JP2015220627A - 光送信器および線形性調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スペクトルアナライザなどの測定装置を用いることなくドライバアンプの線形性を自動で検出し、最適な線形性となるようバイアス電圧を調整可能とする。
【解決手段】ドライバアンプ20に、光変調駆動信号のPeak振幅値を検出するPeak出力振幅検出部21と、光変調駆動信号のRMS振幅値を検出するRMS出力振幅検出部22とを設け、線形性調整時、DSP−LSI10から出力された一定周波数の正弦波からなるトレーニング信号を増幅して得られた光変調駆動信号のPeak振幅値およびRMS振幅値を検出し、制御回路33が、これらPeak振幅値およびRMS振幅値から当該ドライバアンプ20の線形性を示す線形性指標値を算出し、当該線形性指標値が要求範囲を満足するまで、当該ドライバアンプ20の線形性調整用バイアス電圧を調整出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信技術に関し、特に光送信器(または光送受信器)の光変調器やレーザーを駆動するドライバアンプの線形性を最適化させるための線形性調整技術に関する。
近年、光通信システムの高速・大容量・長距離化に向けてデジタル信号処理(DSP:Digital Signal Processing)とコヒーレント検波を組み合わせたデジタルコヒーレント技術や多値変調技術が、注目を集めている。現在、最も導入が進んでいる、1波長あたりの伝送レートが100Gb/sの変調方式の1つとして、PDM−QPSK(Polarization Division Multiplexed-Quadrature Phase Shift Keying:偏波分割多重−4位相偏移変調)方式がある。このPDM−QPSK方式では、100Gb/sシステムの高密度化に向けて、送信端でナイキストフィルタなどのデジタル信号処理を適用することが検討されている。さらには、100Gb/sを超える伝送レートに対応するためにQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直角位相振幅変調)などの高次の変調方式を用いた伝送技術の研究開発も進んでいる。
図8は、100Gb/sのコヒーレント光送受信器の構成例(送信部のみ)である。コヒーレント光受信器の送信部に入力された電気信号は、DSP−LSIによって主にFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)符号化と変調方式に応じたシンボルマッピングが行われる。100Gb/sシステムの変調方式は、PDM−QPSKのためDSP−LSIの出力電気信号はバイナリ(2値)信号である。DSP−LSIの出力電気信号はドライバアンプによって増幅された後、光変調器によって光信号へ変換され、送信側光ファイバへ入力される。制御回路はドライバ回路のバイアス電圧や光変調器のバイアス電圧を調整する。図8の構成では光変調器を駆動する電気信号はバイナリ信号であるため、ドライバアンプは駆動波形のEye開口を改善するためにリミット動作となる。つまり、ドライバアンプには線形性は求められない。
図9は、高次変調方式対応のコヒーレント光送受信器の構成例(送信部のみ)である。ここでは、送信端でのデジタル信号処理適用および高次変調方式対応が可能なコヒーレント光送受信器が示されており、対応可能な高次変調方式としてはQAM他がある。DSP−LSIでは、FEC符号化やシンボルマッピングの他に、波長分散の予等化、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長多重)伝送時の隣接チャネルからのクロストークを抑圧するための信号スペクトル整形などの処理が付加される。伝送レート、変調方式、伝送路の状態などに応じて、それらの機能を使い分けることになる。なお、DSP−LSIでの処理の順番は、これに限るものではない。
図9のコヒーレント光送受信器は図8のそれと比べ、ドライバアンプに線形性が求められる、という点が大きく異なる。図8のコヒーレント光送受信器の変調方式はPDM−QPSKであり、送信端でのデジタル信号処理を行わないため、ドライバアンプへの入力信号はバイナリ信号である。一方、図9のコヒーレント光送受信器の場合には、送信端でデジタル信号処理を施す場合やQAMのように振幅変調を伴う変調方式を用いる場合、ドライバアンプへの入力信号はアナログ信号となる。このため、ドライバアンプは、アナログ信号を線形に増幅し、光変調器を駆動する必要がある。
一般に、ドライバアンプは線形性調整端子を有し、その端子へ与えるバイアス電圧を調整することで線形性を任意に設定することができる。高い線形性を確保するためには、ドライバアンプにより多くの電流を流すバイアス設定となり、ドライバアンプの消費電力が高くなる。一方、ドライバアンプに求められる線形性は、変調方式や送信端デジタル信号処理に依存する。例えば、変調方式が16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)の場合、QPSKと比べドライバアンプには高い線形性が求められる。このため、変調方式や送信端信号処理に応じてドライバアンプの線形性と消費電力を最適化する、つまり線形性調整端子に与えるバイアス電圧をアナログ的(連続的)に調整する必要がある。
これまで説明してきたデジタルコヒーレント技術に基づいた光送受信器は主として長距離通信に用いられる。一方、データセンタ間やサーバ間といった短距離用通信にはイーサネット(登録商標)規格に準じた光送受信器が用いられる。現在100GbE(ギガビットイーサネット)の次の規格として400GbEの検討が進んでいる。100GbE光送受信器の変調方式はオンオフ変調であったが400GbE光送受信器の変調方式は伝送速度を上げるためPAM(Pulse Amplitude Modulation)変調やDMT(Discrete Multi-Tone)変調といった新たな変調方式が検討されている。
図10は、400GbE光送受信器の構成例(送信部のみ)である。400GbEの変調方式や波長多重数は検討中であるが、ここでは変調方式としてPAM4、波長多重数4と仮定する。400GbE光送受信器の送信部に入力された電気信号はASSP(Application Specific Standard Produce)により多重化され、PAM4変調により4値のデジタル電気信号に変換された後、ASSPの出力部であるD/A変換器から4値のアナログ電気信号として出力される。ドライバアンプは4値の電気信号を線形増幅し、異なる波長で発進したレーザー(LD)を駆動して光PAM4信号が生成される。これらの4波の光信号が合波器を介して送信側光ファイバへ入力される。
100GbE光送受信器の変調方式はオンオフ変調のため電気信号はバイナリ(2値)信号であり、ドライバアンプはリミット動作となり線形性は求められない。一方、400GbE光送受信器では変調方式がPAM変調、つまり振幅変調のため電気信号はバイナリ信号ではなく、ドライバアンプには線形性が求められる。
変調方式がDMTの場合でもASSPの出力はアナログ信号となるため、ドライバアンプには線形性が求められる。
Y.Miyamoto and S.Suzuki,"Advanced Optical Modulation and Multiplexing Technologies for High-Capacity OTN Based on 100 Gb/s Channel and Beyond",IEEE Commun.Mag.,vol.48,no.3,pp.s65-s72,2010
通常、ドライバアンプの線形性は、線形性調整端子に与えるバイアス電圧によって調整する。しかし、ドライバアンプを構成するトランジスタの閾値電圧のバラつきのため、4台のドライバアンプの線形性調整端子に同じバイアス電圧を与えたとしても、4台のドライバアンプの線形性は一様でない。また、線形性調整端子にバイアス電圧を与える制御回路の出力電圧誤差も、4台のドライバアンプの線形性が一様とならない一因となる。
このため、変調方式が16QAMであり、ドライバアンプに高い線形性が求められているにも関わらず、4台のドライバアンプのうちいずれか1台でも十分な線形性が確保できていない場合、すなわちドライバアンプの出力信号が歪んでいる場合には、光送受信器さらには光通信システム全体の特性が劣化する。
また、ドライバアンプの線形性の測定は、通常、スペクトルアナライザなどの測定装置を用いて行われる。しかしながら、光送受信器にドライバアンプが実装された状態では、すでにドライバアンプの出力端子が光変調器の入力端子に接続されている。このため、スペクトルアナライザを用いて測定することができず、ドライバアンプの実際の線形性を測定器で評価することはできない。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、スペクトルアナライザなどの測定装置を用いることなくドライバアンプの線形性を自動で検出し、線形性を最適化できる線形性調整技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる光送信器は、入力された送信データをデジタル信号処理して光変調に用いるシンボルを示す複数のアナログ電気信号を出力するLSIと、前記アナログ電気信号ごとに設けられて、当該アナログ電気信号を増幅して光変調駆動信号を出力する複数のドライバアンプと、これらドライバアンプからの光変調駆動信号に基づき光変調して出力する光変調器と、前記ドライバアンプの前記光変調駆動信号の振幅値に基づき算出した当該ドライバアンプの線形性指標値に基づいて、当該ドライバアンプの線形性調整を行う制御回路とを備えている。
また、本発明にかかる上記光送信器の一構成例は、前記ドライバアンプが、前記光変調駆動信号のPeak振幅値を検出するPeak出力振幅検出部と、前記光変調駆動信号のRMS振幅値を検出するRMS出力振幅検出部とを有し、前記制御回路は、前記ドライバアンプで検出された前記Peak振幅値および前記RMS振幅値から、前記線形性指標値を算出するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記光送信器の一構成例は、前記線形性指標値が、前記Peak振幅値を前記RMS振幅値で除算したPeak/RMS値、または当該Peak/RMS値から算出したTHD(Total Harmonic Distortion)からなるものである。
また、本発明にかかる上記光送信器の一構成例は、前記LSIが、前記線形性調整の際、一定周波数の正弦波からなるトレーニング信号を出力し、前記Peak出力振幅検出部は、前記ドライバアンプで増幅された前記トレーニング信号のPeak振幅値を検出するとともに、前記RMS出力振幅検出部は、前記ドライバアンプで増幅された前記トレーニング信号のRMS振幅値を検出するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記光送信器の一構成例は、前記制御回路が、前記線形性指標値が予め設定されている要求範囲に含まれるまで、前記ドライバアンプの線形性を調整するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記光送信器の一構成例は、前記光変調器が、前記各ドライバアンプからの光変調駆動信号に基づいて、光源からの連続光をデジタル光変調することにより、コヒーレント光信号を生成して出力するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記光送信器の一構成例は、前記光変調器が、前記各ドライバアンプからの光変調駆動信号に基づいて、それぞれ個別の光源を変調駆動し、これら光源から得られた光信号を合波器で合波することによりイーサネット光信号を生成して出力するようにしたものである。
また、本発明にかかる線形性調整方法は、入力された送信データをデジタル信号処理して得られた複数のアナログ電気信号をドライバアンプで増幅し、得られた光変調駆動信号に基づき光変調した光信号を送信する光送信器で用いられて、前記ドライバアンプの線形性を調整する線形性調整方法であって、前記ドライバアンプで得られた前記光変調駆動信号の振幅値を検出する振幅検出ステップと、前記振幅値に基づき算出した当該ドライバアンプの線形性指標値に基づいて、当該ドライバアンプの線形性調整を行う制御ステップと を備えている。
本発明によれば、スペクトルアナライザなどの測定装置を用いることなくドライバアンプ20の線形性を自動で検出し、最適な線形性となるようバイアス電圧を調整することができ、結果として、光送受信器さらには光通信システム全体の特性を維持することが可能となる。
第1の実施の形態にかかるコヒーレント光送受信器の要部構成を示すブロック図である。 ドライバアンプの線形性調整処理を示すフローチャートである。 歪みのない理想的な正弦波からなる出力波形例である。 歪み特性モデルとしてtanh関数を用いたときの出力波形例である。 THDとPeak/RMS値との関係を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる光送受信器の要部構成を示すブロック図である。 第3の実施の形態にかかる光送受信器の要部構成を示すブロック図である。 100Gb/sのコヒーレント光送受信器の構成例(送信部のみ)である。 高次変調方式対応のコヒーレント光送受信器の構成例(送信部のみ)である。 400GbE光送受信器の構成例(送信部のみ)である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコヒーレント光送受信器1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるコヒーレント光送受信器の要部構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかるコヒーレント光送受信器1は、DSP−LSIとドライバアンプの連携動作によってドライバアンプの線形性を測定し、その測定結果に基づきドライバアンプの線形性調整端子に与えるバイアス電圧を再調整するようにしたものである。なお、各実施の形態では、本発明を適用する機器として光送受信器を例に説明するが、本発明の特徴は送信部に関するものであり、少なくとも送信部を備えていれば本発明を適用可能である。このため、本発明における光送信器には、送信部を備える光送受信器も含まれるものとする。
図1には、コヒーレント光送受信器1の要部として、4チャンネルの信号を処理する送信部に関する構成が示されており、主な機能部として、DSP−LSI10、ドライバアンプ20、光源31、光変調器32、および制御回路33が設けられている。
また、DSP−LSI10には、主な処理部として、信号処理部11、D/A変換器12、およびパターン記憶部13が設けられている。
DSP−LSI10は、信号処理部11により、入力された4チャンネルの送信データSINをDSP(Digital Signal Processor)でデジタル信号処理して光変調に用いるシンボルを示す複数のデジタル電気信号SDを生成し、これらデジタル電気信号をそれぞれ個別のD/A変換器12によりアナログ電気信号SAに変換して出力する機能を有している。
ドライバアンプ20は、D/A変換器12ごとに設けられて、当該D/A変換器12からのアナログ電気信号SAをそれぞれ増幅し、光変調駆動信号SPとして出力する機能を有している。
光変調器32は、各ドライバアンプ20からの光変調駆動信号SPに基づいて、光源31からの連続光をデジタル光変調することによりデジタルコヒーレント光信号を生成して出力する機能を有している。
制御回路33は、各ドライバアンプ20の線形性調整を行う機能を有している。
本実施の形態にかかるコヒーレント光送受信器1は、各ドライバアンプ20に、2種類の出力振幅検出部、すなわちPeak(ピーク)出力振幅検出部21とRMS(Root Mean Square:二乗平均平方根)出力振幅検出部22とを設け、制御回路33により、これらPeak振幅値およびRMS振幅値から算出したドライバアンプ20の線形性を示す線形性指標値に基づき、ドライバアンプ20の線形性を調整する点が、従来のコヒーレント光送受信器と異なる。その他構成については、従来のコヒーレント光送受信器と同様である。
Peak出力振幅検出部21は、ドライバアンプ20の光変調器32へ出力の出力振幅のPeak−to−peak値を検出して制御回路33へ出力する機能を有している。
RMS出力振幅検出部22は、ドライバアンプ20の出力振幅のRMS値をそれぞれ検出して制御回路33へ出力する機能を有している。
これらPeak出力振幅検出部21およびRMS出力振幅検出部22は、一般的で簡易なアナログ回路により実現すればよい。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかるコヒーレント光送受信器1の動作として、ドライバアンプ20の線形性調整動作について説明する。図2は、ドライバアンプの線形性調整処理を示すフローチャートである。
コヒーレント光送受信器1は、コヒーレンと光送受信器の立ち上げ時、光源31の波長調整などと並行して、ドライバアンプ20ごとに図2の線形性調整処理を実行する。
まず、DSP−LSI10は、線形性調整時、制御回路33からの制御信号CNTに応じて、各D/A変換器12から予め指定された一定周波数の正弦波からなるトレーニング信号を出力する(ステップ100)。この際、D/A変換器12に入力されるデジタル正弦波信号パターンは、例えばDSP−LSI内のパターン記憶部13に予め設定されており、線形性調整時のみ、このパターン記憶部13からデジタル正弦波信号パターンを読み出してD/A変換器12から出力する。
ドライバアンプ20は、D/A変換器12から出力されたトレーニング信号を増幅し、ドライバ出力信号SPとして出力する。この際、Peak出力振幅検出部21およびRMS出力振幅検出部22は、ドライバ出力信号SPのPeak振幅値とRMS振幅値を検出し(ステップ101)、これら振幅値PRを制御回路33へ出力する。
ここで、D/A変換器12から出力された正弦波信号がドライバアンプ20で歪みなく線形増幅され、ドライバアンプ20のドライバ出力信号SPも歪みのない理想的な正弦波信号と仮定した場合、出力信号のPeak振幅値をRMS振幅値で除算した値、すなわちPeak/RMS値は理論的に2.83となる。
一方、D/A変換器12から出力された正弦波信号がドライバアンプ20によって歪んで増幅された場合、Peak/RMS値は2.83より小さな値となる。
図3は、歪みのない理想的な正弦波からなる出力波形例であり、図4は、歪み特性モデルとしてtanh関数を用いたときの出力波形例である。
図3のように歪みのない理想的な正弦波の場合、Peak/RMS値は2.83である。一方、歪んだ波形のPeak/RMS値は2.83より小さく、例えば、図4のように、歪み特性モデルとしてtanh関数を用いた場合、Peak/RMS値は2.40となった。
一般に、ドライバアンプの線形性は、THD(Total Harmonic Distortion)という線形性指標で表される。ドライバアンプに求められるTHDの値は変調方式や用いる送信端デジタル信号処理によって異なり、それぞれに要求される要求範囲が存在する。また、ドライバアンプの歪み特性をモデル化することで、THDとPeak/RMS値は関連付けることができる。
したがって、ドライバアンプ20で増幅して得られた光変調駆動信号のPeak/RMS値を読み取ることで、ドライバアンプの線形性をスペクトルアナライザなどの測定装置を用いることなく、コヒーレント光送受信器に搭載された機能を用いるだけで測定することができる。
制御回路33は、このようにして、ドライバアンプ20のPeak出力振幅検出部21およびRMS出力振幅検出部22で検出されたPeak振幅値とRMS振幅値を計測して、Peak/RMS値を算出し(ステップ102)、予め設定されているPeak/RMS値とTHDとの対応関係に基づき、このPeak/RMS値からドライバアンプ20の線形性を示す線形性指標値としてTHDを算出する(ステップ103)。
続いて、制御回路33は、算出したTHDと予め設定されている線形性の要求範囲とを比較する(ステップ104)。
ここで、算出したTHDが要求範囲外である場合(ステップ104:NO)、制御回路33は、ドライバアンプ20の線形性調整端子に与えるバイアス電圧VBを、THDが要求範囲から外れた方向に応じて、線形性が改善させる方向へ調整し(ステップ105)、ステップ101へ戻って、再度Peak/RMS値を計算する。線形性調整端子は、一般的なドライバアンプに広く設けられている。なお、ドライバアンプ20に搭載されている線形性調整機能を用いるのではなく、DSP−LSI10に搭載されているリニアライザを調整することにより、ドライバアンプ20で得られる光変調駆動信号の線形性を調整するようにしてもよい。
一方、算出したTHDが要求範囲内である場合(ステップ104:YES)、ドライバアンプ20の線形性調整端子に与えるバイアス電圧VBの設定を変更する必要がない。このため、DSP−LSI10は、トレーニング信号の出力を停止し(ステップ106)、一連の処理を終了する。
これにより、THDが要求範囲内となるまで、ドライバアンプ20の線形性が調整される。
図5は、THDとPeak/RMS値との関係を示すグラフである。このように、線形性の要求値であるTHDとPeak/RMS値の相関が取れている場合は、Peak/RMS値をTHDに換算する必要はなく、Peak/RMS値からなる線形性指標値をもとに、ドライバアンプ20の線形性を調整してもよい。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ドライバアンプ20に、光変調駆動信号のPeak振幅値を検出するPeak出力振幅検出部21と、光変調駆動信号のRMS振幅値を検出するRMS出力振幅検出部22とを設け、線形性調整時、DSP−LSI10から出力された一定周波数の正弦波からなるトレーニング信号を増幅して得られた光変調駆動信号のPeak振幅値およびRMS振幅値を検出し、制御回路33が、これらPeak振幅値およびRMS振幅値から当該ドライバアンプ20の線形性を示す線形性指標値を算出し、当該線形性指標値が要求範囲を満足するまで、当該ドライバアンプ20の線形性調整用バイアス電圧を調整出力するようにしたものである。
具体的には、線形性指標値として、Peak振幅値をRMS振幅値で除算したPeak/RMS値、または当該Peak/RMS値から算出したTHD(Total harmonic distortion)を用いるようにしたものである。
これにより、スペクトルアナライザなどの測定装置を用いることなくドライバアンプ20の線形性を自動で検出し、最適な線形性となるようバイアス電圧を調整することができ、結果として、光送受信器1さらには光通信システム全体の特性を維持することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる光送受信器1について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる光送受信器の要部構成を示すブロック図である。
前述した第1の実施の形態にかかる光送受信器1は、DSP−LSI10とドライバアンプ20が1つの送信器内に配置された、いわゆるトランシーバやラインカードを想定した構成となっているが、本発明はこれら構成に限定されるものではない。
例えば、図6の例は、DSP−LSI10をホストボード1Aに実装し、ドライバアンプ20、光変調器32、および制御回路33をCFP2/4モジュール1Bに搭載した構成である。この際、ホストボード1AとCFP2/4モジュール1Bとは、ブラガブルコネクタ1Cにより活線挿抜可能に接続されている。
このように、CFP2/4モジュール1B内の制御回路33によってドライバアンプ20のPeak/RMS値を求めて、ドライバアンプ20の線形性の最適化を行うこともできる。
また、制御回路33については、CFP2/4モジュール1B内ではなく、DSP−LSI10が実装されたホストボード1Aに配置してもよい。
[第3の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる光送受信器1について説明する。図7は、第3の実施の形態にかかる光送受信器の要部構成を示すブロック図である。
前述した第1および第2の実施の形態では、長距離光通信用のコヒーレント光送受信器1を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施の形態では、短距離通信用である400Gビットイーサネット(400GbE)対応のイーサネット光送受信器1Eに本発明を適用した場合の実施例を示す。
本実施の形態にかかるイーサネット光送受信器1Eにおいて、各ドライバアンプ20に、2種類の出力振幅検出部、すなわちPeak出力振幅検出部21とRMS出力振幅検出部22とを設け、制御回路33により、これらPeak振幅値およびRMS振幅値から算出したドライバアンプ20の線形性を示す線形性指標値に基づき、ドライバアンプ20の線形性を調整する点が、従来のイーサネット光送受信器と異なる。
ASSP(Application Specific Standard Product)10Aは、予め各種の信号処理回路が搭載されている汎用LSIであり、信号処理部11により、入力された4チャンネルの送信データSINをデジタル信号処理して光変調に用いるシンボルを示す複数のデジタル電気信号SDを生成し、これらデジタル電気信号をそれぞれ個別のD/A変換器12によりアナログ電気信号SAに変換して出力する機能を有している。その他構成については、従来のイーサネット光送受信器と同様である。
Peak出力振幅検出部21は、ドライバアンプ20光変調器32へ出力の出力振幅のPeak−to−peak値を検出して制御回路33へ出力する機能を有している。
RMS出力振幅検出部22は、ドライバアンプ20の出力振幅のRMS値をそれぞれ検出して制御回路33へ出力する機能を有している。
これらPeak出力振幅検出部21およびRMS出力振幅検出部22は、一般的で簡易なアナログ回路により実現すればよい。
本実施の形態にかかるイーサネット光送受信器1Eでのドライバアンプ20の線形性調整処理は、前述した図2と同様である。すなわち、ドライバアンプ20が、D/A変換器12から出力されたトレーニング信号を増幅し、Peak出力振幅検出部21およびRMS出力振幅検出部22が、ドライバ出力信号SPのPeak振幅値とRMS振幅値を検出し、制御回路33がこれらPeak振幅値およびRMS振幅値から算出したドライバアンプ20の線形性を示す線形性指標値に基づき、ドライバアンプ20の線形性を調整する。
このようにして、長距離光通信用のコヒーレント光送受信器だけでなく、短距離通信用である400Gビットイーサネット(400GbE)対応のイーサネット光送受信器1Eに対しても本発明を適用でき、前述と同様に、スペクトルアナライザなどの測定装置を用いることなくドライバアンプ20の線形性を自動で検出し、最適な線形性となるようバイアス電圧を調整することができ、結果として、光送受信器1さらには光通信システム全体の特性を維持することが可能となる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1…コヒーレント光送受信器、10…DSP−LSI、11…信号処理部、12…D/A変換器、13…パターン記憶部、20…ドライバアンプ、21…Peak出力振幅検出部、22…RMS出力振幅検出部、31…光源、32…光変調器、33…制御回路。

Claims (8)

  1. 入力された送信データをデジタル信号処理して光変調に用いるシンボルを示す複数のアナログ電気信号を出力するLSIと、
    前記アナログ電気信号ごとに設けられて、当該アナログ電気信号を増幅して光変調駆動信号を出力する複数のドライバアンプと、
    これらドライバアンプからの光変調駆動信号に基づき光変調して出力する光変調器と、
    前記ドライバアンプの前記光変調駆動信号の振幅値に基づき算出した当該ドライバアンプの線形性指標値に基づいて、当該ドライバアンプの線形性調整を行う制御回路と
    を備えることを特徴とする光送信器。
  2. 請求項1に記載の光送信器において、
    前記ドライバアンプは、前記光変調駆動信号のPeak振幅値を検出するPeak出力振幅検出部と、前記光変調駆動信号のRMS振幅値を検出するRMS出力振幅検出部とを有し、
    前記制御回路は、前記ドライバアンプで検出された前記Peak振幅値および前記RMS振幅値から、前記線形性指標値を算出することを特徴とする光送信器。
  3. 請求項2に記載の光送信器において、
    前記線形性指標値は、前記Peak振幅値を前記RMS振幅値で除算したPeak/RMS値、または当該Peak/RMS値から算出したTHD(Total Harmonic Distortion)からなることを特徴とする光送信器。
  4. 請求項3に記載の光送信器において、
    前記LSIは、前記線形性調整の際、一定周波数の正弦波からなるトレーニング信号を出力し、
    前記Peak出力振幅検出部は、前記ドライバアンプで増幅された前記トレーニング信号のPeak振幅値を検出するとともに、前記RMS出力振幅検出部は、前記ドライバアンプで増幅された前記トレーニング信号のRMS振幅値を検出する
    ことを特徴とする光送信器。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の光送信器において、
    前記制御回路は、前記線形性指標値が予め設定されている要求範囲に含まれるまで、前記ドライバアンプの線形性を調整することを特徴とする光送信器。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の光送信器において、
    前記光変調器は、前記各ドライバアンプからの光変調駆動信号に基づいて、光源からの連続光をデジタル光変調することにより、コヒーレント光信号を生成して出力することを特徴とする光送信器。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の光送信器において、
    前記光変調器は、前記各ドライバアンプからの光変調駆動信号に基づいて、それぞれ個別の光源を変調駆動し、これら光源から得られた光信号を合波器で合波することによりイーサネット光信号を生成して出力することを特徴とする光送信器。
  8. 入力された送信データをデジタル信号処理して得られた複数のアナログ電気信号をドライバアンプで増幅し、得られた光変調駆動信号に基づき光変調した光信号を送信する光送信器で用いられて、前記ドライバアンプの線形性を調整する線形性調整方法であって、
    前記ドライバアンプで得られた前記光変調駆動信号の振幅値を検出する振幅検出ステップと、
    前記振幅値に基づき算出した当該ドライバアンプの線形性指標値に基づいて、当該ドライバアンプの線形性調整を行う制御ステップと
    を備えることを特徴とする線形性調整方法。
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