JP2015204937A - 洗濯機 - Google Patents

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土屋 法宏
Norihiro Tsuchiya
法宏 土屋
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Abstract

【課題】リントの回収率を低下させることなく、樹脂成形時の変形を手間がかからないようにして防止したフィルターユニットを備え、洗濯性能を向上した洗濯機を提供する。
【解決手段】本体1と、本体1内部に回転自在に支持された脱水槽5と、脱水槽5の側壁部に固定された還流水路20と、還流水路20に着脱自在に取り付けられたフィルターユニット30とを備え、フィルターユニット30は、還流水路20から流入した洗濯水が通過するろ過部材31を有する前カバー32と、前カバー32に側面壁を嵌め合わされる後カバー33とで構成されるとともに、下面に洗濯水が流入する開口部38を有し、嵌め合わせの内側となる後カバー33の側面壁35の短辺方向の付け根側Xだけに、洗濯水が流入する方向に幅を有し、内側に盛り上がるように滑らかな曲面で構成された複数の凸部36が設けられたもので、凸部36は側面壁35の変形を防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、脱水槽壁面によりリント回収を行うフィルターユニットを有する洗濯機に関する。
従来、洗濯機のリント回収を行うフィルターユニットにおいて、脱水槽内側に突出した袋状のものでは破れやすいことが課題となっていた。そのため、最近は脱水槽壁面内に収納して突出を抑えたろ過部を有する箱型のフィルターユニットへの変更が進んでいる(例えば、特許文献1参照)。
図4は、従来の洗濯機のフィルターユニットの分解斜視図である。フィルターユニット40は、樹脂からなるフレーム42に多数の前開口部41を有し、前開口部41にろ過部材41aを設けた前カバー43と、同じく樹脂で形成された後カバー45とを嵌め合せて箱型に構成されている。フィルターユニット40は、洗濯中に洗濯水が循環する還流水路に配設されており、下面は循環する洗濯水が流入する開口部46を有し、開口部46には捕捉したリントが流出しないように逆止弁44が設けられている。
フィルターユニット40に流入した洗濯水は、ろ過部材41aを通過してリントを捕捉され、前開口部41から流出する。そのため、流入した洗濯水が、前開口部41以外のフィルターユニット40の上部や側面から流出しないように、前カバー43の側面壁48が外側となり、後カバー45の側面壁47が内側となるようにして、互いの側面壁同士で印籠構成を成している。これにより、リントの回収率を向上して、洗濯性能を向上するようにしている。
特開2013−141552号公報
しかしながら、このような構成では、樹脂で形成される後カバーの側面壁は細長い平面形状となり、成形応力による変形が発生しやすく、内側に倒れる傾向がある。このような変形を防ぐには側面壁の内側に補強リブを立設する方法があるが、単純に補強リブを設けただけでは、下方から流入する洗濯水の抵抗になるという問題がある。そこで、補強リブを設けない方法として、成形直後の冷却時に、側面壁を支える固定治具を装着するようにして変形を防止することができるが、この方法は固定治具を着脱する手間がかかるという問題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、手間がかかる固定治具は用いずに、成形形状により成形応力による変形を防止するとともに、流入する洗濯水の抵抗を低減したフィルターユニットを備えた洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、本体と、前記本体内部に回転自在に支持された脱水槽と、前記脱水槽の側壁部に固定された還流水路と、前記還流水路に着脱自在に取り付けられたフィルターユニットとを備え、前記フィルターユニットは、前記還流水路から流入した洗濯水が通過するろ過部材を有する前カバーと、前記前カバーに
側面壁を嵌め合わされる後ろカバーとで構成されるとともに、一端面に洗濯水が流入する開口部を有し、前記前カバーと前記後カバーのうち、嵌め合わせの内側となる側面壁の短辺方向の付け根側だけに、前記洗濯水が流入する方向に幅を有し、内側に盛り上がるように滑らかな曲面で構成された複数の凸部が設けられたものである。
これにより、嵌め合わせの内側となる側面壁が成形応力により内側に倒れるような変形の発生を防止することができる。また、成形後の冷却時に固定治具などを用いる必要がなく、成形時に手間がかからない。また、凸部は側面壁の付け根側だけであり、先端側は前カバーと後カバーの側面壁同士が連続的に接触し、側面から洗濯水が流出することなく、リントの回収率が低下するようなことがない。
本発明の洗濯機は、捕集されるリントの回収率が低下するような変形を手間がかからないようにして防止したフィルターユニットを備え、洗濯性能を向上することができる。
本発明の実施の形態1における洗濯機の側面断面図 本実施の形態における洗濯機の脱水槽の斜視図 本実施の形態における洗濯機のフィルターユニットの分解斜視図 従来の洗濯機のフィルターユニットの分解斜視図
第1の発明は、本体と、前記本体内部に回転自在に支持された脱水槽と、前記脱水槽の側壁部に固定された還流水路と、前記還流水路に着脱自在に取り付けられたフィルターユニットとを備え、前記フィルターユニットは、前記還流水路から流入した洗濯水が通過するろ過部材を有する前カバーと、前記前カバーに側面壁を嵌め合わされる後カバーとで構成されるとともに、一端面に洗濯水が流入する開口部を有し、前記前カバーと前記後カバーのうち、嵌め合わせの内側となる側面壁の短辺方向の付け根側だけに、前記洗濯水が流入する方向に幅を有し、内側に盛り上がるように滑らかな曲面で構成された複数の凸部が設けられたものである。
これにより、嵌め合わせの内側となる側面壁が成形応力により内側に倒れるような変形の発生を防止することができる。また、成形後の冷却時に固定治具などを用いる必要がなく、成形時に手間がかからない。また、凸部は側面壁の付け根側だけであり、先端側は前カバーと後カバーの側面壁同士が連続的に接触し、側面から洗濯水が流出することなく、リントの回収率が低下するようなことがない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における洗濯機の側面断面図である。図2は、その洗濯機の脱水槽5を斜め上から見下ろした斜視図で、フィルターユニット30の配置を示す。図1に示されるように、洗濯機の本体1は、内部に洗濯水を溜める受筒3を有し、受筒3はサスペンション2により懸垂防振支持されている。受筒3の内側には脱水槽5が設けられている。脱水槽5は筒状の側壁に多数の脱水孔6を有するとともに、内周の上部に流体バランサ7を有し、中央底部には、外周を傾斜面としたナベ型の形状に形成され、裏面に羽根を有するパルセータ8が配設されている。
モータ10は受筒3の底部に取り付けられている。モータ側プーリ11およびメカ側プ
ーリ12は、それぞれベルト13を介してモータ10の動力を伝達機構部9を伝達する。さらに、伝達機構部9は動力を洗濯・脱水軸4に伝達する。洗濯・脱水軸4は中空で2軸構造になっている。伝達機構部9は、内部に洗濯時の減速ギア(図示せず)および洗濯・脱水軸4の切り換えクラッチ(図示せず)と、脱水時に脱水槽5を停止するためのブレーキ(図示せず)を内蔵している。伝達機構部9は、モータ10の動力を、洗濯時にはパルセータ8に伝え、脱水時には脱水槽5に伝えるように、洗濯・脱水軸4を切り換える。
図1と図2に示されるように、還流水路20は脱水槽5の内側側面にけられ、還流水路20の下端はパルセータ8の側方に開口している。フィルターユニット30は、還流水路20の上部に着脱自在に取り付けられ、還流水路20の一部となって、洗濯水に含まれる糸くずや埃などのリントを捕捉する。
図3は、フィルターユニット30を分解した状態の斜視図である。フィルターユニット30は、前カバー32と後カバー33とで箱型に構成され、後カバー33が前カバー32の内側に密接して嵌まり込む印籠構成となっている。前カバー32の前面には多数の前開口部37が設けられ、前開口部37にはナイロンのメッシュであるろ過部材31がインサート成型により設けられている。フィルターユニット30の下面は開口部38として開口されており、後カバー33にはその開口部38からの流出方向を塞ぐ逆止弁34が取り付けられている。この構成により、還流水路20を上昇してきた洗濯水が、フィルターユニット30に下面の開口部38から流入し、ろ過部材31を通過して前開口部37から流出する。
前カバー32と後カバー33の嵌め合わせとなる側面壁は縦に細長く形成され、内側となる後カバー33の側面壁35には、短辺方向の付け根側Xの2分の一程度に、内側方向に突出した複数の凸部36が形成されている。凸部36は、開口部38から洗濯水が流入する方向、すなわち上下方向に幅を有し、内側に盛り上がるように形成され、角部を面取りした滑らかな曲面で構成されている。フィルターユニット30として組み立てられた状態では、凸部36の外側の側面壁35は窪んだ形状となっているため、前カバー32と干渉無く取り付けられている。
そして、凸部36により後カバーの側面壁35は強固に立設され、樹脂材料で成形され、冷却するに従って内側に倒れるように変形することがない。また、凸部36は短辺方向の付け根側Xだけに設けられているため、後カバー33の側面壁35の先端側Yは連続した平面であり、前カバー32と後カバー33の側面壁同士が連続的に接触し、前カバー32の側面壁の内側との密接した嵌め合わせは保たれている。
また、凸部36は、洗濯水が流入する方向に対して滑らかな曲線で成形されているため、洗濯水がフィルターユニット30に流入して流れる抵抗にもなりにくく、還流水路20を循環する洗濯水の流量を減少させることがない。
以上のように構成された洗濯機について、特に洗濯水とフィルターユニット30について、その動作、作用を説明する。洗濯機の洗濯工程やすすぎ工程において、洗濯水に浸された洗濯物を攪拌するためにモータ10によりパルセータ8を回転させる。このとき、パルセータ8の裏面にある羽根が回転することによりパルセータ8の下面にある洗濯水が外周方向へと押し出され、還流水路20を上昇してフィルターユニット30へ向かう水流が発生する。この水流の洗濯水は、逆止弁34を押し開けてフィルターユニット30内部へ流入し、ろ過部材31で漉されて前開口部37から脱水槽5の内部へ流出する。これにより洗濯水に含まれるリントがろ過部材31で捕捉され、フィルターユニット30の内部に集積される。洗濯水が排水される際には、水面が低下することによる逆流によってフィルターユニット30内部に溜まったリントがフィルターユニット30の外へと流出しないよ
うに、逆止弁34で下面の開口を閉鎖する。
このような動作において、フィルターユニット30の内部へ流入した洗濯水は、ろ過部材31で漉されて脱水槽5へ流出することによりリントが捕捉される。従って、前カバー32と後カバー33が印籠構成として嵌め合わされたフィルターユニット30においては、洗濯水がろ過部材31を通過せずに流出してしまうことはリント回収率の低下となる。
そこで、上述した後カバー33の側面壁35に形成された凸部36は、樹脂で成形され、かつ細長い平面で構成される側面壁35の補強に加え、成形時の応力分散に伴う変形量の低減が図れ、印籠構成として嵌め合わされた部分での密接性向上を実現することができる。これにより、洗濯水がろ過部材31が設けられた前開口部37以外から流出することなく、リントの回収率が低下することがない。
また、凸部36は、洗濯水が流入する方向に対して滑らかな曲線で成形されて抵抗になりにくく、より多くの洗濯水がフィルターユニット30を通過し、リントの回収率が低下することがない。
さらに、凸部36などの補強部を有しない場合に変形を防止するために要していた固定治具も必要ない。これにより、成形後の冷却時に固定治具などを着脱する必要がなく、成形時に手間がかからない。
このようにして、本発明の洗濯機は、捕集されるリントの回収率が低下するような変形を手間がかからないようにして防止したフィルターユニットを備え、洗濯性能を向上することができる。
なお、本実施の形態では、後カバー33が前カバー32の内側に嵌め込まれる印籠構成として、後カバー33に凸部36を形成したが、これに限るものではなく、前カバー32に凸部36を形成し、前カバー32が内側に嵌め込まれるようにしてもよい。
また、凸部36の形状は、洗濯水が流入する方向に幅を有し、内側に盛り上がるように滑らかな曲面で構成されるようなものであればよく、本実施の形態の図面で示したもののほか、角を面取りされた箱型や三角形状でもよいし、波型でもよく、特に限定されるものではない。その内側への突出高さ寸法や短辺方向の寸法は限定されるものではないが、小さいほど洗濯水の流れに対して抵抗にならないので好適である。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、フィルターユニットを構成する樹脂部品の成形に手間がかかることなく、フィルターユニットを構成する樹脂部品の成形に手間がかかることなく、リントの回収率が低下することがないようにしたフィルターユニットによる洗濯性能の向上を提供するもので、箱型のフィルターユニットを搭載した洗濯機に適用することができる。
1 本体
2 サスペンション
3 受筒
4 洗濯・脱水軸
5 脱水槽
6 脱水孔
7 流体バランサ
8 パルセータ
9 伝達機構部
10 モータ
11 モータ側プーリ
12 メカ側プーリ
13 ベルト
20 還流水路
30 フィルターユニット
31 ろ過部材
32 前カバー
33 後カバー
34 逆止弁
35 側面壁
36 凸部
37 前開口部
38 開口部

Claims (1)

  1. 本体と、前記本体内部に回転自在に支持された脱水槽と、前記脱水槽の側壁部に固定された還流水路と、前記還流水路に着脱自在に取り付けられたフィルターユニットとを備え、前記フィルターユニットは、前記還流水路から流入した洗濯水が通過するろ過部材を有する前カバーと、前記前カバーに側面壁を嵌め合わされる後カバーとで構成されるとともに、一端面に洗濯水が流入する開口部を有し、前記前カバーと前記後カバーのうち、嵌め合わせの内側となる側面壁の短辺方向の付け根側だけに、前記洗濯水が流入する方向に幅を有し、内側に盛り上がるように滑らかな曲面で構成された複数の凸部が設けられたことを特徴とする洗濯機。
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