JP2015215992A - プラズマ発生装置用の高周波電流測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 給電導体に複雑な溝加工を施さなくても、給電導体に流れる高周波電流を測定することができる高周波電流測定装置を提供する。【解決手段】 この高周波電流測定装置20は、給電導体18の表面に、電極24、26を、絶縁物22を介在させて、かつ給電導体18の長手方向に沿って配置している。両電極24、26間に導体28を介して電流検出器30を接続して、給電導体18に高周波電流Iが流れることによって発生する高周波磁界Bと鎖交して誘導電流が循環して流れる閉回路32を形成している。更に、電流検出器30で検出した上記誘導電流を用いて、給電導体18に流れる高周波電流Iを算出する演算器36を備えている。【選択図】 図3
Description
この発明は、給電導体を経由してアンテナに高周波電流を流すことによってアンテナの近傍に誘導電界を発生させてプラズマを発生させる、いわゆる誘導結合型のプラズマ発生装置の前記給電導体に流れる高周波電流を測定する装置に関する。プラズマ発生装置は、より具体的には、例えば、プラズマCVD装置、プラズマスパッタ装置、プラズマエッチング装置、プラズマアッシング装置等である。
高周波電力を用いてプラズマを発生させるプラズマ発生装置には、大別して次の二つのタイプがある。
一つは、対向する電極間に高周波電圧を印加することによって、当該対向する電極間にプラズマを発生させる容量結合型(略称CCP)のプラズマ発生装置である。
他の一つは、アンテナに高周波電流を流すことによって当該アンテナの近傍に誘導電界を発生させてプラズマを発生させる誘導結合型(略称ICP)のプラズマ発生装置である。本発明はこのタイプに属する。
誘導結合型のプラズマ発生装置においては、アンテナに流れる高周波電流でプラズマを制御するために、当該アンテナに流れる高周波電流を測定する必要がある。その場合、高周波電源の出力部で高周波電流を測定しても、アンテナに流れる高周波電流を正しく測定することはできない。伝送路の途中で高周波電力の損失があるからである。従って、アンテナへの給電導体に流れる高周波電流を、できるだけアンテナの近くで測定するのが好ましい。
高周波電極等への給電導体に流れる高周波電流を測定する技術の一つとして、当該給電導体内に、高周波電流の迂回路を形成する溝を設けてインダクタンスを大きくし、当該溝の部分に発生する電圧を測定する技術が既に提案されている(例えば特許文献1参照)。
これを図1を参照して説明すると、この測定技術は、内側導体52および円筒状の外側導体54を有する同軸状の給電導体50を構成する外側導体54内に、高周波電流Iの迂回路を形成する溝56を設けておいて、当該溝56の部分のインダクタンスを大きくし、当該溝56の部分に発生する電圧V1 を測定するものである。溝56は、全体としては環状の形状をしており、その断面形状はL字状をしている。電圧V1 は、外側導体54を流れる高周波電流Iに比例するので、この電圧V1 を測定することによって高周波電流Iを測定することができるとされている。
上記従来の測定技術では、給電導体50を構成する外側導体54に高周波電流Iが流れることによって発生する電圧V1 をある程度大きくしてその測定を容易にするために、外側導体54内に上述したような複雑な形状をした溝56を設ける必要があり、給電導体50に複雑な溝加工を施さなければならないという課題がある。
そこでこの発明は、給電導体に複雑な溝加工を施さなくても、給電導体に流れる高周波電流を測定することができる高周波電流測定装置を提供することを主たる目的としている。
この発明に係る高周波電流測定装置は、給電導体を経由してアンテナに高周波電流を流すことによって誘導電界を発生させてプラズマを発生させるプラズマ発生装置の前記給電導体に流れる高周波電流を測定する装置であって、前記給電導体の表面に、絶縁物を介在させて第1および第2の電極を近接させて配置し、かつ両電極を前記給電導体の長手方向に沿って互いに離して配置しており、前記第1および第2の電極間に導体を介して電流検出器を接続して、前記第1および第2の電極と前記給電導体との間の静電容量、前記導体、前記電流検出器ならびに前記給電導体の一部によって、前記給電導体に高周波電流が流れることによって発生する高周波磁界と鎖交して誘導電流が循環して流れる閉回路を形成していて、前記電流検出器は当該誘導電流を検出するものであり、更に、前記電流検出器で検出した誘導電流を用いて、前記給電導体に流れる高周波電流を算出する演算器を備えている、ことを特徴としている。
前記閉回路には給電導体を流れる高周波電流に比例した誘導電流が循環して流れ、当該誘導電流を前記電流検出器によって検出し、当該検出した誘導電流を用いて、演算器によって、給電導体に流れる高周波電流を算出することができる。従って、給電導体に複雑な溝加工を施さなくても、給電導体に流れる高周波電流を測定することができる。
前記閉回路の周囲を囲んでいて、前記給電導体以外からの高周波磁界が前記閉回路と鎖交するのを抑制する遮蔽体を更に備えていても良い。
前記電流検出器は、前記誘導電流によって発光する発光素子および当該発光素子からの光を受けてそれを電気信号に変換する受光素子を有しており、前記演算器は、前記受光素子からの電気信号に基づいて前記算出を行うものである、という構成を採用しても良い。
請求項1に記載の発明によれば、前記閉回路には給電導体を流れる高周波電流に比例した誘導電流が循環して流れ、当該誘導電流を前記電流検出器によって検出し、当該検出した誘導電流を用いて、演算器によって、給電導体に流れる高周波電流を算出することができる。従って、給電導体に複雑な溝加工を施さなくても、給電導体に流れる高周波電流を測定することができる。
請求項2に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、遮蔽体によって、測定対象の給電導体以外からの高周波磁界が閉回路と鎖交するのを抑制することができるので、測定対象の給電導体に流れる高周波電流をより正確に測定することができる。
請求項3に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、閉回路と演算器との間を電気絶縁した状態で、閉回路に流れる誘導電流の情報を演算器へ伝達することができる。従って例えば、閉回路の電位が上昇するような使い方をしても、その電位上昇の影響が演算器側へ及ぶのを防止することができる。
この発明を適用するプラズマ発生装置の一例を図2に示す。この装置は、図示しない真空排気装置によって真空排気される真空容器2を有しており、この真空容器2内の上部にはアンテナ10が設けられている。下部には基板4を保持するホルダ6が設けられている。この真空容器2内には、プラズマ生成用の所望のガスが導入される。
この装置は、高周波電源12から整合回路14および二つの給電導体16、18を経由してアンテナ10に高周波電流I(高周波だから、この高周波電流Iの向きは時間によって反転する。以下同様)を流すことによって、真空容器2内においてアンテナ10の近傍に誘導電界を発生させて、当該誘導電界によって上記ガスを電離させてプラズマ8を発生させる誘導結合型のプラズマ発生装置である。高周波電流Iの周波数fは、例えば、一般的な13.56MHzであるが、これに限られるものではない。このプラズマ8を用いて、例えば基板4に、CVD法による膜形成、スパッタリングによる膜形成、エッチング、アッシング等の処理を施すことができる。
このプラズマ発生装置は、プラズマCVD法によって膜形成を行う場合はプラズマCVD装置、スパッタリングによって膜形成を行う場合はプラズマスパッタ装置、エッチングを行う場合はプラズマエッチング装置、アッシングを行う場合はプラズマアッシング装置と呼ぶこともできる。
アンテナ10は、この例では、まっすぐな板状のものであるが、それに限られるものではなく、例えば、まっすぐな棒状、湾曲体状、コイル状等のものでも良い。また、アンテナ10は、互いに沿って配置された二つの導体の長手方向の一方端同士を接続した往復導体構造をしていても良い。そのような往復導体構造をしたアンテナの一例がWO2012/176242号公報に記載されており、アンテナ10はそのようなアンテナでも良い。
前述したように、アンテナ10に流れる高周波電流Iをできるだけ正確に測定するためには、アンテナ10への給電導体16または18に流れる高周波電流Iを、できるだけアンテナ10の近くで測定するのが好ましい。
例えば、(1)整合回路14に接続される側の給電導体16が真空容器2を貫通する部分の近くであって、真空容器2の外側(即ち大気側)の測定箇所aまたは真空容器2内側(即ち真空側)の測定箇所bで高周波電流Iを測定しても良い。
または、(2)接地される側の給電導体18が真空容器2を貫通する部分の近くであって、真空容器2の外側(即ち大気側)の測定箇所cまたは真空容器2内側(即ち真空側)の測定箇所dで高周波電流Iを測定しても良い。
あるいは、上記(1)の箇所と(2)の箇所の両方で高周波電流Iを測定しても良い。これについては更に後述する。
上記測定箇所a、b、cまたはdにおいて、給電導体16または18に流れる高周波電流Iを測定する高周波電流測定装置20の一実施形態を図3に示し、その等価回路図を図4に示す。なお、以下においては、給電導体18に流れる高周波電流Iを測定する場合を例に説明しているが、給電導体16に流れる高周波電流Iを測定する場合も同様である。
この高周波電流測定装置20は、給電導体18の表面に、絶縁物22を介在させて第1および第2の電極24、26を近接させて配置している。かつ両電極24、26を、給電導体18の長手方向に沿って、互いに所定距離だけ離して配置している。
この実施形態では、絶縁物22は絶縁層であり、電極24、26は導体層(より具体的には金属層)である。図3の例では、二つの電極24、26用の絶縁物22は二つに(図3(B)において上下二つに)分離されているけれども、一体のものでも良い。後述する他の実施形態においても同様である。
更に、両電極24、26間に導体28を介して電流検出器30を接続して、各電極24、26と給電導体18との間の静電容量C(図4参照)、導体28、電流検出器30および給電導体18の一部(即ち両電極24、26間に位置する給電導体18の部分)によって、給電導体18に高周波電流Iが流れることによって発生する高周波磁界Bと鎖交して誘導電流Im が循環して流れる閉回路32を形成している。誘導電流Im は、高周波電流Iと同じ周波数の高周波であるので、閉回路32に静電容量Cが存在していても流れる。電流検出器30は、この誘導電流Im を検出するものである。電流検出器30は、例えば、抵抗器である。その場合、当該抵抗器の両端に誘導電流Im に比例した電圧が発生するので、それによって誘導電流Im を検出することができる。なお、高周波磁界Bおよび誘導電流Im の向きは、高周波電流Iの向きの反転に伴って反転する。
閉回路32の寸法は、例えば、幅W1 が1.5cm〜5cm程度、高さH1 が2cm〜5cm程度であるが、これに限られるものではない。
図4の例では、電極24の部分の静電容量と電極26の部分の静電容量を共にCとしているが、両者は異なる静電容量でも良い。電流検出器30の両側における導体28のインダクタンスを共にL2 としているが、両者は異なるインダクタンスでも良い。両電極24、26間に位置する部分の給電導体18のインダクタンスをL1 、電流検出器30の抵抗をRとしている。給電導体18および導体28の抵抗は、高周波電流Iの上記のような周波数ではリアクタンスに比べて非常に小さいために無視している。
この高周波電流測定装置20は、更に、電流検出器30で検出した誘導電流Im を用いて、給電導体18に流れる高周波電流Iを算出する演算器36を備えている。電流検出器30で検出した誘導電流Im の情報は、例えば、リード線34を経由して演算器36に伝達される。ノイズの混入を抑制する等のために、リード線34に、より線またはシールド線を用いても良い。
給電導体18に高周波電流Iが流れることによって高周波磁界Bが発生し(その大きさは、アンペールの法則により、高周波電流Iの大きさに比例する)、この高周波磁界Bが閉回路32と鎖交することによって閉回路32に誘導起電力が発生し(その大きさは、ファラデーの法則により、高周波磁界Bの大きさおよび閉回路32の高周波磁界Bに直交する面積Sに比例する)、この誘導起電力によって閉回路32に誘導電流Im が流れる(その大きさは、キルヒホッフの法則により、閉回路32のインピーダンスZに反比例する)。従って、誘導電流Im は次式で表すことができる。
[数1]
Im ∝(S/Z)I
Im ∝(S/Z)I
上記式からも分るように、閉回路32は、高周波磁界Bと実質的に直交するように、または直交に近い状態で交差するように配置するのが好ましく、そのようにすると上記面積Sが大きくなり、それに従って誘導電流Im も大きくなるので、その検出が容易になる。
閉回路32の上記面積SおよびインピーダンスZを固定すると、これらは定数となるので、上記数1を変形した次式に基づいて、高周波電流Iを求めることができる。Kは比例定数である。
[数2]
I∝(Z/S)Im
=K・Im
I∝(Z/S)Im
=K・Im
演算器36は、電流検出器30で検出した誘導電流Im を用いて、上記数2またはそれと数学的に等価の式に従って、給電導体18に流れる高周波電流Iを算出するものである。この演算器36は、例えばコンピュータでも良い。より具体例を挙げると、図2に示すプラズマ発生装置を制御するためのコンピュータにこの演算器36の機能を持たせておいても良い。
上記比例定数Kは、閉回路32の構成および形状を変えない限り一定であるので、閉回路32の構成および形状を決めた後に、給電導体18に既知の値の高周波電流Iを流して、そのときに電流検出器30で検出する誘導電流Im と当該高周波電流Iとの数2に示す関係に基づいて比例定数Kを予め求めておいて、それを用いれば良い。このようにして求めた比例定数Kが、当該閉回路32の、即ち当該高周波電流測定装置20の固有の比例定数となる。このようにして求めた比例定数Kは、例えば、演算器36内に保存しておいても良いし、演算器36に外部から与えても良い。
この高周波電流測定装置20によれば、閉回路32には給電導体18を流れる高周波電流Iに比例した誘導電流Im が循環して流れ、当該誘導電流Im を電流検出器30によって検出し、当該検出した誘導電流Im を用いて、演算器36によって、給電導体18に流れる高周波電流Iを算出することができる。従って、前述した従来技術のように給電導体18に複雑な溝加工を施さなくても、給電導体18に流れる高周波電流Iを測定することができる。
高周波電流測定装置20は、図3に示す実施形態のように、閉回路32(これには前述したように給電導体18の一部が含まれている)の周囲を囲んでいて、測定対象の給電導体18以外からの高周波磁界が閉回路32と鎖交するのを抑制する遮蔽体42を更に備えていても良い。後述する他の実施形態においても同様である。
遮蔽体42は、この例では、筒状(より具体的には円筒状)のものであるが、それ以外の形状でも良い。遮蔽体42の高さH2 は、例えば、閉回路32の高さH1 の2倍程度にすれば良いが、これに限られるものではない。
遮蔽体42の材質は、例えば、ケイ素鋼板等の強磁性体でも良いし、アルミニウム、銅等の非磁性導体でも良い。ケイ素鋼板等の強磁性体は透磁率が高いので、他からの高周波磁界の遮蔽効果が高い。アルミニウム等の非磁性導体でも、その中に渦電流が流れることによって他からの高周波磁界を遮蔽することができる。
上記のような遮蔽体42を備えていると、当該遮蔽体42によって、測定対象の給電導体18以外からの高周波磁界が閉回路32と鎖交するのを抑制することができるので、測定対象の給電導体18に流れる高周波電流Iをより正確に測定することができる。
例えば、図2に示す給電導体16には上記給電導体18とは逆方向の高周波電流Iが流れるので、遮蔽体42を設けておくと、この給電導体16からの高周波磁界が上記閉回路32と鎖交して測定誤差が発生するのを抑制することができる。特に、アンテナ10が前述した往復導体構造をしている場合は、両給電導体16、18は互いに近くに配置されることになるので、遮蔽体42を設けておくことによる上記効果は高くなる。
上記電流検出器30を、誘導電流Im によって発光する発光素子および当該発光素子からの光を受けてそれを電気信号に変換する受光素子を有するものとし、上記演算器36を、当該受光素子からの電気信号に基づいて前述した演算を行うものとしても良い。例えば、上記発光素子は発光ダイオード(略称LED)であり、上記受光素子はフォトダイオードである。発光素子は閉回路32に直列に挿入すれば良い。発光素子と抵抗器等の組み合わせを用いても良い。その場合、発光素子は誘導電流Im に応じて発光するので、それによって誘導電流Im を検出することができる。受光素子(またはそれと抵抗器等との組み合わせ)は上記演算器36に接続しておけば良く、それによって、光を介して、誘導電流Im に応じた電気信号を演算器36に取り込むことができる。この場合は、上記リード線34を用いなくても良くなる。
このような構成を採用すると、閉回路32と演算器36との間を電気絶縁した状態で、閉回路32に流れる誘導電流Im の情報を演算器36へ伝達することができる。従って例えば、閉回路32の電位が上昇するような使い方をしても、その電位上昇の影響が演算器36側へ及ぶのを防止することができる。その結果例えば、演算器36やそれを操作する人に高電圧が印加されるのを防止して、機器の信頼性および人体に対する安全性等を高めることができる。
以上のことをより詳しく説明する。図2を参照して、高周波電源12からアンテナ10に高周波電流Iを供給すると、高周波電流Iとアンテナ10のインピーダンスの積(即ちI・Z)によって決まる電圧分だけ、整合回路14側の給電導体16の電位は上昇するけれども、接地側の給電導体18の電位は殆ど上昇しない。従って、高周波電流測定装置20は、上記実施形態のように、給電導体18の測定箇所cまたはdに設ける方が、電位の観点からは有利である。この場合は、閉回路32の一箇所、例えば図4に示す一箇所eを接地しておいても良い。その場合は、当該接地をした状態で、前述した比例定数Kを求めておけば良い。
一方、高周波電流測定装置20を給電導体16の測定箇所aまたはbに設ける場合は、上記のように給電導体16の電位が上昇するので、閉回路32は接地しない方が良い。仮に接地すると、その接地箇所を経由して、高周波電源12からの高周波電流Iの一部がアンテナ10を迂回して流れてしまう可能性がある。閉回路32を接地しない場合、給電導体16の電位上昇に伴って閉回路32の電位も上昇するけれども、演算器36は通常は接地電位部に設けられているので、閉回路32と演算器36との間に電位差が生じる。このような場合に、電流検出器30を、上記のように発光素子および受光素子を有するものにしておくと、上記電位差を絶縁した状態で、閉回路32に流れる誘導電流Im の情報を演算器36へ伝達することができるので都合が良い。
上記高周波電流測定装置20は、前述したように、(1)給電導体16の測定箇所a(またはb)と、(2)給電導体18の測定箇所c(またはd)の両方に設けても良い。そのようにすると、例えばアンテナ10からその近傍の接地導体への漏れ電流が懸念されるような場合、上記(1)の測定箇所で測定した高周波電流Iと、上記(2)の測定箇所で測定した高周波電流Iとの差を測定することによって、上記漏れ電流を測定することができる。
次に、高周波電流測定装置20の他の実施形態を、上記実施形態との相違点を主体に説明する。
図5に示す高周波電流測定装置20は、給電導体18の表面にシート状または膜状の絶縁物22を形成し、その表面に電極24、26を形成している。
また、この高周波電流測定装置20は、二つの互いにほぼ同じ形状の(簡単に言えば半割り構造の)固定用絶縁物38、40を有しており、これらは上記絶縁物22および電極24、26を有する給電導体18に対応した形状かつ半円柱状の凹部39、41をそれぞれ有している。更に、一方の固定用絶縁物38の表面に、上記導体28および電流検出器30を固定して、ユニット化している。固定は、例えば接着剤等を用いて行えば良い。そして、この固定用絶縁物38および40で、矢印E、Fに示すように、給電導体18等を両側から挟んで、導体28の両端部28a、28bを電極24、26にそれぞれ電気接続すると共に、両固定用絶縁物38、40を互いにネジ等で固定するようにしている。
固定用絶縁物38、40の材質は、例えばフッ素樹脂、エポキシ樹脂等であるが、これに限られるものではない。
なお、前述したように給電導体18の代わりに給電導体16でも良い。また、電流検出器30に接続される演算器36はここでは図示を省略している。図6に示す実施形態においても同様である。
この高周波電流測定装置20によれば、導体28および電流検出器30を固定用絶縁物38に固定しているので、前述した閉回路32(図3、図4参照)の面積Sが変化するのをより確実に防止することができる。また、導体28および電流検出器30周りをユニット化しているので、高周波電流測定装置20の組み立てが簡単になる。
図6に示す高周波電流測定装置20は、図5に示す実施形態との相違点を説明すると、給電導体18に上記絶縁物22および電極24、26を取り付ける代わりに、上記二つの固定用絶縁物38、40の内の一方の固定用絶縁物40内に、半円筒状の電極24、26を埋め込んでいる。両電極24、26と給電導体18との間は、固定用絶縁物40の一部分が絶縁物として存在して電気絶縁を確保するようにしている。更に、両電極24、26間に接続された導体28および電流検出器30を固定用絶縁物40の表面に固定しているが、これらは図に表れていない。このようにして、電極24、26、導体28および電流検出器30周りをユニット化している。
そして、この固定用絶縁物40および固定用絶縁物38で、矢印E、Fに示すように、給電導体18を両側から挟んで、両固定用絶縁物38、40を互いにネジ等で固定するようにしている。
この高周波電流測定装置20によれば、電極24、26、導体28および電流検出器30を全て固定用絶縁物40に固定しているので、前述した閉回路32(図3、図4参照)の面積Sが変化するのをより確実に防止することができる。また、電極24、26、導体28および電流検出器30周りを全てユニット化しているので、高周波電流測定装置20の組み立てがより簡単になる。即ち、上記のような固定用絶縁物38および40で給電導体18(または16)を挟み込むことによって、簡単に高周波電流測定装置20を組み立てることができる。
図5または図6に示した固定用絶縁物38および40の外側に、図3に示した遮蔽体42に相当するものであって2分割構造(より具体的には半割り構造)の遮蔽体をそれぞれ固定しておいても良い。そのようにすれば、遮蔽体42に相当する遮蔽体を設ける場合でも、高周波電流測定装置20の組み立てが簡単になる。
電流検出器30が前述したような発光素子および受光素子を有している場合は、発光素子(またはそれと抵抗器等との組み合わせ)を固定用絶縁物38(図5の例の場合)または固定用絶縁物40(図6の例の場合)に固定しておき、受光素子は当該発光素子からの光を受けることのできる別の場所に固定しておいても良い。
12 高周波電源
16、18 給電導体
20 高周波電流測定装置
22 絶縁物
24、26 電極
28 導体
30 電流検出器
32 閉回路
36 演算器
42 遮蔽体
I 高周波電流
Im 誘導電流
16、18 給電導体
20 高周波電流測定装置
22 絶縁物
24、26 電極
28 導体
30 電流検出器
32 閉回路
36 演算器
42 遮蔽体
I 高周波電流
Im 誘導電流
Claims (3)
- 給電導体を経由してアンテナに高周波電流を流すことによって誘導電界を発生させてプラズマを発生させるプラズマ発生装置の前記給電導体に流れる高周波電流を測定する装置であって、
前記給電導体の表面に、絶縁物を介在させて第1および第2の電極を近接させて配置し、かつ両電極を前記給電導体の長手方向に沿って互いに離して配置しており、
前記第1および第2の電極間に導体を介して電流検出器を接続して、前記第1および第2の電極と前記給電導体との間の静電容量、前記導体、前記電流検出器ならびに前記給電導体の一部によって、前記給電導体に高周波電流が流れることによって発生する高周波磁界と鎖交して誘導電流が循環して流れる閉回路を形成していて、前記電流検出器は当該誘導電流を検出するものであり、
更に、前記電流検出器で検出した誘導電流を用いて、前記給電導体に流れる高周波電流を算出する演算器を備えている、ことを特徴とする高周波電流測定装置。 - 前記閉回路の周囲を囲んでいて、前記給電導体以外からの高周波磁界が前記閉回路と鎖交するのを抑制する遮蔽体を更に備えている請求項1記載の高周波電流測定装置。
- 前記電流検出器は、前記誘導電流によって発光する発光素子および当該発光素子からの光を受けてそれを電気信号に変換する受光素子を有しており、
前記演算器は、前記受光素子からの電気信号に基づいて前記算出を行うものである請求項1または2記載の高周波電流測定装置。
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JP2014097460A JP2015215992A (ja) | 2014-05-09 | 2014-05-09 | プラズマ発生装置用の高周波電流測定装置 |
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-
2014
- 2014-05-09 JP JP2014097460A patent/JP2015215992A/ja active Pending
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JP2021005544A (ja) * | 2019-06-27 | 2021-01-14 | 日新電機株式会社 | 電流測定装置 |
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