JP2015217452A - チャック装置 - Google Patents

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茂 若生
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▲吉▼一 小宮
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Abstract

【課題】振れを可及的に小さくできる精密なチャック装置を提供する。
【解決手段】チャック部材と、チャック部材のチャック孔内周にチャック部材に対して相対移動自在に挿入される筒状のリテーナと、リテーナに回転自在に保持され、チャック対象物の外周面に転動自在に接触する複数の転動体と、を備え、チャック部材内周には、軸方向に内径が徐々に小径となるテーパ面部が設けられ、チャック部材には、リテーナを、転動体がテーパ面部に食い込む方向に移動させる押し込み機構を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば、工作機械のワークや砥石等の工具を支持するチャック装置に関し、特に軸方向に離れた複数点で支持するチャック装置に関する。
従来のチャック装置として、たとえば軸方向に離れた2箇所にチャック部を設け、2点でチャックするようにしたチャック装置が知られている。
このように2点で支持するようにすれば、チャック対象物の振れが小さくなって、高精度の加工が可能となる。
しかし、2個所にチャック部を設ける場合、チャック部の心出し自体が難しい。この場合、チャック部に加わる流体圧は一定となり、チャック部は一定圧で支持されることになるものの、金属薄板の肉厚によって金属薄板の変形量が異なる。そのために、チャック部の中心は金属薄板の均一性に依存することになるが、金属薄板の肉厚を均一にすることは困難であり、チャック部同士の心出しの高精度化にも限界がある。なお、関連する従来例が開示された文献としては、特許文献1,2がある。
特開2000−000709号公報 特開2004−27611号公報
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、振れを可及的に小さくし得る精密なチャック装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るチャック装置においては、
チャック対象物を差し込むためのチャック孔を備えたチャック部材と、
前記チャック孔内周に前記チャック孔の孔軸方向に相対移動自在に挿入され、前記チャック孔の周方向に沿って配列された複数個の転動体の列を複数有し、この複数の転動体列を前記孔軸方向に所定距離離して保持するリテーナと、を備え、
前記チャック部材のチャック孔内周には、内径が前記孔軸方向に徐々に小径となるテーパ面部が、各転動体列に対応して少なくとも1つ設けられ、
さらに、前記チャック部材に対して前記リテーナを相対的に前記孔軸方向に移動させることにより、各転動体を、前記チャック孔内周のテーパ面部とチャック対象物外周面との間のくさび状の隙間に食い込ませるチャック状態と、前記くさび状の隙間から離脱させる非チャック状態とに切り換え可能とする締め付け機構が設けられ、
前記複数の転動体列のうち少なくとも1つの転動体列はグォードローラによって構成されていることを特徴とする。
前記リテーナは前記孔軸方向に並んで一対設けられ、
前記テーパ面部は各リテーナに対向して一対設けられ、
前記一対のテーパ面部は、内径が、前記孔軸方向において互いに逆方向に向かうにつれて徐々に小径となるようにそれぞれ構成されていることも好適である。
前記テーパ面部は前記孔軸方向に並んで複数設けられ、
各テーパ面部は、内径が、前記孔軸方向において互いに同じ方向に向かうにつれて徐々に小径となるようにそれぞれ構成されていることも好適である。
前記締め付け機構は、前記一対のリテーナを、前記孔軸方向において互いに逆方向に移動させるねじ機構を備えることも好適である。
前記締め付け機構は、前記リテーナにねじ込まれることで、前記孔軸方向において前記チャック部材に対する前記リテーナの位置を変更可能なナット部材を備えることも好適である。
1つの前記テーパ面部に複数の転動体列が対向するように配置され、
前記孔軸方向で前記テーパ面部の内径が小径となる側に位置する転動体列を構成する転動体の方が、大径となる側に位置する転動体列を構成する転動体よりも外径が小さいことも好適である。
前記チャック部材と前記リテーナとの相対回転を防止する回り止め機構を備えることも好適である。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて適用することができる。
本発明に係るチャック装置によれば、チャック対象物のチャッキングは、リテーナに保持された複数列の転動体列を、対応するテーパ面部とチャック対象物表面との間のくさび状の隙間に食い込ませ、転動体の摩擦力によってチャック部材からの回転トルクをチャック対象物に伝達されることができる。
これにより、チャック対象物を、テーパ面部に食い込む軸方向複数個所の転動体列によって自動調芯しながら固定することができる。テーパ面部においては、高精度に加工可能であるので、各テーパ面部において高精度に心出しすることができる。
そして、複数の転動体列とテーパ面部との接触部間の間隔は任意に大きく設定することができ、この間隔を大きく設定することで、チャック対象物の振れ回り方向のモーメントが作用した際に、転動体に加わる反力は小さくなり、振れを小さくすることができる。
また、テーパ面部から離間する方向に転動体を移動させることにより、着脱も容易に行うことができる。
特に、転動体としてグォードローラを用いることで、チャック部材のテーパ面部との接触、及び、チャック対象物の外周面との接触が線接触となって、接触面積が増大するので、摩擦トルクが増大し、把持力を増大させることができる。
本発明の実施例1に係る精密チャック装置の概略構成を示す図であり、(a)は軸方向から見たときの図、(b)は軸方向に沿った断面図である。 本発明の実施例2に係る精密チャック装置の概略構成を示す図であり、(a)は軸方向から見たときの図、(b)は軸方向に沿った断面図である。 本発明の実施例3に係る精密チャック装置の概略構成を示す図であり、(a)は軸方向から見たときの図、(b)は軸方向に沿った断面図である。 本発明の他の実施例に係る精密チャック装置を示す概略断面図である。 本発明の他の実施例に係る精密チャック装置を示す概略断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
以下に、実施例1について説明する。
図1は、本実施例に係る(精密)チャック装置1の概略構成を示す図であり、(a)は軸方向から見たときの図、(b)は軸方向に沿った断面図である。なお、説明の便宜上、図1(a)においては要部(特に、グォードローラ30)を示すための図としている。
図1に示すように、本実施例に係るチャック装置1は、チャック対象物としての砥石100の砥石軸110を差し込むためのチャック孔12を備えたチャック部材10と、チャック孔12内周にチャック孔12の孔軸X方向(以下、軸X方向)に相対移動自在に挿入され、チャック孔12の周方向に沿って配列された複数個の転動体としてのグォードローラ30をそれぞれ保持する一対のリテーナ20,20と、を備えている。
チャック対象物は、この実施例では研削砥石であり、砥石軸110と、砥石軸110の先端部に設けられた砥石本体120とを備えた構成で、砥石軸110がチャック装置のリテーナ20,20内周に挿入される。砥石軸110は円筒形状で、研削液を通す貫通孔130が軸X方向に貫通形成されている。
チャック部材10のチャック孔12内周には、軸X方向に互いに近付くにつれ内径が徐々に小径となる一対のテーパ面部40,40が、軸X方向に所定距離だけ離して形成され、前記一対のリテーナ20,20が各テーパ面部40,40に対応(対向)して配置されている。
そして、チャック部材10には、チャック部材10に対してリテーナ20,20を軸X方向に移動させることにより、グォードローラ30を、チャック孔12内周のテーパ面部40,40と砥石軸110外周面との間のくさび状の隙間に食い込ませるチャック状態と、くさび状の隙間から離脱させる非チャック状態に切り換え可能とする締め付け機構50が設けられている。
チャック部材10は、砥石軸110の差し込み口側にフランジ11が設けられたフランジ付き円筒形状で、一対のテーパ面部40,40は、チャック孔12内部から両開口端側に向かって徐々に大径となるように円錐台状に直線的に傾斜する構成で、大径端が開口側に、小径端がチャック部材10の中央側に配置され、小径端同士が対向する構成となっている。各テーパ面部40,40のテーパ角度、長さ、小径端の径、大径端の径は全く同じで、方向のみが相違する。
チャック部材10の内周形状は、テーパ面部40,40の小径端同士を結ぶ円筒状の中央円筒面部13と、テーパ面部40,40の大径端より一段大径の差し込み口側の開口端部15と反差し込み口側の開口端部16とを備えた、段付き構成となっている。
リテーナ20,20は、つば付き薄肉円筒形状の部材で、転動体としてのグォードローラ30が周方向に所定間隔で環状に複数配置されている。本実施例では、6カ所にグォードローラ30が等配されている。グォードローラ30はリテーナ20に設けられた穴に、内径側と外径側の端部がそれぞれ露出した状態で保持されている。
リテーナ20,20は、つば部21を開口端側にして、つば部21が無い側を内側にしてチャック部材10内周に挿入されている。このリテーナ20の内周はチャック対象物外周に摺動自在で、リテーナ20のつば部21外周は、チャック部材10の開口端部15,16内周に摺動自在となっており、リテーナ20の外周円筒部22の径は、チャック部材10のテーパ面部40,40の小径端よりも小径で、中央円筒面部13の内周に微小の隙間を介して挿入されている。
また、つば部21の外周面と、つば部21が設けられるリテーナ20の端部内周面には、Оリング等のシールリング61,62が装着され、チャック部材10の開口端部15,16内周面との摺動面間の隙間、及び砥石軸110外周面との摺動面間の隙間をシールしている。
また、チャック部材10の開口端部15,16は、それぞれシールド板75,76によって封止されている。この例では、差し込み口側の開口端部15のシールド板75は砥石軸110を挿通する挿通穴75aが設けられ、挿通穴75aの内縁にОリング等のシール部材77が装着されている。また、他方の開口端部16のシールド板76は、砥石軸110の端面の貫通孔130の開口部に倣った挿通穴76aが設けられ、この挿通穴76aの内縁にОリング等のシール部材78が装着されている。
締め付け機構50は、各リテーナ20,20の対向する対向端部に設けられた、互いに逆ねじ構成の雄ねじ部25a,25bと、各雄ねじ部25a,25bに螺合される雌ねじ部52aが設けられた歯付ねじ筒52と、歯付ねじ筒52を回転操作するための操作ノブ54と、操作ノブ54の回転運動を歯付ねじ筒52に伝達する歯車列56とを備えている。
各リテーナ20,20の対向端部の外周は、一段縮径されて段付きになっており、この段部外周に雄ねじ部25a,25bが設けられ、雄ねじ部25a,25bの段部とチャック部材10の中央円筒面部13の間の空間に、歯付ねじ筒52が回転自在に挿入されている。
歯付ねじ筒52の外周には歯車を構成する外歯52bが設けられ、歯車列56を介して操作ノブ54の回転がねじ筒52に伝達される。
歯車列56は、チャック部材10の外周から、チャック孔12のねじ筒52の外周面に向かって設けられたギア収納孔18に収納され、チャック部材10の差し込み口側端面からギア収納孔18に連通する軸孔17に挿入される操作軸55を介して操作ノブ54に連結される第1歯車57と、第1歯車57と歯付ねじ筒52の外周の外歯52bとの間に介装される第2歯車58とを備えている。
グォードローラ30は、ローラの中心軸線(中心軸)を通る面で切断した断面形状が、円弧状に凹形状となってチャック対象物である砥石軸110の外周面に接触する中央凹面部30aと、中央凹面部30aの軸方向両端側に連続しローラ中心軸線を通る面で切断した断面形状が円弧状に凸形状となっており、テーパ面部に接触する端部凸面部30bとを備えた構成となっている。
そして、端部凸面部30bがチャック部材10の内周に線接触して食い込み、中央凹面部30aが砥石軸110表面に転動自在に線接触するように構成されている。
このようにグォードローラを用いることで、チャック部材10の内周面(テーパ面部40)との接触、及び、砥石軸110の外周面との接触が線接触となって、接触面積が増大するので、摩擦トルクが増大し、把持力を増大させることができる。
また、中央凹面部30aの砥石軸110に接触する接触部におけるローラ中心軸線からの半径と、両端部凸面部30bのテーパ面部に接触する両接触部におけるローラ中心軸線からの半径とが、同一半径に設定されていることが好ましい。このようにすれば、差動すべりが無く、食い込み時及び解放時の磨耗が低減される。
次に、本実施の形態のチャック装置の作用について説明する。
砥石軸110のチャッキング操作は、まず、操作ノブ54を回して、リテーナ20,20間の軸X方向の間隔を広げる。これにより、リテーナ20,20に保持されているグォードローラ30,30が、テーパ面部40,40の径が拡がる方向、この実施例では開口端側に移動し、砥石軸110が挿入可能となる。リテーナ20,20の径方向に広がる方向に移動可能となる。
この状態で、砥石軸110をチャック孔12に挿入する。図示例では、一方のシールド板76に当接するまで差し込み、操作ノブ54を逆回転させて、リテーナ20,20間の軸X方向の間隔を狭めていく。
これにより、リテーナ20,20に保持されているグォードローラ30,30は、テーパ面部40,40の径が狭まる方向に移動し、グォードローラ30,30が、砥石軸110の外周面とテーパ面部40,40間のくさび状空間に食い込んでいく。
この段階で、砥石軸110は、各リテーナ20,20に保持されている複数のグォードローラ30の接触面圧が均一になる方向にバランスされ、砥石軸110の中心軸がチャック部材10の中心軸に自動調芯されつつ、グォードローラ30は、くさび作用によって、テーパ面部40と砥石軸110表面の隙間に食い込む。
本実施例では、グォードローラ30,30がテーパ面部40,40に食い込み、くさび作用と、歯付ねじ筒52のねじの倍力作用によって強くチャッキングされ、食い込んだグォードローラ30の接触摩擦力によってチャック部材10からの回転トルクが砥石軸110に伝達される。
砥石軸110は、軸方向2個所のテーパ面部40,40に食い込むグォードローラ30,30によって自動調芯されながら固定される。テーパ面部40,40においては、高精度に加工可能であるため、砥石軸110を各テーパ面部40,40において高精度に心出しすることができる。
このテーパ面部40,40に当接するグォードローラ30,30間の軸方向の間隔は、任意に大きく設定することができ、この間隔を大きく設定することで、砥石軸110の振れ方向のモーメントが作用した際に、グォードローラ30に加わる反力も小さくなり、振れを大幅に小さくすることができる。
また、テーパ面部40,40から離間する方向にグォードローラ30,30を移動させることにより、着脱も容易に行うことができる。
すなわち、砥石軸110をチャック装置から外す場合には、再び、操作ノブ54を回して、リテーナ20,20間の軸X方向の間隔を広げる。これにより、リテーナ20に保持されているグォードローラ30が、テーパ面部40,40の径が拡がる方向に移動し、砥石軸110が取り外し可能となる。
ここで、本実施例では、一対の転動体列の両方についてグォードローラを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一方の転動体列をグォードローラとし、他方の転動体列については、グォードローラの代わりに、ボールを用いてもよい。
また、本実施例では、一対のテーパ面部40,40は、軸X方向に互いに近付くにつれ内径が徐々に小径となるように構成されていたが、これに限るものではない。すなわち、一対のテーパ面部は、互いに逆方向に向かうにつれて徐々に小径となるようにそれぞれ構成されるものであればよく、軸X方向に互いに近付くにつれ内径が徐々に大径となるように構成されるものであってもよい。
また、本実施例のチャック装置1においては、チャック部材10とリテーナ20との相対的な回転を防止するための機構が設けられているとよい。この回り止め機構としては、特に図示していないが、チャック部材10とリテーナ20との間において、軸X方向の移動を許容し、軸Xまわりの回転を防止するものであればよく、例えば、Oリング62の位置に、リテーナ20とチャック部材10の一方にスプライン溝を設け、他方にスプライン溝に係合する凸部を設けてもよいし、また、後述する実施例2同様に、回り止め用のボール31を用いてもよい。
[実施例2]
以下に、実施例2について説明する。なお、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図2は、本実施例に係るチャック装置200の概略構成を示す図であり、(a)は軸方向から見たときの図、(b)は軸方向に沿った断面図である。なお、説明の便宜上、図2(a)においては要部(特に、グォードローラ30とボール31)を示すための図としている。
図2に示すように、本実施例に係るチャック装置200は、チャック対象物としてのワーク・工具等の軸300を差し込むためのチャック孔212を備えたチャック部材210と、チャック孔212内周に軸X方向に相対移動自在に挿入され、チャック孔212の周方向に沿って配列された複数個の転動体としてのグォードローラ30を保持するリテーナ220とを備えている。
さらに、チャック装置200は、付勢手段としてのスプリング280と、リテーナ220に係合するナット部材225とを備えている。また、本実施例のリテーナ220においては、回り止め用のボール31をも保持するように構成されている。
チャック部材210のチャック孔212内周には、内径が軸X方向のうち一方側(図2(b)では左側)に向かうにつれて徐々に小径となる2つの(一対の)テーパ面部240,240が、軸X方向に所定距離だけ離して形成されている。そして、各テーパ面部240,240にそれぞれ対応(対向)した位置に移動可能となるように、周方向に沿って配列されたグォードローラ30の列が、軸X方向に離れて2列配置されている。
実施例1ではテーパ面部40,40の傾斜方向が互いに逆方向であった。
これに対して本実施例では、テーパ面部240,240の傾斜方向が同じ方向となるように形成されていることを特徴とする。
そして、チャック装置200には、チャック部材210に対してリテーナ220を軸X方向に移動させることにより、グォードローラ30を、チャック孔212内周のテーパ面部240と軸300外周面との間のくさび状の隙間に食い込ませるチャック状態と、くさび状の隙間から離脱させる非チャック状態に切り換え可能とする締め付け機構が設けられている。
本実施例における締め付け機構は、リテーナ220に設けられたねじ部224と、ねじ部224に係合するナット部材225と、スプリング280とを含んでいる。
チャック部材210は、円筒状に形成され、テーパ面部240,240はそれぞれ、チャック孔212内部から軸X方向のうち一方向(図2では右方向)に向かって徐々に大径
となるように、円錐台状に直線的に傾斜するように構成されている。ここで、各テーパ面部240,240のテーパ角度、長さ、小径端の径、大径端の径、テーパの傾斜方向は全く同じである。
チャック部材210の内周形状は、図2(b)に示すように、テーパ面部240の大径端とテーパ面部240の小径端との間の部分は、大径部から小径部に移行する段付き構成となっている。
リテーナ220は実施例1同様、薄肉円筒形状の部材で構成され、グォードローラ30が周方向に所定間隔で環状に複数配置されている(本実施例では6カ所に等配されている)。グォードローラ30は、リテーナ220に設けられた穴に、内径側と外径側の部分が露出した状態で保持されている。
また、本実施例のリテーナ220においては、さらに、複数のボール31を保持するように構成されている。
本実施例では、ボール31は、リテーナ220に設けられた溝(穴)に保持され、チャック部材210の内周面に軸X方向に沿って設けられた溝210aに係合するように構成されている。
ここで、ボール31は、図2(a)に示すように、軸X方向から見たときに、6個のボール31が周方向でグォードローラ30の間にそれぞれ配置するように構成されている。また、ボール31は、図2(b)に示すように、軸X方向において、2列のグォードローラ30列の間に配置するように構成されている。
このボール31は、回り止めの機能を有するもので、チャック部材210とリテーナ220との間に配設されることで、チャック部材210とリテーナ220との相対的な回転を防止する。
また、リテーナ220においては、軸X方向のうち一端部の外周面に、ねじ山が形成されたねじ部224が設けられている。そして、このねじ部224にナット部材225が係合するように構成されている。
ナット部材225は、ねじ部224に係合した状態でねじ山に案内されて回転することで、軸X方向に移動するように構成されている。
このとき、チャック部材210とリテーナ220との間にはボール31が設けられていることで、チャック部材210に対してナット部材225とともにリテーナ220が回転してしまうことを防止することができる。
スプリング280はコイルスプリングで構成され、一端がチャック部材210に設けられたバネ座219に係合し、他端が、リテーナ220に設けられたバネ座223に係合することで、付勢力を発揮できるように構成されている。
そして、スプリング280は、圧縮状態でチャック装置200に装着されており、リテーナ220に対してチャック部材210を相対的に、グォードローラ30,30がテーパ面部240,240から離れる方向(くさび状の隙間から大径部に向かう方向、図2(b)では軸X方向左側)に付勢(押圧)している。
スプリング280によりチャック部材210がリテーナ220に対して軸X方向左側に付勢されることで、チャック部材210の軸X方向左側の端部210bが、ナット部材225の軸X方向端部225aと当接状態にあり、これにより、リテーナ220とチャック部材210との間における軸X方向の位置が決まる。
ナット部材225をねじ部224に係合した状態で軸X方向左側に移動させると、チャック部材210はスプリング280に付勢されナット部材225に連動して軸X方向左側に移動する。また、ナット部材225を軸X方向右側に移動させると、チャック部材210はスプリング280の付勢力に抗してナット部材225に連動して軸X方向右側に移動する。このとき、端部210bと端部225aとの当接状態は維持されている。
なお、本実施例では、付勢手段としてスプリング280を例示しているが、これに限るものではない。すなわち、チャック部材210に対してリテーナ220を相対的に、グォードローラ30,30がテーパ面部240,240から離れる方向に付勢(押圧)できるものであればよい。
また、本実施例では、図示していないが、実施例1同様にОリング等のシール部材が適宜設けられるとよい。
次に、本実施例のチャック装置の作用について説明する。
軸300のチャッキング操作としては、まず、ナット部材225をリテーナ220に対して図2(b)において軸X方向左側に移動させておく。
チャック部材210は、スプリング280の付勢力によりリテーナ220に対して軸X方向左側に向けて押されているので、ナット部材225が軸X方向左側に移動することで、チャック部材210もナット部材225に連動してリテーナ220に対して軸X方向左側に移動する。
これにより、リテーナ220に保持されているグォードローラ30が、テーパ面部240の径が拡がる方向に移動する(テーパ面部240から離れる方向に移動する、テーパ面部240の噛み込み位置から離間する)こととなり、軸300が挿入可能となる。
この状態で、軸300をチャック孔212に挿入する。
軸300をチャック孔212に挿入した後、ナット部材225をリテーナ220に対して図2(b)において軸X方向右側に移動させていく。
このとき、ナット部材225の端部225aがチャック部材210の端部210bを押すことで、チャック部材210がスプリング280の付勢力に抗してナット部材225とともに、リテーナ220に対して軸X方向右側に移動するようになる。
これにより、リテーナ220に保持されているグォードローラ30は、テーパ面部240の径が狭まる方向に移動することとなり、グォードローラ30が、軸300の外周面とテーパ面部240間のくさび状空間に食い込んでいく。
この段階で、軸300は、リテーナ220に保持されている複数のグォードローラ30の接触面圧が均一になる方向にバランスされ、軸300の中心軸がチャック部材210の中心軸に自動調芯されつつ、グォードローラ30は、くさび作用によって、テーパ面部240と軸300表面の隙間に食い込む。
本実施例では、グォードローラ30,30がテーパ面部240,240に食い込み、くさび作用によって強くチャッキングされ、食い込んだグォードローラ30の接触摩擦力によってチャック部材210からの回転トルクが軸300に伝達される。
軸300は、軸X方向2個所のテーパ面部240,240に食い込むグォードローラ30,30によって自動調芯されながら固定される。テーパ面部240,240においては、高精度に加工可能であるため、軸300を各テーパ面部240,240において高精度に心出しすることができる。
このテーパ面部240,240に当接するグォードローラ30,30間の間隔は、任意に大きく設定することができ、この間隔を大きく設定することで、軸300の振れ方向のモーメントが作用した際に、グォードローラ30に加わる反力も小さくなり、振れを大幅に小さくすることができる。
また、テーパ面部240,240から離間する方向にグォードローラ30,30を移動させることにより、着脱も容易に行うことができる。すなわち、軸300をチャック装置から外す場合、再び、ナット部材225をリテーナ220に対して軸X方向左側に移動させる。これにより、リテーナ220に保持されているグォードローラ30,30が、テーパ面部240,240の径が拡がる方向に移動し、軸300が取り外し可能となる。
なお、本実施例では、2列の転動体列に対応する、傾斜方向が同じ方向となる2つのテーパ面部240,240が、軸X方向に離れて形成されている形態について説明したが、転動体列が複数設けられる場合には、複数の転動体列に対応して、傾斜方向が同じ方向となるテーパ面部は、軸X方向に離れて複数設けられる。
また本実施例では、チャック部材210とリテーナ220との相対的な回転を防止するために、ボール31を適用したが、回り止めとしては、これに限るものではなく、チャック部材210とリテーナ220との間において、軸X方向の移動を許容し、軸Xまわりの回転を防止するものであればよい。
[実施例3]
以下に、実施例3について説明する。なお、本実施例においては、実施例2に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例2と同様の構成部分については、その説明を省略する。
実施例2では、チャック部材210のチャック孔212内周に、内径が軸X方向のうち一方側(図2(b)では左側)に向かうにつれて徐々に小径となる2つの(一対の)テーパ面部240,240が、軸X方向に所定距離だけ離して形成されていた。そして、各テーパ面部240,240にそれぞれ対応した位置に移動可能となるように、周方向に沿って配列されたグォードローラ30の列が、軸X方向に離れて2列配置されていた。
これに対して、本実施例では、テーパ面部240は1つであり、軸X方向に離れて2列配置されたグォードローラ30,32の列が、1つのテーパ面部240に対応した位置に移動可能となるように構成されていることを特徴とする。そして、このグォードローラ30,32においては、テーパ面部240のテーパ面の内径に対応するように、サイズ(外径の大きさ)が異なるように形成されていることを特徴とする。
図3は、本実施例に係るチャック装置201の概略構成を示す図であり、(a)は軸方向から見たときの図、(b)は軸方向に沿った断面図である。なお、説明の便宜上、図3(a)においては要部(特に、グォードローラ30とボール31)を示すための図としている。
本実施例のリテーナ220においては、サイズの異なるグォードローラ30,32の列を保持するとともに、回り止め用のボール31を保持するように構成されている。
そして図3(b)に示すように、チャック部材210のチャック孔212内周には、内径が軸X方向のうち一方側(図3(b)では左側)に向かうにつれて徐々に小径となる1つのテーパ面部240が形成されている。そして、このテーパ面部240に対応した位置に移動可能となるように、周方向に沿って配列されたグォードローラ30,32の列が、軸X方向に離れて2列配置されている。
グォードローラ30,32は、テーパ面部240に対応(対向)する位置に位置した場合にテーパ面の内径に対応するように、グォードローラ32の外径の方が、グォードロー
ラ30の外径よりも小さくなるように形成されている。
このような構成によっても、リテーナ220に保持されているグォードローラ30,32が、テーパ面部240の径が狭まる方向に移動した場合には、グォードローラ30,32はそれぞれ、軸300の外周面とテーパ面部240間のくさび状空間に食い込んでいく。
そして、軸300は、リテーナ220に保持されている複数のグォードローラ30,32の接触面圧が均一になる方向にバランスされ、軸300の中心軸がチャック部材210の中心軸に自動調芯されつつ、グォードローラ30,32は、くさび作用によって、テーパ面部240と軸300表面の隙間に食い込む。
本実施例においても、グォードローラ30,32がテーパ面部240に食い込み、くさび作用によって強くチャッキングされ、食い込んだグォードローラ30,32の接触摩擦力によってチャック部材210からの回転トルクが軸300に伝達される。
したがって、本実施例の構成により、上述した効果同様の効果を得ることが可能となる。
また、本実施例では、テーパ面部240を1つとしているので、チャック部材210のチャック孔212内周面を、実施例2の形態よりもより容易に形成することが可能となり、チャック装置201の製造コストを実施例2の形態よりも抑えることが可能となる。
[他の実施例]
上述した実施例では、転動体として、グォードローラで構成される転動体列が2列配置された形態について示したが、これに限るものではない。すなわち、複数の転動体列が軸X方向に所定距離離れてリテーナに保持され、この複数の転動体列のうち少なくとも1つの転動体列がグォードローラによって構成されているものであればよい。
以下に、転動体列がグォードローラの列と、ボールの列との2列で構成される形態について説明する。
図4,5は、他の実施例のチャック装置を示す概略断面図である。
ここで、図4は、図2(b)に対応するもので、図5は、図3(b)に対応するものである。
図2(b)の形態では、2列の転動体列をグォードローラ30で構成していたのに対して、図4の形態では、2列の転動体列のうち1列をグォードローラ30で構成し、1列をボール33で構成している。
また、図3(b)の形態では、2列の転動体列をそれぞれグォードローラ30,32で構成していたのに対して、図5の形態では、2列の転動体列のうち1列をグォードローラ30で構成し、1列をボール34で構成している。このとき、ボール34の外径は、グォードローラ30の外径よりも小さくなるように構成されている。
このような構成においても、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
1…チャック装置、10…チャック部材、11…フランジ、12…チャック孔、13…中央円筒面部、15,16…開口端部、17…軸孔、18…ギア収納孔、20…リテーナ、21…つば部、22…外周円筒部、25a,25b…雄ねじ部、30…グォードローラ、30a…中央凹面部、30b…端部凸面部、40…テーパ面部、50…締め付け機構、52…歯付ねじ筒、52a…雌ねじ部、52b…外歯、54…操作ノブ、55…操作軸、56…歯車列、57…第1歯車、58…第2歯車、61,62…シールリング、75,76…シールド板、75a,76a…挿通穴、77…シール部材、78…シール部材、100…砥石、110…砥石軸、120…砥石本体、130…貫通孔

Claims (8)

  1. チャック対象物を差し込むためのチャック孔を備えたチャック部材と、
    前記チャック孔内周に前記チャック孔の孔軸方向に相対移動自在に挿入され、前記チャック孔の周方向に沿って配列された複数個の転動体の列を複数有し、この複数の転動体列を前記孔軸方向に所定距離離して保持するリテーナと、を備え、
    前記チャック部材のチャック孔内周には、内径が前記孔軸方向に徐々に小径となるテーパ面部が、各転動体列に対応して少なくとも1つ設けられ、
    さらに、前記チャック部材に対して前記リテーナを相対的に前記孔軸方向に移動させることにより、各転動体を、前記チャック孔内周のテーパ面部とチャック対象物外周面との間のくさび状の隙間に食い込ませるチャック状態と、前記くさび状の隙間から離脱させる非チャック状態とに切り換え可能とする締め付け機構が設けられ、
    前記複数の転動体列のうち少なくとも1つの転動体列はグォードローラによって構成されていることを特徴とするチャック装置。
  2. 前記リテーナは前記孔軸方向に並んで一対設けられ、
    前記テーパ面部は各リテーナに対向して一対設けられ、
    前記一対のテーパ面部は、内径が、前記孔軸方向において互いに逆方向に向かうにつれて徐々に小径となるようにそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
  3. 前記テーパ面部は前記孔軸方向に並んで複数設けられ、
    各テーパ面部は、内径が、前記孔軸方向において互いに同じ方向に向かうにつれて徐々に小径となるようにそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
  4. 前記締め付け機構は、前記一対のリテーナを、前記孔軸方向において互いに逆方向に移動させるねじ機構を備えることを特徴とする請求項2に記載のチャック装置。
  5. 前記締め付け機構は、前記リテーナにねじ込まれることで、前記孔軸方向において前記チャック部材に対する前記リテーナの位置を変更可能なナット部材を備えることを特徴とする請求項1又は3に記載のチャック装置。
  6. 1つの前記テーパ面部に複数の転動体列が対向するように配置され、
    前記孔軸方向で前記テーパ面部の内径が小径となる側に位置する転動体列を構成する転動体の方が、大径となる側に位置する転動体列を構成する転動体よりも外径が小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチャック装置。
  7. 前記複数の転動体列は、グォードローラによって構成される転動体列と、ボールによって構成される転動体列と、を備えている請求項1乃至6のいずれかの項に記載のチャック装置。
  8. 前記チャック部材と前記リテーナとの相対回転を防止する回り止め機構を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のチャック装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019147238A (ja) * 2018-02-28 2019-09-05 株式会社 ムラテクノロジー 基軸ホルダ及び電動工具、並びにホルダ本体

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