JP2015209872A - ゆるみ止めのフランジ付き六角ナット及びフランジ付き六角ボルト - Google Patents

Abstract

【課題】ゆるみ止めの問題は完全に解決されたとは言えず新たな方法が求められている。
【解決手段】本発明のねじは、フランジ付き六角ナットあるいはフランジ付き六角ボルトを用い、フランジ付き六角ナットの方は少なくともフランジと六角ナットの境にくぼみを設けることで、軸直角方向の衝撃に対し、ナットがボルトと連動することを特徴とし、フランジ付き六角ボルトの方は座面側とフランジ表面のいずれも軸部付近にくぼみを設けることで、フランジに弾性を持たせたことを特徴とする。
【選択図】図１

Description

ゆるみ止めのフランジ付き六角ナットおよびフランジ付き六角ボルトに関する。

座面陥没の可能性を減らす意味合いでフランジ付きの六角ナットやフランジ付き六角ボルトがあり、ねじの緩みを防止するため当該ナットの座面に更にセレーションなどの突起を加工し、座面での摩擦力を高めたものもある。

フランジ付き六角ボルトでは頭部をスカート状にしたものが有り（特許文献１参照）、ナットでも座面の軸部付近を裾広がりしてスカート状にしたものが有る。（特許文献２）

本人の出願特願２０１３−０００２では、フランジ付き六角ボルトの頭部とフランジの接続部分あるいはフランジ付六角ナットのナット本体とフランジの接続部分に軸方向に溝を設けるものがある。（特許文献３）

特開２０１３−２４２５３号公報 特願２０１２−１５１８８４ 特願２０１３−０００２

セレーションが座面に施されているフランジ付き六角ナットやフランジ付き六角ボルトは被締結物を傷つけるので他の緩み止めの方法が求められる。

本人の特開２０１３−０００２は溝の形状が製造しにくい形状であり、荷重が集中して破損しやすいなどの問題がかんがえられる。

特開２０１３−２４２５３号公報は座面側のみをくりぬいてあるため、十分な弾性を与えるには大きくくりぬく必要が有りフランジが高くなりその分ボルトも長さが必要となる。

特願２０１２−１５１８８４のナットは弾性が少なく衝撃を十分吸収できない可能性がある。

本人の以前の特願２０１３−０００２のナットはフランジ部に弾性を与えることで座面との摩擦圧を上げることを主眼としており、本発明のようにボルトの軸直角方向の揺れを吸収することを想定していない。

上記課題を解決するため本発明の請求項１はフランジ付き六角ナットでありナット本体の周囲のフランジにフランジの表面の延長線から内側に向かって曲線形状のくぼみが環状に設けられていて、ナット本体の座面側もナットの谷径より大きい径で、雌ねじの約１〜２ピッチ分の高さで曲線形状のくぼみが設けられていることを特徴とするナットを用いる。

上記課題を解決するため請求項２はフランジ付き六角ナットであり、ナット本体とフランジの接続部分に環状に、軸線と座面が成す角を２分するように軸線と座面に平行な線に対して斜めに軸方向にも軸直角方向にも削れたくぼみを設けることを特徴とするナットを用いる。

上記課題を解決するため本発明の請求項３はフランジ付き六角ボルトであり六角頭周囲のフランジにフランジの表面の延長線から内側に向かって曲線形状のくぼみが環状に設けられていて、ボルトの軸と座面側のフランジの接続部分のフランジにも環状に曲線形状のくぼみが設けられていることを特徴とするボルトを用いる。

本発明の請求項１のナットを用いれば、軸直角方向の外力が発生しても、ボルトの揺動にナットが連動できるので、ボルトだけの揺動を許す従来のナットよりネジが緩みにくくなる効果が有る。

本発明の請求項２のナットを用いれば、請求項１のものに比べさらに微小な軸直角方向の外力でも、ボルトの揺動にナットが連動できるので、更にネジが緩みにくくなる効果が有る。

本発明の請求項３のボルトを用いれば、軸直角方向の外力が発生し、ボルトが揺動してもボルトの頭部が揺れを吸収するのでボルトの揺動を緩和できる。

実施例１のフランジ付き六角ナットの断面図 実施例１のフランジ付き六角ナットの上面図 実施例１のフランジ付き六角ナットの他の断面図 実施例２のフランジ付き六角ナットの断面図 実施例３のフランジ付き六角ボルトの断面図 実施例３のフランジ付き六角ボルトの上面図

軸直角方向外力によるねじの緩みを低減するため、フランジ付き六角ナットとフランジ付き六角ボルトのそれぞれ、ナット本体とボルトのフランジ部に弾性を持たせること実現した。

実施例１のナット１は本発明の請求項１のフランジ付き六角ナットであり図１と図２で示す通り、ナット本体２の周囲のフランジ３にフランジの表面の延長線４から内側に向かって曲線形状のくぼみが環状に設けられていて、ナット本体の座面側もナットの谷径より大きい径で、雌ねじの約１〜２ピッチ分の高さで曲線形状のくぼみが設けられていることを特徴とするナットを用いる。

フランジ表面側のくぼみ４は座面に達するほど深くはなく、くぼみの幅はフランジ表面の全長より短く、図１で示す通りナット本体寄りの一部分だけである。

フランジ表面側のくぼみもフランジ座面側のくぼみ６も両方ともプレス加工で制作可能な軸方向から成形できる形にする。

両方のくぼみは形状や大きさ、両方の相対的な位置関係でフランジの強度や撓み方や撓みやすさなどが変わると考えられ、特に座面側のくぼみの内壁の径が、ナット本体の外壁の径より内側の場合と外側の場合の両方が考えられ軸方向の荷重に対するフランジの強度や十分な軸力が確保できるか等に関係すると考えられる。

例えば図１のように座面側のくぼみの壁面の角度が座面に近づくほど広がる形状と、図３のように軸線と平行な壁面１２であり高さによってくぼみの径が変わらない場合では形状が違うので、フランジの強度や撓み方も違うと考えられる。

実施例２のナット７は本発明の請求項２のフランジ付き六角ナットであり図３で示す通りナット本体２とフランジ３の接続部分に環状に、軸線と座面が成す角を２分するように軸方向にも軸直角方向にも抉られた斜めのくぼみ８を設けることを特徴とするナットを用いる。

本実施例のナットの長所は、実施例１のものよりナットの本体が撓みやすい上に、軸力も出やすい点である。

本実施例のナットの短所は、プレス加工ではおそらく制作不能で、実施例１のものよりコストが掛かる点である。

本実施例のナットのくぼみは、平面形状の溝でも良いが、図３のように丸みを帯びたくぼみの方が好ましいと考えられる。

上記課題を解決するため本発明の請求項３はフランジ付き六角ボルト９であり六角頭周囲のフランジにフランジの表面の延長線から内側に向かって曲線形状のくぼみが環状に設けられていて、ボルトの軸と座面側のフランジの接続部分のフランジにも環状に曲線形状のくぼみが設けられていることを特徴とするボルトであることを特徴とする。

本実施例の構造は要するにフランジ付き六角ボルトの表面側１０とフランジ座面側１１のいずれも軸部付近にくぼみを設けたのである。

本実施例のボルトについても、実施例１のナットと同様、くぼみが大きすぎると軸力が十分出る前に、フランジが壊れる可能性が有り、小さすぎるとフランジに弾性が与えられず、通常のフランジ付き六角ボルトと変わらなくなる。

本実施例のボルトは、実施例１と同様軸方向からのプレス成型で出来る形状のくぼみである。

実施例の１，２，３は座面を平面にすることも軸線に近づくにつれて高くなるような円錐形状にすることも可能である。

以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこのような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施しうることはもちろんである。

１ 実施例１のナット
２ ナット本体
３ フランジ表面の延長線
４ フランジ
５ 表面側のくぼみ
６ 座面側のくぼみ
７ フランジ付き六角ナット
８ 斜めのくぼみ
９ フランジ付き六角ボルト
１０ フランジ表面側
１１ フランジ座面側
１２軸線と平行な壁面

Claims (3)

1. フランジ付き六角ナットでありナット本体の周囲のフランジにフランジの表面の延長線から内側に向かって曲線形状のくぼみが環状に設けられていて、ナット本体の座面側もナットの谷径より大きい径で、雌ねじの約１〜２ピッチ分の高さで曲線形状のくぼみが設けられていることを特徴とするナット。
2. フランジ付き六角ナットであり、ナット本体とフランジの接続部分に環状に、軸線と座面が成す角を２分するように軸線と座面に平行な線に対して斜めに軸方向にも軸直角方向にも抉られたくぼみを設けることを特徴とするナット。
3. フランジ付き六角ボルトであり六角頭周囲のフランジにフランジの表面の延長線から内側に向かって曲線形状のくぼみが環状に設けられていて、ボルトの軸と座面側のフランジの接続部分のフランジにも環状に曲線形状のくぼみが設けられていることを特徴とするボルト。