JP2015222935A - 電気機器、電源供給制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
電源で駆動する要素を有する電気機器において、前記の方法は、ユーザの動作要求に応じて必要とする要素にだけ電源供給を行う制御手段を設けることにより実施される。この制御手段を用いることにより、省電力(以下「省エネ」ともいう)が図られる。
特許文献1には、搭載する機能の一部が使用可能な複数機能を持つ画像形成装置において、省エネモードから復帰するとき、使用する機能に係る一部分についてのみ電源を投入する方法を採ることが記載されている。
なお、この特許文献1では、省エネモードからの復帰対象となる使用機能は、利用者ごとに付与されている利用権限の範囲内における機能としている。このため、利用者は、画像形成装置が省エネモードで待機する状態で画像形成装置を使用する時、利用者IDの入力を必要とする。また、装置側は、入力された利用者IDを読み、得られるIDによって当該利用者に予め付与された権限の範囲を認識し、別途利用者の操作により行われる動作要求に指示される使用機能が、認識される権限の範囲内であることを条件に、当該機能の省エネモードからの復帰を行う。
この方式の採用により、操作部のOSによりアプリケーションを利用して、例えば操作部において生じる情報(もしくはデータ、以下機器内で扱われる情報はデータで表されるので「情報」という場合、ことわりが無ければ、データを含む)を内部で処理することが可能になる。こうした情報の処理においては、必ずしも主制御部の制御下にある要素全体を起動せずに、処理を実行する方法を採ることが望ましい場合がある。つまり、操作部における情報の処理には不要な消費電力の大きい印刷用エンジン等の要素には、電力供給をすることなく処理を行うようにシステムを構成することが求められる。
全ての機能に対する電源供給を停止する省エネ状態からの復帰時に、使用する機能に必要な部分にだけ電源を供給するには、特許文献1に関して述べたように、ユーザごとに権限を設定し、ユーザが自身の持つ権限を示すデータを省エネ復帰前に画像形成装置へ転送する仕組みや当該データを記録する媒体が必要となり、ユーザ側において手間等の負担が増えてしまう問題も生じる。
この省エネ動作は、電源を供給し待機状態となっている機能や動作モードもしくは動作カテゴリ(以下「機能等」という)に係る要素への電源供給をアイドル時間のタイムアウト(所定制限時間の経過)を条件に、停止する制御を行うことにより実施されている。
また、省エネへ移行後に電源供給を再開する省エネからの復帰制御も、当該動作要求に係る全要素において一律に行われる。
したがって、上述の省エネ移行及び省エネからの復帰動作において、ユーザの動作要求により実行される動作に不要な要素への電源供給が行われる場合があり、省エネ効果を低下させる。
以下に示す実施形態は、本発明の電気機器を複数機能が複合されたMFP(複合機)に実施した例を示す。本MFPは、画像化が可能なデータ(以下「画像データ」という)の入力及び画像データを用いる画像出力を行うための諸種の要素(データ処理装置としても機能するコントローラ、データ記憶装置、エンジン等)を有する。
本MFPのコントローラは、MFPの持つ機能を使用することを求めて行われる動作要求に応じて前記要素の作動を制御する。MFPの動作要求は多種類に及ぶことになり、動作要求によって、要素を単独で作動させる場合や連動する複数要素を作動させる場合があり、前記要素に対する制御形態も多様になる。
本実施形態におけるこの省エネ制御は、詳細は後記実施例により説明するが、制御対象の単位を要素として行う。これは、動作要求によっては、使用する機能等に係る複数の要素の中の一部を作動する制御動作となる場合にも、当該機能に係る全ての要素を一律に作動させる従来技術における、無駄な電源供給を無くすことを可能にするためである。
要求される動作に必要な要素を特定する方法として、動作要求と同時にユーザの操作を介して当該要素を特定するための情報を別途入力する方法を採る、という着想がある。ただ、この方法は、ユーザに対する負担が生じ、デメリットとなる。
そこで、本実施形態では、操作手段によりユーザが動作要求をするときに通常入力する情報に基づいて、動作要求に応じて作動が必要な特定要素の情報を特定し、制御情報として取得する過程をMFP側の処理により行う方法を採用する。
ところで、動作要求と動作要求に応じて作動が必要になる特定要素の情報を導く過程は、MFPのコントローラが動作要求を受付け、作動指令を発する要素を特定する時の既存のルーチンに他ならない。即ち、MFPのコントローラは、指示される動作要求に応じて作動が必要になる要素を認識する機能を持ち、この認識機能によって、入力される動作要求に応じて作動する要素を特定し、特定要素に対する制御動作を行う。
よって、既存の前記認識機能を利用するか、或はこの機能を用い既に導かれている、動作要求と作動が必要になる指定要素との対応関係を利用するか、によって、特定要素の情報を特定し、制御情報として取得する前記手段を構成することができる。
したがって、作動が制御される要素よりも電源供給の制御対象の要素単位が複数の作動制御単位を含むのが普通であるから、より簡易な認識機能で電源供給の制御対象を特定することが可能になる。
MFPのコントローラは、待機状態において、前記動作要求例の入力を受けると、要求された動作条件等の入力情報を基に、動作に必要な特定要素としてネットワークからの入力系に係る前記の要素を認識し、動作に必要なこの要素への電源供給を継続する。また、同時に、動作に不要な要素である前記特定要素以外の要素である、出力系の要素等を制御対象として電源供給を停止する制御を行う。
なお、上述の動作要求時に要求に応じ、動作に必要な特定要素だけに電源を供給し、特定要素以外には電源供給を停止する電源供給制御を行うことで省電力を図る動作を「省エネ基本動作」という。
例えば、動作要求時にユーザがI/Fを介して行うキー等の操作によって、コントローラが搭載するアプリケーション中から使用する特定のアプリケーションもしくはアプリケーションに対応する機能が選択され、指定される、という仕様が普通に採られる。ここに、各種アプリケーションと作動が必要になる要素との対応関係は、当然予定されている。
よって、コントローラは、要求される動作を行うとき、作動が必要になる特定要素の情報を、ユーザが指定するアプリケーションから前記の対応関係に基づいて導くことができる。
即ち、各種アプリケーションとそれぞれのアプリケーションに応じて作動が必要になる特定要素とを、予定される対応関係により紐付けて、制御情報として保存、管理する制御情報保存手段を利用する手法である。電源供給制御の動作を行う時、この制御情報保存手段により保存、管理された制御情報を用いることで、動作要求に応じる制御対象としての特定要素を簡便に導くことができる。
例えば、アプリケーションと紐付けられる特定要素とを対応付けて構成するテーブルといった形に情報を纏め、所定の記憶部に保存しておく。こうした形態で当該制御情報を管理することで、動作要求において指定されたアプリケーションによる制御動作時に、アプリケーションに対応して記憶装置に保存された情報を参照することで、制御対象の要素を特定する情報を得て、電源供給の制御を実行する。
そこで、既存の動作要求と異なる別種の動作要求に応えるアプリケーション等の機能の付加がなされるときに、新規に生じる動作要求と当該動作要求に応じて作動が必要となる特定要素との対応関係を導くことを可能にするための機能を付加する。
この機能の付加は、前記制御情報保存手段への機能の追加であり、例えば、上述の新規に生じる対応関係を示す情報の追加により実施する。
MFPにおいては、搭載するアプリケーション(機能)の追加や更新を行うときに、従来からユーザI/Fを介して行う操作により、データの新規書込みやデータの書き換えを行う手段が用意されている。よって、この手段を応用して、新たにアプリケーションの追加に伴い必要になる、前記制御情報保存手段へのデータの書込みに対処することができる。
そこで、コントローラは、アイドル時間に所定制限時間によるタイムアウトを掛けて、特定要素への電源供給を止めることで、省エネ状態へ移行させる。
なお、このアイドル時間の発生に対し、省エネ状態への移行条件として所定制限時間によるタイムアウトを掛けて供給する電源を停止する制御を行う動作を「省エネ移行動作」といい、先に述べた「省エネ基本動作」と区別する。
このため、電源供給の制御単位の要素ごとにアイドル時間を求め、アイドル時間が要素ごとに設定された制限時間に達するタイムアウトを検知する。
このタイマは、対応する要素の作動開始時にリセットして計時が止められ、当該要素の作動が終了したときに計時が開始されて、計るアイドル時間が要素ごとに設定された所定制限時間に達するときに検知信号を出力する。
本MFPのコントローラは、このタイマに上述の動作を行わせ、計時結果が対応する要素に設定された所定制限時間に達するときにタイマが出力する検知信号により、当該要素への電源供給を停止する制御を行う。
ただ、このデフォルト値がMFPの利用状況等によっては、省エネ効率や動作効率上、必ずしも最適な動作状態になるとは限らず、より適切な状態にするために設定値の変更を求められる場合がある。
こうした要求に応えるべく、本実施形態では、制御単位の要素ごとに設定する前記所定制限時間をユーザの意図に従って変更可能とする。
具体的には、操作手段により設定値を変更する機能をユーザI/Fに設けることにより実施することができる。
この電源供給制御過程において、MFPのコントローラは、省エネ状態への移行条件に従い電源供給の停止をする制御による前記要素への電源供給の停止中に、新たに発生する動作要求に対して、上述と同様に制御情報取得手段によって特定要素の情報を取得する。また、MFPのコントローラは、このときに取得される特定要素が省エネ状態で電源供給の停止中の要素であるために、起動が必要になるとき、当該要素を作動させるために電源供給を再開する制御を行う。
なお、上述の新たに発生する動作要求に応じ、省エネ状態にある要素を起動するために電源供給を制御し、当該要素への電源供給を再開する動作を「省エネからの復帰動作」という。
省エネ動作を行わせる電源供給制御に係る手順について、フロー図を参照して後述するが、その前に、この電源供給制御を行うMFPにおける制御系の構成の概要を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るMFP(複合機)における制御系の構成を示すブロック図である。
図1において、MFP100は、コントローラ10と、コントローラ10の制御下の操作部20、エンジン31及びHDD(ハードディスクドライブ)33を要素として有する。
コントローラ10は、主制御手段として、入出力する各種データを処理し、制御下の各要素を統合して制御する機能を持つ要素である。
操作部20は、ユーザI/Fとして機能する要素であり、MFP100への動作要求等のユーザによる情報の入力を受付け、MFP100の発する情報をユーザに伝える操作部の処理を担う要素である。
HDD33は、MFP100において入出力する情報を読み出し、書き込み可能に記憶する不揮発性の磁気記録媒体を持つ記憶装置である。また、HDD33は、供給される電源のON/OFFが制御されるとともに、HDD33への電源のON/OFF状態に応じて作動するHDDタイマ33tが備わる。
なお、エンジンタイマ31t及びHDDタイマ33tの用い方は、上述の省エネ動作において「省エネ移行動作」として説明した通りである。また、ここでは、エンジン31とHDD33に別々にタイマを備えるようにしているが、一つのタイマを共有しても良い。
電源供給制御手段は、エンジン31及びHDD33に供給する電源のON/OFFをするリレー等の電源供給回路における回路開閉手段を制御部からの制御信号でON/OFFさせる。
供給電源のON/OFFを制御する前記制御部は、MFP100の主制御部として機能するコントローラ10の一機能により実施する。
このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)の制御下で動作するROM(Read Only Memory)等の記憶媒体に、画像データの入出力動作を制御するほか、本実施形態の電源供給手段として機能するためのプログラムを保存する。
コントローラ10として働くコンピュータは、電源供給手段として機能するためのプログラムを駆動することにより、上述の省エネ動作に必要な電源供給の制御を行う。
ただ、本実施形態では、操作部20は、図1に示すが、コントローラ10のコンピュータのOSとは別のOSを搭載するコンピュータを制御やデータ処理に用いている。
このため、操作部20のコンピュータは、主制御部であるコントローラ10の副制御部として機能することが可能になる。よって、従来からの手法によれば、コントローラ10が行うであろう、ユーザの操作により入力される情報に係る処理をコントローラ10に代わって操作部20が分担する方法で動作を行うことができ、MFP全体としての処理性能を高めることが可能になる。
図1におけるエンジン31及びHDD33のほか、例えば、コントローラ10及び操作部20自身も一部の要素を制御対象にすることができる。即ち、コントローラ10及び操作部20内の電源供給制御手段を構成し省エネ動作に係る部分への電源を確保できるようにすれば、この部分以外、即ち省エネ動作の制御に関連しない部分の電源を制御して省エネ動作を行わせることもできる。
さらに付言すると、図1は省エネ動作の制御を説明する便宜上、エンジン31及びHDD33を制御対象にする実施形態を例示するもので、本発明を同図に示す構成に限定するものではない。この説明にはない要素でも、電源で駆動する要素であり、例示する前記HDD33やエンジン31と同様に電源供給の制御対象となり得るものであれば、どの要素にも本発明を適用することができる。
省エネ動作の制御手順を説明する前に、先ず本実施形態の電源供給制御手段が前提とする動作条件について述べる。
以下の実施形態は、操作部20を介して入力される動作要求が、操作部20に搭載するOS上で作動するアプリケーションを使用して、エンジン31、HDD33の少なくとも一方もしくは両方の作動を必要とする形態の動作要求である場合を例にしている。
また、入力される動作要求は、アプリケーションを指示して行われる。指示されるアプリケーションに応じて作動が必要になる特定要素は、各アプリケーションと特定要素(エンジン31、HDD33)の間の予定される対応関係から特定要素を導く方法を採る。この方法の実施には、各種(後記図2では、A,Bの2種)アプリケーションとそれぞれのアプリケーションに応じて作動が必要になる特定要素(HDD、エンジン)とを紐付けて保存、管理する制御情報を利用する。
図2に示す2種のアプリケーションの中のアプリケーションA100Aは、ユーザが操作部20を介して入力した情報に対し、例えば、セキュリティを保証するためのデータの加工といった付加処理を施して、HDD33に記録させるアプリケーションとする。
よって、アプリケーションA100Aを使用する際にHDD33のアクセスが生じるため、HDD33を作動する電源をONにしておく必要がある。即ち、アプリケーションA100Aは、このアプリケーションを使用するときに作動が必要なHDD33に紐付けをしている。
よって、アプリケーションB100Bを使用する際にHDD33のアクセスが生じるため、HDD33を作動する電源をONにし、さらに印刷をするため、エンジン31を作動する電源をONにしておく必要がある。即ち、アプリケーションB100Bは、このアプリケーションを使用するときに作動が必要なHDD33及びエンジン31に紐付けをしている。
なお、ここでは、説明の便宜上、2種のアプリケーションとしているが、実際には、電源供給の制御が可能で省エネ動作の制御対象となる要素と関係する各種アプリケーションそれぞれについて、この対応関係(紐付け)を示す情報を用意する必要がある。
上述のアプリケーションA,Bと、それぞれのアプリケーションに応じて作動が必要になる特定要素(HDD、エンジン)との予定される対応関係を示す制御情報は、テーブル形式で制御情報保存手段により保存、管理する方法を採ることができる。
この電源供給制御において、操作部20は、主制御部として機能するコントローラ10と協働して、電源供給の制御対象として特定される要素(HDD、エンジン)に対し、省エネ動作の制御手順に従い電源供給のON/OFF制御を実行する。
以下に示す制御手順は、先に述べた「省エネ移行動作」と「省エネからの復帰動作」の各動作を一連の動作として実行可能とする手順である。
この制御手順は、待機状態において、ユーザがキー入力等により使用するアプリケーションを指定して動作要求を行うとき、操作部(電源供給制御手段)20がその動作要求の入力に応じて作動する要素、及び不作動となる要素の電源供給を制御する手順である。
操作部(電源供給制御手段)20は、ユーザの操作により入力される入力情報で指定されたアプリケーションを基に、要求される動作に必要な特定要素(HDD、エンジン)を認識し、動作に必要な特定要素への電源供給を継続する。
他方、電源供給制御手段は、前記特定要素以外の動作に不要な要素を制御対象として電源供給を停止する制御を行う。電源供給の停止制御は、アイドル時間のタイムアウト(所定制限時間の経過)を要素ごとに備えるエンジンタイマ31t、HDDタイマ33tにより検知し、これらのタイマからの検知信号を用いて行う。
また、図4は、図3のフローにおける手順に従い省エネ状態へ移行する場合の動作例における制御系の状態遷移を示す表である。
なお、図4の「フェーズ」として示す欄は、遷移する制御系の状態を示し、各フェーズに対応付けて、制御対象の要素に係る状態として「HDDタイマ」、「HDD電源状態」、「エンジンタイマ」、「エンジン電源状態」をそれぞれ示している。
また、状態遷移はアプリケーションA、アプリケーションBそれぞれを順に使用する場合の動作例を示す。図4の表の上から下に向けて状態遷移が起きる。
フローの起動後には、先ず、HDDタイマ33tとエンジンタイマ31tに計時、即ちクロックのカウントを開始させる(ステップS101)。このとき、制御系の状態は、次のようになっている。即ち、HDD33は電源ON状態であり、HDDタイマ33tは計時、即ちクロックをカウントしており、またエンジン31も電源ON状態で、エンジンタイマ31tはクロックのカウント状態である(図4のフェーズ「START」、参照)。
ところで、エンジン31は、HDD33と比較して制御指令を発してから電源ONになるまでの時間が掛かるのが普通である。そのため、本実施形態におけるHDDタイマ33tとエンジンタイマ31tに対する所定制限時間についてみると、エンジン31に対しては、頻繁に電源OFF/ONが繰り返されことによる効率の低下を防ぐため、HDD33より長い制限時間を設定することが適当である。
エンジン31、HDD33は、各々に備わるタイマにおいて、所定制限時間の満了によりその電源をOFFして、省エネ状態へ移行させる。このとき行う省エネ移行処理は、単に電源供給をOFFするだけでなく、電源OFFに付随して必要になる前準備として、制御対象の各要素を管理するための処理(例えば、各要素の動作条件等の移行時の設定情報の保存)等も含まれる。
ステップS102で計時する時間が所定制限時間を満了しているタイマがある場合(ステップS102-YES)、当該タイマが検知対象とする特定要素(ここでは、エンジン31、HDD33)部分に対する省エネ移行処理を実施し、かつ当該タイマをリセットする(ステップS111)。なお、タイマの動作については、図4の動作例を参照して後述する。
この確認は、ユーザにより指示される動作要求に応じ使用されるアプリケーションがエンジン31、HDD33の作動を必要としているか否かの判断による。この確認の手順は、ユーザによる動作要求の入力時に、先ず要求に応じて使用するアプリケーションにより作動が必要になる特定要素を、アプリケーションと特定要素と紐付けしたテーブルを参照して取得する。次いで、取得した特定要素が制御対象のエンジン31、HDD33に該当するか否かを判断し、該当する場合に前記アプリケーションの使用を確認する。
他方、ステップS103でエンジン31、HDD33の作動が必要なアプリケーションの使用が確認できる場合は(ステップS103-YES)、使用されている当該アプリケーションに紐付けられている特定要素部分に備わるタイマをリセットして、クロックのカウントを停止する(ステップS104)。なお、前記特定要素部分は、ここでは、エンジン31、HDD33であるから、前記タイマは、エンジンタイマ31t、HDDタイマ33tである。
ステップS105で、計時する時間が所定制限時間を満了しているタイマがある場合(ステップS105-YES)、当該タイマが検知対象とする特定要素(ここでは、エンジン31、HDD33)部分に対する省エネ移行処理を実施し、かつ当該タイマをリセットする(ステップS111)。なお、タイマの動作については、図4の動作例を参照して後述する。
よって、ステップS106で、先のステップS103において使用が確認されたアプリケーションの使用の終了が確認できない場合(ステップS106-NO)、ステップS105に戻し、この確認ができるまで、ステップS105とS106のループを繰り返す。
次いで、待機状態で、アイドル時間がタイムアウトしているタイマがあるか否かを確認するステップS102に戻す。
フローの開始時、制御系の状態は待機状態であり、図4のフェーズ「START」に示すように、HDD33は電源ONで、HDDタイマ33tはクロックをカウントし、またエンジン31も電源ONで、エンジンタイマ31tはクロックをカウントした状態である。
図4は、この待機状態から、アプリケーションA、アプリケーションB(図2、参照)それぞれを順に使用する場合の動作例を示している。
以下、この動作例における状態遷移を図3のフローと関係付けて説明する。
待機状態(前記フェーズ「START」、参照)でフローが開始され、先ずアプリケーションAが使用されていることが確認されると(ステップS103-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要な特定要素をHDD33と認識する。よって、HDD33は電源ONを継続するが、待機状態ではなくなるので、HDDタイマ33tはリセットされる状態に遷移する。
フェーズ「エンジンタイマ満了」:
使用されるアプリケーションAにより作動が必要な特定要素はHDD33だけであるから、作動が不要なエンジン31のエンジンタイマ31tが計時するアイドル時間が所定制限時間を満了する(ステップS105-YES)。よって、エンジン31は省エネ状態に移行し、即ち電源OFFとなり、かつエンジンタイマ31tはリセットされる状態に遷移する。
フェーズ「アプリケーションA使用終了」:
使用されているアプリケーションAが終了すると(ステップS106-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要であったHDD33を待機状態へ移行するので、電源ONを継続するが、リセットされたHDDタイマ33tはカウントする状態に遷移する。
前記のアプリケーションA使用終了に引き継いで、アプリケーションBを使用する。先ずアプリケーションBが使用されていることが確認されると(ステップS103-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要な特定要素をHDD33及びエンジン31と認識する。よって、HDD33は電源ONを継続するが、待機状態ではなくなるので、HDDタイマ33tはリセットされる状態に遷移する。また、省エネ移行しているエンジン31は作動させるために電源供給を再開するので電源ONに遷移する。このときエンジンタイマ31tはリセットされた状態を継続する。
フェーズ「アプリケーションB使用終了」:
使用されているアプリケーションBが終了すると(ステップS106-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要であったHDD33及びエンジン31を待機状態へ移行するので、両方とも電源ONを継続するが、リセットされているHDDタイマ33t及びエンジンタイマ31tはいずれもカウントする状態に遷移する。
フェーズ「HDDタイマ満了」:
使用されるアプリケーションBにより作動が必要な特定要素のHDD33及びエンジン31の一つであるHDD33のHDDタイマ33tが計時するアイドル時間が先に所定制限時間を満了する(ステップS105-YES)。よって、HDD33は省エネ状態に移行し、即ち電源OFFとなり、かつHDDタイマ33tはリセットされる状態に遷移する。
フェーズ「エンジンタイマ満了」:
使用されるアプリケーションBにより作動が必要なもう一つの特定要素であるエンジン31のエンジンタイマ31tが計時するアイドル時間が所定制限時間を満了する(ステップS105-YES)。よって、エンジン31は省エネ状態に移行し、即ち電源OFFとなり、かつエンジンタイマ31tはリセットされる状態に遷移する。
この場合には、タイマが満了になった場合と同じ省エネ状態に移行させる処理を、前記と同様に全てのタイマに対して行う。
この制御手順は、省エネ状態において、ユーザがキー入力等により使用するアプリケーションを指定して行う動作要求に基づき、操作部(電源供給制御手段)20が、その入力に応じて作動する要素及び不作動となる要素の電源供給を制御する手順である。
操作部20の電源供給制御手段は、ユーザの操作により入力される入力情報で指定されたアプリケーションを基に、要求される動作に必要な特定要素(HDD、エンジン)を認識し、動作に必要な特定要素への電源供給を再開する。
他方、電源供給制御手段は、前記特定要素以外の動作に不要な要素を制御対象として止めている電源供給の停止を継続する制御を行う。
電源供給の再開後は、上述の省エネ移行動作におけると同様の制御手順でアプリケーションの使用終了により省エネ状態に移行する。
また、図6は、図5のフローにおける手順に従い、要求されたアプリケーションによる動作状態へ移行する場合の動作例における制御系の状態遷移を示す表である。
なお、図6の「フェーズ」として示す欄は、遷移する制御系の状態を示し、各フェーズに対応付けて、制御対象の要素に係る状態として「HDDタイマ」、「HDD電源状態」、「エンジンタイマ」、「エンジン電源状態」をそれぞれ示している。
また、状態遷移はアプリケーションA、アプリケーションBそれぞれを順に使用する場合の動作例を示す。図6の表の上から下に向けて状態遷移が起きる。
従って、起動直後には、動作要求をするユーザが操作部20を介して入力を始めるときの初期操作、この実施形態では、操作部20がタッチセンサ機能を持つと仮定して、ユーザによる操作部20へのタッチの感知を条件に、制御手順を進める。
よって、ここでは、操作部20へのタッチにより操作部20全体へ電源を供給する電源ONを行う(ステップS201)。なお、この操作部20全体へ電源ONは、操作部20が省エネ状態からの復帰動作の制御を行うために必要な条件を整える意味がある。復帰動作の制御を行うために必要な前記の条件としては、例えば、省エネ状態への移行時のタイマ等の動作状態(図4のフェーズ「エンジンタイマ満了」の状態)を、省エネ状態からの復帰動作の初期条件(図6のフェーズ「START」の状態)にすることがある。
よって、制御対象の要素であるエンジン31、HDD33の動作が必要なアプリケーションの使用を確認し、確認されたアプリケーションで用いる要素ごとに省エネからの復帰動作を行う。
また、制御対象の要素であるエンジン31、HDD33は、アプリケーションによる作動を経て、待機状態に移行し、先に示した省エネ移行動作における初期状態に至る。
よって、図5の省エネ状態からの復帰動作のフローは、省エネからの復帰後の省エネ移行を一連の動作として行う制御手順となっている。
ステップS202で計時する時間が所定制限時間を満了しているタイマがある場合(ステップS202-YES)、当該タイマが検知対象とする特定要素(ここでは、エンジン31、HDD33)部分に対する省エネ移行処理を実施し、かつ当該タイマをリセットする(ステップS211)。なお、タイマの動作については、図6の動作例を参照して後記で詳細に説明する。
この確認は、ユーザにより指示される動作要求に応じ使用されるアプリケーションがエンジン31、HDD33の作動を必要としているか否かの判断による。この確認の手順は、ユーザによる動作要求の入力時に、先ず要求に応じ使用するアプリケーションにより作動が必要になる特定要素を、アプリケーションと紐付けて構成するテーブルを参照して取得する。次いで、取得した特定要素が制御対象のエンジン31、HDD33に該当するか否かを判断し、該当する場合に前記の使用を確認する。
他方、ステップS203でエンジン31、HDD33の作動が必要なアプリケーションの使用を確認できる場合(ステップS203-YES)、使用されている当該アプリケーションに紐付けられている特定要素部分の省エネからの復帰処理を行う(ステップS204)。
この復帰処理は、処理対象の要素部分の電源ONとし、当該要素部分(ここでは、エンジン31、HDD33)に備わるタイマをリセットして、クロックのカウントを停止する
なお、他のアプリケーションと共通に用いられている要素部分が処理の対象になる場合等、既にこの復帰処理が済んでいることがあり得るので、このときにはこの処理の実施は不要となる。
よって、ステップS205で、先のステップS203において使用が確認されたアプリケーションの使用の終了が確認できない場合(ステップS205-NO)、ステップS202に戻し、この確認ができるまで、ステップS202〜S205のループを繰り返す。
次いで、待機状態で、アイドル時間(所定制限時間)がタイムアウトしているタイマがあるか否かを確認するステップS202に戻す。
フローの開始時、制御系の状態は省エネ状態であり、図6のフェーズ「START」に示すように、HDD33、エンジン31を含め制御対象の全要素は電源OFFで、HDDタイマ33t、エンジンタイマ31tを含め前記全要素に対応するタイマはリセットされた状態である。
図6は、この省エネ状態から、アプリケーションA、アプリケーションB(図2、参照)それぞれを順に使用する場合を動作例として示している。
以下、この動作例における状態遷移を図5のフローと関係付けて説明する。
省エネ状態(前記フェーズ「START」、参照)でフローが開始され、先ずアプリケーションAが使用されていることが確認されると(ステップS203-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要な特定要素をHDD33と認識する。よって、HDD33は電源ONに遷移し、省エネ状態でリセットされていたHDDタイマ33tは、HDD33が作動状態であるから、リセットされた状態を継続する。
なお、エンジン31は、使用されるアプリケーションでは用いないので、初期状態の省エネ状態を継続する。
フェーズ「アプリケーションA使用終了」:
使用されているアプリケーションAが終了すると(ステップS205-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要であったHDD33を待機状態へ移行するので、電源ONを継続するが、リセットされたHDDタイマ33tはカウントする状態に遷移する。なお、エンジン31は、初期状態の省エネ状態を継続する。
前記のアプリケーションA使用終了に引き継いで、アプリケーションBを使用する。先ずアプリケーションBが使用されていることが確認されると(ステップS203-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要な特定要素をHDD33及びエンジン31と認識する。よって、HDD33は電源ONを継続するが、待機状態ではなくなるので、HDDタイマ33tはリセットされる状態に遷移する。また、省エネ移行しているエンジン31は作動させるために電源供給を再開するので電源ONに遷移する。このときエンジンタイマ31tはリセットされた状態を継続する。
フェーズ「アプリケーションB使用終了」:
使用されているアプリケーションBが終了すると(ステップS205-YES)、当該アプリケーションにより作動が必要であったHDD33及びエンジン31を待機状態へ移行するので、両方とも電源ONを継続するが、リセットされているHDDタイマ33t及びエンジンタイマ31tはいずれもカウントする状態に遷移する。
フェーズ「HDDタイマ満了」:
使用されるアプリケーションBにより作動が必要な特定要素のHDD33及びエンジン31の一つであるHDD33のHDDタイマ33tが計時するアイドル時間が先に所定制限時間を満了する(ステップS202-YES)。よって、HDD33は省エネ状態に移行し、即ち電源OFFとなり、かつHDDタイマ33tはリセットされる状態に遷移する。
フェーズ「エンジンタイマ満了」:
使用されるアプリケーションBにより作動が必要なもう一つの特定要素であるエンジン31のエンジンタイマ31tが計時するアイドル時間が所定制限時間を満了する(ステップS202-YES)。よって、エンジン31は省エネ状態に移行し、即ち電源OFFとなり、かつエンジンタイマ31tはリセットされる状態に遷移する。
Claims (9)
- 電源で駆動する要素を持つ機器に対して、待機状態において入力される動作要求に応じて、前記要素のうち動作に必要な要素の作動制御と、動作に不要な要素への電源供給の停止制御を行う電気機器であって、
各種動作要求とそれぞれの動作要求に応じて作動が必要になる前記要素との所定の対応関係に基づいて、入力される動作要求に応じて作動が必要になる要素を特定し、特定した特定要素の情報を取得する制御情報取得手段と、
前記制御情報取得手段によって取得した特定要素の情報をもとに、前記特定要素の作動制御と特定要素以外の作動が不要な要素への電源供給を停止する制御を行う電源制御手段と
を有する電気機器。 - 請求項1に記載された電気機器において、
前記要素ごとにアイドル時間を計時し、各計時結果が前記要素ごとに設定された所定制限時間に達するときに検知信号を出力するタイマを備え、
前記電源制御手段は、前記作動が不要な要素における前記アイドル時間を計時するための動作を前記タイマに行わせ、計時結果が当該要素に設定された所定制限時間に達するときにタイマが出力する検知信号により、当該要素への電源供給を停止する制御を行う電気機器。 - 請求項2に記載された電気機器において、
前記電源制御手段は、前記要素の作動開始時に前記タイマをリセットして計時を止め、前記要素の作動終了時に、リセットされた前記タイマの計時を始めることにより、前記タイマに前記アイドル時間を計時するための動作を行わせる
電気機器。 - 請求項2又は3に記載された電気機器において、
ユーザインターフェースとして機能する操作手段を備え、
前記タイマにおいて計時するアイドル時間に対し設定する前記所定制限時間を前記操作手段により変更可能とする
電気機器。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載された電気機器において、
前記電源制御手段は、電源供給を停止する制御による前記要素への電源供給の停止中において、新たに入力される動作要求に対して、前記制御情報取得手段によって取得される特定要素が電源供給の停止中の前記要素であるために起動が必要になるとき、当該要素を作動させるために電源供給を再開する制御を行う
電気機器。 - 請求項2乃至4のいずれかに記載された電気機器において、
動作要求と当該動作要求に応じて作動が必要となる前記要素との対応関係が新規に生じる、既存の動作要求と異なる別種の動作要求に応える機能の付加がなされるときに、前記別種の動作要求に応じて作動が必要となる前記特定要素の情報を導くための機能を前記制御情報取得手段へ追加する操作を行う手段を有する
電気機器。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載された電気機器において、
前記電源制御手段は、各種の前記動作要求にそれぞれ応じるアプリケーションを使用するコンピュータにより構成するとともに、
前記制御情報取得手段は、前記特定要素の情報を導くために、各種動作要求とそれぞれの動作要求に応じて作動が必要になる前記要素とを対応付けて示す情報を保存する制御情報保存手段と前記制御情報保存手段を参照する手段を構成し、
前記制御情報保存手段における各種動作要求を、前記コンピュータによって使用する各種アプリケーションにより表すようにする
電気機器。 - コンピュータを請求項1乃至5のいずれかに記載された電気機器における前記制御情報取得手段及び前記電源制御手段として機能させるためのプログラム。
- 電源で駆動する要素を持つ機器に対して、待機状態において入力される動作要求に応じて、前記要素のうち動作に必要な要素の作動制御と、動作に不要な要素への電源供給の停止制御を行う電気機器における前記要素への電源の供給を制御する電源供給制御方法であって、
各種動作要求とそれぞれの動作要求に応じて作動が必要になる前記要素との所定の対応関係に基づいて、入力される動作要求に応じて作動が必要になる要素を特定し、特定した特定要素の情報を取得する制御情報取得工程と、
前記制御情報取得工程において取得した特定要素の情報をもとに、前記特定要素の作動制御と特定要素以外の作動が不要な要素への電源供給を停止する制御を行う電源制御工程と
を有する電源供給制御方法。
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