JP2015219721A - 動作支援システム及び物体認識装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出結果の信頼性を制御に反映することが可能な動作支援システム及び物体認識装置を提供する。
【解決手段】動作支援システム10又は物体認識装置12では、第2物体100c(カメラ物標)の認識が継続している画像認識継続時間Tcrと、第1物体100r(レーダ物標)及び第2物体100cについての横方向速度又は横方向速度の算出の可否に基づいて衝突可能性又は動作支援を変更する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両等の移動物体の動作支援を行う動作支援システム及び当該動作支援システムで利用可能な物体認識装置に関する。
特許文献1では、不必要な回避支援を削減することができる運転支援装置を提供することを目的としている([0006]、要約)。当該目的を達成するため、特許文献1の運転支援装置1は、障害物に関する情報を検出する障害物検出手段と、自車両が障害物の現在位置に最接近するまでの余裕時間(TTC)を算出する余裕時間算出手段と、余裕時間が経過したときの障害物の将来位置を推定する将来位置推定手段と、自車両が回避すべき回避対象領域を設定する回避対象領域設定手段と、回避対象領域を回避する走行経路を設定する走行経路設定手段とを備える(要約)。回避対象領域設定手段は、将来位置及びその周辺位置における障害物との衝突リスクポテンシャルを評価し、衝突リスクポテンシャルに基づいて回避対象領域を設定する(要約)。
衝突リスクポテンシャルの評価では、将来位置を基準に、その周辺位置の衝突リスクポテンシャルの分布を生成する(図2のS5、[0028])。すなわち、リスクパターンDB4に記憶されたパターンのうち、障害物の種類に対応するパターンを取得し、そのパターンの基準位置を前記将来位置に合わせ、そのパターンの向きを障害物の向きに合わせる。これにより、前記将来位置の周辺位置における衝突リスクポテンシャルの分布を生成する([0028])。回避対象領域は、例えば、衝突リスクポテンシャルがある閾値以上となる範囲とされる([0031])。
特許文献1における障害物検出手段(障害物検出装置2)は、例えば、車外カメラ、レーダ等により、障害物に関する情報を検出する装置であるとされている([0018])。
特許文献2では、レーダ(ミリ波)による障害物検出結果と、画像認識による障害物検出結果を照合して、両者で検出した場合とそれぞれのみで検出した場合に分岐する(要約)。そして、分岐結果に応じて走行支援制御の開始条件を変更することで、運転者の注意に応じた支援制御を実行する(要約)。レーダ(ミリ波)及び画像認識それぞれで障害物が検出できた場合に関し、特許文献2では、ミリ波レーダ21でも画像認識手段22でも障害物を検出している場合には、障害物を正しく検知している可能性が高いため、通常のタイミングで支援制御を実行すると説明されている([0075])。
特開2012−173786号公報 特開2005−239114号公報
上記のような特許文献1では、主として、余裕時間(TTC)に基づく障害物の将来位置と障害物の種類及び向きを用いて回避対象領域が設定される([0028])。特許文献1では、特許文献2のようなレーダ(ミリ波)及び画像認識による障害物検出結果を組み合わせる構成における処理が検討されていない。加えて、特許文献1では、障害物検出手段(障害物検出装置2)の検出結果の信頼性に着目した制御については考慮されていない。
また、特許文献2では、レーダ及び画像認識それぞれによる障害物検出結果に基づき走行支援制御の開始条件を変更するものの、レーダ及び画像認識それぞれにより障害物が検出された場合における信頼性の相違又は変化については検討されていない。このため、特許文献2では、レーダ及び画像認識それぞれによる障害物検出結果が得られた場合、信頼性があることを前提として制御が行われると言える。従って、特許文献2では、レーダ及び画像認識それぞれによる障害物検出結果が得られた場合の信頼性の相違については検討されていない。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、検出結果の信頼性を制御に反映することが可能な動作支援システム及び物体認識装置を提供することを目的とする。
本発明に係る動作支援システムは、移動物体の周辺に存在する周辺物体に対して電磁波を出射し、前記周辺物体からの反射波に対応する反射波信号を出力するレーダと、前記周辺物体を含む周辺画像を撮像し、前記周辺画像に対応する画像信号を出力するカメラと、前記反射波信号に含まれる前記周辺物体を第1物体として認識し、前記画像信号に含まれる前記周辺物体を第2物体として認識し、前記第1物体及び前記第2物体をマッチングさせて対象物体として特定し、前記対象物体に対する前記移動物体の衝突可能性を判定する衝突可能性判定装置と、前記衝突可能性に応じて前記移動物体の動作支援を行う動作支援装置とを備えるものであって、前記動作支援システムの一部又は全部は前記移動物体内又は前記移動物体外に設けられ、前記第2物体の認識が継続している画像認識継続時間と、前記第1物体及び前記第2物体についての横方向速度自体又は前記横方向速度の算出の可否とに基づいて前記衝突可能性又は前記動作支援を変更することを特徴とする。
レーダの検出結果(反射波信号)及びカメラの検出結果(画像信号)を組み合わせて対象物体を特定する場合、対象物体までの距離は、レーダの検出値を用いることで精度良く検出することが可能となる場合が多い。また、レーダの検出値により算出した対象物体までの距離を用いる場合、レーダの検出値よりも周辺画像の方が、周辺物体の横方向速度を精度良く算出することができる場合が多い。
本発明によれば、周辺画像に基づく第2物体の認識が継続している画像認識継続時間と、第1物体及び第2物体についての横方向速度自体又は横方向速度の算出の可否とに基づいて衝突可能性又は動作支援を変更する。
これにより、画像認識継続時間を用いることで、周辺画像に基づく横方向位置又は横方向速度の信頼性を衝突可能性又は動作支援に反映することが可能となる。加えて、第1物体及び第2物体についての横方向速度自体又は横方向速度の算出の可否を用いることで、レーダ及びカメラの検出結果の信頼性をより正確に反映した動作支援を行うことが可能となる。
前記衝突可能性判定装置は、前記対象物体が前記移動物体の進路上に存在する時間である進路オーバーラップ時間を算出する進路オーバーラップ時間算出部を備え、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置又は将来位置の少なくとも一方が、前記移動物体の進路上に存在する場合、前記進路オーバーラップ時間を加算し、前記画像認識継続時間に基づいて、又は前記第1物体及び前記第2物体についての横方向速度自体若しくは前記横方向速度の算出の可否に基づいて前記進路オーバーラップ時間を加算する条件を変更してもよい。
本発明によれば、第2物体の認識が継続している画像認識継続時間に基づいて、又は周辺物体についての横方向速度自体若しくは横方向速度の算出の可否に基づいて進路オーバーラップ時間を加算する条件を変更する。
これにより、画像認識継続時間を用いることで、画像認識の信頼性を進路オーバーラップ時間に反映することが可能となる。或いは、周辺物体についての横方向速度又は横方向速度の算出の可否を用いることで、画像認識の信頼性をより正確に反映した進路オーバーラップ時間を算出することが可能となる。
前記衝突可能性判定装置は、前記進路オーバーラップ時間に応じて前記衝突可能性を判定してもよい。これにより、画像認識の信頼性を衝突可能性に反映することが可能となる。
前記移動物体に対して動作支援を行うに当たり、前記動作支援装置は、前記進路オーバーラップ時間に応じて前記動作支援を変更してもよい。これにより、画像認識の信頼性を動作支援に反映することが可能となる。
前記画像認識継続時間が所定の時間閾値を超えて継続して認識されている場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、少なくとも前記対象物体の将来位置が前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算してもよい。これにより、画像認識の信頼性が高い状態において、進路オーバーラップ時間を適切に反映することが可能となる。
前記画像認識継続時間が前記所定の時間閾値を超えて継続して認識されていない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記第2物体の横方向速度が所定の速度閾値以上であり且つ少なくとも前記対象物体の将来位置が前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算してもよい。これにより、横方向速度が比較的大きいという緊急度合いの高い状況において、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
前記対象物体の現在位置及び将来位置の両方が、前記移動物体の進路上に存在しない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記進路オーバーラップ時間を減算してもよい。これにより、衝突可能性が低い場合、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置が前記移動物体の進路上に存在し且つ前記対象物体の将来位置が前記移動物体の進路上に存在しない場合、前記進路オーバーラップ時間の前回値を保持してもよい。これにより、衝突可能性が相対的に低い場合、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
前記第1物体及び前記第2物体の両方の横方向移動が検出されている場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、少なくとも前記対象物体の将来位置が、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算してもよい。これにより、衝突可能性が相対的に高い場合、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
前記第1物体が認識され且つ前記第2物体が認識されていない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置の両方が、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算してもよい。これにより、第2物体が認識されていない場合でも、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
前記第1物体が認識され且つ前記第2物体が認識されていない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置の一方のみが、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間の前回値を保持してもよい。これにより、第2物体が認識されていない場合でも、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
前記第2物体の横方向移動が検出され且つ前記第1物体の横方向移動が検出されず、且つ前記第2物体の横方向速度が所定の速度閾値を下回る場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置が、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算してもよい。これにより、第1物体の横方向移動が検出されない場合でも、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
前記第2物体の横方向移動が検出され且つ前記第1物体の横方向移動が検出されず、且つ前記第2物体の横方向速度が前記所定の速度閾値を下回る場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置の一方のみが、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間の前回値を保持してもよい。これにより、第1物体の横方向移動が検出されない場合でも、進路オーバーラップ時間を適切に算出することが可能となる。
本発明に係る物体認識装置は、移動物体の周辺に存在する周辺物体の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記位置情報に基づく前記周辺物体の現在位置又は将来位置が前記移動物体の進路上に存在する時間である進路オーバーラップ時間を算出する進路オーバーラップ時間算出部とを備えるものであって、前記周辺物体の現在位置又は将来位置の少なくとも一方が、前記移動物体の進路上に存在する場合、前記進路オーバーラップ時間を加算し、前記位置情報取得装置による前記周辺物体の位置情報の取得が継続している位置情報取得継続時間に基づいて、又は前記周辺物体についての速度自体若しくは前記速度の算出の可否に基づいて前記進路オーバーラップ時間を加算する条件を変更することを特徴とする。
本発明によれば、周辺物体の位置情報の取得が継続している位置情報取得継続時間に基づいて、又は周辺物体についての横方向速度自体若しくは横方向速度の算出の可否に基づいて進路オーバーラップ時間を加算する条件を変更する。
これにより、位置情報取得継続時間を用いることで、位置情報の信頼性を進路オーバーラップ時間に反映することが可能となる。或いは、周辺物体についての速度自体又は速度の算出の可否を用いることで、位置情報の信頼性をより正確に反映した進路オーバーラップ時間を算出することが可能となる。
本発明によれば、検出結果の信頼性を制御に反映することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る運転支援システムとしての車両の構成を示すブロック図である。 前記実施形態における運転支援制御のフローチャートである。 対象物体の現在位置に基づく進路オーバーラップ量を説明するための第1図である。 前記対象物体の前記現在位置に基づく前記進路オーバーラップ量を説明するための第2図である。 前記対象物体の将来位置に基づく前記進路オーバーラップ量を説明するための図である。 進路オーバーラップ時間の算出モードを選択するフローチャート(図2のS5の詳細)である。 前記進路オーバーラップ時間の前記算出モードの選択方法の説明図である。 前記進路オーバーラップ時間を算出するフローチャート(図2のS6の詳細)である。 前記進路オーバーラップ時間の算出方法の説明図である。
A.一実施形態
A1.構成
[A1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る運転支援システムとしての車両10(以下「自車10」ともいう。)の構成を示すブロック図である。車両10は、物体認識装置12、車両挙動安定システム14(以下「VSAシステム14」という。)、電動パワーステアリングシステム16(以下「EPSシステム16」という。)、ポップアップフードシステム18(以下「PUHシステム18」という。)、車速センサ20及び警報装置22を有する。
物体認識装置12は、自車10の周囲に現れる各種の周辺物体100(例えば、歩行者102(図3、図5)、他車104(図4)及び壁)を検出する。そして、物体認識装置12は、周辺物体100(以下「検出物体100」ともいう。)のうち自車10の制御に関連するものを対象物体100tarとして選択又は特定する。物体認識装置12は、自車10から対象物体100tarまでの距離Lを算出すると共に、対象物体100tarの属性Prtarを判別する。ここでの属性Prtarには、例えば、対象物体100tarの種類Ca(例えば、車両、歩行者(ヒト)又は壁)等が含まれる。
VSAシステム14の電子制御装置30(以下「VSA ECU30」という。)は、車両挙動安定化制御を実行するものであり、図示しないブレーキシステム等の制御を介してカーブ路の旋回時、自車10に対する他車104の接近時等における車両10の挙動を安定化させる。
EPSシステム16の電子制御装置32(以下「EPS ECU32」という。)は、操舵アシスト制御を実行するものであり、電動パワーステアリング装置の構成要素{電動モータ、トルクセンサ及び舵角センサ(いずれも図示せず)等}の制御を介して運転者による操舵をアシストする。
PUHシステム18の電子制御装置34(以下「PUH ECU34」という。)は、車両10が歩行者102(図3及び図5)との衝突事故に遭った場合、車両10のポップアップフード(図示せず)を跳ね上げ、歩行者102の頭部が車体に当たったときの衝撃を和らげる。
車速センサ20は、車両10の車速V[km/h]を検出して物体認識装置12等に出力する。警報装置22は、物体認識装置12等からの指令に基づき、運転者に対する警報を行う。警報装置22は、例えば、図示しない表示装置及びスピーカを有する。
[A1−2.物体認識装置12]
図1に示すように、物体認識装置12は、レーダ40、カメラ42及び物体認識電子制御装置44(以下「物体認識ECU44」又は「ECU44」という。)を有する。
(A1−2−1.レーダ40)
レーダ40は、電磁波(ここではミリ波)である送信波Wtを車両10の外部に出力し、送信波Wtのうち検出物体100(例えば、歩行者102、他車104)に反射して戻って来る反射波Wrを受信する。そして、反射波Wrに対応する検出信号(以下「反射波信号Swr」又は「信号Swr」という。)をECU44に出力する。以下では、レーダ40が検出した検出物体100を「第1物体100r」又は「レーダ物標100r」ともいう。
レーダ40は、車両10の前側(例えば、フロントバンパ及び/又はフロントグリル)に配置される。前側に加えて又は前側に代えて、車両10の後ろ側(例えば、リアバンパ及び/又はリアグリル)又は側方(例えば、フロントバンパの側方)に配置してもよい。
また、後述するように、ミリ波を出力するレーダ40の代わりに、レーザレーダ、超音波センサ等のセンサを用いることもできる。
(A1−2−2.カメラ42)
カメラ42(撮像手段)は、車両10の周囲(対象物体100tarを含む。)の画像Imc(以下「周辺画像Imc」又は「撮像画像Imc」ともいう。)を取得する。そして、画像Imcに対応する信号(以下「画像信号Sic」又は「信号Sic」という。)をECU44に出力する。以下では、カメラ42が検出した検出物体100を「第2物体100c」又は「カメラ物標100c」ともいう。
本実施形態では、1つのカメラ42を用いるが、2つのカメラ42を左右対称に配置させてステレオカメラを構成してもよい。カメラ42は、1秒間に15フレーム以上(例えば30フレーム)で画像Imcを取得する。カメラ42は、主に可視光領域の波長を有する光を利用するモノクロカメラであるが、カラーカメラ又は赤外線カメラであってもよい。カメラ42は、例えば、車両10の車室内の前方部分における車幅方向中心部(例えば、バックミラー周辺)に配置されている。或いは、カメラ42は、車両10の前部バンパー部における車幅方向中心部に配置されてもよい。
(A1−2−3.物体認識ECU44)
物体認識ECU44は、物体認識装置12の全体を制御するものであり、図1に示すように、入出力部50、演算部52及び記憶部54を有する。
レーダ40からの反射波信号Swr及びカメラ42からの画像信号Sicは、入出力部50を介して物体認識ECU44に供給される。また、物体認識ECU44と、VSA ECU30、EPS ECU32及びPUH ECU34との間の通信は、入出力部50及び通信線56を介して行われる。入出力部50は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する図示しないA/D変換回路を備える。
演算部52は、レーダ40及びカメラ42からの各信号Swr、Sicに基づく演算を行い、演算結果に基づき、VSA ECU30、EPS ECU32及びPUH ECU34に対する信号を生成する。
図1に示すように、演算部52は、レーダ情報処理部60、カメラ情報処理部62及び対象物体情報処理部64を有する。各処理部60、62、64は、記憶部54に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。前記プログラムは、図示しない無線通信装置(携帯電話機、スマートフォン等)を介して外部から供給されてもよい。前記プログラムの一部をハードウェア(回路部品)で構成することもできる。
レーダ情報処理部60は、レーダ40が検出した反射波Wr(反射波信号Swr)に基づいて検出物体100(第1物体100r)の情報(以下「レーダ情報Ir」、「第1物体情報Ir」又は「情報Ir」という。)を算出する。カメラ情報処理部62は、カメラ42が取得した周辺画像Imcを用いて検出物体100(第2物体100c)の情報(以下「カメラ情報Ic」、「第2物体情報Ic」又は「情報Ic」という。)を算出する。
対象物体情報処理部64(以下、「処理部64」ともいう。)は、レーダ情報処理部60が算出したレーダ情報Irと、カメラ情報処理部62が算出したカメラ情報Icとを組み合わせた情報(以下「対象物体情報It」又は「情報It」という。)を算出する。換言すると、処理部64は、いわゆるフュージョン処理を行う。情報Itは、レーダ40が検出した検出物体100(第1物体100r)と、カメラ42が検出した検出物体100(第2物体100c)とに基づいて特定する対象物体100tarの情報である。
処理部64は、TTC算出部70(以下「算出部70」ともいう。)と、進路オーバーラップ時間算出部72(以下「Tolp算出部72」又は「算出部72」ともいう。)と、衝突可能性算出部74(以下「Pc算出部74」又は「算出部74」ともいう。)とを備える。
TTC算出部70は、自車10が対象物体100tarに接触(又は衝突)するまでの時間を示すTTC(Time to Collision)を算出する。進路オーバーラップ時間算出部72は、進路オーバーラップ時間Tolpを算出する。時間Tolpは、対象物体100tarが車両10の進路106(図3〜図5)上に存在する時間である。時間Tolpの詳細については、図2、図8、図9等を用いて後述する。
衝突可能性算出部74は、衝突可能性Pcを算出する。衝突可能性Pcは、対象物体100tar(歩行者102等)が自車10に接触(又は衝突)する可能性である。
記憶部54は、デジタル信号に変換された撮像信号、各種演算処理に供される一時データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)、及び実行プログラム、テーブル又はマップ等を記憶するROM(Read Only Memory)等で構成される。
A2.運転支援制御
[A2−1.運転支援制御の全体的な流れ]
図2は、本実施形態における運転支援制御のフローチャートである。運転支援制御は、物体認識ECU44の演算部52(処理部60、62、64)及びその他のECU30、32、34の演算部(図示せず)が実行する。各ECU30、32、34、44は、図2に示す処理を所定の演算周期(例えば、数μsec〜数百msecのいずれかの周期)で繰り返す。
ステップS1において、ECU44(レーダ情報処理部60)は、レーダ40からの反射波信号Swrに基づいて、検出物体100(レーダ物標100r)のレーダ情報Irを算出する。レーダ情報Irには、レーダ物標100rの位置Por、速度Vr、加速度ar等が含まれる。なお、レーダ40の検出範囲内に複数のレーダ物標100rが存在する場合、ECU44は、各レーダ物標100rについて位置Por、速度Vr、加速度ar等を算出する。
ステップS2において、ECU44(カメラ情報処理部62)は、カメラ42の画像信号Sic(撮像画像Imc)に基づいて、検出物体100(カメラ物標100c)のカメラ情報Icを算出する。カメラ情報Icには、カメラ物標100cの位置Poc、横方向速度Vlc、加速度ac、属性Prc等が含まれる。また、属性Prcとしては、カメラ物標100cの種類Ca(歩行者、車両等)、大きさ等が含まれる。また、撮像画像Imc内に複数のカメラ物標100cが存在する場合、ECU44は、各カメラ物標100cについて位置Poc、横方向速度Vlc、加速度ac、属性Prc等を算出する。
ステップS3において、ECU44(対象物体情報処理部64)は、レーダ情報Ir(レーダ物標100r)とカメラ情報Ic(カメラ物標100c)をマッチングするマッチング判断を行う。マッチング判断では、レーダ情報処理部60で認識された第1物体100rの位置Por及びカメラ情報処理部62で認識された第2物体100cの位置Pocが一致する又は所定距離内にあるときに同一の対象物体100tarであると判定する。
ステップS4において、ECU44は、自車10が対象物体100tarに接触(又は衝突)するまでの時間を示すTTCを算出する。
ステップS5において、ECU44は、進路オーバーラップ時間Tolp(以下「オーバーラップ時間Tolp」又は「時間Tolp」ともいう。)の算出モードMolp(以下「モードMolp」ともいう。)を選択する。時間Tolpは、対象物体100tarが車両10の進路106(図3〜図5)上に存在する時間である。また、算出モードMolpは、時間Tolpを算出するためのモードであり、本実施形態では、Mode 1とMode 2の2つを用いる。ステップS5の詳細は、図6を参照して後述する。
ステップS6において、ECU44は、ステップS5で選択した算出モードMolpを用いてオーバーラップ時間Tolpを算出する。ステップS6の詳細は、図8を参照して後述する。
ステップS7において、ECU44は、TTCとオーバーラップ時間Tolpから衝突可能性Pcを算出する。衝突可能性Pcは、対象物体100tar(歩行者102等)が自車10に接触(又は衝突)する可能性である。算出した衝突可能性Pcは、例えば、ECU30、32、34に対してECU44から出力される。
なお、衝突可能性Pcを用いずに、TTC及び時間Tolpをそのまま用いることも可能である。その場合、例えば、TTC及び時間Tolpそれぞれの閾値との関係で、警報装置22を用いた警報、又は図示しないブレーキ装置を用いた自動ブレーキを行うことができる。
また、時間Tolpが閾値を超えた場合のみ、衝突可能性Pcを判定すること、又は時間Tolpに応じてTTCの閾値を変更することも可能である。
ステップS8において、ECU44は、衝突可能性Pcに応じて運転支援を行う。具体的には、VSA ECU30は、例えば、衝突可能性Pcを用いて自動ブレーキ制御を実行する。EPS ECU32は、例えば、衝突可能性Pcを用いて自動ステアリング制御を実行する。PUH ECU34は、衝突可能性Pcを用いてPUH制御を実行する。物体認識ECU44は、警報装置22を介して所定の警告(例えば、警告音の出力又は警告表示)を行う。
[A2−2.進路オーバーラップ時間Tolp]
(A2−2−1.進路オーバーラップ時間Tolpの意義)
上記のように、本実施形態では、TTCに加え、進路オーバーラップ時間Tolpを用いて衝突可能性Pcを算出する。すなわち、時間Tolpは、衝突可能性Pcを判定するための一指標として用いられる。時間Tolpの値が小さい場合、衝突可能性Pcが相対的に低いと判定され、時間Tolpの値が大きい場合、衝突可能性Pcが相対的に高いと判定される。
(A2−2−2.進路オーバーラップ時間Tolpの算出の概要)
本実施形態では、進路オーバーラップ時間Tolpの算出モードMolpを選択した上で(図2のS5)、時間Tolpを算出する。算出モードMolpには、Mode 1及びMode 2が含まれる。Mode 1は、画像認識による第2物体100cの横方向速度Vlcの信頼性(精度)が相対的に高い場合に用いられる。Mode 2は、画像認識による第2物体100cの横方向速度Vlcの信頼性(精度)が相対的に低い場合に用いられる。各モードMolpの詳細については、図7、図9等を参照して詳述する。
いずれの算出モードMolpを用いる場合でも、進路オーバーラップの有無が利用される(図9)。そこで、まず進路オーバーラップについて説明する。
進路オーバーラップは、進路オーバーラップ量Dolpが所定の閾値THdolp(以下「オーバーラップ量閾値THdolp」ともいう。)以上である状態を意味する。本実施形態では、対象物体100tarの現在位置Ppre及び将来位置Pftrのそれぞれについて進路オーバーラップの有無が判定される。
(A2−2−3.進路オーバーラップ量Dolp)
(A2−2−3−1.現在位置Ppreに基づく進路オーバーラップ量Dolp)
図3及び図4は、対象物体100tarの現在位置Ppreに基づく進路オーバーラップ量Dolpを説明するための第1図及び第2図である。図3では、対象物体100tarとしての歩行者102が自車10の前方に存在する。図4では、対象物体100tarとしての他車104が自車10の前方に存在する。図3及び図4において、破線108lは、車両10の進路106の左端を示す仮想線であり、破線108rは、車両10の進路106の右端を示す仮想線である。仮想線108l、108rにより挟まれる領域が進路106となる。
図3及び図4では、破線108l、108rが、車両10の側面の位置に対応しているが、車両10の進路106を算出する目的であれば、車幅方向に変位させることも可能である。
また、図3及び図4において、一点鎖線110lは、車両10から見た際の対象物体100tar(歩行者102、他車104)の左端を示す仮想線である。一点鎖線110rは、車両10から見た際の対象物体100tar(歩行者102、他車104)の右端を示す仮想線である。破線108l、108rと同様、一点鎖線110l、110rは、車幅方向に変位させることも可能である。
図3及び図4では、仮想線108l、108rを直線としているが、例えば、車両10が旋回中である場合、進路106に合わせて仮想線108l、108rを曲線状としてもよい。仮想線108l、108rを曲線状とするためには、例えば、図示しないヨーレートセンサにより検出したヨーレート等を用いて仮想線108l、108rを演算することができる。また、図示しないナビゲーション装置又は進路106(走行路)周辺に配置された光ビーコン等の装置(路側装置)から、進路106の形状に関する情報を取得し、当該情報を用いて仮想線108l、108rを算出することも可能である。
図3及び図4において、Dolp_lは、左側の仮想線108lを基準としたときの進路106に対する対象物体100tar(歩行者102又は他車104)のオーバーラップ量である。すなわち、オーバーラップ量Dolp_lは、進路106の左端を示す仮想線108lから対象物体100tar(歩行者102又は他車104)の右端を示す仮想線110rまでの距離を示す。但し、図4では、他車104の右端を示す仮想線110rが、進路106の右端を示す仮想線108rよりも右側に位置し、進路106内に存在しない。このため、図4の例では、オーバーラップ量Dolp_lは、仮想線108l、108r間の距離となり、オーバーラップ量Dolp_lが取り得る最大値となる。
同様に、Dolp_rは、右側の仮想線108rを基準としたときの進路106に対する対象物体100tar(歩行者102又は他車104)のオーバーラップ量である。すなわち、オーバーラップ量Dolp_rは、進路106の右端を示す仮想線108rから対象物体100tarの左端を示す仮想線110lまでの距離を示す。但し、図4では、他車104の左端を示す仮想線110lが、進路106の左端を示す仮想線108lよりも左側に位置し、進路106内に存在しない。このため、図4の例では、オーバーラップ量Dolp_rは、仮想線108l、108r間の距離となり、オーバーラップ量Dolp_rが取り得る最大値となる。
図3及び図4では、対象物体100tarの現在位置Ppreに基づくオーバーラップ量Dolp_r、Dolp_rを示している。
ECU44は、進路オーバーラップ量Dolp_l、Dolp_rのうち短い方の値を、オーバーラップ量Dolpとして用いる。オーバーラップ量Dolp_l、Dolp_rが互いに等しい場合、いずれの値を用いてもよい。図3の例では、左側の進路オーバーラップ量Dolp_lが、進路オーバーラップ量Dolpとして用いられる。また、図4の例では、左右の進路オーバーラップ量Dolp_l、Dolp_rが等しいため、進路オーバーラップ量Dolp_l、Dolp_rのいずれか(例えば、Dolp_l)が、進路オーバーラップ量Dolpとして用いられる。図3及び図4の例では、対象物体100tarの現在位置Ppreに基づくオーバーラップ量Dolpが算出される。
(A2−2−3−2.将来位置Pftrに基づく進路オーバーラップ量Dolp)
図5は、対象物体100tarの将来位置Pftrに基づく進路オーバーラップ量Dolpを説明するための図である。図5では、対象物体100tarとしての歩行者102が自車10の進路106に入ってくる様子を示している。図5では、現在位置Ppreの車両10及び歩行者102を実線で示し、将来位置Pftrの車両10及び歩行者102を破線で示している。なお、ここにいう将来位置Pftrは、例えば、TTCに基づいて算出される。
現在位置Ppreに基づくオーバーラップ量Dolpと同様、将来位置Pftrに基づくオーバーラップ量Dolpは、左側及び右側のオーバーラップ量Dolp_l、Dolp_rを算出し、小さい方の値をオーバーラップ量Dolpとする。
(A2−2−4.進路オーバーラップ時間Tolpの算出モードMolp)
(A2−2−4−1.算出モードMolpの概要)
上記のように、本実施形態の算出モードMolpには、画像認識による第2物体100cの横方向速度Vlcの信頼性に応じたMode 1及びMode 2が含まれる。
(A2−2−4−2.算出モードMolpの選択)
図6は、進路オーバーラップ時間Tolpの算出モードMolpを選択するフローチャート(図2のS5の詳細)である。図7は、進路オーバーラップ時間Tolpの算出モードMolpの選択方法の説明図である。
図6のステップS11において、ECU44は、少なくとも反射波Wrについて物体認識が不可であるか否かを判定する。より具体的には、ECU44は、反射波信号Swrに基づいて第1物体100rの認識が不可であるか否かを判定する。
反射波Wrについて物体認識が不可である場合(S11:YES)、ステップS12は、ECU44は、算出モードMolpの選択が不可であると判定する。この場合、図2のステップS6において、ECU44は、進路オーバーラップ時間Tolpの算出を行わず、時間Tolpをゼロとする。
少なくとも反射波Wrについて物体認識が可である場合(S11:NO)、ステップS13において、ECU44は、反射波Wr及び画像Imcの両方について物体認識が可であるか否かを判定する。反射波Wr及び画像Imcの両方について物体認識が可である場合(S13:YES)、ステップS14に進む。
なお、ステップS11、S13における反射波Wrによる第1物体100rの認識が可又は不可であるとは、第1物体100rの存在が認識できるか否かを意味している。仮に、第1物体100rの存在が認識できていたとしても、第1物体100rの横移動が検知できない場合が存在する(後述するS16参照)。これは、レーダ40が受信する反射波Wrに揺らぎが生じるためである。すなわち、レーダ情報処理部60では、反射波Wrにおける揺らぎを考慮して第1物体100rの位置Porを特定するため、位置Porが検出できていても、速度Vrが検出できない場合が起こり得る。
ステップS14において、ECU44は、画像認識可能状態の継続時間Tcr(以下「画像認識継続時間Tcr」ともいう。)が十分長いか否かを判定する。具体的には、継続時間Tcrが閾値THtcr(以下「継続時間閾値THtcr」ともいう。)以上であるか否かを判定する。
ここにいう「継続時間Tcrが十分長い」とは、画像認識による第2物体100cの横方向速度Vlcを精度良く検出することを担保できるほど、画像認識可能状態が継続していることを意味する。すなわち、継続時間Tcrが短い場合、横方向速度Vlcを算出するための画像Imcのデータ数が少ないため、画像認識による第2物体100cの横方向速度Vlcに誤差(又は突発的な誤認識)が生じる可能性が高くなる。これに対し、継続時間Tcrが長くなると、画像認識による第2物体100cの横方向速度Vlcの信頼性(精度)が高くなる。そこで、ステップS14のように、画像Imcに基づく横方向速度Vlcの信頼性の程度に応じて処理を変更させる。
なお、継続時間Tcrが十分に長くない場合(図6のS14:NO)、例えば、第1物体100rの横方向速度Vlr及び第2物体100cの横方向速度Vlcを用いて信頼性を担保することとなる(後述する図6のS16:YES、図7)。また、継続時間Tcrが十分に長い場合(S14:YES)、オーバーラップ量Dolpの算出に当たっては、第1物体100rの横方向速度Vlrを用いず、第2物体100cの横方向速度Vlcのみを用いることで信頼性の向上を図っている(図7)。
継続時間Tcrが十分長くない場合(S14:NO)、カメラ物標100cの横方向速度Vlcの信頼性が相対的に低い。この場合、ステップS15において、ECU44は、カメラ物標100cの横方向速度Vlcが十分大きいか否かを判定する。具体的には、横方向速度Vlcが閾値THvlc(以下「横方向速度閾値THvlc」ともいう。)以上であるか否かを判定する。
ここにいう「横方向速度Vlcが十分に大きい」とは、例えば、継続時間Tcrが短く、横方向速度Vlcの信頼性が低い場合でも、横方向速度Vlcが相対的に高いため、継続時間Tcrが十分継続することを待っていられないほど、横方向速度Vlcが大きいことを意味する。別の観点からすると、閾値THvlcは、例えば、歩行中又は走行中の歩行者102又は走行中の他車104であることが明らかな値(例えば、4〜20km/h)とすることができる。
横方向速度Vlcが十分大きくない場合(S15:NO)、ステップS16において、ECU44は、レーダ物標100r及びカメラ物標100cの横移動を検知できているか否かを判定する。換言すると、ECU44は、反射波Wr及び画像Imcで横移動を検知できているか否かを判定する。上記のように、レーダ物標100rの存在が認識できていたとしても、レーダ物標100rの横移動を検知できない場合があり、ステップS16では、このことを前提とした判定を行っている。
ステップS14、S15、S16のいずれかが「YES」であった場合、ステップS17において、ECU44は、算出モードMolpとしてMode 1を選択する。
ステップS13において「NO」であった場合又はステップS14、S15、S16のいずれもが「NO」であった場合、ステップS18において、ECU44は、算出モードMolpとしてMode 2を選択する。
(A2−2−5.進路オーバーラップ時間Tolpの算出)
(A2−2−5−1.全体的な流れ)
上記のように、本実施形態では、算出モードMolpを選択した上で、現在位置Ppre及び将来位置Pftrでの進路オーバーラップの有無に基づいて進路オーバーラップ時間Tolpを算出する(図2等)。
図8は、進路オーバーラップ時間Tolpを算出するフローチャート(図2のS6の詳細)である。図9は、進路オーバーラップ時間Tolpの算出方法の説明図である。
図8のステップS21において、ECU44は、現在位置Ppreでの進路オーバーラップの有無を判定する。具体的には、ECU44は、現在位置Ppreに基づくオーバーラップ量Dolp(図3及び図4)が、所定の閾値THdolp以上であれば、現在位置Ppreでの進路オーバーラップが有ると判定する。また、ECU44は、現在位置Ppreに基づくオーバーラップ量Dolpが、閾値THdolp未満であれば、現在位置Ppreでの進路オーバーラップがないと判定する。
ステップS22において、ECU44は、将来位置Pftrでの進路オーバーラップの有無を判定する。具体的には、ECU44は、将来位置Pftrに基づくオーバーラップ量Dolp(図5)が、所定の閾値THdolp以上であれば、将来位置Pftrでの進路オーバーラップが有ると判定する。また、ECU44は、将来位置Pftrに基づくオーバーラップ量Dolpが、閾値THdolp未満であれば、将来位置Pftrでの進路オーバーラップがないと判定する。なお、現在位置Ppreと将来位置Pftrとで閾値THdolpを変更してもよい。
ステップS23において、ECU44は、ステップS21、S22の判定結果に基づいて進路オーバーラップ時間Tolpを算出する。この際、ECU44は、図2のステップS5(図7)で選択した算出モードMolpを用いる。時間Tolpの算出方法の詳細は、図9を用いて説明する。
(A2−2−5−2.進路オーバーラップの有無と進路オーバーラップ時間Tolpの関係)
図9は、現在位置Ppre及び将来位置Pftrにおける進路オーバーラップの有無と進路オーバーラップ時間Tolpの加算又は減算との関係を算出モードMolp毎に示す図である。
現在位置Ppre及び将来位置Pftrの両方において進路オーバーラップがある場合、ECU44は、算出モードMolpにかかわらず、時間Tolpの前回値に所定値(ここでは1)を加算して時間Tolpを増加させる。なお、現在位置Ppre及び将来位置Pftrの両方において進路オーバーラップがある場合とは、対象物体100tarの横方向速度Vlt(又はカメラ物標100cの横方向速度Vlc)が相対的に低い状態を示している。
現在位置Ppre及び将来位置Pftrの両方において進路オーバーラップがない場合、ECU44は、算出モードMolpにかかわらず、時間Tolpの前回値から所定値(ここでは1)を減算して時間Tolpを減少させる。
現在位置Ppreにおいて進路オーバーラップがあり且つ将来位置Pftrにおいて進路オーバーラップがない場合、ECU44は、算出モードMolpにかかわらず、時間Tolpの前回値を保持して時間Tolpを変化させない。
現在位置Ppreにおいて進路オーバーラップがなく且つ将来位置Pftrにおいて進路オーバーラップがある場合、ECU44は、算出モードMolpに応じて、時間Tolpを算出する。
すなわち、算出モードMolpがMode 1である場合、ECU44は、時間Tolpの前回値に所定値(ここでは1)を加算して時間Tolpを増加させる。Mode 1は、横方向速度Vlcの信頼性が相対的に高いため、衝突可能性Pcが高くなると評価できるためである。
一方、算出モードMolpがMode 2である場合、ECU44は、時間Tolpの前回値を保持して時間Tolpを変化させない。Mode 2は、横方向速度Vlcの信頼性が相対的に低いため、衝突可能性Pcが高くなると評価できないためである。
なお、上記からもわかるように、時間Tolpは、現在位置Ppre及び将来位置Pftrにおける進路オーバーラップに共通して算出されるものである。換言すると、本実施形態では、現在位置Ppreに対応した時間Tolpと、将来位置Pftrに対応した時間Tolpを別々に設定する訳ではない。但し、現在位置Ppreに対応した時間Tolpと、将来位置Pftrに対応した時間Tolpを別々に設定し、重み付けした上で加算することも可能である。
また、1回の演算周期における時間Tolpの増加量は一定である。このため、例えば、現在位置Ppre及び将来位置Pftrの両方において進路オーバーラップがある場合でも、増加量が大きくなる訳ではない。但し、そのような増加量の変化を伴わせることも可能である。
さらに、ラップ量Dolpは、進路オーバーラップの有無を判定するために用いられ、1回の演算周期における時間Tolpの増加量に影響する訳ではない。換言すると、1回の演算周期における時間Tolpの増加量は、ラップ量Dolpの大小に影響を受けない。例えば、ラップ量Dolpが最大値であっても、増加量が大きくなる訳ではない。但し、そのような増加量の変化を伴わせることも可能である。
A3.本実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、周辺画像Imcに基づく第2物体100cの認識が継続している画像認識継続時間Tcrと、第1物体100r及び第2物体100cについての横方向速度Vlr、Vlc自体又は横方向速度Vlr、Vlcの算出の可否とに基づいて衝突可能性Pc又は運転支援を変更する(図2、図6〜図9)。
これにより、画像認識継続時間Tcrを用いることで、周辺画像Imcに基づく横方向位置又は横方向速度Vlcの信頼性を衝突可能性Pc又は運転支援に反映することが可能となる。加えて、第1物体100r及び第2物体100cについての横方向速度Vlr、Vlc自体又は横方向速度Vlr、Vlcの算出の可否を用いることで、レーダ40及びカメラ42の検出結果の信頼性をより正確に反映した運転支援を行うことが可能となる。
本実施形態において、対象物体情報処理部64(衝突可能性判定装置)は、対象物体100tarが車両10(移動物体)の進路106上に存在する時間である進路オーバーラップ時間Tolpを算出する進路オーバーラップ時間算出部72を備える(図1)。算出部72は、対象物体100tarの現在位置Ppre及び将来位置Pftrの両方又は将来位置Pftrのみが進路106上に存在する場合、進路オーバーラップ時間Tolpを加算する(図9)。算出部72は、継続時間Tcrに基づいて、又は第1物体100r及び第2物体100cについての横方向速度Vlr、Vlc自体若しくは横方向速度Vlr、Vlcの算出の可否に基づいて進路オーバーラップ時間Tolpを加算する条件を変更する(図6、図7及び図9)。
本実施形態によれば、第2物体100cの認識が継続している画像認識継続時間Tcr(又は周辺物体100の位置情報の取得が継続している位置情報取得継続時間)に基づいて、又は周辺物体100についての横方向速度Vlr、Vlc自体若しくは横方向速度Vlr、Vlcの算出の可否に基づいて進路オーバーラップ時間Tolpを加算する条件を変更する(図6、図7及び図9)。
これにより、継続時間Tcrを用いることで、画像認識(位置情報)の信頼性をオーバーラップ時間Tolpに反映することが可能となる。加えて、周辺物体100についての横方向速度Vlc自体又は横方向速度Vlcの算出の可否を用いることで、画像認識(位置情報)の信頼性をより正確に反映したオーバーラップ時間Tolpを算出することが可能となる。
本実施形態において、対象物体情報処理部64(衝突可能性判定装置)は、進路オーバーラップ時間Tolpに応じて衝突可能性Pcを判定する(図2のS7)。これにより、画像認識(位置情報)の信頼性を衝突可能性Pcに反映することが可能となる。
本実施形態において、車両10(移動物体)に対して運転支援を行うに当たり、物体認識装置12、VSAシステム14、EPSシステム16及びPUHシステム18(動作支援装置)は、進路オーバーラップ時間Tolpに応じて運転支援を変更する(図2のS8)。これにより、画像認識(位置情報)の信頼性を運転支援に反映することが可能となる。
本実施形態において、画像認識継続時間Tcrが継続時間閾値THtcr(時間閾値)を超えて継続して認識されている場合(図6のS14:YES)、進路オーバーラップ時間算出部72は、少なくとも対象物体100tarの将来位置Pftrが車両10の進路106上に存在すれば、進路オーバーラップ時間Tolpを加算する(図9)。これにより、画像認識(位置情報)の信頼性が高い状態において、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に反映することが可能となる。
本実施形態において、画像認識継続時間Tcrが継続時間閾値THtcr(時間閾値)を超えて継続して認識されていない場合(図6のS14:NO)、進路オーバーラップ時間算出部72は、カメラ物標100c(第2物体100c)の横方向速度Vlcが所定の速度閾値THvlc以上であり(S15:YES)且つ少なくとも対象物体100tarの将来位置Pftrが進路106上に存在すれば、進路オーバーラップ時間Tolpを加算する(図9)。これにより、横方向速度Vlcが比較的大きいという緊急度合いの高い状況において、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
本実施形態において、対象物体100tarの現在位置Ppre及び将来位置Pftrの両方が、車両10の進路106上に存在しない場合、進路オーバーラップ時間算出部72は、進路オーバーラップ時間Tolpを減算する(図9)。これにより、衝突可能性Pcが低い場合、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
本実施形態において、進路オーバーラップ時間算出部72は、対象物体100tarの現在位置Ppreが車両10の進路106上に存在し且つ対象物体100tarの将来位置Pftrが進路106上に存在しない場合、進路オーバーラップ時間Tolpの前回値を保持する(図9)。これにより、衝突可能性Pcが相対的に低い場合、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
本実施形態において、第1物体100r及び第2物体100cの両方の横方向移動が検出されている場合(図6のS16:YES)、進路オーバーラップ時間算出部72は、少なくとも対象物体100tarの将来位置Pftrが、車両10の進路106上に存在すれば、進路オーバーラップ時間Tolpを加算する(図9)。これにより、衝突可能性Pcが相対的に高い場合、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
本実施形態において、第1物体100rが認識され且つ第2物体100cが認識されていない場合(図6のS13:NO)、進路オーバーラップ時間算出部72は、対象物体100tarの現在位置Ppre及び将来位置Pftrの両方が、車両10の進路106上に存在すれば、進路オーバーラップ時間Tolpを加算する(図9)。これにより、第2物体100cが認識されていない場合でも、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
本実施形態において、第1物体100rが認識され且つ第2物体100cが認識されていない場合(図6のS13:NO)、進路オーバーラップ時間算出部72は、対象物体100tarの現在位置Ppre及び将来位置Pftrの一方のみが、車両10の進路106上に存在すれば、進路オーバーラップ時間Tolpの前回値を保持する(図9)。これにより、第2物体100cが認識されていない場合でも、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
第2物体100cの横方向移動が検出され且つ第1物体100rの横方向移動が検出されず(図6のS16:NO)、且つ第2物体100cの横方向速度Vlcが横方向速度閾値THvlc(速度閾値)を下回る場合(S15:NO)、進路オーバーラップ時間算出部72は、対象物体100tarの現在位置Ppre及び将来位置Pftrが、車両10の進路106上に存在すれば、進路オーバーラップ時間Tolpを加算する(図9)。これにより、第1物体100rの横方向移動が検出されない場合でも、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
本実施形態において、第2物体100cの横方向移動が検出され且つ第1物体100rの横方向移動が検出されず(図6のS16:NO)、且つ第2物体100cの横方向速度Vlcが横方向速度閾値THVlc(速度閾値)を下回る場合(S15:NO)、進路オーバーラップ時間算出部72は、対象物体100tarの現在位置Ppre及び将来位置Pftrの一方のみが、車両10の進路106上に存在すれば、進路オーバーラップ時間Tolpの前回値を保持する(図9)。これにより、第1物体100rの横方向移動が検出されない場合でも、進路オーバーラップ時間Tolpを適切に算出することが可能となる。
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
B1.適用対象
上記実施形態では、物体認識装置12を車両10に適用したが、これに限らず、別の対象に適用してもよい。例えば、物体認識装置12を船舶や航空機等の移動物体に用いることもできる。或いは、物体認識装置12を、ロボット、セキュリティ用監視装置又は家電製品に適用してもよい。また、物体認識装置12を車両10(移動物体)自体に搭載するのではなく、車両10の外部(例えば、光ビーコン等の路側装置)に配置してもよい。この場合、車両10と物体認識装置12の間で通信を行い、物体認識装置12の認識結果(衝突可能性Pc又は対象物体情報It)を車両10に送信することも可能である。
B2.物体認識装置12の構成
上記実施形態では、物体認識装置12の出力(衝突可能性Pc又は対象物体情報It)を、物体認識装置12、VSA ECU30、EPS ECU32及びPUH ECU34で用いたが(図2のS8)、それ以外の用途で用いることも可能である。例えば、車両10の駐車支援にも用いることができる。
上記実施形態では、ミリ波である送信波Wt及び反射波Wrを使用するレーダ40を用いたが、例えば、電磁波としての送信波Wtの反射波Wrを用いて第1物体100rの情報Irを取得する観点からすれば、レーザレーダ、超音波センサ等のセンサを用いることもできる。
上記実施形態では、レーダ40とカメラ42を組み合わせて用いた(図1)。しかしながら、例えば、画像認識継続時間Tcr(図6のS14)を用いる観点からすれば、カメラ42(画像Imc)のみを用いる構成にも本発明を適用可能である。反対に、継続時間Tcrと同様の指標をレーダ40(反射波Wr)についても設定することで、レーダ40(反射波Wr)のみを用いる構成にも本発明を適用してもよい。
B3.物体認識ECU44の制御
[B3−1.算出モードMolpの選択]
上記実施形態では、算出モードMolpの選択を、図6及び図7に示す方法により行った。しかしながら、算出モードMolpを選択する観点からすれば、これに限らない。例えば、第2物体100cの横方向速度Vlcの信頼性の観点からすれば、算出モードMolpを3種類以上に分類することも可能である。
上記実施形態では、第2物体100cの横方向速度Vlcを基準として算出モードMolpを算出したが、その他の方向についての第2物体100cの速度を用いることも可能である。また、第2物体100cの代わりに第1物体100rの横方向速度Vlr又はその他の速度を用いて算出モードMolpを選択することもできる。例えば、レーダ40は、カメラ42と比較して、前後方向の検出精度が高いことから、レーダ40については、第1物体100rの前後方向速度に基づいて算出モードMolpを選択してもよい。
[B3−2.進路オーバーラップ時間Tolpの算出]
上記実施形態では、時間Tolpの算出を、図8及び図9に示す方法により行った。しかしながら、時間Tolpを算出する観点からすれば、これに限らない。例えば、現在位置Ppre又は将来位置Pftrの一方のみを用いて時間Tolpを算出することも可能である。また、図9の一部を変更してオーバーラップ時間Tolpを算出することも可能である。
上記実施形態では、画像Imcの信頼度が高くなると認識した場合、時間Tolpに所定値(1)を加算し、信頼度が低くなると認識した場合、時間Tolpから所定値(1)を減算した(図9)。しかしながら、画像Imcの信頼度に応じて時間Tolpを変化させる観点からすれば、これに限らない。例えば、画像Imcの信頼度が高くなると認識した場合、時間Tolpに加算する所定値を−1とし、信頼度が低くなると認識した場合、時間Tolpから減算する所定値を−1としてもよい。
10…車両(移動物体、動作支援システム)
12…物体認識装置(動作支援装置)
14…VSAシステム(動作支援装置)
16…EPSシステム(動作支援装置)
18…PUHシステム(動作支援装置)
40…レーダ(位置情報取得装置)
42…カメラ(位置情報取得装置)
64…対象物体情報処理部(衝突可能性判定装置)
72…進路オーバーラップ時間算出部 100…周辺物体
100c…第2物体 100r…第1物体
100tar…対象物体 106…進路
Imc…周辺画像 Pc…衝突可能性
Sic…画像信号 Swr…反射波信号
Tcr…画像認識継続時間
THtcr…継続時間閾値(時間閾値)
THvlc…横方向速度閾値(速度閾値)
Tolp…進路オーバーラップ時間 Vlc…第2物体の横方向速度
Vlr…第1物体の横方向速度 Wr…反射波
Wt…送信波(電磁波)

Claims (14)

  1. 移動物体の周辺に存在する周辺物体に対して電磁波を出射し、前記周辺物体からの反射波に対応する反射波信号を出力するレーダと、
    前記周辺物体を含む周辺画像を撮像し、前記周辺画像に対応する画像信号を出力するカメラと、
    前記反射波信号に含まれる前記周辺物体を第1物体として認識し、前記画像信号に含まれる前記周辺物体を第2物体として認識し、前記第1物体及び前記第2物体をマッチングさせて対象物体として特定し、前記対象物体に対する前記移動物体の衝突可能性を判定する衝突可能性判定装置と、
    前記衝突可能性に応じて前記移動物体の動作支援を行う動作支援装置と
    を備える動作支援システムであって、
    前記動作支援システムの一部又は全部は前記移動物体内又は前記移動物体外に設けられ、
    前記第2物体の認識が継続している画像認識継続時間と、前記第1物体及び前記第2物体についての横方向速度自体又は前記横方向速度の算出の可否とに基づいて前記衝突可能性又は前記動作支援を変更する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  2. 請求項1記載の動作支援システムにおいて、
    前記衝突可能性判定装置は、前記対象物体が前記移動物体の進路上に存在する時間である進路オーバーラップ時間を算出する進路オーバーラップ時間算出部を備え、
    前記進路オーバーラップ時間算出部は、
    前記対象物体の現在位置又は将来位置の少なくとも一方が、前記移動物体の進路上に存在する場合、前記進路オーバーラップ時間を加算し、
    前記画像認識継続時間に基づいて、又は前記第1物体及び前記第2物体についての横方向速度自体若しくは前記横方向速度の算出の可否に基づいて前記進路オーバーラップ時間を加算する条件を変更する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  3. 請求項2記載の動作支援システムにおいて、
    前記衝突可能性判定装置は、前記進路オーバーラップ時間に応じて前記衝突可能性を判定する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  4. 請求項2又は3記載の動作支援システムにおいて、
    前記移動物体に対して動作支援を行うに当たり、前記動作支援装置は、前記進路オーバーラップ時間に応じて前記動作支援を変更する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記画像認識継続時間が所定の時間閾値を超えて継続して認識されている場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、少なくとも前記対象物体の将来位置が前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記画像認識継続時間が所定の時間閾値を超えて継続して認識されていない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記第2物体の横方向速度が所定の速度閾値以上であり且つ少なくとも前記対象物体の将来位置が前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  7. 請求項2〜6のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記対象物体の現在位置及び将来位置の両方が、前記移動物体の進路上に存在しない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記進路オーバーラップ時間を減算する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  8. 請求項2〜7のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置が前記移動物体の進路上に存在し且つ前記対象物体の将来位置が前記移動物体の進路上に存在しない場合、前記進路オーバーラップ時間の前回値を保持する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  9. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記第1物体及び前記第2物体の両方の横方向移動が検出されている場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、少なくとも前記対象物体の将来位置が、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  10. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記第1物体が認識され且つ前記第2物体が認識されていない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置の両方が、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  11. 請求項2〜9のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記第1物体が認識され且つ前記第2物体が認識されていない場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置の一方のみが、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間の前回値を保持する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  12. 請求項2〜11のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記第2物体の横方向移動が検出され且つ前記第1物体の横方向移動が検出されず、且つ前記第2物体の横方向速度が所定の速度閾値を下回る場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置が、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間を加算する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  13. 請求項2〜12のいずれか1項に記載の動作支援システムにおいて、
    前記第2物体の横方向移動が検出され且つ前記第1物体の横方向移動が検出されず、且つ前記第2物体の横方向速度が所定の速度閾値を下回る場合、前記進路オーバーラップ時間算出部は、前記対象物体の現在位置及び将来位置の一方のみが、前記移動物体の進路上に存在すれば、前記進路オーバーラップ時間の前回値を保持する
    ことを特徴とする動作支援システム。
  14. 移動物体の周辺に存在する周辺物体の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得装置と、
    前記位置情報に基づく前記周辺物体の現在位置又は将来位置が前記移動物体の進路上に存在する時間である進路オーバーラップ時間を算出する進路オーバーラップ時間算出部と
    を備える物体認識装置であって、
    前記周辺物体の現在位置又は将来位置の少なくとも一方が、前記移動物体の進路上に存在する場合、前記進路オーバーラップ時間を加算し、
    前記位置情報取得装置による前記周辺物体の位置情報の取得が継続している位置情報取得継続時間に基づいて、又は前記周辺物体についての速度自体若しくは前記速度の算出の可否に基づいて前記進路オーバーラップ時間を加算する条件を変更する
    ことを特徴とする物体認識装置。
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