ)23および排気機構(本例では排気バルブ)25を備えたシリンダー27に、主ピストン7および前駆ピストン9がはめ込まれ、主燃焼室11と前駆燃焼室13が形成されている。なお、主イグナイター1および前駆イグナイター3は主ピストン7および前駆ピストン9と干渉しない位置に設置する。
主燃焼室11には、主作動流体15が閉じ込められている。また、同様に、前駆燃焼室13には前駆作動流体17が閉じ込められている。燃料混合および燃焼促進のために、主作動流体15および前駆作動流体17を撹拌するためのファンを設けても良い。
主ピストン7は、押し引き動作、などの動作制御をすることができる。たとえば、引き動作のために、主ピストンバネ29を設置し、主ピストン7を前駆ピストン9方向に移動するように力を掛けてもよい。また、前記動作制御のため、ならびに、押力出力のために、主ピストン7には、主ピストン棒19が接続されていてもよい。前記動作制御のために主ピストン7に接続する主ピストン棒19は、前駆ピストン9、前駆ピストン棒31、シリンダー端面を貫いてもよく、この場合、前記動作制御を、シリンダー端面側から行うことができる。
また、主ピストン7は、主燃焼室11の圧力が一定圧力(臨界主燃焼室圧力)以下では移動せず、主燃焼室11の圧力が一旦、一定圧力(臨界主燃焼室圧力)を超えた場合に、移動し始めることができる機能が具備されている。このための構造は、たとえば、図2、3では、主ピストンストッパー33および主ピストン棒凸部35である。
また、前駆ピストン9は、押し引き動作、最大到達場所での固定、などの動作制御をすることができる。たとえば、図2、3では、前駆ピストン9に接続された前駆ピストン棒31がシリンダー27端面を貫いており、前駆ピストン9の前記動作制御をシリンダー27の外部から行うことができる。
なお、図中、黒丸印はシール部材21を示す。
以下に、図2および3により本例の作動状況を説明する。
(状態1)
主燃焼室11には、主作動流体15が閉じ込められている。また、同様に、前駆燃焼室13には前駆作動流体17が閉じ込められている。主ピストン7は、主ピストン棒凸部35および主ピストンストッパー33などの機構により、主燃焼室圧力が前記臨界主燃焼室圧力を超えるまで、シリンダー27端面の反対側(図2、図3においては左側)へ移動しない状態にある。
主作動流体15および前駆作動流体17は、常温常圧の予混合ガス(通常は空気・燃料の予混合ガス)である。本説明では、予混合ガスに対してイグナイターにより点火を行うことで、作動流体の加熱を実施するが、空気あるいは希薄予混合ガスを作動流体とし、作動の途中で燃料インジェクターから燃料を噴霧し、自着火あるいは点火により、作動流体の加熱を実施しても良い。また、伝熱面からの伝熱により作動流体の加熱を実施しても良い。
状態1において、給気バルブ23および排気バルブ25は閉の状態とし、前駆作動流体17に前駆イグナイター3により点火を行う。
(行程1−2)
行程1−2では、前駆作動流体17は燃焼し、加熱する。
(状態2)
状態2では、前駆作動流体17は、高温高圧の前駆燃焼ガスである。
(行程2−3)
行程2−3では、前駆ピストン9が高圧の前駆燃焼ガスによって押され、主作動流体15を圧縮しながら移動する。前駆ピストン9は、前駆ピストン9の移動による慣性により、前駆作動流体17の圧力より高い圧力まで主作動流体15を圧縮し、最大圧縮状態で静止する。図示していないラチェットなどの機構により、最大圧縮状態の位置で、前駆ピストン9は固定される。なお、この行程では、主燃焼室11の圧力は、前記臨界主燃焼室圧力を越えず、主ピストン7は移動しない。
ここで、最大圧縮状態とは、実施例1と同じである。
(状態3)
状態3では、最大圧縮状態にある主予混合ガスに対して、主イグナイター1によって点火が行われる。
(行程3−4)
行程3−4では、主予混合ガスが燃焼し、加熱する。
(状態4)
状態4では、主作動流体15は、高温高圧の主燃焼ガスとなる。主燃焼室11の圧力は、前記臨界主燃焼室圧力を越えるため、主ピストン7は移動可能となる。
(行程4−5)
行程4−5では、主燃焼ガスの膨張により、主ピストン7が駆動され、移動する。
この移動により、主ピストン棒19から出力が取り出される。装置が釘打ち機の場合、主ピストン棒19により、釘を建材などに打ち付けることができる。装置が物体発射装置の場合、主ピストン棒19により、物体を撃ち出すことができる。
(状態5)
状態5では、主ピストン7が押し出された状態となる。給気バルブ23および排気バルブ25は、状態1から状態5まで、閉じている。
(行程5−6)
行程5−6では、主燃焼室11の主燃焼ガスが冷却され、主冷却燃焼ガスとなる過程で、主ピストン7が引き戻される。
(状態6)
状態6では、排気バルブ25が開く。主ピストンバネ29の力により、主ピストン7および前駆ピストン9は、シリンダー27端面に押しつけられる。
(行程6−7)
行程6−7では、前駆ピストン棒31を介した外力、あるいは主作動流体15を介した主ピストンバネ29の力により、主ピストン7および前駆ピストン9は移動する。前駆ピストン9の厚さより排気バルブ25領域を幅広に設定するなどして、前駆ピストン9の通過に際し、排気バルブ25は前駆ピストン9で閉鎖されない構造である。前駆ピストン9はシリンダー27端面に押しつけられ、前駆作動流体17の全てが、排気バルブ25から排出される。
(状態7)
状態7では、前駆ピストン9がシリンダー27端面に押しつけられた状態である。このとき、排気バルブ25から主作動流体15が排出できる構造となっている。
(行程7−8)
行程7−8では、主ピストンバネ29の力により、主ピストン7が前駆ピストン9に押しつけられる。主作動流体15の全てが、排気バルブ25から排出される。
(状態8)
状態8は、給気バルブ23が閉、排気バルブ25が開、主ピストン7および前駆ピストン9がシリンダー27端面方向に押しつけられた状態である。
(行程8−9)
行程8−9では、給気バルブ23が閉から開、排気バルブ25が開から閉に、状態が変化する。
(状態9)
状態9は、給気バルブ23が開、排気バルブ25が閉、の状態である。
(行程9−10)
行程9−10では、主燃焼室11に含まれる主作動流体(主予混合ガス)15の体積および質量が状態1と同じになる位置まで主ピストン7を移動させる。給気バルブ23が開であるので、主燃焼室11に主作動流体15が流入する。
(状態10)
状態10は、主燃焼室11に状態1と同じ量の主作動流体15が存在する状態である。
(行程10−11)
行程10−11では、前駆燃焼室13に含まれる前駆作動流体(前駆予混合ガス)17の量が状態1と同じになる位置まで前駆ピストン9を移動させる。また、主ピストン7も主燃焼室11の体積が状態1と同じになるように移動させる。
(状態11)
状態11は、バルブの状態以外は、状態1と同じ状態である。また、状態11では、給気バルブ23は開、排気バルブ25は閉である。
(行程11−1)
行程11−1では、給気バルブ23が開から閉へ、排気バルブ25が閉から開へと変化する。
これにより、状態は状態1となる。
図4および図5に、本発明に係る単発駆動内燃機関の主燃焼室11と前駆燃焼室15とに対して個別に給排気系を配置した例を示してある。ただし、ここでは、はじめ、空気を作動流体とし、作動の途中で燃料噴射管から燃料を噴霧し、自着火あるいは点火により、作動流体の加熱を実施する場合について説明を行う.
図4および図5により、構成を説明する。
主イグナイター1、前駆イグナイター3、主換気機構(本例では主バルブ)37、前駆換気機構(本例では前駆バルブ)39、主燃料噴射管41、前駆燃料噴射管43、を備えたシリンダー45に、主ピストン7および前駆ピストン9がはめ込まれ、主燃焼室11と前駆燃焼室13が形成されている。なお、主イグナイター1、前駆イグナイター3、主燃料噴射管41および前駆燃料噴射管43、は主ピストン7および前駆ピストン9と干渉しない位置に設置する。
主燃焼室11には、主作動流体(主空気)15が閉じ込められている。また、同様に、前駆燃焼室13には前駆作動流体(前駆空気)17が閉じ込められている。燃料混合および燃焼促進のために、主作動流体15および前駆作動流体17を撹拌するためのファンを主燃焼室11および前駆燃焼室13に設けても良い。また、前駆ピストン9の移動により主作動流体15を撹拌し、燃料混合および燃焼促進を促す、乱流発生器を前駆ピストン9の主燃焼室11側に設置してもよい。
たとえば、引き動作のために、主ピストンバネ29を設置し、主ピストン7を前駆ピストン9方向に移動するように力を掛けてもよい。また、前記動作制御のため、ならびに、押力出力のために、主ピストン7には、主ピストン棒19が接続されていてもよい。前記動作制御のために主ピストン7に接続する主ピストン棒19は、前駆ピストン9、前駆ピストン棒31、シリンダー45端面を貫いてもよく、この場合、前記動作制御を、シリンダー45端面側から行うことができる。
また、主ピストン7は、主燃焼室11の圧力が一定圧力(臨界主燃焼室圧力)以下では移動せず、主燃焼室11の圧力が一旦、一定圧力(臨界主燃焼室圧力)を超えた場合に、移動し始めることができる機能が具備されている。このための構造は、たとえば、図2、3のような、主ピストンストッパー33および主ピストン棒凸部35である。
また、前駆ピストン9は、押し引き動作、最大到達場所での固定、などの動作制御をすることができる。たとえば、本例では、前駆ピストン9に接続された前駆ピストン棒31がシリンダー45端面を貫いており、前駆ピストン9の前記動作制御をシリンダー45の外部から行うことができる。
シリンダー45の内径は、主ピストン7通過部と前駆ピストン9通過部とで異なっていても良い。
本例のように、シリンダー45の内壁に凸部を設けて、ピストンのストッパーとしても良い。
以下に、図4および図5により、本例の作動状況を説明する。
(状態1)
主燃焼室11には、主作動流体15が閉じ込められている。また、同様に、前駆燃焼室13には前駆作動流体17が閉じ込められている。主ピストン7は、主ピストン棒凸部35および主ピストンストッパー33などの機構により、主燃焼室圧力が前記臨界主燃焼室圧力を超えるまで、シリンダー45端面の反対側(図4、5においては左側)へ移動しない状態にある。
主作動流体15および前駆作動流体17は、常温常圧の空気である。本説明では、空気に対して燃料噴射管から燃料を噴射し、イグナイターにより点火を行うことで、作動流体の加熱を実施するが、予混合気を作動流体とし、作動の途中でイグナイターによる点火により、作動流体の加熱を実施しても良い。また、伝熱面からの伝熱により作動流体の加熱を実施しても良い。
状態1において、主バルブ37および前駆バルブ39は閉の状態とし、主燃料噴射管41および前駆燃料噴射管43から燃料を噴射し、前駆作動流体17に前駆イグナイター3により点火を行う。(行程1−2)
行程1−2では、前駆作動流体17は燃焼し、加熱する。
(状態2)
状態2では、前駆作動流体17は、高温高圧の前駆燃焼ガスである。
(行程2−3)
行程2−3では、前駆ピストン9が高圧の前駆燃焼ガスによって押され、主作動流体15を圧縮しながら移動する。前駆ピストン9は、前駆ピストン9の移動による慣性により、前駆作動流体17の圧力より高い圧力まで主作動流体15を圧縮し、最大圧縮状態で静止する。図示していないラチェットなどの機構により、最大圧縮状態の位置で、前駆ピストン9は固定される。なお、この行程では、主燃焼室11の圧力は、前記臨界主燃焼室圧力を越えず、主ピストン7は移動しない。
ここで、最大圧縮状態とは、実施例1と同じである。
(状態3)
状態3では、最大圧縮状態にある主予混合ガスに対して、主イグナイター1によって点火が行われる。
(行程3−4)
行程3−4では、主予混合ガスが燃焼し、加熱する。
(状態4)
状態4では、主作動流体15は、高温高圧の主燃焼ガスである。主燃焼室11の圧力は、前記臨界主燃焼室圧力を越えるため、主ピストン7は移動可能となる。
(行程4−5)
行程4−5では、主燃焼ガスの膨張により、主ピストン7が駆動され、移動する。
この移動により、主ピストン棒19から出力が取り出される。装置が釘打ち機の場合、主ピストン棒19により、釘を建材などに打ち付けることができる。装置が物体発射装置の場合、主ピストン棒19により、物体を撃ち出すことができる。
また、前駆作動流体17は、壁面での冷却のため冷却燃焼ガスとなり、前駆燃焼室13は負圧となる。しかし、前駆ピストン9は固定されている。
(状態5)
状態5では、主ピストン7が押し出された状態となる。
(行程5−6)
行程5−6では、主燃焼室11の主燃焼ガスが冷却され、冷却燃焼ガスとなる過程で、主ピストン7が引き戻され、状態1と同じ位置となる。この動作をより確実にするため、図2、図3の例と同様、バネにより主ピストン7に力を加えてもよい。
(状態6)
状態6では、主ピストン7が引き戻され、状態1と同じ位置である。主作動流体15および前駆作動流体17は、冷却燃焼ガスである。主バルブ37および前駆バルブ39は、状態1から状態6まで、閉じている。
(行程6−7)
行程6−7では、主バルブ37が開く。
(状態7)
状態7では、主バルブ37が開いている。前駆燃焼室13は、前駆作動流体17が冷却燃焼ガスであり、負圧である。
(行程7−8)
行程7−8では、前駆燃焼室13の負圧により、前駆ピストン9がシリンダー45壁側に移動する。このとき、主燃焼室11に、主バルブ37から外気(空気)が流入する。
(状態8)
状態8は、前駆ピストン9がシリンダー45壁側に移動した状態である。状態1と同じ位置となる。
(行程8−9)
行程8−9では、前駆バルブ39が閉から開に、状態が変化する。
(状態9)
状態9は、前駆バルブ39が開であり、前駆燃焼室13は、前駆ファン(図示略)により換気され、外気(空気)が充填される。
(行程9−1)
行程9−1では、主バルブ37および前駆バルブ39が閉じられ、状態は状態1に戻る。
図6、図7および図8に、本発明に係る単発駆動内燃機関を釘打機とした設計例を示す。
以下、その構成を図6により説明する。
本例の釘打機は、主として主ユニット47と前駆ユニット49から成る。
主ユニット47は、主筒体51、主ピストン7、主ピストン棒19、緩衝体53、主ピストンバネ29、主イグナイター1、主ピストンストッパー33、により構成される。主筒体51の主シリンダー部には主ピストン7がはめられ、主ピストン7に接続された主ピストン棒19により主筒体51の先端に装填された釘を撃つことで、釘を建材などに打ち付けることができる。主筒体51には、掃気および換気のための主排気穴55および主換気開口57が開けられている。
一方、前駆ユニット49は、前駆筒体59、乱流生成体61、前駆ピストン9、前駆ピストン棒31、ファン63、ファン回転モーター65、前駆燃料噴射管43、前駆イグナイター3、前駆ラチェット歯列67、前駆ラチェット爪69、前駆ラチェット爪レバー、前駆ラチェット爪バネ71、ハンドル73、引金75、前駆バネ77、主点火スイッチ79、前駆点火スイッチ81、本体ラチェット爪85、本体ラチェット爪バネ87、本体ラチェット爪駆動棒、から構成される。
前駆筒体59の前駆シリンダー部には、前駆ピストン9がはめられる。前駆ピストン9に接続された前駆ピストン棒31は、前駆筒体59の端面を貫き、前駆ピストン棒31を前駆バネ77が押す。このため、無負荷時には、前駆ピストン9は前駆筒体59の端面側(図6では右側)に寄せられる。また、前駆筒体59の前駆シリンダー部は、前駆筒体59の端面付近には前駆シリンダー部はなく、内径が拡大しており、前駆ピストン9と前駆筒体59との間隙には、ファン63が配置される。前駆筒体59には、前駆換気開口91が開けられている。前駆筒体59の端面には前駆イグナイター3と前駆燃料噴射管43が配置される。
前駆筒体59に回転接続された前駆ラチェット爪69と、前駆ピストン棒31に設けられた前駆ラチェット歯列67により、前駆ピストン9を最大押し出し位置で固定することができる。
引金75は、前駆ピストン棒31と、本体ラチェット爪駆動棒を駆動する。
主ユニット47と前駆ユニット49の両者は、本体バネ93で反発するが、人力により、前駆ユニット49の前駆筒体59の主ユニット47側を主ユニット47に押し込むことができる。このとき、主筒体51の本体ラチェット歯89と、前駆ユニット49の本体ラチェット爪85が噛み合い、主ユニット47と前駆ユニット49は結合され、前駆筒体59で主換気開口57が閉ざされ、主筒体51により前駆換気開口91が閉ざされ、主ユニット47と前駆ユニット49との間に閉鎖空間が形成される。
点火タイミングは、主点火スイッチ79および前駆点火スイッチ81により制御される。主点火スイッチ79および前駆点火スイッチ81の場所を、前駆ピストン棒31の凸部が通過したときに、主イグナイター1および前駆イグナイター3が、それぞれ、火花を発生し、点火を行う。
図7、図8に基づいて、本例の作動状況を説明する。
状態(1)から状態(10)までが1作動サイクルであり、状態(11)は状態(1)と同等である。
状態(1)は、初期状態である。この状態では、主ユニット47と前駆ユニット49とが、離れている状態である。このとき、ファン63の回転により、外気(空気)が主換気開口57から流入し、前駆換気開口91から排出され、前サイクルの残留燃焼ガスも排出される。
状態(2)は、ハンドル73に力を加え、前駆ユニット49を主ユニット47に押し込んだ状態である。主ユニット47と前駆ユニット49は、本体ラチェット爪85と本体ラチェット歯89により固定される。状態(2)では、閉鎖空間が形成され、空気が充填されている。この空気に対して燃料噴射管から燃料を噴射し、ファン63で撹拌し、作動流体を予混合ガスとする。
状態(3)は、状態(2)から引金75を引いた状態である。
状態(2)から引金75を引くと、前駆ピストン棒31が押され、前駆ピストン9が前駆シリンダー部にはまり、主燃焼室11と前駆燃焼室13が形成される。
状態(4)は、前駆点火スイッチ81を前駆ピストン棒31の凸部が通過することで前駆イグナイター3が火花を発生し、ファン63の回転により乱流状態となっている前駆燃焼室13の予混合ガスに急速点火する。
状態(5)は、前駆燃焼室13での燃焼により、前駆ピストン9が押され、主燃焼室11の予混合ガスを圧縮し、前駆ラチェット歯列67および前駆ラチェット爪69により、前駆ピストン9が最大圧縮位置で固定される。ただし、この主燃焼室圧力では、主ピストンストッパー33は主ピストン7を固定している。
状態(6)では、主点火スイッチ79を前駆ピストン棒31の凸部が通過することで、主イグナイター1が火花を発生し、前駆ピストン9の移動と乱流生成体61により乱流状態となっている主燃焼室11の予混合ガスに急速点火する。主燃焼室11で発生する燃焼により、主燃焼室圧力は上昇し、主ピストン7が主ピストンストッパー33から外れ、主ピストン7は動きはじめる。
状態(7)では、主燃焼室11の圧力が主ピストン7を駆動し、高速で主ピストン棒19を押しだし、釘を打ち付ける。
状態(8)では、主ピストンバネ29および主燃焼室11の燃焼ガスの冷却により、主ピストン7が状態(1)の位置に戻る。
状態(9)は、本体ラチェット爪85と本体ラチェット歯89の結合が解除された状態である。これは、状態(8)から、さらに引金75を引くことで、本体ラチェット爪駆動棒を引き、本体ラチェット爪85を回転させることで実現する。
状態(10)は、主ユニット47と前駆ユニット49が離れた状態である。この状態は、状態(9)で本体ラチェット爪85と本体ラチェット歯89の結合が解除され、本体バネ93が、主ユニット47と前駆ユニット49とを引き離すことで実現される。状態(10)では、主ユニット47と前駆ユニット49の距離が離れるため、前駆ラチェット爪駆動棒が前駆ラチェット爪レバーを引き、前駆ラチェット爪69が前駆ラチェット歯列67から離れる。
状態(11)は、前駆バネ77が前駆ピストン9を状態(1)と同じ位置まで押し戻した状態である。状態(11)は状態(1)と同じ状態である。
本発明に係る単発駆動内燃機関は、釘打機の他、物体を高速に打ち出す機器にも用途にも適用できる。
1 主イグナイター
3 前駆イグナイター
5 シリンダー
7 主ピストン
9 前駆ピストン
11 主燃焼室
13 前駆燃焼室
15 主作動流体
17 前駆作動流体
19 主ピストン棒
21 シール部材
23 給気機構
25 排気機構
27 シリンダー
29 主ピストンバネ
31 前駆ピストン棒
33 主ピストンストッパー
35 主ピストン棒凸部
37 主換気機構(主バルブ)
39 前駆換気機構(前駆バルブ)
41 主燃料噴射管
43 前駆燃料噴射管
45 シリンダー
47 主ユニット
49 前駆ユニット
51 主筒体
53 緩衝体
55 主排気穴
57 主換気開口
59 前駆筒体
61 乱流生成体
63 ファン
65 ファン回転モーター
67 前駆ラチェット歯列
69 前駆ラチェット爪
71 前駆ラチェット爪バネ
73 ハンドル
75 引金
77 前駆バネ
79 主点火スイッチ
81 前駆点火スイッチ
83 主ピストン溝
85 本体ラチェット爪
87 本体ラチェット爪バネ
89 本体ラチェット歯
91 前駆換気開口
93 本体バネ





Claims (5)

  1. 主ピストン(7)とシリンダー(5)との間の燃焼室を、前駆ピストン(9)を配置することにより主燃焼室(11)および前駆燃焼室(13)に分割し、
    前記前駆燃焼室(13)内の前駆作動流体を加熱し膨張させ、
    前記前駆ピストン(9)を移動させ、
    前記主燃焼室(11)内の主作動流体を圧縮し、
    前記主燃焼室(11)内が最大圧縮の状態で、前駆ピストン(9)を固定し、
    前記主燃焼室(11)内の主作動流体を加熱し膨張させ、
    前記主ピストン(9)を駆動することを特徴とする単発駆動内燃機関。
  2. 主ピストン(7)とシリンダー(5)との間の燃焼室を、前駆ピストン(9)を配置することにより主燃焼室(11)および前駆燃焼室(13)に分割し、
    前記前駆燃焼室(13)内の予混合ガスを着火し燃焼膨張させ、
    前記前駆ピストン(9)を移動させ、
    前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを圧縮し、
    前記主燃焼室(11)内が最大圧縮の状態で、前駆ピストン(9)を固定し、
    前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを着火し燃焼膨張させ、
    前記主ピストン(9)を駆動することを特徴とする単発駆動内燃機関。
  3. 前駆イグナイター(3)により、前記前駆燃焼室(13)内の予混合ガスを着火し、
    主イグナイター(1)により、前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを着火することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単発駆動内燃機関。
  4. 主ピストンバネ29を、前記前駆ピストン(9)に、
    前記主燃焼室(11)内の主予混合ガスを着火し燃焼膨張させる際に、
    圧縮するように設置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の単発駆動内燃機関。
  5. 主ピストン7は、主燃焼室11の圧力が一定圧力(臨界主燃焼室圧力)以下では移動せず、
    主燃焼室11の圧力が一旦、一定圧力(臨界主燃焼室圧力)を超えた場合に、
    移動し始めることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の単発駆動内燃機関。








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