JP2015221093A - 穿刺器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】調整機構を備え、安全で且つ信頼性が高い穿刺器具を実現できるようにする。【解決手段】穿刺器具100は、先端部にランセットが着脱自在に接続されるロッド本体部111及び該ロッド本体部111に位置調整可能に取り付けられた衝突部112を有するハブホールドロッド110と、ハブホールドロッド110が軸方向に移動する通路120aを有するハウジング120と、ハブホールドロッド110を、通路120a内において少なくとも第1の位置から第2の位置へ一時的に移動させる駆動部130と、位置が固定され、衝突部112の通過を阻止する阻止部121と、衝突部112の位置を調整可能に設けられた位置調整部113とを備えている。第1の位置は、衝突部112の位置により変化せず、第2の位置は、衝突部112の位置に応じて変化する。【選択図】図1

Description

本開示は穿刺器具に関する。
近年の糖尿病患者の増加に伴い日頃の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が推奨されている。血糖値測定をする際に、針状のランセットが装備された採血用穿刺器具がよく用いられる。ランセットにより患者の皮膚を穿刺し、穿刺部位から適量の血液を流出させて採取する。
ランセットの穿刺深さは、血液の採取に適し且つ患者に与える痛みができるだけ小さい深さとすることが求められる。しかし、最適な穿刺深さは、患者の皮膚の厚さ等により異なる。このため、ランセットの穿刺深さを患者に応じて最適な値に調整できるようにすることが求められている。
ランセットの穿刺深さを調整できるようにするためにいくつかの方法が検討されている。例えば、特許文献1では穿刺器具の先端部に長さを可変できるキャップ部を設けることにより、穿刺深さを調整している。また、特許文献2では、プランジャーの移動を制限するために高さが異なる複数の突起を設け、これを切り替えることにより穿刺深さを調整している。
特開2005−312763号公報 特開2005−21291号公報
しかしながら、特許文献1の場合には、穿刺器具の先端部にキャップ部があるため、使い捨てのランセットカートリッジを着脱する際に邪魔になるという問題がある。また、カートリッジを着脱する際にキャップ部を不用意に動かしてしまい、穿刺深さが変わってしまう恐れがある。さらに、患者の皮膚と接触するキャップ部を使い捨てにできないため、穿刺器具を複数人に使用することができないという問題もある。
特許文献2の場合には、複雑な形状の部品が必要となる。このため、製造コストの増大及び信頼性の低下が生じやすいという問題がある。
本開示の課題は、穿刺深さ調整機能を備え、安全で且つ信頼性が高い穿刺器具を実現できるようにすることである。
本開示の穿刺器具の一態様は、先端部にランセットが着脱自在に接続されるロッド本体部及び該ロッド本体部に位置調整可能に取り付けられた衝突部を有するハブホールドロッドと、ハブホールドロッドが軸方向に移動する通路を有するハウジングと、ハブホールドロッドを、通路内において少なくとも第1の位置から第2の位置へ一時的に移動させる駆動部と、位置が固定され、衝突部の通過を阻止する阻止部と、衝突部の位置を調整可能に設けられた位置調整部とを備え、第1の位置は、衝突部の位置により変化せず、第2の位置は、衝突部の位置に応じて変化する。
穿刺器具の一態様において、位置調整部は、少なくともハブホールドロッドが第1の位置にある場合に、衝突部に対して回転可能に係合し、衝突部は、少なくともハブホールドロッドが第1の位置にある場合に、位置調整部に対して軸方向に移動可能に係合し、位置調整部と衝突部とは、傾斜面を介して係合していてもよい。
穿刺器具の一態様において、衝突部は、位置調整部より内径が大きい筒状であり、傾斜面は、衝突部の内表面及び位置調整部の外表面の一方に形成されたらせん状の凹部と、衝突部の内表面及び位置調整部の外表面の他方に形成された凸部であってもよい。
穿刺器具の一態様において、ハウジングは、先端部に設けられ、ランセットが組み込まれたランセットカートリッジと係合するカートリッジホルダを有し、衝突部は第2の位置においてカートリッジホルダの後端面と当接し、カートリッジホルダの後端面は阻止部として機能する構成としてもよい。
本開示の穿刺器具によれば、穿刺深さ調整機能を備え、安全で且つ信頼性が高い穿刺器具を実現できる。
一実施形態に係る穿刺器具を示す断面図である。 ハブホールドロッドの一例を示す平面図である。 ランセットカートリッジの一例を示す断面図である。 一実施形態に係る穿刺器具の準備状態を示す断面図である。 一実施形態に係る穿刺器具の穿刺状態を示す断面図である。 一実施形態に係る穿刺器具の終了状態を示す断面図である。 ダイヤル部の一例を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の穿刺器具100は、先端部に使い捨てのランセットカートリッジを装着して、皮膚の穿刺を行うことができる。穿刺器具100は、先端部にランセットを接続できるハブホールドロッド110と、ハブホールドロッド110を収容するハウジング120と、ハブホールドロッド110を駆動する駆動部130と、駆動部130を操作するための操作部140とを有している。以下においては、穿刺器具100の穿刺を行う側を「先端」、その反対側を「後端」として説明する。
図2は、ハブホールドロッド110の部分を拡大して示している。ハブホールドロッド110は、ロッド本体部111と、衝突部112と、衝突部112をロッド本体部111に位置調整可能に接続する位置調整部113とを有している。ロッド本体部111は、先端部にランセットを接続するための爪部111Aを有する円筒状である。ロッド本体部111の爪部111Aよりも後端側には、突起部111Bが設けられている。ロッド本体部111の後端側の外面には軸方向に離間して二つの可撓性枝111Cが形成されている。位置調整部113は、ロッド本体部111の外径よりも内径が大きい円筒状である。位置調整部113は、ロッド本体部111に形成された二つの可撓性枝111Cの間に挟まれて配置されることで、ロッド本体部111に対して回転可能で且つ軸方向には移動しないように取り付けられている。位置調整部113の外表面には、ねじ山が切られている。衝突部112は、内径がロッド本体部111の外径よりも大きい円筒状である。衝突部112は、先端部112Aと、後端部112Cとの間に、これらの部分よりも径が小さい中間部112Bを有している。衝突部112の後端部112Cの内表面には、位置調整部113の外表面に切られたねじ山と対応するねじ溝が切られている。衝突部112の後端部112Cは、位置調整部113と接続されている。衝突部112の外面にはハウジング120の内面に形成された溝と係合するリブが形成されており、衝突部112はハウジング120に対して回転しないようになっている。
衝突部112が回転しないようにして位置調整部113を回転させると、位置調整部113の外表面と衝突部112の内表面とにより構成されるねじ部により、衝突部112を軸方向に移動させることができる。衝突部112を移動させても、ロッド本体部111はアーム142とバネとに挟まれて一時的に軸方向に移動しないようにされているため、位置調整部113の軸方向の位置も変化しない。従って、衝突部112を移動させると、ロッド本体部111の先端と、衝突部112の先端との間隔が変化する。衝突部112の先端部112Aから中間部112Bの一部にかけてスリット112aが設けられており、ロッド本体部111の突起部111Bは、スリット112aから露出している。スリット112aが設けられていることにより、突起部111Bが衝突部112の移動を妨害することはない。
駆動部130は、中心軸131と、圧縮コイルバネである第1のバネ132及び第2のバネ133とを有している。中心軸131はハブホールドロッド110を軸方向に貫通している。中心軸131はハブホールドロッド110に固定されておらず、中心軸131とハブホールドロッド110とは、互いに独立して軸方向に移動させることができる。中心軸131の後端部にはキャップ135が取り付けられており、キャップ135を押すことにより、中心軸131を軸方向に移動させることができる。第1のバネ132は、ハブホールドロッド110を後端部側に移動させた場合に付勢されるように配置されている。具体的には、第1のバネ132は中心軸131を案内棒とし、ロッド本体部111の後端を先端側のバネ座とし、キャップ135を後端側のバネ座として取り付けられている。第2のバネ133は、ハブホールドロッド110を先端側に移動させた場合に付勢されるように配置されている。具体的には、第2のバネ133は、衝突部112の中間部112Bを案内棒とし、衝突部112の後端部112Cを後端側のバネ座とし、ハウジング120に設けられた中間壁124を先端側のバネ座として取り付けられている。
操作部140はハウジング120に取り付けられており、第1のバネ132を付勢させた状態でハブホールドロッド110を係止できると共に、係止の解除をすることができる。具体的には、ハウジング120の外側に露出した押しボタン141と、ロッド本体部111に設けられた突起部111Bと係合して、ハブホールドロッド110を係止するアーム142とを有している。ハブホールドロッド110を係止した状態で押しボタン141を押し込むと、アーム142が弾性変形して突起部111Bとの係合が解除され、ハブホールドロッド110の係止が解除される。
ハウジング120は、ハブホールドロッド110を収容する通路120aを形成し、ハブホールドロッド110は通路120a内を軸方向に移動できる。通路120aの先端部には、ハブホールドロッド110の先端方向への移動を阻止する阻止部121が設けられている。阻止部121は、ロッド本体部111の先端部よりも広く且つ衝突部112の先端部112Aよりも狭くなった狭窄部である。衝突部112の先端が阻止部121に当接する位置においてハブホールドロッド110の先端方向への移動が停止する。ハウジング120の先端部には、ランセットカートリッジを挿入する開口部が設けられている。開口部には、ランセットカートリッジと係合するカートリッジホルダ123が固定されており、ランセットカートリッジを確実にホールドすることができる。本実施形態においては、カートリッジホルダ123の後端面が阻止部121として機能する。ハウジング120の後端部には、位置調整部113の突起113aと係合して、位置調整部113を回転させることができるダイヤル125が取り付けられている。
本実施形態の穿刺器具100は、例えば図3に示すような使い捨てのランセットカートリッジ200を装着することができる。ランセットカートリッジ200は、ケーシング210と、ケーシング210内に組み込まれたランセットハブ220とを有している。ランセットハブ220は、軸221と、軸221の先端部に取り付けられた針222と、軸の先端部からU字状に拡がるアーム223とを有している。軸221の後端部には、ロッド本体部111の爪部111Aと係合する係合溝221Aが設けられている。ケーシング210は、側面に第1の係止孔211と第2の係止孔212とを有する円筒状である。未使用の状態では、アーム223の端部は第1の係止孔211に係止されている。使用後は、アーム223の端部は第1の係止孔211よりも先端側に設けられた第2の係止孔212に係止される。アーム223の端部が第2の係止孔212に係止された状態においても、針222の先端部は、ケーシング210の先端部から突出しないようになっている。ケーシング210の後端部には、爪部111Aと係合溝221Aとの係合を容易にしたり、穿刺器具100への挿入方向を一定方向にしたりするためのスリットを設けることができる。
使用前のランセットカートリッジ200の先端部には、針222を保護するキャップが装着されていてもよい。キャップは針222を保護すると共に、針222による誤穿刺を防止できればどのような構成であってもよい。ランセットカートリッジ200の再使用を防止する観点から、再装着ができない構成とすることが好ましい。キャップが装着されている場合には、ランセットカートリッジ200を穿刺器具100に装着してからキャップを除去する構成とすることが好ましい。
次に、本実施形態の穿刺器具100の動作について説明する。図1に示すようにランセットカートリッジ200が装着されていない初期状態において、ハブホールドロッド110の先端の位置は初期位置P1となっている。
次に、開口部122に未使用のランセットカートリッジ200を挿入することにより、穿刺器具100は穿刺準備状態となる。図4に示すように、ランセットカートリッジ200を開口部122に挿入することにより、ランセットハブ220の後端部は、ロッド本体部111を押圧する。これにより、ハブホールドロッド110の先端は、初期位置P1よりも後端側の準備位置P2に移動し、第1のバネ132が付勢される。この際に、ロッド本体部111の爪部111Aがランセットハブ220の後端部に設けられた係合溝221Aと係合する。また、ロッド本体部111の突起部111Bが操作部140のアーム142と係合し、ハブホールドロッド110は準備位置P2に係止される。さらに、カートリッジホルダ123に設けられた突起123aにより、ランセットカートリッジ200の第1の係止孔211に係止されたアーム223の係止が解除される。
この状態で操作部140を操作することにより、アーム142とロッド本体111との係止が解除され、ハブホールドロッド110が穿刺動作を行う穿刺状態へ移行する。図5に示すように、穿刺状態においては、ロッド本体111、位置調整部113及び衝突部112が一体的に先端方向へ移動し,ハブホールドロッド110の先端が準備位置P2から穿刺位置P3に移動する。これにより、ロッド本体部111の先端部に接続されたランセットハブ220も先端側に移動し、針222が、ケーシング210の先端部から突出して、穿刺が行われる。
穿刺動作の後、第2のバネ133により、ハブホールドロッド110の先端は、図6に示すように終了位置P4に移動する。これにより、穿刺器具100は終了状態となる。ロッド本体部111と接続されたランセットハブ220が後端側に移動する際に、ランセットハブ220のアーム223の端部は、第2の係止孔212にはまり込み係止される。このため、針222はケーシング210の内部に収容されるが、ハブホールドロッド110は準備位置P2まで後退せず、準備位置P2よりも先端側の終了位置P4で停止する。
一連の動作の後、キャップ135を押圧すると、中心軸131が先端側に移動する。これにより、ロッド本体部111の爪部111Aが押し広げられ、ハブホールドロッド110とランセットハブ220との接続が解除される。キャップ135の押圧をさらに続けると、中心軸131がランセットカートリッジ200を押圧し、ランセットカートリッジ200が、ハウジング120から排出される。キャップ135を押圧すると第1のバネ132が付勢されるため、キャップ135の押圧をやめると、第1のバネ132により中心軸131及びキャップ135は、元の位置に戻される。
使用済みのランセットカートリッジ200において、ランセットハブ220の位置は、使用前と比べて先端側に移動している。このため、使用済みのランセットカートリッジ200を開口部122に挿入しても、ハブホールドロッド110を準備位置P2に移動させることができない。従って、使用済みのランセットカートリッジ200を誤って再使用することを防ぐことができる。
本実施形態において、穿刺動作の際における針222の移動量は、準備位置P2と穿刺位置P3との距離に等しい。穿刺準備状態における準備位置P2は、ロッド本体部111の突起部111Bが操作部140のアーム142により係止される位置である。このため、衝突部112の位置と無関係に一定の位置となる。一方、穿刺状態における、穿刺位置P3は衝突部112の先端部112Aが阻止部121に当接し、ハブホールドロッド110の移動が阻止される位置である。このため、衝突部112を先端側に移動させると、穿刺位置P3は後端側に移動し、穿刺動作の際におけるハブホールドロッド110の移動量は小さくなる。一方、衝突部112を後端側に移動させると、穿刺位置P3は先端側に移動し、穿刺動作の際におけるハブホールドロッド110の移動量は大きくなる。このように、衝突部112の位置を移動させることにより、穿刺深さを制御することができる。
本実施形態においては、ハブホールドロッド110に設けた衝突部112の位置を移動させることにより、穿刺深さの調整を行う。このため、ハウジングの先端部に可動式のキャップを設ける必要がなく、ランセットカートリッジ200の着脱を容易にすることができる。また、キャップを経由した感染が生じる恐れもない。さらに、本実施形態における穿刺深さ調整機構は、深さ調整のために位置変化する部材を、従来のように阻止部とするのではなく、衝突部112としている。ハブホールドロッド110の一部である衝突部112を位置変化する部材としているため、位置変化する部材の配置は自然と従来に比べて基端側となり、使用者が穿刺深さの調整を行うためのダイヤル等を基端側に配置しやすい構成となる。また、本実施形態における位置調整部113は位置変化する部材(衝突部112)と傾斜面を介して係合しており、位置調整時に位置調整部113と位置変化する部材とが傾斜面に沿って相対移動する構成であるため、位置調整時の各部材の動きが滑らかであり、位置調整時の各部材の摩耗が抑えられた構成となっている。
本実施形態においては、衝突部112がロッド本体部111の先端部付近まで覆い、阻止部121がハウジング120の開口部122に取り付けたカートリッジホルダ123の後端面である構成とした。これにより、阻止部を通路120aの先端部に設けることができ、阻止部121の形成が容易になるという利点がある。但し、阻止部121は、カートリッジホルダ123と独立して設けてもよい。例えば、軸方向と交差する方向の壁又は突起をハウジング120内に設け、これにより衝突部の先端方向への移動を阻止する構成としてもよい。また、ハウジングに内面に溝又は側孔を形成し、溝又は側孔の端部を阻止部としてもよい。阻止部121は、ハウジング120と一体になった部材であっても、ハウジング120とは独立した部材であってもよい。また、ケーシング210を阻止部としてもよい。
阻止部121を通路120aの先端部に設けることにより、衝突部112を第2のバネ133の案内棒として機能させられる利点がある。しかし、阻止部121は衝突部112よりも先端側であれば通路120aのどの位置に設けてもよい。この場合、衝突部112は、阻止部121との間隔が所定の間隔となる長さにすればよい。また、衝突部112はどこか一部が阻止部121と当接してハブホールドロッド110の先端方向への移動を停止できればよい。従って、先端部112A以外の部分が阻止部121と当接する構成であってもよい。
本実施形態において、衝突部112は円筒形としたが、阻止部121を通過できない部分が作り出せれば形状は問わない。例えば、角形状又部分的に中実な形状を有していてもよい。筒状の衝突部112がロッド本体部111を覆うのではなく、ブロック状又は棒状の衝突部112がロッド本体部111と並行して設けられた構成とすることもできる。また、本実施形態におけるロッド本体部と位置関係を逆にし、ロッド本体部に衝突部が内挿された構成としてもよい。なお、本実施形態において、衝突部は単一の部材で形成されているが、複数の部材で形成してもよく、例えば阻止部と衝突する部材と、位置調整部と係合する部材との二つの部材で形成してもよい。
本実施形態においては、位置調整部113を回転させることにより衝突部112を容易に移動させることができる。また、位置調整部113がロッド本体部111の後端部に回転可能に取り付けられている。このため、ハウジング120の後端部から位置調整部113を容易に回転させることができる。具体的に、図7に示すように、位置調整部113の後端部には突起113aが設けられている。突起113aは、ハウジング120の後端部に設けられたダイヤル125のスリット125aと係合しており、ダイヤル125を回転させることにより位置調整部113を回転させることができる。位置調整部113はダイヤル125に固定されておらず、ハブホールドロッド110はダイヤル125と独立して軸方向に自由に動くことができる。
本実施形態において、衝突部112の位置を調整するためには、位置調整部113が、衝突部112に対して回転可能であればよい。また、位置調整部113は、衝突部112と常に係合していなくてもよい。従って、位置調整部113が、ハブホールドロッド110に取り付けられておらず、駆動部130によりハブホールドロッド110を駆動した際に、ロッド本体部111及び衝突部112と共に位置調整部113が移動しない構成とすることもできる。例えば、ハブホールドロッド110が初期位置P1又は準備位置P2にある場合に、位置調整部113が衝突部112と係合し、穿刺位置P3においては位置調整部113と衝突部112とが係合していない構成とすることもできる。位置調整部113が衝突部112と常に係合していない場合には、位置調整部113がダイヤル125と一体となっていてもよい。
本実施形態のように、穿刺深さの調整を行うためのダイヤル125をハウジング120の後端部に設けることにより、ランセットカートリッジ200を着脱する際に誤って穿刺深さを変更してしまいにくくすることができる。
本実施形態においては、位置調整部113をロッド本体部111の後端部に設けている。このようにすることにより、位置調整部113をハウジング120の外側から容易に回転させることが可能となる。しかし、位置調整部113はロッド本体部111のどの位置に設けられていてもよい。
位置調整部113の外表面にねじ山となるらせん状の凸部を設け、衝突部112の内表面にねじ溝となるらせん状の凹部を設け、ねじ部を形成する例を示した。しかし、位置調整部113を回転させることにより衝突部112を移動させることができれば、位置調整部113と衝突部112とはどのように係合していてもよい。例えば、凹部と凸部とは入れ替えてもよい。また、凸部はらせん状にせず点状の凸部としてもよい。具体的には、衝突部112の側面にらせん状の凹部を設け、位置調整部113の外表面に衝突部112の凹部と係合する突起を設けてもよい。らせん状の凹部はスリットとすることもできる。また、位置調整部と衝突部との位置関係を逆にし、位置調整部の内面及び衝突部の外面にらせん状の凸部又は凹部を形成することもできる。また、位置調整部とリングと直列に設け、衝突部と位置調整部の当接する端部に傾斜面を形成し、位置調整部113を回転させることにより衝突部を移動させる構成にしてもよい。
また、衝突部112を移動させる機構は、位置調整部113の回転によるものでなくてもよい。衝突部112を本体部111に移動可能に接続することができれば、どのような構成としてもよい。
衝突部112の移動量は無段階に調整できるようにしてもかまわないが、ダイヤル125にノッチを設けることにより段階的に調整できるようにしてもよい。このようにすれば、穿刺深さが不用意に変更されることを防ぐこともできる。また、ダイヤル125の誤操作を防ぐために、ダイヤル125をロックするロック機構を設けてもよい。ダイヤル125を覆う保護カバーを設ける構成としてもよい。また、ダイヤル125とハウジング120との接触面に凹凸を設け、使用者がダイヤル125を操作した際に、クリック感を感じるように設計されていてもよい。
衝突部112の移動範囲は、必要とする穿刺深さの調整範囲に合わせればよい。通常の穿刺深さは2mm以下である。このため、衝突部112の相対的な移動範囲は2mm以下とすることができる。
本実施形態においては、阻止部121の位置は固定し、ハブホールドロッド110に移動可能な衝突部112を設けることにより穿刺深さを調整している。衝突部を固定して阻止部を移動させることにより穿刺深さを調整することも考えられる。しかし、阻止部は衝突部よりも先端側となるため、穿刺器具の後端側から阻止部の位置を調整可能にしようとすると、衝突部の位置を調整可能とする場合よりも複雑な構成となる。従って、阻止部121を固定し、衝突部112を移動させる構成には大きな利点がある。
穿刺動作において、針222がケーシング210の先端部から突出して穿刺する例を示した。しかし、ランセットカートリッジ200の先端部を皮膚に押し当てることにより、皮膚の一部がケーシング210の内部に盛り上がる構成の場合には、針222はケーシング210の先端部から突出しなくてもよい。
本実施形態においては、ハウジング120の先端部にカートリッジホルダ123が取り付けられている。カートリッジホルダ123をハウジング120と別体とすることにより、ハウジング120の形成が容易となる。また、ランセットカートリッジ200の着脱の際に力が加わる部分の強度を向上させることもできる。カートリッジホルダ123の内径は、衝突部112の先端部112Aの外径よりも小さい。このため、カートリッジホルダ123の後端面が、ハブホールドロッド110の衝突部112の移動を阻止する阻止部121となる。このように、カートリッジホルダ123をハウジング120と別体とすることにより、阻止部121の形成も容易となる。但し、カートリッジホルダ123をハウジング120と一体に成形してもかまわない。
本実施形態において、駆動部130を中心軸131、第1のバネ132及び第2のバネ133を含む構成としたが、ハブホールドロッド110を駆動できればどのような構成としてもよい。例えば、中心軸131がない構成であってもよい。また、バネは金属製に限らず樹脂でもよく、衝突部等の各樹脂部材と一体的に形成してもよい。圧縮コイルバネ以外のバネを用いる構成とすることもできる。
本実施形態において、ハブホールドロッドに内挿された中心軸が移動することで、ハブホールドロッドを押し広げて、ハブホールドロッドとランセットハブとの係止を解除しているが、先端を二叉形状とし、ケーシングを押圧する構成とし、ケーシングを移動させることで、ハブホールドロッドとランセットハブとの係止を解除する仕様にしてもよい。また、ハブホールドロッドとランセットハブとの係止を解除する部材は、ロッドに外挿されるような筒状であってもよい。この場合、ハブホールドロッド、位置調整部、及び衝突部のいずれかを中心軸とすることができ、ハブホールドロッド、位置調整部、及び衝突部のいずれかを中実な形状に形成することも可能である。
本実施形態において、操作部140が、ロッド本体部111に設けられた突起部111Bと係止する構成を示した。しかし、操作部140は、準備位置P2において、第1のバネ132を付勢させた状態でハブホールドロッド110の係止できると共に、係止の解除を行うことができればどのような構成としてもよい。
本開示の穿刺装置を実施形態に基づいて説明したが、本開示の穿刺装置はこれに限らず、各部の構成を同様の機能を有する任意の構成に置き換えたり、各部の構成を一体としたり別体としたりすることができる。また、本開示の穿刺装置に他の任意の構成部材を付加することができる。
本開示の穿刺器具は、穿刺深さ調整機構を備え、安全性及び信頼性も高く、穿刺器具等として有用である。
100 穿刺器具
110 ハブホールドロッド
111 ロッド本体部
111A 爪部
111B 突起部
111C 可撓性枝
112 衝突部
112A 先端部
112B 中間部
112C 後端部
112a スリット
113 位置調整部
113a 突起
120 ハウジング
120a 通路
121 阻止部
122 開口部
123 カートリッジホルダ
123a 突起
124 中間壁
125 ダイヤル
125a スリット
130 駆動部
131 中心軸
132 第1のバネ
133 第2のバネ
135 キャップ
140 操作部
141 ボタン
142 アーム
200 ランセットカートリッジ
210 ケーシング
211 第1の係止孔
212 第2の係止孔
220 ランセットハブ
221 軸
221A 係合溝
222 針
223 アーム

Claims (4)

  1. 先端部にランセットが着脱自在に接続されるロッド本体部及び該ロッド本体部に位置調整可能に取り付けられた衝突部を有するハブホールドロッドと、
    前記ハブホールドロッドが軸方向に移動する通路を有するハウジングと、
    前記ハブホールドロッドを、前記通路内において少なくとも第1の位置から第2の位置へ一時的に移動させる駆動部と、
    位置が固定され、前記衝突部の通過を阻止する阻止部と、
    前記衝突部の位置を調整可能に設けられた位置調整部とを備え、
    前記第1の位置は、前記衝突部の位置により変化せず、
    前記第2の位置は、前記衝突部の位置に応じて変化する、穿刺器具。
  2. 前記位置調整部は、少なくとも前記ハブホールドロッドが前記第1の位置にある場合に、前記衝突部に対して回転可能に係合し、
    前記衝突部は、少なくとも前記ハブホールドロッドが前記第1の位置にある場合に、前記位置調整部に対して軸方向に移動可能に係合し、
    前記位置調整部と前記衝突部とは、傾斜面を介して係合する、請求項1に記載の穿刺器具。
  3. 前記衝突部は、前記位置調整部より内径が大きい筒状であり、
    前記傾斜面は、前記衝突部の内表面及び前記位置調整部の外表面の一方に形成されたらせん状の凹部と、前記衝突部の内表面及び前記位置調整部の外表面の他方に形成された凸部である、請求項2に記載の穿刺器具。
  4. 前記ハウジングは、先端部に設けられ、前記ランセットが組み込まれたランセットカートリッジと係合するカートリッジホルダを有し、
    前記衝突部は、前記第2の位置において前記カートリッジホルダの後端面と当接し、
    前記カートリッジホルダの後端面は、前記阻止部として機能する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の穿刺器具。
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