JP2015217896A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が複数回にわたり障害物と衝突する状況において、乗員にとって致命的な衝突が発生するときを優先してエアバッグを展開可能な車両制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の車両制御装置は、自車両と車外の障害物との衝突を検知する衝突検知センサと、自車両の乗員を保護するために車室内に展開するエアバッグと、衝突検知センサが検知した衝突の大きさがエアバッグの作動条件を満たす場合に当該エアバッグを展開させるエアバッグ制御手段と、自車両と障害物との衝突を推定する衝突推定手段と、第1の衝突に続く第2の衝突が推定される場合において、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいときは、第1の衝突時におけるエアバッグの作動条件を、第2の衝突が推定されない場合の条件と比較して満たしにくい条件に変更する作動条件変更手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
従来、衝突時にエアバッグを展開する技術が報告されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、乗員がシートベルトを装着していない場合には、衝突後の自動ブレーキにおける減速度を抑制し、乗員が慣性力により前方に移動することを防止することで、車両に衝突が発生した際に前突用エアバッグが展開して乗員に大きな衝撃を加えるというトラブルの発生を回避している。
特開2012−232619号公報
ところで、車両が複数回にわたり障害物と衝突する状況においては、エアバッグ等の安全装備は致命的な衝突に対して作動すべきであるが、従来技術では、軽度な一次衝突時であってもエアバッグの作動条件を満たした場合にはエアバッグが作動してしまい、この一次衝突後に致命的な二次衝突が発生したときにはエアバッグが作動しない状況が発生してしまうことがある。
例えば、図1に示すように、一次衝突で自車両の左側に存在する塀と一次衝突し、これに続いて自車両の前方に存在する停車車両に二次衝突する状況を想定する。図1に示すような状況では、自車両の側面で塀とぶつかる一次衝突の衝突ダメージと比べて、自車両の正面で停車車両とぶつかる二次衝突の衝突ダメージの方が大きいと予測される。このような状況では、軽度な一次衝突時ではエアバッグを展開させずに、致命的な二次衝突時にエアバッグが展開されることが望ましい。しかしながら、図1に示すような状況において、従来技術では、塀に一次衝突した際にエアバッグを展開してしまうため、衝突時のダメージが塀との一次衝突時よりも大きくなる停車車両との二次衝突時には、エアバッグを展開できない状況が発生してしまう。
このように、従来技術においては、一次衝突時にエアバッグが展開された場合は、二次衝突時にエアバッグを展開することができなくなるため、一次衝突よりも二次衝突による衝撃の方が大きい場合には、二次衝突時による大きい衝撃からエアバッグにより乗員を保護することができなくなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、車両が複数回にわたり障害物と衝突する状況において、乗員にとって致命的な衝突が発生するときを優先してエアバッグを展開可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両制御装置は、自車両と車外の障害物との衝突を検知する衝突検知センサと、前記自車両の乗員を保護するために車室内に展開するエアバッグと、前記衝突検知センサが検知した衝突の大きさが前記エアバッグの作動条件を満たす場合に当該エアバッグを展開させるエアバッグ制御手段と、前記自車両と前記障害物との衝突を予測する衝突推定手段と、前記衝突推定手段により第1の衝突に続く第2の衝突が推定される場合において、前記第1の衝突の大きさが前記第2の衝突の大きさよりも小さいときは、前記第1の衝突時における前記エアバッグの作動条件を、前記第2の衝突が推定されない場合の条件と比較して満たしにくい条件に変更する作動条件変更手段と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる車両制御装置は、一次衝突の大きさが二次衝突の大きさよりも小さい場合には、一次衝突時のエアバッグの作動条件を初期条件よりも厳しい条件に変更することができる。そのため、本発明にかかる車両制御装置によれば、車両が複数回にわたり障害物と衝突する状況において、乗員にとって致命的な衝突(例えば、二次衝突)が発生するときを優先してエアバッグを展開することができる。その結果、本発明にかかる車両制御装置によれば、一次衝突よりも二次衝突による衝撃の方が大きい場合は、二次衝突時による大きい衝撃からエアバッグによって乗員を保護することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の課題が発生する状況の一例を示す図である。 図2は、本実施形態に係る車両制御装置の構成を示す図である。 図3は、自車両の一次衝突後の運動計算の一例を示す図である。 図4は、衝突ダメージの計算の一例を示す図である。 図5は、本実施形態に係る車両制御装置による条件変更処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、本実施形態に係る車両制御装置による条件変更処理の別の一例を示すフローチャートである。 図7は、本実施形態に係る車両制御装置によるエアバッグ展開処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、3回連続して障害物と衝突する状況の一例を示す図である。 図9は、異なる種類の障害物と衝突する状況の一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる車両制御装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図2乃至図4を参照して、本発明に係る車両制御装置の構成について説明する。ここで、図2は、本実施形態に係る車両制御装置の構成を示す図である。図3は、自車両の一次衝突後の運動計算の一例を示す図である。図4は、衝突ダメージの計算の一例を示す図である。
本実施形態における車両制御装置は、車両(自車両)に搭載され、典型的には、図2に示すように、ECU1と、衝突検知センサ2と、車速センサ3と、周辺監視センサ4と、エアバッグ5と、ブレーキアクチュエータ6と、ステアリングアクチュエータ7と、を備える。
図2において、ECU1は、車両の各部の駆動を制御するものであり、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子制御ユニットである。ECU1は、衝突検知センサ2と、車速センサ3と、周辺監視センサ4と電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。そして、ECU1は、検出結果に対応した電気信号に応じて各種演算処理を行い、演算結果に対応した制御指令を出力することで、ECU1と電気的に接続された各種機構(エアバッグ5、ブレーキアクチュエータ6、ステアリングアクチュエータ7等)の作動を制御する。なお、ECU1が備える各種処理部(衝突検出部1a、衝突ダメージ計測部1b、衝突推定部1c、衝突ダメージ推定部1d、衝突ダメージ比較部1e、作動条件変更部1f、エアバッグ制御部1g、制動制御部1h、操舵制御部1i等)の詳細については後述する。
衝突検知センサ2は、車外の障害物との衝突を検知する対物衝突検知センサである。衝突検知センサ2は、例えば、加速度センサ、圧力センサ又は光ファイバセンサ等により構成される。車外の障害物は、例えば、他車両、電柱、障害物、ガードレール、塀や壁面等を含む。衝突検知センサ2は、検知した衝突の大きさを示す電気信号をECU1へ出力する。本実施形態において、衝突検知センサ2は、乗員保護用のエアバッグ5を展開させる契機となる衝突を検知するためのセンサである。
車速センサ3は、車輪毎に設けられ、夫々の車輪速度を検出する車輪速度検出装置である 。各車速センサ3は、各車輪の回転速度である車輪速度を検出する。各車速センサ3は、検出した各車輪の車輪速度を示す電気信号をECU1へ出力する。ECU1は、各車速センサ3から入力される各車輪の車輪速度に基づいて、車両の走行速度である車速を算出する。ECU1は、各車速センサ3のうち少なくとも1つから入力される車輪速度に基づいて車速を算出してもよい。なお、ECU1は、車速センサ3から入力される車輪速度に対応する信号に基づいて車速を算出する他、自車両に搭載されたGPS等の位置検出装置(図示せず)から入力される自車位置情報の時間変化から車速を算出してもよい。
周辺監視センサ4は、車両の周囲の物体を検出することで、白線検出や物標検出を行う周辺監視装置である。周辺監視センサ4は、白線検出として、車両が走行する走行路に設けられた白線を検出する。また、周辺監視センサ4は、物標検出として、例えば、車両の周囲の歩行者、自転車、他車両、電柱、障害物、ガードレール、壁面等の立体物体を検出する。周辺監視センサ4は、例えば、ミリ波レーダセンサやカメラセンサやクリアランスソナーセンサ等から構成される。周辺監視センサ4は、白線検出に基づいた白線情報や物標検出に基づいた物標情報を示す電気信号をECU1へ出力する。
エアバッグ5は、車外の障害物との衝突時に車両の乗員を保護するために車室内に展開する乗員保護用のエアバッグである。例えば、エアバッグ5は、車両のハンドル付近に設置された乗員の前面を保護するためのフロントエアバッグと、車両のドア付近に設置された乗員の側面を保護するためのサイドエアバッグとを含んで構成される。エアバッグ5は、衝突検知センサ2が検知した衝突の大きさが、エアバッグ5の作動条件を満たす場合に展開される。本実施形態において、エアバッグの作動条件は、初期条件として、衝突の大きさが第1の閾値以上となったときにエアバッグ5を展開させるように設定されている。第1の閾値は、例えば車両側のFrボデー周辺部品に明らかな塑性変更が残る程度の衝突の大きさに設定される。また、エアバッグ5の作動条件は、後述の作動条件変更部1fにより、第1の閾値を増加させた第2の閾値以上となったときにエアバッグ5を展開させるように設定されることもある。
ブレーキアクチュエータ6は、ECU1から入力される制御指令に応じてブレーキを作動させて車両を減速させる減速装置である。ここで、当該ブレーキは、典型的には、電子制御式ブレーキ装置であるが、車両の車輪に制動力を発生させるものであればよく、例えば、パーキングブレーキやエンジンブレーキによって車両の車輪に制動力を発生させる装置を含んでもよい。ブレーキアクチュエータ6は、運転者によるブレーキ操作に応じてブレーキを作動させたり、自動ブレーキ制御を行う際にブレーキを作動させたりする。自動ブレーキ制御は、例えばエアバッグ5の展開時に車両が減速して停止するようにブレーキを自動で作動させる制御である。
ステアリングアクチュエータ7は、ECU1から入力される制御指令に応じて電動パワーステアリング等の操舵機構を作動させて車両を操舵する操舵装置である。ステアリングアクチュエータ7は、運転者によるハンドル操作に応じて操舵機構を作動させたり、自車両が自車線から逸脱しないように自動操舵制御を行う際に操舵機構を作動させたりする。自動操舵制御は、周辺監視センサ4による白線検出結果を示す白線情報を用いて走行路に設けられた白線に沿って車両が走行するように操舵機構を自動で作動させる制御である。
ECU1の説明に戻り、当該ECU1が備える各種処理部の詳細について説明する。ECU1は、衝突検出部1aと、衝突ダメージ計測部1bと、衝突推定部1cと、衝突ダメージ推定部1dと、衝突ダメージ比較部1eと、作動条件変更部1fと、エアバッグ制御部1gと、制動制御部1hと、操舵制御部1iと、を少なくとも備える。
衝突検出部1aは、衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号を受信した場合に、自車両が車外の障害物と衝突したことを検出する衝突検出手段である。本実施形態において、衝突検出部1aは、例えば、第1の衝突としての一次衝突や、第2の衝突としての二次衝突が生じたことを検出する。この他、衝突検出部1aは、例えば、第1の衝突として二次衝突が生じたことを検出し、第2の衝突として三次衝突が生じたことを検出してもよい。
衝突ダメージ計測部1bは、衝突検出部1aにより自車両が車外の障害物と衝突したことが検出された際に、当該衝突の大きさを、衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号に基づいて計測する衝突ダメージ計測手段である。本実施形態において、衝突ダメージ計測部1bは、例えば、第1の衝突として一次衝突が検出された際に、当該一次衝突の大きさを計測し、第2の衝突として二次衝突が検出された際に、当該二次衝突の大きさを計測する。この他、衝突ダメージ計測部1bは、例えば、第1の衝突として二次衝突が検出された際に、当該二次衝突の大きさを計測し、第2の衝突として三次衝突が検出された際に、当該三次衝突の大きさを計測してもよい。
衝突推定部1cは、周辺監視センサ4から入力される物標情報を示す電気信号や、車速センサ3から入力される車輪速度を示す電気信号に基づいて、自車両と車外の障害物との衝突を推定する衝突推定手段である。例えば、衝突推定部1cは、自車両の車速、障害物との相対速度や位置関係などの物理量から、衝突対象に到達するまでの時間などを計算することで衝突の可能性を示す衝突確率を算出し、算出した衝突確率が所定閾値以上である場合に、当該衝突が生じると推定する。本実施形態において、衝突推定部1cは、例えば、第1の衝突として一次衝突が生じることを推定し、また第1の衝突に続く第2衝突として二次衝突が生じることも推定する。この他、衝突推定部1cは、例えば、第1の衝突として二次衝突が生じることを推定し、また第1の衝突に続く第2衝突として三次衝突が生じることを推定してもよい。
ここで、衝突推定部1cによる二次衝突可能性の計算方法の一例について説明する。二次衝突可能性の計算において、入力は、例えば、自車両の車速、障害物との相対速度や位置関係などの物理量となり、出力は、衝突確率となる。二次衝突可能性を計算するためには、自車両の一次衝突後の運動計算と、二次衝突する障害物の運動予測が必要となる。まず、自車両の一次衝突後の運動計算の一例について説明し、次に二次衝突する障害物の運動予測の一例について説明する。
自車両の一次衝突後の運動計算の一例として、図3を参照して、計算例1〜3について説明する。図3では、自車両が左側に存在する塀に一次衝突する状況を想定している。図3(a)では、車両を質点として衝突を弾性衝突と仮定した場合の計算例1を示す。この計算例1では自車両は一次衝突時にボールが弾むように運動すると仮定するため、衝突点における自車両の進行方向と塀の延在方向とがなす入射角は、反射角と同じになる。この図3(a)に示す計算例1は、最も容易であるため計算負荷が少なく計算時間が短くなるものの精度は低くなる。図3(b)では、自車両が一次衝突時に壊れて塀が衝撃を吸収することを表現するために、非弾性衝突を仮定した場合の計算例2を示す。この計算例2では、車両は一次衝突時にボールが弾むように運動すると仮定するが、計算例1とは異なり、塀では弾性衝突ではなく非弾性衝突が生じると仮定するので、衝突点における入射角は反射角よりも大きくなる。この図3(b)に示す計算例2は、図3(a)に示す計算例1よりも精度が高い。図3(c)では、車両を質点として扱わずに、車両モデルを導入した計算例3を示す。この計算例3では、一次衝突によって減速されることや、一次衝突前にプレクラッシュセーフィティ(PCS)等の安全制御が動作することも考慮する。この図3(c)に示す計算例3が、最も精度が高くなるが計算負荷が多くなるため計算時間が長くなる。衝突推定部1cは、自車両の一次衝突後の運動計算を行う際、上記計算例1〜3のいずれか一つを選択して利用してもよいし、計算時間を短くするために荒い計算手法からより詳細な計算手法を行う手順で計算を行ってもよい。
また、二次衝突する障害物の運動予測の一例として、計算例1〜4について説明する。二次衝突する障害物の運動予測においては、障害物が車両や人などの移動物である時にはその運動を予測する必要がある。この移動物の運動を予測する計算方法としては、以下のようなものが考えられる。例えば、計算例1では、移動物が等速直線運動すると仮定する。この計算例1は、最も容易であり計算負荷が少なく計算時間も短くなる一方精度が低くなる。計算例2では、移動物が道に沿った等速運動すると仮定する。この計算例2は、道情報がある場合に採用可能である。計算例3では、移動物の運動をカルマンフィルタなどを用いて予測する。この計算例3は、カルマンフィルタに限らず種々のフィルタを用いて、移動物の運動を予測してもよい。計算例4では、例えば車両は曲がりにくく減速しにくいが、人が曲がりやすく止まりやすいといった障害物の運動性能に従って減速度を仮定して、移動物の運動を予測する。この計算例4は、障害物を識別できる場合に採用可能である。衝突推定部1cは、二次衝突する障害物の運動予測を行う際、上記計算例1〜4のいずれか一つを選択して利用してもよいし、計算時間を短くするために荒い計算手法からより詳細な計算手法を行う手順で計算を行ってもよい。
衝突推定部1cは、上述のように自車両の一次衝突後の運動計算と二次衝突する障害物の運動予測とを行って、二次衝突可能性を示す二次衝突確率を算出し、算出した二次衝突確率が所定閾値以上である場合に、当該二次衝突が生じると推定する。
図2に戻り、衝突ダメージ推定部1dは、衝突推定部1cにより自車両と車外の障害物との衝突が推定された場合、この推定結果に基づいて、当該衝突の大きさを衝突ダメージとして推定する衝突ダメージ推定手段である。本実施形態において、衝突ダメージ推定部1dは、第1の衝突として一次衝突が推定された場合、この一次衝突の大きさを推定し、また第2の衝突として二次衝突が推定された場合、この二次衝突の大きさを推定する。この他、衝突ダメージ推定部1dは、例えば、第1の衝突として二次衝突が推定された場合、この二次衝突の大きさを推定し、また第2の衝突として三次衝突が推定された場合、この三次衝突の大きさを推定してもよい。
衝突ダメージ推定部1dにより衝突ダメージ計算の一例を、図4を参照して説明する。衝突ダメージ推定部1dは、例えば、図4に示すように、衝突する対象との垂直方向の速度成分(図4において、(1)及び(2)が示すベクトル)をパラメータとして、衝突の大きさを推定する。図4では、上述の図1と同様に、一次衝突で自車両の左側に存在する塀と一次衝突し、これに続いて自車両の前方に存在する停車車両に二次衝突する状況を想定している。一次衝突時の衝突の大きさは、図4の(1)が示すベクトルとなり、二次衝突時の衝突の大きさは図4の(2)が示すベクトルとなる。両者を比較すると二次衝突時の衝突の大きさを示すベクトル(2)の方が、一次衝突時の衝突の大きさを示すベクトル(1)よりも長いため、衝突の大きさは二次衝突時の方が大きいと推定される。また、衝突ダメージ推定部1dは、運動エネルギーが速度の二乗に比例することを利用し、衝突の大きさを速度の二乗で計算してもよいし、衝突時の速度や加速度などを利用してもよい。
図2に戻り、衝突ダメージ比較部1eは、衝突ダメージ計測部1bにより計測した衝突の大きさ及び/又は衝突ダメージ推定部1dにより推定した衝突の大きさを比較する衝突ダメージ比較手段である。本実施形態において、衝突ダメージ比較部1eは、衝突ダメージ計測部1bにより計測した第1の衝突としての一次衝突の大きさと、衝突ダメージ推定部1dにより推定した第2の衝突としての二次衝突の大きさと、を比較する。また、衝突ダメージ比較部1eは、衝突ダメージ推定部1dにより推定した第1の衝突としての一次衝突の大きさと、衝突ダメージ推定部1dにより推定した第2の衝突としての二次衝突の大きさとを比較してもよい。この他、衝突ダメージ比較部1eは、第1の衝突を二次衝突として、第2の衝突を三次衝突とした場合は、二次衝突の大きさと三次衝突の大きさを比較してもよい。
作動条件変更部1fは、衝突推定部1cにより第1の衝突に続く第2の衝突が推定される場合において、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいときは、第1の衝突時におけるエアバッグ5の作動条件を、第2の衝突が推定されない場合の条件と比較して満たしにくい条件に変更する作動条件変更手段である。本実施形態において、第1の衝突と第2の衝突とは、それぞれ一次衝突と二次衝突であってもよいし、二次衝突と三次衝突であってもよい。ここで、エアバッグ5の作動条件は、衝突の大きさが第1の閾値以上となったときにエアバッグを展開させるように設定されている。そのため、具体的には、作動条件変更部1fは、衝突推定部1cにより第2の衝突が推定されない場合には、エアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値を変更せずに維持する。作動条件変更部1fは、衝突推定部1cにより第2の衝突が推定される場合において、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいときは、第1の衝突時におけるエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値を、当該第1の閾値よりも増加させた第2の閾値に変更する。
なお、本実施形態において、作動条件変更部1fは、エアバッグ5の作動条件を規定する閾値を第2の閾値に変更後、所定時間が経過するまで衝突検知センサ2により衝突が検知されなかった場合は、当該エアバッグ5の作動条件が変更前の条件となるように、第2の閾値から第1の閾値に変更するものとする。
この他、作動条件変更部1fは、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいときは、第1の衝突時におけるエアバッグ5の展開を禁止するように作動条件を変更してもよい。なお、上記の例では、エアバッグ5の作動条件を衝突ダメージとして衝突の大きさの大小で比較したが、衝突時の速度や加速度などで比較してもよい。
エアバッグ制御部1gは、衝突検知センサ2が検知した衝突の大きさがエアバッグ5の作動条件を満たす場合に、エアバッグ5へ制御指令を出力することで、当該エアバッグ5を展開させるように制御するエアバッグ制御手段である。ここで、衝突検知センサ2が検知した衝突の大きさは、衝突ダメージ計測部1bにより計測された衝突の大きさに対応する。エアバッグ制御部1gにより参照されるエアバッグ5の作動条件は、予め初期条件として設定されたエアバッグ5の作動条件であってもよいし、作動条件変更部1fにより変更されたエアバッグ5の作動条件であってもよい。この他、エアバッグ制御部1gは、エアバッグ5の展開時に、更にプリテンショナーを作動させて乗員の保護を図ってもよい。
制動制御部1hは、エアバッグ5の作動条件を満たす場合において、エアバッグ制御部1gによりエアバッグ5が展開されるときに、ブレーキアクチュエータ6へ制御指令を出力することで、自動ブレーキ制御を行う制動制御手段である。制動制御部1hは、エアバッグ5の展開と同時に自動的にブレーキを作動させる自動ブレーキ制御を行うことで、車両を減速させて停止させる。
なお、本実施形態において、自動ブレーキ制御は、車速センサ3により検出される車速が0km/hとなった場合、自車両の運転者によるアクセル操作が検出されかつ自動ブレーキ制御の開始からカウントされる自動ブレーキ制御実行時間が第1の所定時間を超える場合、又は、自動ブレーキ制御実行時間が第1の所定時間より長い第2の所定時間を超える場合に解除されるものとする。
本実施形態において、制動制御部1hは、自動ブレーキ制御中に自車両の運転者によるアクセル操作が検出された場合に自動ブレーキ制御を解除する条件において、自車両の運転者によるアクセル操作が検出されても自動ブレーキ制御実行時間が第1の所定時間以内の場合は、自動ブレーキ制御を解除しない。また、制動制御部1hは、自動ブレーキ制御実行時間が第1の所定時間を超え、かつ、自動ブレーキ制御実行時間が第2の所定時間以内の場合は、自車両の運転者によるアクセル操作が検出された場合に自動ブレーキ制御を解除する。また、制動制御部1hは、自動ブレーキ制御実行時間が第2の所定時間を超えた場合には運転者によるアクセル操作が検出されなくとも自動ブレーキ制御を解除する。
操舵制御部1iは、周辺監視センサ4による白線検出結果を示す白線情報に応じて車両が白線に沿って走行するようにステアリングアクチュエータ7へ制御指令を出力することで、自車両が自車線から逸脱しないように自動操舵制御(LKA:レーンキーピングアシスト)を行う操舵制御手段である。本実施形態において、操舵制御部1iは、LKAスイッチがオン状態にあるときや、エアバッグ制御部1gによりエアバッグ5が展開されるときに自動操舵制御を行う。また、操舵制御部1iは、エアバッグ制御部1gによりエアバッグ5が展開されるときに行われる制動制御部1hによる自動ブレーキ制御とともに、自動操舵制御を行ってもよい。
続いて、上述のように構成される車両制御装置において実行される処理について、図5乃至図7を参照して説明する。ここで、図5は、本実施形態に係る車両制御装置による条件変更処理の一例を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係る車両制御装置による条件変更処理の別の一例を示すフローチャートである。図7は、本実施形態に係る車両制御装置によるエアバッグ展開処理の一例を示すフローチャートである。なお、図5〜図7に示す処理は、短い演算周期(例えば、50msec,100msec等)毎に繰り返し実行される。図5又は図6に示す条件変更処理と、図7に示すエアバッグ展開処理とは、ECU1により並列的に実行されるものとする。
まず、図5を参照して、本発明に係る車両制御装置の条件変更処理の一例について説明する。図5に示す処理では、第1の衝突を検出した上で第2の衝突を推定し、計測した第1の衝突の大きさと推定した第2の衝突の大きさとを比較し、その比較結果に基づいてエアバッグ5の作動条件を変更する。
図5に示すように、衝突検出部1aは、衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号を受信したか否かによって、第1の衝突として、自車両が車外の障害物と衝突する一次衝突を検出したか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101において、第1の衝突が検出されなかった場合(ステップS101:No)、本処理を終了する。一方、ステップS101において、第1の衝突が検出された場合(ステップS101:Yes)、次のステップS102の処理へ移行する。
衝突ダメージ計測部1bは、ステップS101において衝突検出部1aにより第1の衝突が検出された際に衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号に基づいて、当該第1の衝突の大きさを計測する(ステップS102)。
衝突推定部1cは、周辺監視センサ4から入力される物標情報を示す電気信号や、車速センサ3から入力される車輪速度を示す電気信号に基づいて、第1の衝突に続く第2の衝突としての二次衝突が生じる可能性があるか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103において、第2の衝突が生じる可能性がないと判定された場合(ステップS103:No)、本処理を終了する。この場合に後述の図7のステップS303で用いられる第1の衝突のエアバッグ展開しきい値は、予め初期条件として設定されたエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値となる。一方、ステップS103において、第2の衝突が生じる可能性があると判定された場合(ステップS103:Yes)、次のステップS104の処理へ移行する。
衝突ダメージ推定部1dは、ステップS103において衝突推定部1cにより、自車両と車外の障害物とが衝突した第1の衝突の後に続いて、更に自車両が他の障害物に衝突する第2の衝突として二次衝突が生じる可能性があると推定された場合、この推定結果に基づいて、当該第2の衝突の大きさを推定する(ステップS104)。
衝突ダメージ比較部1eは、ステップS102において衝突ダメージ計測部1bにより計測した第1の衝突の大きさと、ステップS104において衝突ダメージ推定部1dにより推定した第2の衝突の大きさと、を比較して、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいか否かを判定する(ステップS105)。つまり、衝突ダメージ比較部1eは、ステップS105において、一次衝突時に計測した衝突ダメージが、二次衝突時に推定される衝突ダメージより小さいか否かを判定する。ステップS105において、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさ以上であると判定された場合(ステップS105:No)、本処理を終了する。この場合に後述の図7のステップS303で用いられる第1の衝突のエアバッグ展開しきい値は、予め初期条件として設定されたエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値となる。一方、ステップS105において、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいと判定された場合(ステップS105:Yes)、次にステップS106の処理へ移行する。つまり、ステップS105でYesとなり、一次衝突時に計測した衝突ダメージが、二次衝突時に推定される衝突ダメージより小さいと判定された場合には、後述の図7に示すエアバッグ展開処理において一次衝突時にはエアバッグ5が展開されずに二次衝突時にエアバッグ5が優先的に展開されるように、次のステップS106の処理で作動条件を変更する。
作動条件変更部1fは、ステップS103において第2の衝突が推定される場合において(ステップS103:Yes)、ステップS105において第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいと判定されたときには(ステップS105:Yes)、第1の衝突時におけるエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値を、当該第1の閾値よりも増加させた第2の閾値に変更する(ステップS106)。その後、本処理を終了する。
このステップS106で作動条件の変更処理が行われた場合に、後述の図7のステップS303で用いられる第1の衝突のエアバッグ展開しきい値は、予め初期条件として設定されたエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値を増加させた第2の閾値となる。これにより、後述の図7のステップS303の処理において、第2の衝突の大きさより小さい第1の衝突の大きさでは、第1の衝突時におけるエアバッグ5の展開条件(この場合、第1の衝突の大きさが第2の閾値より大きいとの条件)が満たされにくくなり、その結果、第1の衝突時にはエアバッグ5が展開されにくくなる。
次に、図6を参照して、本発明に係る車両制御装置の条件変更処理の別の一例について説明する。図6に示す処理では、衝突前に第1の衝突と第2の衝突を推定し、推定した第1の衝突の大きさと推定した第2の衝突の大きさとを比較し、その比較結果に基づいてエアバッグ5の作動条件を変更する。本実施形態において、車両制御装置は、図5に示した条件変更処理を実行してもよいし、以下に示す図6の条件変更処理を実行してもよい。
図6に示すように、衝突推定部1cは、周辺監視センサ4から入力される物標情報を示す電気信号や、車速センサ3から入力される車輪速度を示す電気信号に基づいて、第1の衝突として一次衝突が生じる可能性があるか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201において、第1の衝突が生じる可能性がないと判定された場合(ステップS201:No)、本処理を終了する。一方、ステップS201において、第1の衝突が生じる可能性があると判定された場合(ステップS201:Yes)、次のステップS202の処理へ移行する。
衝突ダメージ推定部1dは、ステップS201において衝突推定部1cにより、自車両と車外の障害物とが衝突する第1の衝突として一次衝突が生じる可能性があると推定された場合、この推定結果に基づいて、当該第1の衝突の大きさを推定する(ステップS202)。その後、次のステップS203の処理へ移行する。
衝突推定部1cは、周辺監視センサ4から入力される物標情報を示す電気信号や、車速センサ3から入力される車輪速度を示す電気信号に基づいて、第1の衝突に続く第2の衝突としての二次衝突が生じる可能性があるか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203において、第2の衝突が生じる可能性がないと判定された場合(ステップS203:No)、本処理を終了する。この場合に後述の図7のステップS303で用いられる第1の衝突のエアバッグ展開しきい値は、予め初期条件として設定されたエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値となる。一方、ステップS203において、第2の衝突が生じる可能性があると判定された場合(ステップS203:Yes)、次のステップS204の処理へ移行する。
衝突ダメージ推定部1dは、ステップS203において衝突推定部1cにより、自車両と車外の障害物とが衝突した第1の衝突の後に続いて、更に自車両が他の障害物に衝突する第2の衝突として二次衝突が生じる可能性があると推定された場合、この推定結果に基づいて、当該第2の衝突の大きさを推定する(ステップS204)。
衝突ダメージ比較部1eは、ステップS202において衝突ダメージ推定部1dにより推定した第1の衝突の大きさと、ステップS204において衝突ダメージ推定部1dにより推定した第2の衝突の大きさと、を比較して、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいか否かを判定する(ステップS205)。つまり、衝突ダメージ比較部1eは、ステップS205において、一次衝突時に推定される衝突ダメージが、二次衝突時に推定される衝突ダメージより小さいか否かを判定する。ステップS205において、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさ以上であると判定された場合(ステップS205:No)、本処理を終了する。この場合に後述の図7のステップS303で用いられる第1の衝突のエアバッグ展開しきい値は、予め初期条件として設定されたエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値となる。一方、ステップS205において、第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいと判定された場合(ステップS205:Yes)、次にステップS206の処理へ移行する。つまり、ステップS205でYesとなり、一次衝突時に推定される衝突ダメージが、二次衝突時に推定される衝突ダメージより小さいと判定された場合には、後述の図7に示すエアバッグ展開処理において一次衝突時にはエアバッグ5が展開されずに二次衝突時にエアバッグ5が優先的に展開されるように、次のステップS206の処理で作動条件を変更する。
作動条件変更部1fは、ステップS203において第2の衝突が推定される場合において(ステップS203:Yes)、ステップS205において第1の衝突の大きさが第2の衝突の大きさよりも小さいと判定されたときには(ステップS205:Yes)、第1の衝突時におけるエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値を、当該第1の閾値よりも増加させた第2の閾値に変更する(ステップS206)。その後、本処理を終了する。
以下、図7を参照して、本発明に係る車両制御装置のエアバッグ展開処理の一例について説明する。本実施形態において、図7に示すエアバッグ展開処理は、ECU1により、図5に示した条件変更処理又は図6の条件変更処理と並列的に実行される。
図7に示すように、衝突検出部1aは、衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号を受信したか否かによって、第1の衝突として、自車両が車外の障害物と衝突する一次衝突を検出したか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301において、第1の衝突が検出されなかった場合(ステップS301:No)、本処理を終了する。一方、ステップS301において、第1の衝突が検出された場合(ステップS301:Yes)、次のステップS302の処理へ移行する。
衝突ダメージ計測部1bは、ステップS301において衝突検出部1aにより第1の衝突が検出された際に衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号に基づいて、当該第1の衝突の大きさを計測する(ステップS302)。
エアバッグ制御部1gは、衝突検知センサ2が検知した第1の衝突の大きさが第1の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値より大きい場合(ステップS303:Yes)、エアバッグ5を展開させるように制御する(ステップS304)。その後、第1の衝突時のエアバッグ5の展開条件を初期条件に戻す処理(ステップS305の処理)を行った上で、本処理を終了する。この場合、ステップS305では、ステップS304で用いる第1の衝突のエアバッグ展開しきい値は第1の閾値であるので初期条件を維持したまま本処理を終了すればよい。一方、ステップS303において、エアバッグ制御部1gは、衝突検知センサ2が検知した第1の衝突の大きさが第1の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値未満の場合(ステップS303:No)、第1の衝突時にはエアバッグ5を展開させずに、次のステップS306の処理へ移行する。
なお、本実施形態において、上述の図5のステップS106又は図6のステップS206の処理により、ステップS303で第1の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する閾値が、第1の閾値から第2の閾値に変更されている場合は、エアバッグ制御部1gは、以下の処理を行う。具体的には、エアバッグ制御部1gは、衝突検知センサ2が検知した第1の衝突の大きさが第1の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する第2の閾値より大きい場合(ステップS303:Yes)、エアバッグ5を展開させるように制御する(ステップS304)。その後、第1の衝突時のエアバッグ5の展開条件を初期条件に戻す処理(ステップS305の処理)を行った上で、本処理を終了する。この場合、ステップS305では、ECU1は、第1の衝突のエアバッグ展開しきい値を通常時に戻す。つまり、作動条件変更部1fは、第1の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する閾値を第2の閾値に変更後、当該エアバッグ5の作動条件が変更前の条件となるように、第2の閾値から第1の閾値に変更する。その後、本処理を終了する。一方、ステップS303において、エアバッグ制御部1gは、衝突検知センサ2が検知した第1の衝突の大きさが第1の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する第2の閾値未満の場合(ステップS303:No)、第1の衝突時にはエアバッグ5を展開させずに、次のステップS306の処理へ移行する。
衝突検出部1aは、衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号を受信したか否かによって、第2の衝突として、自車両と車外の障害物とが衝突した第1の衝突の後に続いて更に自車両が他の障害物に衝突する二次衝突を検出したか否かを判定する(ステップS306)。ステップS306において、第2の衝突が検出されなかった場合(ステップS306:No)、次のステップS307の処理へ進む。
ECU1は、衝突推定部1cにより推定された第2の衝突が検出されると予測された時点から所定時間経過したか否かを判定する(ステップS307)。ここでいう所定時間は、この時間を経過していれば第2の衝突が確実に発生しているといえる程度の時間に設定される。ステップS307において、ECU1は、所定時間経過していないと判定されている間(ステップS307:No)は、ステップS306の処理を繰り返す。一方、所定時間経過したと判定された場合(ステップS307:Yes)には、ECU1は、ステップS305の処理へ移行して、第1の衝突のエアバック展開しきい値が変更されていなければ第1の閾値を維持するか、第1の衝突のエアバッグ展開しきい値が第2の閾値に変更されていれば、第2の閾値から通常時の第1の閾値に戻す。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS306において、第2の衝突が検出された場合(ステップS306:Yes)、次のステップS308の処理へ進む。衝突ダメージ計測部1bは、ステップS306において衝突検出部1aにより第2の衝突が検出された際に衝突検知センサ2から入力される衝突の大きさを示す電気信号に基づいて、当該第2の衝突の大きさを計測する(ステップS308)。その後、ステップS309の処理へ移行する。なお、ステップS309で用いられる第2の衝突のエアバッグ展開しきい値は、予め初期条件として設定されたエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値となる。ステップS309において、エアバッグ制御部1gは、衝突検知センサ2が検知した第2の衝突の大きさが第2の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値より大きい場合(ステップS309:Yes)、エアバッグ5を展開させるように制御する(ステップS304)。その後、ECU1は、ステップS305の処理へ移行して、上述の図5又は図6の条件変更処理によって第1の衝突のエアバック展開しきい値が変更されていなければ第1の閾値を維持するか、第1の衝突のエアバッグ展開しきい値が第2の閾値に変更されていれば、第2の閾値から通常時の第1の閾値に戻す。その後、本処理を終了する。一方、ステップS309において、エアバッグ制御部1gは、衝突検知センサ2が検知した第2の衝突の大きさが第2の衝突時のエアバッグ5の作動条件を規定する第1の閾値未満の場合(ステップS309:No)、エアバッグ5を展開させずに、ステップS305の処理を行ってから本処理を終了する。この場合も、上述の図5又は図6の条件変更処理によって第1の衝突のエアバック展開しきい値が変更されていなければ第1の閾値を維持するか、第1の衝突のエアバッグ展開しきい値が第2の閾値に変更されていれば、第2の閾値から通常時の第1の閾値に戻す。その後、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の車両制御装置によれば、一次衝突の大きさが二次衝突の大きさよりも小さい場合には、一次衝突時のエアバッグの作動条件を初期条件よりも厳しい条件に変更することができる。そのため、本発明にかかる車両制御装置によれば、車両が複数回にわたり障害物と衝突する状況において、乗員にとって致命的な衝突(例えば、二次衝突)が発生するときを優先してエアバッグを展開することができる。その結果、本発明にかかる車両制御装置によれば、一次衝突よりも二次衝突による衝撃の方が大きい場合は、二次衝突時による大きい衝撃からエアバッグによって乗員を保護することができる。
なお、上述の実施形態では、一次衝突の後に続いて二次衝突が生じる状況を一例に処理の説明を行ったが、3回連続して障害物と衝突する状況の一例を示す図8に示すように、二次衝突後に更に自車両と塀との三次衝突が生じる状況であっても本発明にかかる車両制御装置を適用可能である。この場合、車両制御装置は、一次衝突及び二次衝突の大きさの比較処理を行った後、更に、第1の衝突として二次衝突を検出又は推定し、第2の衝突として三次衝突を推定し、検出又は推定した二次衝突の大きさと推定した三次衝突の大きさとを比較した結果、エアバッグ5の作動条件を変更するか判定すればよい。
この他、本発明に係る車両制御装置は、障害物の形態に応じて、条件変更処理を行うか否かを判定する制御を実行してもよい。例えば、車両制御装置は、異なる種類の障害物と衝突する状況の一例を示す図9に示すように、一次衝突及び三次衝突時の障害物がコンクリート塀であり、二次衝突時の障害物が生垣である場合、コンクリート塀に対しての衝突ダメージの計算は行うが、生垣に対しての衝突ダメージの計算は行わない制御を実行してもよい。この場合、車両制御装置は、第1の衝突として一次衝突を検出又は推定し、第2の衝突として三次衝突を推定し、検出又は推定した一次衝突の大きさと推定した三次衝突の大きさとを比較した結果、エアバッグ5の作動条件を変更するか判定すればよい。これにより、計算負荷を低減することが可能になる。なお、本発明に係る車両制御装置は、第1の衝突を検出又は推定した後、当該第1の衝突から所定時間経過後に発生すると推定された衝突については第1の衝突に続く第2の衝突として推定せずに、新たに第1の衝突として認識するものとする。
1 ECU
1a 衝突検出部
1b 衝突ダメージ計測部
1c 衝突推定部
1d 衝突ダメージ推定部
1e 衝突ダメージ比較部
1f 作動条件変更部
1g エアバッグ制御部
1h 制動制御部
1i 操舵制御部
2 衝突検知センサ
3 車速センサ
4 周辺監視センサ
5 エアバッグ
6 ブレーキアクチュエータ
7 ステアリングアクチュエータ

Claims (1)

  1. 自車両と車外の障害物との衝突を検知する衝突検知センサと、
    前記自車両の乗員を保護するために車室内に展開するエアバッグと、
    前記衝突検知センサが検知した衝突の大きさが前記エアバッグの作動条件を満たす場合に当該エアバッグを展開させるエアバッグ制御手段と、
    前記自車両と前記障害物との衝突を推定する衝突推定手段と、
    前記衝突推定手段により第1の衝突に続く第2の衝突が推定される場合において、前記第1の衝突の大きさが前記第2の衝突の大きさよりも小さいときは、前記第1の衝突時における前記エアバッグの作動条件を、前記第2の衝突が推定されない場合の条件と比較して満たしにくい条件に変更する作動条件変更手段と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113771792A (zh) * 2020-06-10 2021-12-10 现代摩比斯株式会社 控制安全气囊的展开的方法和设备

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