JP2015219210A - 熱疲労試験方法及び試験片 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄板状の試験片を用いながら試験中の座屈の発生を抑制可能な熱疲労試験方法を提供すること。【解決手段】熱疲労試験方法であって、試験片(10)を準備する準備工程と、変位とひずみとの関係を取得する工程と、試験片(10)の誘導加熱及び冷却を行いながら試験片(10)へのひずみの作用を繰り返し行う繰り返し試験工程と、を備え、準備工程では、試験片(10)として、湾曲した頂部(12)及び頂部(12)の凸の向きと反対向きに凸となるように湾曲した一対の屈曲部(14)を有し、頂部(12)の曲率半径が各屈曲部(14)のそれよりも小さいものを準備し、繰り返し試験工程では、頂部(12)に対して誘導加熱と冷却とを行いながら、試験片(10)に生じる変位が特定のひずみに対応しかつ前記関係に基づいて求められた値となるように試験片(10)に対してひずみを作用させることを繰り返し行うとともに、繰り返し数を取得すること。【選択図】図1

Description

本発明は、薄板状の試験片の熱疲労試験方法に関するものである。
エキゾーストマニホールド等の温度変化の激しい環境下で用いられる部材(ステンレス鋼等)には、優れた熱疲労特性が求められる。この特性を評価するため、一般に、実部品と同じ材料からなる丸棒(円柱状の部材)を用いた熱疲労試験が行われる。具体的に、この試験では、円柱状の試験片に対して加熱と冷却を行いながら当該試験片の軸方向にひずみ(圧縮ひずみ及び引張ひずみ)を作用させることが繰り返し行われ、かつこのときに試験片に生じたひずみは伸び計により計測される。この試験の結果(ひずみと繰り返し数との関係)に基づいて、当該試験片の熱疲労特性が評価される。
この熱疲労特性は、より実部品に近い条件で行われた試験に基づいて評価されることが望ましい。例えば、エキゾーストマニホールドに用いられる部材の熱疲労特性は、円柱状の部材よりも薄板状の部材を用いた熱疲労試験の結果に基づいて評価される方が望ましい。
ここで、特許文献1には、薄板状の試験片を用いて熱疲労試験を行うことが開示されている。具体的に、特許文献1に記載の熱疲労試験方法では、薄板状の試験片に対して誘導加熱と冷却を行いながら、この試験片に対して当該試験片の厚さ方向と直交する方向に引張ひずみ及び圧縮ひずみを作用させることが繰り返し行われる。前記試験片は、引張ひずみ及び圧縮ひずみを加えることが可能な試験機に把持される一対の掴み部と、両掴み部の中央に形成された標点間部と、を有している。標点間部の幅方向(引張方向及び試験片の厚さ方向の双方と直交する方向)の寸法は、掴み部のそれよりも小さく形成されている。上記の試験方法では、前記標点間部に対して高周波誘導加熱による加熱と冷却エアーによる冷却が繰り返し行われる。また、試験中、前記標点間部に対して伸び計を押し当てることによって当該試験片に生じたひずみが測定されている。
特開2006−162472号公報
上記特許文献1に示される熱疲労試験方法では、試験中に座屈が生じるおそれがある。具体的に、温度上昇に伴って発生する磁気変態点を有する材料(フェライト系ステンレス鋼等)では、加熱及び冷却を繰り返す試験中にバルジング変形やネッキング変形を生じやすく、これに起因して座屈が生じやすい。また、加熱時に圧縮されると、試験片には大きな圧縮ひずみが作用するので、特に標点間部に座屈が生じやすい。試験中に座屈が生じると、試験の継続(正確な寿命の評価)ができなくなる。
本発明の目的は、薄板状の試験片を用いながら試験中の座屈の発生を抑制可能な熱疲労試験方法及び試験片を提供することである。
前記課題を解決する手段として、本発明は、熱疲労特性を評価するための熱疲労試験方法であって、金属からなる薄板状の試験片を準備する準備工程と、前記試験片に生じる変位とそのときのひずみとの関係を取得する関係取得工程と、誘導加熱コイルに交流電流を流すことによる前記試験片の誘導加熱及び前記試験片の冷却を行いながら前記試験片に対して当該試験片の厚さ方向と直交する荷重作用方向にひずみを作用させることを繰り返し行う繰り返し試験工程と、を備え、前記準備工程では、前記試験片として、前記厚さ方向に凸となるように湾曲した頂部及び前記荷重作用方向について前記頂部を挟む位置に形成されており前記頂部の凸の向きと反対向きに凸となるように湾曲した一対の屈曲部を有し、前記頂部の曲率半径が各屈曲部のそれよりも小さいものを準備し、前記繰り返し試験工程では、前記頂部に対して誘導加熱と冷却とを行いながら、前記試験片に生じる変位が特定のひずみに対応しかつ前記関係に基づいて求められた値となるように当該試験片に対して前記荷重作用方向に前記ひずみを作用させることを繰り返し行うとともに、前記頂部の性状が予め設定された停止基準に達したときの繰り返し数を取得する、熱疲労試験方法を提供する。
本発明では、予め湾曲しておりかつ相対的に高ひずみが生じる頂部を有する試験片が用いられ、しかもその頂部に対して加熱及び冷却を行いながら試験片にひずみを作用させることを繰り返すので、試験中の座屈の発生を抑制しつつ熱疲労特性の評価が可能な熱疲労試験を簡単に行うことができる。具体的に、試験片は、厚さ方向に凸となるように湾曲した頂部を有している。換言すれば、頂部には、繰り返し試験工程の前に既に座屈が生じているので、繰り返し試験工程において試験片に座屈が生じることが抑制される。しかも、頂部の曲率半径は、各屈曲部のそれよりも小さくなっているので、試験片に荷重が作用したときに頂部には相対的に高ひずみが生じる。よって、頂部に対する加熱及び冷却を行いながら試験片にひずみを作用させることを繰り返すことにより、試験中における座屈の発生を抑制しつつ効率よく熱疲労試験を行うことができる。
さらに、頂部が湾曲していることから、従来のように伸び計により頂部のひずみを直接測定すること(繰り返し試験工程でひずみ制御を行うこと)は困難であるものの、繰り返し試験工程では、試験片に生じる変位が特定のひずみに対応しておりかつ取得工程で取得された関係(変位とひずみとの関係)に基づいて求められた値となるように試験片にひずみを作用させることを繰り返し行う(変位制御を行う)ので、当該工程の繰り返し数を取得することにより、熱疲労特性の評価が可能なひずみと繰り返し数との関係を取得することができる。
この場合において、前記準備工程では、前記試験片として、前記繰り返し試験工程において撮像することが可能な追跡パターンが前記頂部に形成されたものを準備し、前記繰り返し試験工程では、前記頂部に対して誘導加熱と冷却とを行いながら前記試験片に対して前記特定のひずみと対応した変位となるように前記荷重作用方向に前記ひずみを作用させることを繰り返し行うとともに、前記繰り返し数を取得し、さらに前記追跡パターンを撮像して画像処理することにより当該頂部に生じるひずみを測定することが好ましい。
このようにすれば、高温となる繰り返し試験工程において非接触かつ高精度で試験片の頂部に生じるひずみを直接測定することが可能となる。
また、本発明は、金属からなる薄板状の試験片であって、熱疲労試験を行うための試験装置として、前記試験片を誘導加熱可能な誘導加熱コイルと、前記試験片を把持した状態において当該試験片の厚さ方向と直交する荷重作用方向にひずみを繰り返し作用させることが可能な試験機と、を備えるものに用いられる前記試験片において、前記厚さ方向に凸となるように湾曲するとともに前記誘導加熱コイルにより誘導加熱されることが可能な頂部と、前記荷重作用方向について前記頂部を挟む位置に形成されており前記頂部の凸の向きと反対向きに凸となるように湾曲した一対の屈曲部と、前記荷重作用方向について前記一対の屈曲部の外側に形成されており前記試験機に把持されることが可能な一対の被把持部と、を有し、前記頂部の曲率半径は、各屈曲部のそれよりも小さく設定されている、試験片を提供する。
本試験片は、予め湾曲しておりかつ相対的に高ひずみが生じる頂部を有するので、頂部に対する誘導加熱及び冷却を行いながら試験機により試験片にひずみを作用させることを繰り返すことにより、試験中における座屈を抑制しつつ効率よく熱疲労試験を行うことができる。具体的に、試験片は、厚さ方向に凸となるように湾曲した頂部を有している。換言すれば、頂部には、試験前に既に座屈が生じているので、試験中において試験片に座屈が生じること抑制される。しかも、頂部の曲率半径は、各屈曲部のそれよりも小さくなっているので、試験片に荷重が作用したときに頂部には相対的に高ひずみが生じる。よって、この試験片を用いることにより、試験中における座屈を抑制しつつ効率よく熱疲労試験を行うことができる。
以上のように、本発明によれば、薄板状の試験片を用いながら試験中の座屈の発生を抑制可能な熱疲労試験方法及び試験片を提供することができる。
本発明の一実施形態の熱疲労試験方法で用いられる試験片を加熱している状態を示す斜視図である。 図1に示す試験片の斜視図である。 図2に示す試験片の側面図である。 上記熱疲労試験方法で用いられる試験装置のブロック図である。 試験機の操作モード(タイプI及びタイプII)を説明するための図である。 タイプIでの試験方法を示す図である。 タイプIIでの試験方法を示す図である。 誘導加熱コイルの変形例の正面図である。 図8に示す誘導加熱コイルの斜視図である。 試験終了後における頂部の断面図である。
本発明の一実施形態の熱疲労試験方法について、以下、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の試験方法では、図1〜図3に示される金属からなる薄板状の試験片10が用いられる。この試験片10は、一方向に長い形状を有しており、その長手方向の中央を基準として対称な形状を有している。具体的に、試験片10は、頂部12と、一対の屈曲部14と、一対の被把持部16と、を有している。本実施形態では、試験片10は、ステンレス鋼により形成されている。
頂部12は、当該試験片10の厚さ方向(図3の上下方向)に凸となるように湾曲している。頂部12は、前記長手方向の中央に形成されている。
一対の屈曲部14は、前記長手方向について頂部12を挟む位置に形成されている。各屈曲部14は、頂部12の凸の向きと反対向きに凸となるように湾曲している。各屈曲部14の曲率半径は、頂部12の曲率半径よりも大きく設定されている。
被把持部16は、前記長手方向について一対の屈曲部14の外端部から外側に向かって延びる形状を有する。各被把持部16は、平板状であり、それぞれが同一面内に形成されている。
本実施形態では、頂部12の曲率半径は10mmに、各屈曲部14の曲率半径は30mmに、それぞれ設定されている。また、試験片10の幅方向(前記長手方向及び厚さ方向の双方に直交する方向)の寸法は、30mmに設定されている。なお、頂部12の曲率半径は、5mm〜20mmの間で設定されることが可能である。また、試験片10の幅方向の寸法は、20mm〜30mmの間で設定されることが可能である。
次に、試験片10を用いた熱疲労試験を実施するための試験装置について、図4を参照しながら説明する。この試験装置は、加熱部20と、試験機30と、画像処理部40と、を備えている。
加熱部20は、試験片10に巻かれることが可能な誘導加熱コイル22(図1を参照)を有している。この誘導加熱コイル22は、図1に示されるように、試験片10の頂部12の周囲に巻かれる。誘導加熱コイル22が頂部12の周囲に巻かれた状態で当該誘導加熱コイル22に交流電流が供給されることにより、頂部12が誘導加熱される。
試験機30は、一対の被把持部16を把持した状態で試験片10の長手方向(以下、「荷重作用方向」ともいう。)に沿ってひずみ(圧縮ひずみ及び引張ひずみ)を繰り返し作用させる。試験機30では、変位制御による操作及び荷重制御による操作の双方が可能である。変位制御による操作を行う場合、試験機30の変位は、加熱部20の加熱量(誘導加熱コイル22に供給する交流電流の電流値)と関連するように制御される。具体的に、図5に示されるように、試験機30は、加熱部20による頂部12の誘導加熱が行われるときに試験片10に圧縮荷重が作用する方向に当該試験片10を所定量だけ変位させる操作(タイプI)と、加熱部20による頂部12の誘導加熱が行われるときに試験片10に引張荷重が作用する方向に当該試験片10を所定量だけ変位させる操作(タイプII)と、を行うことが可能である。タイプIの操作では、試験片10に圧縮荷重が作用した際、頂部12の表面部(図5のA点)がIn phase(高温で引張ひずみが生じる部位)となり、裏面部(図5のB点)がOut of phase(高温で圧縮ひずみが生じる部位)となる。タイプIIの操作では、試験片10に引張荷重が作用した際、頂部12の表面部(図5のA点)がOut of phaseとなり、裏面部(図5のB点)がIn phaseとなる。このように、いずれのタイプの操作の場合においても、頂部12に生じるひずみは、その表面と裏面とで位相が逆転するので、1度の試験で2つのモード(In phase及びOut of phase)の解析(破面から優劣差の確認等)が可能となる。なお、図10は、試験終了後の頂部12の断面である。
画像処理部40は、頂部12に生じるひずみを画像相関法により測定する。具体的に、画像処理部40は、頂部12の表面(図3における上側の面)を撮像する撮像部(カメラ)と、頂部12の表面をハロゲン光等により照光する光源と、バンドパスフィルタと、色補正フィルタと、処理部と、を有している。
試験片10の表面には、試験中において撮像部により撮像されることが可能な処理が施されている。本実施形態では、試験片10の表面にセラミック系の耐熱塗料が塗布され、その表面にさらに酸化鉄系の黒色塗料が塗布されている。これにより、頂部12の表面には、撮像部が撮像可能な追跡パターンが形成される。
処理部は、撮像部により撮像された追跡パターンの変位に基づいて頂部12に生じたひずみを測定する。
次に、試験片10の熱疲労試験方法について説明する。
本試験では、誘導加熱コイル22に交流電流を流すことによる頂部12の誘導加熱及び冷却風等による頂部12の冷却を行いながら、試験機30によって試験片10に対して前記荷重作用方向にひずみを作用させることを繰り返し行う。
ところで、本試験方法で用いられる試験片10は、頂部12が湾曲していることから、従来のように伸び計により頂部12のひずみを直接測定すること(ひずみ制御を行うこと)が困難である。よって、上記の繰り返し試験を行う前に試験片10に生じる変位とそのときのひずみとの関係を取得しておき、試験片10の変位が特定のひずみに対応しかつ前記関係に基づいて求められた値となるように変位制御を行う。前記関係は、以下の(1)〜(3)の手順で求める。
(1)まず、その表面に追跡パターンが形成された試験片10を準備する。そして、頂部12の表面に塗布されている塗料のうち熱電対を取り付け可能な面積分だけ前記塗装を剥がし、そこに熱電対を取り付ける。なお、熱電対は、頂部12の表面における幅方向の中央に取り付けられる。そして、誘導加熱コイル22の内側に頂部12が位置するように試験片10を試験機30に取り付ける。なお、試験片10の取付位置は、予め調整されている。
(2)その後、室温において、1mm/min程度で試験片10を引張る、あるいは圧縮するとともに、そのときに生じるひずみを画像処理部40等により測定することにより、変位とひずみとの関係(第1の変位−ひずみ線図)を取得する。なお、このときのひずみは、頂部12の表面にひずみゲージを貼り付けることにより取得しても良い。
(3)続いて、試験機30の荷重を0kNに設定し、実際の試験時の温度範囲(T1〜T2)において頂部12の加熱及び冷却を5サイクル程度繰り返す。このときに試験片10に生じる変位を試験機30の出力から読み取ることにより変位と温度との関係(変位−温度線図)を取得するとともに、頂部12に生じるひずみを画像処理部40で求めることによりひずみと温度との関係(ひずみ−温度線図)を取得する。そして、これらの関係に基づいて、試験片10が自由熱膨張した際の変位と温度との関係(第2の変位−ひずみ線図)を取得する。
以上のようにして第1の変位−ひずみ線図及び第2の変位−ひずみ線図の取得が終了した後、上記の変位制御での繰り返し試験を行う。具体的に、繰り返し試験工程では、頂部12に対して誘導加熱と冷却とを行いながら、試験片10に生じる変位が所望の機械ひずみεmに対応する機械変位Smとなるように試験片10に対して前記荷重作用方向にひずみを作用させることを繰り返し行う。ここで、機械変位Smは、試験機30から受けるひずみに起因する試験片10の試験機変位Saから、試験片10の自由熱膨張に起因する当該試験片10の自由熱膨張変位Sthを引くことにより算出される。また、機械ひずみεmは、第1の変位−ひずみ線図において試験機変位Saに対応する試験機ひずみεaから、第2の変位−ひずみ線図において自由熱膨張変位Sthに対応する自由熱膨張ひずみεthを引くことにより算出される。すなわち、機械変位Smは、機械ひずみεmと第1の変位−ひずみ線図及び第2の変位−ひずみ線図とに基づいて算出される。
ここで、図6及び図7を参照しながら、タイプIの操作及びタイプIIの操作を説明する。これらの操作では、頂部12の温度がT1で自由熱膨張した状態を初期状態(試験機変位Sa=0)とする。この初期状態から、t1かけて頂部12の温度がT2となるように当該頂部12を誘導加熱コイル22で次第に誘導加熱しながら、頂部12の温度がT2のときに最大の試験機変位Saとなるように試験片10に与える変位(試験片10に作用させる荷重(タイプIの操作では圧縮荷重、タイプIIの操作では引張荷重))を次第に大きくする。その後、t2かけて頂部12の温度がT1となるように当該頂部12を冷却風等により次第に冷却しながら、頂部12の温度がT1のときに試験機変位Saがゼロとなるように試験片10に与える変位を次第に小さくする。このときの試験機変位Saは、所望の機械ひずみεmに対応する機械変位Smが得られるように前記関係から算出された値である。
また、繰り返し試験工程では、画像処理部40は、頂部12の表面に形成された追跡パターンを撮像して画像処理することにより、当該頂部12のひずみを計測する。
そして、頂部12の性状が予め設定された停止基準に達したときの繰り返し数Nfを取得する。これにより、熱疲労特性の評価が可能なひずみと繰り返し数Nfとの関係を取得することができる。なお、前記停止基準は、変位制御時の引張のピーク荷重が定常時のピーク荷重に対して25%低下したときである。ただし、前記ピーク荷重が25%低下する前に試験片10が破断した場合は、そのときの繰り返し数とする。
以上説明したように、本実施形態の熱疲労試験方法では、予め湾曲しておりかつ相対的に高ひずみが生じる頂部12を有する試験片10が用いられ、しかもその頂部12に対して加熱及び冷却を行いながら試験片10にひずみを作用させることを繰り返すので、試験中の座屈の発生を抑制しつつ熱疲労特性の評価が可能な熱疲労試験を簡単に行うことができる。具体的に、試験片10は、厚さ方向に凸となるように湾曲した頂部12を有している。換言すれば、頂部12には、繰り返し試験工程の前に既に座屈が生じているので、繰り返し試験工程において試験片10に座屈が生じることが抑制される。しかも、頂部12の曲率半径は、各屈曲部14のそれよりも小さくなっているので、試験片10に荷重が作用したときに頂部12には相対的に高ひずみが生じる。よって、頂部12に対する加熱及び冷却を行いながら試験片10にひずみを作用させることを繰り返すことにより、試験中における座屈の発生を抑制しつつ効率よく熱疲労試験を行うことができる。
さらに、頂部12が湾曲していることから、従来のように伸び計により頂部12のひずみを直接測定すること(繰り返し試験工程でひずみ制御を行うこと)は困難であるものの、繰り返し試験工程では、試験片10に生じる変位が所望の機械ひずみεmに対応しておりかつ当該工程の前に取得された関係(変位とひずみとの関係)に基づいて求められた機械変位Smとなるように試験片10にひずみを作用させることを繰り返し行う(機械変位Smが得られる試験機変位Saの条件で試験機30が変位制御を行う)ので、当該工程の繰り返し数Nfを取得することにより、熱疲労特性の評価が可能なひずみと繰り返し数Nfとの関係を取得することができる。
また、前記繰り返し試験工程では、前記追跡パターンを撮像して画像処理することにより頂部12に生じるひずみの測定をも行うので、高温となる繰り返し試験工程において非接触かつ高精度で頂部12に生じるひずみを直接測定することが可能となる。
なお、上記に示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態の繰り返し試験工程では、画像処理部40により頂部12のひずみが計測されたが、この操作は省略されてもよい。例えば、特定の材料からなる部材αの熱疲労特性が既知の場合、その部材α及び熱疲労特性が未知の材料からなる部材βについて、画像処理部40による測定を省略した状態で上記繰り返し試験を実施し、その結果から両部材の相対関係を求めることにより、部材βの熱疲労特性を相対評価することも可能である。
また、誘導加熱コイル22は、図8及び図9に示されるように、主巻部22aと、副巻部22bと、を有していてもよい。主巻部22aは、頂部12の周囲を全周にわたって巻回する部位である。副巻部22bは、頂部12の幅方向の両側に位置し、前記厚さ方向について被把持部16と頂部12との間の領域で巻回されている部位である。この誘導加熱コイル22を用いることにより、頂部12を全域にわたって均一に加熱することが可能となる。
10 試験片
12 頂部
14 屈曲部
16 被把持部
20 加熱部
22 誘導加熱コイル
30 試験機
40 画像処理部

Claims (3)

  1. 熱疲労特性を評価するための熱疲労試験方法であって、
    金属からなる薄板状の試験片を準備する準備工程と、
    前記試験片に生じる変位とそのときのひずみとの関係を取得する関係取得工程と、
    誘導加熱コイルに交流電流を流すことによる前記試験片の誘導加熱及び前記試験片の冷却を行いながら前記試験片に対して当該試験片の厚さ方向と直交する荷重作用方向にひずみを作用させることを繰り返し行う繰り返し試験工程と、を備え、
    前記準備工程では、前記試験片として、前記厚さ方向に凸となるように湾曲した頂部及び前記荷重作用方向について前記頂部を挟む位置に形成されており前記頂部の凸の向きと反対向きに凸となるように湾曲した一対の屈曲部を有し、前記頂部の曲率半径が各屈曲部のそれよりも小さいものを準備し、
    前記繰り返し試験工程では、前記頂部に対して誘導加熱と冷却とを行いながら、前記試験片に生じる変位が特定のひずみに対応しかつ前記関係に基づいて求められた値となるように当該試験片に対して前記荷重作用方向に前記ひずみを作用させることを繰り返し行うとともに、前記頂部の性状が予め設定された停止基準に達したときの繰り返し数を取得する、熱疲労試験方法。
  2. 請求項1に記載の熱疲労試験方法において、
    前記準備工程では、前記試験片として、前記繰り返し試験工程において撮像することが可能な追跡パターンが前記頂部に形成されたものを準備し、
    前記繰り返し試験工程では、前記頂部に対して誘導加熱と冷却とを行いながら前記試験片に対して前記特定のひずみと対応した変位となるように前記荷重作用方向に前記ひずみを作用させることを繰り返し行うとともに、前記繰り返し数を取得し、さらに前記追跡パターンを撮像して画像処理することにより当該頂部に生じるひずみを測定する、熱疲労試験方法。
  3. 金属からなる薄板状の試験片であって、熱疲労試験を行うための試験装置として、前記試験片を誘導加熱可能な誘導加熱コイルと、前記試験片を把持した状態において当該試験片の厚さ方向と直交する荷重作用方向にひずみを繰り返し作用させることが可能な試験機と、を備えるものに用いられる前記試験片において、
    前記厚さ方向に凸となるように湾曲するとともに前記誘導加熱コイルにより誘導加熱されることが可能な頂部と、
    前記荷重作用方向について前記頂部を挟む位置に形成されており前記頂部の凸の向きと反対向きに凸となるように湾曲した一対の屈曲部と、
    前記荷重作用方向について前記一対の屈曲部の外側に形成されており前記試験機に把持されることが可能な一対の被把持部と、を有し、
    前記頂部の曲率半径は、各屈曲部のそれよりも小さく設定されている、試験片。
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