JP2015214762A - 熱間プレス用鋼板 - Google Patents
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Description
1-1) めっき層
本発明では、熱間プレス時の耐酸化性および耐液体金属脆性を確保するために、鋼板表面に、融点が800℃以上であり、片面当たりの付着量が10〜90g/m2のめっき層を設ける。
980MPa以上の強度を有する熱間プレス部材を得るには、めっき層の下地鋼板として、例えば、質量%で、C:0.15〜0.5%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.5〜3%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する熱延鋼板や冷延鋼板を用いることができる。各成分元素の限定理由を、以下に説明する。ここで、成分の含有量を表す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
Cは、鋼の強度を向上させる元素であり、熱間プレス部材のTSを980MPa以上にするには、その量を0.15%以上とする必要がある。一方、C量が0.5%を超えると、素材の鋼板のブランキング加工性が著しく低下する。したがって、C量は0.15〜0.5%とする。
Siは、C同様、鋼の強度を向上させる元素であり、熱間プレス部材のTSを980MPa以上にするには、その量を0.05%以上とする必要がある。一方、Si量が2.0%を超えると、熱間圧延時に赤スケールと呼ばれる表面欠陥の発生が著しく増大するとともに、圧延荷重が増大したり、熱延鋼板の延性の劣化を招く。さらに、Si量が2.0%を超えると、ZnやAlを主体としためっき皮膜を鋼板表面に形成するめっき処理を施す際に、めっき処理性に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、Si量は0.05〜2.0%とする。
Mnは、フェライト変態を抑制して焼入れ性を向上させるのに効果的な元素であり、また、Ac3変態点を低下させるので、熱間プレス前の加熱温度を低下するにも有効な元素である。このような効果の発現のためには、その量を0.5%以上とする必要がある。一方、Mn量が3%を超えると、偏析して素材の鋼板および熱間プレス部材の特性の均一性が低下する。したがって、Mn量は0.5〜3%とする。
P量が0.1%を超えると、偏析して素材の鋼板および熱間プレス部材の特性の均一性が低下するとともに、靭性も著しく低下する。したがって、P量は0.1%以下とする。
S量が0.05%を超えると、熱間プレス部材の靭性が低下する。したがって、S量は0.05%以下とする。
Al量が0.1%を超えると、素材の鋼板のブランキング加工性や焼入れ性を低下させる。したがって、Al量は0.1%以下とする。
N量が0.01%を超えると、熱間圧延時や熱間プレス前の加熱時にAlNの窒化物を形成し、素材の鋼板のブランキング加工性や焼入れ性を低下させる。したがって、N量は0.01%以下とする。
Crは、鋼を強化するとともに、焼入れ性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果の発現のためには、Cr量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、Cr量が1%を超えると、著しいコスト高を招くため、その上限は1%とすることが好ましい。
Tiは、鋼を強化するとともに、細粒化により靭性を向上させるのに有効な元素である。また、次に述べるBよりも優先して窒化物を形成して、固溶Bによる焼入れ性の向上効果を発揮させるのに有効な元素でもある。しかし、Ti量が0.2%を超えると、熱間圧延時の圧延荷重が極端に増大し、また、熱間プレス部材の靭性が低下するので、その上限は0.2%とすることが好ましい。
Bは、熱間プレス時の焼入れ性や熱間プレス後の靭性向上に有効な元素である。こうした効果の発現のためには、B量を0.0005%以上とすることが好ましい。一方、B量が0.08%を超えると、熱間圧延時の圧延荷重が極端に増大し、また、熱間圧延後にマルテンサイト相やベイナイト相が生じて鋼板の割れなどが生じるので、その上限は0.08%とすることが好ましい。
Sbは、熱間プレス前に鋼板を加熱してから熱間プレスの一連の処理によって鋼板を冷却するまでの間に鋼板表層部に生じる脱炭層を抑制する効果を有する。このような効果の発現のためにはその量を0.003%以上とする必要がある。一方、Sb量が0.03%を超えると、圧延荷重の増大を招き、生産性を低下させる。したがって、Sb量は0.003〜0.03%とすることが好ましい。
上記した本発明の熱間プレス用鋼板は、Ac3変態点〜1000℃の温度範囲に加熱後熱間プレスされて熱間プレス部材となる。熱間プレス前にAc3変態点以上に加熱するのは、熱間プレス時の急冷でマルテンサイト相などの硬質相を形成し、部材の高強度化を図るためである。また、加熱温度の上限を1000℃としたのは、1000℃を超えると耐酸化性が劣化するためである。なお、ここでいう加熱温度とは鋼板の最高到達温度のことをいう。
硫酸を含有する浴温50℃のめっき浴中で、電流密度を25A/dm2としてめっきを行い、通電時間を変化させることによりめっき付着量を調整した。Niめっきは、240g/Lの硫酸ニッケル六水和物、30g/Lのホウ酸を含有するpH3.6、浴温50℃のめっき浴中で、電流密度を5A/d
m2としてめっきを行い、通電時間を変化させることによりめっき付着量を調整した。Zn-N
iめっきは、200g/Lの硫酸ニッケル六水和物、10〜100g/Lの硫酸亜鉛七水和物を含有するpH1.5、浴温50℃のめっき浴中で、電流密度を5〜100A/dm2としてめっきを行い、硫酸亜鉛七水和物の添加量と電流密度を変化させることによりNi含有率を調整し(10、12、25質量%)、通電時間を変化させることによりめっき付着量を調整した。また、上記冷延鋼板の表面に、溶融めっき法により、Znめっき、Zn-Feめっき、Al-Siめっきを施して鋼板No.24〜39を作製した。このとき、Znめっきは、通常の溶融Znめっき処理で行った。Zn-Feめっきは、溶融Znめっき処理を施した後に温度と時間を変化させて合金化処理を行い、Fe含有率を調整した(10、25質量%)。Al-Siめっきは、10質量%のSiを含有する溶融Alめっき浴を使用して行った。このようにして作製した鋼板No.1〜39のめっき層の詳細を表1、2に示す。
価を行った。
耐酸化性:ハット型部品の重量を測定し、加熱前に測定した鋼板重量との差を算出した。この重量の差は、スケールやZnOの生成による重量増加を示しており、その差が小さいほど耐酸化性に優れるとし、以下の基準で評価し、○であれば本発明の目的を満足しているとした。
○:重量の差≦5g/m2
×:5g/m2<重量の差
耐液体金属脆性:ハット型部品の上面の肩R部の外側より断面観察用のサンプルを採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、断面長さ4mmの視野における母材に侵入しているクラックの発生本数を求め、単位長さあたりのクラック本数、すなわちクラック密度(本/mm)を算出した。このクラック密度が小さいほど耐液体金属脆性に優れるとし、以下の基準で評価し、○であれば本発明の目的を満足しているとした。
○:クラック密度=0
△:0<クラック密度<3
×:3≦クラック密度
結果を表1、2に示す。本発明の熱間プレス用鋼板である鋼板No.1〜12、14、16〜20は、耐酸化性および耐液体金属脆性に優れていることがわかる。
Claims (2)
- 鋼板表面に、融点が800℃以上であり、片面当たりの付着量が10〜90g/m2のめっき層(ただし、該めっき層表面にZnを含有する酸化物層を有するものを除く。)を有することを特徴とする熱間プレス用鋼板。
- めっき層が電気めっき層であることを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス用鋼板。
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