JP2015216004A - 流体加熱器 - Google Patents

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悦弘 西本
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Abstract

【課題】 熱効率及び再現性に優れた信頼性の高い流体加熱器を提供する。
【解決手段】 被加熱流体の流路13を内部に備えた流路ユニット10と、流路13内に収容され且つ電気絶縁材で被覆された線状発熱体20とからなり、線状発熱体20は絶縁被覆材同士が密着しないピッチで螺旋状に巻かれており、その螺旋軸の延在方向が流路13の方向に略一致する。線状発熱体20は流路13内を少なくとも一往復する往側発熱体21と復側発熱体22とからなり、これら往側発熱体21と復側発熱体22とが同軸状であって且つ螺旋の巻き方向が互いに逆であるのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、抵抗発熱体を用いて流体を加熱する流体加熱器に関する。
プロセス流体や洗浄液などの流体を所定の温度まで加熱する技術は、化学プラントや食品工場等の工業用途に留まらず、商業施設等に設置されたハンドドライヤーや一般家庭に於ける温水洗浄便座に至る様々な分野で広く適用されている。かかる流体の加熱では、被加熱流体である低温側の流体を蒸気や熱媒体などの高温側の流体と熱交換する方式が用いられることが多いが、高温側の流体が経済性等の理由で利用できない場合は、被加熱流体を所望の温度まで比較的すばやく加熱することが可能な抵抗発熱体による加熱方式を採用することがある。
例えば特許文献1には、セラミック製のシートの片面に抵抗発熱体となる高融点金属を印刷法により塗布し、これをセラミック製のパイプ材の外周面に抵抗発熱体が内側となるように巻きつけた後、接着及び焼成により一体化させたセラミックヒータが開示されている。また、特許文献2には、片方の面が接液面となる平面状のセラミックス基板のもう片方の面に抵抗発熱体を設け、更にその上に絶縁層を覆うことで形成された流体加熱用のセラミックヒータが開示されている。
特開2005−183371公報 特開2002−151236公報
昨今の環境保全や省電力に対する関心の高まりから、抵抗発熱体を用いた流体加熱器には消費電力が小さく効率よく流体を加熱できるものが求められている。しかしながら、上記した特許文献1に示す構造では、抵抗発熱体を覆うシートの材質が該シートが巻き付けられているパイプ状部材の材質と同じであるため、これらに挟まれている抵抗発熱体で発生した熱をパイプ状部材の内側を流れる流体に効率よく伝えることができなかった。また、特許文献2に示す構造では、温度変化が繰り返されるうちにセラミックス基板と絶縁層とのわずかな熱膨張係数差によりこれらの接着界面にクラックが生じやすく、信頼性を損なうことがあった。
本発明はかかる従来の流体加熱器が有する問題点に鑑みてなされたものであり、熱効率及び再現性に優れた信頼性の高い流体加熱器を提供する事を目的としている。
上記目的を達成するため、本発明が提供する流体加熱器は、被加熱流体の流路を内部に備えた流路ユニットと、前記流路内に収容され且つ略同じ肉厚の電気絶縁材で被覆された線状発熱体とからなり、前記線状発熱体は前記絶縁被覆材同士が密着しないピッチで螺旋状に巻かれており、その螺旋軸の延在方向が前記流路の方向に略一致することを特徴としている。
本発明によれば、従来の流体加熱器に比べて熱効率及び再現性に優れた信頼性の高い流体加熱器を提供することができる。
本発明の流体加熱器の一具体例を示す縦断面図である。 本発明の流体加熱器が有する線状発熱体の一具体例を示す平面図である。 本発明の流体加熱器が有する線状発熱体が巻き付けられる櫛歯状部材の一具体例を示す斜視図である。 図3の櫛歯状部材を構成する板状部材を示す斜視図である。 図3の櫛歯状部材に往側発熱体と復側発熱体とがスペーサーを介して巻き付けられている様子を示す正面図である。
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。本発明の実施形態の流体加熱器は、被加熱流体の流路を内部に備えた流路ユニットと、前記流路内に収容され且つ電気絶縁材で被覆された線状発熱体とからなり、前記線状発熱体は前記絶縁被覆材同士が密着しないピッチで螺旋状に巻かれており、その螺旋軸の延在方向が前記流路の方向に略一致することを特徴としている。かかる構成により従来の流体加熱器に比べて熱効率及び再現性に優れた信頼性の高い流体加熱器を提供することができる。
上記した本発明の実施形態の流体加熱器においては、前記線状発熱体は前記流路内を少なくとも一往復する往側発熱体と復側発熱体とからなり、これら往側発熱体と復側発熱体とは同軸状であって且つ螺旋の巻き方向が互いに逆であるのが好ましい。これにより螺旋状の線状発熱体によって生じる磁場を打ち消すことが可能になる。
上記した本発明の実施形態の流体加熱器においては、前記線状発熱体を収容した流路が前記流路ユニット内に2本以上設けられており、それら流路は互いに平行に延在しているのが好ましい。これにより当該2本以上の流路に流す被加熱流体の流し方を並列及び直列の中から選択することが可能になり、流路ユニットの設計の自由度を増やすことが可能になる。
上記した本発明の実施形態の流体加熱器においては、前記流路の最下部に被加熱流体の供給口が設けられており、前記流路の最上部に被加熱流体の排出口が設けられているのが好ましい。これにより線状発熱体の全体を被加熱流体に浸漬させることができるので極めて高い熱効率が確保されるうえ、線状発熱体が局所的に過熱状態になるのを避けることができる。
上記した本発明の実施形態の流体加熱器においては、前記線状発熱体が櫛歯状部材に螺旋状に巻き付けられて前記流路内に収納されているのが好ましい。特に、線状発熱体を往側発熱体と復側発熱体とで構成する場合は、前記櫛歯状部材の隣接する歯部同士の間の隙間の奥側に前記往側発熱体が螺旋状に巻きつけられており、前記隙間の外側に前記復側発熱体が螺旋状に巻きつけられているのが好ましい。これにより流路内に極めて高い密度で線状発熱体を納めることが可能になる。
上記した本発明の実施形態の流体加熱器においては、前記櫛歯状部材の各歯部に前記往側発熱体と前記復側発熱体とを離間させるスペーサーが嵌装されているのが好ましい。これにより流路内に極めて高い密度で線状発熱体を収納する場合においても、線状発熱体同士が接触して局所的に過熱状態になるのを避けることが可能になる。更に、前記復側発熱体の前記螺旋の最外周部よりも前記櫛歯状部材の各歯部の先端部が外側に突出しているのが好ましい。これにより流路内に極めて高い密度で線状発熱体を収容する場合においても、線状発熱体が流路ユニットの壁面と接触して局所的に過熱状態になるのを避けることが可能になる。
次に、図1を参照しながら本発明の流体加熱器の一具体例について具体的に説明する。図1に示す本発明の一具体例の流体加熱器1は、被加熱流体が流れる流路を内部に備えた略直方体形状の流路ユニット10と、この流路を流れる被加熱流体を所定の温度まで加熱する電気絶縁材で被覆された線状発熱体20とからなる。具体的に説明すると、流路ユニット10は、その長手方向の両端部にそれぞれ被加熱流体の供給口11及び排出口12を備えており、これら供給口11及び排出口12に連通する流路13が内部に形成されている。
流路13は2本の互いに平行に延在する上側流路13aと下側流路13bとで構成されており、流路ユニット10内に供給口11を経て導入された被加熱流体は、供給口11から入って直ぐに分岐してこれら2本の流路を並列に流れた後、排出口12の直前で合流して排出口12から排出される。なお、流路13の形状はこれに限定されるものではなく、平行な3本以上の流路群で構成してもよいし、供給口から排出口まで1本の流路のみで構成してもよい。1本のみの流路の場合は一直線状に延在させてもよいし、横方向に又は上下方向に蛇行させてもよい。複数本の流路の場合はそれらを図1のように並列に連通させてもよいし、直列に連通させてもよい。
上記したような流路を備えた流路ユニットは、例えば直方体形状の中実ブロックに対してその一面に機械加工で流路となる所望のパターンの溝を掘った後、この機械加工を施した面を覆うように矩形板状の蓋をかぶせて溶接やろう付け等により接着し、流路の両端部にそれぞれ供給口及び排出口となる開口部を穿孔することにより作製することが出来る。
あるいは、中実の円柱部材にその軸方向に貫通する流路を設けた後、供給口用又は排出口用の開口部を備えた円板状の蓋を両端部に接着することで作製することも可能である。なお、この場合はパイプ材を用いることにより流路用の貫通孔を加工する手間が省けるのでより簡易に作製することが可能になる。被加熱流体の流路は、内壁面の加工粗度を粗くして内部を流れる流体が乱流になりやすくしたり、邪魔板を設けて流路を長くしたりしてもよい。これにより、被覆された線状発熱体20からの伝熱効率を向上させることが出来る。
流路ユニットを作製する時は、被加熱流体が下側から入って上側から抜けるように供給口及び排出口を設置するのが好ましい。具体的には図1に示すように供給口11を流路13の最下部に設けるとともに、排出口12を流路13の最上部に設けるのが好ましい。これにより、流路13内に被加熱流体を導入する時、流路13内に被加熱流体を最下部から最上部に向けて充満させることができ、被加熱流体が液体の場合は流路13内にエアポケットを生じさせることなく満液状態にすることができる。その結果、被覆された線状発熱体20をすべて被加熱流体に浸漬させることができるので、極めて高い熱効率を実現することが出来る。
これに対して排出口12の位置が流路13の最上部になければ、被覆された線状発熱体20がすべて被加熱流体に浸漬する前に排出口12から被加熱流体が排出されるので、被加熱流体が液体の場合は被覆された線状発熱体20の上部が被加熱流体の液面上に露出し、効率よく伝熱させることができなくなる。しかも、この露出部分では被覆された線状発熱体20が異常過熱しやすくなり、被覆材が溶解する等の問題が生じるおそれがある。
流路ユニット10の材質には、金属や樹脂など様々なものを用いることができ、被加熱流体の性質やその使用温度域、流路ユニット10の設置環境等により適宜選定することが出来る。金属の場合は、例えば銅、アルミニウム、ステンレス等を使用することができる。これらの金属は汎用的でコストパフォーマンスに長ける他、機械加工やろう付け、溶接等の加工技術により容易に作製できるため加熱器の設置場所や必要とする加熱器のサイズ、形状などに応じて比較的自由に設計することが可能になる。また、金属は樹脂に比較して耐熱温度が高く、機械強度に優れているという利点を有しており、ステンレスの場合は更に耐環境性にも優れている。
一方、樹脂の場合は、例えばアクリル、フッ素樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は汎用的でコストパフォーマンスに優れ、機械加工や溶着等の加工技術により容易に作製できる。特に、樹脂の場合は金属に比較して融点が低いため、比較的低温で溶接等の形状加工が容易に出来るという利点がある。加えて、樹脂は軽量で且つ耐環境性能に優れるという利点があり、特にテフロンに代表されるフッ素樹脂は極めて高い耐環境性を有している。そのため、重量制限がある場合や環境負荷が特に高い用途に好適に用いることができる。
上記の流路13内に収容する電気絶縁材で被覆された線状発熱体20には、金属素線を用いることができる。金属素線の材質は、ステンレス、ニッケル−クロム、クロムを含む合金等を用いることが出来る。この金属素線の表面全体を略同じ肉厚で被覆する電気絶縁材には例えばビニル、ポリエチレン、ポリイミド、シリコーン、フッ素樹脂等を使用することができる。具体的な材質は被加熱流体の種類やその使用温度域などにより適宜選定することが出来る。耐熱、耐環境性が必要な場合はテフロン等のフッ素樹脂を用いるのが望ましく、それ以外の場合は汎用的なビニル、ポリエチレン、ポリイミド、シリコーンを用いることでコストメリットが得られる。
上記の電気絶縁材で被覆された線状発熱体20を螺旋状に巻いて流路13内に収容する。その際、図1に示すように、螺旋軸の延在方向と流路13の方向とが略平行となるようにする。また、線状発熱体20は、その絶縁被覆材同士が互いに接することがないピッチで螺旋状に巻くようにする。これにより、流路13内に線状発熱体20を高密度に収容することが出来、また線状発熱体20のすべての表面を被加熱流体に接触させることができるので、極めて高い熱効率を達成することができる。これに対して絶縁被覆材同士が接していると、被加熱流体に接触する面積が少なくなって熱効率が低下するうえ、その部分では発熱密度が高くなって局所的な異常過熱の要因となるので好ましくない。
上記の線状発熱体20は、流路13内で少なくとも一往復させることが好ましい。これにより、より一層高い密度で流路13内に線状発熱体20を収容することが出来る。流路13内で一往復させる場合は、図2に示すように往側発熱体21と復側発熱体22とを同軸状であって且つ螺旋の巻き方向が互いに逆となるように螺旋状に巻くのが好ましい。例えば、往側発熱体21を右巻きにする場合は復側発熱体22を左巻きにするのが好ましい。この様に同軸状であって且つ螺旋の巻き方向を逆にすることで、各コイルにより発生する磁場を打ち消すことができ、加熱器が周辺に及ぼす磁気の影響を抑えることが出来る。なお、図2には復側発熱体22がその絶縁被覆材同士が互いに接することがないピッチPで螺旋状に巻かれた状態が示されている。
上記したように線状発熱体20を螺旋状に巻いた状態で流路13内に収容する際、その絶縁被覆材同士が確実に密着しないようにするために櫛歯状部材を用いるのが好ましい。例えば図3に示す一具体例の櫛歯状部材30は、櫛歯を有する4枚の略同形状の矩形片が櫛歯側を外側に向けて断面十字の放射状となった立体構造を有しており、この櫛歯に沿って線状発熱体20を巻きつけることによって所望のピッチで螺旋状に巻き付けることができる。そして、線状発熱体20が巻き付けられたままの状態で櫛歯状部材30を流路13に挿入することで螺旋軸の延在方向を流路13の方向に一致させることができる。
図3の櫛歯状部材30は、例えば図4に示すような櫛歯を両側面に備えた2枚の略同形状の矩形板状部材31を組み合わせることで作製することができる。すなわち、2枚の同形状の矩形板状部材を用意し、各々長手方向に延びる両側面に櫛歯を設けると共に、長手方向の一端部から長手方向の中央部まで切り欠き部を形成し、これら切り欠き部同士を嵌め込むことによって櫛歯状部材30を形成することができる。なお、櫛歯状部材30の材質は、流路ユニット10の材質と同等にするのが好ましい。
線状発熱体20を一往復する往側発熱体21と復側発熱体22とで構成する場合は、図4に示す櫛歯状部材30の隣接する歯部32同士の間の隙間33の奥側に往側発熱体21を螺旋状に巻きつけ、隙間33の外側に復側発熱体22を螺旋状に巻きつけるのが好ましい。その際、往側発熱体21と復側発熱体22とが接触しないように、櫛歯状部材30の各歯部32に往側発熱体21と復側発熱体22とを離間させるスペーサー34を嵌装するのが好ましい。
更に、復側発熱体22の螺旋の最外周部よりも櫛歯状部材30の各歯部32の先端部が外側に突出しているのが好ましい。図5には櫛歯状部材30の各歯部32の先端部が、復側発熱体22の螺旋の最外周部よりも長さLだけ外側に突出している状態が示されている。これにより線状発熱体20が流路ユニット10の壁面と接触して局所的に過熱状態になるのを避けることが可能になる。
流路ユニット10には、線状発熱体20の温度を制御するための温度センサー14が設けられている。温度センサー14には測温抵抗体を用いることが好ましい。測温抵抗体は、例えば測温素子部として絶縁セラミック基体の平面部に白金抵抗体を蒸着等の手段により形成し、その抵抗値を所定の値となるように調整した後、その電極パッド部にリード線をボンディング等の手段で接合することで得られる。上記の白金抵抗体及び電極パッド部は絶縁膜で被覆されていることが好ましい。かかる構成により測温素子部を小型化することができ、温度応答性を高めることが出来る。
測温抵抗体は流路ユニット10の外壁面や内壁面、または流路内(空間)や線状発熱体の絶縁被覆部の表面上に設置することが出来る。具体的な設置場所は、測定したい部位や制御機器とのマッチング等を考慮して適宜選定する。設置に際して、測温抵抗体のリード線に金属シースまたは樹脂パイプを被せ、流路ユニット10の壁面に設けた挿通孔に通してから該挿通孔を溶接することにより、外部とのシール性を保ったまま流路ユニット10内の温度を測定することができる。
流路ユニット10の内部で流体温度を測定する際は、被加熱流体からの圧力による機械的な損傷を避けるため、また被加熱流体の種種によっては耐環境性を考慮して樹脂パイプを測温素子部まで被せると共に、その先端部に当該樹脂パイプと略同一材質の樹脂を充填してシールすることが好ましい。また、線状発熱体の温度を測定する際は、線状発熱体を被覆している電気絶縁材の表面上に測温素子を当接させた後、上述したように樹脂パイプを被せて同様の手段でシールするのが好ましい。
流路ユニット10の内外壁面等に設置する際は、接着剤を用いて固定することができる。接着剤にはシリコーンやエポキシ等の有機系樹脂を主成分としたものや、セラミック粒等の無機材料とバインダ成分を組み合わせたものを利用することが出来る。特にシリコーン樹脂を主成分とした接着剤は、流体加熱に必要な温度帯に耐える耐熱性を有し、且つ弾力性を有することから、測温素子と周辺部材の僅かな熱膨張量差を吸収し得るため好適である。
以上、本発明の流体加熱器について具体例を挙げて説明したが、本発明は係る具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲の種々の態様で実施可能である。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に及ぶものである。
PTFE製の幅50mm×高さ50mm×長さ100mmの直方体形状の中実ブロックを準備し、そこに流路として長手方向に延在する内径20mmの貫通孔を4本設けた。これら4本の流路に並列して被加熱流体が流れるように、中実ブロックの長手方向両端部にこれら4本の流路に連通する空間部を設けた。このようにして作製した流路ユニットの4本の流路内に収容される被覆された線状発熱体として、外径0.45mm×長さ約10mのSUS304軟質線からなる金属素線に厚み0.5mmのPTFEを被覆したものを用意した。
この被覆された線状発熱体を図3に示すようなPTFE製の櫛歯状部材4個に各々螺旋状に巻きつけた。その際、図5に示すように先ず櫛歯状部材の内側に右巻きで螺旋状に巻き付けた後、各歯部にPTFE製の環状スペーサーを嵌装し、櫛歯状部材の外側に左巻きで螺旋状に巻き付けた。これにより、往側発熱体と復側発熱体とを同軸状に巻き付けることができた。また、復側発熱体の最外周部の外側から櫛歯状部材の歯部の先端部分を突出させることができた。
このようにして作製した、被覆された線状発熱体が各々端から端まで一往復巻き付けられた4個の櫛歯状部材を4本の流路にそれぞれ収容した。また、線状発熱体上の被覆部に測温抵抗体を当接させ、この状態で該測温抵抗体が当接している線状発熱体の一部を測温抵抗体と共にパイプで覆い、その内部に被加熱流体が侵入しない様にパイプの先端部を溶接シールした。更に流路ユニットの両端に矩形の蓋部材を溶接し、その一方には流路の最下部に連通する位置に、他方には流路の最上部に連通する位置にそれぞれ貫通孔を設けた。そしてこれら貫通孔にPTFE製のパイプを溶接で取り付けてそれぞれ供給口及び排出口とした。このようにして試料1の流体加熱器を作製した。
比較のため、被覆された線状発熱体を4本の櫛歯状部材に螺旋状に巻き付けた上記試料1の流体加熱器の構成に代えて、外径0.45mmのSUS304軟質線からなる発熱体をSUS304からなる外径2.4mm、内径2.0mmのシース管内に挿通し、このシース管の内壁面と発熱体との間にMgOを充填したシース型発熱線を螺旋状に巻いたものを4本用意した。これら4本のシース型発熱線を上記した試料1の流体加熱器と同様に作製した流路ユニットの4本の流路にそれぞれ収容し、以降は上記した試料1の流体加熱器と同様にして試料2の流体加熱器を作製した。
このようにして作製した試料1及び2の流体加熱器の各々に対して、流体として約22℃に温度管理された水を1.0L/minの流量で通水した状態で、線状発熱体の金属素線に約2kWの電力を印加して水を昇温させた。約520秒経過後、線状発熱体の金属素線への給電を停止し、通水による熱交換で温度降下させた。このヒートサイクルを1000回繰り返し行った。更にその後、初期と同じ条件で水温上昇試験を行った。この際、昇温に伴う水の出入り口温度、ならびにヒートサイクル後の外観に致命的な欠陥がないか確認した。
その結果、試料1の流体加熱器では、初期評価で水の出入り口温度差が25℃となり、また1000回のヒートサイクルを繰り返しても外観異常や局所的な過熱部分が認められず、性能も初期と同等の数値を示した。一方、試料2の流体加熱器では、初期評価での水の出入り口温度差が15℃であり、更に1000回のヒートサイクルを繰り返した後の性能評価では、水の出入り口温度差は9.7℃と悪化した。解体して内部を点検したところ、試料2の流体加熱器は、SUS304シース管に亀裂が入っていることが確認された。
試料1は試料2に比べて外径、材質が適していることから流路内に密に配置することができ、極めて高い熱効率が得られることが分かった。また、試料1は試料2に比べて発熱体と流体との間の接触界面が少なく、熱伝達に優れることが分かった。さらに螺旋状に巻いた状態でのストレスに起因する長期安定性においても試料1が試料2よりも優れていることが分かった。このように、本発明によれば熱効率が高く信頼性の高い流体加熱器が得られることが分かった。
1 流体加熱器
10 流路ユニット
11 供給口
12 排出口
13 流路
13a 上側流路
13b 下側流路
14 温度センサー
20 線状発熱体
21 往側発熱体
22 復側発熱体
30 櫛歯状部材
31 板状部材
32 歯部
33 隙間
34 スペーサー
P ピッチ
L 突出長さ

Claims (8)

  1. 被加熱流体の流路を内部に備えた流路ユニットと、前記流路内に収容され且つ電気絶縁材で被覆された線状発熱体とからなり、前記線状発熱体は前記絶縁被覆材同士が密着しないピッチで螺旋状に巻かれており、その螺旋軸の延在方向が前記流路の方向に略一致する流体加熱器。
  2. 前記線状発熱体は前記流路内を少なくとも一往復する往側発熱体と復側発熱体とからなり、これら往側発熱体と復側発熱体とは同軸状であって且つ螺旋の巻き方向が互いに逆である、請求項1に記載の流体加熱器。
  3. 前記線状発熱体を収容した流路が前記流路ユニット内に2本以上設けられており、それら流路は互いに平行に延在する、請求項1又は請求項2に記載の流体加熱器。
  4. 前記流路の最下部に被加熱流体の供給口が設けられており、前記流路の最上部に被加熱流体の排出口が設けられている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の流体加熱器。
  5. 前記線状発熱体は櫛歯状部材に螺旋状に巻き付けられて前記流路内に収納されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の流体加熱器。
  6. 前記櫛歯状部材の隣接する歯部同士の間の隙間の奥側に前記往側発熱体が螺旋状に巻きつけられており、前記隙間の外側に前記復側発熱体が螺旋状に巻きつけられている、請求項5に記載の流体加熱器。
  7. 前記櫛歯状部材の各歯部に前記往側発熱体と前記復側発熱体とを離間させるスペーサーが嵌装されている、請求項5又は請求項6に記載の流体加熱器。
  8. 前記復側発熱体の前記螺旋の最外周部よりも前記櫛歯状部材の各歯部の先端部が外側に突出している、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の流体加熱器。
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