最初に、本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る交通管制端末装置は、U形伝送方式およびS6形伝送方式の少なくともいずれか一方に従って他の装置と通信を行う交通管制端末装置であって、前記他の装置から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記フレームに所定情報が含まれる場合、前記フレームの取得処理を行うフレーム取得部と、前記フレーム取得部が前記取得処理を行っている状態であるか否かの確認であるフレーム確認を所定の周期で行う状態確認部と、前記状態確認部によって前記フレーム確認が行われた回数と、前記フレーム取得部が前記取得処理を行わなかった期間に含まれる前記周期の数とに基づいて、前記通信の状態を判断可能な第1の指標を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記第1の指標が認識可能となるような制御を行う提示制御部とを備える。
このような構成により、たとえば、他の装置から送信されたフレームの取得処理が可能であった時間に対する、当該フレームの取得処理が行われなかった時間の割合を第1の指標として取得することができ、取得した第1の指標がたとえば所定値より大きい場合に、通信の状態に異常が有ると判断することができる。このため、装置間で交通情報の伝送を継続して行いながら、通信の状態を容易に判断することができる。したがって、交通管制システムにおける通信を妨げることなく、当該通信の品質を的確に把握することができる。
(2)好ましくは、前記フレームは、前記他の装置から送信される搬送波によって伝送され、前記受信部は、前記搬送波を受信することにより前記フレームを受信し、前記状態確認部は、前記搬送波が前記受信部によって受信されているか否かの確認である信号確認を定期的または不定期に行い、前記算出部は、前記状態確認部によって前記信号確認が行われた回数と、前記搬送波が受信されていないと前記状態確認部によって確認された回数とに基づいて、前記通信の状態を判断可能な第2の指標をさらに算出し、前記提示制御部は、前記算出部によって算出された前記第2の指標が認識可能となるような制御をさらに行う。
このような構成により、たとえば、他の装置からの搬送波の受信が可能であった時間に対する、当該搬送波を受信しなかった時間の割合を第2の指標として取得することができるため、第2の指標がたとえば所定値より大きい場合に、通信の状態に異常が有ると判断することができる。また、たとえば、第1の指標に基づいて、通信の状態に異常が有ると判断した場合に、第2の指標を確認することによって、当該搬送波を受信していないために異常が生じているのか、当該搬送波を受信しているにも関わらず異常が生じているのかを知ることができる。
(3)またこの発明の別の局面に係る交通管制端末装置は、U形伝送方式およびS6形伝送方式の少なくともいずれか一方に従って他の装置と通信を行う交通管制端末装置であって、前記他の装置から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記フレームに所定情報が含まれる場合、前記フレームの取得処理を行うフレーム取得部とを備え、前記他の装置は、サイズの異なる前記フレームを送信可能であり、さらに、前記フレーム取得部が観測期間において前記取得処理で得たフレームの数と、前記観測期間において前記フレーム取得部が前記取得処理により得ることが可能な、最大サイズのフレームの数とに基づいて、前記通信の状態を判断可能な第1の指標を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記第1の指標が認識可能となるような制御を行う提示制御部とを備える。
このような構成により、観測期間において取得処理で得ることが可能な最大サイズのフレームの数に対する、当該観測期間に実際に取得処理で得たフレームの数の割合を第1の指標として取得することができ、取得した第1の指標がたとえば所定値より小さい場合に、通信の状態に異常が有ると判断することができる。このため、装置間で交通情報の伝送を継続して行いながら、通信の状態を容易に判断することができる。したがって、交通管制システムにおける通信を妨げることなく、当該通信の品質を的確に把握することができる。
(4)好ましくは、前記フレームは、前記他の装置から送信される搬送波によって伝送され、前記受信部は、前記搬送波を受信することにより前記フレームを受信し、前記交通管制端末装置は、さらに、前記搬送波が前記受信部によって受信されているか否かの確認である信号確認を定期的または不定期に行う状態確認部を備え、前記算出部は、前記状態確認部によって前記信号確認が行われた回数と、前記搬送波が受信されていないと前記状態確認部によって確認された回数とに基づいて、前記通信の状態を判断可能な第2の指標をさらに算出し、前記提示制御部は、前記算出部によって算出された前記第2の指標が認識可能となるような制御をさらに行う。
このような構成により、たとえば、他の装置からの搬送波の受信が可能であった時間に対する、当該搬送波を受信しなかった時間の割合を第2の指標として取得することができるため、第2の指標がたとえば所定値より大きい場合に、通信の状態に異常が有ると判断することができる。また、たとえば、第1の指標に基づいて、通信の状態に異常が有ると判断した場合に、第2の指標を確認することによって、当該搬送波を受信していないために異常が生じているのか、当該搬送波を受信しているにも関わらず異常が生じているのかを知ることができる。
(5)好ましくは、前記他の装置は、前記交通情報として前記交通管制端末装置の制御に関する指令情報をフレームに格納して送信し、前記受信部は、前記他の装置から送信された前記指令情報を受信し、前記交通管制端末装置は、さらに、前記受信部によって受信された前記指令情報に基づいて、前記交通管制端末装置を前記他の装置によって制御され得る状態である遠隔状態へ遷移させる制御部と、前記交通管制端末装置が前記遠隔状態から前記遠隔状態でない状態へ遷移した回数である非遠隔回数をカウントする非遠隔カウント部とを備え、前記提示制御部は、前記非遠隔カウント部によってカウントされた前記非遠隔回数が認識可能となるような制御をさらに行う。
このような構成により、たとえば、非遠隔回数が所定値よりも大きい場合に、通信の状態または制御部に異常が有ると判断することができる。
また、非遠隔回数が大きい場合、たとえば、第1の指標を確認することによって、通信の状態に異常が有るために非遠隔回数が大きいのか、通信の状態に異常が無いにも関わらず、非遠隔回数が大きいのかを知ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る交通管制システムの構成を示す図である。
図1を参照して、交通管制システム100は、中央装置11と、集約回線接続装置12と、端末回線接続装置13Aと、端末回線接続装置13Bとを備える。以下、端末回線接続装置13Aおよび端末回線接続装置13Bの各々を端末回線接続装置13とも称する。なお、交通管制システム100は、2つの端末回線接続装置13を備える構成に限らず、1つ以上の端末回線接続装置13を備える構成であればよい。また、交通管制システム100は、端末回線接続装置13を備えない構成であってもよい。
中央装置11は、たとえば、交通管制センターに設置され、交差点に設置された集約回線接続装置12と通信し、交通制御に関する交通情報の送信および受信を行う。具体的には、たとえば、中央装置11は、集約回線接続装置12の動作を制御するための情報である指令情報を集約回線接続装置12へ送信する。また、中央装置11は、端末回線接続装置13の動作を制御するための指令情報を集約回線接続装置12経由で当該端末回線接続装置13へ送信する。
集約回線接続装置12は、たとえば交通信号制御機、光ビーコンまたは車両感知器等の交通管制端末装置であり、中央装置11および端末回線接続装置13と通信し、交通情報の送信および受信を行う。具体的には、集約回線接続装置12は、中央装置11から受信した指令情報が自己を宛先とする場合、当該指令情報に従って動作する。また、集約回線接続装置12は、たとえば、端末回線接続装置13を宛先とする指令情報を受信すると、当該指令情報を宛先の端末回線接続装置13へ送信する。
また、集約回線接続装置12は、自己の動作内容等を示す動作実行情報、車両との通信により取得した情報および交通量を示す情報等を中央装置11へ送信する。動作実行情報は、集約回線接続装置12に異常がある場合には、当該異常の内容を含んでもよい。
端末回線接続装置13は、たとえば交通信号制御機、光ビーコンまたは車両感知器等の交通管制端末装置であり、たとえば集約回線接続装置12が設置された交差点に隣接する交差点に設置される。端末回線接続装置13は、集約回線接続装置12と通信し、交通情報の送信および受信を行う。具体的には、端末回線接続装置13は、集約回線接続装置12経由で中央装置11からの指令情報を受信し、受信した指令情報に従って動作する。また、端末回線接続装置13は、自己の動作内容を示す動作実行情報等を集約回線接続装置12経由で中央装置11へ送信する。
中央装置11および集約回線接続装置12間の通信は、U形伝送方式に従って行われる。U形伝送方式とは、社団法人 新交通管理システム協会によって定められた「U形インターフェース規格」および「U形通信アプリケーション共通規格」等に準じる通信方式である。
集約回線接続装置12および端末回線接続装置13間の通信は、S6形伝送方式に従って行われる。S6形伝送方式とは、社団法人新交通管理システム協会によって定められた「S6形インターフェース規格」および「S6形通信アプリケーション共通規格」等に準じる通信方式である。
中央装置11と集約回線接続装置12との通信、および集約回線接続装置12と端末回線接続装置13との通信のいずれにおいても、情報は、フレームに格納された状態で送受信される。
中央装置11および集約回線接続装置12間において送受信されるフレームは、搬送波によって伝送される。具体的には、中央装置11は、搬送波を生成し、生成した搬送波をフレームに基づいて変調した変調信号を集約回線接続装置12へ送信する。また、集約回線接続装置12は、搬送波を生成し、生成した搬送波をフレームに基づいて変調した変調信号を中央装置11へ送信する。
一方、集約回線接続装置12および端末回線接続装置13間において送受信されるフレームはデジタル信号の状態で伝送される。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置が中央装置から受信するフレームの構成を示す図である。
図2を参照して、フレームF1は、U形伝送方式に従って作成されたフレームである。フレームF1には、フレームの開始を示す1バイトのフラグシーケンスと、宛先を示す1バイトのアドレスフィールドと、伝送制御のために用いられる1バイトの制御フィールドと、データ本体であり、最大256バイトの情報フィールドと、誤り検出に用いられる2バイトのフレームチェックシーケンスと、フレームの終了を示す1バイトのフラグシーケンスとが含まれる。
たとえば、中央装置11は、サイズの異なるフレームを送信可能である。具体的には、情報フィールドのサイズは、フレームごとに異なる場合があるが、上述のように最大256バイトと規定されている。なお、2つのフラグシーケンスの値は、いずれも16進数で7Eである。
一方、集約回線接続装置12が端末回線接続装置13から受信するフレームすなわちS6形伝送方式に従って作成されたフレームも、フレームの開始を示すフラグシーケンスと、データ本体である情報フィールドと、フレームの終了を示すフラグシーケンスとを含む。
端末回線接続装置13は、サイズの異なるフレームを送信可能である。具体的には、当該フレームのサイズは、たとえばフレームごとに異なる場合があるが、最大値が規定されている。
交通管制システム100では、フレームは、中央装置11と集約回線接続装置12との通信、および集約回線接続装置12と端末回線接続装置13との通信のいずれにおいても、連続して送信される。このため、フレームの終了を示すフラグシーケンスは、次のフレームの開始を示すフラグシーケンスとして用いられる。また、この場合、たとえば、中央装置11から送信されるフレームのサイズは、最大で(1+1+1+256+2)=261バイトとなる。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置の構成を示す図である。
図3を参照して、集約回線接続装置12は、制御部20と、通信部21と、端末間インターフェース部22と、表示部28と、長期記憶部29とを含む。通信部21は、中央通信部24と、端末通信部25Aと、端末通信部25Bと、処理部26とを含む。端末間インターフェース部22は、インターフェース回路27Aと、インターフェース回路27Bとを含む。
以下、端末通信部25Aおよび端末通信部25Bの各々を端末通信部25とも称する。また、インターフェース回路27Aおよびインターフェース回路27Bの各々をインターフェース回路27とも称する。
中央通信部24は、中央装置11からの指令情報を受信して、受信した指令情報のうち、端末回線接続装置13を宛先とする指令情報を当該端末回線接続装置13に対応する端末通信部25へ出力する。また、中央通信部24は、端末回線接続装置13から対応の端末通信部25経由で受信した動作実行情報等を中央装置11へ送信する。
また、中央通信部24は、中央装置11から受信した指令情報のうち、集約回線接続装置12を宛先とする指令情報を制御部20へ出力する。
制御部20は、中央装置11から中央通信部24経由で受信した指令情報に基づいて、集約回線接続装置12の動作内容を維持または変更する。具体的には、たとえば、集約回線接続装置12が交通信号制御機である場合において、制御部20は、中央通信部24から受けた指令情報に遠隔指令が含まれているときには、集約回線接続装置12を遠隔状態へ遷移させる。遠隔状態とは、集約回線接続装置12が中央装置11によって制御され得る状態である。
また、制御部20は、たとえば周期的に動作実行情報等を作成して、中央通信部24経由で中央装置11へ送信する。制御部20は、たとえば、集約回線接続装置12の状態が遠隔状態であるかまたは遠隔状態でないかを示す遠隔状態情報を動作実行情報に含めて送信する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置が交通信号制御機である場合において、当該集約回線接続装置が中央装置から受信する指令情報に含まれるフィールドの一例を示す図である。
図4を参照して、指令情報は、「予備」、「調光指令」、「現示切替」、「読取指令」および「遠隔指令」のビットで構成されるフィールドを含む。中央装置11は、「遠隔指令」のビットをたとえば「1」に設定した指令情報を送信することにより、遠隔指令を集約回線接続装置12へ送信する。
中央装置11は、たとえば、1分間に1回の頻度で集約回線接続装置12へ遠隔指令を送信する。集約回線接続装置12は、遠隔状態へ遷移した後、たとえば10分間、中央装置11からの遠隔指令を受けない場合に、遠隔状態から、遠隔状態でない状態である非遠隔状態へ遷移する。また、集約回線接続装置12は、たとえば故障によって遠隔状態から非遠隔状態へ遷移する場合がある。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置が交通信号制御機である場合において、当該集約回線接続装置が送信する動作実行情報に含まれるフィールドの一例を示す図である。
図5を参照して、動作実行情報は、「時刻修正実行」、「読取実行」、「中央指令不可」、「中央指令受信」、「表示異常」、「予備」、「同期中」および「遠隔動作中」のビットで構成されるフィールドを含む。
集約回線接続装置12において、制御部20は、「遠隔動作中」ビットをたとえば「1」に設定した動作実行情報を中央通信部24へ出力することにより、集約回線接続装置12が遠隔状態であることを示す遠隔状態情報を中央装置11へ送信する。
一方、集約回線接続装置12は、「遠隔動作中」ビットをたとえば「0」に設定した動作実行情報を送信することにより、集約回線接続装置12が非遠隔状態であることを示す遠隔状態情報を中央装置11へ送信する。
再び図3を参照して、中央通信部24は、集約回線接続装置12が遠隔状態から非遠隔状態へ遷移した場合に、遷移した旨を示す信号を処理部26へ出力する。また、中央通信部24は、中央装置11および集約回線接続装置12間の通信状態を判断可能な指標、の算出に用いられる複数の信号を生成して処理部26へ出力する。
端末通信部25Aは、中央通信部24から受けた指令情報をインターフェース回路27A経由で端末回線接続装置13Aへ送信する。また、端末通信部25Aは、インターフェース回路27A経由で端末回線接続装置13Aから動作実行情報等を受信して、当該動作実行情報等を中央通信部24へ出力する。
また、端末通信部25Aは、集約回線接続装置12および端末回線接続装置13A間の通信状態を判断可能な指標、の算出に用いられる複数の信号を生成して処理部26へ出力する。
端末通信部25Bは、中央通信部24から受けた指令情報をインターフェース回路27B経由で端末回線接続装置13Bへ送信する。また、端末通信部25Bは、インターフェース回路27B経由で端末回線接続装置13Bから動作実行情報等を受信して、当該動作実行情報等を中央通信部24へ出力する。
また、端末通信部25Bは、集約回線接続装置12および端末回線接続装置13B間の通信状態を判断可能な指標、の算出に用いられる複数の信号を生成して処理部26へ出力する。
インターフェース回路27Aは、たとえばフォトカプラを含み、端末通信部25Aおよび端末回線接続装置13A間を電気的に絶縁しつつ、互いの信号を伝達する。また、インターフェース回路27Bは、たとえばフォトカプラを含み、端末通信部25Bおよび端末回線接続装置13B間を電気的に絶縁しつつ、互いの信号を伝達する。
処理部26は、中央通信部24、端末通信部25Aおよび端末通信部25Bから受けた各信号に基づいて、たとえば、中央装置11と集約回線接続装置12との通信状態を判断可能な指標、および集約回線接続装置12と各端末回線接続装置13との通信状態を判断可能な指標を算出する。また、処理部26は、算出した指標の表示部28への表示、および長期記憶部29への保存を行う。
長期記憶部29は、たとえば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含み、上記の各指標を記憶する。
表示部28は、たとえばモニターあり、処理部26によって算出された上記指標等を表示する。なお、表示部28は、LEDであってもよいし、複数のLEDによって構成される7セグメントディスプレイであってもよい。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置における中央通信部の構成を示す図である。
図6を参照して、中央通信部24は、受信部30と、モデム部31と、フレーム取得部32と、フレーム生成部33と、送信部34と、CD確認部35と、LINK確認部36と、遠隔確認部37とを含む。
受信部30は、中央装置11から送信された、指令情報が格納されたフレームを受信する。具体的には、受信部30は、中央装置11から送信された搬送波およびフレームに基づく変調信号を受信することによって、当該フレームを受信する。受信部30は、受信した変調信号をCD確認部35およびモデム部31へ出力する。
CD確認部35は、中央装置11からの搬送波が受信部30において受信されているか否かを判定する。具体的には、CD確認部35は、受信部30から受けた変調信号の受信レベルを測定し、測定値が所定値以上の場合に、中央装置11からの搬送波が受信部30において受信されていると判定する。
以下、CD確認部35における信号の受信レベルが所定値以上の状態をCD状態とも称し、CD確認部35における信号の受信レベルが所定値未満の状態をCD切断状態とも称する。
CD確認部35は、CD状態であるかまたはCD切断状態であるかを示すCD信号を処理部26へ出力する。具体的には、たとえば、CD確認部35は、CD状態においてハイレベルのCD信号を出力し、CD切断状態においてローレベルのCD信号を出力する。
モデム部31は、受信部30から受けた変調信号を復調し、デジタル信号に変換してフレーム取得部32およびLINK確認部36へ出力する。
LINK確認部36は、中央装置11および集約回線接続装置12間において通信接続が確立した状態か否かを判定する。具体的には、LINK確認部36は、モデム部31から受けたデジタル信号を確認して、中央装置11および集約回線接続装置12間においてセッションが確立された状態であるか否かを判定する。
以下、中央装置11および集約回線接続装置12間において通信接続が確立した状態をLINK状態とも称し、中央装置11および集約回線接続装置12間において通信接続が確立していない状態をLINK切断状態とも称する。
LINK確認部36は、LINK状態であるかまたはLINK切断状態であるかを示すLINK信号を処理部26へ出力する。具体的には、たとえば、LINK確認部36は、LINK状態においてハイレベルのLINK信号を出力し、LINK切断状態においてローレベルLINK信号を出力する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置におけるフレームの取得処理を説明するための図である。
中央装置11は、上述のように、連続してフレームを送信する。また、中央装置11から送信されるフレームのデータサイズは、たとえばフレームごとに異なる場合がある。各フレームは、先頭にフラグシーケンスを含む。
フレーム取得部32は、受信部30によって受信されたフレームに所定情報たとえばフラグシーケンスが含まれている場合、当該フレームの取得処理を行う。フレーム取得部32は、たとえば当該取得処理として、フラグシーケンスに基づいて有効なフレームの区切りを認識し、たとえばフレームの先頭を示すフレームパルスを生成して、当該フレームとともに他のユニットへ出力する。
具体的には、図7を参照して、フレーム取得部32は、モデム部31経由で中央装置11からの信号を受信して、当該信号からフラグシーケンスを検出する。フレーム取得部32は、当該信号からフラグシーケンスを検出できた場合、フレームの取得処理を開始する。
フレーム取得部32は、中央装置11からのフレームが途切れた場合、すなわちフラグシーケンスを検出してから所定時間Mが経過しても次のフラグシーケンスを検出できない場合に、フレームの取得処理を停止する。
また、フレーム取得部32は、フレームの取得処理を行っている期間であるか否かを示すフレーム取得信号を出力する。具体的には、たとえば、フレーム取得部32は、フレームの取得処理を行っている期間においてハイレベルのフレーム取得信号を出力し、フレームの取得処理を行っていない期間においてローレベルのフレーム取得信号を出力する。
再び図6を参照して、フレーム取得部32は、取得処理により得られたフレームを、当該フレームが示す宛先へ出力する。具体的には、フレーム取得部32は、取得処理により得られたフレームにおける、図2に示すアドレスフィールドを確認し、当該フレームの宛先が集約回線接続装置12の場合には、当該フレームを制御部20へ出力し、当該フレームの宛先が端末回線接続装置13の場合には、当該フレームを対応の端末通信部25へ出力する。
遠隔確認部37は、制御部20からたとえば周期的に出力される動作実行情報を受ける。遠隔確認部37は、動作実行情報に含まれる遠隔状態情報を参照して、集約回線接続装置12が遠隔状態であるか、非遠隔状態であるかを確認する。
遠隔確認部37は、遠隔状態から非遠隔状態へ遷移したことを示す非遠隔信号を出力する。具体的には、たとえば、遠隔確認部37は、通常、ローレベルの非遠隔信号を出力しており、集約回線接続装置12が遠隔状態から非遠隔状態へ遷移したことを認識すると、所定時間ハイレベルの非遠隔信号を出力する。遠隔確認部37は、集約回線接続装置12が遠隔状態から非遠隔状態へ遷移するたびにハイレベルの非遠隔信号を出力する。
フレーム生成部33は、制御部20、端末通信部25Aおよび端末通信部25Bの各々から動作実行情報等を受ける。フレーム生成部33は、制御部20から受けた動作実行情報等と、端末通信部25Aから受けた端末回線接続装置13Aの動作実行情報等と、端末通信部25Bから受けた端末回線接続装置13Bの動作実行情報等とを1または複数のフレームに格納してモデム部31へ出力する。
モデム部31は、フレーム生成部33から受けたフレームであるデジタル信号をアナログ信号に変換し、変調して送信部34へ出力する。送信部34は、モデム部31から受けた変調後の信号を中央装置11へ送信する。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置における端末通信部の構成を示す図である。
図8を参照して、端末通信部25は、送信部50と、受信部51と、フレーム取得部52と、CD確認部53と、LINK確認部54とを含む。
送信部50は、中央通信部24から端末回線接続装置13を宛先とするフレームを受けると、当該フレームを対応のインターフェース回路27経由で当該端末回線接続装置13へ送信する。
受信部51は、フレームを含むデジタル信号をインターフェース回路27経由で端末回線接続装置13から受信する。受信部51は、受信したデジタル信号をフレーム取得部52、CD確認部53およびLINK確認部54へ出力する。
CD確認部53は、端末回線接続装置13からのデジタル信号が受信部51において受信されているか否かを判定する。具体的には、CD確認部53は、端末回線接続装置13からインターフェース回路27および受信部30経由で受信したデジタル信号が所定時間のうちにハイレベルからローレベル、またはローレベルからハイレベルへ遷移するか否かを確認する。CD確認部53は、たとえば、レベルの遷移が確認できた場合に、端末回線接続装置13からのデジタル信号が受信部51において受信されていると判定する。
以下、端末回線接続装置13からのデジタル信号のレベルの遷移が確認できている状態をCD状態とも称し、端末回線接続装置13からのデジタル信号のレベルの遷移が確認できていない状態をCD切断状態とも称する。
CD確認部53は、CD状態であるかまたはCD切断状態であるかを示すCD信号を処理部26へ出力する。具体的には、たとえば、CD確認部53は、CD状態において、ハイレベルのCD信号を出力し、CD切断状態においてローレベルのCD信号を出力する。
LINK確認部54は、集約回線接続装置12および端末回線接続装置13間において通信接続が確立した状態であるか否かを判定する。具体的には、たとえば、LINK確認部54は、端末回線接続装置13からの確認応答があるか否かに基づいて通信接続の確立を判定する。
以下、集約回線接続装置12および端末回線接続装置13間において通信接続が確立された状態をLINK状態とも称し、集約回線接続装置12および端末回線接続装置13間において通信接続が確立されていない状態をLINK切断状態とも称する。
LINK確認部54は、LINK状態であるかまたはLINK切断状態であるかを示すLINK信号を処理部26へ出力する。具体的には、たとえば、LINK確認部54は、LINK状態においてハイレベルのLINK信号を出力、LINK切断状態においてローレベルのLINK信号を出力する。
フレーム取得部52は、受信部51によって受信されたフレームに所定情報たとえばフラグシーケンスが含まれている場合に、当該フレームの取得処理を行う。たとえば、フレーム取得部52は、当該取得処理として、フラグシーケンスに基づいて有効なフレームの区切りを認識し、たとえばフレームの先頭を示すフレームパルスを生成して、当該フレームとともに他のユニットへ出力する。
具体的には、フレーム取得部52は、受信部51から受けたデジタル信号を確認して、フラグの開始を示すフラグシーケンスを検出する。フレーム取得部52は、フラグシーケンスを検出した場合、フレームの取得処理を開始する。
端末回線接続装置13は、上述のように、連続してフレームを送信する。フレーム取得部52は、端末回線接続装置13からのフレームが途切れた場合、すなわちフラグシーケンスを検出してから所定時間、次のフラグシーケンスを検出しない場合に、フレームの取得処理を停止する。
フレーム取得部52は、フレームの取得処理を行っている期間であるか否かを示すフレーム取得信号を処理部26へ出力する。具体的には、たとえば、フレーム取得部52は、フレームの取得処理を行っている期間においてハイレベルのフレーム取得信号を出力し、フレームの取得処理を行っていない期間においてローレベルのフレーム取得信号を出力する。また、フレーム取得部52は、取得処理により得られたフレームを中央通信部24経由で中央装置11へ送信する。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置における処理部の構成を示す図である。
図9を参照して、処理部26は、算出部70と、状態確認部71と、非遠隔カウント部75と、提示制御部76と、短期記憶部77とを含む。算出部70は、取得エラー率算出部72と、CD切断率算出部73と、LINK切断率算出部74とを含む。
[CD切断率の算出]
状態確認部71は、中央装置11からの搬送波が中央通信部24における受信部30によって受信されているか否かの確認を定期的に行う。具体的には、状態確認部71は、中央通信部24からのCD信号のレベルの確認を定期的に行う。
また、状態確認部71は、端末通信部25AからのCD信号のレベル、および端末通信部25BからのCD信号のレベルを定期的に確認する。なお、状態確認部71は、各CD信号のレベルの確認を不定期に行ってもよい。
CD切断率算出部73は、状態確認部71による確認の結果に基づいて、中央装置11との通信状態を判断可能な指標であるCD切断率Ic1、端末回線接続装置13Aとの通信状態を判断可能な指標であるCD切断率Ic2、および端末回線接続装置13Bとの通信状態を判断可能な指標であるCD切断率Ic3を算出する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置による、中央通信部との通信におけるCD切断率の算出を説明するための図である。
図10を参照して、中央通信部24におけるCD確認部35は、上述のように、CD状態においてCD信号を出力する。
矢印C1〜C19は、処理部26における状態確認部71が、中央通信部24からのCD信号のレベルを確認するタイミングを示している。状態確認部71は、周期TでCD信号のレベルを確認する。
そして、状態確認部71は、中央通信部24からCD信号のレベルを確認した回数すなわち中央装置11からの搬送波が受信部30によって受信されているか否かを確認した回数である確認回数Pc1と、当該CD信号がローレベルであった回数すなわち搬送波が受信部30によって受信されていないと認識した回数である認識回数Qc1とをCD切断率算出部73へ出力する。
具体的には、確認回数Pc1は、矢印C1〜C19の数、すなわち19である。また、認識回数Qc1は、矢印C11〜C14の数、すなわち4である。
CD切断率算出部73は、確認回数Pc1と認識回数Qc1とに基づいて、CD切断率Ic1を算出する。具体的には、たとえば、CD切断率算出部73は、CD切断率Ic1を以下の式(1)によって求める。
Ic1=Qc1/Pc1 ・・・(1)
なお、状態確認部71は、搬送波が受信部30によって受信されていると認識した回数である認識回数Kc1を認識回数Qc1の代わりにCD切断率算出部73へ出力してもよい。この場合、CD切断率算出部73は、確認回数Pc1から認識回数Kc1を引いて認識回数Qc1を求め、CD切断率Ic1の算出に用いる。
また、CD切断率算出部73は、CD切断率Ic1に限らず、中央装置11との通信状態を判断可能な他の指標を算出してもよい。
CD切断率算出部73は、同様の手順で、たとえば同じ期間におけるCD切断率Ic2およびCD切断率Ic3を算出する。
[LINK切断率の算出]
再び図9を参照して、状態確認部71は、中央通信部24からのLINK信号のレベル、端末通信部25AからのLINK信号のレベル、および端末通信部25BからのLINK信号のレベルを周期的に確認する。
LINK切断率算出部74は、状態確認部71による確認の結果に基づいて、中央装置11との通信状態を判断可能な指標であるLINK切断率Ie1、端末回線接続装置13Aとの通信状態を判断可能な指標であるLINK切断率Ie2、および端末回線接続装置13Bとの通信状態を判断可能な指標であるLINK切断率Ie3を算出する。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置による、中央通信部との通信におけるLINK切断率の算出を説明するための図である。
図11を参照して、中央通信部24におけるLINK確認部36は、上述のように、LINK状態においてLINK信号を出力する。
矢印E1〜E19は、処理部26における状態確認部71が、中央通信部24からのLINK信号のレベルを確認するタイミングを示している。状態確認部71は、周期TでLINK信号のレベルを確認する。
そして、状態確認部71は、中央通信部24からのLINK信号のレベルを確認した回数すなわち中央通信部24の状態がLINK状態であるか否かを確認した回数である確認回数Pe1と、当該LINK信号がローレベルであった回数すなわち中央通信部24の状態がLINK状態でないと認識した回数である認識回数Qe1とをLINK切断率算出部74へ出力する。
具体的には、確認回数Pe1は、矢印E1〜E19の数、すなわち19である。また、認識回数Qe1は、矢印E11〜E14の数、すなわち4である。
LINK切断率算出部74は、確認回数Pe1と認識回数Qe1とに基づいて、LINK切断率Ie1を算出する。具体的には、LINK切断率算出部74は、LINK切断率Ie1を以下の式(2)によって求める。
Ie1=Qe1/Pe1 ・・・(2)
CD切断率算出部73は、同様の手順で、たとえば同じ期間におけるLINK切断率Ie2およびLINK切断率Ie3を算出する。
[取得エラー率の算出]
再び図9を参照して、状態確認部71は、フレーム取得部32がフレームの取得処理を行っている状態であるか否かの確認、およびフレーム取得部52がフレームの取得処理を行っている状態であるか否かの確認を所定周期で行う。
具体的には、状態確認部71は、中央通信部24からのフレーム取得信号のレベル、端末通信部25Aからのフレーム取得信号のレベル、および端末通信部25Bからのフレーム取得信号のレベルを所定周期で確認する。
取得エラー率算出部72は、状態確認部71による確認の結果に基づいて、中央装置11との通信状態を判断可能な指標である取得エラー率Ia1、端末回線接続装置13Aとの通信状態を判断可能な指標である取得エラー率Ia2、および端末回線接続装置13Bとの通信状態を判断可能な指標である取得エラー率Ia3を算出する。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置による、中央装置との通信状態を判断可能な取得エラー率の算出を説明するための図である。
図12を参照して、中央通信部24におけるフレーム取得部32は、図7に示すように、フレームの取得処理を行っている期間においてフレーム取得信号を出力する。
矢印A1〜A19は、処理部26における状態確認部71が、中央通信部24からのフレーム取得信号のレベルを確認するタイミングを示している。状態確認部71は、周期Tでフレーム取得信号のレベルを確認する。
そして、状態確認部71は、中央通信部24からのフレーム取得信号のレベルを確認した回数、すなわちフレーム取得部32がフレームの取得処理を行っている状態であるか否かを確認した回数である確認回数Pa1と、当該フレーム取得信号がローレベルであった回数すなわち中央通信部24のフレーム取得部32の状態がフレームの取得処理を行っていない状態であると認識した回数である認識回数Qa1とを取得エラー率算出部72へ出力する。
具体的には、確認回数Pa1は、矢印A1〜A19の数、すなわち19である。また、認識回数Qa1は、矢印A11〜C14の数、すなわち4である。
取得エラー率算出部72は、確認回数Pa1と、フレーム取得部32がフレームの取得処理を行わなかった期間に含まれる周期Tの数である周期数Na1とに基づいて取得エラー率Ia1を算出する。
具体的には、たとえば、取得エラー率算出部72は、周期数Na1を以下の式(3)によって求める。
Na1=Qa1−1 ・・・(3)
そして、取得エラー率算出部72は、たとえば以下の式(4)によって取得エラー率Ia1を求める。
Ia1=Na1×T/(Pa1−1)×T=Na1/(Pa1−1) ・・・(4)
取得エラー率Ia1は、たとえば、中央通信部24からのフレーム取得信号のレベルの確認を行った観測期間Waに対する、ローレベルのフレーム取得信号を確認した期間Vaの割合を示す。観測期間Waは、たとえば矢印A1から矢印A19までの期間であり、期間Vaは、たとえば矢印A11から矢印A14までの期間である。
なお、状態確認部71は、フレーム取得部32の状態がフレームの取得処理を行っている状態であると認識した回数である認識回数Ka1を認識回数Qa1の代わりに取得エラー率算出部72へ出力してもよい。この場合、取得エラー率算出部72は、確認回数Pa1から認識回数Ka1を引いて認識回数Qa1を求め、取得エラー率Ia1の算出に用いる。
取得エラー率算出部72は、同様の手順で、同じ期間における取得エラー率Ia2および取得エラー率Ia3を算出する。
なお、状態確認部71が、CD信号のレベルの確認を行った期間と、LINK信号のレベルの確認を行った期間と、フレーム取得信号のレベルの確認を行った期間である観測期間Waとは、たとえば同じ期間である。具体的には、たとえば、図10における矢印C1からC19までの期間と図11における矢印E1からE19までの期間と、図12における矢印A1からA19までの期間とは同じ期間である。
以下、CD切断率Ic1,Ic2,Ic3、LINK切断率Ie1,Ie2,Ie3、および取得エラー率Ia1,Ia2,Ia3の各々を回線異常情報とも称する。
再び図9を参照して、算出部70は、各回線異常情報を短期記憶部77へ出力する。
非遠隔カウント部75は、中央通信部24から非遠隔信号を受けて、非遠隔信号がハイレベルになった回数、すなわち集約回線接続装置12が遠隔状態から非遠隔状態へ遷移した回数である非遠隔回数をカウントし、カウント値である非遠隔回数R1を短期記憶部77へ出力する。
短期記憶部77は、たとえば揮発性メモリを含み、算出部70から受けた各回線異常情報および非遠隔カウント部75から受けた非遠隔回数R1を記憶する。
算出部70は、新たな各回線異常情報を周期Tで出力して、短期記憶部77の記憶している回線異常情報を更新する。具体的には、たとえば、算出部70における取得エラー率算出部72は、確認回数Pa1が増えるたびに取得エラー率Ia1を計算し直して短期記憶部77へ出力する。短期記憶部77は、新たな取得エラー率Ia1を取得すると、記憶している取得エラー率Ia1に上書きする。
また、非遠隔カウント部75は、たとえば、非遠隔回数R1が増えるたびに、最新の非遠隔回数R1を短期記憶部77へ出力し、短期記憶部77の記憶している非遠隔回数R1を更新する。
算出部70は、たとえば1日ごとに各回線異常情報のリセットを行う。具体的には、たとえば、回線異常情報である取得エラー率Ia1がリセットされると、取得エラー率Ia1の算出に用いられる確認回数Pa1および認識回数Qa1がゼロとなる。
また、非遠隔カウント部75は、算出部70において各回線異常情報のリセットが行われるタイミングで非遠隔回数R1をリセットする。非遠隔回数R1は、リセットされるとゼロとなる。
処理部26は、たとえば、算出部70において上記リセットが行われる直前に短期記憶部77が記憶している各回線異常情報および非遠隔回数R1を長期記憶部29へ出力する。
なお、算出部70において上記リセットが行われるのは、たとえば日付が変わる時である。また、たとえば、算出部70は、中央装置11から送信される情報に基づいて時刻を認識する。
長期記憶部29は、処理部26から受けた各回線異常情報および非遠隔回数R1を記憶する。長期記憶部29には、たとえば、日ごとの各回線異常情報および日ごとの非遠隔回数R1がひと月分記憶される。
提示制御部76は、算出部70によって算出された取得エラー率Ia1等の各回線異常情報、および非遠隔回数R1の内容が認識可能となるような制御を行う。たとえば、提示制御部76は、長期記憶部29から日ごとの各回線異常情報および日ごとの非遠隔回数R1を取得して、これらの内容を表示部28に表示させる制御を行う。
また、提示制御部76は、短期記憶部77が記憶している各回線異常情報および非遠隔回数R1を取得し、取得した内容を表示部28に表示させる制御を行う。なお、提示制御部76は、表示部28がLEDである場合、たとえば、各回線異常情報に基づいて、通信状態が悪いと判断した場合にLEDを点灯させる制御を行う。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置の表示部における表示内容の一例を示す図である。
図13を参照して、テーブルh1は、3月7日から3月12日の各日における、観測期間Waと、CD切断率Ic1と、CD切断回数Mc1と、LINK切断率Ie1と、LINK切断回数Me1と、取得エラー率Ia1と、取得エラー回数Ma1と、非遠隔回数R1とを示している。
ここで、CD切断回数Mc1は、中央通信部24がCD状態からCD切断状態へ遷移した回数である。LINK切断回数Me1は、中央通信部24がLINK状態からLINK切断状態へ遷移した回数である。取得エラー回数Ma1は、中央通信部24におけるフレーム取得部32がフレームの取得処理を行わなかった期間の数である。
たとえば、CD切断回数Mc1、LINK切断回数Me1および取得エラー回数Ma1の各々は、状態確認部71によってカウントされる。状態確認部71は、たとえば、1日ごとのCD切断回数Mc1、LINK切断回数Me1および取得エラー回数Ma1を長期記憶部29へ出力して記憶させる。
提示制御部76は、長期記憶部29からCD切断回数Mc1と、LINK切断回数Me1と、取得エラー回数Ma1とを取得して、非遠隔回数R1および回線異常情報の内容とともに表示部28に表示させる制御を行う。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置の表示部における表示内容の他の例を示す図である。
図14を参照して、テーブルh2は、3月7日から3月12日の各日における、観測期間Waと、CD切断率Ic2と、CD切断回数Mc2と、LINK切断率Ie2と、LINK切断回数Me2と、取得エラー率Ia2と、取得エラー回数Ma2とを示している。
CD切断回数Mc2は、端末通信部25AがCD状態からCD切断状態へ遷移した回数である。LINK切断回数Me2は、端末通信部25AがLINK状態からLINK切断状態へ遷移した回数である。取得エラー回数Ma2は、端末通信部25Aにおけるフレーム取得部52がフレームの取得処理を行わなかった期間の数である。
たとえば、CD切断回数Mc2、LINK切断回数Me2および取得エラー回数Ma2の各々は、状態確認部71によってカウントされる。状態確認部71は、たとえば、1日ごとのCD切断回数Mc2、LINK切断回数Me2および取得エラー回数Ma2を長期記憶部29に出力して記憶させる。
提示制御部76は、CD切断回数Mc2、LINK切断回数Me2および取得エラー回数Ma2を長期記憶部29から取得して、回線異常情報の内容とともに表示部28に表示させる制御を行う。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置における異常の内容と各指標との関係の一例を示す図である。
図15を参照して、テーブルh3は、CD切断率Ic1、LINK切断率Ie1および非遠隔回数R1に基づいてそれぞれ判断可能な異常の原因を示している。
図15を参照して、CD切断率Ic1が高い場合、たとえば、中央装置11からの搬送波を集約回線接続装置12において受信できない期間が長かったことが分かるため、たとえば中央装置11の不良が異常の原因であると判断することができる。CD切断率Ic1が高い場合、LINK切断率Ie1および非遠隔回数R1も高くなる。
CD切断率Ic1が低く、LINK切断率Ie1が高い場合、中央装置11からの搬送波を集約回線接続装置12において受信できているにも関わらず、集約回線接続装置12が中央装置11との通信接続を確立できない期間が長かったことが分かるため、たとえば集約回線接続装置12における通信部21の不良が異常の原因であると判断することができる。LINK切断率Ie1が高い場合、非遠隔回数R1も高くなる。
CD切断率Ic1およびLINK切断率Ie1が低く、非遠隔回数R1が高い場合、集約回線接続装置12は、中央装置11と通信を行っているにも関わらず、遠隔状態から非遠隔状態へ遷移した回数が多かったことが分かるため、たとえば集約回線接続装置12における制御部20の不良が異常の原因であると判断することができる。
集約回線接続装置12が遠隔状態から非遠隔状態へ遷移するのは、中央装置11からたとえば1分ごとに送信される遠隔指令を、集約回線接続装置12における制御部20がたとえば10分間のうちに1回も受けない場合である。つまり、制御部20が遠隔指令をたとえば10分間に1回でも受信した場合には、集約回線接続装置12は遠隔状態のまま維持される。したがって、CD切断率Ic1およびLINK切断率Ie1が中程度であるにも関わらず、非遠隔回数R1が低い場合、異常の原因は、制御部20ではなくたとえば回線の不良であると判断することができる。
なお、取得エラー率Ia1が高い場合、CD切断率Ic1およびLINK切断率Ie1の両方が高いときと、CD切断率Ic1が低く、かつLINK切断率Ie1が高いときとがある。したがって、取得エラー率Ia1が高い場合、CD切断率Ic1およびLINK切断率を確認することにより、異常の原因を判断することができる。
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置における異常の内容と各指標との関係の他の例を示す図である。
図16を参照して、テーブルh4は、CD切断率Ic2、LINK切断率Ie2に基づいてそれぞれ判断可能な異常の原因を示している。
CD切断率Ic2が高い場合、端末回線接続装置13Aからのデジタル信号を集約回線接続装置12において受信できない期間が長かったことが分かるため、たとえば端末回線接続装置13Aの不良が異常の原因であると判断することができる。CD切断率Ic2が高い場合、LINK切断率Ie2も高くなる。
CD切断率Ic2が低く、LINK切断率Ie2が高い場合、端末回線接続装置13Aからのデジタル信号を集約回線接続装置12において受信できているにも関わらず、集約回線接続装置12が端末回線接続装置13Aとの通信接続を確立できない期間が長かったことが分かるため、たとえば集約回線接続装置12における通信部21の不良が異常の原因であると判断することができる。
なお、取得エラー率Ia2が高い場合、CD切断率Ic2およびLINK切断率Ie2の両方が高いときと、CD切断率Ic2が低く、かつLINK切断率Ie2が高いときとがある。したがって、取得エラー率Ia2が高い場合、CD切断率Ic2およびLINK切断率Ie2を確認することにより、異常の原因を判断することができる。
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る集約回線接続装置の機能の一部をソフトウェアにより実現した場合におけるソフトウェアの動作内容の一例を示す図である。
図17を参照して、集約回線接続装置12が含むコンピュータは、プログラムを実行することにより、通信プロセス91,92,93と、周期プロセス94と、ログプロセス95と、表示ツール96と、WEB CGI(WEB Common Gateway Interface)97として機能する。
具体的には、通信プロセス91,92,93は、中央装置11との通信に関する処理、端末回線接続装置13Aとの通信に関する処理、および端末回線接続装置13Bとの通信に関する処理をそれぞれ行う。
たとえば、周期プロセス94は、通信プロセス91,92,93から、回線状態に関する情報である、CD状態であるか否かを示す情報と、LINK状態であるか否かを示す情報と、フレームの取得処理を行っているか否かを示す情報とを周期的に収集する。
また、周期プロセス94は、取得した各情報に基づいて回線異常情報を作成し、作成した回線異常情報を周期的に更新する。なお、周期プロセス94は、必要な設定情報等を集約回線接続装置12の起動時に長期記憶部29から取得する。
ログプロセス95は、周期プロセス94で作成および更新された回線異常情報を参照して、たとえば日ごとの回線異常情報を長期記憶部29に保存する。
また、ログプロセス95は、表示ツール96を実行して、回線異常情報の内容をたとえば図3に示す表示部28に表示させる。具体的には、表示ツール96は、回線異常情報の内容を表示部28に表示するための信号を出力する。また、WEB CGI97も表示ツール96を実行することができる。
なお、たとえば図1に示す端末回線接続装置13は、集約回線接続装置12と同様に、自己におけるCD切断率、LINK切断率、取得エラー率および非遠隔回数を算出して表示する構成であってもよい。具体的には、端末回線接続装置13は、図3に示す長期記憶部29および表示部28、図8に示す受信部51、フレーム取得部52、CD確認部53およびLINK確認部54、ならびに図9に示す算出部70、状態確認部71、表示制御部76および短期記憶部77の各々と同様のユニットを備える構成であってもよい。
ところで、通信品質の悪化により、たとえば、中央装置が制御に関する通信データを交通信号制御機へ伝送できなくなった場合、交通信号制御機において信号灯器の灯色を適切に制御することができなくなり、交通渋滞が発生してしまう可能性がある。このような状況を回避するために、交通管制システムにおける装置間の通信品質を監視し、通信品質が悪化した場合には、速やかに対応することが望まれる。
機器間の通信品質を把握するための方法として、たとえば、疑似ランダム信号を一方の装置から送信し、他方の装置において当該疑似ランダム信号を受信して、装置間において正しく信号が伝送されたか否かを確認する方法がある。しかしながら、このような方法を用いる場合、機器間における通常の通信を中断する必要があるため、たとえば、機器の最適な制御を妨げてしまうことがある。
また、たとえばオシロスコープを用いて通信信号におけるコンスタレーションを観察し、機器間の通信品質を評価する方法も考えられるが、このような方法では定量的な結果を得ることができないため、通信品質の把握が困難な場合がある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る交通管制端末装置である集約回線接続装置12では、受信部30は、中央装置11から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する。フレーム取得部32は、受信部30によって受信されたフレームにフラグシーケンスが含まれる場合、当該フレームの取得処理を行う。状態確認部71は、フレーム取得部32が取得処理を行っている状態であるか否かの確認であるフレーム確認を所定の周期で行う。算出部70は、状態確認部71によって当該フレーム確認が行われた回数と、フレーム取得部32が取得処理を行わなかった期間に含まれる上記周期の数とに基づいて、中央装置11との通信の状態を判断可能な指標である取得エラー率Ia1を第1の指標として算出する。
また、受信部51は、端末回線接続装置13から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する。フレーム取得部52は、受信部51によって受信されたフレームにフラグシーケンスが含まれる場合、当該フレームの取得処理を行う。状態確認部71は、フレーム取得部52が取得処理を行っている状態であるか否かの確認であるフレーム確認を所定の周期で行う。算出部70は、状態確認部71によって当該フレーム確認が行われた回数と、フレーム取得部52が取得処理を行わなかった期間に含まれる上記周期の数とに基づいて、端末回線接続装置13との通信の状態を判断可能な指標である取得エラー率Ia2または取得エラー率Ia3を第1の指標として算出する。提示制御部76は、算出部70によって算出された第1の指標が認識可能となるような制御を行う。
このような構成により、たとえば、中央装置11から送信されたフレームの取得処理が可能であった時間に対する、当該フレームの取得処理が行われなかった時間の割合を第1の指標として取得することができ、取得した第1の指標がたとえば所定値より大きい場合に、中央装置11との通信の状態に異常が有ると判断することができる。
また、たとえば、端末回線接続装置13から送信されたフレームの取得処理が可能であった時間に対する、当該フレームの取得処理が行われなかった時間の割合を第1の指標として取得することができ、取得した第1の指標がたとえば所定値より大きい場合に、端末回線接続装置13との通信の状態に異常が有ると判断することができる。このため、端末回線接続装置13との間における情報の送受信が通常どおりに行われている状態において、端末回線接続装置13との通信の状態を容易に判断することができる。このため、装置間で交通情報の伝送を継続して行いながら、通信の状態を容易に判断することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る交通管制端末装置では、交通管制システムにおける通信を妨げることなく、当該通信の品質を的確に把握することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通管制端末装置では、中央装置11からのフレームは、搬送波によって伝送される。受信部30は、当該搬送波を受信することによって、中央装置11からのフレームを受信する。状態確認部71は、当該搬送波が受信部30によって受信されているか否かの確認である信号確認を定期的または不定期に行う。算出部70は、状態確認部71によって信号確認が行われた回数と、当該搬送波が受信されていないと状態確認部71によって確認された回数とに基づいて、中央装置11との通信の状態を判断可能な指標であるCD切断率Ic1を第2の指標としてさらに算出する。提示制御部76は、算出部70によって算出された第2の指標が認識可能となるような制御をさらに行う。
このような構成により、たとえば、中央装置11からの搬送波の受信が可能であった時間に対する、当該搬送波を受信しなかった時間の割合を第2の指標として取得することができるため、第2の指標がたとえば所定値より大きい場合に、中央装置11との通信の状態に異常が有ると判断することができる。また、たとえば、第1の指標に基づいて、中央装置11との通信の状態に異常が有ると判断した場合に、第2の指標を確認することによって、当該搬送波を受信していないために異常が生じているのか、当該搬送波を受信しているにも関わらず異常が生じているのかを知ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通管制端末装置では、受信部30は、中央装置11から送信された指令情報を受信する。制御部20は、受信部30によって受信された指令情報に基づいて、集約回線接続装置12を中央装置11によって制御され得る状態である遠隔状態へ遷移させる。非遠隔カウント部75は、集約回線接続装置12が遠隔状態から非遠隔状態へ遷移した回数である非遠隔回数をカウントする。提示制御部76は、非遠隔カウント部75によってカウントされた非遠隔回数が認識可能となるような制御をさらに行う。
このような構成により、たとえば、非遠隔回数が所定値よりも大きい場合に、中央装置11との通信の状態または制御部20に異常が有ると判断することができる。
また、非遠隔回数が大きい場合、たとえば、第1の指標を確認することによって、通信の状態に異常が有るために非遠隔回数が大きいのか、通信の状態に異常が無いにも関わらず、非遠隔回数が大きいのかを知ることができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る集約回線接続装置と比べて、通信状態を判断可能な指標として、異なる指標を算出する集約回線接続装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る交通管制システムと同様である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る集約回線接続装置における中央通信部の構成も示している。
図6を参照して、フレーム取得部32は、受信部30によって受信されたフレームに所定情報たとえばフラグシーケンスが含まれている場合に、当該フレームの取得処理を行う。
また、フレーム取得部32は、取得処理によりフレームを得たことを示すフレーム取得信号を処理部26へ出力する。具体的には、たとえば、フレーム取得部32は、通常、ローレベルのフレーム取得信号を出力しており、取得処理によりフレームを得ると、所定時間ハイレベルのフレーム取得信号を出力する。フレーム取得部32は、フレームを得るたびにハイレベルのフレーム取得信号を出力する。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る集約回線接続装置における端末通信部の構成も示している。
図8を参照して、フレーム取得部52は、受信部51によって受信されたフレームに所定情報たとえばフラグシーケンスが含まれている場合に、当該フレームの取得処理を行う。
また、フレーム取得部52は、取得処理によりフレームを得たことを示すフレーム取得信号を処理部26へ出力する。具体的には、たとえば、フレーム取得部52は、通常、ローレベルのフレーム取得信号を出力しており、取得処理によりフレームを得ると、所定時間ハイレベルのフレーム取得信号を出力する。フレーム取得部52は、フレームを得るたびにハイレベルのフレーム取得信号を出力する。
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る集約回線接続装置における処理部の構成を示す図である。
図18を参照して、処理部26は、算出部70と、状態確認部71と、非遠隔カウント部75と、提示制御部76と、短期記憶部77とを含む。算出部70は、CD切断率算出部73と、LINK切断率算出部74と、エラー指数算出部84とを含む。
エラー指数算出部84は、中央通信部24からのフレーム取得信号、端末通信部25Aからのフレーム取得信号および端末通信部25Bからのフレーム取得信号を受ける。
エラー指数算出部84は、中央通信部24からハイレベルのフレーム取得信号を受けた回数である取得回数B1と、端末通信部25Aからハイレベルのフレーム取得信号を受けた回数である取得回数B2と、端末通信部25Bからハイレベルのフレーム取得信号を受けた回数である取得回数B3とをカウントする。
ここで、たとえば中央装置11から送信されるフレームのサイズは、上述のように、フレームごとに異なる場合があるが、最大で261バイトである。また、中央装置11と集約回線接続装置12との通信における伝送速度は、たとえば9600bpsに規定されている。
したがって、中央装置11が最大サイズのフレーム(以下、最大フレームとも称する。)を連続して送信すると仮定すると、中央通信部24のフレーム取得部32が単位時間当たりに取得可能な最大フレームの数は一定となる。
具体的には、たとえば、フレームのサイズは最大261バイトであるため、1つのフレームに含まれるビット数bnは、以下の式(5)で表される。
bn=261×8=2088 ・・・(5)
また、中央装置11と集約回線接続装置12との通信における伝送速度は、たとえば9600bpsであるため、フレーム取得部32が1秒あたりに取得可能な最大フレームの数Fmは、以下の式(6)で表される。
Fm=9600/2088=4.59 ・・・(6)
エラー指数算出部84は、フレーム取得部32が観測期間において取得処理で得たフレームの数と、当該観測期間においてフレーム取得部32が取得処理で得ることが可能な、最大フレームの数とに基づいて、中央装置11と集約回線接続装置12との通信の状態を判断可能な指標である取得エラー指数H1を算出する。
具体的には、エラー指数算出部84は、観測期間における取得回数B1と、当該観測期間においてフレーム取得部32が取得可能な最大フレームの数とに基づいて取得エラー指数H1を算出する。
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る集約回線接続装置による、中央装置との通信状態を判断可能な取得エラー指数の算出を説明するための図である。
図19を参照して、フレーム取得部32は、モデム部31経由で中央装置11からの信号を受信して、当該信号からフラグシーケンスを検出する。フレーム取得部32は、当該信号からフラグシーケンスを検出できた場合、フレームの取得処理を開始する。
フレーム取得部32は、中央装置11からのフレームが途切れた場合、すなわちフラグシーケンスを検出してから所定時間Mが経過しても次のフラグシーケンスを検出できない場合に、フレームの取得処理を停止する。
フレーム取得部32は、観測期間Otにおいて、フレームY1からY3までの3つのフレームを取得処理により得た。一方、フレーム取得部32が同じ期間において取得処理により得ることが可能であった最大フレームは、フレームL1からL4までの4つである。この場合、取得エラー指数H1は、たとえば以下の式(7)で求められる。
H1=3/4=0.75 ・・・(7)
また、エラー指数算出部84は、同様に、集約回線接続装置12と端末回線接続装置13Aとの通信の状態を判断可能な指標である取得エラー指数H2、および集約回線接続装置12と端末回線接続装置13Aとの通信の状態を判断可能な指標である取得エラー指数H3を算出する。以下、取得エラー指数H1,H2,H3の各々を回線異常情報とも称する。
再び図18を参照して、算出部70は、各回線異常情報を短期記憶部77へ出力する。短期記憶部77は、たとえば揮発性メモリを含み、算出部70から受けた各回線異常情報を記憶する。
算出部70は、新たな各回線異常情報を出力して、短期記憶部77の記憶している回線異常情報を更新する。具体的には、たとえば、算出部70におけるエラー指数算出部84は、取得回数B1が増えるごとに、取得エラー指数H1を計算し直して短期記憶部77へ出力する。短期記憶部77は、新たな取得エラー指数H1を取得すると、記憶している取得エラー指数H1に上書きする。
算出部70は、たとえば1日ごとに各回線異常情報のリセットを行う。具体的には、たとえば、取得エラー指数H1がリセットされると、取得エラー指数H1の算出に用いられる取得回数B1がゼロとなる。
処理部26は、たとえば、算出部70において上記リセットが行われる直前に短期記憶部77が記憶している各回線異常情報を長期記憶部29へ出力する。
なお、算出部70において上記リセットが行われるのは、たとえば日付が変わる時である。また、たとえば、算出部70は、中央装置11から送信される情報に基づいて時刻を認識する。
長期記憶部29は、短期記憶部77から受けた各回線異常情報を記憶する。長期記憶部29には、たとえば、日ごとの各回線異常情報がひと月分記憶される。
提示制御部76は、算出部70によって算出された取得エラー指数H1等の各回線異常情報の内容が認識可能となるような制御を行う。たとえば、提示制御部76は、長期記憶部29から日ごとの各回線異常情報を取得して、取得した内容を表示部28に表示させる制御を行う。また、提示制御部76は、提示制御部76は、短期記憶部77が記憶している各回線異常情報を取得して、取得した内容を表示部28に表示させる制御を行う。
なお、提示制御部76は、表示部28がLEDである場合、たとえば、各回線異常情報に基づいて、通信状態が悪いと判断した場合にLEDを点灯させる制御を行う。
また、たとえば図1に示す端末回線接続装置13は、集約回線接続装置12と同様に、自己における取得エラー指数を算出して表示する構成であってもよい。具体的には、端末回線接続装置13は、図3に示す長期記憶部29および表示部28、図8に示す受信部51およびフレーム取得部52、ならびに図18に示す算出部70、状態確認部71、表示制御部76および短期記憶部77の各々と同様のユニットを備える構成であってもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る交通管制端末装置である集約回線接続装置12では、受信部30は、中央装置11から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する。フレーム取得部32は、受信部30によって受信されたフレームにフラグシーケンスが含まれる場合、当該フレームの取得処理を行う。算出部70は、フレーム取得部32が観測期間において取得処理で得たフレームの数と、当該観測期間においてフレーム取得部32が取得処理により得ることが可能な、最大サイズのフレームの数とに基づいて、中央装置11との通信の状態を判断可能な指標である取得エラー指数H1を第1の指標として算出する。
また、受信部51は、端末回線接続装置13から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する。フレーム取得部52は、受信部51によって受信されたフレームにフラグシーケンスが含まれる場合、当該フレームの取得処理を行う。算出部70は、フレーム取得部52が観測期間において取得処理で得たフレームの数と、当該観測期間においてフレーム取得部52が取得処理により得ることが可能な、最大サイズのフレームの数とに基づいて、端末回線接続装置13との通信の状態を判断可能な指標である取得エラー指数H2または取得エラー指数H3を第1の指標として算出する。提示制御部76は、算出部70によって算出された第1の指標が認識可能となるような制御を行う。
このような構成により、観測期間において取得処理で得ることが可能な最大サイズのフレームの数に対する、当該観測期間に実際に取得処理で得たフレームの数の割合を第1の指標として取得することができ、取得した第1の指標がたとえば所定値より小さい場合に、通信の状態に異常が有ると判断することができる。このため、装置間で交通情報の伝送を継続して行いながら、通信の状態を容易に判断することができる。
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る交通管制端末装置では、交通管制システムにおける通信を妨げることなく、当該通信の品質を的確に把握することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る交通管制端末装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
U形伝送方式およびS6形伝送方式の少なくともいずれか一方に従って他の装置と通信を行う交通管制端末装置であって、
前記他の装置から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記フレームにフラグシーケンスが含まれる場合、前記フレームの取得処理を行うフレーム取得部と、
前記フレーム取得部が前記取得処理を行っている状態であるか否かの確認であるフレーム確認を所定の周期で行う状態確認部と、
前記状態確認部によって前記フレーム確認が行われた回数と、前記フレーム取得部が前記取得処理を行わなかった期間に含まれる前記周期の数とに基づいて、前記通信の状態を判断可能な第1の指標を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記第1の指標が認識可能となるような制御を行う提示制御部とを備え、
前記交通端末装置は、交通信号制御機、光ビーコンまたは車両感知器であり、
前記他の装置は、前記交通管制端末装置以外の交通管制端末装置または中央装置である、交通管制端末装置。
[付記2]
U形伝送方式およびS6形伝送方式の少なくともいずれか一方に従って他の装置と通信を行う交通管制端末装置であって、
前記他の装置から連続して送信される、交通情報を格納可能なフレームを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記フレームにフラグシーケンスが含まれる場合、前記フレームの取得処理を行うフレーム取得部とを備え、
前記他の装置は、サイズの異なるフレームを送信可能であり、
さらに、
前記フレーム取得部が観測期間において前記取得処理で得たフレームの数と、前記観測期間において前記フレーム取得部が前記取得処理により得ることが可能な、最大サイズのフレームの数とに基づいて、前記通信の状態を判断可能な第1の指標を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記第1の指標が認識可能となるような制御を行う提示制御部とを備え、
前記交通端末装置は、交通信号制御機、光ビーコンまたは車両感知器であり、
前記他の装置は、前記交通管制端末装置以外の交通管制端末装置または中央装置である、交通管制端末装置。