JP2015223963A - ロケットの開頭装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のロケットの開頭装置は、大気圏中で使用すると、飛翔中の外乱等により、分離したセグメントが機体に衝突する可能性があるという問題点があった。
【解決手段】複数のセグメントSから成るノーズフェアリングFを開放する装置であって、各セグメントSを互いに分離可能に結合する結合分離手段1と、分離したセグメントSをその外周部下端を中心にして回動させるためのヒンジ部2と、ロケットRの機軸方向に沿って配置され且つ前記ヒンジ部2が摺動自在に係合するガイドレール3を備えたロケットRの開頭装置とし、大気圏中で作動させた際に、分離したセグメントSを機体と干渉させずに安全に離脱させる。
【選択図】図1
【解決手段】複数のセグメントSから成るノーズフェアリングFを開放する装置であって、各セグメントSを互いに分離可能に結合する結合分離手段1と、分離したセグメントSをその外周部下端を中心にして回動させるためのヒンジ部2と、ロケットRの機軸方向に沿って配置され且つ前記ヒンジ部2が摺動自在に係合するガイドレール3を備えたロケットRの開頭装置とし、大気圏中で作動させた際に、分離したセグメントSを機体と干渉させずに安全に離脱させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ロケットのノーズフェアリングを開放するのに用いられるロケットの開頭装置に関し、とくに、大気圏中で用いられるロケットの開頭装置に関するものである。
ロケットの開頭装置としては、例えば、非特許文献1に記載されているものがある。非特許文献1に記載の開頭装置は、ロケットのノーズフェアリングを開放するものである。ノーズフェアリングは、ロケットの頭部に収容したペイロードを保護すると同時に、ロケットの空力安定性を確保するものであって、複数のセグメントに分割してあり、各セグメントを互いに分離可能に結合した構造である。
ロケットの開頭装置は、火工品を作動源とする結合分離手段や、ガス発生器やスプリングを作動源とする分離力付与手段などで構成されている。この開頭装置は、結合分離装置によりセグメントの結合を解除してノーズフェアリングを開放(開頭)し、分離力付与手段によりセグメント間に分離力を付与して、これらを機体から離脱させる。
「第2版 航空宇宙工学便覧」丸善株式会社、平成4年9月30日、p.889−890
ところで、上記したようなロケットの開頭装置は、主に宇宙空間で使用されるのであるが、大気圏中で頭部に搭載したペイロードを露出させたり放出したりするために、大気圏中で作動させる運用も存在する。
ところが、従来のロケットの開頭装置は、大気圏中で使用すると、飛翔中の外乱等により、分離したセグメントが機体に衝突する可能性があり、これを回避するためにセグメントを機体から離脱させるためのスラスタ等を採用すれば、装置の大型化や製造コストの増加をまねく等の問題点があることから、これらの問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、比較的簡単な構造であって、大気圏中で作動させた際に、分離したセグメントを機体と干渉させずに安全に離脱させることができるロケットの開頭装置を提供することを目的としている。
本発明に係わるロケットの開頭装置は、複数のセグメントから成るノーズフェアリングを開放する装置であって、各セグメントを互いに分離可能に結合する結合分離手段と、分離したセグメントをその外周部下端を中心にして回動させるためのヒンジ部と、ロケットの機軸方向に沿って配置され且つ前記ヒンジ部が摺動自在に係合するガイドレールを備えた構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
また、本発明に係わるロケットの開頭装置は、より好ましい実施形態として、前記ガイドレールが、ロケットの頭部側機器と尾部側機器との接続ラインを収容するシステムトンネルを兼用していることを特徴としている。
本発明に係わるロケットの開頭装置は、大気圏中において、結合分離手段を作動させてセグメント同士の結合を解除すると、各セグメントが、外周部下端のヒンジ部を中心に回動し、これに続いてガイドレールにより機体の尾部方向に案内され、機体後方へ離脱することとなる。このように、ロケットの開頭装置は、結合分離装置、ヒンジ部及びガイドレールを備えた比較的簡単な構造であり、大気圏中で作動させた際に、分離したセグメントを機体と干渉させずに安全に離脱させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明に係わるロケットの開頭装置の一実施形態を説明する。 図1に示すロケットRは、頭部に、ペイロード(図1B中に点線で示す)Pが搭載してあると共に、このペイロードPを覆うノーズフェアリングFを備え、尾部には、機軸回りに90度間隔で4枚の尾翼Wを備えている。ノーズフェアリングFは、機軸に対して左右のセグメントS,Sに二分割されている。なお、図示を省略したが、ロケットRの本体には、ロケットモータ等の推進源や制御機器類が含まれている。
上記ロケットRの開頭装置は、複数のセグメントSから成るノーズフェアリングFを開放する装置である。開頭装置は、各セグメントSを互いに分離可能に結合する結合分離手段1と、分離したセグメントSをその外周部下端を中心にして回動させるためのヒンジ部2と、ロケットRの機軸方向に沿って配置され且つ前記ヒンジ部2が摺動自在に係合するガイドレール3を備えている。
結合分離手段1は、火工品を含む周知の手段を採用することができる。この結合分離手段1は、セグメントS,S同士の分割面に沿って配置され、例えば、火工品の作動により発生したガス圧、又はガス圧で動作するカッターにより、ノッチ入り板、シャーピン、ボルトあるいはベルト類を切断する構造を有するものである。
ヒンジ部2は、セグメントSの外周部下端において、その円弧中央に配置してあり、図2に示すように、所定間隔で配置した一対のブラケット2A,2Aと、両ブラケット2A,2Aの相対向面に設けた軸部2B,2Bを備えている。
ガイドレール3は、ロケットRの本体において、頭部から尾部に至る長さを有し、機軸を中心に180度異なる2カ所に配置され、且つ夫々が2枚の尾翼W,Wの中央を通る配置である。ガイドレール3は、両側部に、ヒンジ部2の軸部2B,2Bが摺動自在に係合するガイド溝3A,3Aを有している。また、この実施形態のガイドレール3は、ロケットRの頭部側機器と尾部側機器との接続ラインを収容するシステムトンネルを兼用したものとなっている。
上記構成を備えたロケットRは、大気圏中で頭部に搭載したペイロードPを露出させたり放出したりするために、開頭装置を大気圏中で作動させる。開頭装置は、図3に示すように、飛翔中において、結合分離装置1を作動させてセグメントS同士の結合を解除すると、図A1に示すように、セグメントSが、動圧を受けて外周部下端のヒンジ部2を中心に回動を開始する。この際、セグメントSの先端同士の間に分離用のスプリングを介装しておき、セグメントS同士の分離及び回動を促進させることも有効である。
上記の如く回動を開始したセグメントSは、図A2及びA3に示すように、回動に続いてガイドレール3により機体の尾部方向に案内され、図A4に示すように、機体後方へ離脱することとなる。
つまり、開頭装置は、結合分離装置1の作動後、動圧を受けたセグメントSが回動して機体後方に短時間で移動し、この間、ヒンジ部2とガイドレール3との係合により、セグメントSを保持しつつ直線的に案内するので、外乱を受けた場合でも、セグメントSが機体に衝突するようなことはなく、勿論、尾翼Wに当たることもない。
このようにして、ロケットRの開頭装置は、結合分離装置1、ヒンジ部2及びガイドレール3を備えた比較的簡単な構造であり、大気圏中で作動させた際に、分離したセグメントSを機体と干渉させずに安全に離脱させることができる。
また、この実施形態の開頭装置は、ガイドレール3がシステムトンネルを兼用したものとなっており、換言すれば、既存のシステムトンネルをガイドレール3として利用し得るものとなっている。これにより、開頭装置は、機体の空力抵抗などを殆ど変化させることなく、セグメントSの案内機能を容易に得ることができ、構造のさらなる簡略化や軽量化などにも貢献することができる。
本発明に係わるロケットの開頭装置は、その構成が上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成を適宜変更することが可能である。例えば、2つ以上のセグメントから成るノーズフェアリングであっても良いし、ガイドレールを機体の外周よりも内側となる溝状に形成することも可能である。
1 結合分離手段
2 ヒンジ部
3 ガイドレール
F ノーズフェアリング
R ロケット
S セグメント
2 ヒンジ部
3 ガイドレール
F ノーズフェアリング
R ロケット
S セグメント
Claims (2)
- 複数のセグメントから成るノーズフェアリングを開放する装置であって、
各セグメントを互いに分離可能に結合する結合分離手段と、
分離したセグメントをその外周部下端を中心にして回動させるためのヒンジ部と、
ロケットの機軸方向に沿って配置され且つ前記ヒンジ部が摺動自在に係合するガイドレールを備えたことを特徴とするロケットの開頭装置。 - 前記ガイドレールが、ロケットの頭部側機器と尾部側機器との接続ラインを収容するシステムトンネルを兼用していることを特徴とする請求項1に記載のロケットの開頭装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014110266A JP2015223963A (ja) | 2014-05-28 | 2014-05-28 | ロケットの開頭装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014110266A JP2015223963A (ja) | 2014-05-28 | 2014-05-28 | ロケットの開頭装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015223963A true JP2015223963A (ja) | 2015-12-14 |
Family
ID=54841062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014110266A Pending JP2015223963A (ja) | 2014-05-28 | 2014-05-28 | ロケットの開頭装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015223963A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20170131076A1 (en) * | 2014-06-25 | 2017-05-11 | Mbda France | Missile provided with a separable protective fairing |
TWI825716B (zh) * | 2022-05-11 | 2023-12-11 | 淡江大學學校財團法人淡江大學 | 小型探空火箭之可載荷門式鼻錐 |
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2014
- 2014-05-28 JP JP2014110266A patent/JP2015223963A/ja active Pending
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US20170131076A1 (en) * | 2014-06-25 | 2017-05-11 | Mbda France | Missile provided with a separable protective fairing |
US10054411B2 (en) * | 2014-06-25 | 2018-08-21 | Mbda France | Missile provided with a separable protective fairing |
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