JP2015223340A - エアーマットレス - Google Patents

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Suguru Ishikawa
英 石川
重利 望月
Shigetoshi Mochizuki
重利 望月
宣弘 笹澤
Norihiro Sasazawa
宣弘 笹澤
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Abstract

【課題】褥瘡の発生を防ぎ、褥瘡を軽減することができるとともに、低膨張の状態でも底づきし難い新たな構造のエアーマットレスを提供する。【解決手段】エアーマットレスは、表面シート、中間シート及び裏面シートを含む少なくとも3枚の可撓性シートをこの順序で積層し、外周部を一体的に封止してなるエアーマットレスであって、表面シート及び裏面シートの各々と中間シートとは、エアーマットレスの幅方向及び長さ方向に所定の間隔で配置され、かつ複数の線状の接着筋によって接着されており、表面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋は、裏面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋と、平面視交差する位置に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、褥瘡(床ずれ)の予防又は軽減、及び褥瘡の治療に用いることのできるエアーマットレスに関する。
従来から、内部に空気が充填されたエアーマットレスが寝具として広く用いられている。このエアーマットレスを長時間横臥状態にある使用者に対し適用する際には、充填する空気の量を少なく調整してマットレスの内圧を低圧とし、使用者の身体を低圧で保持することが好ましいとされている。しかしながら、この種のエアーマットレスの内圧を低圧とした場合、使用者の姿勢や状態により体重が集中した部分に底づきが生じてしまうおそれがある。この底づきとは、使用者の骨突出部位がマットレス下の床面にあたっている状態をいい、寝心地が悪いだけでなく、褥瘡を発生させたり、悪化させる原因ともなる。
そこで、上述のような問題を解消するべく、低圧でも底づきを防止できるエアーマットレスとして、特許文献1には、4枚の第1ないし第4シートから構成され、隣接するシート同士を矩形の角となる位置に配置した点状の接着部で接着することにより、矩形領域のエアーセルを形成したエアーマットが記載されている。このエアーマットでは、上側に位置する第1及び第2シートで形成されたエアーセルのエアー圧を低圧に設定し、中間に位置する第2及び第3シートで形成されたエアーセルのエアー圧を低圧に設定し、下側に位置する第3及び第4シートで形成されたエアーセルのエアー圧を高圧に設定することにより底づきを防止している。また、この点状の接着部は直径2ないし4cmの円形等であり、接着は高周波溶着であることが記載されている。
特許第4641093号
しかしながら、特許文献1に記載のエアーマットにおいては、そのマット表面に直径2〜4cmの円形状の大きな接着部が多数形成されているところ、この接着部は2枚のシートが溶着されているために硬く、体圧分散効果が小さい部分(以下、接着硬質部という)となっている。それゆえ、この円形状の大きな接着硬質部に、使用者の踵やひざ又は肘等の突出部位が長時間接触していると、底づきと同様の状態となり、褥瘡を発生させたり、悪化させるおそれが生じる。
また、特許文献1に記載のエアーマットは、矩形領域のエアーセルが多数形成されているところ、エアーセルを形成させるための接着部は矩形の角となる位置にのみ配置されている。そのため、エアーセルの辺部分には「折れ筋による不均一な皺」が生じやすく、この不均一な皺の先端部分は、充填された空気によってエアーマット表面に硬い感触の突起部を生じさせる。それゆえ、使用者の体の部位がこの「折れ筋による不均一な皺」にあたることにより、硬さを感じて使用感が悪かったり、褥瘡の原因となるおそれが生じる。
このように、現状、褥瘡の発生の防止や治療を目的として使用されるエアーマットレスについては、その敷物の構造上、上述したような各種問題点やリスクが存在している。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的は、褥瘡の発生を防ぎ、褥瘡を軽減することができるとともに、低膨張の状態でも底づきし難い新たな構造のエアーマットレスを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のエアーマットレスは、表面シート、中間シート及び裏面シートを含む少なくとも3枚の可撓性シートをこの順序で積層し、外周部を一体的に封止してなるエアーマットレスであって、表面シート及び裏面シートの各々と中間シートとは、エアーマットレスの幅方向及び長さ方向に所定の間隔で配置され、かつ複数の線状の接着筋によって接着されており、表面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋は、裏面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋と、平面視交差する位置に配置されている。
表面シート及び中間シートは所定の間隔で配置された複数の線状の接着筋で接着され、この表面シートと中間シートとの間には空気が充填されることにより空気室が形成されている。この接着筋の部分には空気は充填されないため、空気室は線状の接着筋で仕切られた部分を有している。本発明のマットレスに使用者が横たわる等して荷重が加えられると、上述の空気室で使用者の体が支持されるところ、空気室は荷重が加えられた方向に押しつぶされて変形する。この際、空気室を区切るように接着された線状の接着筋に沿って接着筋周縁の表面シートが立ち上るため、線状の接着筋は内部に入り込んで表面シート上に表れなくなるか、表面シート上に表れる接着筋の接着幅は細く狭められる。それゆえ、マットレスの接着筋に使用者の体の突出部位が入り込むことがなく、体圧分散効果の小さい部分に使用者の体があたり、褥瘡が発生することを防ぐことができる。また、本発明のエアーマットレスは、線状の接着筋によって空気室があらかじめ区切られているため、マットレス上に折れ筋等の不均一な皺が生じ難い。それゆえ、全体的に柔らかで寝心地がよいエアーマットレスが得られる。
さらに、上述した表面シート及び中間シートからなる構成と同様に、裏面シート及び中間シートも所定の間隔で配置された複数の線状の接着筋で接着され、裏面シートと中間シートとの間に空気が充填されることにより空気室が形成されている。この裏面側の線状の接着筋は、上述した表面側の線状の接着筋と平面視交差するように配置されている。これにより、表面側の接着筋と裏面側の接着筋とが筋交いのように作用し、使用者の荷重によるマットレスの折れを防ぎ、使用者の体を安定的に支持する。このように、表面側の空気室と裏面側の空気室との二層構造であっても底づきし難く、安定感のあるエアーマットレスが得られる。加えて、表面側の接着筋と裏面側の接着筋とが平面視で重なる部分をその交点のみとすることができ、表面側と裏面側の接着筋が重なるように配置されることにより生じる体圧分散効果が小さい領域を最小限にできるので、万一使用者がその交点部分に接触した場合でも、褥瘡の発生を防ぐ効果も得られる。また、上述したように、表面側及び裏面側の空気室には線状の接着筋が設けられ、各空気室が区切られているため、マットレスに充填する空気の量を少なく調整した場合においても、マットレス自体に適度な張りがあり、取り扱いがしやすい。
また、本発明のエアーマットレスは、表面シート及び裏面シートの各々と中間シートとの間への空気充填率が、エアーマットレスの最大充填容積に対して40〜80%(空気室内の空気温度25℃)であることが好ましい。このように空気室への空気の充填率を調整することによって、体圧分散性、底づき防止、使用者の支持安定性及び寝心地をバランスよく実現することができる。なお、最大充填容積とは、空気室内の空気温度が25℃において、内圧が0.1024MPa(大気圧)でエアーマットレスを最大に膨らませた状態での容積をいう。
また、本発明のエアーマットレスは、表面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋と、平面視交差する位置に配置された裏面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋とが交差する角度が、90度±30度であることがより好ましい。表面側の線状の接着筋と、裏面側の線状の接着筋の交差角度を上述の範囲とすることにより、表面側の接着筋と裏面側の接着筋とが筋交いのように作用し、使用者の体をより安定的に支持する。このように、表面側の空気室と裏面側の空気室との二層構造からなるマットレスであっても底づきし難く、安定感のあるエアーマットレスが得られる。また、表面側の接着筋と裏面側の接着筋とが平面視で重なる部分をその交点のみとすることができ、表面側と裏面側の接着筋が重なって形成される接着硬質部の範囲を小さくできるので、万一使用者がその交点部分に接触した場合でも、褥瘡の発生を防ぐことができる。なお、接着筋が曲線の場合の交差角度は、交点における接線が交差した角度とする。
また、本発明のエアーマットレスは、表面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋は、エアーマットレスの長さ方向に対する鋭角の角度が45度±25度で傾斜するように配置されていることが好ましい。表面側の線状の接着筋を上述の範囲とすることにより、エアーマットレスの長さ方向の向きに横臥した使用者の体の突出部位が接着筋に入り込み難くなるため、褥瘡防止効果を向上させることができる。なお、接着筋が曲線の場合には、接着筋の長さの中点における接線の傾斜角度とする。
また、本発明のエアーマットレスは、表面シート及び中間シートを接着する複数の線状の接着筋で囲まれた領域には空気セル部が形成されており、空気セル部の形状は、エアーマットレスの長さ方向における最大長さと幅方向における最大長さとが互いに等しいか、又はエアーマットレスの幅方向における最大長さよりも長さ方向における最大長さの方が短くなるように構成されていることが好ましい。表面側の空気セル部の形状の縦横比を縦(エアーマットレスの長さ方向)≦横(エアーマットレスの幅方向)とすることにより、背上げ機能付きベッド(ギャッチ式ベッド)等を用いて本発明のエアーマットレスを背上げして使用する際に、容易に湾曲が誘導されるため、背上げ角度に好適に追従することができる。
また、本発明のエアーマットレスは、表面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋は、隣接する4つの接着筋で1つの菱形を形成するパターンが連続して配置されており、裏面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋も、隣接する4つの接着筋で1つの菱形を形成するパターンが連続して配置されていることも好ましい。これにより、好適な接着筋の配置パターンが選択される。
また、本発明のエアーマットレスは、表面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋の数又は接着面積は、裏面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋の数又は接着面積に等しいか、又は裏面シート及び中間シートを接着する線状の接着筋の数又は接着面積の方が大きいことが好ましい。これにより、裏面側の空気室に比べて表面側の空気室に弾力性を付与することができるため、より底づきし難く、安定感のあるエアーマットレスが得られる。
また、本発明のエアーマットレスは、隣接する接着筋同士の最近接部分の間隔は、15mm以上であることが好ましい。これにより、空気室内の空気の移動の際に、最近接部分でのオリフィス作用に起因する空気の移動音を低減することができ、マットレスの使い心地をより向上させることができる。ここで、隣接する接着筋同士の最近接部分とは、隣接する一方の接着筋の端部と、その端部に最も近接している、もう一方の接着筋のいずれかの部分のことをいい、後述する通気部に相当する。
さらに、本発明のエアーマットレスは、中間シートは、第1中間シートと第2中間シートとを積層して構成され、表面シートは第1中間シートと接着され、裏面シートは第2中間シートと接着されており、第1中間シート及び第2中間シートにはそれぞれ少なくとも1つの貫通孔が設けられており、第1中間シートに設けられた少なくとも1つの貫通孔と第2中間シートに設けられた少なくとも1つの貫通孔とは連結されており、表面シート及び第1中間シート間に充填された空気と、裏面シート及び第2中間シート間に充填された空気とは、連結された少なくとも1つの貫通孔を介して流通可能であることが好ましい。これにより、表面側の空気室及び裏面側の空気室をそれぞれ2枚のシートで形成することができるため、各空気室を別個に製造して重ね合わせるのみで本発明のエアーマットレスが得られる。また、重ね合わせる際に、各空気室の接着筋の位置の微調整を行うことができるため、マットレスの製造が容易となる。さらに、表面側の空気室と裏面側の空気室は連通しているため、いずれか一方に空気を充填することにより、両側の空気室に空気を充填することができる。
また、本発明のエアーマットレスは、エアーマットレスを設置する背上げ機能付きベッドの屈曲部に対応する位置で、表面シート、中間シート及び裏面シートを幅方向に一体的に封止して形成された互いに独立した複数の空気充填室を備えており、複数の空気充填室の各々にエアー給排気部が設けられ、エアーマットレスが所定のマットレス高さと空気圧とを維持するように空気量の調整がエアー給排気部を介して行われるように構成されていることも好ましい。これにより、使用者の体の部位に適合したマットレスの内圧を維持し、調整することのできるエアーマットレスが得られる。
また、本発明のエアーマットレスは裏面シートの外側の少なくとも一部がクッション材で被覆されていることも好ましい。これにより、空気の充填率の調整時に一時的に使用者が底づきした場合や、使用中に突発的に空気が抜けてしまった場合でも使用者の体を柔らかく受け止めることができ、様々な使用状態においても褥瘡発生するリスクを回避できる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有するエアーマットレスを提供することができる。
(1)接着部を線状の接着筋とすることで、空気を充填した空気室で使用者の体を支持したときに、使用者の荷重で空気室が押しつぶされて変形して接着筋を覆うように作用することによって、硬質の接着筋に使用者が接し難くなるため、マットレス全体において体圧分散性に優れており、褥瘡の発生を防ぐことができる。
(2)表面シート及び裏面シートに設けられた線状の接着筋が平面視交差しているため、使用者の体を安定的に支持することができ、表面側の空気室と裏面側の空気室とからなる二層構造であっても底づきし難く、安定感のあるエアーマットレスが得られる。
(3)マットレス上に施された接着筋により空気室のパターンが形成されるため、マットレス上に折れ筋等の不均一な皺が生じることがなく、硬さを感じたり、当たるような部位がなく、寝心地がよい。
第1の実施形態のエアーマットレスに空気を入れた状態を示す斜視図である。 第1の実施形態のエアーマットレスの部分分解図である。 第1の実施形態のエアーマットレスの部分拡大正面図である。 図3の(a)A−A線断面図、(b)B−B線断面図及び(c)C−C線断面図である。 図3における使用状態の(a)A−A線断面図、(b)B−B線断面図及び(c)C−C線断面図である。 線状の接着筋の配置パターンの他の例を示す図である。 線状の接着筋の配置パターンの他の例を示す図である。 線状の接着筋の配置パターンの他の例を示す図である。 線状の接着筋の形状の例を示す図である。 第2の実施形態のエアーマットレスに空気を入れた状態を示す斜視図である。 第2の実施形態のエアーマットレスの部分分解図である。 第2の実施形態のエアーマットレスの部分拡大正面図である。 図12の(a)A−A線断面図、(b)B−B線断面図及び(c)C−C線断面図である。 第3の実施形態に係るエアーマットレスの線状の接着筋の配置パターンの例を示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態にかかるエアーマットレス1は、積層されたシートの周縁部6が密封されて、エアーマットレス内部に充填された空気が周縁部6から抜けないように形成されている。また、図2に示すように、第1の実施形態にかかるエアーマットレスは、表面シート2、第1の中間シート3a、第2の中間シート3b及び裏面シート4の4枚の可撓性シートがこの順序で積層されて構成されている。そして、図4に示すように、エアーマットレス1には、表面シート2と第1の中間シート3aとの間に空気が充填されて空気室200が形成され、裏面シート4と第2の中間シート3bとの間にも空気が充填されて空気室400が形成されている。このように、エアーマットレス1は、表面側の空気室200と、裏面側の空気室400の2層の空気室を備えている。
図2〜図4に示すように、表面シート2と第1の中間シート3aとは、複数の線状の接着筋20により接着されている。これによって、この表面シート2と第1の中間シート3aとの間に空気が充填されて表面側の空気室200が形成された際、この空気室200には、隣接する4つの接着筋20で囲まれた略菱形状の空気セル部200Aが複数形成される。空気セル部200Aには、その空気セル部200Aを構成する4つの接着筋20のうち、隣接する一方の接着筋20の端部21と、その端部21に最も近接しているもう一方の接着筋20の端部21との間に、空気セル部200Aの空気を出入りさせ、空気を流動させる通気部200Cが備えられている。また、本実施形態においては、通気部200Cを介して、隣接する空気セル部200A間の空気が連通する連通部200Bが形成されている(図3及び図4参照)。
同様に、裏面シート4と第2の中間シート3bとは、複数の線状の接着筋40により接着されている。これによって、この裏面シート4と第2の中間シート3bとの間に空気が充填されて裏面側の空気室400が形成された際、この空気室400には、隣接する4つの接着筋40で囲まれた略菱形状の空気セル部400Aが複数形成される。空気セル部400Aには、その空気セル部400Aを構成する4つの接着筋40のうち、隣接する一方の接着筋40の端部41と、その端部41に最も近接しているもう一方の接着筋40の端部41との間に、空気セル部400Aの空気を出入りさせ、空気を流動させる通気部400Cが備えられている。また、本実施形態においては、通気部400Cを介して、隣接する空気セル部400A間の空気が連通する連通部400Bが形成されている(図3及び図4参照)
図2及び図3に示すように、上述した表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とは、平面視交差するように配置される。図3では、表面側の接着筋20を実線で、裏面側の接着筋40を破線で示しているが、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とは、平面視交差(エアーマットレスを通常使用するように設置した際に、上から見た状態で交差)するように配置されている。このように接着筋を配置することにより、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とが筋交いのように作用し、使用者の体をより安定的に支持する。それゆえ、表面側の空気室200と裏面側の空気室400との二層構造であっても底づきし難く、安定感のあるエアーマットレスが得られる。加えて、図4〜図5に示すように、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とが平面視で重なって形成される、より硬質な接着硬質部の範囲が接着筋20及び40の交点のみとなるので、万一使用者がその交点部分に接触した場合でも、褥瘡の発生を防ぐことができる。
図6〜図8に表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40との配置パターンのその他の例を示す。図6〜図8では、本実施形態の接着筋20及び40の配置パターンを示す図3と同様に、表面側の接着筋20を実線で、裏面側の接着筋40を破線で示しており、図の左右方向がエアーマットレスの長さ方向Lに対応し、図の上下方向がエアーマットレスの幅方向Wに対応している。これら図に示されている配置パターンは、マットレス全体に連続して配置させることも、少なくともマットレスの一部に部分的に配置させることも可能である。
また、本実施形態においては、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40との平面視での交差角度は略80度であるところ、平面視で交差する表裏の接着筋が互いに近接しにくくなる観点から、90度±30度であることが好ましく、90度±20度であることがより好ましい。図6(a)〜(f)に示す各配置パターンの接着筋20及び40の平面視での交差角度も略80度となるように設計されており、さまざまな配置パターンが選択され得る。
さらに、図3に示す本実施形態においては、表面側の接着筋20は、マットレスの長さ方向Lに対する鋭角の角度20θが略40度で傾斜するように配置されているところ、この傾斜角度20θは45度±25度であることが好ましく、45度±10度がより好ましく、45度±5度で傾斜するように配置されていることがさらに好ましい。これにより、マットレスの長さ方向Lの向きに横臥した使用者の体の突出部位が線状の接着筋20に入り込み難くなり、より底づきを防ぐことができる。図6(a)〜(f)に示す各配置パターンの表面側の接着筋20のマットレスの長さ方向Lに対する傾斜角度も略40〜50度となるように設計されており、さまざまな配置パターンが選択され得る。
また、前述したように、隣接する接着筋20で囲まれた領域には空気セル部200Aが形成されているところ、図3に示す本実施形態にかかる接着筋20の配置パターンにおいては、空気セル部200Aの形状が、エアーマットレスの幅方向Wにおける最大長さ200Wよりも、エアーマットレスの長さ方向Lにおける最大長さ200Lの方が短くなるように構成されている。このように構成することにより、エアーマットレスを背上げして使用する際に、容易にマットレスの湾曲が誘導されるため、背上げ角度に好適に追従することができる。
図3に示すように、本実施形態にかかるエアーマットレス1においては、表面側の接着筋20の配置パターンは隣接する4本の接着筋20で1つの菱形を形成するパターンが連続して配置されており、裏面側の接着筋40の配置パターンも同様である。このように、表面側と裏面側とで同じ配置パターン又は対称な配置パターンを選択してもよいが(図6(a)〜(b)、図6(e)〜(g)及び図7(a)参照)、図6(c)〜(d)、図7(b)〜(i)及び図8(c)〜(d)に示すように、表面側の接着筋20の配置パターンと裏面側の接着筋40の配置パターンとが異なるパターンを選択したり、図7(f)の表面側や図8(b)の表面側のように、同じ面内で異なる多角形状を組み合わせた配置パターンを選択することも可能である。
さらに、図3に示す本実施形態にかかるエアーマットレス1においては、表面側の接着筋20の数又は接着面積は、裏面側の接着筋40の数又は接着面積と略等しいように構成されているが、裏面側の接着筋40の数又は接着面積の方が、表面側の接着筋20の数等よりも、大きくなるように構成することも可能である。これにより、裏面側の空気室400に比べて表面側の空気室200に柔らかさや弾力性を付与することができ、裏面シート4に張りを生じさせ、取り扱いのし易いエアーマットレス1が得られる。また、たとえば、本実施形態においては、1本の表面側の接着筋20に対して、1本の裏面側の接着筋40が平面視交差しているが、図7(a)や図7(g)、図7(i)に示すように、1本の表面側の接着筋20に対し、複数本の裏面側の接着筋40が交差するように配置することができる。また、配置パターンによっては、図8に示すように、他面側の接着筋と交差しない接着筋20及び40があってもよい。
また、本実施形態にかかるエアーマットレス2における隣接する接着筋同士の最近接部分の間隔、すなわち、隣接する一方の接着筋の端部と、その端部に最も近接している、もう一方の接着筋のいずれかの部分との間隔は略30mmであるところ、15mm以上であることが好ましい。これにより、通気部200C及び400Cの好適な幅が規定され、空気室200及び400内外への空気の移動の際に、最近接部分、すなわち通気部200C及び400Cでのオリフィス作用に起因する空気の移動音を低減することができ、マットレスの使い心地をより向上させることができる。
線状の接着筋20の端部の好ましい形状の一例として、図2及び図3に示すように、本実施形態にかかる線状の表面側の接着筋20は、その端部21が円弧状になっており、それゆえ、接着筋20の端部21にかかる応力が好適に分散され、接着筋20の端部21と表面シート2との境界部分の破損を防止することができる。また、本実施形態においては、接着筋20は、その端部21側が徐々に太軸となる綿棒形状に形成されており、端部21が大きな応力にも対応できるように設計されている。線状の接着筋20の長さ20aは、特に限定されず、接着筋の配置パターンに応じて適宜設定できる。例えば、全ての線状の接着筋20の長さ20aと線状の接着筋40の長さ40aの長さが同じ長さでもよいし、図7(f)や図8(c)〜(d)のように、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40との長さを異ならせたり、図7(b)の裏面側や同図(i)の表面側のように、同じ面内で接着筋の長さを異ならせてもよい。また、接着筋の線幅20bについては、使用時に体圧分散効果が小さい部分をできるだけ生じさせず、かつ、表面シート2と第1の中間シート3aとを確実に接着させる観点から、2〜10mmであることが好ましく、2〜8mmであることがより好ましい。本実施形態における線状の接着筋20は、一例として、全体の長さ20aが80mm、中央部分の線幅20bが3mm、端部21の最大線幅は7mmで形成されている。
表面シート2と第1の中間シート3aとを接着する表面側の接着筋20を上述のように形成することにより、次のような作用を有する。図4〜5に示すように、本実施形態にかかるマットレス1に使用者が横たわる等して荷重が加えられた際、空気室200の空気セル部200Aは押しつぶされて変形するところ、その空気セル部200Aを形成する線状の接着筋20に沿って、接着筋20の周縁近傍の表面シート2が立ち上るため、線状の接着筋20は内部に入り込んで表面シート2の表面上には表れなくなるか、表面シート2上に表れる接着筋20の接着幅20bは細く狭められる。また、線状の接着筋20によって空気セル部200Aが形成されているため、使用時に空気室200の空気セル部200Aが押しつぶされた場合においても、接着筋20に沿って空気室200が変形するのみであり、不均一な硬い折れ筋等の皺は生じ難い。それゆえ、エアーマットレス1の接着筋20に使用者の体の突出部位が入り込み難く、接着硬質部に使用者の体があたることによって褥瘡が発生することを防ぐことができる。
他方、線状の裏面側の接着筋40についても、本実施形態においては、上述した表面側の接着筋20と同様の構成で形成されている。具体的には、裏面側の接着筋40は、その端部41が円弧状になっており、それゆえ、接着筋40の端部41にかかる応力が好適に分散され、接着筋40の端部41と裏面シート4との境界部分の破損を防止することができる。また、本実施形態においては、接着筋40は、その端部41側が徐々に太軸となる綿棒形状に形成されており、端部41が大きな応力にも対応できるように設計されている。本実施形態における線状の接着筋40は、一例として、全体の長さ40aが80mm、中央部分の線幅40bが3mm、端部41の最大線幅は7mmで形成されている。図4〜図5に示すように、裏面側の接着筋40を線状に形成することにより、本実施形態にかかるマットレス1に使用者が横たわる等して荷重が加えられた際、空気室400の空気セル部400Aは押しつぶされて変形するところ、その空気セル部400Aを形成する線状の接着筋40に沿って、接着筋40の周縁近傍の裏面シート4が立ち上るため、線状の接着筋20は内部に入り込んで裏面シート4上には表れなくなるか、裏面シート4上に表れる接着筋40の接着幅40bは細く狭められる。また、線状の接着筋40によって空気セル部400Aが形成されているため、使用時に空気室400の空気セル部400Aが押しつぶされた場合においても、接着筋40に沿って空気室400が変形するのみであり、不均一な硬い折れ筋等の皺は生じ難い。それゆえ、マットレス1の接着硬質部に使用者の体があたることがなく、褥瘡が発生することを防ぐことができる。なお、裏面側の接着筋40の構成に関するその他の説明は、上述した表面側の接着筋20と同様であり、その作用効果も同様である。
図2及び図3に示すように、本実施形態にかかるエアーマットレス1においては、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とは同じ綿棒形状で形成されているが、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とは異なる形状の接着筋から構成されていてもよい。また、表面側の接着筋20又は裏面側の接着筋40として、複数の異なる形状等の接着筋を選択することも可能である。図9(a)〜(g)に線状の接着筋20及び40の一例を示す。本実施形態においては、図9(a)の形状を表面側の接着筋20及び裏面側の接着筋40として採用しているが、図9に示されるような様々な形状や、端部が多角形状、または端部の両角のみに曲率を有する形状などを選択することができる。線状の接着筋20及び40には、図9(a)〜(e)に示されるような直線状のもののほか、円弧状・波状・S字状等の曲線状(図9(f)参照)、その他ジグザグ線状等、くの字状(図9(g)参照)も含まれる。また、線状の接着筋20及び40としては、同じ形状であっても、全体の長さや大きさが異なるものを組み合わせたり、曲線状、ジグザグ状、線状など、複数の異なる形状のものを組み合わせてマットレスの部位毎に配置してもよい。
本実施形態にかかるエアーマットレス1を構成する可撓性シート、すなわち、表面シート2、第1の中間シート3a、第2の中間シート3b及び裏面シート4は、空気を通さない非通気性シートで形成される。これらの可撓性シートの素材としては、特に限定されないが、線状の接着筋20及び40によるシート同士の接着を溶着により行うことができる観点から、熱可塑性合成樹脂フィルムが好ましく、柔軟性と溶着性(接着性)の観点からウレタンフィルムがより好適である。これにより、接着筋20及び40によるシート同士の接着を高周波溶着、熱溶着、レーザー溶着又は超音波溶着等の溶着により容易に行うことができる。なお、上記接着には、接着剤による接着接合も含まれる。本実施形態にかかるエアーマットレス1は、表面シート2と第1の中間シート3aとを複数の接着筋20で接着したものと、第2の中間シート3bと裏面シート4とを複数の接着筋40で接着したものとを、配置パターンが所望の状態となるように合わせて積層させ、シート周縁部6を溶着することにより概略製造され得る。
本実施形態にかかるエアーマットレス1においては、図2に示すように、中間シート3を構成する第1の中間シート3aと第2の中間シート3bとを貫通する貫通孔5が複数個形成されており、貫通孔5は、その孔周縁部が溶着されて第1の中間シート3aと第2の中間シート3bとを接着している。それゆえ、表面側の空気室200と裏面側の空気室400とは、この貫通孔5を介して連通しており、第1の中間シート3aと第2の中間シート3bとの間には空気は充填されないように構成されている。なお、本発明の効果を損なわない範囲において、第1の中間シート3aと第2の中間シート3bとの間に空気が充填されるように構成することも可能である。
本実施形態にかかるエアーマットレス1は、低膨張状態で使用するのに好適なマットレスである。エアー給排気部8を通じて空気室200及び400に充填される空気の充填率は、体圧分散性、底づき防止、使用者の支持安定性及び寝心地をバランスに応じて調整され、最大充填容積に対して40〜80%(空気室内の空気温度25℃)の範囲の充填率とすることが好ましく、50〜70%がより好ましい。ここで、最大充填容積とは、空気室内の空気温度が25℃において、内圧が0.1024MPa(大気圧)でエアーマットレスを最大に膨らませた状態での容積をいい、この最大充填容積は、例えば、空気室内に空気を過充填した状態で、室温と空気室内に充填された空気の温度を25±1℃の範囲で平衡状態としたのち、この温度範囲を維持しながら空気を抜き、内圧を0.1024MPaに調整して最大充填状態とし、このときの容積を測定して得られる。空気の充填容積は、水置換法など公知の方法で計測すればよい。また、設定する充填率とするための流体量(容積)は、設定する充填率を最大充填容積に乗じることにより得られる。なお、空気の充填にあたり、エアー給排気部8の位置と個数は適宜設定できるが、均一に充填するためには、2箇所以上設けることが好ましい。また、エアー給排気部8は、エアーマットレス1の表面シート2又は裏面シート4を貫通する孔で構成されており、エアーマットレス1への空気の充填、封止、排気等の作業は、このエアー給排気部8に栓や切替弁、管などの部品を適宜連結して行われる。図1では本実施形態のエアー給排気部8として、L字状の管が連結された状態を図示している。また、エアー給排気部8は、空気の供給及び排気の共用としてもよいし、供給部と排気部とを別々に設けてもよい。
本実施形態にかかるエアーマットレス1への空気の充填及び空気量の調整を含めた空気の給排気については、公知のエアー給排気方法や制御を適用できる。具体的には、例えば、手動ポンプで給気したのちに栓をして封止し、栓の開閉による排気で圧力調整する方法や、電動ポンプと電磁バルブ等を用いて、給排気をプログラム制御する方法などが挙げられる。また、後述する第2の実施形態のように空気室200及び400を複数の空気室に分割して、各空気室を個別に給排気制御してもよく、例えば複数の空気室を交互に膨張、収縮させる、いわゆる圧切替方式のエアーマットレスのような制御を適用してもよい。
次に図3〜図5を参照しつつ、本実施形態にかかるエアーマットレスの作用を説明する。図3は、本実施形態にかかるエアーマットレス1の部分拡大図を示しており、図4は、図3に示すA−A線断面図及びB−B線断面図、C−C線断面図を示している。図4に示すように、本実施形態に係るエアーマットレス1は、表面側の空気室200と裏面側の空気室400を有し、空気室200には、複数の接着筋20によって形成された空気セル部200Aと連通部200Bを備えている。これにより、表面シート2上に使用者が横たわる等した際、表面シート2を介して表面側の空気室200に荷重がかけられるところ、使用者の体が接している部分の空気セル部200Aからその周囲の空気セル部200Aへの空気の移動が連通部200Bにより規制され、使用者の体が接している部分の空気セル部200Aに空気を留め、使用者の体を支えるように作用する。同様に、裏面側の空気室400には、複数の接着筋40によって形成された空気セル部400Aと連通部400Bを備えている。これにより、表面シート2上に使用者が横たわる等した際、表面側の空気室200を介して空気室400に荷重がかけられるところ、荷重がかかっている空気セル部400Aからその周囲の空気セル部400Aへの空気の移動が連通部400Bにより規制され、使用者の体圧がかかっている部分の空気セル部400Aに空気を留め、使用者の体を支えるように作用する。また、使用者の体を安定的に支える作用をより向上させる観点から、表面側の空気セル200Aの中心と裏面側の空気セル400Aの中心とが対向せずに、互い違いの位置に配置されることが好ましい。
図4に示すA−A線断面図は、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とが平面視交差している部分での断面図であり、B−B線断面図は表面側の通気部200Cと裏面側の通気部400Cとが形成されている部分の断面図であり、C−C線断面図は、表面側の連通部200Bと裏面側の連通部400Bが形成されている部分の断面図である。図5に示すように、使用者がマットレスに横たわる等して、表面シート2に荷重がかかると、空気室200の空気セル部200Aは押しつぶされて変形する。この際、空気セル部200Aを形成する線状の接着筋20に沿って、接着筋20の周縁近傍の表面シート2が立ち上り、接着筋20は内部に入り込んで表面シート2の表面上には表れなくなるか、表面シート2上に表れる接着筋20の接着幅20bは細く狭められる。同様に、裏面側の空気室400の空気セル部400Aも押しつぶされた際に、接着筋40の周縁近傍の裏面シート4が立ち上るため、線状の接着筋40は内部に入り込んで裏面シート4の表面上には表れなくなるか、接着筋40の接着幅40bは細く狭められる。さらに、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とが平面視交差しているため、使用者がマットレスに横たわる等したときの厚み方向への荷重に対して機械的な支持強度が高く、荷重部分においてマットレスの座屈や屈曲が起こりにくくなるので、底づきし難く、使用者の体を安定的に支持することを実現できる。ここで、荷重に対する機械的な支持強度について説明する。マットレスに空気が充填された状態においては、接着筋に沿ってマットレスが屈曲し易くなる。そのため、例えば、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とが平面視平行な位置、すなわち重複するように配置されていると、マットレスが屈曲し易い箇所と方向が同じなので、荷重に対して屈曲し易くなる。一方、本実施形態のように、表面側の接着筋20と裏面側の接着筋40とが平面視交差していると、表面と裏面とで屈曲し易い方向が異なるので、荷重に対して屈曲しにくく、平面視重複している場合に比べて荷重に対する支持強度に優れている。
また、本実施形態にかかるエアーマットレス1には、裏面シート4の外側(裏面シート4の表面)の少なくとも一部に発泡材等で形成されたクッション材を被覆させた構成としてもよい。この構成とすることによって、エアーマットレス1を使用している状態で、空気の充填率を調整する際等に、一時的に使用者の体の一部が底づきした場合や、使用中に突発的に空気が抜けてしまった場合でも使用者の体を柔らかく受け止めることができ、様々な使用状態においても褥瘡が発生するリスクを回避することができる。また、クッション材としては、単一素材のみならず、エアーマットレス1の部位ごとに異なる種類の素材を選択してもよい。また、クッション材は単層でもよいし、異なる構成(硬さ、素材等)からなる複数の層の積層体としてもよい。なお、このクッション材は、空気充填による裏面シート4側の空気室400の形成を妨げないように裏面シート4に固定してもよいし、裏面シート4とクッション材とを固定せずにクッション材の上にマットレス1の裏面シート4側を載置させてもよい。クッション材を固定せずに裏面シート4の外側を被覆する場合には、ウレタン発泡材製のマットレスなどをクッション材として適用することもでき、さらに裏面シート4とクッション材との間にマットレス1のカバー素材のようなシート状素材を介在させてもよい。
また、本実施形態にかかるエアーマットレス1には、図1のようにエアーマットレス1の長さ方向Lの端部に、巻き込み布7を付設してもよい。前記巻き込み布7は、エアーマットレス1を寝台(ベッド)や前記クッション材の上に載置させる場合に、寝台の底板(JIS T9205の各部名称における「ボトム」に該当する部分)やクッション材の裏側に巻き付けることで、背上げなどを行った際に、エアーマットレス1が載置した位置からずれて移動することを防止することができる。なお、図1では、エアーマットレス1の長さ方向の両端に巻き込み布7を付設した形態となっているが、使用時に使用者の頭側となる方のみに付設した形態とすることもできる。
また、本実施形態のエアーマットレス1は、少なくとも一部が、所定量の空気が充填された使用状態のエアーマットレス1の幅方向Wの長さと略等しい幅方向の長さを有するカバー材で覆って使用することも好ましい。カバー材としては、マットレス全体をくるむカバーやボックスシーツ等が挙げられ、マットレス1に充填される空気の量が所定量より少ない場合に、マットレス1の幅方向Wの長さを規制することができる。このように、カバー材がエアーマットレスの幅方向の長さを規制することによって、エアーマットレス1内に所定量の空気が充填された見かけの状態を保つため、万一の場合にも底付きし難いエアーマットレスが得られる。
次に、図10〜図13を参照しつつ本発明の第2の実施形態に係るエアーマットレス11について説明する。
図10に示すように、第2の実施形態にかかるエアーマットレス11は、積層されたシートの周縁部16が密封されて、エアーマットレス内部に充填された空気が周縁部から抜けないような構造となっている。また、本実施形態のエアーマットレス11には、背上げ機能付きベッド等の屈曲に対応させるため、屈曲位置において、マットレスの幅方向に一体的にシートを封止して形成された封止部19を2箇所備えている。また、図11に示すように、第2の実施形態にかかるエアーマットレスは、表面シート12、中間シート13及び裏面シート14の3枚の可撓性シートがこの順序で積層されて構成されている。図12〜図13に示すように、エアーマットレス11には、表面シート12と中間シート13との間に空気が充填されて空気室1200が形成され、裏面シート14と中間シート13との間にも空気が充填されて空気室1400が形成されている。このように、本発明のエアーマットレス11は、表面側の空気室1200と、裏面側の空気室1400の2層の空気室を備えている。
図10〜図13に示すように、表面シート12と中間シート13とは、複数の線状の接着筋120により接着されている。これによって、この表面シート12と中間シート13との間に空気が充填されて空気室1200が形成された際、この空気室1200には、隣接する4つの接着筋120で囲まれた略菱形状の空気セル部1200Aが複数形成される。空気セル部1200Aには、その空気セル部1200Aを構成する4つの接着筋120のうち、隣接する一方の接着筋120の端部121と、その端部121に最も近接しているもう一方の接着筋120の端部121との間に、空気セル部1200Aの空気を出入りさせ、空気を流動させる通気部1200Cが備えられている。また、本実施形態においては、通気部1200Cを介して、隣接する空気セル部1200A間の空気が連通する連通部1200Bが形成されている(図13参照)。
同様に、裏面シート14と中間シート13とは、複数の線状の接着筋140により接着されている。これによって、この裏面シート14と中間シート13との間に空気が充填されて空気室1400が形成された際、この空気室1400には、隣接する4つの接着筋40で囲まれた略菱形状の空気セル部1400Aが複数形成される。空気セル部1400Aには、その空気セル部1400Aを構成する4つの接着筋140のうち、隣接する一方の接着筋140の端部141と、その端部141に最も近接しているもう一方の接着筋140の端部141との間に、空気セル部1400Aの空気を出入りさせ、空気を流動させる通気部1400Cが備えられている。また、本実施形態においては、通気部1400Cを介して、隣接する空気セル部1400A間の空気が連通する連通部1400Bが形成されている(図13参照)。
図11〜図12に示すように、上述した表面側の接着筋120と裏面側の接着筋140とは、平面視交差するように配置される。このように接着筋を配置することにより、表面側の接着筋120と裏面側の接着筋140とが筋交いのように作用し、使用者の体をより安定的に支持する。それゆえ、表面側の空気室1200と裏面側の空気室1400との二層構造であっても底づきし難く、安定感のあるエアーマットレスが得られる。加えて、表面側の接着筋120と裏面側の接着筋140とが平面視で重なって形成される、より硬質な接着硬質部の範囲が接着筋120及び140の交点のみとなるので、万一使用者がその交点部分に接触した場合でも、褥瘡の発生を防ぐことができる。
図10に示すように、本実施形態にかかるマットレス11は、背上げ機能付きベッド等への追従を容易とするために、背上げ機能付きベッドの屈曲部に対応する位置で、表面シート12、中間シート13及び裏面シート14を幅方向Wに一体的に封止して形成された封止部19を2箇所備えている。そのため、エアーマットレス11はその長さ方向Lに3つに分割されており、連通せずに独立する3つの空気充填室から構成されている。各空気充填室は、表面側の空気室1200と裏面側の空気室1400をそれぞれ備えている。この3つの空気充填室の各々には、一例として2つのエアー給排気部18が設けられ、エアーマットレス11が所定のマットレス高さと空気圧とを維持するように空気量の調整がこれら2つのエアー給排気部18を介して行われるように構成されている。また、本実施形態にかかるエアーマットレス11は、図13に示すように、中間シート3を貫通する貫通孔15が複数個形成されており、表面側の空気室1200と裏面側の空気室1400とは、この貫通孔15を介して連通している。なお、本実施形態ではエアーマットレスの封止部19による分割数を3つとしたが、目的に応じて2つまたは4つ以上としてもよい。
本実施形態にかかるエアーマットレス11を構成する可撓性シート、すなわち、表面シート12、中間シート13及び裏面シート14は、空気を通さない非通気性シートで形成されている。本実施形態にかかるエアーマットレス11は、表面シート12と中間シート13とを重ねて複数の接着筋120で接着したのち、配置パターンを調整しながら中間シート13と裏面シート14とを複数の接着筋140で接着し、その後、マットレスの幅方向Wに一体的にこれらのシートを溶着させて封止した封止部19を形成し、シート周縁を溶着することにより概略製造され得る。
なお、エアーマットレス11の構成に関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
次に、図14を参照し、本発明の第3の実施形態に係るエアーマットレス1´について説明する。
本実施形態のエアーマットレス1´は、配置パターン以外は第1の実施形態と同様の構成からなり、配置パターンとしては図14(a)に示す接着筋20´及び40´が用いられている。図14では、表面側の接着筋20´を実線で、裏面側の接着筋40´を破線で示しており、図の左右方向がエアーマットレスの長さ方向Lに対応し、図の上下方向がエアーマットレスの幅方向Wに対応している。ここで、図14(a)に示す表面側の接着筋20´と裏面側の接着筋40´とは、平面視交差するように配置されている。このように接着筋を配置することにより、表面側の接着筋20´と裏面側の接着筋40´とが筋交いのように作用し、使用者の体をより安定的に支持する。それゆえ、表面側の空気室200´と裏面側の空気室400´との二層構造であっても底づきし難く、安定感のあるエアーマットレスが得られる。加えて、接着筋20´及び40´が平面視で重なって形成される、より硬質な接着硬質部の範囲がその交点のみとなるので、万一使用者がその交点部分に接触した場合も、褥瘡の発生を防ぐことができる。
また、表面シート2´と第1の中間シート3a´は、図14(a)に示す線状の接着筋20´により接着されており、それゆえ、本実施形態の空気室200´には複数の接着筋で囲まれた領域に空気セル部200A´が形成されている。この空気セル部200A´にはセル内に空気を出入りさせる通気部200C´が備えられており、隣接した空気セル部200A´同士は通気部200C´を介して空気が流動する構造となっている。なお、本実施形態の空気室200´においては、上述した第1及び第2の実施形態とは異なり、連通部は形成されていない。このような構成の違いはあるが、本実施形態においても、複数の接着筋20´により空気室200´が部分的に区切られているため、使用の際には、使用者の体が接している部分の空気セル部200A´からその周囲の空気セル部200A´への空気の移動が接着筋20´及び通気部200C´により規制され、使用者の体が接している部分の空気セル部200A´にて使用者の体を支えるように作用することができる。同様に、空気室400´においても、連通部は形成されておらず、複数の接着筋で囲まれた領域に空気セル部400A´が形成され、この空気セル部400A´にはセル内に空気を出入りさせる通気部400C´が備えられており、隣接した空気セル部400A´同士は通気部400C´を介して空気が流動する構造となっている。それゆえ、複数の接着筋40´により空気室400´が部分的に区切られているため、使用の際には、使用者の荷重がかかっている部分の空気セル部400A´からその周囲の空気セル部400A´への空気の移動が接着筋40´及び通気部400C´により規制され、使用者の体が接している部分の空気セル部400A´にて使用者の体を支えるように作用することができる。また、表面側の接着筋20´と裏面側の接着筋40´の配置パターンとしては、図14に示すその他の配置パターンも適用することができる。例えば、図14(c)及び(d)の例においては、長尺の棒状及び波状の空気セル部200A´及び400A´がそれぞれ形成された構成となっている。なお、エアーマットレス1´の構成に関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
1、11、1´ エアーマットレス
2、12、2´ 表面シート
20、120、20´ 表面側の接着筋
20a、120a 接着筋の長さ
20b、120b 接着筋の最狭幅
20θ 接着筋20のマットレスの長さ方向Lに対する鋭角の角度
21、121 接着筋の端部
200、1200、200´ 表面側の空気室
200A、1200A、200A´ 表面側の空気セル部
200B、1200B 表面側の連通部
200C、1200C、200C´ 表面側の通気部
200L 長さ方向における空気セル部200Aの最大長さ
200W 幅方向における空気セル部200Aの最大長さ
3、13、3´ 中間シート
3a、3a´ 第1の中間シート
3b、3b´ 第2の中間シート
4、14、4´ 裏面シート
40、140、40´ 裏面側の接着筋
40a、140a 接着筋の長さ
40b、140b 接着筋の最狭幅
41、141 接着筋の端部
400、1400、400´ 裏面側の空気室
400A、1400A、400A´ 裏面側の空気セル部
400B、1400B 裏面側の連通部
400C、1400C、400C´ 裏面側の通気部
5、15 貫通孔
6、16 周縁部
7、17 巻き込み布
8、18 エアー給排気部
19 封止部
L エアーマットレスの長さ方向
W エアーマットレスの幅方向
B 使用者の体

Claims (11)

  1. 表面シート、中間シート及び裏面シートを含む少なくとも3枚の可撓性シートをこの順序で積層し、外周部を一体的に封止してなるエアーマットレスであって、
    前記表面シート及び前記裏面シートの各々と前記中間シートとは、当該エアーマットレスの幅方向及び長さ方向に所定の間隔で配置され、かつ複数の線状の接着筋によって接着されており、
    前記表面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋は、前記裏面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋と、平面視交差する位置に配置されていることを特徴とするエアーマットレス。
  2. 前記表面シート及び前記裏面シートの各々と前記中間シートとの間への空気充填率が、前記エアーマットレスの最大充填容積に対して40〜80%であることを特徴とする請求項1に記載のエアーマットレス。
  3. 前記表面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋と、平面視交差する位置に配置された前記裏面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋とが交差する角度は、90度±30度であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアーマットレス。
  4. 前記表面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋は、当該エアーマットレスの長さ方向に対する鋭角の角度が45度±25度で傾斜するように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
  5. 前記表面シート及び前記中間シートを接着する複数の前記線状の接着筋で囲まれた領域には空気セル部が形成されており、
    前記空気セル部の形状は、当該エアーマットレスの長さ方向における最大長さと幅方向における最大長さとが互いに等しいか、又は当該エアーマットレスの幅方向における最大長さよりも長さ方向における最大長さの方が短くなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
  6. 前記表面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋は、隣接する4つの接着筋で1つの菱形を形成するパターンが連続して配置されており、前記裏面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋も、隣接する4つの接着筋で1つの菱形を形成するパターンが連続して配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
  7. 前記表面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋の数又は接着面積は、前記裏面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋の数又は接着面積に等しいか、又は前記裏面シート及び前記中間シートを接着する前記線状の接着筋の数又は接着面積の方が大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
  8. 隣接する前記接着筋同士の最近接部分の間隔は、15mm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
  9. 前記中間シートは、第1中間シートと第2中間シートとを積層して構成され、前記表面シートは前記第1中間シートと接着され、前記裏面シートは前記第2中間シートと接着されており、
    前記第1中間シート及び前記第2中間シートにはそれぞれ少なくとも1つの貫通孔が設けられており、前記第1中間シートに設けられた前記少なくとも1つの貫通孔と前記第2中間シートに設けられた前記少なくとも1つの貫通孔とは連結されており、前記表面シート及び前記第1中間シート間に充填された空気と、前記裏面シート及び前記第2中間シート間に充填された空気とは、前記連結された少なくとも1つの貫通孔を介して流通可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
  10. 当該エアーマットレスを設置する背上げ機能付きベッドの屈曲部に対応する位置で、前記表面シート、前記中間シート及び前記裏面シートを幅方向に一体的に封止して形成された互いに独立した複数の空気充填室を備えており、
    前記複数の空気充填室の各々にエアー給排気部が設けられ、当該エアーマットレスが所定のマットレス高さと空気圧とを維持するように空気量の調整が前記エアー給排気部を介して行われるように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
  11. 前記裏面シートの外側の少なくとも一部がクッション材で被覆されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のエアーマットレス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017192541A (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 株式会社タイカ エアーマットレス及びエアーマットレス装置

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