JP2015208416A - 超音波診断装置及び超音波診断システム - Google Patents

超音波診断装置及び超音波診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】無線通信回線を介して供給される生体信号の伝搬遅延時間を推定
【解決手段】画像データと生体信号計測装置から無線通信回線を介して供給される生体信号を同期処理する超音波診断装置100は、同期信号を発生する同期信号発生部7と、第1の伝搬遅延時間を有する第1の無線通信回線を介し前記生体信号計測装置に対して前記同期信号を送信する同期信号送信部9と、前記生体信号計測装置によって計測され、前記同期信号の発生と同期したスタート信号及び前記第1の伝搬遅延時間を有する前記同期信号が付加された前記生体信号を、第2の無線通信回線を介して受信する生体信号受信部10と、受信された前記生体信号に付加されている前記スタート信号及び前記同期信号に基づいて予め推定したこれらの無線通信回線における伝搬遅延情報を用いて前記第2の無線通信回線における生体信号の伝搬遅延時間を推定する遅延時間推定部11とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、被険体に対する超音波送受信によって得られた画像データと無線通信回線を介して供給される当該被険体の生体信号を同期表示あるいはこの生体信号に基づいて収集された所定時相における画像データを選択表示することが可能な超音波診断装置及び超音波診断システムに関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された振動素子から発生する超音波パルスを被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる反射波を前記振動素子により電気信号に変換してモニタ上に表示するものである。この診断方法は、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作で各種の動画像データやリアルタイム画像データを容易に収集することができるため、臓器の機能診断や形態診断に広く用いられている。
生体内の組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の技術開発により急速な進歩を遂げ、これらの技術を用いて得られるBモード画像データやカラードプラ画像データは、今日の超音波診断において不可欠なものとなっている。
一方、上述の超音波診断装置を用いた近年の超音波診断では、各種画像データの収集と並行して同一被険体の心電波形や心音波形等の生体信号を計測し、得られた生体信号と画像データを同期させて表示する同期表示法や時系列的な複数の画像データの中から生体信号の所望時相に対応する画像データを選択して表示する選択表示法(以下では、これらの表示方法を実現するデータ処理を纏めて同期処理と呼ぶ。)が開発された。
例えば、上述の同期表示法を適用して被険体から収集された画像データと生体信号を表示する際、所望の心拍時相を示すマーカが重畳された生体信号と時系列的に得られた複数からなる画像データの中から選択された前記心拍時相における画像データが同一のモニタ上において同時表示される。
このような、生体信号計測装置によって計測された生体信号を、信号ケーブル等を用いた有線通信回線を介して超音波診断装置へ供給する方法が従来から行われてきたが、近年では、無線通信回線を介して超音波診断装置と接続された生体信号計測装置から供給される生体信号と当該超音波診断装置によって収集された画像データとの同期表示あるいは選択表示を可能とする超音波診断システムが検討されている。
特開2014−8226号公報
無線通信回線によって超音波診断装置と生体信号計測装置を接続することによって超音波検査における操作性は大幅に改善される。
しかしながら、生体信号のように情報量が比較的大きなデータを、無線通信回線を介して送受信する場合には、これらのデータを有線通信回線を介して送受信する場合、あるいは、同期信号のように情報量が小さなデータを、無線/有線回線を介して送受信する場合と比較して多くの時間が費やされ、更に、その時間は無線通信回線の状態に依存して変動する特性を有している。
このため、画像データの生成に起因する遅延時間(画像データの遅延時間)と無線通信回線による生体信号の送受信に起因する遅延時間(生体信号の伝搬遅延時間)との間に大きな差異が発生し、これらのデータに対して正確な同期処理を行うことは困難であるという問題点を有していた。
本開示は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被険体に対する超音波送受信によって得られた画像データと無線通信回線を介して接続された生体信号計測装置から供給される当該被険体の生体信号とを同期表示あるいはこの生体信号に基づいて所望時相の画像データを選択表示(同期処理)する際、無線通信回線において発生した生体信号の伝搬遅延時間等を推定し、その推定結果に基づいて画像データと生体信号とを遅延時間調整することにより正確な同期処理を可能とする超音波診断装置及び超音波診断システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示の超音波診断装置は、超音波検査モードの被険体に対する超音波送受信によって得られる受信信号に基づいて生成した画像データと無線通信回線を介して接続された生体信号計測装置において計測される前記被険体の生体信号を同期処理する超音波診断装置であって、所定形状の同期信号を発生する同期信号発生手段と、第1の伝搬遅延時間を有する第1の無線通信回線を介し前記生体信号計測装置に対して前記同期信号を送信する同期信号送信手段と、前記生体信号計測装置によって計測され、前記同期信号発生手段における前記同期信号と同期したスタート信号及び前記第1の伝搬遅延時間を有した前記同期信号が付加された前記生体信号を、第2の伝搬遅延時間を有する第2の無線通信回線を介して受信する生体信号受信手段と、受信された前記生体信号に付加されている前記スタート信号及び前記同期信号に基づいて予め推定したこれらの無線通信回線における伝搬遅延情報を用いて前記超音波検査モードにおける前記生体信号の前記第2の無線通信回線における伝搬遅延時間を推定する遅延時間推定手段とを備えたことを特徴としている。
本開示の第1の実施形態における超音波診断システムの全体構成を示すブロック図。 第1の実施形態の超音波診断装置が備える送受信部の具体的な構成を示すブロック図。 第1の実施形態の超音波診断装置が備える受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図。 第1の実施形態の伝搬遅延時間推定モードにおいて遅延時間推定部へ入力される各種信号を説明するためのタイムチャート。 第1の実施形態の超音波検査モードにおいて遅延時間推定部へ入力される画像データ及び各種信号を説明するためのタイムチャート。 第1の実施形態の超音波検査モードにおいて同期表示される画像データ及び生体信号の具体例を示す図。 第1の実施形態の伝搬遅延時間推定モードにおける伝搬遅延時間比の推定手順を示すフローチャート。 第1の実施形態の超音波検査モードにおける画像データと生体信号の同期表示手順を示すフローチャート。 第1の実施形態の変形例における超音波診断システムの全体構成を示すブロック図。 第1の実施形態の変形例における伝搬遅延時間比の推定手順を示すフローチャート。 本開示の第2の実施形態における超音波診断システムの全体構成を示すブロック図。 第2の実施形態において遅延時間推定部へ入力される画像データ及び各種信号を説明するためのタイムチャート。 第2の実施形態における画像データと生体信号の同期表示手順を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
(実施形態1)
以下に述べる第1の実施形態の超音波診断システムは、被険体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成する超音波診断装置と、当該被険体の心電波形を生体信号として計測する生体信号計測装置と、第1の同期信号(以下、スタート信号と呼ぶ。)を発生するスタート信号発生装置を有し、更に、伝搬遅延時間推定モードにおける上述のスタート信号あるいは超音波検査モードにおける他の指示信号等に基づいて超音波診断装置が発生した第2の同期信号(以下、同期信号と呼ぶ。)を伝搬遅延時間Tx(Txo)(第1の伝搬遅延時間)で生体信号計測装置へ供給する第1の無線通信回線と、上述の生体信号計測装置において計測され、伝搬遅延時間零のスタート信号及び伝搬遅延時間Txoの同期信号が付加された伝搬遅延時間推定モードの生体信号、あるいは、伝搬遅延時間Txの同期信号が付加された超音波検査モードの生体信号を伝搬遅延時間Rx(Rxo)(第2の伝搬遅延時間)で超音波診断装置1Aへ供給する第2の無線通信回線と、伝搬遅延時間推定モードにおいて上述のスタート信号発生装置が発生するスタート信号を超音波診断装置及び生体信号計測装置へ伝搬遅延時間零で供給する第3の無線通信回線を有している。
尚、上述のTxo及びRxoは、伝搬遅延時間推定モードにおける第1の無線通信回線及び第2の無線通信回線の伝搬遅延時間であり、Tx及びRxは、超音波検査モードにおける第1の無線通信回線及び第2の無線通信回線の伝搬遅延時間を示している。
そして、超音波検査モードに先行する伝搬遅延時間推定モードの超音波診断装置は、生体信号と共に生体信号計測装置から供給される同期信号の伝搬遅延時間(Txo+Rxo)及びスタート信号の伝搬遅延時間Rxoに基づいて伝搬遅延時間比γ(γ=Rxo/(Txo+Rxo))を推定する。
次いで、被険体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成する超音波検査モードの超音波診断装置は、自己の同期信号発生部が発生した同期信号を伝搬遅延時間Txで生体信号計測装置へ供給し、当該被険体の生体信号と共に生体信号計測装置から供給される前記同期信号の伝搬遅延時間(Tx+Rx)と上述の伝搬遅延時間推定モードにおいて推定した伝搬遅延時間比γとに基づいて第2の無線通信回線における伝搬遅延時間(即ち、超音波検査モードの生体信号計測装置によって計測された当該被険体の生体信号が第2の無線通信回線を介して超音波診断装置へ供給される際の伝搬遅延時間)Rxを推定する。
更に、超音波検査モードの超音波診断装置は、超音波送受信によって得られた受信信号に上述の同期信号発生部が発生した同期信号を付加するにより画像データの生成時間に相当する遅延時間Dxの同期信号が付加された画像データを生成する。そして、この画像データに付加された同期信号の遅延時間Dxと生体信号の伝搬遅延時間Rxとに基づいて画像データと生体信号との遅延時間調整を行い、調整後の画像データ及び生体信号を所定のフォーマットで同期表示する。
(装置の構成及び機能)
本開示の第1の実施形態における超音波診断システムの構成と機能につき図1乃至図8を用いて説明する。但し、図1は、本実施形態における超音波診断システムの全体構成を示すブロック図である。又、図2は、当該超音波診断システムの超音波診断装置が備える送受信部の具体的な構成を示すブロック図であり、図3は、この超音波診断装置が備える受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図である。
尚、以下の実施形態では、複数個の振動素子を送信用振動素子及び受信用振動素子として用いたセクタ走査方式の超音波診断装置を含む超音波診断システムについて述べるが、コンベックス走査方式やリニア走査方式等の他の走査方式を適用した超音波診断装置を含む超音波システムであってもよい。
又、遅延時間調整した画像データと生体信号を同期表示する超音波診断装置について述べるが、生体信号の所定心拍時相における画像データを選択表示する超音波診断装置であってもよい。
更に、当該被険体の心電波形を生体信号として計測する生体信号計測装置について述べるが、脳波形や心音波形等の他の生体信号を計測する生体信号計測装置であっても構わない。
図1に示す第1の実施形態の超音波診断システム100は、超音波検査モードの被険体に対する複数方向の超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成し、別途設置された生体信号計測装置1Bから第2の無線通信回線F2を介して供給される当該被険体の生体信号と上述の画像データとを同期させて表示する超音波診断装置1Aと、上述の生体信号を計測する生体信号計測装置1Bと、この生体信号計測装置1Bにおいて計測された生体信号を超音波診断装置1Aへ供給する際に第2の無線通信回線F3における伝搬遅延時間Rxの推定に必須なスタート信号を上述の超音波検査モードに先行して行われる伝搬遅延時間推定モードにおいて発生するスタート信号発生装置1Cを有している。
超音波診断装置1Aは、超音波検査モードの被検体に対して送信超音波(超音波パルス)を放射し、この送信超音波によって体内から得られる受信超音波(超音波反射波)を電気的な受信信号へ変換する複数個の振動素子が配列された超音波プローブ2と、前記撮影領域の所定方向へ送信超音波を放射するための駆動信号を上述の振動素子へ供給し、これらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する送受信部3と、Bモード、Mモード、カラードプラモード及びスペクトラムドプラモードの各走査モードにて得られた整相加算後の受信信号を処理して時系列的な超音波データ(Bモードデータ、Mモードデータ、カラードプラデータ及びスペクトラムデータ)を生成する受信信号処理部4と、受信信号処理部4から供給された上述の超音波データに基づいて画像データ(Bモード画像データ、Mモード画像データ、カラードプラ画像データ及びスペクトラム画像データ)を生成する画像データ生成部5を備えている。
又、超音波診断装置1Aは、伝搬遅延時間推定モードにおいて別途設置されたスタート信号発生装置1Cから第3の無線通信回線F3を介して供給されるスタート信号を略リアルタイム(伝搬遅延時間零)で受信するスタート信号受信部6と、伝搬遅延時間推定モードのスタート信号受信部6から供給される上述のスタート信号あるいは超音波検査モードのシステム制御部16等から供給される指示信号に基づいて同期信号を発生する同期信号発生部7と、発生した同期信号を伝搬遅延期間Tx(Txo)を有する第1の無線通信回線F1を介して生体信号計測装置1Bへ供給する同期信号送信部9と、生体信号計測装置1Bにおいて上述の同期信号及びスタート信号が付加され、伝搬遅延時間Rxoを有する第2の無線通信回線F2を介して供給された伝搬遅延時間推定モードの生体信号あるいは同期信号のみが付加され、伝搬遅延時間Rxを有する第2の無線通信回線F2を介して供給された超音波検査モードの生体信号を受信する生体信号受信部10を備え、更に、生体信号受信部10が受信した伝搬遅延時間推定モードにおける上述の生体信号に付加されているスタート信号の伝搬遅延時間Rxo及び同期信号の伝搬遅延時間(Txo+Rxo)に基づいて伝搬遅延情報としての伝搬遅延時間比γ(γ=Rxo/(Txo+Rxo)を推定し、超音波検査モードの生体信号に付加された同期信号の伝搬遅延時間(Tx+Rx)と上述の伝搬遅延時間比γによって推定した第2の無線通信回線F2の伝搬遅延時間Rxと画像データに付加された同期信号の遅延時間Dxに基づいて超音波検査モードにおける生体信号と画像データの遅延時間調整を行う遅延時間推定部11と、遅延時間調整された生体信号と画像データを同期表示(例えば、生体信号とこの生体信号の所望時相における画像データとを合成して診断用画像データを生成)するデータ合成部12と、得られた診断用画像データを表示する表示部13と、送受信部3に対する送信遅延時間/受信遅延時間等の設定制御を行う走査制御部14と、超音波データ生成条件や画像データ生成条件の設定、伝搬遅延時間推定モード/超音波検査モードの選択等を行う入力部15と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部16とを備えている。
以下に、本実施形態の超音波診断装置1Aが備える上記ユニットの具体的な構成とその機能について更に詳しく説明する。
超音波プローブ2は、1次元あるいは2次元に配列されたN個の図示しない振動素子をその先端部に有し、前記先端部を被検体の体表に接触させて超音波送受信を行う。振動素子は電気音響変換素子であり、送信時には電気的な駆動信号を送信超音波に変換し、受信時には受信超音波を電気的な受信信号に変換する機能を有している。そして、これらの振動素子は、図示しないNチャンネルの多芯ケーブルを介して送受信部3に接続されている。
一方、図2に示す送受信部3は、入力部15において超音波検査モードが選択された際、被検体内の所定方向に対して送信超音波を放射するための駆動信号を超音波プローブ2の振動素子へ供給する送信部31と、これらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する受信部32を備え、送信部31は、レートパルス発生器311、送信遅延回路312及び駆動回路313を備えている。
レートパルス発生器311は、被検体内に放射する送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを生成して送信遅延回路312へ供給する。一方、送信遅延回路312は、例えば、超音波プローブ2に内蔵された送信用振動素子と同数の独立な遅延回路から構成され、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに送信超音波を集束するための集束用遅延時間と所定方向に対して前記送信超音波を放射するための偏向用遅延時間をレートパルス発生器311から供給された上述のレートパルスに与える。そして、駆動回路313は、超音波プローブ2に内蔵されているN個の振動素子の中から選択したNt個の送信用振動素子を駆動するNtチャンネルの駆動用パルスを送信遅延回路312から供給された上述のレートパルスに基づいて生成する。
一方、受信部32は、超音波プローブ2に内蔵されているN個の振動素子の中から選択したNr個の受信用振動素子に対応するNrチャンネルのプリアンプ321、A/D変換器322及び受信遅延回路323と加算器324を備えている。プリアンプ321は、上述の受信用振動素子から供給されたNrチャンネルの受信信号を所定の大きさに増幅すると共に同期信号発生部7から直接供給される同期信号をこれらの受信信号に付加する機能を有し、A/D変換器322は、プリアンプ321から出力された受信信号をアナログ/デジタル変換する。そして、受信遅延回路323は、被検体内の所定の深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間と所定方向に対して強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をA/D変換器322から出力されたNrチャンネルの受信信号に与え、加算器324は、受信遅延回路323から出力されたNrチャンネルの受信信号を加算合成する。即ち、受信遅延回路323と加算器324により、所定方向からの受信超音波に対応した受信信号は整相加算(位相合わせして加算合成)される。
次に、図3に示す受信信号処理部4は、受信部32の加算器324から出力されたBモード検査時の受信信号を処理してBモードデータを生成するBモードデータ生成部41と、所望方向に対する連続的な超音波送受信によって得られたMモード検査時の受信信号に基づいてMモードデータを生成するMモードデータ生成部42と、カラードプラモード検査時及びスペクトラムドプラモード検査時の受信信号を直交位相検波することによりこれらの受信信号に混在しているドプラ信号を検出するドプラ信号検出部43と、検出されたカラードプラモード検査時のドプラ信号を処理してカラードプラデータを生成するカラードプラデータ生成部44と、ドプラ信号検出部43において検出されたスペクトラムドプラモード検査時のドプラ信号に基づいてスペクトラムデータを生成するスペクトラムデータ生成部45の機能を有している。
Bモードデータ生成部41は、同期信号が付加された状態で受信部32の加算器324から供給された整相加算後の受信信号を包絡線検波する包絡線検波器411と包絡線検波された受信信号の振幅を対数変換してBモードデータを生成する対数変換器412の機能を有している。
Mモードデータ生成部42は、フィルタ回路421を有し、被検体内の所望方向に対する複数回の超音波送受信によって得られた受信信号に基づいてBモードデータ生成部41が生成した時系列的なBモードデータに対しノーズ低減や輪郭強調等を目的としたフィルタリング処理を行ってMモードデータを生成する。
ドプラ信号検出部43は、π/2移相器431、ミキサ432−1及び432−2、LPF(低域通過フィルタ)433−1及び433−2の機能を有し、同期信号が付加された状態で受信部32の加算器324から供給された受信信号を直交位相検波して実成分(I成分)と虚成分(Q成分)とからなる複素型のドプラ信号を検出する。
カラードプラデータ生成部44は、ドプラ信号記憶回路441、MTIフィルタ442及び自己相関演算器443の機能を有し、同一方向に対する複数回の超音波送受信においてドプラ信号検出機能43のLPF433−1及びLPF433−2から出力されたドプラ信号の実成分と虚成分はドプラ信号記憶部441に一旦保存される。
低域成分除去用のデジタルフィルタであるMTIフィルタ442は、当該被検体の同一部位にて収集された時系列的なドプラ信号をドプラ信号記憶部441から順次読み出す。そして、これらのドプラ信号に含まれている血流に起因した成分(血流成分)を抽出し、臓器の呼吸性移動や拍動性移動等に起因した成分(クラッタ成分)を除去する。具体的には、MTIフィルタ442のカットオフ周波数等を好適な値に設定することにより、血流成分とこの血流成分より低い周波数を有するクラッタ成分とを分離する。
自己相関演算器443は、MTIフィルタ442によって抽出されたドプラ信号の血流成分に対して自己相関演算を行い、血流の平均流速値や血流速度の乱れを示す速度分散値、更には、血流成分の大きさを示すパワー値等をカラードプラデータとして算出する。
一方、スペクトラムデータ生成部45は、SH(サンプルホールド回路)451、BPF(帯域通過フィルタ)452及びFFT(Fast-Fourier-Transform)分析器453の機能を有し、ドプラ信号検出部43から供給されたスペクトラムドプラモードのドプラ信号を周波数分析してスペクトラムデータを生成する。
即ち、SH451は、ドプラ信号検出部43のLPF433−1及び433−2から出力されたドプラ信号の実成分及び虚成分と、システム制御部16から供給された関心領域(レンジゲート)の位置情報を受信する。そして、所定方向に対する複数回の超音波送受信によって時系列的に収集されたドプラ信号の中から前記関心領域におけるドプラ信号を抽出(サンプリング)する。
BPF452は、SH451から出力された関心領域におけるドプラ信号をフィルタリング処理することにより、このドプラ信号に含まれている臓器の呼吸性移動や拍動性移動等に起因した低周波のクラッタ成分や高周波のサンプリングノイズを除去する。
FFT分析器453は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、BPF452から出力された関心領域のドプラ信号は上述の記憶回路に一旦保存される。一方、演算回路は、この記憶回路に保存された所定期間のドプラ信号を周波数分析してスペクトラムデータを生成する。尚、スペクトラムデータの具体的な生成方法については、特開2005−81081号公報等に記載されているため詳細な説明は省略する。
図1へ戻って、画像データ生成部5は、例えば、図示しない超音波データ記憶部、演算処理部及び画像データ記憶部を有したDSC(digital Scan Converter)あるいはDSP(Digital Signal Processor)等によって構成され、演算処理部及び超音波データ記憶部は、受信信号処理部4において生成されたBモードデータ、Mモードデータ、カラードプラデータ及びスペクトラムデータに基づいて画像データを生成する図示しないBモード画像データ生成部、Mモード画像データ生成部、カラードプラ画像データ生成部及びスペクトラム画像データ生成部の機能を有している。
Bモード画像データ生成部は、受信信号処理部4のBモードデータ生成部41から送受信方向単位で時系列的に供給される対数変換後の受信信号(Bモードデータ)を送受信方向に対応させて超音波データ記憶部に順次保存し、演算処理部は、超音波データ記憶部に保存された上述の超音波データに対してフィルタリング処理等の演算処理を行うことによりBモード画像データを生成する。Mモード画像データ生成部は、受信信号処理部4のMモード生成部42から時系列的に供給される所望方向のMモードデータを超音波データ記憶部の時間軸方向に配列することによりMモード画像データを生成する。
一方、カラードプラ画像データ生成部は、受信信号処理部4のカラードプラデータ生成部44から供給されたカラードプラデータに基づいてカラードプラ画像データを生成する。例えば、血流の平均流速値に対応した明度情報と速度分散値に対応した色相情報を各々の画素値として設定することにより平均流速値と速度分散値の同時観測が可能なカラードプラ画像データを生成する。スペクトラム画像データ生成部は、受信信号処理部4のスペクトラムデータ生成部45が関心領域のドプラ信号に基づいて生成した時系列的なスペクトラムデータを超音波データ記憶部の時間軸方向に配列することによりスペクトラム画像データを生成する。
尚、同期信号発生部7から供給され受信部32の受信信号に付加された同期信号は、これらの受信信号に基づいて生成された各種の超音波データや画像データに対してそのまま付加される。この場合、受信信号処理部4から出力される超音波データには、プリアンプ321の受信信号に対する同期信号の付加から超音波データの生成が終了するまでの時間(超音波データの生成時間)に相当する遅延時間を有した同期信号が付加され、画像データ生成部5から出力される画像データには、上述した受信信号に対する同期信号の付加から画像データの生成が終了するまでの時間(画像データの生成時間)に相当する遅延時間Dxを有した同期信号が付加される。
次に、図1の超音波診断装置1Aが備えるスタート信号受信部6は、伝搬遅延時間推定モードにおいて超音波診断装置1Aの近傍に設置されたスタート信号発生装置1Cから第3の無線通信回線F3を介して供給されるスタート信号を伝搬遅延時間零で受信し、同期信号発生部7は、伝搬遅延時間推定モードのスタート信号受信部6から供給される上述のスタート信号あるいは超音波検査モードのシステム制御部16等から供給される同期信号発生指示信号に基づき、このスタート信号との識別が可能な所定形状の同期信号を同一のタイミングで発生する。
そして、同期信号送信部9は、同期信号発生部7が発生した上述の同期信号を、第1の無線通信回線F1を介して生体信号計測装置1Bへ送信する。
尚、上述のスタート信号受信部6から供給されるスタート信号をそのまま同期信号として同期信号送信部9から生体信号計測装置1Bへ供給してもよい。この場合、同期信号発生部7は、必ずしも必要としない。このとき、スタート信号と同期信号は同一の形状を有するが、これらの信号が生体信号に付加されるタイミングは常にスタート信号が先行するため、後述の遅延期間推定部11は、伝搬遅延時間推定モードの第1の無線通信回線F1における伝搬遅延時間Txoや第2の無線通信回線F2における伝搬遅延時間Rxo、更には、伝搬遅延時間比γを容易に推定することができる。
一方、生体信号受信部10は、生体信号計測装置1Bが備える後述のECG計測部21において計測され、上述の同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txoで供給された同期信号及びスタート信号発生装置1Cから第3の無線通信回線F3を介して伝搬遅延時間零で供給されたスタート信号が付加された状態で、伝搬遅延時間Rxoを有する第2の無線通信回線F2を介して供給された伝搬遅延時間推定モードの生体信号を受信し、更に、上述の同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txで供給された同期信号のみが付加された状態で、伝搬遅延時間Rxを有する第2の無線通信回線F2を介して供給された超音波検査モードの生体信号を受信する。
即ち、生体信号受信部10が伝搬遅延時間推定モードにおいて受信する生体信号には、伝搬遅延時間Rxoを有したスタート信号と伝搬遅延時間(Txo+Rxo)を有した同期信号が付加され、超音波検査モードにおいて受信する生体信号には、伝搬遅延時間(Tx+Rx)を有した同期信号のみが付加される。
遅延時間推定部11は、図示しない遅延時間比記憶部を備え、生体信号受信部10が受信した伝搬遅延時間推定モードの生体信号に付加されているスタート信号の伝搬遅延時間Rxo及び同期信号の伝搬遅延時間(Txo+Rxo)に基づいて伝搬遅延情報としての伝搬遅延時間比γ(γ=Rxo/(Txo+Rxo)を推定し、得られた推定結果を上述の遅延時間比記憶部に保存する。
更に、遅延時間推定部11は、生体信号受信部10が受信した超音波検査モードの生体信号に付加されている同期信号の伝搬遅延時間(Tx+Rx)と上述の伝搬遅延時間比γと次式(1)に基づいて第2の無線通信回線F2における伝搬遅延時間Rxを推定し、画像データ生成部5から供給された画像データに付加されている同期信号の遅延時間Dxと生体信号の伝搬遅延時間Rxとに基づいて画像データと生体信号の遅延時間調整を行う。
図4は、本実施形態の伝搬遅延時間推定モードにおいて遅延時間推定部11に入力される各種信号を模式的に示したタイムチャートであり、図4(a)は、スタート信号発生装置1Cにおけるスタート信号Sの発生タイミングと略同一のタイミングで同期信号発生部7から供給される同期信号P(0)、図4(b)は、伝搬遅延時間Rxoを有するスタート信号S(Rxo)及び伝搬遅延時間(Txo+Rxo)を有する同期信号P(Txo+Rxo)が付加された状態で生体信号受信部10から時系列的に供給される生体信号を示している。
このような諸信号を受信した伝搬遅延時間推定モードの遅延時間推定部11は、同期信号P(0)を基準としたスタート信号S(Rxo)の伝搬遅延時間Rxo及び同期信号P(Txo+Rxo)の伝搬遅延時間(Txo+Rxo)を推定し、更に、これらの伝搬遅延時間に基づいて伝搬遅延時間比γを推定する。
一方、図5は、本実施形態の超音波検査モードにおいて遅延時間推定部11に入力される各種信号を模式的に示したタイムチャートであり、図5(a)は、同期信号発生部7から供給される同期信号P(0)、図5(b)は、遅延時間Dxを有する同期信号P(Dx)が付加された状態で画像データ生成部5から時系列的に供給される画像データ、図5(c)は、伝搬遅延時間(Tx+Rx)を有する同期信号P(Tx+Rx)が付加された状態で生体信号受信部10から時系列的に供給される生体信号を夫々示している。
このような諸信号を受信した超音波検査モードの遅延時間推定部11は、同期信号P(0)を基準とした同期信号P(Dx)の遅延時間Dxに基づいて画像データの遅延時間を推定し、更に、同期信号P(0)を基準とした同期信号P(Tx+Rx)の伝搬遅延時間(Tx+Rx)を次式(1)に代入することによって超音波検査モードにおける生体信号の第2の無線通信回線F3における伝搬遅延時間Rxを推定する。
Figure 2015208416
再び図1へ戻って、超音波診断装置1Aのデータ合成部12は、遅延時間推定部11において遅延時間調整された画像データ及び生体信号を受信し、例えば、生体信号とこの生体信号の所望時相における画像データとを合成して診断用画像データを生成する。
表示部13は、図示しない表示データ生成部、変換処理部及びモニタを備え、表示データ生成部は、画像データ生成部5から供給された上述の診断用画像データを所定の表示フォーマットに変換して表示データを生成し、変換処理部は、表示データ生成部において生成された表示データに対しD/A変換やテレビフォーマット変換等の変換処理を行う。そして、変換処理された表示データはモニタに表示される。即ち、表示部13のモニタにおいて画像データと生体データは同期表示される。
図6は、表示部13において同期表示された画像データ及び生体信号の具体例を示したものであり、例えば、表示領域の上部には、超音波診断装置1Aの画像データ生成部5によって生成されたBモード画像データDbとカラードプラ画像データDcが重畳して表示され、表示領域の下部には、生体信号計測装置1BのECG計測部21によって計測された生体信号としての心電波形Egが表示される。
この場合、遅延時間推定部11によって遅延時間調整したBモード画像データDb及びカラードプラ画像データDcと心電波形Egを合成することにより、心電波形Egに重畳されたマーカMxが示す所望心拍時相τxの各画像データがモニタの上部領域において表示される。即ち、第2の無線通信回線F2における伝搬遅延時間Rxや画像データの生成に起因した遅延時間Dxに左右されることなく心拍時相τxのマーカMxを有する生体信号と心拍時相τxにおいて収集された画像データとを同期させて表示することが可能となる。
次に、図1の走査制御部14は、超音波検査モードの入力部15からシステム制御部16を介して供給されるBモードやカラードプラモード等の走査モード選択情報、超音波データ生成条件や画像データ生成条件の設定情報等に基づいて当該被険体の撮影領域に対する走査断面やこの走査断面における超音波送受信方向を設定し、これらの設定情報に基づいた走査制御信号を送信部31の送信遅延回路312及び受信部32の受信遅延回路323へ供給する。
入力部15は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン等の入力デバイスや液晶等によって構成された表示パネルを備え、被検体情報の入力、走査モードの選択、超音波データ生成条件の設定、画像データ生成条件及び画像データ表示条件の設定、伝搬遅延時間推定モード/超音波検査モードの選択、各種指示信号の入力等を上述の入力デバイスを用いて行う。
システム制御部16は、図示しないCPUと入力情報記憶部を備え、入力情報記憶部には、入力部15において入力/選択/設定された各種の情報が保存される。そして、CPUは、これらの情報に基づいて超音波診断装置1Aの各ユニットを統括的に制御することにより各々の走査モードにおける画像データの生成を実行させ、更に、生体信号計測装置1Bから第2の無線通信回線F2を介して供給される当該被険体の生体信号と上述の画像データとの同期表示を各々のデータに付加されているスタート信号や同期信号の遅延時間や伝搬遅延時間に基づいて実行させる。
一方、本実施形態の超音波診断システム100が備える生体信号計測装置1Bは、被険体の心電波形を生体信号として計測するECG(electrocardiogram)計測部21と、別途設置されたスタート信号発生装置1Cから第3の無線通信回線F3を介して伝搬遅延時間零で供給されたスタート信号を受信するスタート信号受信部22と、超音波診断装置1Aから第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Tx(Txo)で供給された同期信号を受信する同期信号受信部23と、ECG計測部21によって得られた当該被険体の生体信号に対して上述のスタート信号及び同期信号を付加する信号合成部24と、これらの信号が付加された生体信号を、第2の無線通信回線F2を介して伝搬遅延時間Rx(Rxo)で超音波診断装置1Aへ供給する生体信号送信部25を備えている。
ECG計測部21は、例えば、当該被検体の体表面に装着され心電波形を生体信号として検出するECG電極と、このECG電極によって検出された生体信号を所定の大きさに増幅する増幅回路と、増幅された生体信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換器(何れも図示せず)を備えている。
スタート信号受信部22は、伝搬遅延時間推定モードの超音波診断装置1A及び生体信号計測装置1Bに対して別途設置されたスタート信号発生装置1Cから第3の無線通信回線F3を介して伝搬遅延時間零で供給されるスタート信号を受信する。一方、同期信号受信部23は、超音波診断装置1Aが備える伝搬遅延時間推定モードの同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txoで供給される同期信号を受信し、同様にして、超音波検査モードの同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txで供給される同期信号を受信する。
信号合成部24は、伝搬遅延時間推定モードのECG計測部21から供給される生体信号に対してスタート信号受信部22から供給される伝搬遅延時間零のスタート信号及び同期信号受信部23から供給される伝搬遅延時間Txoの同期信号を付加し、超音波検査モードのECG計測部21から供給される生体信号に対して同期信号受信部23から供給される伝搬遅延時間Txの同期信号を付加する。
そして、生体信号送信部25は、上述のスタート信号と同期信号が付加された伝搬遅延時間推定モード時の生体信号及び同期信号が付加された超音波検査モード時の生体信号を伝搬遅延時間Rxの第2の無線通信回線F2を介して超音波診断装置1Aの生体信号受信部10へ送信する。
一方、超音波診断装置1A及び生体信号計測装置1Bに対し独立に設置されたスタート信号発生装置1Cは、図示しないスタート信号発生器を備え、伝搬遅延時間推定モードにおいて所定の振幅を有したインパルス状のスタート信号を発生し、伝搬遅延時間零の第3の無線通信回線F3を介して超音波診断装置1Aのスタート信号受信部6及び生体信号計測装置1Bのスタート信号受信部22へ送信する。
(伝搬遅延時間比の推定手順)
次に、本実施形態の伝搬遅延時間推定モードにおける伝搬遅延時間比の推定手順につき図7のフローチャートに沿って説明する。
伝搬遅延時間比γの推定に先立ち、超音波診断システム100を操作する医師等の医療従事者(以下、操作者と呼ぶ。)は、生体信号計測装置1BのECG計測部21が備える複数のECG電極を当該被険体の所定部位に装着することによって生体信号(心電波形)の計測を開始する(図7のステップS1)。
このとき、超音波診断装置1A及び生体信号計測装置1Bに対して別途設置されたスタート信号発生装置1Cは、所定の振幅を有したインパルス状のスタート信号S(0)を所定の時間間隔で発生し、第3の無線通信回線F3を介して超音波診断装置1A及び生体信号計測装置1Bへ送信する(図7のステップS2)。
次いで、上述の操作者は、超音波診断装置1Aの入力部15において被険体名、被険体ID、性別、年齢等の被検体情報を入力した後、伝搬遅延時間推定モードを選択する。そして、システム制御部16を介してこの選択情報を受信した超音波診断装置1Aのスタート信号受信部6は、スタート信号発生装置1Cから第3の無線通信回線F3を介して供給されたスタート信号S(0)を受信し、同様にして、生体信号計測装置1Bのスタート信号受信部22は、上述のスタート信号発生装置1Cから同様にして供給されたスタート信号S(0)を受信する(図7のステップS3)。
次に、超音波診断装置1Aの同期信号発生部7は、スタート信号受信部6から供給されたスタート信号S(0)に基づき、このスタート信号S(0)との識別が可能な所定形状の同期信号P(0)を同一のタイミングで発生し、同期信号送信部9は、同期信号発生部7が出力した同期信号P(0)を、第1の無線通信回線F1を介して生体信号計測装置1Bへ送信する(図7のステップS4)。
一方、生体信号計測装置1Bの同期信号受信部23は、超音波診断装置1Aの同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txoで供給された同期信号P(Txo)を受信し(図7のステップS5)、信号合成部24は、ECG計測部21から供給された当該被険体の生体信号にスタート信号受信部22から供給された伝搬遅延時間零のスタート信号S(0)及び同期信号受信部23から供給された伝搬遅延時間Txoの同期信号P(Txo)を付加する(図7のステップS6)。
そして、生体信号送信部25は、上述のスタート信号S(0)と同期信号P(Txo)とが付加された伝搬遅延時間推定モードの生体信号を第2の無線通信回線F2を介して超音波診断装置1Aの生体信号受信部10へ送信する(図7のステップS7)。
一方、超音波診断装置1Aの生体信号受信部10は、生体信号計測装置1BのECG計測部21において計測され、同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txoで供給された同期信号P(Txo)及びスタート信号発生装置1Cから第3の無線通信回線F3を介して伝搬遅延時間零で供給されたスタート信号S(0)が付加された上述の生体信号を、生体信号計測装置1Bの生体信号送信部25及び第2の無線通信回線F2を介して伝搬遅延時間Rxoで受信する(図7のステップS8)。
そして、遅延時間推定部11は、当該被険体の生体信号と共に生体信号計測装置1Bから第2の無線通信回線F2及び上述の生体信号受信部10を介して供給された同期信号P(Txo+Rxo)の伝搬遅延時間(Txo+Rxo)及びスタート信号P(Rxo)の伝搬遅延時間Rxoに基づいて伝搬遅延時間比γ(γ=Rxo/(Txo+Rxo)を推定し、得られた伝搬遅延時間比γの推定結果を、自己の遅延時間比記憶部に一旦保存する(図7のステップS9)。
(画像データと生体信号の同期表示手順)
次に、本実施形態の超音波検査モードにおける画像データと生体信号の同期表示手順につき図8のフローチャートに沿って説明する。尚、以下では、被険体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて超音波データとしてのBモードデータを生成し、このBモードデータを用いて生成した画像データ(Bモード画像データ)と当該被険体の生体信号として生体信号計測装置1Bが計測した心電波形を同期表示する場合について述べる。
伝搬遅延時間推定モードにおける伝搬遅延時間比γの推定が図7に示したステップS1乃至ステップS9の手順によって終了したならば、超音波診断システム100の操作者は、伝搬遅延時間推定モードの場合と同様にして生体信号計測装置1BのECG計測部21が備える複数のECG電極を当該被険体の所定部位に装着した状態で生体信号(心電波形)の計測を開始する(図8のステップS11)。
一方、超音波診断装置1Aの同期信号発生部7は、例えば、システム制御部16から供給される同期信号発生指示信号に従い、所定の振幅を有したインパルス状の同期信号P(0)を発生する(図8のステップS12)。
次いで、上述の操作者は、超音波診断装置1Aの入力部15において走査モードの選択、超音波データ生成条件の設定、画像データ生成条件及び画像データ表示条件の設定等を行った後、超音波検査モードを選択し、更に、超音波検査開始指示信号を入力する。
そして、システム制御部16を介して上述の指示信号と各種の選択/設定情報を受信した走査制御部14は、これらの情報に基づいて送受信部3を制御することにより複数方向に対する超音波送受信を順次行い(図8のステップS13)、受信部32のプリアンプ321は、このとき超音波プローブ2の受信用振動素子から多芯ケーブルを介して得られた受信信号に対して同期信号発生部7から供給された同期信号P(0)を付加する(図8のステップS14)。
次いで、受信信号処理部4は、上述の同期信号P(0)が付加された状態で受信部32のA/D変換器322、受信遅延回路323及び加算器324を介して供給された受信信号に対し包絡線検波と対数変換処理を行うことによりBモードデータを生成し、画像データ生成部5は、受信信号処理部4によって生成されたBモードデータを超音波送受信方向に対応させて配列することにより時系列的な画像データ(Bモード画像データ)を生成する。このとき、これらの画像データに対し超音波データ(Bモードデータ)及び画像データの生成時間に相当する遅延時間Dxを有した同期信号P(Dx)が付加され、得られた画像データは自己の画像データ記憶部に一旦保存される(図8のステップS15)。
一方、同期信号送信部9は、上述のステップS12において同期信号発生部7が発生した同期信号P(0)を、第1の無線通信回線F1を介して生体信号計測装置1Bへ送信し(図8のステップS16)、生体信号計測装置1Bの同期信号受信部23は、上述の同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txで供給された同期信号P(Tx)を受信する(図8のステップS17)。
そして、信号合成部24は、ECG計測部21から供給された超音波検査モードの生体信号に同期信号受信部23から供給された伝搬遅延時間Txの同期信号P(Tx)を付加し、生体信号送信部25は、上述の同期信号P(Tx)が付加された生体信号を第2の無線通信回線F2を介して超音波診断装置1Aの生体信号受信部10へ送信する(図8のステップS18)。
一方、超音波診断装置1Aの生体信号受信部10は、生体信号計測装置1BのECG計測部21において計測され、同期信号送信部9から第1の無線通信回線F1を介して伝搬遅延時間Txで供給される同期信号P(Tx)が付加された超音波検査モードの生体信号を、生体信号計測装置1Bの生体信号送信部25及び第2の無線通信回線F2を介して伝搬遅延時間Rxで受信する(図8のステップS19)。
そして、遅延時間推定部11は、生体信号と共に生体信号計測装置1Bから第2の無線通信回線F2を介して供給された同期信号P(Tx+Rx)の伝搬遅延時間(Tx+Rx)及び伝搬遅延時間推定モードにおいて推定した伝搬遅延時間比γとに基づいて第2の無線通信回線F2における伝搬遅延時間Rxを推定し(図8のステップS20)、画像データ生成部5から供給された画像データに付加されている同期信号P(Dx)の遅延時間Dxと上述の伝搬遅延時間Rxとに基づいて画像データと生体信号との遅延時間調整を行う。尚、この遅延時間調整において、同期信号P(Dx)と遅延時間Dxとの遅延時間差が予め設定された閾値より大きな場合、その旨を示す文言を表示部13のモニタあるいは入力部15の表示パネルに表示し、画像データと生体信号の同期表示を中断させてもよい。
次いで、データ合成部12は、遅延時間推定部11において遅延時間調整された画像データ及び生体信号を受信し、例えば、画像データ及びこの画像データの心拍時相と同一の心拍時相を示すマーカが付加された生体信号を合成することにより診断用画像データを生成する(図8のステップS21)。そして、得られた診断用画像データは、表示部13において所定の処理が行われた後モニタに表示される(図8のステップS22)。
(変形例)
次に、伝搬遅延時間推定モードに対応した第1の実施形態の変形例につき、図9及び図10を用いて説明する。尚、図9は、本変形例における超音波診断システムの全体構成を示すブロック図であり、図10は、本変形例の伝搬遅延時間推定モードにおける伝搬遅延時間比の推定手順を示すフローチャートである。
第1の実施形態において示したスタート信号発生装置1Cを用いずに伝搬遅延時間比γの推定を可能にする本変形例の超音波診断システムは、被険体に対する超音波送受信によって画像データを生成する超音波診断装置と、当該被険体の心電波形を生体信号として計測する生体信号計測装置を有し、更に、伝搬遅延時間推定モードの超音波診断装置が発生した同期信号をスタート信号として伝搬遅延時間零で生体信号計測装置へ供給する有線通信回線と、伝搬遅延時間推定モード及び超音波検査モードの超音波診断装置が発生した同期信号を伝搬遅延時間Tx(Txo)(第1の伝搬遅延時間)で生体信号計測装置へ供給する第1の無線通信回線と、生体信号計測装置において計測され、伝搬遅延時間零のスタート信号及び伝搬遅延時間Txoの同期信号が付加された伝搬遅延時間推定モードの生体信号、あるいは、伝搬遅延時間Txの同期信号が付加された超音波検査モードの生体信号を伝搬遅延時間Rx(Rxo)(第2の伝搬遅延時間)で超音波診断装置1Aへ供給する第2の無線通信回線を有している。
そして、超音波検査モードに先行する伝搬遅延時間推定モードの超音波診断装置は、生体信号と共に生体信号計測装置から供給されるスタート信号の伝搬遅延時間Rxo及び同期信号の伝搬遅延時間(Txo+Rxo)に基づいて伝搬遅延時間比γ(γ=Rxo/(Txo+Rxo))を推定する。
尚、本変形例の超音波診断システムを示す図9のブロック図において、図1に示した超音波診断システム100のユニットと同一の構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
即ち、本変形例における超音波診断システム100aは、図9に示すように超音波検査モードの被険体に対する複数方向の超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成し、別途設置された生体信号計測装置1Bから第2の無線通信回線G2を介して供給される当該被険体の生体信号と上述の画像データとを同期表示する超音波診断装置1Aaと、上述の生体信号を計測する生体信号計測装置1Bを有している。
超音波診断装置1Aaは、図1に示した超音波診断装置1Aのユニットと同様の構成及び機能を有した超音波プローブ2、送受信部3、受信信号処理部4、画像データ生成部5、遅延時間推定部11、データ合成部12、表示部13、走査制御部14及び入力部15と、本変形例に対応した同期信号発生部7a、スタート信号発生/送信部8、同期信号送信部9a、生体信号受信部10a及びシステム制御部16aとを備えている。
そして、同期信号発生部7aは、入力部15において伝搬遅延時間推定モードが選択された際、システム制御部16aから供給される同期信号発生指示信号に基づいて所定の振幅と形状を有した同期信号を発生する。
スタート信号発生/送信部8は、同期信号発生部7aから供給された上述の同期信号に基づいてこの同期信号との識別が可能な所定形状のスタート信号を同一のタイミングで発生し、有線通信回線G0を介して生体信号計測装置1Bへ供給する。
同期信号送信部9aは、上述の同期信号発生部7aが発生した同期信号を、第1の無線通信回線G1を介して生体信号計測装置1Bへ送信する。但し、上述のスタート信号発生/送信部8は、同期信号発生部7aから供給された同期信号をそのままスタート信号として生体信号計測部1Bへ供給してもよい。
一方、生体信号受信部10aは、生体信号計測装置1BのECG計測部21において計測され、上述のスタート信号発生/送信部8から有線通信回線G0を介して伝搬遅延時間零で供給されたスタート信号及び同期信号送信部9aから第1の無線通信回線G1を介して伝搬遅延時間Txoで供給された同期信号が付加された伝搬遅延時間推定モードにおける当該被険体の生体信号を、生体信号計測装置1Bの生体信号送信部25及び第2の無線通信回線G2を介して伝搬遅延時間Rxoで受信する。即ち、第1の実施形態の場合と同様に、生体信号受信部10aが伝搬遅延時間推定モードにおいて受信する生体信号には、伝搬遅延時間Rxoを有したスタート信号P(Rxo)と伝搬遅延時間(Txo+Rxo)を有した同期信号P(Txo+Rxo)が付加されている。
そして、システム制御部16aは、図示しないCPUと入力情報記憶部を備え、入力情報記憶部には、入力部15において入力/選択/設定された各種の情報が保存される。そして、CPUは、これらの情報に基づいて超音波診断装置1Aaの各ユニットを統括的に制御することにより各々の走査モードにおける画像データの生成を実行させ、更に、生体信号計測装置1Bから第2の無線通信回線G2を介して供給される当該被険体の生体信号と上述の画像データとの同期表示を各々のデータに付加されているスタート信号や同期信号に基づいて実行させる。
次に、本変形例の伝搬遅延時間推定モードにおける伝搬遅延時間比の推定手順を図10のフローチャートに沿って説明する。尚、本変形例における伝搬遅延時間比の推定手順を示す上述のフローチャートにおいて、図7に示した伝搬遅延時間比の推定手順と同一の手順を示すステップは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
伝搬遅延時間比の推定に先立ち、超音波診断システム100aの操作者は、第1の実施形態と同様の手順によって当該被険体に対する生体信号(心電波形)の計測を開始する(図10のステップS1)。
一方、超音波診断装置1Aaの同期信号発生部7aは、入力部15において伝搬遅延時間推定モードが選択された場合にシステム制御部16aから供給される同期信号発生指示信号に基づいて所定の振幅と形状を有した同期信号P(0)を発生する(図10のステップS31)。
次いで、スタート信号発生/送信部8は、同期信号発生部7aから供給された上述の同期信号P(0)に基づいて所定形状のスタート信号S(0)を同一のタイミングで発生し、有線通信回線G0を介して生体信号計測装置1Bへ供給する(図10のステップS32)。そして、生体信号計測装置1Bのスタート信号受信部22は、上述のスタート信号発生/送信部8から、伝搬遅延時間零の有線通信回線G0を介して供給されたスタート信号S(0)を受信して信号合成部24へ供給する(図10のステップS33)。
一方、超音波診断装置1Aaの同期信号送信部9aは、上述の同期信号発生部7aが発生した同期信号P(0)を、第1の無線通信回線G1を介して生体信号計測装置1Bへ送信し(図10のステップS34)、生体信号計測装置1Bの同期信号受信部23は、同期信号送信部9aから、伝搬遅延時間Txoを有する第1の無線通信回線G1を介して供給された同期信号P(Txo)を受信して信号合成部24へ供給する(図10のステップS35)。
そして、上述のステップS31乃至ステップS35の手順によって生体信号計測装置1Bにおける生体信号の計測とスタート信号S(0)及び同期信号P(Txo)の受信が終了したならば、図7のステップS6乃至ステップS9と同様の手順により、生体信号に対するスタート信号S(0)及び同期信号P(Txo)の付加(図10のステップS6)、上述のスタート信号及び同期信号が付加された生体信号の超音波診断装置1Aaに対する送信(図10のステップS7)、超音波診断装置1Aaの生体信号受信部10aにおける上記生体信号の受信(図10のステップS8)及び遅延時間推定部11による遅延時間比γの推定(図10のステップS9)を行う。
以上述べた第1の実施形態及びその変形例によれば、超音波検査モードの超音波診断装置によって得られる画像データと無線通信回線を介して前記超音波診断装置と接続された生体信号計測装置から供給される生体信号を同期表示する際、上述の無線通信回線における生体信号の伝搬遅延時間を予め得られた当該無線通信回線の伝搬遅延時間情報に基づいて推定することにより正確な同期表示が可能となり、診断精度を向上させることができる。
即ち、超音波検査モードに先行する伝搬遅延時間推定モードにおいて予め推定した超音波診断装置と生体信号計測装置とを接続する第1の無線通信回線及び第2の無線通信回線の伝搬遅延時間情報に基づき、超音波検査モードにおいて生体信号計測装置から第2の無線通信回線を介して超音波診断装置へ供給される生体信号の伝搬遅延時間を容易かつ正確に推定することが可能となる。
又、第1の実施形態及びその変形例によれば、第3の無線通信回線あるいは有線通信回線を用いたスタート信号の供給は、超音波検査モードに先行する伝搬遅延時間推定モードにおいてのみ行われ、被険体に対する超音波送受信を伴う通常の超音波検査モードでは不要となるため、超音波診断装置の操作性を劣化させることなく画像データと生体信号との正確な同期表示が可能となり、検査効率や診断精度が向上するのみならず、被険体や操作者の負担を軽減することができる。
(実施形態2)
次に、本開示の第2の実施形態における超音波診断システムについて説明する。この超音波診断システムは、被険体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成する超音波診断装置と、当該被険体の心電波形を生体信号として計測する生体信号計測装置と、スタート信号を発生するスタート信号発生装置を有し、更に、上述のスタート信号発生装置が発生するスタート信号を超音波診断装置及び生体信号計測装置へ伝搬遅延時間零で供給する第1の無線通信回線と、生体信号計測装置において計測され、伝搬遅延時間零のスタート信号が付加された当該被険体の生体信号(心電波形)を、伝搬遅延時間Rxで超音波診断装置1Abへ供給する第2の無線通信回線を有している。
このような超音波診断システムが備える超音波診断装置は、生体信号計測装置によって計測され、スタート信号発生装置から第1の無線通信回線を介して供給されるスタート信号が付加された状態で生体信号計測装置から伝搬遅延時間Rxを有する第2の無線通信回線を介して供給された当該被険体の生体信号を受信し、更に、この被険体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に上述のスタート信号に同期した同期信号を付加するにより画像データの生成時間に相当する遅延時間Dxを有した同期信号が付加されている画像データを受信する。そして、この画像データに付加されている同期信号の遅延時間Dxと生体信号に付加されているスタート信号の伝搬遅延時間Rxとに基づいて画像データと生体信号とを遅延時間調整し、調整後の画像データ及び生体信号を所定のフォーマットで同期表示する。
(装置の構成及び機能)
本開示の第2の実施形態における超音波診断システムの構成と機能につき図11乃至図13を用いて説明する。但し、図11は、本実施形態における超音波診断システムの全体構成を示すブロック図であり、図13は、本実施形態における画像データと生体信号の同期表示手順を示すフローチャートである。
尚、本実施形態の超音波診断システムを示す図11のブロック図において、図1に示した超音波診断システム100のユニットと同一の構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
即ち、第2の実施形態における超音波診断システム100bは、図11に示すように、被険体に対する複数方向の超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成し、別途設置された生体信号計測装置1Bbから第2の無線通信回線E2を介して供給される当該被険体の生体信号と上述の画像データとを同期表示する超音波診断装置1Abと、上述の生体信号を計測する生体信号計測装置1Bbと、遅延時間計測の基準となるスタート信号を超音波診断装置1Ab及び生体信号計測装置1Bbに対して所定の時間間隔で発生するスタート信号発生装置1Cを有している。
超音波診断装置1Abは、図1に示した超音波診断装置1Aと同様の構成及び機能を有した超音波プローブ2、送受信部3、受信信号処理部4、画像データ生成部5、スタート信号受信部6、同期信号発生部7、データ合成部12、表示部13、走査制御部14及び入力部15と、本実施形態に対応した生体信号受信部10b、遅延時間推定部11b及びシステム制御部16bを備えている。
そして、生体信号受信部10bは、生体信号計測装置1BbのECG計測部21において計測され、スタート信号発生装置1Cから第1の無線通信回線E1を介して伝搬遅延時間零で供給されたスタート信号S(0)が付加されている当該被険体の生体信号を、伝搬遅延時間Rxの第2の無線通信回線E2を介して受信する。
遅延時間推定部11bは、生体信号と共に生体信号計測装置1Bbから第2の無線通信回線E2を介して供給されるスタート信号S(Rx)及び同期信号発生部7から直接供給される同期信号P(0)に基づいて第2の無線通信回線E2における生体信号の伝搬遅延時間Rxを推定し、更に、画像データ生成部5から供給された画像データに付加されている同期信号P(Dx)と同期信号発生部7から直接供給される同期信号P(0)に基づいて画像データの生成に起因する遅延時間Dxを推定する。そして、得られた伝搬遅延時間Rxと遅延時間Dxに基づいて画像データと生体信号との遅延時間調整を行う。
図12は、本実施形態の遅延時間推定部11bに入力される各種信号を模式的に示したタイムチャートであり、図12(a)は、同期信号発生部7から供給される同期信号P(0)、図12(b)は、同期信号P(Dx)が付加された状態で画像データ生成部5から時系列的に供給される画像データ、図12(c)は、スタート信号S(Rx)が付加された状態で生体信号受信部10bから時系列的に供給される生体信号を夫々示している。
このような諸信号を受信した上述の遅延時間推定部11bは、同期信号P(0)を基準とした同期信号P(Dx)の遅延時間Dxに基づいて画像データの遅延時間を推定し、更に、同期信号P(0)を基準としたスタート信号S(Rx)の伝搬遅延時間Rxに基づいて第2の無線通信回線E2における生体信号の伝搬遅延時間Rxを推定する。
システム制御部16bは、図示しないCPUと入力情報記憶部を備え、入力情報記憶部には、入力部15において入力/選択/設定された各種の情報が保存される。そして、CPUは、これらの情報に基づいて超音波診断装置1Abの各ユニットを統括的に制御することにより各々の走査モードにおける画像データの生成を実行させ、更に、生体信号計測装置1Bbから第2の無線通信回線E2を介して供給される当該被険体の生体信号と上述の画像データとの同期表示を各々のデータに付加されているスタート信号や同期信号に基づいて実行させる。
一方、生体信号計測装置1Bbは、図1に示した生体信号計測装置1Bと同様の構成及び機能を有したECG計測部21及びスタート信号受信部22と、本実施形態に対応した信号合成部24b及び生体信号送信部25bを備えている。
そして、信号合成部24bは、ECG計測部21から供給される生体信号にスタート信号受信部22から供給される伝搬遅延時間零のスタート信号S(0)を付加し、生体信号送信部25bは、上述のスタート信号が付加された生体信号を伝搬遅延時間Rxの第2の無線通信回線E2を介して超音波診断装置1Abの生体信号受信部10bへ送信する。
(画像データと生体信号の同期表示手順)
次に、本実施形態における画像データと生体信号の同期表示手順につき図13のフローチャートに沿って説明する。
被険体に対する超音波送受信に先立ち、超音波診断システム100bの操作者は、生体信号計測装置1BbのECG計測部21が備える複数のECG電極を当該被険体の所定部位に装着した状態で生体信号(心電波形)の計測を開始する(図13のステップS41)。
一方、超音波診断装置1Ab及び生体信号計測装置1Bbに対して独立に設置されたスタート信号発生装置1Cは、所定の振幅を有したインパルス状のスタート信号S(0)を所定の時間間隔で発生し、第1の無線通信回線E1を介して超音波診断装置1Ab及び生体信号計測装置1Bbへ送信する(図13のステップS42)。
次いで、上述の操作者は、超音波診断装置1Abの入力部15において走査モードの選択、超音波データ生成条件の設定、画像データ生成条件及び画像データ表示条件の設定等を行った後、超音波検査開始指示信号を入力する。
そして、システム制御部16bを介して前述の指示信号を受信した超音波診断装置1Abのスタート信号受信部6は、スタート信号発生装置1Cから第1の無線通信回線E1を介して伝搬遅延時間零で供給されたスタート信号S(0)を受信し、生体信号計測装置1Bbのスタート信号受信部22は、同様にして上述のスタート信号発生装置1Cから供給されたスタート信号S(0)を受信する(図13のステップS43)。
次いで、超音波診断装置1Abの同期信号発生部7は、スタート信号受信部6から供給された上述のスタート信号S(0)に基づき、このスタート信号S(0)との識別が可能な所定形状の同期信号P(0)を同一のタイミングで発生する(図13のステップS44)。
一方、システム制御部16bを介して上述の超音波検査開始指示信号と各種の選択/設定情報を受信した走査制御部14は、これらの情報に基づいて送受信部3を制御することにより被険体の複数方向に対する超音波送受信を順次行い(図13のステップS45)、受信部32のプリアンプ321は、このとき超音波プローブ2の受信用振動素子から複数チャンネルのケーブルを介して得られた受信信号に同期信号発生部7から供給された同期信号P(0)を付加する(図13のステップS46)。
次いで、受信信号処理部4は、上述の同期信号P(0)が付加された状態で受信部32から供給された受信信号に対して所定の処理を行うことにより超音波データを生成し、画像データ生成部5は、受信信号処理部4によって生成された超音波データを用いて時系列的な画像データを生成する。このとき、これらの画像データには、画像データの生成時間に相当する遅延時間Dxを有した同期信号P(Dx)が付加され、得られたこれらの画像データは自己の画像データ記憶部に一旦保存される(図13のステップS47)。
一方、生体信号計測装置1Bbの信号合成部24bは、ECG計測部21から供給された当該被険体の生体信号にスタート信号受信部22から供給された伝搬遅延時間零のスタート信号S(0)を付加し(図13のステップS48)、生体信号送信部25bは、上述のスタート信号S(0)が付加された生体信号を第2の無線通信回線E2を介して超音波診断装置1Abの生体信号受信部10bへ送信する(図13のステップS49)。
次いで、上述の生体信号受信部10bは、生体信号計測装置1BbのECG計測部21において計測され、スタート信号発生装置1Cから第1の無線通信回線E1を介して伝搬遅延時間零で供給されたスタート信号S(0)が付加された当該被険体の生体信号を、伝搬遅延時間Rxの第2の無線通信回線E2を介して受信する(図13のステップS50)。
次に、遅延時間推定部11bは、上述のステップ47において収集した画像データに付加されている同期信号P(Dx)と同期信号発生部7から直接供給された同期信号P(0)に基づいて画像データの遅延時間Dxを推定し(図13のステップ51)、上述のステップS50において収集した生体信号に付加されているスタート信号S(Rx)と同期信号発生部7から直接供給された上述の同期信号P(0)に基づいて第2の無線通信回線E2における生体信号の伝搬遅延時間Rxを推定する(図13のステップ52)。そして、上述の遅延時間Dx及び伝搬遅延時間Rxに基づいて画像データと生体信号との遅延時間調整を行う。
次いで、データ合成部12は、遅延時間推定部11bにおいて遅延時間調整された画像データ及び生体信号を受信し、例えば、画像データ及びこの画像データの心拍時相と同一の心拍時相を示すマーカが付加された生体信号を合成することにより診断用画像データを生成する(図13のステップS53)。そして、得られた診断用画像データは、表示部13において所定の処理が行われた後モニタに表示される(図13のステップS54)。
以上述べた第2の実施形態によれば、超音波診断装置によって得られる画像データと無線通信回線を介して前記超音波診断装置と接続された生体信号計測装置から供給される生体信号とを同期表示する際、画像データに付加された同期信号の遅延時間と生体信号に付加されたスタート信号の伝搬遅延時間に基づいた画像データと生体信号の遅延時間調整により正確な同期表示が可能となり、診断精度を向上させることができる。
この場合、上述の遅延時間調整は、生体信号と共に生体信号計測装置から第2の無線通信回線を介して超音波診断装置へ供給されるスタート信号の伝搬遅延時間を計測することによって得られた第2の無線通信回線における生体信号の伝搬遅延時間と、超音波診断装置の超音波送受信によって得られた画像データに付加されている同期信号の遅延時間を計測することによって得られた画像データの遅延時間に基づいて行うことが可能となる。
又、第2の実施形態によれば、スタート信号発生装置が所定の時間間隔で発生するスタート信号を用いて上述の遅延時間調整を繰り返すことにより、第2の無線通信回線における伝搬遅延時間が時間的に変動するような場合(即ち、時間的に不規則な遅延や中断が発生するような場合)においても、常に、正確な同期表示が可能となる。
更に、第2の実施形態によれば、第1の実施形態のような伝搬遅延時間比の事前推定は不要なため、画像データと生体信号の遅延時間調整を短時間かつ容易に行うことが可能となり、超音波検査における操作性、検査効率、診断精度が改善されるのみならず、被険体や操作者の負担を軽減することができる。
以上、本開示の実施形態及びその変形例について述べてきたが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、更に変形して実施することが可能である。例えば、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、スタート信号発生装置1Cにおいて発生したスタート信号を、伝搬遅延時間零を有する第3の無線通信回線F3あるいは第1の無線通信回線E1を介して超音波診断装置1A(1Ab)及び生体信号計測装置1B(1Bb)へ供給する場合について述べたが、伝搬遅延時間が予め既知であり時間的な変動が許容範囲内にあれば上述の無線通信回線における伝搬遅延時間は零に限定されない。
又、同期処理として遅延時間調整後の画像データと生体信号を同期表示する場合について述べたが、遅延時間調整後の画像データ及び生体信号に基づき、生体信号の所望時相における画像データを選択表示する同期処理であってもよい。このような画像データの選択表示により、正確な心拍同期超音波診断を実現することができる。
又、Bモード画像データ及びカラードプラ画像データと生体信号を同期表示する場合について述べたが、Mモード画像データあるいはスペクトラム画像データの少なくとも何れかと生体信号を同期表示することも可能である。この場合、所望の心拍時相を示すマーカがMモード画像データ/スペクトラム画像データと生体信号に対して付加される。
更に、超音波診断装置1A(1Ab)及び生体信号計測装置1B(1Bb)に対して独立したスタート信号発生装置1Cについて述べたが、スタート信号を発生するユニットは、超音波診断装置1A(1Ab)あるいは生体信号計測装置1B(1Bb)の一部であってもよい。但し、超音波診断装置1A(1Ab)がスタート信号発生機能を有している場合、このスタート信号は、第3の無線通信回線F3あるいは第1の無線通信回線E1を介して生体信号計測装置1B(1Bb)へ供給され、生体信号計測装置1B(1Bb)がスタート信号発生機能を有している場合、このスタート信号は、第3の無線通信回線F3あるいは第1の無線通信回線E1を介して超音波診断装置1A(1Ab)へ供給される。
又、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、スタート信号受信部6から供給されるスタート信号に基づいて同期信号を発生する同期信号発生部7について述べたが、スタート信号受信部6から供給されるスタート信号をそのまま同期信号として用いてもよい。この場合、同期信号発生部7は、必ずしも必要としない。同様にして、第1の実施形態の変形例では、同期信号発生部7aから供給される同期信号に基づいてスタート信号を発生するスタート信号発生/送信部8について述べたが、同期信号発生部7aから出力される同期信号をそのままスタート信号として用いてもよい。このような場合、スタート信号と同期信号は同一の形状を呈するが、これらの信号が生体信号に付加されるタイミングは常にスタート信号が先行するため、その識別は容易に行うことができる。
更に、第1の実施形態の変形例では、超音波診断装置1Aaにおいて発生したスタート信号を、有線通信回線G0を介して生体信号計測装置1Bへ供給する場合について述べたが、生体信号計測装置1Bに対するスタート信号の供給は、第1の実施形態の場合と同様に伝搬遅延時間零の無線通信回線を介して行ってもよい。
又、第2の実施形態では、スタート信号を所定の時間間隔で発生するスタート信号発生装置1Cについて述べたが、第1の実施形態と同様に、単発のスタート信号をスタート信号発生装置1Cから発生させることも可能である。
一方、第1の実施形態及びその変形例と第2の実施形態では、当該被険体の心電波形を生体信号として計測する生体信号計測装置1B(1Bb)について述べたが、脳波形、心音波形、呼吸波形等の他の生体信号を計測する生体信号計測装置であっても構わない。
又、画像データの遅延時間と生体信号の伝搬遅延時間を推定し、その推定結果に基づいてこれらのデータに対する遅延時間調整を行う場合について述べたが、生体信号の伝搬遅延時間に対して画像データの遅延時間が著しく小さい場合には生体信号の伝搬遅延時間のみに基づいて上述の遅延時間調整を行ってもよい。
更に、被検体に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて超音波データとしてのBモードデータ、Mモードデータ、カラードプラデータ及びスペクトラムデータを生成する超音波診断装置1A(1Aa,1Ab)について述べたが、受信信号処理部4が生成する超音波データはこれらに限定されない。又、複数個の振動素子を送信用振動素子及び受信用振動素子として用いたセクタ走査方式の超音波診断装置1A(1Aa,1Ab)について述べたが、コンベックス走査方式やリニア走査方式等の他の走査方式を適用した超音波診断装置であってもよい。
尚、本実施形態の超音波診断装置1A(1Aa、1Ab)に含まれる各ユニットは、例えば、CPU、RAM、磁気記憶装置、入力装置、表示装置等で構成されるコンピュータをハードウェアとして用いることでも実現することができる。例えば、超音波診断装置1A(1Aa、1Ab)のシステム制御部16(16a、16b)は、上記のコンピュータに搭載されたCPU等のプロセッサに所定の制御プログラムを実行させることにより各種機能を実現することができる。この場合、上述の制御プログラムをコンピュータに予めインストールしてもよく、又、コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体への保存あるいはネットワークを介して配布された制御プログラムのコンピュータへのインストールであっても構わない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A…超音波診断装置
2…超音波プローブ
3…送受信部
31…送信部
32…受信部
4…受信信号処理部
5…画像データ生成部
6…スタート信号受信部
7…同期信号発生部
9…同期信号送信部
10…生体信号受信部
11…遅延時間推定部
12…データ合成部
13…表示部
14…走査制御部
15…入力部
16…システム制御部
1B…生体信号計測装置
21…ECG計測部
22…スタート信号受信部
23…同期信号受信部
24…信号合成部
25…生体信号送信部
1C…スタート信号発生装置
100…超音波診断システム

Claims (13)

  1. 超音波検査モードの被険体に対する超音波送受信によって得られる受信信号に基づいて生成した画像データと無線通信回線を介して接続された生体信号計測装置において計測される前記被険体の生体信号を同期処理する超音波診断装置であって、
    所定形状の同期信号を発生する同期信号発生手段と、
    第1の伝搬遅延時間を有する第1の無線通信回線を介し前記生体信号計測装置に対して前記同期信号を送信する同期信号送信手段と、
    前記生体信号計測装置によって計測され、前記同期信号発生手段における前記同期信号と同期したスタート信号及び前記第1の伝搬遅延時間を有した前記同期信号が付加された前記生体信号を、第2の伝搬遅延時間を有する第2の無線通信回線を介して受信する生体信号受信手段と、
    受信された前記生体信号に付加されている前記スタート信号及び前記同期信号に基づいて予め推定したこれらの無線通信回線における伝搬遅延情報を用いて前記超音波検査モードにおける前記生体信号の前記第2の無線通信回線における伝搬遅延時間を推定する遅延時間推定手段とを
    備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記遅延時間推定手段は、前記第2の無線通信回線における伝搬遅延時間と前記第1の無線通信回線及び前記第2の無線通信回線の合計伝搬遅延時間との比を示す伝搬遅延時間比を前記伝搬遅延情報として予め推定し、前記超音波検査モードにおける前記超音波送受信と並行して前記生体信号計測装置から前記第2の無線通信回線を介して供給された前記生体信号に付加されている同期信号が有する前記第1の無線通信回線及び前記第2の無線通信回線の合計伝搬遅延時間と前記伝搬遅延時間比とに基づいて前記生体信号の前記第2の無線通信回線における伝搬遅延時間を推定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記超音波検査モードに先行して前記伝搬遅延情報の推定を行う伝搬遅延時間推定モードにおいて別途設置されたスタート信号発生装置から伝搬遅延時間零あるいは既知の伝搬遅延時間を有する第3の無線通信回線を介して供給された前記スタート信号を受信するスタート信号受信手段を備え、前記同期信号発生手段は、前記スタート信号受信手段から供給される前記スタート信号に同期した前記同期信号を発生することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. スタート信号発生/送信手段を備え、前記スタート信号発生/送信手段は、前記同期信号発生手段から供給される前記同期信号に基づいて発生した前記スタート信号を有線通信回線あるいは既知の伝搬遅延時間を有する第3の無線通信回線を介して前記生体信号計測装置へ供給することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  5. 前記遅延時間推定手段は、前記超音波検査モードの超音波送受信によって得られ、前記同期信号発生手段から供給される前記同期信号が付加された受信信号に基づいて生成された前記画像データにおける前記同期信号の遅延時間と、前記超音波検査モードの前記生体信号計測装置から第2の無線通信回線を介して供給される前記生体信号の伝搬遅延時間に基づいて前記画像データと前記生体信号との遅延時間調整を行うことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  6. 超音波検査モードの被険体に対する超音波送受信によって得られる受信信号に基づいて生成した画像データと無線通信回線を介して接続された生体信号計測装置において計測される前記被険体の生体信号を同期処理する超音波診断装置であって、
    別途設置されたスタート信号発生装置から伝搬遅延時間零あるいは既知の伝搬遅延時間を有する第1の無線通信回線を介して供給されたスタート信号を受信するスタート信号受信手段と、
    前記スタート信号受信手段から供給される前記スタート信号に同期させて所定形状の同期信号を発生する同期信号発生手段と、
    前記生体信号計測装置によって計測され、前記スタート信号発生装置から前記第1の無線通信回線を介して供給される前記スタート信号が付加された前記生体信号を、第2の伝搬遅延時間を有する第2の無線通信回線を介して受信する生体信号受信手段と、
    受信された前記生体信号に付加されている前記スタート信号の伝搬遅延時間に基づいて前記生体信号の前記第2の無線通信回線における伝搬遅延時間を推定する遅延時間推定手段とを
    備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 前記遅延時間推定手段は、前記超音波送受信によって得られ、前記同期信号発生手段から供給される同期信号が付加された受信信号に基づいて生成された前記画像データにおける前記同期信号の遅延時間を推定し、得られた前記遅延時間と前記スタート信号の伝搬遅延時間に基づいて前記画像データと前記生体信号との遅延時間調整を行うことを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。
  8. データ合成手段と表示手段を備え、前記データ合成手段は、遅延時間調整された前記画像データ及び前記生体信号を同期処理することによって診断用画像データを生成し、前記表示手段は、得られた診断用画像データを表示することを特徴とする請求項5又は請求項7に記載した超音波診断装置。
  9. 前記データ合成手段及び前記表示手段は、前記遅延時間推定手段によって遅延時間調整された前記画像データと前記生体信号に基づき、前記生体信号の所望時相における画像データを抽出あるいは選択することにより画像データと生体信号との同期表示あるいは画像データの選択表示を行うことを特徴とする請求項8記載の超音波診断装置。
  10. 前記データ合成手段及び前記表示手段は、前記遅延時間推定手段によって同期処理された前記画像データと前記生体信号に基づき、心拍同期表示に対応した前記生体信号の所望時相における画像データを時系列的に選択/表示することを特徴とする請求項9記載の超音波診断装置。
  11. 前記スタート信号受信手段は、別途設置されたスタート信号発生装置から伝搬遅延時間零あるいは既知の伝搬遅延時間を有する第1の無線通信回線を介して所定の時間間隔で供給された前記スタート信号を受信することを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。
  12. 被険体に対する超音波送受信によって得られる受信信号に基づいて画像データを生成し、得られた画像データと生体信号計測装置から無線通信回線を介して供給された前記被険体の生体信号を同期処理する超音波診断装置と、前記生体信号を計測する生体信号計測装置と、スタート信号を発生するスタート信号発生装置を有する超音波診断システムであって、
    前記超音波診断装置は、
    請求項1乃至請求項5及び請求項8乃至請求項10に記載した各手段を備え、
    前記生体信号計測装置は、
    前記被険体の生体信号を計測する生体信号計測手段と、
    前記スタート信号発生装置から前記第3の無線通信回線を介して供給される前記スタート信号あるいは前記超音波診断装置から前記有線通信回線あるいは前記第3の無線通信回線を介して供給される前記スタート信号を受信するスタート信号受信手段と
    前記超音波診断装置から前記第1の無線通信回線を介して供給される前記同期信号を受信する同期信号受信手段と、
    前記生体信号に前記スタート信号及び前記同期信号を付加する信号合成手段と、
    前記スタート信号や前記同期信号が付加された前記生体信号を、前記第2の無線通信回線を介して前記超音波診断装置へ供給する生体信号送信手段とを
    備えたことを特徴とする超音波診断システム。
  13. 被険体に対する超音波送受信によって得られる受信信号に基づいて画像データを生成し、得られた画像データと生体信号計測装置から無線通信回線を介して供給された前記被険体の生体信号を同期処理する超音波診断装置と、前記生体信号を計測する生体信号計測装置と、スタート信号を発生するスタート信号発生装置を有した超音波診断システムであって、
    前記超音波診断装置は
    請求項6乃至請求項10に記載した各手段を備え、
    前記生体信号計測装置は、
    前記被険体の生体信号を計測する生体信号計測手段と、
    前記スタート信号発生装置から前記第1の無線通信回線を介して供給される前記スタート信号あるいは前記超音波診断装置から前記有線通信回線あるいは前記第1の無線通信回線を介して供給される前記スタート信号を受信するスタート信号受信手段と
    前記生体信号に前記スタート信号を付加する信号合成手段と、
    前記スタート信号が付加された前記生体信号を、前記第2の無線通信回線を介して前記超音波診断装置へ供給する生体信号送信手段とを
    備えたことを特徴とする超音波診断システム。
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JP2017051594A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 日本光電工業株式会社 生体情報測定システム、生体情報モニタ、及び超音波測定装置

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