JP2015219057A - レーダ装置、レーダ装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーダ装置は、フェーズドアレイ方式のレーダ装置であって、受信部が受信した受信信号の受信電力の受信強度を検出する検出部と、検出部が検出した受信強度に基づいて、送信部が送信する送信信号の振幅を制御する振幅制御値を生成し、生成した振幅制御値によって送信信号の振幅を制御する振幅制御部と、振幅制御部によって振幅が制御された送信信号を送信する送信部と、を備える。
【選択図】図3
Description
上述したように、フェーズドアレイレーダの受信アンテナ側の回路は、1W程度の受信電力に合わせた部品が用いられている。このため、障害物911によって反射された電波を受信アンテナ902が受信し、受信した受信電力を受信系に入力してしまうと、LNAや信号処理回路が飽和したり、LNAにダメージを与えてしまう場合もあるという課題があった。なお、受信系とは、受信アンテナ902が受信した受信信号が入力される系で有り、例えばLNA、信号処理回路を含んで構成される。また、LNAは、受信アンテナ902が受信した受信信号から雑音成分や外来の干渉成分を除去し、所望の信号を抽出する回路である。
図1は、本実施形態に係るレーダシステム1の概略構成図である。図2は、本実施形態に係るレーダシステム1の設置状態の一例を説明する図である。図1に示すように、レーダシステム1は、アンテナ装置2、信号処理・制御部3、データ送受信装置4、データ送受信装置7、信号処理・制御部8を備えている。
なお、本実施形態のレーダシステム1は、フェーズドアレイ方式のレーダ装置である。また、本実施形態のレーダシステム1は、例えば気象レーダ、船舶レーダ等である。
また、信号処理・制御部3は、図2のように、建物内に設置されている。また、信号処理・制御部3は、例えば、表示装置、コンピュータ、および記憶部を含んで構成されていてもよい。
図3は、本実施形態に係るアンテナ装置2の概略構成図である。図3に示すように、アンテナ装置2は、受信アンテナ201(受信部)、LNA202(受信部)、カプラ203、DET(検出部)204、コントローラ205(振幅制御部)、記憶部206、DAC(デジタル信号−アナログ信号変換部)207(振幅制御部、DC変換部)、TX208(送信部)、および送信アンテナ209(送信部)を備えている。
DET204は、カプラ203が出力した受信信号の受信強度を検出し、検出した受信強度を示す値をコントローラ205に出力する。
コントローラ205は、アンテナ装置2の運用を開始した後、信号処理・制御部3が出力した回転角度および仰角度に対応する振幅制御値を記憶部206から読み出し、読み出した振幅制御値をDAC207に出力する。
DAC207は、信号処理・制御部3が出力した送信信号を、デジタル信号からアナログ信号に変換する。また、DAC207は、変換の際、コントローラ205が出力した振幅制御値に応じて、送信信号の振幅を変更する。
送信アンテナ209は、TX208から供給された送信電力を発射する。なお、送信アンテナ209は、複数のアンテナがアレイ化されている。また、送信アンテナ209の送信ビームは、信号処理・制御部3が送信波の位相制御を行うことによって、仰角方向に対して走査が行われる。
図5は、本実施形態に係る振幅制御値を生成するために出力する送信電力を説明する図である。図5において、横軸は方位、縦軸は送信電力である。
図5において、波形401は、送信電力の電力値が、例えば1Wの送信電力の波形を示し、波形402は、送信電力の電力値が、例えば10Wの送信電力の波形を示し、波形403は、送信電力の電力値が、例えば100Wの送信電力の波形を示している。信号処理・制御部3は、振幅制御値を生成するために送信電力を送信アンテナ209から発射するとき、このような送信波が障害物で反射され、受信アンテナ201が受信した場合に、LNA202に入力される受信電力がLNA202の最大定格以下になるように送信電力を決定する。
図6に示すように、入力電力が0〜INP1の範囲では、出力電力が0〜OPTP1まで直線的に増加していく線形利得領域である。一方、入力電力がINP1以上の範囲は、出力電力が線形に増加しない非線形領域(飽和領域ともいう)である。例えば、入力電力がINP2のとき、LNA202が飽和していない場合の出力電力はOUTP3である。しかしながら、入力電力がINPT2のとき、LNA202は飽和領域であるため、実際の出力電力は、OUTP2である。この出力電力OUTP2は、OUTP3に対して、約1dB(デシベル)下がった、すなわち1dB分圧縮されたことを示している。
このような非線形領域でLNA202を用いた場合、LNA202から出力される信号に歪みが生じる。歪みが発生すると、信号処理で行われるパルス圧縮の誤差を生じ、この誤差によって復調信号に乱れが生じる。
このため、コントローラ205が、このようなLNA202の線形利得領域を記憶部206に予め記憶させておく。そして、コントローラ205は、振幅制御値を生成する際、記憶部206に記憶されている線形利得領域で動作するように振幅制御値を生成するようにしてもよい。これにより、本実施形態のアンテナ装置2では、線形利得領域で動作させることができるため、復調時の復調信号の乱れを低減する効果も得られる。
図7(a)に示すように、障害物301は、方位がθ1〜θ2の範囲、距離がr1の位置にある。また、障害物302は、方位がθ3〜θ4の範囲、距離がr2の位置にある。ここで、距離r2は、距離r1より長い。さらに、障害物303は、方位がθ5〜θ6の範囲、距離がr3の位置にある。ここで、距離r3は、距離r1およびr2より長い。
方位がθ1〜θ2の範囲において、受信電力の最大値は、Rp1である。また、方位がθ3〜θ4の範囲において、受信電力の最大値は、Rp2である。さらに、方位がθ5〜θ6の範囲において、受信電力の最大値は、Rp3である。
方位が0度〜θ1の範囲、θ2〜θ3の範囲、θ4〜θ5の範囲、およびθ6〜360度の範囲には障害物301〜303による受信電力がDET204によって検出されない。このため、これらの方位の範囲において、コントローラ205は、振幅制御値として1.0を生成する。
方位がθ3〜θ4の範囲において、図7(b)に示したように受信電力の最大値がRp2を有する。このため、コントローラ205は、この受信電力の最大値Rp2に基づいて、振幅制御値として0.5を生成する。
方位がθ5〜θ6の範囲において、図7(b)に示したように受信電力の最大値がRp3を有する。このため、コントローラ205は、この受信電力の最大値Rp3に基づいて、振幅制御値として0.7を生成する。
なお、コントローラ205は、受信電力の最大値ではなく、受信電力の波形311の平均値に基づいて振幅制御値を生成するようにしてもよい。
例えば、運用の開始前に、送信アンテナ209から送信する送信電力が1Wの場合、障害物がアンテナ装置2の周辺に存在せず、雨等の粒で反射した受信波の受信電力の最大値がRpSであるとする。コントローラ205は、この受信電力の最大値RpSを、記憶部206に予め記憶させておく。この受信電力の最大値RpSは、実測値であっても、理論値であってもよい。そして、DET204が検出した受信強度を示す値がRp1(図7(b))であった場合、コントローラ205は、記憶部206に記憶されている受信電力の最大値RpSを読み出し、読み出した受信電力の最大値RpSを、入力された受信強度を示す値Rp1で割ることで、振幅制御値を生成する。
一例として、受信電力の最大値RpSが0.1Wである場合、受信強度を示す値Rp1が0.1Wのとき、振幅制御値は1.0である。また、障害物があり、受信強度を示す値Rp1が0.5Wのとき、振幅制御値は約0.2である。
図8は、本実施形態に係る振幅制御値を用いてDAC207が振幅を制御しない場合と制御する場合の一例を説明する図である。図8において、横軸は方位、縦軸は受信電力である。
方位がθ1〜θ2の範囲において、従来のようにDAC207が振幅の制御を行わない場合は、波形311に示す図のように、送信電力の最大値は500W(=Rp1)である。一方、本実施形態では、振幅制御値が0.2のため、DAC207は、振幅の制御を行う。この結果、送信電力は100W(=500W×0.2)である。このため、方位がθ1〜θ2の範囲において、受信アンテナ201が受信する受信電力は、図8の波形321に示す図ように、受信電力の最大値がRp1からRp1×0.2に下がる。
方位がθ5〜θ6の範囲において、従来のようにDAC207が振幅の制御を行わない場合は、波形313に示す図のように、送信電力の最大値はRp3である。一方、本実施形態では、DAC207が振幅の制御を行うため、図8の波形323に示す図ように、受信電力の最大値がRp3からRp3×0.7に下がる。
このように、本実施形態のアンテナ装置2は、例えば方位方向毎に生成した振幅制御値に応じて、コントローラ205が生成した振幅制御値に応じてDAC207が送信信号の振幅を制御するので、受信部であるLNA202に過大な受信電力が入力されることを防ぐことができる。なお、上述した例では、送信信号の振幅をDAC207が、振幅制御値に応じて振幅を制御する例を説明したが、コントローラ205が、DAC207を制御することで、送信信号の振幅を制御するようにしてもよい。
また、本実施形態に係るアンテナ装置2において、振幅制御部(コントローラ205、DAC207)は、自装置の方位方向および仰角方向の少なくとも一方の方位の複数の角度毎に、振幅制御値を生成し、生成した振幅制御値を角度毎に記憶させ、記憶させた角度毎の振幅制御値によって送信信号の振幅を制御する。
障害物は、人、車両、船舶等の一時的なものである場合もあり、または、記憶部206に記憶させた後に、新たに建設された建築物の場合もある。例えば、コントローラ205は、運用を開始する前に測定したDET204が出力した受信強度を示す値を、記憶部206に記憶させておいてもよい。そして、信号処理・制御部3は、所定の期間毎、例えば1月に一回、運用を開始する前と同様に、低い送信電力を送信するようにアンテナ装置2を制御する。そして、コントローラ205は、取得した受信強度を示す値が、記憶部206に記憶されている値と所定の値以上、変化していると判別された場合、記憶部206に記憶されている情報を書き換えて更新するようにしてもよい。この場合、例えば、コントローラ205は、方位方向に数回、アンテナ装置2が回転させられたとき、同じ方位方向の受信強度を示す値を複数回、取得するようにしてもよい。これにより、コントローラ205は、人や車等によって受信強度を示す値が一時的に変化したのか、新たに建築された建築物や周囲にある樹が成長したことによって受信強度を示す値が変化したのかを判別するようにしてもよい。
あるいは、コントローラ205は、DET204が出力した受信強度を示す値を用いて、リアルタイムに送信信号の振幅を制御するようにしてもよい。このように、リアルタイムで制御する場合、信号処理・制御部3が行う方位方向へのアンテナ装置2の回転制御は、例えば1度単位等、細かいことが望ましい。
また、本実施形態では、アンテナ装置2を方位方向および仰角方向に回転、またはビームを走査させる場合を例に説明したが、探査する目的や対象物によって、方位方向または仰角方向のどちらか一方のみにアンテナ装置2を回転、またはビームを走査するようにしてもよい。
また、本実施形態では、コントローラ205が生成した振幅制御値に応じて、DAC207が振幅を制御することで、送信電力を制限する例を説明したが、これに限られない。例えば、コントローラ205は、DAC207に入力される送信信号、または出力する送信信号のデータに対して、信号レベルを変更するようにしてもよい。あるいは、DAC207とTX208との間に、アッテネータまたはVGA(可変ゲインアンプ)を設け、コントローラ205は、アッテネータの減衰量またはVGAの増幅量を制御することで、送信電力の振幅を制御するようにしてもよい。なお、このように、アッテネータまたはVGAを制御する場合かつ送信波がパルス信号の場合、コントローラ205は、送信を行っている時間のみ、これらの制御を行うようにしてもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (5)
- フェーズドアレイ方式のレーダ装置であって、
受信部が受信した受信信号の受信電力の受信強度を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記受信強度に基づいて、送信部が送信する送信信号の振幅を制御する振幅制御値を生成し、生成した前記振幅制御値によって前記送信信号の振幅を制御する振幅制御部と、
前記振幅制御部によって振幅が制御された前記送信信号を送信する前記送信部と、
を備えるレーダ装置。 - 前記振幅制御部は、
自装置の方位方向および仰角方向の少なくとも一方の方位の複数の角度毎に、前記振幅制御値を生成し、生成した前記振幅制御値を角度毎に記憶させ、
記憶させた前記角度毎の前記振幅制御値によって前記送信信号の振幅を制御する請求項1に記載のレーダ装置。 - 前記送信部は、
前記送信信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するDA(デジタル信号−アナログ信号)変換部、前記送信信号の振幅を変更するアッテネータ、および前記送信信号の振幅を変更する可変ゲインアンプの少なくとも1つを備え、
前記振幅制御部は、
前記DA変換部、前記アッテネータ、および前記可変ゲインアンプのうち少なくとも1つを前記振幅制御値によって前記送信信号の振幅を制御する請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のレーダ装置。 - 前記振幅制御部は、
前記送信信号を送信する期間に、前記振幅制御値によって前記送信信号の振幅を制御する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレーダ装置。 - フェーズドアレイ方式のレーダ装置の制御方法であって、
検出部が、受信部が受信した受信信号の受信電力の受信強度を検出する検出手順と、
振幅制御部が、前記検出手順によって検出された前記受信強度に基づいて、送信部が送信する送信信号の振幅を制御する振幅制御値を生成し、生成した前記振幅制御値によって前記送信信号の振幅を制御する振幅制御手順と、
前記送信部が、前記振幅制御手順によって振幅が制御された前記送信信号を送信する送信手順と、
を含むレーダ装置の制御方法。
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