JP2015213913A - 光触媒の製造方法 - Google Patents

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【課題】環境に対して有害な金属原子を含まず、可視光の照射により優れた光触媒活性を有し、かつ耐久性にも優れる光触媒の製造方法の提供。
【解決手段】 カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイトを含有し、リン酸銀が10質量%以下である光触媒の製造方法であって、
カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液と、リン酸化合物とを混合して、前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物を得る工程と、
前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程とを含む光触媒の製造方法である。
【選択図】図3

Description

本発明は、光触媒、及び光触媒の製造方法に関する。
近年、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発揮する、酸化チタン(TiO)等の一部の半導体物質が有する光触媒活性が注目されている。このような光触媒活性を有する前記半導体物質においては、一般に、その価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップに相当するエネルギーを有する光を吸収すると、前記価電子帯に存在していた電子が前記伝導帯へと遷移する。前記伝導帯へと遷移した電子は、前記光触媒活性を有する半導体物質の表面に吸着している物質に移動する性質があり、該半導体物質の表面に物質が吸着されている場合には、該物質は前記電子により還元される。一方、前記価電子帯に存在していた電子が前記伝導帯に遷移すると、前記価電子帯には正孔が生ずる。そして、該価電子帯に生じた正孔は、前記光触媒活性を有する半導体物質の表面に吸着している物質から電子を奪い取る性質があり、該半導体物質の表面に物質が吸着されている場合には、該物質は前記正孔に電子を奪い取られて酸化される。
以上の現象を具体的に説明すると、例えば、特に優れた光触媒活性を有する酸化チタンについてみれば、その価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップに相当するエネルギーを有する光を酸化チタンが吸収すると、該酸化チタンにおける前記価電子帯に存在していた電子が前記伝導帯へと遷移し、遷移した該電子は、空気中の酸素を還元してスーパーオキシドアニオン(・O )を生成させる一方、前記電子の遷移の結果、前記価電子帯には正孔が生じ、生じた該正孔は、前記酸化チタン表面に吸着している水を酸化してヒドロキシラジカル(・OH)を生成させる。このとき、該ヒドロキシラジカルは、非常に強い酸化力を有しているため、前記酸化チタンの表面に有機物等が吸着している場合には、該有機物等は前記ヒドロキシラジカルの作用によって分解され、最終的には水と二酸化炭素とにまで分解される。以上のように、酸化チタン等の、前記光触媒活性を有する半導体物質に対し、該半導体物質の価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップに相当するエネルギーを有する光が照射されると、該半導体物質が該光を吸収して、その表面に吸着されている有機物等を分解する結果、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等が発現される。
このため、近時、特に酸化チタンを初めとする、前記光触媒活性を有する半導体物質は、抗菌剤、殺菌剤、防汚剤、脱臭剤、環境浄化剤等として広く利用されるに至っている。例えば、電子機器の押ボタンに、光触媒性の酸化チタンを付着させることにより、該押ボタンに対して抗菌性を付与する技術が提案されており(特許文献1参照)、また、電気陰性度が1.6より小さく、かつイオン半径が0.2nmより小さい元素であって、原子価が2以下の金属元素からなる光触媒作用を有する粒子を含有する光触媒薄膜、及び該光触媒薄膜を基材表面に備えた物品が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの提案の場合、以下のような問題がある。即ち、優れた光触媒活性を示す酸化チタンを励起する際に必要な光エネルギーは3.2eV〜3.3eVであり、この光エネルギーを光の波長に換算すると約380nmとなる。このことは、該酸化チタンは、近紫外光を照射した場合には励起され得るものの可視光(波長:400nm〜800nm)を照射した場合には励起されないことを意味する。太陽光のうちで紫外光が占める割合は僅かに4%〜5%と少ないため、太陽光を照射光として利用した場合には、前記酸化チタンは十分な光触媒活性を発現しないという問題である。また、紫外光がほとんど存在しない室内の蛍光灯の光を照射した場合には、前記酸化チタンは光触媒活性を殆ど発現しないという問題である。
以上のような、太陽光乃至室内の蛍光灯の下で使用される物品に対しては十分な光触媒活性を付与することができないという問題を解消すると共に、太陽光の45%を占め、蛍光灯の大部分を占める可視光を照射した場合に十分な光触媒活性を示す酸化チタンの開発が強く望まれている。そこで、可視光に対する前記酸化チタンの応答に関する研究が広く行われてきている。
このような研究の一例としては、前記酸化チタンに可視光応答を付与する目的で、該酸化チタンに酸素欠陥を形成する手法、該酸化チタンに窒素をドープする手法、などが提案されている。しかし、これらの場合、実用的に満足できる成果は得られておらず、研究レベルの域を脱していないのが現状である。
一方、前記酸化チタンは物質に対する吸着能に乏しいため、該酸化チタンの光触媒活性に基づき、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発現させるためには、該酸化チタンの分解対象物に対する吸着能を向上させる必要がある。
そこで、このような分解対象物に対する吸着能に優れる材料として、歯や骨などの生体硬組織の主成分であるカルシウムハイドロキシアパタイトCa10(PO(OH)等のアパタイトが、各種のカチオンやアニオンとイオン交換し易く、高い生体親和性及び吸着特性を有し、蛋白質等の有機物に対する特異的な吸着能を有していることから、該カルシウムハイドロキシアパタイト等のアパタイトの特性を利用した技術の研究開発が行われてきている。
このような研究開発の一例として、酸化チタン等の半導体物質とカルシウムハイドロキシアパタイト等の燐酸カルシウム系化合物とを組み合わせて、両者の特性を効果的に引き出すことができる製品が提案されている(特許文献3〜4参照)。また、前記アパタイト中のカルシウムイオンの一部をチタンイオンと交換してなる光触媒機能を有するカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトCa9(8)Ti(PO(OH)、いわゆる光触媒チタンハイドロキシアパタイト(Ti−CaHAP)が提案されている(特許文献5〜8参照)。
しかしながら、これらの光触媒チタンハイドロキシアパタイト(Ti−CaHAP)の場合においても、上述したような、紫外光がほとんど存在しない室内の蛍光灯の光を照射した場合には、前記酸化チタンは光触媒活性を殆ど発現しないという問題がある。
そこで、紫外光及び可視光に対して優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して長期にわたって光触媒活性を有し、分解対象物に対する吸着性に優れ、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発現可能な光触媒として、クロム(Cr)及びニッケル(Ni)の少なくともいずれかと、タングステン(W)及びバナジウム(V)の少なくともいずれかをドープしたTi−CaHAP光触媒が提案されている(特許文献9参照)。
しかし、この提案の技術では、クロム(Cr)のように環境に対して有害なイオンとなりうる元素を含んでおり、実用化には問題がある。
なお、上記提案の技術においては、アパタイトを構成する金属原子として、カルシウム(Ca)以外に、アルミニウム(Al)、ランタン(La)などの金属原子の可能性が示されており、また、光触媒中心として機能し得る金属原子として、チタン(Ti)の他に、亜鉛(Zn)などの可能性が示されており、また、ドープする可視光吸収性金属原子として、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)が示されているものの、チタンハイドロキシアパタイト(Ti−HAP)に、広帯域の光、特に可視光を含む光に対して光触媒活性を有するようにドープする金属原子としては、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)のみが示されているのみであり、他の金属原子の可能性については何ら検討されていないし示唆もない。
したがって、環境に対して有害な金属原子を含まず、可視光の照射により優れた光触媒活性を有し、かつ耐久性にも優れる光触媒及び該光触媒の製造方法の提供が求められているのが現状である。
特開平11−195345号公報 特開2003−305371号公報 特開2003−80078号公報 特開2003−321313号公報 特開2000−327315号公報 特開2001−302220号公報 特開2003−175338号公報 特開2003−334883号公報 特許第4295231号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、環境に対して有害な金属原子を含まず、可視光の照射により優れた光触媒活性を有し、かつ耐久性にも優れる光触媒及び該光触媒の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
開示の光触媒は、カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイトを含有し、リン酸銀が10質量%以下であることを特徴とする。
開示の光触媒の製造方法は、前記光触媒の製造方法であって、
カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液と、リン酸化合物とを混合して、前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物を得る工程と、
前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程とを含むことを特徴とする。
開示の光触媒の製造方法は、前記光触媒の製造方法であって、
チタン及びカルシウムを含むアパタイトと、銀イオンを含有する溶液とを混合して、カルシウム、チタン、及び銀を含む前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物を得る工程と、
前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程とを含むことを特徴とする。
開示の光触媒によれば、環境に対して有害な金属原子を含まず、可視光の照射により優れた光触媒活性を有し、かつ耐久性にも優れる光触媒を得ることができる。
開示の光触媒の製造方法によれば、環境に対して有害な金属原子を含まず、可視光の照射により優れた光触媒活性を有し、かつ耐久性にも優れる光触媒を製造することができる。
図1は、比較例1で製造した試料[1]のXRDスペクトルである。 図2Aは、光触媒のリン酸銀の含有量を測定する際の、銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトのピーク面積の測定の一例を示す図である。 図2Bは、光触媒のリン酸銀の含有量を測定する際の、リン酸銀のピーク面積の測定の一例を示す図である。 図3は、実施例1で製造した試料[2A]及び比較例2で製造した試料[2]のXRDスペクトルある。 図4Aは、比較例2で製造した試料[2]に光照射をした前後の拡散反射スペクトルである。 図4Bは、実施例1で製造した試料[2A]に光照射をした前後の拡散反射スペクトルである。 図5Aは、比較例2で製造した試料[2]に光照射をした前後のXRDスペクトルである。 図5Bは、図5Aに示すスペクトルの部分拡大図である。 図5Cは、実施例1で製造した試料[2A]に光照射をした前後のXRDスペクトルである。 図6Aは、実施例1で製造した試料[2A]の光触媒活性評価を示す図である。 図6Bは、実施例1で製造した試料[2A]に光劣化試験をした後の光触媒活性評価を示す図である。 図6Cは、比較例2で製造した試料[2]に光劣化試験をし、更にリン酸銀を除去した試料[2’]の光触媒活性評価を示す図である。 図7Aは、実施例2における中間試料[3]のXRDスペクトルである。 図7Bは、実施例2で製造した試料[3A]のXRDスペクトルである。
(光触媒)
本発明の光触媒は、カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイト(以下、「銀チタンカルシウムアパタイト」と称することがある。)を含有し、リン酸銀が10質量%以下であり、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記光触媒は、銀のドープ(銀の置換)によりバンドギャップが低下し、可視光に応答性を有し、広帯域の光に使用可能な光触媒である。
本発明者らは、銀チタンカルシウムアパタイトが、可視光応答性光触媒として有効であることを見出した。本発明者らは、更に検討を行い、銀チタンカルシウムアパタイトとリン酸銀が共存している状態においては、前記リン酸銀が、光照射下において前記銀チタンカルシウムアパタイトを劣化させることを見出した。そして、前記光触媒において、リン酸銀が10質量%以下であると、リン酸銀による劣化を抑えた高性能な可視光応答性の光触媒が得られることを見出した。
<アパタイト(銀チタンカルシウムアパタイト)>
前記アパタイトとしては、カルシウム、チタン、及び銀を含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表されるアパタイトなどが挙げられる。
CaTiAg(PO・・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Xは、水酸基(OH)、CO、及びハロゲン原子のいずれかを表す。
前記Xとしては、カルシウムと共に金属酸化物型の光触媒性部分構造を形成可能な点で、水酸基(OH)が特に好ましい。前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記aは、0.1〜9.5を表し、前記bは、0.1〜5.0を表し、前記cは、0.1〜5.0を表す。a+b+cは、8.0〜10.0である。
前記aとしては、2.0〜9.5が好ましく、3.0〜9.0がより好ましく、5.0〜9.0が更に好ましく、6.0〜8.0が特に好ましい。
前記bとしては、0.1〜4.0が好ましく、0.3〜3.0がより好ましく、0.5〜2.0が更に好ましく、0.7〜1.5が特に好ましい。
前記cとしては、0.1〜5.0が好ましく、0.3〜4.0がより好ましく、0.5〜3.5が更に好ましく、1.0〜3.0が特に好ましい。
前記m、n、及びpは、整数を表す。
電荷バランスの点で、前記mは3〜4が好ましく、前記nは5〜7が好ましく、前記pは1〜4が好ましい。前記mは4がより好ましく、前記nは6がより好ましく、前記pは2がより好ましい。
前記一般式(1)で表されるアパタイトとしては、例えば、銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト、銀チタンカルシウムフルオロアパタイト、銀チタンカルシウムクロロアパタイトなどが挙げられる。
<リン酸銀>
前記光触媒において、前記リン酸銀は、10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい。
前記光触媒におけるリン酸銀の含有量は、例えば、以下のようにして測定することができる。
測定試料についてX線回折(XRD)測定を行う。その際、測定試料に銀チタンカルシウムアパタイトとリン酸銀とが含有されていると、前記XRDにおける2θが35°〜36°に位置する銀チタンカルシウムアパタイトの主ピークと約33.3°に位置するリン酸銀の主ピークとが重なる。そこで、重なりの無いピーク、即ち銀チタンカルシウムアパタイトについての2θが25.8°付近のピーク、及びリン酸銀についての36.6°付近のピークのピーク強度を測定し、それらの比を求めることにより、それぞれの相対量を計算し、測定試料におけるリン酸銀の含有量を測定する。
具体的には、銀チタンカルシウムアパタイトについては、例えば、図2Aに示すように、2θが25.0°〜26.5°の範囲で、直線でバックグラウンドを除去してピーク面積を求める。リン酸銀については、例えば、図2Bに示すように、36.2°〜36.9°の範囲で、直線でバックグラウンドを除去してピーク面積を求める。そして、それらのピーク面積の比からリン酸銀の含有量を算出する。組成の絶対値(リン酸銀の質量%)は、リン酸銀を含まない銀チタンカルシウムアパタイト紛体に、別途合成したリン酸銀単独の紛体を均一に混合して銀チタンカルシウムアパタイトとリン酸銀の質量比がわかった試料を作製し、それを標準試料とすることにより求める。
上記測定においては、各試料についてそれぞれ測定を10回行い、その平均値をその試料の測定値とする。
なお、XRDスペクトルにおいてリン酸銀のピークが測定されない場合、測定試料におけるリン酸銀の含有量を0質量%とすることができる。
XRDで得られるのは、試料中のリン酸銀と銀チタンカルシウムアパタイトとの、それぞれの単位胞の数に関連した値であって、厳密な意味では質量比ではないものの、銀チタンハイドロキシアパタイトの式量の変動及びXRD計測上の誤差の範囲内において、リン酸銀の含有量評価に用いることができる。
前記光触媒は、カルシウムアパタイトに由来する各種の分解対象物に対する吸着特性に優れ、特にタンパク質等の有機物に対する吸着特性に優れており、加えて、ウイルス、カビ、細菌等の微生物等に対する吸着特性にも優れ、これらの増殖を阻止乃至抑制し得る点で好ましい。
なお、前記分解対象物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、その成分としては、蛋白質、アミノ酸、脂質、糖質などが挙げられる。前記分解対象物は、これらを1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。前記分解対象物の具体例としては、一般に、人間の皮膚に由来する汚れ成分、ゴミ、埃、汚泥、不要成分、廃液成分、土壌中乃至空気中の有害物質、汚泥、微生物、ウイルスなどが挙げられる。
前記有害物質としては、例えば、アセトアルデヒドガスなどが挙げられる。
前記微生物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、原核生物であってもよいし、真核生物であってもよい。前記原核生物としては、例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌等の細菌などが挙げられる。前記真核生物としては、例えば、酵母菌類、カビ、放線菌等の糸状菌、原生動物、類などが挙げられる。
前記ウイルスとしては、例えば、DNAウイルス、RNAウイルスなど挙げられ、具体的にはインフルエンザウイルスなどが挙げられる。
これらの分解対象物は、固体状、液体状、気体状のいずれの態様で存在していてもよい。前記液体状の場合には、前記分解対象物としては、例えば、廃液、栄養液、循環液などが挙げられる。また、前記気体状の場合には、前記分解対象物としては、例えば、空気、排ガス、循環ガスなどが挙げられる。
チタンが、前記カルシウムアパタイトの結晶構造を構成する金属原子の一部として結晶構造中に取り込まれる(置換等される)こと、例えば、カルシウムサイトの一部がチタンによって置換されることによって、前記光触媒の結晶構造中には、光触媒機能を発揮し得る光触媒性部分構造が形成される。
更に、銀が、前記結晶構造中に取り込まれると、バンドギャップが低下し可視光に応答性を有するようになる。
このような光触媒性部分構造(金属酸化物構造)を有すると、光触媒活性を有し、また、アパタイト構造部分が吸着特性に優れるため、光触媒活性を有する公知の金属酸化物よりも、分解対象物に対する吸着特性に優れるため、分解作用、抗菌作用、防汚作用、カビや細菌等の増殖阻止乃至抑制作用などに優れる。
前記光触媒は、紫外光のみならず可視光をも吸収可能であり広帯域な光吸収性を示し、光の利用効率に優れ、各種光の照射条件下における用途に好適に使用可能である。そして、前記光触媒は、可視光及び紫外光のいずれを照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく、長期間にわたって優れた光触媒活性を示し、特に紫外光を長期間にわたって照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく優れた光触媒活性を維持可能な点で有利である。
<光触媒の形状など>
前記光触媒の形状、構造、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、粉状、粒状、タブレット状、ロッド状、プレート状、ブロ
ック状、シート状、フィルム状などが挙げられる。これらの中でも、取扱性などの点で粉状(粉末)が好ましい。
前記構造としては、例えば、単層構造、積層構造、多孔質構造、コア・シェル構造などが挙げられる。
なお、前記光触媒の同定・形態等の観察は、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)、XRD(X線回析装置)、XPS(X線光電子分光装置)、FT−IR(フーリエ変換赤外分光装置)、ICP発光分光分析装置(ICP−AES)などを用いて行うことができる。
<使用態様>
前記光触媒は、それ自体単独で使用してもよいし、他の物質等と併用してもよく、液に分散等させてスラリー状などとして使用してもよい。前記スラリー状として使用する場合、その液としては、水乃至アルコール系溶媒が好ましく、このスラリーを光触媒含有スラリーとして好適に使用することができる。
前記光触媒は、それ自体単独で使用してもよいし、粉砕してから、他の組成物等に混合などして混合組成物として使用してもよいし、あるいは基材等に付着、塗布、蒸着などして膜化(表面被膜)して使用してもよい。なお、基材等に付着、塗布、蒸着などする場合には、コーティング液を好適に使用することができる。
前記粉砕の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミル等を用いて粉砕する方法などが挙げられる。
前記他の組成物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷用インクなどが挙げられる。
前記混合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練装置、攪拌装置などを用いた方法が挙げられる。
前記基材の材質、形状、構造、厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、材質としては、例えば、紙、合成紙、織布、不織布、皮革、木材、ガラス、金属、セラミックス、合成樹脂などが挙げられ、形状としては、例えば、箔、フィルム、シート、板などが挙げられる。
前記付着の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、噴霧法などが挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、グラビヤコート法、インクジェット法、ディップ法などが挙げられる。
前記蒸着の方法としては、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
前記コーティング液としては、前記光触媒を含有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光触媒をイソプロピルアルコール(IPA)等に添加して得たアルコール溶液を、無機コーティング液材としての常温硬化型無機コーティング剤(日本山村硝子株式会社製、商品名S00の液材と商品名UTE01の液材を、10:1で混合したもの)などに添加し混合して得られたものなどが挙げられる。
<用途など>
前記光触媒は、各種の分解対象物に対する光触媒活性乃至分解対象物の分解能に優れ、該分解対象物を効率的に分解可能であり、長期間光触媒活性の低下がなく(飽和せず)、更に、樹脂等と混合しても該樹脂等を変質、変色、劣化等させることがなく、該樹脂から前記光触媒が剥離乃至脱離等することがない。このため、前記光触媒は、各種分野において好適に使用することができる。前記光触媒は、太陽光の照射条件下で使用される各種製品、紫外光の照射条件下で使用される各種製品などに好適に使用可能であり、具体的には、OA機器(パソコンの筐体、マウス、キーボード)、電子機器(電話機、コピー機、ファクシミリ、各種プリンター、デジタルカメラ、ビデオ、CD装置、DVD装置、エアコン、リモコン装置など)、電気製品(食器洗浄機、食器乾燥機、衣類乾燥機、洗濯機、空気清浄機、加湿器、扇風機、換気扇、掃除機、厨芥処理機など)、携帯情報端末(PDA、携帯電話など)、フィルター(気体用:空気清浄機、エアコン等に使用されるものなど、液体用:水耕栽培の液処理用など、固体用:土壌改良用など、カメラ用フィルターなど)、壁紙、食品容器(繰返し使用タイプ、使い捨てタイプなど)、医療機器・衛星用品(酸素吸入器のマスク部、包帯、マスク、防菌手袋など)、衣料等の繊維製品、入れ歯、内外装材(樹脂製、紙製、布製、セラッミク製、金属製などの内外装材;風呂、プール、建材など;人間が使用する時には蛍光灯の光が照射され、人間が使用しない時には紫外光が照射されるような医療施設用、バイオ実験室用、クリーンベンチ用など)、乗り物(内装材、車両用後方確認ミラ−など)、吊り輪(電車、バスなど)、ハンドル(自転車、三輪車、自動二輪車、乗用車など)、サドル(自転車、三輪車、自動二輪車など)、靴(布製、樹脂製、人工皮革製、合成樹脂製など)、鞄(布製、樹脂製、人工皮革製、合成樹脂製など)、塗料(塗膜など)、汚水・排水処理材(例えば、多孔質シリカ中に該広帯域光吸収性光触媒を混入させたもの)、シート(土壌処理シートなど)、バイオチップの電極(有機色素との組合せによる)、鏡(浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡など)、レンズ(眼鏡レンズ、光学レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複写機用レンズ、車両用後方確認カメラレンズ)、プリズム、ガラス(建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の窓ガラス;自動車、オートバイ、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノーモービル、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の風防ガラス;冷凍食品陳列ケースのガラス、中華饅頭等の保温食品の陳列ケースのガラスなど)、ゴーグル(防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグルなど)、シールド(防護用マスクのシールド、スポーツ用マスクのシールド、ヘルメットのシールドなど)、カバー(計測機器のカバー、車両用後方確認カメラレンズのカバー)、レンズ(レーザー歯科治療器等の集束レンズなど)、カバー(車間距離センサー等のレーザー光検知用センサーのカバー、赤外線センサーのカバー、フィルム、シート、シール、ワッペンなど)などに好適に使用可能である。
また、前記光触媒は、昼間は蛍光灯が照射され、夜間は殺菌及び消毒のために紫外光が照射される、医薬品、飲食品、バイオ等の実験室における、壁材、装置(クリーンベンチなど)、実験道具(スパーテルなど)、器具(ビーカーなど)、備品(マイクロピペット用チップ、エッペンドルフチューブなど)などに好適に使用できる。前記光触媒をこれらの用途に使用すると、24時間連続して高い光触媒活性が得られ、常時、分解対象物の分解等を行うことができる点で極めて有用である。更に、前記光触媒は、クリーンルーム室内、又はクリーンルーム内の局所空間の空気浄化のため、即ち、シリコンウエハ表面に付着するとシリコンウエハ表面が疎水性になり後に成膜される膜の付着力が弱くなる原因となる有機性ガス、の分解・除去に好適に使用することができる。具体的には、前記光触媒は、クリーンルームの壁材、ダクトのフィルター、器具、備品などに好適に使用できる。前記光触媒をこれらの用途に使用すると、効率的に分解対象物の分解などを行うことができる点で極めて有用である。
前記光触媒の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記製造方法で製造することが好ましい。
(光触媒の製造方法)
<第1の光触媒の製造方法>
本発明の第1の光触媒の製造方法は、混合物を得る工程と、リン酸銀を除去する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<<混合物を得る工程)>>
前記混合物を得る工程としては、カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液と、リン酸化合物とを混合して、アパタイト及びリン酸銀を含有する混合物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液に、前記リン酸化合物を添加すると、前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物が沈殿する。
−カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液−
前記カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルシウムイオンを含む化合物、チタンイオンを含む化合物、銀イオンを含む化合物、及び溶媒を混合する方法などが挙げられる。
−−カルシウムイオンを含む化合物−−
前記カルシウムイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキソ酸カルシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。前記オキソ酸カルシウムとしては、例えば、硝酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。前記硝酸カルシウムとしては、例えば、硝酸カルシウム無水物、硝酸カルシウム四水和物、硝酸カルシウム六水和物などが挙げられる。
−−チタンイオンを含む化合物−−
前記チタンイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキソ酸チタンなどが挙げられる。前記オキソ酸チタンとしては、例えば、硫酸チタンなどが挙げられる。前記硫酸チタンとしては、例えば、硫酸チタン(IV)溶液などが挙げられる。
−−銀イオンを含む化合物−−
前記銀イオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキソ酸銀などが挙げられる。前記オキソ酸銀としては、例えば、硝酸銀、硫酸銀などが挙げられる。ただし、前記銀イオンを含む化合物は、リン酸銀以外の化合物である。
−−溶媒−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水が好ましい。前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、純水が好ましい。また、前記水は、脱炭酸ガス処理されていることが好ましい。
−リン酸化合物−
前記リン酸化合物としては、例えば、リン酸、リン酸塩などが挙げられる。前記リン酸塩としては、例えば、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素二カリウムなどが挙げられる。ただし、前記リン酸化合物は、リン酸銀以外の化合物である。
前記リン酸化合物の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−混合−
前記混合は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。前記不活性ガスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素ガスなどが挙げられる。
前記混合においては、系のpHを特定の範囲に維持しながら行ってもよい。例えば、pHを9.0〜12.0の範囲に維持しながら行うことが好ましい。
pHを特定の範囲に維持する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、酸又は塩基を系に添加する方法が挙げられる。前記酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化カリウムなどが挙げられる。
−混合物−
前記混合物は、アパタイト及びリン酸銀を含有する。
−−アパタイト−−
前記アパタイトは、本発明の前記光触媒の説明において記載した前記銀チタンカルシウムアパタイトである。
カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する前記溶液と、前記リン酸化合物とを混合すると、前記アパタイトを含有する混合物が沈殿する。前記混合物を生成するこの方法は、前記溶液が銀イオンを含有することを除くと、チタンカルシウムアパタイトを製造する簡便な方法である。そのため、前記第1の光触媒の製造方法において、前記混合物を得る工程は、有用な工程であるが、前記混合物を得る工程では、リン酸銀を副生してしまう。前記リン酸銀は、前述のとおり、前記アパタイトを劣化させるため、含有されないことが望ましい。そこで、前記混合物を得る工程の後にリン酸銀を除去する工程を行う。
<<リン酸銀を除去する工程(リン酸銀除去工程)>>
前記リン酸銀除去工程としては、前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リン酸銀除去工程後には、前記混合物から得られる前記光触媒におけるリン酸銀の含有量は、0質量%である必要はないが、10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい。
−前記リン酸銀を溶解する液−
前記リン酸銀を溶解する液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニアを含有する溶液、アミンを含有する溶液、炭酸アンモニウムを含有する溶液、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有する溶液、チオ硫酸塩を含有する溶液、塩化物を含有する溶液、シアン化合物を含有する溶液などが挙げられる。
これらは、水溶液として用いることが好ましい。
前記アミンとしては、例えば、第一級アミンなどが挙げられる。前記第一級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミンなどが挙げられる。
前記チオ硫酸塩としては、例えば、チオ硫酸カリウムなどが挙げられる。
前記塩化物としては、例えば、塩化カリウムなどが挙げられる。
前記シアン化合物としては、例えば、シアン化カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、反応が早く洗浄が容易であることから、アンモニアを含有する溶液、アミンを含有する溶液が好ましい。
−洗浄−
前記洗浄は、前記リン酸銀を溶解する前記液と前記混合物とを混合し攪拌しながら行うことが好ましい。
前記攪拌の後には、上澄みの除去、ろ過などを行ってもよい。
前記洗浄における洗浄条件としては、前記混合物から前記リン酸銀を所望の量除去できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リン酸銀を溶解する前記液として、アンモニア水を用いる場合、アンモニアは、銀イオンと反応し素早くジアンミン酸銀錯イオンを形成するため、少ない洗浄回数でよい。
前記洗浄の後には、水により後洗浄を行ってもよい。前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脱イオン水などが挙げられる。
前記リン酸銀除去工程は、前記混合物を得る工程の後の前記混合物に対して行ってもよいし、前記混合物を得る工程の後に、後述するエージングをする工程、濾別する工程、洗浄する工程、及び乾燥する工程を経て得られた混合物に対して行ってもよい。
前記リン酸銀除去工程の後には、適宜、乾燥、及び粉砕を行ってもよい。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エージングをする工程、濾別する工程、洗浄する工程、乾燥する工程などが挙げられる。
−エージングをする工程−
前記エージングをする工程としては、前記混合物を得る工程の後に、前記混合物を含む懸濁液をエージング(熟成)する、即ち加熱する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱の際の温度としては、例えば、80℃〜120℃などが挙げられる。
前記加熱の際の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間〜36時間などが挙げられる。
前記加熱する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥炉を用いて加熱する方法などが挙げられる。
−濾別する工程−
前記濾別する工程としては、前記エージングする工程の後に得られた懸濁液を濾別する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−洗浄する工程−
前記洗浄する工程としては、前記濾別する工程により得られた沈殿物を洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水で前記沈殿物を洗浄する工程が挙げられる。前記水としては、例えば、純水などが挙げられる。
−乾燥する工程−
前記乾燥する工程としては、前記洗浄する工程により得られた洗浄物を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜120℃で1時間〜24時間乾燥する工程が挙げられる。
<第2の光触媒の製造方法>
本発明の第2の光触媒の製造方法は、混合物を得る工程と、リン酸銀を除去する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<<混合物を得る工程>>
前記混合物を得る工程としては、チタン及びカルシウムを含むアパタイトと、銀イオンを含有する溶液とを混合して、カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイト及びリン酸銀を含有する混合物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記混合における温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、室温程度の温度(20℃〜30℃)が挙げられる。
前記混合における時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、12時間〜36時間などが挙げられる。
前記混合の際には、攪拌を行うことが好ましい。
前記混合は、言い換えば、前記チタン及びカルシウムを含むアパタイトを、前記銀イオンを含有する溶液に浸漬するともいうことができる。
−チタン及びカルシウムを含むアパタイト−
前記チタン及びカルシウムを含むアパタイトとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタンカルシウムハイドロキシアパタイト、チタンカルシウムフルオロアパタイト、チタンカルシウムクロロアパタイトなどが挙げられる。
前記チタンカルシウムハイドロキシアパタイトとしては、例えば、TiCa(PO(OH)、TiCa(PO(OH)などが挙げられる。
−銀イオンを含有する溶液−
前記銀イオンを含有する溶液を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銀イオンを含む化合物、及び溶媒を混合する方法などが挙げられる。
−−銀イオンを含む化合物−−
前記銀イオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1の光触媒の製造方法において例示した前記銀イオンを含む化合物などが挙げられる。
−−溶媒−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水が好ましい。前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、純水が好ましい。また、前記水は、脱炭酸ガス処理されていることが好ましい。
−混合物−
前記混合物は、カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイト並びにリン酸銀を含有する。
−−カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイト−−
前記カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイトは、本発明の前記光触媒の説明において記載した前記銀チタンカルシウムアパタイトである。
<<リン酸銀除去工程(リン酸銀を除去する工程)>>
前記リン酸銀除去工程としては、前記混合物のいずれかを、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物のいずれかから前記リン酸銀を除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リン酸銀除去工程後には、前記混合物から得られる前記光触媒におけるリン酸銀の含有量は、0質量%である必要はないが、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
−前記リン酸銀を溶解する液−
前記リン酸銀を溶解する液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニアを含有する溶液、アミンを含有する溶液、炭酸アンモニウムを含有する溶液、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有する溶液、チオ硫酸塩を含有する溶液、塩化物を含有する溶液、シアン化合物を含有する溶液などが挙げられる。
これらは、水溶液として用いることが好ましい。
前記アミンとしては、例えば、第一級アミンなどが挙げられる。前記第一級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミンなどが挙げられる。
前記チオ硫酸塩としては、例えば、チオ硫酸カリウムなどが挙げられる。
前記塩化物としては、例えば、塩化カリウムなどが挙げられる。
前記シアン化合物としては、例えば、シアン化カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、反応が早く洗浄が容易であることから、アンモニアを含有する溶液、アミンを含有する溶液が好ましい。
−洗浄−
前記洗浄は、前記リン酸銀を溶解する前記液と前記混合物とを混合し攪拌しながら行うことが好ましい。
前記攪拌の後には、上澄みの除去、ろ過などを行ってもよい。
前記洗浄における洗浄条件としては、前記混合物から前記リン酸銀を所望の量除去できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リン酸銀を溶解する前記液として、アンモニア水を用いる場合、アンモニアは、銀イオンと反応し素早くジアンミン酸銀錯イオンを形成するため、少ない洗浄回数でよい。
前記洗浄の後には、水により後洗浄を行ってもよい。前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脱イオン水などが挙げられる。
前記リン酸銀除去工程は、前記混合物を得る工程の後の前記混合物に対して行ってもよいし、前記混合物を得る工程の後に、後述する濾別する工程、洗浄する工程、及び乾燥する工程を経て得られた混合物に対して行ってもよい。
前記リン酸銀除去工程の後には、適宜、乾燥、及び粉砕を行うことにより、前記光触媒を得ることができる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、濾別する工程、洗浄する工程、乾燥する工程などが挙げられる。
−濾別する工程−
前記濾別する工程としては、前記混合物を得る工程により得られた懸濁液を濾別する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−洗浄する工程−
前記洗浄する工程としては、前記濾別する工程により得られた沈殿物を洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水で前記沈殿物を洗浄する工程が挙げられる。前記水としては、例えば、純水などが挙げられる。
−乾燥する工程−
前記乾燥する工程としては、前記洗浄する工程により得られた洗浄物を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜120℃で1時間〜24時間乾燥する工程が挙げられる。
前記光触媒の製造方法(第1の光触媒の製造方法、及び第2の光触媒の製造方法)は、遮光して行うことが好ましい。そうすることにより、製造時の光照射による銀チタンカルシウムアパタイトの劣化(例えば、黒ずみ)を防ぐことができ、外観の良好な光触媒を得ることができる。
前記遮光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、リン酸銀の吸収波長(506nm)以下の波長の光を遮光することが好ましい。言い換えれば、リン酸銀の吸収波長(506nm)より長い波長の光を照射しても劣化は起こらない。
以下、実施例を挙げて開示の光触媒及び光触媒の製造方法をより具体的に説明するが、開示の光触媒及び光触媒の製造方法は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
(比較例1)
<光触媒の製造>
共沈法による銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトの製造方法を示す。可視光応答性を得るため、単位格子あたりの銀イオン含有量目標を2個(設計組成:AgTiCa(PO(OH))とした。
−プロセス[1]−
プロセス[1]では、原料として以下の(1)〜(4)を使用した。
(1)硝酸カルシウム[Ca(NO]を0.07モル
(2)硫酸チタン[Ti(SO]を0.01モル
(3)硝酸銀[AgNO]を0.02モル
(4)リン酸水素二カリウム[KHPO]を0.06モル
室温で、1Lの脱気水(脱イオン水に窒素ガスを通気しながら沸騰させて溶存気体を排除した後に室温まで放冷したもの)に窒素ガスを通気しながらスターラで撹拌し、前記(1)〜(3)を加えて溶解させた。
そこに、溶液のpHを測定しながら2.5モル/dm程度の濃度の水酸化カリウム水溶液を滴下してpHを10以上にした。ここで、銀イオンが酸化銀として沈殿するが、これは銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトの生成と共に溶液中の銀イオン濃度が低下し再溶解するので、そのまま工程を進めた。
続いて、溶液に前記(4)を加えた。そうすると、銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトを始めとしたリン酸カルシウム類の沈殿が生成した。前記リン酸カルシウム類の沈殿の生成に伴って溶液中のリン酸イオン(PO 3−)濃度が減少すると、共役酸であるリン酸水素イオン(HPO 2−)の解離(HPO 2−→H+PO 3−)が進行し水素イオンが放出されてpHは低下していくため、前記水酸化カリウム水溶液を適宜滴下してpHを10以上に保った。
pH変化がほぼなくなった時点で沈殿を含んだ懸濁液をテフロン(登録商標)製のボトルに移し、95℃で12時間保持して銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト結晶を生成、及び成長させた(熟成)。
その後、室温まで放冷して吸引濾過し、濾物を2dmの脱イオン水で洗浄した後に95℃で12時間乾燥させ、最後にめのう乳鉢で粉砕して黄褐色の銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトを主成分とした光触媒紛体を得た。
以上のようなプロセス[1]で製造した光触媒(試料[1])をCu−KαのX線回折(XRD)で評価したところ、目的とする銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト以外に、副生したリン酸銀が含まれていることがわかった。X線回折の結果を図1に示す。
比較例1で製造した光触媒(試料[1])の場合、下記方法で測定したリン酸銀の含有量は、20質量%であった。
なお、本発明の方法により光触媒(試料[1])からリン酸銀を除去した後の銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト中に含まれる各金属の比率を蛍光X線分析で評価したところ、Ca:Ti:Ag=8:1:1であった。
<リン酸銀の含有量>
光触媒におけるリン酸銀の含有量の測定方法は具体的には以下の通りである。X線回折(XRD)における2θが35°〜36°に位置する銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトの主ピークと約33.3°に位置するリン酸銀の主ピークとは重なっている。そこで、重なりの無いピーク、即ち銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトについての2θが25.8°付近のピーク、及びリン酸銀についての36.6°付近のピークのピーク強度を測定し、それらの比を求めることにより、それぞれの相対量を計算し、光触媒におけるリン酸銀の含有量を測定した。
具体的には、銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトについては、例えば、図2Aに示すように、2θが25.0°〜26.5°の範囲で、直線でバックグラウンドを除去してピーク面積を求めた。リン酸銀については、例えば、図2Bに示すように、36.2°〜36.9°の範囲で、直線でバックグラウンドを除去してピーク面積を求めた。そして、それらのピーク面積の比からリン酸銀の含有量を算出した。組成の絶対値(リン酸銀の質量%)は、後述する本発明の方法で作製したリン酸銀を含まない銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト紛体に、別途合成したリン酸銀単独の紛体を均一に混合して銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトとリン酸銀の質量比がわかった試料を作製し、それを標準試料とすることにより求めた。
上記測定においては、各試料についてそれぞれ測定を10回行い、その平均値をその試料の測定値とした。
(比較例2)
<光触媒の製造>
比較例1のプロセス[1]では、原料中の各金属イオンの比を目標比率そのままとしたが、副生するリン酸銀のため、実際に銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト中に含有される銀イオンの比率は目標より低くなった。そこで、原料中の銀イオン及びリン酸イオンの比率を高めた別のプロセスであるプロセス[2]で合成を行なった。
−プロセス[2]−
プロセス[2]では、原料中の各金属イオンの比をCa2+:Ti4+:Ag:PO 3−=7:1:5:7とした以外は、プロセス[1]と同様にして、光触媒(試料[2])を製造した。
プロセス[2]で製造した光触媒(試料[2])では、試料中の銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトに含まれる各金属の比率がCa:Ti:Ag=7:1:2と、銀イオン含有量を高めることができた。しかし、副生したリン酸銀もXRDによる評価で40質量%と大きく増加していることが確認された。
(実施例1)
<光触媒の製造(プロセス[2A])>
プロセス[2A]では、前記プロセス[2]と同様に、原料中のAg及びPO 3−を目標比率より高めてCa2+を0.07モル、Ti4+を0.01モル、Agを0.05モル、及びPO 3−を0.07モルとし、前記プロセス[2]と同様に溶解混合、熟成、濾過、洗浄、乾燥、及び粉砕を行ってリン酸銀を含む銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト紛体(試料[2])を製造した。
次に、この試料[2]を2質量%(約1モル/dm)のアンモニア水100cmに室温で懸濁させた。このアンモニア水の濃度では、ほとんど(99%以上)のアンモニア分子は電離しておらず、総量0.1モルのアンモニア分子は原料の銀イオン0.05モル全部をジアンミン酸銀錯イオンとできるだけの量であり、アパタイト結晶中に固定されていない銀イオンを実質的に全て錯イオンとして溶解させることができる。この反応は速く、紛体中に含まれるリン酸銀中の銀イオンは、アンモニア水と接したほぼ瞬間に無色のアンミン錯イオンとなって溶解し、試料の色から黄味が消えた。懸濁液を十分に撹拌してムラなく反応させた後、懸濁液を吸引濾過し、さらに2dmの脱イオン水で洗浄した。その後、濾物を乾燥及び粉砕して目的のリン酸銀の含有量を減少させた銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト可視光応答光触媒を得た。
なお、以上のプロセス[2A]において、リン酸銀の副生量を評価するなど特別な目的が無い場合には、原料を溶解混合、熟成、及び濾過の後、乾燥及び粉砕のプロセスを省略して濾物を直接アンモニア水で洗浄し、その後に脱イオン水洗浄、乾燥、及び粉砕という簡略化したプロセスで製造することも、もちろん可能である。
しかしこの場合、水を含んだ銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトは強く粘り気を帯びた沈殿であり、そのままでは沈殿内部までアンモニア水が到達しにくいため、十分に撹拌したりすりつぶしたりして均一に懸濁させることが好ましい。この場合は、懸濁に数十分以上の時間を要する場合があるが、懸濁した時点でリン酸銀の溶解は完了している。
以上のようなプロセス[2A]で製造した、リン酸銀の含有量を減少させた銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト可視光応答光触媒(試料[2A])のXRDを図3に示す。
図3には比較例2の試料[2]のXRD(点線)も併せて示してある。試料[2A]には、リン酸銀のピークはまったく見られなかった。前述の方法でリン酸銀の含有量を測定した結果、試料[2A]には、リン酸銀が含まれていないことがわかった(0質量%)。
リン酸銀を含んだ銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトを主成分とした可視光応答光触媒をアンモニア水で洗浄することにより、実質的にリン酸銀を含まない銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト可視光応答光触媒を製造することが確認できた。
<評価>
光劣化及び光触媒評価を行った。
<<光劣化>>
−光触媒(試料[1])の外観変化−
比較例1で製造した光触媒(試料[1])を撹拌しながら大気下で太陽光を3時間照射したところ、全部が黒ずんだ。光照射前後の試料[1]を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、照射前は棒状だった銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト結晶が、照射後は微粉化し、部分的に金属銀クラスタと思われる不定形の粒が生成していた。そのため、試料[1]は光照射により分解したものと考えられる。
−光触媒(試料[2])の拡散反射スペクトル変化−
比較例2で製造した光触媒(試料[2])を攪拌しながら大気下で水銀キセノンランプを用いて可視及び紫外光を照射した。照射パワー密度は、10mW/cmである。そのときの拡散反射スペクトル変化を図4Aに示す。
試料[2]の色調は、初期(照射前)は、可視光の短波長側で吸収の多い若干白みを帯びた黄褐色だったものが、12時間、24時間と、照射量の増加と共に可視光全体の吸収が増えて、試料[1]同様に黒ずんでいくのがスペクトルからも確認できた。
−光触媒(試料[2A])の拡散反射スペクトル変化−
実施例1で製造したリン酸銀を実質的に含まない銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト(試料[2A])は、元々、試料[2]などに見られる波長約500nmより長波長側のリン酸銀による反射が無いために、若干白みを帯びた褐色であった。
光触媒(試料[2A])について試料[2]と同条件で24時間光照射した。結果を図4Bに示す。24時間の光照射後でも拡散反射スペクトルには、ほとんど変化は見られなかった。
−リン酸銀の拡散反射スペクトル変化−
リン酸銀のみで試料[2]と同様の光劣化試験をした。その結果、拡散反射スペクトルに変化は見られなかった。このことから、試料[1]や試料[2]の光劣化試験において、副生したリン酸銀が単独で黒化しているわけではないことが確認できた。
−光触媒(試料[2])のXRDスペクトル変化−
比較例2で製造した光触媒(試料[2])を攪拌しながら大気下で水銀キセノンランプを用いて可視及び紫外光を24時間照射した。照射パワー密度は、10mW/cmである。そのときのXRDスペクトル変化を図5A〜図5Bに示す。
24時間照射後も銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト及びリン酸銀の全体の構造及び回折強度に大きな変化はない(図5A)ものの、24時間照射後では、照射前は痕跡程度だった2θ=38°付近のピークが成長していることが確認できる(図5B)。これは金属銀のピークであり、試料[1]の太陽光を照射した後のTEM観察と整合する結果である。
−光触媒(試料[2A])のXRDスペクトル変化−
光触媒(試料[2A])について試料[2]と同条件で24時間光照射し、照射前後のXRD測定を行った。結果を図5Cに示す。2θ=38°付近にピークの生成はなく、金属銀の生成は起こっていないことが確認できた。
<<光触媒活性評価>>
−光触媒(試料[2A])の光触媒活性評価−
−−光劣化試験前の試料[2A]の光触媒活性−−
試料[2A]1gをガラス容器に入れ、10−5モル/dmのメチレンブルー水溶液に3日間以上浸漬して試料[2A]にメチレンブルーを十分に吸着させた後、溶液を新しい10−5モル/dmのメチレンブルー水溶液15cmと入れ替えた。
その後、試料にハイパスフィルタ(Y−43、旭テクノグラス社製)によって波長430nmより短波長側をカットしたキセノンランプ(LA−251Xe、林時計工業社製、150W)からの可視光を照射した。照射パワー密度は10mW/cmとした。
規定時間の照射前後に可視紫外吸光光度計によりメチレンブルー水溶液の吸収スペクトルを測定し、照射前後のメチレンブルー及びその分解種のピークを比較した。結果を図6Aに示す。
可視光照射により、スペクトルは波長665nm付近に見られる主吸収ピークを始めとした可視及び紫外領域のメチレンブルーによる吸収ピークが減少していることが確認できた。一方、波長210nm付近に新たなピークが生じている。この新たなピークは、メチレンブルーの分解生成物によるものであり、可視光照射によってメチレンブルーが分解されたことが確認できた。
−−光劣化試験後の試料[2A]の光触媒活性−−
次に、光触媒(試料[2A])に水銀キセノンランプを用いて可視及び紫外光を照射した後の試料について、光触媒活性評価を行った。
具体的には、光触媒(試料[2A])を攪拌しながら大気下で水銀キセノンランプを用いて可視及び紫外光を24時間照射した。照射パワー密度は、10mW/cmである。光照射後の試料について、上記光劣化試験前の試料[2A]の光触媒活性の評価方法と同様にして、メチレンブルーの分解を確認した。結果を図6Bに示す。
図6Bに示すスペクトルは、図6Aとほとんど同じスペクトルを示しており、実施例1の光触媒(試料[2A])は、24時間の可視光及び紫外光の照射によっても、光触媒活性がほとんど変化していないことが確認できた。
−光触媒(試料[2])の光触媒活性評価−
光触媒(試料[2])に水銀キセノンランプを用いて光劣化試験(可視及び紫外光を24時間照射)をした後の試料をアンモニア水により洗浄し、リン酸銀を除去した。リン酸銀が除去されたことはXRDにより確認した。
リン酸銀が除去された試料[2’]について、前述の光触媒(試料[2A])の光触媒活性の評価方法と同様にして、メチレンブルーの分解を確認した。結果を図6Cに示す。この試料[2’]では、可視光を2時間照射しても、メチレンブルーの分解は確認されなかった。試料[2’]では、可視及び紫外光の照射により金属銀が生成して変色したのみならず、明らかに光触媒活性も失っていることが確認できた。
(実施例2)
<光触媒の製造>
−チタンカルシウムハイドロキシアパタイトの製造−
脱炭酸ガス処理をした1Lの純水を用意し、窒素雰囲気下で、その純水に対して、21.25gのCa(NO・4HOと、8.00gの30%−Ti(SO水溶液とを混合し、撹拌した。この際、5N−KOHを添加しながら、系のpHを10.0に維持した。
続いて、得られた混合物に10.45gのKHPOを添加し、引き続いて、5N−KOHを添加し、系のpHを12.0に調整し、懸濁液を得た。
続いて、得られた懸濁液を、100℃で24時間エージングし、引き続いて、沈澱が生じた懸濁液を吸引濾過により濾別し、分別した沈殿物を2Lの純水で洗浄し、更に、100℃のドライオーブンで12時間乾燥させた後に、乳鉢を用いて粉砕を行うことにより、チタンカルシウムハイドロキシアパタイト(試料1)を得た。
−光触媒の製造−
3×10−3モル/Lの硝酸銀水溶液1Lを約1モル/Lの濃度の水酸化カリウム水溶液でpH8程度にし、1gの前記チタンカルシウムハイドロキシアパタイト粉末を加えて2日間室温で浸漬し試料[3]を得た。その間にチタンカルシウムハイドロキシアパタイトのカルシウムイオンと溶液中の銀イオンとが交換して銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトが生成した。一方、浸漬直後より、チタンカルシウムハイドロキシアパタイトからリン酸イオンが溶出しリン酸銀が生成した。
浸漬後、水溶液から取り出した試料[3]を脱イオン水洗浄、乾燥、粉砕してXRD測定した後、5質量%(約1モル/dm)のアンモニア水25cmに室温で懸濁させた。試料の色から黄味が消えた。懸濁液を十分に撹拌してムラなく反応させた後、懸濁液を遠心分離し、さらに100cmの脱イオン水に懸濁、遠心分離を3回繰り返して洗浄した。その後、沈殿を乾燥及び粉砕して目的のリン酸銀の含有量を減少させた銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイト可視光応答光触媒(試料[3A])を得た。
浸漬後、アンモニア処理前の試料[3]のXRDを図7Aに示す。また、アンモニア処理後に得られた試料[3A]のXRDを図7Bに示す。図7Aにおいては、銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトのピークとリン酸銀のピークが確認できる。図7Bにおいては、銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトのピークは確認できるが、リン酸銀のピークは確認できない。
試料[3]のリン酸銀の含有量をXRDにより測定したところ、21質量%であった。
試料[3A]のリン酸銀の含有量を測定したところ、0質量%であった。
また、実施例1と同様にして光劣化試験前後における光触媒活性を評価したところ、光劣化前後において、実施例1と同等の光触媒活性が得られていることを確認した。
(実施例3)
<光触媒の製造>
実施例1において、硝酸カルシウムを水酸化カルシウム[Ca(OH)]に変えた以外は、実施例1と同様にして、光触媒(試料[4A])を製造した。
水酸化カルシウムの水溶液は、硝酸カルシウムとは異なって強アルカリ性であるため、特にpH調整を行なわなくとも10を超えるpHを保つことができる。ただし、水酸化カルシウムの水への溶解度は小さいため、反応初期は溶液に完全には溶解しない。反応が進行してリン酸カルシウムが生成すると共に溶液中のカルシウム濃度が減少し、それに伴ってゆっくりと溶解していく。また、溶液中のカルシウムイオン濃度は、実施例1の製造方法と比較すると小さいため反応は遅く、実施例1の製造方法と比較すると反応に要する時間が長くなる。
また、通常のガラス製反応容器中で反応させると副生したリン酸銀の影響で反応中においても生成した銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトの劣化が起こって沈殿は黒ずんでしまう。
そこで、試料[4A]の製造の間、反応容器全体をアルミニウム箔で覆って遮光した。これにより光劣化を防止することができた。この光劣化は結晶熟成後の濾過時にも発生し、遮光しない場合には漏斗内の沈殿表面も黒ずむ。そのため、漏斗をアルミニウム箔で覆い光劣化を防止した。
製造後のリン酸銀を除去した試料[4A]は水中で光を照射しても当然劣化は起こらなかった。
なお、この光劣化は主にリン酸銀の光触媒効果により惹起されるものであるため、リン酸銀の吸収波長(約506nm)より長い波長の光を照射しても劣化は起こらない。
<実施例1及び実施例3の形態観察>
実施例1は、実験室の蛍光灯下で製造を行った点で、アルミニウム箔により遮光をして製造した実施例3とは製造条件が異なる。
実施例1と実施例3とを比較すると、熟成後濾過時における濾物ケーキ表面(1mm厚以下)の変色が最も異なる点であった。遮光しない実施例1における光触媒の製造では、濾過中に急速に黒変(劣化)した。しかし、この場合でも全体に占める劣化した部分の割合はさほど大きくないため、全体として多少黒ずんだ程度であって、可視光における光触媒活性は充分に確認できた(図6A及び図6B)。一方、遮光をした実施例3では、黒ずみは発生せず、外観が良好な光触媒を得ることができた。なお、実施例3で製造した試料[4A]においても、可視光における光触媒活性は実施例1と同程度であることを確認した。
実施例1において、原料組成などの製造条件を変えることによりリン酸銀の含有量を変えて、可視及び紫外光照射による拡散反射スペクトルの変化を見たところ、リン酸銀が少なくとも10質量%を超える銀チタンカルシウムアパタイトは光劣化することがわかった。銀チタンカルシウムアパタイトを主成分とする可視光応答光触媒においては、その製造過程で含まれうるリン酸銀の含有量を少なくとも10質量%以下とすることが必要であり、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましいことが確認できた。
以上の実施例1〜3を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイトを含有し、リン酸銀が10質量%以下であることを特徴とする光触媒。
(付記2) 前記リン酸銀が、0質量%である付記1に記載の光触媒。
(付記3) 前記カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイトが、銀チタンカルシウムハイドロキシアパタイトである付記1から2のいずれかに記載の光触媒。
(付記4) 付記1から3のいずれかに記載の光触媒の製造方法であって、
カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液と、リン酸化合物とを混合して、前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物を得る工程と、
前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程とを含むことを特徴とする光触媒の製造方法。
(付記5) 前記カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液が、カルシウムイオンを含む化合物、チタンイオンを含む化合物、銀イオンを含む化合物、及び溶媒を混合して得られる付記4に記載の光触媒の製造方法。
(付記6) 前記カルシウムイオンを含む化合物が、オキソ酸カルシウム及び水酸化カルシウムの少なくともいずれかであり、前記チタンイオンを含む化合物が、オキソ酸チタンであり、前記銀イオンを含む化合物が、オキソ酸銀である付記5に記載の光触媒の製造方法。
(付記7) 前記リン酸化合物が、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、及びリン酸水素二カリウムの少なくともいずれかである付記4から6のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(付記8) 前記リン酸銀を溶解する液が、アンモニアを含有する溶液及びアミンを含有する溶液の少なくともいずれかである付記4から7のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(付記9) 付記1から3のいずれかに記載の光触媒の製造方法であって、
チタン及びカルシウムを含むアパタイトと、銀イオンを含有する溶液とを混合して、カルシウム、チタン、及び銀を含む前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物を得る工程と、
前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程とを含むことを特徴とする光触媒の製造方法。
(付記10) 前記チタン及びカルシウムを含むアパタイトが、チタンカルシウムハイドロキシアパタイトである付記9に記載の光触媒の製造方法。
(付記11) 前記銀イオンを含有する溶液が、銀イオンを含む化合物、及び溶媒を混合して得られる付記9から10のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(付記12) 前記銀イオンを含む化合物が、オキソ酸銀である付記11に記載の光触媒の製造方法。
(付記13) 前記リン酸化合物が、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、及びリン酸水素二カリウムの少なくともいずれかである付記9から12のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(付記14) 前記リン酸銀を溶解する液が、アンモニアを含有する溶液及びアミンを含有する溶液の少なくともいずれかである付記9から13のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(付記15) 遮光をして行う付記4から14のいずれかに記載の光触媒の製造方法。

Claims (4)

  1. カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイトを含有し、リン酸銀が10質量%以下である光触媒の製造方法であって、
    カルシウムイオン、チタンイオン、及び銀イオンを含有する溶液と、リン酸化合物とを混合して、前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物を得る工程と、
    前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程とを含むことを特徴とする光触媒の製造方法。
  2. カルシウム、チタン、及び銀を含むアパタイトを含有し、リン酸銀が10質量%以下である光触媒の製造方法であって、
    チタン及びカルシウムを含むアパタイトと、銀イオンを含有する溶液とを混合して、カルシウム、チタン、及び銀を含む前記アパタイト及び前記リン酸銀を含有する混合物を得る工程と、
    前記混合物を、前記リン酸銀を溶解する液で洗浄して、前記混合物から前記リン酸銀を除去する工程とを含むことを特徴とする光触媒の製造方法。
  3. 前記リン酸銀を溶解する液が、アンモニアを含有する溶液及びアミンを含有する溶液の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
  4. 遮光をして行う請求項1から3のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
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