JP2015215961A - 照明装置の制御方法、および照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】短パルス発光など、輝度のフィードバック制御が難しい発光制御条件においても、高精度にLED光源の発光輝度を管理できるようにする。【解決手段】初期化工程において、制御回路104が駆動回路102を介してLED光源101を連続点灯させ、LED光源の温度および輝度を温度計測回路105、輝度計測回路103により計測し、計測した温度において計測した輝度を補正するためのLED駆動補正量を第1の光源制御データとして記憶回路106に記憶させる。補正工程においては、LED光源の温度と輝度を計測し、計測した温度により記憶回路106を参照して得た当該温度における第1の光源制御データと、計測した輝度に基づき、その時点以降、記憶回路106の第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして記憶回路106に記憶させる。【選択図】図1

Description

本発明は、LED光源の輝度制御を行う照明装置の制御方法、および照明装置に関する。
近年、照明光源として、消費電力が少なくて済むLED素子が住居用の照明や、自動車のヘッドライト、カメラの照明光源など幅広い用途で広く用いられるようになってきた。また、カメラの照明光源としては、民生用のデジタルカメラの他、産業用ロボットの撮像系などにおいてもLED光源が利用されている。産業用ロボットの場合、例えば、製造ライン上の特定位置に配置されたロボットアームの稼働空間を撮影できるようカメラおよびLED照明が配置される。カメラにより撮像された画像データは、例えば所定の画像処理を経て、生産物の状態を確認したり、ロボットアームの動作を制御するために用いられる。
特に、産業用ロボットの場合、工程全体のタクトタイムの短縮が重要視されており、撮影に要する所要時間を短縮するため、LED照明を照明系に用いる場合、極めて発光時間の短い短パルス発光制御が求められることがある。
一方、蛍光灯などの他の光源素子でも同様であるが、LED光源素子の輝度は経時的に変化する。これは、LEDチップから放射される光によってLED内部の蛍光体や封止樹脂などの有機系部材が劣化を起こし、透過率や反射率が変化するためである。また、光源の温度変化によっても、発光効率が低下し、輝度が変化する。そして、この意図しない輝度の変化は、産業用ロボットのように、照明および撮像系を介して得られた画像に対する画像処理の精度がシステム全体の動作精度に影響を与えるような構成において大きな問題となる場合がある。
経年変化や温度条件によって生じる光源素子の輝度変化の問題を解決しようとする技術は古くから知られている。例えば、輝度データをフィードバックして、調光値を制御し、光源の輝度をほぼ一定に保つ手法が知られている(下記の特許文献1)。しかしながら、このように輝度の現在値を実時間で検出し、光源の駆動量にフィードバックする制御方式は、光検出信号を電気信号へ変換する工程などが必要であり、発光時間が短く限定されている場合には向いていない。例えば、上記のように近年の産業用ロボットで要求されるようなLED光源の短パルス駆動による発光制御では実施不可能であることも考えられる。これに対して、光源周辺の温度情報を測定し、また光源の累積点灯時間を計時しておき、これらの温度や点灯時間の情報に基づき点灯前に調光値を補正し、輝度をほぼ一定に保つ技術も知られている(例えば下記の特許文献2)。
特開平5−312637号公報 特開2009―205843号公報
従来技術(例えば特許文献2)では、温度や累積点灯時間と輝度値や調光(補正)値を関連づけたデータベースを予め用意しておき、温度や累積点灯時間から間接的に光源の駆動量を決定する。このような制御方式は、光源素子の温度依存ないし経時依存の輝度変化を推測して光源素子の駆動量を決定するものである。
上記のような従来技術では、累積点灯時間と輝度値や調光(補正)値を関係づけるデータベースは固定的な特性カーブに基いて構成されている場合が多い。しかしながら、実際には、LED素子の累積点灯時間と輝度を関係づける特性カーブは例えばLED素子周辺の温度にも依存して変化する。特に、LED素子を発光させた場合、素子自体の発熱によって光源周辺の温度は刻々と変化する。従って、予めLED素子の規格表などから求めた特性カーブを補正せず、固定的に使い続けることは現実的ではない。すなわち、従来技術のように累積点灯時間〜輝度(あるいは調光値)を関係づけた固定のデータベースを用いてLEDの駆動量を管理する方式では、例えば温度要因が反映されず、光源の経時輝度変化を正確に見積もることができない、という問題がある。
本発明の課題は、産業用ロボットの撮像系の照明などにおいて必要になる短パルス発光など、輝度の現在値を用いたフィードバック制御が難しい発光制御条件においても、高精度にLED光源の発光輝度を管理できるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明においてはLED光源と、前記LED光源を駆動する駆動回路と、前記LED光源またはその近傍の温度を計測する温度計測回路と、前記LED光源の輝度を計測する輝度計測回路と、前記LED光源の駆動制御のための制御データを格納する記憶回路と、前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、その輝度を制御する制御回路と、を備えた照明装置の制御方法において、前記制御回路が、前記駆動回路を介して前記LED光源を連続点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を監視しつつ前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度に関連して、その温度において前記輝度計測回路により計測した輝度を補正するためのLED駆動補正量を第1の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させる初期化工程と、前記制御回路が、前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を計測するとともに前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度により前記初期化工程で前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量と、前記輝度計測回路により計測した前記LED光源の輝度に基づき、その時点以降、前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させる補正工程と、前記制御回路が、外部からの指令に基づき前記LED光源を点灯させる場合、前記温度計測回路により計測した温度により前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量、および前記補正工程で第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させたLED駆動補正量を用いて前記駆動回路が前記LED光源を駆動するLED駆動量を決定する点灯制御工程と、を含む構成を特徴とする。
あるいは、LED光源と、前記LED光源を駆動する駆動回路と、前記LED光源またはその近傍の温度を計測する温度計測回路と、前記LED光源の輝度を計測する輝度計測回路と、前記LED光源の駆動制御のための制御データを格納する記憶回路と、前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、その輝度を制御する制御回路と、を備えた照明装置において、前記制御回路は、装置設置時に前記駆動回路を介して前記LED光源を連続点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を監視しつつ前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度に関連して、その温度において前記輝度計測回路により計測した輝度を補正するためのLED駆動補正量を第1の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させた後、前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を計測するとともに前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度により前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量と、前記輝度計測回路により計測した前記LED光源の輝度に基づき、その時点以降、前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させ、前記制御回路が、外部からの指令に基づき前記LED光源を点灯させる場合、前記温度計測回路により計測した温度により前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量、および第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させたLED駆動補正量を用いて前記駆動回路が前記LED光源を駆動するLED駆動量を決定する構成を特徴とする。
上記の特徴的な構成により、本発明は、例えばLED点灯時間を蓄積、管理することを必要とせず、小演算資源、低演算コストでLED光源の点灯時間やLED素子(近傍)の温度に依存する輝度変動を補正し、LED光源の輝度を正確に管理することができる。本発明の輝度制御は、LED光源の点灯中の輝度現在値をフィードバックする閉ループ制御などを必要とせず、LED光源を点灯させる直前の簡単な演算によって実施することができる。従って、短パルス点灯が必要な用途にも好適に実施することができる。
本発明の第1実施例に係わるLED照明装置のブロック図である。 本発明の第1実施例に係わるLED駆動回路とLED光源の一例を示した回路図である。 本発明の第1実施例に係わる輝度計測回路とLED光源の位置関係の一例を示した斜視図である。 本発明の第1実施例において、記憶回路に記憶するデータを示した説明図である。 本発明の第1実施例に係わるLED光源の内部構造を示した側面図である。 本発明の第1実施例に係わるLED光源の輝度の温度特性を示した線図である。 本発明の第1実施例において、初期データ記憶時の制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の第1実施例において、第1の光源制御データ記憶時の制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の第1実施例において、第2の光源制御データ記憶時の制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の第1実施例において、LED光源の通常使用モードにおける制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の第2実施例に係わるLED照明装置のブロック図である。 本発明の第2実施例において、LED光源の順方向電圧計測を行う構成を示した回路図である。 本発明の第2実施例において、LED光源の順方向電圧計測を行う異なった構成を示した回路図である。 本発明の第2実施例において、LED光源の順方向電圧計測を行うに際して、遮光LEDを用いる構成を示した外観図である。 本発明の第2実施例において、記憶回路に記憶するデータを示した説明図である。 本発明の第2実施例において、第1の光源制御データ記憶時の制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の第3実施例において、照明装置を産業用ロボットシステムに利用する場合の構成を示した説明図である。 本発明の第3実施例において、照明装置を含む産業用ロボットシステムの設置および通常稼働の様子を示したフローチャート図である。
以下、添付図面を参照し、本発明に係るLED照明の制御を利用した好適な実施形態につき、詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明を採用した照明装置100の一例を示している。図1の照明装置100は、LED光源101と、このLED光源101を点灯させる駆動回路102を備えている。後述のように、LED光源101は、LED素子の数は1個に限ることなく、複数個のLED素子によって構成されていてもよい。なお、本実施形態では、照明装置100の光源としてLED光源101を例示するが、本実施形態の技術は蛍光灯、白熱灯や有機EL、冷陰極線管などの光源を用いる場合でも好適に実施できる。
図1において、制御回路104は駆動回路102を介してLED光源101を発光させる駆動量を制御することにより、LED光源101の発光輝度を管理する。
図1の制御回路104は輝度計測回路103、および温度計測回路105の出力値に応じて記憶回路106に記憶させた制御データを参照し、LED光源101の発光輝度を制御する。
記憶回路106は、例えば記憶内容をバッテリバックアップされたRAMや、EEPROMなどの記憶素子を用いて構成され、後述するLED光源101の駆動制御のための各種制御データを記憶するために用いられる。輝度計測回路103、および温度計測回路105の詳細な構成例については後述する。
図1の照明装置100は、例えば他のLED照明を利用する他の装置の一部として組み込むことができる。図1において、照明装置100の外部のコントローラ200は照明装置100を含む他の装置の制御部である。照明装置100の外部のコントローラ200は、制御回路104との通信を介して照明装置100のLED光源101の発光タイミングなどを制御することができる。なお、照明装置100を産業用ロボットシステムの視覚系の照明手段として用いる場合にはそのロボットシステムの制御部をコントローラ200とすることができる。この構成については第3実施形態として後で詳述する。
以下、図1の各部につき説明する。
図2に、LED光源101を複数個のLED素子によって構成する場合の駆動回路102の構成例を示す。駆動回路102は制御回路104からの点灯指令に基づいて、LED光源101の点灯を制御する。図2の駆動回路102は、駆動量(駆動電流)を制御するトランジスタQ(Q〜Q)によって、各列に直列接続されたLED光源101を構成するLED素子を駆動する。各LED素子の駆動ラインには電流制限用の抵抗Ri(R〜R)が直列に挿入されている。以下、i列目の構成に一般化して説明する。
図2のi列目のトランジスタQiのコレクタにはそれぞれLED駆動用の定電圧Vccが接続され、トランジスタQiのベースにはそれぞれ駆動回路102内部のデコーダ回路102aの出力する駆動信号Si(S〜S)が入力される。デコーダ回路102aは、制御回路104からPWM制御信号をデコードし、LED点灯が必要なi列目のトランジスタQiのベースに高周波に変換した駆動信号Siを印加することにより、当該の列のLED群を点灯させる。
駆動回路102は、デコーダ回路102aに入力するPWM制御信号を介してトランジスタQiのベース電流をPWM制御し、これにより、当該列のLEDに流れる電流量を制御することによって発光輝度を制御することができる。駆動回路102はn本の駆動信号Siを介して各列のLEDの輝度を個別に制御することができる。
なお、駆動回路102の構成は図2の構成に限定されるものではない。例えば、駆動回路102内にLEDと直列に接続された可変抵抗を備え、この可変抵抗の抵抗値を制御することにより、LEDへ流れる電流量を制御し、LEDの輝度を制御する構成も考えられる。
図1ではその内部構成は詳細に示していないが、制御回路104は少なくともマイクロプロセッサなどのCPU(不図示)と、後述の制御手順を実現するための制御プログラムを格納するROM104aを含む。ROM104aは、例えば制御回路104を構成するCPUのプログラムメモリを構成するが、このようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ROMに限定されず、HDDやSSD、各種フラッシュメモリや光ディスクなどから構成することができる。着脱式HDDやSSD、各種フラッシュメモリや光ディスクなどの記録媒体は、照明装置100に後述の制御手順を実現する制御プログラムを供給するために用いることができる。
また、制御回路104は、現在時刻を計時する計時手段としてRTC(リアルタイムクロック)104bを有する。RTC104bの計時情報に基づき、制御回路104は、システム設置後の経過時間などに関する時間情報を取得することができる。また、タイマ割り込みにより第2の光源制御データを生成する処理(後述の図9)の契機などとしてRTC104bの計時情報を利用できる。また、本実施形態の制御では、本質的には必要ないが、例えばLED光源101の(累積)点灯時間の記録や、後述の第1、第2の光源制御データとともに記憶回路106に格納するタイムスタンプ情報を生成するのにRTC104bの計時情報を利用できる。
その他に、制御回路104にはプログラム実行時のワークエリアなどとして用いられるRAM、制御回路104に接続された各ブロックと通信するための入出力回路(DA/AD変換回路や入出力インターフェース)などが設けられる。前述のように、制御回路104は外部のコントローラ200からの指令に基づいて照明装置100を制御することができる。
本実施形態の制御回路104は、「初期データ保存モード」、「第2の光源制御データ算出モード」と、「通常使用モード」の3つの制御モードを有し、これらの各モードによってLED光源101の発光輝度を管理する。また、制御回路104のこれらの制御モードは、外部のコントローラ200の指定によって選択、決定するよう構成できる(例えば後述の第3実施形態)。これら各制御モードの詳細については後述する。
図1の輝度計測回路103は、フォトダイオードやフォトトランジスタで構成でき、LED光源101の発光輝度を測定する。輝度計測回路103は、LED光源101からの光信号を電気信号に変換して、その計測結果をアナログ電圧の形で出力する。輝度計測回路103の出力信号は、制御回路104内でAD変換を介してデジタルデータに変換される。制御回路104はデジタルデータに変換された輝度値を用いて後述の制御を行う。
図3は、輝度計測回路103の構成例を示している。図3は、LED光源101を構成するLED素子として4つのLED1〜LED4を基板101a上に実装した例を示している。各LED1〜LED4は、発光面LEDaを図の上面に向けて基板101a上に配置されている。基板101a上、LED1の近傍には、輝度計測回路103がLED1からの光出力を受光するよう、その受光面103aをLED1の方向を向くよう装着されている。この場合、LED1の照射角の範囲内に、輝度計測回路103の受光面103aの全部もしくは一部が入るように、輝度計測回路103を設置する。
なお、図3では輝度計測回路103の受光部のみしか具体的に示していないが、輝度計測回路103の回路部分などは基板101a(あるいは他の実装部位)上に必要に応じて配置することができる。また、図3では輝度計測回路103(の受光部)を1個しか図示していないが、例えばLED1〜LED4のそれぞれの近傍に輝度計測回路103を配置するなど複数個の輝度計測回路103を用いる構成であってもよい。このような構成により、例えば複数のLEDの輝度情報を測定でき、さらに経時輝度変化のデータを計測可能となる。LED素子は、経時輝度変化量などの特性に関して多少の個体差を有するため、上記のように複数のLEDの輝度情報を測定する構成では、複数のLEDの計測結果の平均値を取るなどの手法によってLED素子の個体差の影響を軽減できる。
図1の温度計測回路105はLED光源101の温度(ないしその近傍の温度)を電気信号に変換する。温度計測回路105の計測結果はアナログ電圧の形で出力され、上記の輝度情報と同様に制御回路104内でデジタルデータの形式にAD変換される。温度計測回路105のサーミスタ、サーモパイル、熱電対によって構成されたプローブ部(不図示)は、例えば図3のLED1のチップ内部、LED1近傍の基板101a上などに配置することができる。また、温度計測回路105はLED光源101を構成するLED素子の順方向電圧を計測する回路によって構成することもできる。順方向電圧を介して温度計測を行う構成については後述の第2実施形態で説明する。
なお、輝度計測回路103の場合と同様、温度計測回路105の個数は1個でも複数個でもよく、必要に応じて例えば図3のLED1〜LED4のうち任意のLEDに関して配置することができる。また、例えば図3のLED1〜LED4が配置される基板101a上を複数の領域に分割して、それぞれに温度計測回路105のプローブを配置してもよい。例えば、照明装置100、例えば図3の基板上面の空間において温度ばらつきが生じた場合、それにより生じる輝度変化量は基板上面の領域ごとに異なる分布を示すことになる。この問題は、例えば図3のLED1〜LED4ごとに、あるいは基板101a上を複数に分割した領域ごとに温度計測回路105(のプローブ)を複数設置することにより解決できる。すなわち、温度計測回路105によって、LEDごとに、あるいは領域ごとに温度を計測すれば、その計測値に基づきLEDごとに、あるいは領域ごとに調光値を補正し、輝度ばらつきを軽減するような制御が可能となる。
図1の記憶回路106はLED光源101の制御データを記憶する回路である。制御回路104が記憶回路106内のデータの読み書きを行なう。記憶回路106は、後述の制御例に示すように、装置の主電源が遮断されている間もその記憶内容を保持できるよう構成しておく。このため、記憶回路106は例えば書き換え可能な不揮発性メモリ(バッテリバックアップされたRAMや、EEPROMなど)で構成する。
図4は、本実施形態における記憶回路106のメモリ割り当て例を示している。図4は、記憶回路106に、LED光源101の温度変化に依存した第1の光源制御データD1、LED光源101の経時変化(経時劣化)に依存した第2の光源制御データD2を記憶させた状態を示している。また、記憶回路106には使用開始時の初期輝度データD3、その際の初期温度データD4を格納する領域も割り当てられる。
図1のコントローラ200は、照明装置100を制御する装置で、照明装置100とともに配置されるカメラ(の主制御部)や、画像処理システムの主制御部によって構成される。後述の第3実施例では、照明装置100が配置される産業用ロボットシステムの主制御部によってコントローラ200が構成されている。
コントローラ200と制御回路104は、任意のインターフェース回路によって接続することができる。例えば、コントローラ200と制御回路104はトリガ信号路とシリアル信号路で接続する。その場合、コントローラ200は、照明装置100の点灯指令をトリガ信号路を介して制御回路104に送信できる。また、コントローラ200は照明装置100の調光値指令やモード遷移指令をシリアル通信路を用いて制御回路104に送信することができる。
ここで、LED素子の発光輝度の温度依存性、および経時依存性(経時変化)につき説明する。
図5は、LED素子の内部構造の一例を示している。図5は基板501上にLED素子が実装された状態を示しており、図5のLED素子は発光部としてのLEDチップ502と、LEDチップ502を封入する蛍光体や封入樹脂等の有機系部材503で構成されている。LEDチップ502から出力された光は、透明ないし半透明の有機系部材503を通過して外部に照射される。
LEDチップ502ないしその近傍の温度が変化すると、LEDチップ502それ自体の発光効率が変化し、輝度変化が生じる。また、LED素子の発光輝度の温度依存特性には個体差もあり、その補正を行うには個々のLED素子ごとに特性を測定する必要がある。なお、本実施形態では、温度変化の情報から輝度変化を補正するためのデータを「第1の光源制御データ」と呼ぶ。
また、他の光源でも同様であるが、LED素子にも経時的に、特に点灯時間に依存して発光輝度が変化する特性がある。例えば、図5において、LEDチップ502を封入する有機系部材503は光に晒されることにより劣化し、透過率が変化し、結果としてLED素子の発光輝度が変化する。また、この経時変化の特性もLED素子で個体差があり、さらに発光輝度は光源の累積点灯時間だけではなく、光源周辺の温度(従って発光時の輝度)にも依存する。従って、前述のように、固定的に定めた累積点灯時間と輝度や発光駆動量を関係づけたデータベースなどを用いた発光輝度管理では高精度な補正は困難である。なお、本実施形態では、点灯時間に依存して生じる輝度変化を補正するためのデータを「第2の光源制御データ」と呼ぶ。
以上のように、LED素子の発光輝度は、(周囲)温度および時間特性(点灯時間のような経時条件)の2つの要因により大きく変化する。輝度の温度特性は主にLEDチップ502それ自体の特性に依存し、時間特性は主に有機系部材503に依存する。LEDチップ502と有機系部材503は図5のごとく別部材であって、上記の特性も独立の関係にある。
ここで、LED光源(ないしそれを構成するLED素子)の各点灯時間t(t,t,t(…))における温度〜発光輝度の特性をプロットすると、一般に図6に示すような特性カーブになる。この発光輝度の温度特性を示す特性カーブは、概略、経過時間によって平行移動するよう変位し、特性の傾きや変化率はほぼ等しいと考えてよい。
また、LED光源101の輝度変化と駆動量(例えば図2のトランジスタQiのPWM制御による電力量)はほぼリニアな関係にあるものと考えてよい。従って、例えば、輝度低下に相当する比の逆数をLED駆動量に乗算することによりその輝度変化を補正できる。
後述するように、本実施形態の第1および第2の光源制御データ(上記α(T(t))、下記のβ(t))は、温度ないし点灯時間に応じた輝度変化を補正するための、比率表現(単位なし)の輝度補正値である。後述のように、これらの第1および第2の光源制御データを外部のコントローラ200から送信される調光データで指定されるLED駆動量(調光値)に乗算することにより所期の輝度補正を行うことができる。
以下、図7〜図10のフローチャートを参照して、本実施形態におけるLED光源101の輝度変化の補正方式につき説明する。図7〜図10の制御手順は、例えば制御回路104の一部を構成するROM104aに格納され、制御回路104のCPU(不図示)によって実行される。以下では、時間(時刻)データをt、また、特に点灯時間tによって変化するLED光源101(ないしその近傍の)温度データをT(t)と記述する。
図7は、照明装置100の初期設定時に行う「初期データ保存モード」の制御手順を示している。図7の処理では、使用開始時の初期輝度データ(図4のD3)、その際の初期温度データ(図4のD4)が求められ、記憶回路106に格納される。
図8は、LED光源101の温度変化に依存した第1の光源制御データを取得する制御手順を示している。この処理は、上記の「第1の光源制御データ算出モード」の処理に該当する。図8の処理は、例えば図7の「初期データ保存モード」の直後などにおいて一度、実行され、取得されたLED光源101の温度変化に依存した第1の光源制御データD1は記憶回路106に格納される(図4)。
上記の図7および図8の処理は、照明装置100の製造直後など、照明装置100の納入前(装置設置前)の適当な時期に実行される。
図9は、LED光源101の経時変化に依存した第2の光源制御データD2を取得する制御手順を示している。この処理は、上記の「第2の光源制御データ算出モード」の処理に該当する。図9の処理は、例えば1日〜数日ないし十数日に1度であるとか、照明装置100または照明装置100が組み込まれた装置全体の起動初期化時などに実行すればよい。そして、図9の処理で生成、記憶された第2の光源制御データはその後の「通常使用モード」において用いられる。図9の処理により取得されたLED光源101の経時変化に依存した第2の光源制御データD2は記憶回路106に格納される(図4)。
図10の処理は、上記の「通常使用モード」の処理に該当し、照明装置100が組み込まれたシステムにおいて、LED光源101の点灯が必要になった時に実行される。図10の処理では、上記の第1および第2の光源制御データを用いてLED光源101の駆動量が制御され、これによりLED光源101の発光輝度が所定値に制御される。
なお、以下の各制御において、t、t、t、tといった文字式により示される時間(時刻)情報は、点灯時間(例えば累積点灯時間)であるものとする。以下の説明では、数式などにおける文字式では、「B(t)」のような表現を用いている。ただし、この点灯時間tの関数のような文字式の形式は、例えば輝度変動が点灯時間という経時現象に依存する点を表現したものに過ぎない。そして、以下で説明する本実施形態の輝度補正制御(ないし輝度管理)は、例えばRTC104bの計時に基づきLED点灯時間を取得したり、またその時間値を用いて数値演算やテーブル演算を行うことなく実施することができる点に特徴がある。
図7の「初期データ保存モード」の制御手順は照明装置100(および照明装置100の組み込まれたシステム)の納入前、例えば照明装置100(および照明装置100の組み込まれたシステム)が組み上げられた段階で実行する。この場合、例えば、外部のコントローラ200から制御回路104にシリアル通信路経由で、「初期データ保存モード遷移指令」が送信され、その後、図7の処理が実行され、初期輝度データと初期温度データの計測および記憶を行う。
図7の初期データ保存モードの処理において、まず、制御回路104は輝度計測回路103の暗電流や外乱光による初期オフセット出力Boff(t)と、温度計測回路105により初期温度データ(T(t))を計測する(ステップS701、S702)。ここでは、初期データ計測時の時刻をtとする。
次に、制御回路104は駆動回路102経由でLED光源101を点灯させる(ステップS703)。そして、その直後に輝度計測回路103から輝度データBmeas(t)を計測する(ステップS704)。
続いて、輝度データBmeas(t)とオフセット出力Boff(t)の差分から、初期輝度データB(t)=(Bmeas(t)−Boff(t))を算出する(ステップS705)。そして、制御回路104は初期輝度データB(t)と初期温度データT(t)を記憶回路106に保存する(ステップS706)。
次に、制御回路104は、図8の「第1の光源制御データ算出モード」の処理を実行する。ここでは、LED光源101の温度に関連する第1の光源制御データα(T(t))を計測、記憶する。なお、ここでいう時刻tは、第1の光源制御データを計測する時刻tを意味する。
まず、制御回路104はLED光源101を点灯する(ステップS801)。LED光源101は下記のステップS803〜S807の測定の間、連続点灯される。温度計測回路105から温度データTを読み出し(ステップS802)、温度データTが初期温度データT(t)からほぼ1℃上昇しているか否かを判断する(ステップS803)。初回以降は初期温度データT(t)ではなく、前回記憶時の温度データと比較する。また、本実施形態では1℃刻みで輝度測定を行うが、他の温度ステップで輝度測定を行うようにしてもよい。
ステップS803で温度がほぼ1℃上昇していない場合には、温度データの計測工程(ステップS802)に戻る。一方、ステップS803で温度がほぼ1℃上昇していた場合、制御回路104は輝度計測回路103から輝度データBmeas(t)を計測する(ステップS804)。
そして、輝度データBmeas(t)と、初期オフセット出力Boff(t0)、初期輝度データB(t)、下記の式(1)を用いて、制御回路104は相対輝度変化量Rα(t)を算出する(ステップS805)。
Figure 2015215961
このRα(t)は、当該温度(T)における輝度の変化比率(単位なし)で、現在の輝度値と初期輝度データ(B(t))との比である。なお、ここでは、点灯時間tの時の初期オフセット出力Boff(t)を用いているが、ほぼ1℃上がるたびに、照明を一旦消灯し、オフセット出力Boff(t)を計測し、この値を上式の初期オフセット出力Boff(t)の代りに用いてもよい。
続いて、ステップS806において、相対輝度変化量Rα(t)から、第1の光源制御データα(T(t))を算出する。本実施形態では、この第1の光源制御データα(T(t))は、LED駆動量に乗算(後述の式(4))して利用するため、上記式(1)のRα(t)の逆数(=1/Rα(t))として求める。
さらに、制御回路104は、上記のようにして取得した第1の光源制御データα(T(t))と温度データT(t)を記憶回路106に記憶する(ステップS807)。
以上のようにして、図8の処理によって、温度(T)が(ほぼ)1℃ステップ変化するごとにその温度における第1の光源制御データα(T(t))を求め、温度データT(t)と関連づけて記憶回路106に記憶する(ステップS807)。温度データT(t)との関連づけに関しては、たとえば記憶回路106に温度値に対応づけられたアドレスを有する記憶領域を用意しておく手法が考えられる。その場合、温度値に対応する記憶回路106のアドレスにその温度における第1の光源制御データα(T(t))を格納していく。このような格納形式によれば、ある温度に対応する第1の光源制御データα(T(t))が必要な場合(例えば後述の図10のステップS1004)、温度値をキーとして低演算コストで読み出すことができる。
なお、図8では、ステップS803〜S807のループ脱出条件の図示を省略しているが、例えば、温度データT(t)がLED光源101の最大定格動作温度のほぼ90%の範囲で測定を行うよう制御すればよい。例えば、温度データTがLED光源101の最大定格動作温度のほぼ90%以下ならば、温度データT計測工程(ステップS802)に戻る。また、最大定格動作温度のほぼ90%を超えていたら、制御回路104はLED光源101を消灯し、第1の光源制御データα(T(t))の計測および記憶を終了する。ステップS807では例えば上記のような処理終了判定を行う。
なお、上記の第1の光源制御データα(T(t))は必ずしも最大定格動作温度のほぼ90%の範囲に渡り測定および記憶する必要はない。例えば、図8の第1の光源制御データ取得処理は最大定格動作温度の90%程度を超えないような無理のない範囲で、あるいは装置の用途などに応じて必要な温度範囲において適宜実行すればよい。また、図8ではLED光源101の温度変化による相対輝度変化量を実測し、それに基づき輝度補正量である第1の光源制御データを取得している。しかしながら、LED素子のカタログ等から同等の温度〜輝度特性データを得られる場合はそのデータを利用して第1の光源制御データを取得することもできる。
なお、上記図7、図8の処理に続き、通常使用モードに入る前に、制御回路104は初期時のLED光源101の調光可能範囲をLED光源101の輝度の温度特性および時間特性の補正を考慮して決定しておく。例えば、現実には第1の光源制御データα(T(t))計測時に、相対輝度変化によって輝度変化量Rα(T(t))が最大80%(0.8x)まで低下し、経時輝度変化によって輝度が最大90%(0.9x)まで低下する、といった特性が予想される。これらの値は事前に耐久試験を行い計測しておくことが望ましい。上記の2つの要因による輝度変化量は最大72%となり得るが、この場合、制御回路104から駆動回路102に送信する初期時の最大調光値は72%に設定される。
上記の図8の処理によって、記憶回路106に格納される第1の光源制御データα(T(t))のデータ列は、例えば図6においてt=tの特性カーブで表現された温度〜輝度特性を補正するような補正量(比)のデータ列に相当する。この第1の光源制御データα(T(t))のデータ列は、図6でいえば時刻(点灯時間)tにおける温度〜輝度特性に対応するもので、例えば時刻(点灯時間)tにおいては温度〜輝度特性のカーブは図示のように変位することになる。
従って、記憶回路106に格納した時刻(点灯時間)tにおける温度〜輝度特性に相当する第1の光源制御データα(T(t))のデータ列は、時刻(点灯時間)tにおいてはそのまま利用できない。例えば、ここで図6において、時刻(点灯時間)t(に近い時間範囲)において、LED光源101の温度がTxである場合を考える。その温度に対応して記憶回路106から読み出した第1の光源制御データ(α(Tx(t)))は、図6においてt=tの特性カーブで表現された温度〜輝度特性を補正するような補正量(比)の値に変換しなければならない。
このように、図8の処理によって記憶回路106に格納した時刻(点灯時間)tにおける温度〜輝度特性に相当する第1の光源制御データα(T(t))のデータ列は、時刻(点灯時間)tではそのままでは正確に輝度制御に用いることができない。
本実施形態においては、下記の図9の処理により取得する第2の光源制御データ(β(t))は、図8の処理によって記憶回路106に格納した第1の光源制御データα(T(t))のデータを補正するためのものである、といえる。
本実施形態では、図9の処理により、例えば図6の点灯時間t(に近い時間範囲)において求めた第2の光源制御データ(β(t))を生成しておく。そして、点灯時間tにおいて図6の温度Tに対応する第1の光源制御データα(T(t))のデータを読み出した場合、点灯時間t(に近い時間範囲)において求めた第2の光源制御データ(β(t))を用いられることになる(図10の処理)。これにより、t=tにおける特性カーブで表現された温度〜輝度特性を補正するような値に光源制御データを補正し、例えば調光値に作用させることができる。以下、図9の第2の光源制御データ(β(t))の生成、および、図10の通常使用モードにおける処理につき説明する。
図9は、経時輝度変化を補正する「第2の光源制御データ算出モード」の制御を、また、図10は「通常使用モード」における輝度補正制御を示している。図9、図10の処理は照明装置100の納入後に実行されるものである。
まず、図9の第2の光源制御データの生成であるが、この処理は比較的長期的周期で実施すれば足りる。というのは、LED光源の経時輝度変化は、例えば4000時間点灯でほぼ15%の輝度低下が生じる、といったレートの長期的な変動現象であるためである。
例えば、図9の第2の光源制御データの計測処理は、数日、1週間、1カ月単位などの周期で、例えばRTC104bの計時情報を用いたタイマ割り込みを契機として実行するような構成が考えられる。また、照明装置を第3実施形態に示すような生産装置で使用する場合、第2の光源制御データの計測処理(図9)を初期化動作時やオフライン時を選んで実行するよう制御すれば、生産工程に影響を与えることなく光源制御データを更新することができる。
図9の第2の光源制御データβ(t)計測時の制御手順は以下のように実行される。図9の処理は、例えば、コントローラ200が制御回路104を「第2の光源制御データ算出モード」に遷移させることにより開始される。例えば、第3実施形態では、コントローラ200に相当するロボット制御部600がシステムブート時の初期化の際に制御回路104に「第2の光源制御データ算出モード」を指令することになる。
まず、図9のステップS901において、制御回路104は輝度計測回路103の暗電流や外乱光によるオフセット出力Boff(t)を計測し、続いてステップS902において温度計測回路105から温度(T(t))を計測する。
次に、制御回路104は初期輝度データB(t)の計測時と同じ調光値でLED光源101を点灯させ(ステップS903)、その時点における輝度計測回路103から輝度データBmeas(t)を計測する(ステップS904)。
この輝度データBmeas(t)は、初期輝度データB(t)に対して、経時輝度変化のみならず、初期温度データT(t)からの温度変化による輝度変化の影響も受けている。従って、この温度変化による輝度変化量ΔBα(T(t))を算出する必要がある。このため、ステップS905において、記憶回路106から初期輝度データB(t)(図4のD3)を読み出す。また、ステップS902で測定した温度(T(t))を用いて、記憶回路106を参照し、その温度に対応する第1の光源制御データα(T(t))(図4のD1)を読み出す。そして、読み出した初期輝度データB(t)、および第1の光源制御データα(T(t))を用いて、下記の式(2)により温度変化に応じた輝度変化量ΔBα(T(t))を算出する。
Figure 2015215961
ここで、ステップS901およびS904で計測したオフセット出力Boff(t)と、輝度データBmeas(t)からオフセットを除いた計測輝度は(Bmeas(t)−Boff(t))である。この計測輝度から次に、制御回路104は、下記の式(3)に示すように、温度変化による輝度変化量ΔBα(T(t))を差し引き、初期輝度データB(t)で除算することにより輝度変化量Rβ(t)を算出する(ステップS906)。
Figure 2015215961
この変化量Rβ(t)は、点灯時間tに依存して生じる輝度変化の比(単位なし)である。
さらに、制御回路104は、現時点で点灯時間tに依存して生じている輝度変化量Rβ(t)から、第2の光源制御データβ(t)を算出し(ステップS907)、記憶回路106に記憶する。第2の光源制御データβ(t)は、第1の光源制御データα(T(t))と同様、LED駆動量に乗算(後述の式(4))して利用するため、経時輝度変化量Rβ(t)の逆数(β(t)=1/Rβ(t))として求める。図9の処理後、制御回路104はLED光源101を消灯させる。以上が第2の光源制御データβ(t)の算出工程である。
次に、図10の「通常使用モード」の制御手順につき説明する。当然ながら、「通常使用モード」遷移前に、「初期データ保存モード」、「第2の光源制御データ算出モード」を実行し、第1、第2の光源制御データを記憶回路106に記憶させておく必要がある。ここでは、第2の光源制御データを計測した時間をtとする。まず、コントローラ200が制御回路104を「通常使用モード」に遷移させる。
制御回路104はコントローラ200から調光値dを受信するまで待機し、この調光値dは、具体的には例えば図2に示した駆動回路102のトランジスタQiのPWM制御値などの形式で表現されたLED駆動量である。この調光値dは、例えばコントローラ200から所定形式の調光データに格納されて送信される。なお、コントローラ200から送信される調光データは、調光値dの他、点灯輝度や点灯時期やタイミング(発光時間)などの情報を含んでいてよい。
受信後、制御回路104は受信した調光値dを内部のRAMに保存する(ステップS1001)。次に、コントローラ200から点灯指令を受信するまで待機する(ステップS1002)。コントローラ200から点灯指令を受信すると、温度計測回路105から温度データT(t)を計測する(ステップS1003)。
続いて、温度がT(t)における第1の光源制御データα(T(t))と、第2の光源制御データβ(t)を記憶回路106から読み出す(ステップS1004、1005)。第1および第2の光源制御データα(T(t))、β(t)(図4のD1、D2)と、下記の式(4)から、補正調光値d’を算出する(ステップS1006)。
Figure 2015215961
その後、算出した補正調光値d’を駆動回路102に送信し、LED光源101を点灯させる(ステップS1007)。
本実施形態においては、上記の輝度補正に必要な第1の光源制御データα(T(t))と、第2の光源制御データβ(t)は上記の通常使用モード(図10)の動作に入る前のいずれかの時点で測定し、記憶回路106に記憶させておく。従って、通常使用モード(図10)において、輝度を補正する際に必要となるデータは、その時点におけるLED光源101の温度データT(t)のみである。この温度データT(t)を計測する時刻tは、制御回路104が点灯指令を受信してから、LED光源101を点灯させるまでの間の任意のタイミングでよい。
以上のようにして、LED光源101の温度変化および経時劣化の両方を補正し、極めて精度よくLED光源101の発光輝度を所定値に制御(管理)することができる。本実施形態によれば、照明装置の設置前の初期化工程において、制御回路104が駆動回路102を介してLED光源101を連続点灯させ、温度計測回路105によりLED光源の温度を監視しつつ、輝度計測回路103によりLED光源の輝度を計測する。そして、その間、計測した温度に関連して、その温度において計測した輝度を補正するためのLED駆動補正量を第1の光源制御データとして記憶回路に記憶させる(図7、図8)。
そして、装置の起動初期化時や、数日、数週間に1度などの比較的長期の周期で行う補正工程(図9)において、駆動回路102を介してLED光源101を点灯させ、温度計測回路105、輝度計測回路103によりLED光源の温度と輝度を計測する。さらに、計測した温度により上記の初期化工程で記憶回路106に記憶させた第1の光源制御データを参照し、当該温度におけるLED駆動補正量を読み出す。このLED駆動補正量と、計測したLED光源101の輝度に基づき、その時点以降、記憶回路106に記憶されている第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして記憶回路106に記憶させる。
そして、実際に外部のコントローラ200からの指令に基づきLED光源101を点灯させる点灯制御工程においては、計測した温度により記憶回路106の第1の光源制御データを参照して当該温度におけるLED駆動補正量を取得する。そして、この第1の光源制御データを参照して得たLED駆動補正量と、上記補正工程で第2の光源制御データとして記憶回路106に記憶させたLED駆動補正量を用いて駆動回路102がLED光源を駆動するLED駆動量を決定する。
以上のようにして、本実施形態によれば、LED光源101の点灯時間やLED素子(近傍)の温度に依存する輝度変動を補正し、LED光源101の輝度を正確に管理することができる。本実施形態の輝度制御は、LED光源101の点灯中の輝度現在値をフィードバックする閉ループ制御などを必要とせず、LED光源101を点灯させる直前の簡単な演算によって実施することができる。従って、短パルス点灯が必要な用途にも好適に実施することができる。本実施形態は、(累積)点灯時間のような経時現象に依存する輝度変動を補償する技術であるが、上述のフローチャートや数式で示したように、RTC104bの計時に基づきLED点灯時間を蓄積、管理することなく低演算コストで実施することができる。
<第2実施形態>
以上の第1実施形態では、温度計測回路105がサーミスタ、サーモパイル、熱電対を用いて構成する例を示した。本実施形態では、温度計測回路105をLED光源101を構成するLED素子の順方向電圧を計測する回路によって構成する例を示す。本実施形態は順方向電圧計測回路105aによりLEDの順方向電圧を計測することによって、簡単安価な構成により高精度に輝度の温度特性を補正できる。
図11は、第1実施形態の図1と同様の形式で本実施形態における照明装置100の構成を示している。図11では、温度計測回路105はLED光源101を構成するLED素子の順方向電圧を計測する順方向電圧計測回路105aにより構成されている。図11のその他の構成、駆動回路102、輝度計測回路103、制御回路104、記憶回路106、コントローラ200の構成は上述の第1実施形態と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
一般に、LED素子に流れる駆動電流が一定である場合、LED素子のジャンクション温度と順方向電圧降下の関係性は一意に定まる。また、LED素子の輝度はジャンクション温度に依存して変化し、このためLED素子の順方向電圧降下と輝度には相関性がある。そこで本実施形態では、順方向電圧計測回路105aによる順方向電圧降下計測を介して、より直接的に発光輝度に影響する温度の情報を計測し、LED光源101の発光輝度を制御することを考える。
図12は第1実施形態の図2と同様の形式で、LED光源101の駆動回路の構成を示している。図12において図2と同一ないし相当する部材には同一符号を付してある。図2では、温度計測回路105に相当する回路は示さなかったが、図12では、温度計測回路105に相当する構成として順方向電圧計測回路105aを図示してある。
図12において、順方向電圧計測回路105aは、トランジスタQにより駆動されるLED素子の1つの順方向電圧降下を測定するよう接続されている。順方向電圧計測回路105aは、オペアンプ素子などを利用した差動増幅器のような公知の回路により構成することができる。
また、図13に示すように、順方向電圧計測回路105aは複数個のLED素子の順方向電圧をまとめて測定するよう接続してもよい。また、LED光源101を構成する複数個のLED素子の順方向電圧を個別に測定するよう構成することも考えられる。このように複数個のLED素子の順方向電圧を個別に測定するよう構成すれば、照明装置100内で温度ばらつきが生じた際、LED素子ごとにLEDの順方向電圧の計測を介して調光値を補正できるので、LED光源101全体の輝度ばらつきを軽減できる。
以下では、図12のようにLED素子一個の順方向電圧を測定した場合の制御につき主に説明する。一般に、LED素子一個の順方向電圧は、LED素子の温度が100℃上昇した際にほぼ1V降下する。また、温度と順方向電圧はほぼリニアな比例関係にあり、LED素子の温度の1℃上昇につき、ほぼ10mVの順方向電圧降下が発生する。
なお、順方向電圧計測回路105aで順方向電圧を測定する際、LEDに一旦電流を流す必要があるので、順方向電圧を測定されるLED素子が点灯する。このため、図14に示すように、装置の用途などに応じて順方向電圧計測用のLED1の表面等に遮光板1301を設け、外部に光を出力させないような措置を講じるとよい。図14は図3と同等の形式で本実施形態の基板101a上におけるLED1〜LED4の配置構成を示している。図14では、遮光板1301を設けたLED1が順方向電圧の測定対象である。
また、順方向電圧計測回路105aで順方向電圧計測時のLED光源101の発光輝度を小さくすることも望ましい。例えば、装置の用途などに応じて順方向電圧計測時にはLED調光値を十分小さくすることや、順方向電圧計測用のLEDのみに電流を流し点灯させるような制御を行うとよい。
図15は、図4と同等の形式で本実施形態において記憶回路106に格納すべき制御データを示している。図4の比較から明らかなように、図4における温度に相当するデータはLED素子の順方向電圧に相当するデータに置き換えられている。すなわち、記憶回路106に格納する第1の光源制御データD1は、順方向電圧(V)に依存した値α(V(t))、初期温度データD4は、初期順方向電圧データV(t)となる。
本実施形態では、図7および図9に示した「初期データ保存モード」、「第2の光源制御データ算出モード」は、上述の第1実施形態と同様に実行することができる。ただし、その場合、温度計測回路105で行なう温度計測処理は、順方向電圧計測回路105aに置き換えられる。
従って、例えば図7においては、初期温度データ(図4のD4)としては、初期順方向電圧データV(t)が格納される(ステップS702、S706)。また、図9においては、温度データは順方向電圧(V(t))の形式で検出される(ステップS902)。また、図9のステップS905においては、初期温度に相当する初期順方向電圧データV(t)からの温度変化に相当する輝度変化量ΔBα(V(t))が順方向電圧を介して算出される。
図8に示した「第1の光源制御データ算出モード」は、本実施形態では図16のように構成する。図16においては、図8の1℃上昇の判定ステップ(S803)は、1℃に対応する順方向電圧ステップである10mVの変化を検出する判定ステップ(ステップS1503)に置き換えられる。
以下、図16を用いて、制御回路104が実施する第1の光源制御データα(V(t))の算出方法について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
まず、制御回路104はLED光源101を点灯する(ステップS1501)。順方向電圧計測回路105aから順方向電圧データV(t)を読み出し(ステップS1502)、順方向電圧データV(t)が初期順方向電圧データV(t)から(温度1℃に対応する)ほぼ10mV降下したか判断する(ステップS1503)。初回以降は初期順方向電圧データV(t)ではなく、前回記憶(下記ステップS1507)時の順方向電圧データと比較する。なお、本実施形態では10mV刻みで温度判定を行っているが、必ずしもこのように1℃に対応するステップで温度判定を行う必要はない。順方向電圧がほぼ10mV降下していない場合には、順方向電圧データVf計測工程(ステップS1502)に戻る。ほぼ10mV降下していた場合、制御回路104は輝度計測回路103から輝度データBmeas(t)を計測する(ステップS1504)。なお、本実施形態では、順方向電圧がほぼ10mV降下した際の時間をtとしている。
ステップS1505、S1506の処理は、順方向電圧データVfにより表現された温度データが用いられる点を除き、基本的には図8のステップS805、S806と同じである。
ステップS1507では、制御回路104は、ステップS1506で算出した第1の光源制御データα(V(t))、および順方向電圧データV(t)をペアで記憶回路106に記憶する(図15のD1)。図16において、ステップS1503〜S1507のループ脱出条件には、LED素子の最大定格動作温度時の順方向電圧降下量の(ほぼ)90%を用いる。例えば、順方向電圧データV(t)がLED素子の最大定格動作温度における順方向電圧降下量のほぼ90%以下ならば、温度データT計測工程(ステップS1502)に戻り、上記のステップを繰り返す。一方、順方向電圧データV(t)がLED素子の最大定格動作温度時の順方向電圧降下量のほぼ90%を超えていたら、制御回路104はLED光源101を消灯し、第1の光源制御データα(V(t))の計測および記憶を終了する。
なお、上記の第1の光源制御データα(V(t))は必ずしも最大定格動作温度のほぼ90%の範囲に渡り測定および記憶する必要はない。例えば、図8の第1の光源制御データ取得処理は最大定格動作温度の90%程度を超えないような無理のない範囲で、あるいは装置の用途などに応じて必要な温度範囲において適宜実行すればよい。
また、本実施形態では、順方向電圧変化が上記の1℃あたり10mVのレートであることを前提とし、LED素子の順方向電圧変化を介して温度ないし相対輝度変化量を取得している。しかしながら、LED素子の温度(輝度)〜順方向電圧の特性が上記と異なる場合には、LED素子のカタログなどの記載を利用して上記と異なるレートを用いて制御を行えばよい。
第2の光源制御データ計測時や通常使用時の第1実施形態との相違点は、温度データTの代わりに順方向電圧データVを用いることである。しかしながら、第1実施形態の図10に示した「通常使用モード」は制御データの単位が上記のよう異なっているだけで、上記同様に実行することができる。そして、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた作用効果に加え、LED素子の順方向電圧降下計測を介して、より直接的かつ簡単安価な構成により発光輝度に影響する温度の情報を計測し、LED光源101の発光輝度を精度よく制御することができる。
<第3実施形態>
図17は、上述の照明装置100を産業用ロボットシステム視覚系の照明手段として組み込んだ例を示している。図17の照明装置100は、第1実施形態ないし第2実施形態で説明したように構成することができる。産業用ロボットシステムにおいては、タクトタイム短縮などの目的で上述のように照明装置100に発光時間の短い短パルス発光制御が要求される場合がある。そのような用途においても、上述の各実施形態で説明したように記憶回路106に格納した第1および第2の光源制御データを用いて、現在値の輝度を用いた閉ループ制御などを用いることなく、極めて高精度に発光輝度を管理することができる。
図17において、照明装置100のLED光源101は特に照明装置100のブロックの外側に示してある。LED光源101は、ロボットアーム800が生産ライン902上の対象物901をロボットハンド801を介して操作する作業空間の例えば上方にカメラ900とともに配置される。
カメラ900は、例えばロボットアーム800や対象物901の特定のタイミングにおける制御状態を撮像するため、デジタルスチルカメラなどから構成される。
ロボット制御部600のCPU601は、不図示のインターフェース回路を介してカメラ900の撮像制御部700と通信し、カメラ900の撮影タイミングを決定し、また、カメラ900から撮像データを取得する。また、CPU601は不図示のインターフェース回路を介してロボットアーム800の各関節に組み込まれたサーボモータ(不図示)を制御することにより、ロボットアーム800およびそのロボットハンド801の動作を制御する。
ロボット制御部600のCPU601には、CPU601が実行するロボット制御プログラムを格納したプログラムメモリ602(例えばROMや各種外部記憶装置)が接続されている。また、CPU601には、CPU601のプログラム実行の際、ワークエリアとして用いられるRAM603が接続されている。また、ロボット制御部600には、実時間制御などのためRTC(リアルタイムクロック)604が設けられている。
図1の照明装置におけるコントローラ200は、図17のロボットアーム800を制御するロボット制御部600(またはそのCPU601)に対応させることができる。ただし、図17の撮像制御部700を図1のコントローラ200として動作させる構成であっても良い。コントローラ200は、撮像制御部700を介してカメラ900による撮像を制御する場合、これに同期して発光制御信号(例えば上述の調光値d)を照明装置100の制御回路104に送信し、LED光源101を発光させる。
図18は、図17のように構成されたロボットシステムを、照明装置100の初期化を経て設置し、その後、通常稼働させる様子を示している。
図18のステップS1801は、図17のロボットシステムの製造時に行われる照明装置100の初期データ保存処理を示している。このステップS1801の処理は、図7に示した「初期データ保存モード」の制御手順に相当する。また、ステップS1802は、図8(第1実施形態)ないし図16(第2実施形態)に示した「第1の光源制御データ算出モード」の処理に該当する。以上のようにして、照明装置100を構成するLED光源101に固有の初期輝度データD3、その際の初期温度データD4、LED光源101の温度変化に依存した第1の光源制御データD1が記憶回路106に格納される(図4ないし図15)。その後、ロボットシステムは所定の設置場所に設置(ステップS1803)される。
図18のステップS1901以降の処理は、図17に示したロボットシステムの通常稼働制御(ただし照明装置100の制御も一部含む)を示している。このロボットシステムの通常稼働制御の全体は、ロボット制御部600のCPU601によって制御され、そのための制御プログラムはプログラムメモリ602にあらかじめ格納しておく。
図18のステップS1901は、ロボットシステムの起動(システムブート)処理で、ロボットシステムの設置された生産設備の運営スケジュールに従い、主電源投入などに応じて実行される。例えばステップS1901の起動(システムブート)処理は、例えば、ある週の初日、毎日の定時などに実行される。ステップS1901の起動(システムブート)処理では、ワークエリアとして用いられるRAM603の初期化やロボットシステムを構成する各部の初期化が行なわれる。
ステップS1901の初期化処理の際、特にステップS1902として別ステップとして示した第2の光源制御データ取得処理も実行される。ステップS1902の処理は、上述の第2の光源制御データ取得処理(図9)に相当するものである。
これに続いて、ロボット制御部600は予めプログラムされた制御プログラムに応じてロボットアーム800およびロボットハンド801を制御し、生産ライン902上の対象物901を操作させる。その際、必要に応じてカメラ900を動作させ、ロボットアーム800およびロボットハンド801の作業空間(ないし対象物901)の撮影を行う。この時、カメラ900の撮像に同期して照明装置100のLED光源101を発光させるよう、CPU601は照明装置100の制御回路104に対して発光制御信号を送信する。
この発光制御信号の受信に応じて図18のステップS1903で実行される照明装置100のLED光源101の発光制御は、上述の通常使用モードの制御(図10)に相当する。すなわち、照明装置100はステップS1902で取得した第2の光源制御データと、記憶回路106に格納されている第1の光源制御データα(T(t))を用いてLED光源101の発光輝度を制御する。これにより、発光時間の短い短パルス発光制御が要求される場合でも、現在値の輝度を用いた閉ループ制御などを用いることなく、極めて高精度に発光輝度を管理することができる。
ステップS1904では、ロボットシステムをシャットダウンするか否かを判定する。この判定は、不図示の操作系を介してロボットシステム全体を停止させるための所定操作が行われたか否かを検出することにより行われる。このロボットシステムのシャットダウンの条件には、システムを非常停止するための何らかの非常事態の発生を含めてもよい。ステップS1904でシャットダウン条件が成立している場合は所定の終了処理(不図示)を実行してシステム全体を停止させる。
一方、ステップS1904でシャットダウン条件が成立していない場合はステップS1903の通常稼働動作が繰り返し実行される。その場合、照明装置100の第2の光源制御データとしては、ステップS1902で取得した値が引き続き用いられる。
以上のようにして、産業用ロボットシステムにおいてLED光源を用いた照明装置を視覚系のカメラとともに用いる場合、第1実施形態ないし第2実施形態で説明した構成および制御手順を実施することができる。これにより、産業用ロボットシステムの撮像の際、照明装置に発光時間の短い短パルス発光制御が要求される場合でも、現在値の輝度を用いた閉ループ制御などを用いることなく、極めて高精度に発光輝度を管理することができる。
以上では、照明装置100の第2の光源制御データの取得、更新は、ロボットシステムのブート時の初期化処理の一部として実行するよう説明した。例えば、毎日、ないし週に1度などの頻度でロボットシステムをリブートするような運用であれば、図18のような制御により、システムのブートごとに第2の光源制御データが取得され、その値で記憶回路106の格納値が更新される。
ただし、照明装置100の第2の光源制御データの取得、更新は、ロボットシステムのブート時に限らず、ロボットシステムの稼働中、(数時間ないし数日程度を単位とした)一定時間おきに実行してもよい。このためには、例えば、RTC604の計時情報に応じてCPU601が照明装置100に指令を与え、図9に示した第2の光源制御データの取得、更新処理を実行させる構成が考えられる。また、RTC604に限らず、照明装置100側に設けた同様の計時手段(不図示)によって照明装置100の制御回路104側で周期的に図9の第2の光源制御データの生成および更新処理を実行するようにしてもよい。図9の第2の光源制御データの生成および更新処理を周期的に実行する場合、その周期は数時間〜数十時間、数日〜1ヶ月単位など、比較的長期間の任意の周期であってよい。
100…照明装置、101…LED光源、102…駆動回路、103…輝度計測回路、104…制御回路、105…温度計測回路、106…記憶回路、600…ロボット制御部、800…ロボットアーム、900…カメラ

Claims (10)

  1. LED光源と、前記LED光源を駆動する駆動回路と、前記LED光源またはその近傍の温度を計測する温度計測回路と、前記LED光源の輝度を計測する輝度計測回路と、前記LED光源の駆動制御のための制御データを格納する記憶回路と、前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、その輝度を制御する制御回路と、を備えた照明装置の制御方法において、
    前記制御回路が、前記駆動回路を介して前記LED光源を連続点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を監視しつつ前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度に関連して、その温度において前記輝度計測回路により計測した輝度を補正するためのLED駆動補正量を第1の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させる初期化工程と、
    前記制御回路が、前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を計測するとともに前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度により前記初期化工程で前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量と、前記輝度計測回路により計測した前記LED光源の輝度に基づき、その時点以降、前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させる補正工程と、
    前記制御回路が、外部からの指令に基づき前記LED光源を点灯させる場合、前記温度計測回路により計測した温度により前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量、および前記補正工程で第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させたLED駆動補正量を用いて前記駆動回路が前記LED光源を駆動するLED駆動量を決定する点灯制御工程と、
    を含むことを特徴とする照明装置の制御方法。
  2. 請求項1に記載の照明装置の制御方法において、前記制御回路が周期的に前記補正工程を実行することを特徴とする照明装置の制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の照明装置の制御方法において、前記制御回路が、照明装置または照明装置が含まれる装置全体の起動初期化時に前記補正工程を実行することを特徴とする照明装置の制御方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法において、前記温度計測回路が前記LED光源を構成するLED素子の順方向電圧降下を介して前記LED光源またはその近傍の温度を計測することを特徴とする照明装置の制御方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置の制御方法の各工程を前記制御回路に実行させるための照明装置の制御プログラム。
  6. 請求項5に記載の照明装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. LED光源と、前記LED光源を駆動する駆動回路と、前記LED光源またはその近傍の温度を計測する温度計測回路と、前記LED光源の輝度を計測する輝度計測回路と、前記LED光源の駆動制御のための制御データを格納する記憶回路と、前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、その輝度を制御する制御回路と、を備えた照明装置において、
    前記制御回路は、
    装置設置前に前記駆動回路を介して前記LED光源を連続点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を監視しつつ前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度に関連して、その温度において前記輝度計測回路により計測した輝度を補正するためのLED駆動補正量を第1の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させた後、
    前記駆動回路を介して前記LED光源を点灯させ、前記温度計測回路により前記LED光源の温度を計測するとともに前記輝度計測回路により前記LED光源の輝度を計測し、前記温度計測回路により計測した温度により前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量と、前記輝度計測回路により計測した前記LED光源の輝度に基づき、その時点以降、前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させ、
    前記制御回路が、外部からの指令に基づき前記LED光源を点灯させる場合、前記温度計測回路により計測した温度により前記記憶回路に記憶されている第1の光源制御データを参照して得た当該温度におけるLED駆動補正量、および第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させたLED駆動補正量を用いて前記駆動回路が前記LED光源を駆動するLED駆動量を決定することを特徴とする照明装置。
  8. 請求項7に記載の照明装置において、前記制御回路は、周期的に第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項7または8に記載の照明装置において、前記制御回路は、照明装置または照明装置が含まれる装置全体の起動初期化時に第1の光源制御データを用いる場合に作用させるLED駆動補正量を生成して第2の光源制御データとして前記記憶回路に記憶させることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載の照明装置をロボットアームの作業空間を撮像する際の照明手段として含むことを特徴とするロボット装置。
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