JP2015204323A - 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化した基板を露光するのに適した露光技術を提供する。
【解決手段】ウエハW上のショットの配列情報に基づいて、ウエハW上の複数のショットSAに対して液浸領域IAを介して露光する露光方法であって、その配列情報中の行R1に属する左側の行RL1の複数のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光を行う第1露光工程と、その第1露光工程の後に、行R1と異なる行R17に属する複数のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光を行う第2露光工程と、その第2露光工程の後に、行R1に属するショットであってその第1露光工程で露光したショットと異なる右側の行RR1のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光する第3露光工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板の表面に配列された複数の領域を露光する露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を生産するためのフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置として、解像力をより高めるために、投影光学系と露光対象の基板との間の局所的な領域に液体を供給して液浸領域を形成し、露光光によってその液浸領域を介して基板を露光する、いわゆる液浸方式の露光装置が使用されている。また、電子デバイスを製造する際のスループット(生産性)を高めるために、露光対象の基板としての円板状の半導体ウエハ(以下、単にウエハと言う。)の直径のSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格(SEMI standards)は、数年ごとに125mm、150mm、200mm、300mmとほぼ1.25〜1.5倍の割合で大きくなってきている。
従来の液浸方式の露光装置において、直径が300mmのウエハの表面に複数行にわたって配列された複数のショット領域を露光する場合、そのウエハの一端側の行のショット領域から他端側の行のショット領域に向かって順に露光が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2008/94593号明細書
最近、電子デバイスを製造する際のスループットをより高めるために、SEMI規格では、直径450mmのウエハの規格化が行われている。このように大型化したウエハでは、単にそのウエハの一端側の行のショット領域から他端側の行のショット領域に向かって順に露光を行うと、露光後にウエハをアンローディング位置まで移動するための距離が長くなり、露光工程のスループットが低下する恐れがある。
さらに、大型化したウエハに対して液浸方式で露光を行う場合、ウエハと液浸領域とが接触している時間が長くなるため、ウエハの表面(ウエハのエッジ部及びこの近傍の表面を含む)において液浸領域が通過した後の残水、及び/又は液浸領域中に混入した異物の残留等が生じやすくなる恐れがある。このようなウエハの表面の残水及び/又は異物の残留が多くなると、最終的に製造される電子デバイスの歩留まりが低下する恐れがある。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、大型化した基板を露光するのに適した露光技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、複数のショット領域の配列を規定する配列情報に基づいて、基板上の複数の領域に対して液浸領域を介して露光する露光方法であって、その配列情報に含まれる第1配列に属する複数の領域に対し、その液浸領域を介して順次走査して露光を行う第1露光工程と、その第1露光工程の後に、その第1配列と異なる第2配列に属する複数の領域に対し、その液浸領域を介して順次走査して露光を行う第2露光工程と、その第2露光工程の後に、その第1配列に属する領域であってその第1露光工程で露光した領域と異なる領域に対し、その液浸領域を介して順次走査して露光する第3露光工程と、を含む露光方法が提供される。
第2の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して走査して順次露光する露光方法であって、その複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、その第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、その複数の行のうちの一の行に属する複数のその領域に対する露光が、その基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、その一の行で最後に露光されるその領域に対して、その一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光されるその領域が、その最後に露光されるその領域に対してその第2方向にずれているときに、その最初に露光されるその領域に対する露光時のその基板に対するその液浸領域の相対的な走査方向が、その基板の外側からその基板に向かう露光方法が提供される。
第3の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して走査して順次露光する露光方法であって、その複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、その第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、その複数の行のうちの一の行に属する複数のその領域に対する露光が、その基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、その一の行で最後に露光されるその領域に対して、その一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光されるその領域が、その最後に露光されるその領域に対してその第2方向にずれているときに、その第2方向に沿ってその基板の内側から外側に向かう方向に、その領域のその第2方向における幅のN倍(Nは2以上の整数)だけずれているとき、その一の行のその最後に露光されるその領域に隣接してダミー領域を(N−1)個付加し、(N−1)個のそのダミー領域に対してその液浸領域を介して走査する動作を行った後、その二の行の領域でその最初に露光される領域に対する露光を行う露光方法が提供される。
第4の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、その複数の領域のうち、第1方向に配列された複数行のその領域を含む第1群の領域に関して順次露光することと、その複数の領域のうち、その第1群の領域に隣接するとともに、その第1方向に配列された複数行のその領域を含む第2群の領域に関して順次露光することと、を含み、その第1群の領域とその第2群の領域とを分ける仮想的な分割線が、少なくとも一部のその分割線により同一の行におけるその第1群に属する領域の数とその第2群に属する領域の数とが異なるように、設定されている露光方法が提供される。
第5の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、その複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、その第1方向と交差する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、その複数の領域のうち、その第1方向に配列された複数行のその領域を含む第1群の領域に関して順次露光を行うことと、その複数の領域のうち、その第1群の領域に隣接するとともに、その第1方向に配列された複数行のその領域を含む第2群の領域に関して順次露光を行うことと、を含み、その第1群に属する行の数と、その第2群に属する行の数が異なるように、その第1群の領域とその第2群の領域とを分ける仮想的な分割線が設定されている露光方法が提供される。
第6の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、その複数の領域のうち最後に露光する領域におけるその液浸領域の相対的な走査方向がその基板の外側から内側に向かう方向となるように、その最後に露光する領域が属する行の最初または最後にダミー領域を付加する露光方法が提供される。
第7の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、その複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、その第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、その複数の行のうちの一の行に属する複数のその領域に対する露光が、その基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、その一の行で最後に露光されるその領域に対して、その一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光されるその領域が、その最後に露光されるその領域に対してその第2方向にずれているとき、その一の行で最後にその液浸領域が走査される領域と、その二の行の最初にその液浸領域で走査される領域とがその第2方向に沿って同じ位置になるように、その一の行のいずれかの位置にダミー領域が配置される露光方法が提供される。
第8の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、その複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、その第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、その複数の領域うち一の行に属する複数のその領域に対する露光が、その基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、その一の行で最後に露光されるその領域でのその液浸領域の相対的な走査方向と、その一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光されるその領域でのその液浸領域の相対的なその走査方向とが同一の方向となる場合に、その最後に露光されるその領域とその最初に露光される領域との間にダミー領域が配置される露光方法が提供される。
第9の態様によれば、基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、その複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、その第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、その複数の領域のうち一の行に属する複数のその領域に対する露光が、その基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、その一の行に属するその領域のその第2方向における幅と、その一の行に隣接する二の行に属するその領域のその第2方向における幅とが異なるとき、その一の行のうち最後に露光される領域に隣接する第1ダミー領域と、その二の行のうち最初に露光される領域に隣接する第2ダミー領域とが、それぞれ配置される露光方法が提供される。
第10の態様によれば、本発明の態様の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
第11の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び液浸領域を介して、基板上の複数の領域を順次露光する露光装置において、その基板を保持して移動するステージと、複数のショット領域の配列を規定する配列情報を記憶する記憶部と、その配列情報に従ってそのステージを駆動して、その基板とその液浸領域とを相対移動させながら複数のその領域の露光を制御する制御部と、を備え、その配列情報に含まれる第1配列に属する複数の領域に対し、その液浸領域を介して順次走査して露光を行う第1露光処理と、その第1露光処理の後に、その第1配列と異なる第2配列に属する複数の領域に対し、その液浸領域を介して順次走査して露光を行う第2露光処理と、その第2露光処理の後に、その第1配列に属する領域であってその第1露光処理で露光した領域と異なる領域に対し、その液浸領域を介して順次走査して露光する第3露光処理と、を行う露光装置が提供される。
第12の態様によれば、本発明の態様の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、基板が大型の場合のスループットの低下を抑制することができるか、又は大型の基板を液浸方式で露光する際に、基板の表面における残水及び/又は液浸領域中に混入した異物の残留を抑制することができる。このため、大型化した基板を露光するのに適した露光方法又は露光装置を提供できる。
実施形態の一例に係る露光装置の概略構成を示す図である。 図1中のウエハステージ等を示す平面図である。 図1の露光装置の制御系等を示すブロック図である。 (A)はウエハの複数行のショット配列を2つの群に分ける方法の一例を示す図、(B)はその2つの群のショットを露光する順序の一例を示す図である。 分割露光による露光方法の一例を示すフローチャートである。 レチクルマーク計測時のウエハステージ及び計測ステージを示す平面図である。 全部のショットの露光が終わった後のウエハステージ及び計測ステージを示す平面図である。 (A)は、ウエハの奇数行のショット配列を2つの群に分ける方法の他の例を示す平面図、(B)はα型の行替えの一例を示す図、(C)はC型の行替えの一例を示す図である。 ショットマップの作成方法を含む露光方法の一例を示すフローチャートである。 (A)はウエハの奇数行のショット配列の最初の分割線を示す図、(B)は奇数行のショット配列におけるα型の行替えの第1の例を示す図である。 (A)はC型の行替えに変更された状態を示す図、(B)は階段状の分割線の一例を示す図である。 (A)は複数対の行(複数個の行カップル)の配置の一例を示す図、(B)はα型の行替えの第2の例を示す図である。 (A)はC型の行替えに変更された状態を示す図、(B)はα型の行替えの第3の例を示す図である。 (A)は分割線の複数の選択肢を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)はα型の行替えの第4の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)はα型の行替えの第5の例を示す図、(B)は分割線の変更方法の一例を示す図、(C)は分割線の変更方法の他の例を示す図である。 (A)はC型の行替えに変更された状態を示す図、(B)はα型の行替えの第6の例を示す図である。 (A)はC型の行替えに変更された状態を示す図、(B)はα型の行替えの第7の例を示す図である。 (A)はC型の行替えに変更された状態を示す図、(B)はα型の行替えの第8の例を示す図である。 (A)は最後に露光されるショットが内外走査であることを示す図、(B)はダミーショットを付加した状態を示す図である。 (A)はウエハの偶数行のショット配列を2つの群に分ける方法の一例を示す図、(B)はその偶数行のショット配列を2つの群に分ける方法の他の例を示す図である。 (A)はウエハの偶数行のショット配列にダミーショットを付加した状態を示す図、(B)はI型の行替えグループの一例を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第1の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第2の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第3の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第4の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第5の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は奇数行のショット配列の一例を示す図、(B)は偶数行のショット配列の一例を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第6の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第7の例を示す図、(B)はC型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列におけるα型の行替えの第8の例を示す図、(B)はI型の行替えに変更された状態を示す図である。 (A)は偶数行のショット配列において最後に露光されるショットが内外走査であることを示す図、(B)はダミーショットを付加した状態を示す図である。 (A)はα型の行替えの他の例を示す図、(B)はC型の行替えの他の例を示す図である。 電子デバイスの製造方法の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態につき図1〜図7を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型で、液浸方式の投影露光装置である。露光装置EXは、投影光学系PL(投影ユニットPU)を備えている。以下、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面内で後述のレチクルR(マスク)とウエハ(半導体ウエハ)Wとが相対走査される方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向にX軸を取って説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向をθx、θy、及びθz方向とも称する。本実施形態では、Z軸に直交する平面(XY平面)はほぼ水平面に平行である。
露光装置EXは、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示される照明系ILSと、照明系ILSからの露光用の照明光(露光光)IL(例えば波長193nmのArFエキシマレーザ光、又は固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波など)により照明されるレチクルR(マスク)を保持して移動するレチクルステージRSTとを備えている。さらに、露光装置EXは、レチクルRから射出された照明光ILでウエハW(基板)を露光する投影光学系PLを含む投影ユニットPUと、ウエハWを保持して移動するウエハステージWSTと、必要に応じてウエハステージWSTの−Y方向の端部に連結される計測ステージMSTと、装置全体の動作を制御するコンピュータよりなる主制御装置20(図3参照)等とを備えている。
レチクルRはレチクルステージRSTの上面に真空吸着等により保持され、レチクルRのパターン面(下面)のパターン領域には回路パターンが形成され、そのパターン領域をX方向に挟むように1対(複数対でもよい)のアライメント用のレチクルマーク(不図示)が形成されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含む図3のレチクルステージ駆動系25によって、不図示のレチクルベース上のXY平面内で微少駆動可能であると共に、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能である。
レチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計24によって、移動鏡22(又は鏡面加工されたステージ端面)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計24の計測値は、図3の主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その計測値に基づいてレチクルステージ駆動系25を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
図1において、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、不図示のフレームに保持された鏡筒40と、鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系PLとを含む。投影光学系PLは、例えば両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。投影光学系PLは、例えば屈折系でもよいが、反射屈折系でもよい。
照明系ILSからの照明光ILによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、レチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して照明領域RLA内の回路パターンの像が、ウエハWの一つのショット領域の露光領域EA(照明領域RLAと光学的に共役な領域)に形成される。
本実施形態では、ウエハWの複数のショット領域は種々の形状に変更することが可能である。そして、目標とするショット領域の形状に合わせて、照明系ILS内の固定及び可動の視野絞り(レチクルブラインド)のうちの例えば固定の視野絞りの開口の長手方向の幅及び短手方向(走査方向に対応する方向)の幅を調整することによって、照明領域IAR(ひいては露光領域EA)のX方向(非走査方向)の幅及びY方向の幅(いわゆるスリット幅)が調整される。
ウエハWは、一例としてシリコン等の半導体よりなる直径が450mmの大型の円板状の基材に、フォトレジスト(感光材料)を数10〜200nm程度の厚さで塗布したものである。すなわち、一例としてウエハWは450mmウエハである。直径450mmの基材の厚さは、現在では例えば900〜1100μm程度(例えば925μm程度)と想定されている。
図1の露光装置EXにおいて、液浸方式で露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ91を保持する鏡筒40の下端部の周囲を取り囲むように、局所液浸機構8の一部を構成するリング状のノズル部材32が設けられている。ノズル部材32は、露光用の液体Lq(例えば純水)を供給するための供給管31A及び回収管31Bを介して、液体供給装置34及び液体回収装置36(図3参照)に接続されている。
一例として、ノズル部材32は、先端レンズ91の先端部が配置されて、照明光ILが通過する開口部32aと、開口部32aを囲むようにウエハ面に対向するように、ウエハ面に平行に設けられた平坦なランド部32bと、ランド部32bを囲むように次第にウエハ面から離れるように設けられた傾斜部とを有する。この傾斜部に、回収される液体Lq中の異物(レジスト残滓等)を付着させるための多孔部材(例えばメッシュフィルタ)33が埋め込まれている。供給管31Aから開口部32a内に供給された液体Lqは、開口部32aの内面の排出穴(不図示)及び回収管31Bを介して回収されるとともに、ランド部32bの外側に漏れ出た液体Lqは、多孔部材33及び回収管31Bを介して回収される。なお、ノズル部材32を含む局所液浸機構8としては、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書等に開示されている機構を使用することができる。
また、本実施形態において、ノズル部材32と、これに対向する部材の表面(例えばウエハ面)との間の液体Lqが供給及び回収される局所的な空間を液浸領域IAと称する。液浸領域IAは局所液浸空間又は液体部(liquid body)と称することもできる。この液浸領域IAの中央部に照明光IL(露光光)が照射される露光領域EAが位置している。このため、ウエハWは、照明光ILによって液浸領域IA(又は液体部)を介して露光されるとも言うことができる。一例として、ウエハWのフォトレジスト層の表面には、液体Lqに対して撥液性の保護膜(トップコート)が形成されており、液浸方式で走査露光する際に、通常はウエハ面に残水等が生じにくいようになっている。
また、露光装置EXは、ウエハWのアライメントを行うために使用される例えば画像処理方式(FIA系)のアライメント系ALと、照射系90a及び受光系90bよりなりウエハWの表面の例えばアライメント系ALの視野を含む領域内の複数箇所のZ位置を計測する斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(以下、AF系と言う)90(図2参照)と、ウエハステージWST及び計測ステージMSTの位置情報を計測するためのエンコーダシステム6(図3参照)と、を備えている。アライメント系ALは、ウエハWの2層目以降のレイヤに露光する際に、ウエハWの各ショット領域に付設されたウエハマーク(アライメントマーク)のうちから選択された所定のウエハマークの位置を検出するために使用される。AF系90及びアライメント系ALの計測結果は主制御装置20に供給される。
図2に示すように、本実施形態では、アライメント系AL及びAF系90は、ウエハステージWSTに関して計測ステージMSTと反対側の−Y方向側に配置されている。また、アライメント系ALに対してほぼ+X方向側にローディング位置LP(ウエハをロードするときのウエハステージWSTの中心位置)が設定され、ローディング位置LPに対して−Y方向側にアンローディング位置UP(ウエハをアンロードするときのウエハステージWSTの中心位置)が設定されている。
図1において、ウエハステージWSTは、不図示の複数の例えば真空予圧型空気静圧軸受(エアパッド)を介して、ベース盤WBのXY面に平行な上面に非接触で支持されている。ウエハステージWSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含むステージ駆動系18(図3参照)によってX方向及びY方向に駆動可能である。ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に駆動されるステージ本体30と、ステージ本体30上に搭載されたZステージ部としてのウエハテーブルWTBと、ステージ本体30内に設けられて、ステージ本体30に対するウエハテーブルWTBのZ位置、及びθx方向、θy方向のチルト角を相対的に微小駆動するZステージ駆動部とを備えている。ウエハテーブルWTBの中央の開口の内側には、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な載置面上に保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。
本実施形態では、一例として、ウエハステージWSTのウエハテーブルWTBを含む部分(Zステージ部)は、ステージ駆動系18によって、ステージ本体30に対してθz方向に指定された角度だけ回転可能に構成されている。なお、ウエハステージWST全体のθz方向の回転角を所定範囲内で調整可能としてもよい。
また、計測ステージMSTは、一例としてX方向を長手方向とする長方形で、ウエハステージWSTとほぼ同じ高さの本体部63と、本体部63内に組み込まれて、投影光学系PLの結像特性を計測する結像特性計測部(不図示)と、ウエハステージWST側から送られてくる光の光量を検出することによって、ウエハステージWST上に投影されるマーク(例えばレチクルマーク等)の像の位置を検出するための空間像計測部64(図2参照)と、を有する。計測ステージMSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含む計測ステージ駆動系26(図3参照)によってX方向及びY方向に駆動可能である。
さらに、計測ステージMSTの本体部63の+Y方向の端部には、ウエハステージWSTのウエハテーブルWTBと密着して連結可能な凸の連結部63aが設けられている。なお、このような計測ステージMST、空間像計測部64、及び計測ステージMSTとウエハステージWSTとの連結機構は、例えば米国特許出願公開第2008/94593号明細書に記載されている。計測ステージMSTの上面は、液体Lqに対して撥液化処理が施されている。
また、ウエハステージWSTのウエハテーブルWTBの上面には、ウエハ面とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハWの載置領域よりも一回り大きな円形の開口28aが形成された高平面度の平板状のプレート体28が設けられている。開口28a内にウエハWが載置されており、開口28aの外形とウエハWの外形との間のギャップ領域gaは、液浸方式で露光する際に、残水等が生じやすい領域である。プレート体28は、図2に示すように、その円形の開口28aを囲む、外形(輪郭)がほぼ正方形で、表面に撥液化処理が施されたプレート部(撥液板)28bを有する。なお、プレート体28は必ずしも必須ではなく、例えばウエハテーブルWTBに一体的となっていてもよい。この場合には、ウエハテーブルWTBの上面が、載置されるウエハWの上面と面一となっていることや、ウエハテーブルWTBの上面が撥液処理されていることが好ましい。
プレート部28bの−Y方向の端部で、X方向の中央の位置に、計測プレート60が固定されている。計測プレート60の中央部に、アライメント系ALによってウエハマークの位置を検出する際の位置の基準となる2次元の基準マークFMが形成され、基準マークFMをX方向に挟むように、一例としてそれぞれX方向及びY方向に細長いスリットを含む1対のスリット部SLA,SLBが形成されている。スリット部SLA,SLBの中心のX方向の間隔は、レチクルRの1対のレチクルマーク(不図示)の投影光学系PLによる像のX方向の間隔にほぼ等しくなるように設定されている。
計測ステージMSTの連結部63aをウエハステージWSTの−Y方向の端部に連結した状態で、計測ステージMST及びウエハステージWSTを一体的にX方向及びY方向に移動しながら、スリット部SLA,SLBを通過する1対のレチクルマークの像の光量を計測ステージMST内の空間像計測部64で検出する。この検出結果より、1対のレチクルマークの像の位置を計測することができる。この動作を繰り返すことによって、複数対のレチクルマークの像の位置を計測することもできる。また、レチクルRをレチクルステージRSTにロードしたときに、空間像計測部64で計測される例えば1対のレチクルマークの像の位置が目標位置になるように、レチクルステージRSTを介してレチクルRの位置を調整することで、レチクルRのアライメントを行うこともできる。
また、プレート体28のプレート部28bをX方向に挟むように配置された1対の周辺部の上面に、それぞれY方向に細長い1対の2次元の回折格子12A,12Bが固定されている。また、ウエハステージWSTのステージ本体30中をY方向に貫通するようにX方向に広がった開口部30aが形成され(図1参照)、この開口部30aの上部にも回折格子12Aと同様の2次元の回折格子12Dが固定されている。
さらに、計測ステージMSTの上面の+X方向の端部にも、回折格子12Aと同様の2次元の回折格子12Cが固定されている。回折格子12A〜12Dは、それぞれX方向、Y方向を周期方向とする周期が1μm程度の2次元の格子パターンが形成された反射型の回折格子である。
図2において、投影光学系PLをほぼX方向に挟むように、回折格子12A,12B,12Cに計測用のレーザ光よりなる計測光を照射して、回折格子に対するX方向、Y方向、Z方向の3次元の相対位置を計測するための複数の3軸の検出ヘッド14が配置されている。また、計測ステージMSTが移動する経路に沿っても、複数の検出ヘッド14が配置されている。これらの検出ヘッド14は、一例として投影光学系PLを支持しているフレーム(不図示)によって支持されている。さらに、複数の検出ヘッド14にレーザ光(計測光及び参照光)を供給するための一つ又は複数のレーザ光源(不図示)も備えられている。
また、ウエハステージWSTのステージ本体30の開口部30a(図1参照)をY方向に挟むように、Y方向に平行な細長い先端部61a及び62aを有する第1の支持部材61及び第2の支持部材62が配置されている。支持部材61,62は、一例としてそれぞれ投影光学系PLを支持しているフレーム(不図示)に固定されている。そして、支持部材61,62の先端部61a及び62aに、それぞれ検出ヘッド14と同様に、ステージ本体30内の回折格子12Dに計測光を照射して、回折格子に対するX方向、Y方向、Z方向の3次元の相対位置を計測する3軸の検出ヘッド15A,15Bが設けられている。ウエハWの露光中にウエハステージWSTを−Y方向に移動すると、支持部材61の先端部の検出ヘッド15AがウエハステージWST内の開口30aに差し込まれて、検出ヘッド15Aによって回折格子12Dの位置を検出可能となる。さらに、ウエハWのアライメント中にウエハステージWSTを+Y方向に移動すると、支持部材62の先端部の検出ヘッド15BがウエハステージWST内の開口30aに差し込まれて、検出ヘッド15Bによって回折格子12Dの位置を検出可能となる。
図2において、投影光学系PLを介してウエハWを露光している期間では、複数の検出ヘッド14中の少なくとも2つの検出ヘッド14は、ウエハステージWST上の回折格子12A又は12Bに計測光を照射し、回折格子12A,12Bから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図3参照)に供給する。同様に、支持部材61,62の先端部の検出ヘッド15A,15Bで回折格子12Dに計測光を照射している期間では、検出ヘッド15A,15Bは、回折格子12Dから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図3参照)に供給する。また、例えば計測ステージMSTを計測ステージMSTに連結させた状態(図7参照)では、複数の検出ヘッド14中の少なくとも2つの検出ヘッド14は、計測ステージMST上の回折格子12Cに計測光を照射し、回折格子12Cから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図3参照)に供給する。
これらの複数の検出ヘッド14及び検出ヘッド15A,15B用の計測演算部42では、それぞれ検出ヘッド(ひいては投影光学系PL)と対応する回折格子(ウエハステージWST又は計測ステージMST)とのX方向、Y方向、Z方向の相対位置(相対移動量)を例えば0.5〜0.1nmの分解能で求め、求めた計測値を切り替え部44に供給する。計測値の切り替え部44は、回折格子12A,12Bに対向している検出ヘッド14、及び回折格子12Dに対向している検出ヘッド15A,15Bに対応する計測演算部42から供給される相対位置の情報から、ウエハステージWSTのX方向、Y方向、Z方向の位置、及びθz方向の回転角等の情報を求め、これらの位置情報を主制御装置20に供給する。さらに、切り替え部44は、回折格子12Cに対向している検出ヘッド14に対応する計測演算部42から供給される相対位置の情報から、計測ステージMSTのX方向、Y方向、Z方向の位置、及びθz方向の回転角等の情報を求め、これらの位置情報を主制御装置20に供給する。
回折格子12A〜12D、複数の検出ヘッド14、検出ヘッド15A,15B、レーザ光源(不図示)、複数の計測演算部42、及び切り替え部44から、ウエハステージWST及び計測ステージMSTの3次元の位置情報を計測するエンコーダシステム6が構成されている。このようなエンコーダシステム6に使用される回折格子及び検出ヘッドの詳細な構成については、例えば米国特許出願公開第2008/094593号明細書に開示されている。主制御装置20は、エンコーダシステム6から供給されるウエハステージWST及び計測ステージMSTの位置情報に基づいて、ステージ駆動系18及び計測ステージ駆動系26を介してウエハステージWST及び計測ステージMSTを駆動する。
また、主制御装置20には、磁気記憶装置等からなる記憶部27が接続されており、記憶部27には、ウエハWの複数のショット領域の配列情報、並びに各ショット領域に対する露光順序及び走査露光時の走査方向の情報を含むショットマップ(露光マップ)が記録されたショットマップファイルSMFが記憶されている。主制御装置20は、そのショットマップに基づいて、液浸方式及び走査露光方式でウエハWの全部のショット領域を順次露光する。
そして、露光装置EXを使用した露光時には、基本的な動作として液浸領域IAに対する液体Lqの供給及び回収が開始され、レチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、投影光学系PLを介してレチクルRのパターンの一部の像をウエハWの一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向に移動する動作(ステップ移動)と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、液浸方式でかつステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。この場合、液浸領域IAの中心は、ウエハWに対して相対的に、図2に示すX方向に蛇行するような軌跡TR1に沿って移動する。
(分割露光による基本的な露光方法)
次に、本実施形態の露光装置EXを用いた露光方法につき詳細に説明する。
図4(A)は、本実施形態で露光対象となるウエハWの複数のショット領域(以下、単にショットと言う)SAの配列の一例を示す。図4(A)及び以下で参照する図面中のウエハWは、図1のウエハステージWSTに載置された状態を示している。また、図4(A)及び以下で参照する図面中の座標系(X,Y,Z)は、図1における座標系(X,Y,Z)と同じであり、Y方向が走査露光時のウエハWの走査方向である。
また、ウエハWの直径は450mmであるとする。450mmウエハの場合、ウエハの回転角は、ウエハの裏面に設けられる凹凸のマーク、及び/又はウエハのエッジ部に設けられるノッチ等の切り欠き部によって検出される。例えばウエハWを図1のウエハステージWSTに載置する前に行われるプリアライメントによってウエハWの回転角が検出され、この回転角が予め定められた角度になるように、ウエハステージWSTに載置されたウエハWの角度が設定されている。
このようにしてウエハステージWSTに載置されたウエハWの表面は、図4(A)に示すように、Y方向(ウエハWの走査方向:第1方向)に沿って複数の行に配列され、かつY方向と交差(直交)するX方向(非走査方向:第2方向)に沿って複数の列に配列された多数の例えばY方向に細長いショットSA(区画領域)に区分けされている。ウエハWの表面(ウエハ面)において、隣接する複数のショットSAは、X方向又はY方向に沿って配列される複数の所定幅のスクライブライン領域SLによって区分されている。
本実施形態においては、ショットSAの形状は、X方向の幅及びY方向の長さがそれぞれ所定の最大値(例えばそれぞれ26mm及び33mm程度)以下となる範囲内で、製造対象の電子デバイス(例えば半導体デバイス)の形状、及びショットSA内に含める半導体デバイスの個数(いわゆるマルチ・チップ取りの場合)に応じて任意の大きさに設定可能である。このため、ショットSAの形状は、X方向に細長い長方形でもよく、さらに正方形であってもよい。
また、例えばマルチ・チップ取りの場合、ウエハWのエッジ部によって一部が欠けるショット(いわゆる欠けショット)にも、少なくとも一つの完全な半導体デバイスを形成できることがある。この場合には、そのような欠けショットにもレチクルRの全体のパターンの像が露光される。このため、図4(A)等では、欠けショットも完全なショットであるように表示している。なお、ウエハWの1回目の露光に際しては、ウエハ面は複数のショットには区画されていないため、仮想的に区分けされた複数のショットSAにそれぞれレチクルRのパターンの像が露光されることになる。
図4(A)において、ウエハWの複数のショットSA(欠けショットを含む)は、一例としてY方向に17行で、かつX方向に24列で配列されている。以下の説明では、ウエハWの−Y方向の端部の行を1番目の行R1、+X方向の端部の列を1番目の列として、+Y方向にi番目の行Riで(iは1以上の整数)、−X方向にj番目の列にあるショットSAを位置(i,j)のショットとも言う(jは1以上の整数)。本実施形態では、1番目の行R1は、ウエハステージWSTの計測プレート60(スリット部SLA,SLB)(図2参照)に最も近い位置にある。また、説明の便宜上、複数のショットSAを互いに識別するために、互いに異なる位置にある複数のショットSAをそれぞれショットSAa,SAb等とも称することがある。
本実施形態では、まず最も簡単な露光方法として、図4(A)のウエハW上の複数のショットSAを、計測プレート60に近いX方向の中央にあり、かつY方向(走査方向)に平行なスクライブライン領域SL上にある仮想的な分割線48によって、+X方向の半面側の複数行のショットSAを含む左群GL、及び−X方向の半面側の複数行のショットSAを含む右群GRに分ける。この場合、第i番目の行Ri中で(ここではi=1〜17)、分割線48よりも+X方向の行RLi中のショットSAが左群GLに属し、分割線48よりも−X方向の行RRi中のショットSAが右群GRに属する。図4(A)の状態では、左群GL中のショットSAの個数と、右群GR中のショットSAの個数とは互いに等しい。実際には、以下で説明するように、分割線48は、必ずしもX方向に中央にある直線である必要はなく、階段状に折れ曲がっていてもよく、左群GL中のショットSAの個数と、右群GR中のショットSAの個数とが異なっていてもよい。さらに、左群GL中の行(RL1〜RL17)の個数と、右群GR中の行(RR1〜RR17)の個数とが異なっていてもよい。また、一つの行中のショットは1つでもよい。
本実施形態では、一例として、まず左群GL中の複数のショットSAを露光した後、右群GR中の複数のショットSAを露光する。このような露光方法は、分割露光と言うことができる。また、ウエハW上の複数のショットSAを3個以上のグループに分けて、これらのグループ毎に露光することも可能である。そして、図4(A)のように、ウエハW上の複数のショットSAを2つのグループ(左群GL及び右群GR)に分けて露光する場合の分割露光は、ハーフ・アンド・ハーフ露光(以下、H&H露光とも言う。)とも言うことができる。
以下、分割露光による基本的な露光方法の一例につき、図5のフローチャートを参照して説明する。この露光方法の動作は主制御装置20によって制御される。また、露光時には、実際には静止している液浸領域IA(露光領域EA)に対して、ウエハステージWSTを駆動することによって、ウエハWがX方向及び/又はY方向に移動する。しかしながら、以下の説明では、分かり易いように、図2の軌跡TR1で示したように、ウエハWに対して相対的に、液浸領域IA及び露光領域EAが移動しているように表すものとする。
まず、レチクルRのアライメントが行われているものとして、図5のステップ102において、ウエハステージWSTの中心を図2のローディング位置LPに移動し、不図示のウエハ搬送ロボットによって、フォトレジストが塗布されたウエハWをウエハステージWSTにロードする。次のステップ104において、ウエハステージWSTをアライメント系ALの下方でX方向、Y方向に移動しながら、アライメント系ALを用いて、例えば基準マークFMを基準として、ウエハWの全部のショットSAから選択された所定個数のショット(アライメントショット)に付設されたウエハマークの位置を検出する。その検出結果を例えばEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式で処理してウエハWの全部のショットの配列座標を算出して記憶する。このウエハWのアライメント工程では、投影光学系PLの下方に図6の経路B1に沿って計測ステージMSTが移動しており、液浸領域IAは計測ステージMSTの上面で維持されている。このため、常に液浸方式の露光を開始できる。
その後、ステップ106において、レチクルRの例えば1対のレチクルマークの像の位置を計測する。このため、図6に示すように、ウエハステージWSTに計測ステージMSTを連結し、ウエハステージWSTの計測プレート60のスリット部SLA,SLBを投影光学系PLの露光領域(液浸領域IA内にある)内に移動する。そして、上述のように、スリット部SLA,SLBでその1対のレチクルマークの像を走査することで、空間像計測部64によってその1対のレチクルマークの像の位置を計測する。基準マークFMとスリット部SLA,SLBとの既知の位置関係及びその計測結果に基づいて、主制御装置20は、レチクルRのパターンの像の中心(露光中心)と、基準マークFMとの位置関係(X方向、Y方向の位置ずれ量)を求めることができる。この位置関係を用いて、ステップ104で求められたウエハWの各ショットの配列座標を補正することで、これ以降の走査露光時に、ウエハWの各ショット領域とレチクルRのパターンの像との位置合わせを高精度に行うことができる。その後、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを一体的に−Y方向に移動して、液浸領域IAを完全にウエハステージWST上に移動した後、計測ステージMSTを分離する。計測ステージMSTは経路B4に沿って位置A1に移動して待機する。
そして、ステップ108において、ウエハWの左群GLの複数のショットSAを順に露光する。ここでは、左群GL中の1番目の行RL1中で、計測プレート60に最も近い位置(1,12)にあるショットSAaから走査露光を開始し、1番目の行RL1の露光が終了した後、順次、2番目、3番目、…17番目の行RL2〜RL17のショットSAを露光する。この際に、図4(B)に示すように、1番目のショットSAaの露光時には、液浸領域IAは、ウエハWの外側から内側に移動して、ショットSAaをウエハWの外側から内側に相対的に走査する。
その1番目のショットSAaの露光時のように、液浸領域IAをウエハWのあるショットに対して相対的にウエハWの外側から内側に向けて走査することを、外内走査と称する。逆に、液浸領域IAをウエハWのあるショットに対して相対的にウエハWの内側から外側に向けて走査することを、内外走査と称する。
ウエハWの1番目のショットを外内走査で露光することには以下のような利点がある。すなわち、例えば図2において、液浸領域IAのうちでウエハ面に接している部分(点線で囲まれた部分)の大きさは、ノズル部材32のランド部32b(図1参照)の輪郭で囲まれた範囲とほぼ同じである。また、ウエハ面には撥液性の保護膜がコーティングされているが、走査露光時に液浸領域IAとウエハWとが相対移動する際に、相対移動する方向と反対側の液浸領域IAの端部(メニスカス)IAaが尾を引くように広がる傾向がある。特に走査露光の開始時に、液浸領域IAに対向している部材(ウエハW等)に対する相対速度がほぼ0から次第に速くなるときに、その端部IAaが長くなりロングテイルを形成することがある。このようなロングテイル中の液体Lqは、ノズル部材32のランド部32bの周囲の多孔部材33及び回収管31Bを介して回収される。しかしながら、そのようなロングテイルは、残水及び/又は液体Lq中の異物が残留する要因となる場合がある。
また、図4(B)において、1番目のショットSAaを露光する際には、外内走査であるため、液浸領域IAの移動方向と反対側の端部IAaには点線で示すようにロングテイルが生じる。ところが、このロングテイルが生じる部分は、ウエハ面ではなく、ウエハWを囲むプレート体28(図2参照)の表面である。従って、そのロングテイルによって残水及び/又は異物の残留があっても、ウエハ面には影響がないことになる。
1番目のショットSAaの露光後、液浸領域IAの中心は、図4(B)の実線で示す軌跡TR3に沿って、+X方向である移動方向STXAにショットSAのX方向の幅分だけ移動してから、次のショットを逆の走査方向に走査するという動作を繰り返す。
なお、液浸領域IAのX方向に隣接するショットの方向への移動(X方向へのステップ移動)は、実際には、ウエハステージWSTの振動を抑制するために、Y方向の移動成分を含む円弧状の軌跡(軌跡TR3の一部)に沿って行われる。同様に、ある行の最後のショットの露光からY方向に離れた次の行の最初のショット(その最後のショットと異なる列にあるとする)に移動する際の液浸領域IAの移動も、Y方向の移動成分の他にX方向の移動成分を含む円弧状の軌跡に沿って行われる。
そして、1番目の行RL1の全部のショットが走査露光された後、液浸領域IAは、ウエハWに対して相対的に+Y方向である移動方向STYAに、ほぼショットSAのY方向の長さ分だけ移動(ステップ移動)する。そして、液浸領域IAは、点線で示す軌跡TR4に沿ってY方向への走査と−X方向である移動方向STXBへの移動とを繰り返しながら、次の行RL2の各ショットSAを走査するという動作が繰り返される。
この場合、ある行の走査露光中には、図4(A)の軌跡TR2で示すように、液浸領域IA(及び露光領域EA)はウエハWに対して、あるショットSAを+Y方向である方向SYAに走査したときには、次のショットSAを逆の−Y方向である方向SYBに走査する。このようにショット毎にY方向の走査方向が反転するのは、レチクルRが、レチクルステージRSTによってY方向に沿って往復移動するためである。このため、液浸領域IAがある行の最後のショットを例えば方向SYAに走査するときには、図4(B)の軌跡TR4で示すように、液浸領域IAは、次の行の最初のショットを逆の方向SYBに走査することになる。
言い換えると、分割線48が固定され、左群GL及び右群GRの各ショットに対する露光順序が決定されて、左群GLの1番目に露光されるショットに対する液浸領域IA(露光領域EA)の走査方向が方向SYA又はSYBに設定されると、それ以降に露光されるショットSAに対する液浸領域IAの走査方向は決定されたことになる。すなわち、露光順序に従って、次のショットSAに移行する毎に走査方向は反転される。このような図4(B)のウエハWの全部のショットSAの配列、各ショットSAに対する露光順序、及び各ショットSAの露光時の液浸領域IA(露光領域EA)の走査方向を記録したショットマップが図3の記憶部27のショットマップファイルSMFに記憶されている。主制御装置20は、そのショットマップに記録された露光順序及び走査方向に基づいて、ウエハWの全部のショットSAに対する露光を制御する。
左群GLの各行のショットは、露光順序を示す経路C1に沿って順次露光され、最後に17番目の行RL17のショットSAbが走査露光される。その後、液浸領域IAは、ほぼ経路C3に沿って、右群GR中で最初に露光される17番目の行RR17中で、最初に露光される位置(17,13)のショットSAcの手前に移動する。
その後、ステップ110において、ウエハWの右群GRの複数のショットSAを経路C2に沿って順に露光する。すなわち、17番目の行RR17の複数のショットSAの露光が終了した後、順次、16番目、15番目、…1番目の行RR16〜RR1のショットSAを露光する。また、右群GRにおいては、例えば行RR15の複数のショットSAを露光するために液浸領域IAが実線の軌跡TR4に沿って移動した後、液浸領域IAは、−X方向である移動方向STXBにショットSAのX方向の幅分だけ移動(ステップ移動)する。そして、次の行RR14の複数のショットSAを露光するために液浸領域IAは点線の軌跡TR5に沿って移動し、これ以降もこの動作が繰り返される。
そして、右群GRの最後に露光される1番目の行RR1は、ウエハステージWSTの計測プレート60に最も近い位置にある。その行RR1においては、液浸領域IAは点線の軌跡TR6に沿って移動し、最後に位置(1,17)のショットSAzが、外内走査で露光される。これによって、ウエハWの全部のショットSAの露光が完了したことになる。また、1番目のショットSAaの露光時と同様に、最後のショットSAzに対しても外内走査であることが好ましい。これは、全部の露光が終了すると、次の計測ステージMSTに対する液浸領域IAの受け渡しに備えて、ウエハステージWSTの速度が遅くなり、液浸領域IAは、点線の軌跡TR7に沿って低速で、一度ウエハWの内側に移動した後、ウエハWの外側に移動することによる。この場合、液浸領域IAは低速であっても往復して移動して、液浸領域IAはほぼノズル部材32(特にランド部32b)の動きに合わせて移動し、ロングテイルが生じにくくなり、残水及び/又は異物の残留が低減される。
これに対して、最後のショットSAzが内外走査の場合、ショットSAzの露光後に液浸領域IAの移動速度が急激に遅くなるため、ウエハWの内側及びウエハWとプレート体28とのギャップ領域ga(図2参照)に液浸領域IAのロングテイルが生じ、これらの部分に残水及び/又は異物の残留が生じやすくなることがある。
次のステップ112でウエハWのアンロードを行う。このため、図7に示すように、計測ステージMSTを位置A1から移動させて、計測ステージMSTの−Y方向の端部に計測ステージMSTを連結する。この状態で、矢印B5で示すように、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを一体的に+Y方向に移動し、矢印B6で示すように、液浸領域IAを計測ステージMSTの上面に受け渡す。この後、計測ステージMSTからウエハステージWSTを+Y方向に分離すると、ウエハステージWSTの中心Wbは位置A3に移動する。その後、ウエハステージWSTの中心を経路B7に沿って移動して、アンローディング位置UPに移動する。そして、不図示のウエハ搬送ロボットによって露光済みのウエハWをアンロードする。
このとき、この分割露光によって、ウエハWの最後のショットSAzが終了したときに、ウエハステージWSTは走査露光時の移動範囲中で最も+Y方向の位置、すなわち本実施形態では最もアンローディング位置UPに近い位置に達している。このため、例えば右群GRのうちで最後のショットSAzを含む行の露光中に、ウエハステージWSTと支持部材61との間に計測ステージMSTを移動し、最後のショットSAzの露光終了の直後に、計測ステージMSTとウエハステージWSTとを連結して、液浸領域IAを計測ステージMSTに受け渡すことができる。さらに、位置A3からアンローディング位置UPまでの距離は短いため、ウエハステージWSTの移動距離が短くなり、露光終了からウエハWのアンロードまでの時間を大幅に短縮することができ、ウエハWが大型の場合に、露光工程のスループットを大幅に高めることができる。
これに対して、従来のように、単に図7のウエハWの1番目の行R1から最後の行R17まで順に走査露光する場合、最後の行R17の最後のショット(例えばショットSAb)の露光終了後に、ウエハステージWSTの中心は、走査露光時の移動範囲中で最も−Y方向の位置、すなわち支持部材61の先端部61aの検出ヘッド15Aが開口部30a内に差し込まれた位置A5に達している。この状態からウエハWをアンロードするためには、まず、ウエハステージWSTを+Y方向に経路B8に沿って移動し、ウエハステージWSTと支持部材61との間に計測ステージMSTを移動してから、上記の実施形態のように液浸領域IAの移動等を行う必要がある。
また、ウエハWの全部のショットの露光中のウエハステージWSTの移動量(ひいては走査及びステップ移動の時間の合計)は、上記の実施形態の分割露光でも、従来のように単に一端側から他端側に露光する方法でもほぼ同じである。このため、従来の露光方法では、上記の実施形態の分割露光に比べて、露光終了後の位置からアンローディング位置UPまでのウエハステージWSTの移動距離がかなり長くなる。さらに、従来の露光方法では、例えばウエハWの最後の行のショットの露光中には、ウエハステージWSTの−Y方向の端部に計測ステージMSTを移動できないため、別途、計測ステージMSTの移動時間が加算されるため、ウエハWのアンロードに要する時間が大幅に増加してしまう。
その後、次のウエハを露光する場合には(ステップ114)、ステップ102〜112の動作が繰り返される。
このように本実施形態の露光方法(分割露光方法)は、複数のショット領域の配列を規定するショットマップ(露光マップ)の情報(配列情報)に基づいて、ウエハW(基板)上の複数のショットSA(領域又は区画領域)に対して液浸領域IAを介して露光する露光方法である。そして、その露光方法は、そのショットマップ中の行R1(第1配列)に属する左側の行RL1の複数のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光を行う第1露光工程(ステップ108)と、その第1露光工程の後に、行R1と異なる行R2〜R17(第2配列)に属する複数のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光を行う第2露光工程(ステップ110の前半)と、その第2露光工程の後に、行R1に属するショットであってその第1露光工程で露光したショットと異なる右側の行RR1のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光する第3露光工程(ステップ110の後半)と、を含んでいる。
また、その露光方法は、ウエハWの表面の複数のショットSA(領域又は区画領域)を、照明光IL(露光光)によってレチクルRのパターン、投影光学系PL、及び液浸領域IAを介して順次露光する露光方法でもある。そして、この露光方法(分割露光方法)は、複数のショットSAのうち、Y方向(第1方向)に配列された複数行のショットSAを含む左群GL(第1群)のショットSAに関して、一行のショットSAを露光し、液浸領域IAをウエハWに対して相対的に、少なくともY方向に平行な第1の移動方向STYAに移動し、その一行のショットSAに対して移動方向STYAに隣接する他の行のショットSAを露光することを繰り返して、左群GLのショットSAを露光するステップ108を有する。
さらに、この露光方法は、その複数のショットSAのうち、左群GLのショットSAに隣接するとともに、Y方向に配列された複数行のショットSAを含む右群GR(第2群)のショットSAに関して、一行のショットSAを露光し、液浸領域IAをウエハWに対して相対的に、少なくとも第1の移動方向STYAと逆の第2の移動方向STYBに移動し、その一行のショットSAに対して移動方向STYBに隣接する他の行のショットSAを露光することを繰り返して、右群GRのショットSAを露光するステップ110を有する。
また、本実施形態の露光装置EXは、照明光IL(露光光)でレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン、投影光学系PL、及び液浸領域IAを介して、ウエハW上の複数のショットSA(領域又は区画領域)を露光する露光装置である。そして、露光装置EXは、ウエハWを保持して移動するウエハステージWSTと、ウエハW上に配列された複数のショットSAに対する露光順序及びウエハWと液浸領域IAとの相対移動の方向(方向SYA又はSYB)を示すショットマップ(露光マップ)の情報(配列情報)を記憶する記憶部27と、そのショットマップに従ってウエハステージWSTを駆動して、ウエハWと液浸領域IAとを相対移動させながら複数のショットSAの露光を制御する主制御装置20(制御部)と、を備えている。
そして、露光装置EXの主制御装置20は、そのショットマップ中の行R1(第1配列)に属する左側の行RL1の複数のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光を行う第1露光処理(ステップ108)と、その第1露光工程の後に、行R1と異なる行R2〜R17(第2配列)に属する複数のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光を行う第2露光処理(ステップ110の前半)と、その第2露光処理の後に、行R1に属するショットであってその第1露光処理で露光したショットと異なる右側の行RR1のショットSAに対し、液浸領域IAを介して順次走査して露光する第3露光処理(ステップ110の後半)と、を行っている。
また、そのショットマップには、一例として、図4(B)の経路C1,C2に沿って、かつ最初のショットSAaに対する液浸領域IAの相対的な走査方向がSYA(ここでは外内走査)となるように、左群GL及び右群GRのショットSAを順に露光するように、露光順序及び走査方向が規定されている。
本実施形態の分割露光方法又は露光装置EXによれば、ウエハWの最初に露光するショットSAaと、最後に露光するショットSAzとがウエハWの端部の同じ行R1内にあり、その行R1は、ウエハWの全部の行R1〜R17のうちでウエハステージWSTの計測プレート60に最も近い位置にある。このため、計測プレート60を用いてレチクルマーク像の位置(露光中心)を計測した後、ウエハステージWSTを短い距離だけ移動するだけで、最初のショットSAaを露光できる。さらに、最後にショットSAzを露光した後に、ウエハステージWSTを短い経路B7に沿って移動することで、ウエハステージWSTをアンローディング位置UPに移動できる。このため、ウエハWが450mmウエハのように大型の場合に、ウエハの大型化によるスループットの向上と、ウエハステージWSTの移動距離の短縮によるスループットの向上とによって、極めて高い露光工程のスループットが得られる。
なお、上述の露光方法では、左群GLの複数のショットSAを露光した後、右群GRの複数のショットSAを露光しているが、まず右群GR中の複数のショットSAを露光した後、左群GR中の複数のショットSAを露光してもよいことは言うまでもない。
また、上記の実施形態では、ウエハ面にはY方向に奇数行のショットが配列されているが、偶数行のショットが配列されていてもよい。
また、上述の実施形態では、最初に露光するショットSAa及び最後に露光するショットSAzは、いずれも液浸領域IAがウエハWに対して相対的に外内走査となるため、ウエハ面における残水及び/又は異物の残留を低減できる。このため、ウエハWを大型にして高いスループットを得ることができるとともに、最終的に製造される電子デバイス(半導体デバイス)の歩留まりを高くできる。ただし、ウエハの撥液性の保護膜の改良等によって、ウエハ面に対する残水等が少なくなった場合には、例えば最後に露光されるショットSAzに対する液浸領域IAの走査が内外走査であってもよい。
また、上述の実施形態における、最初に露光するショットSAa及び/又は最後に露光するショットSAzを液浸領域IAで外内走査とすることは、分割露光以外の通常の露光方法(1番目から最後の行まで順に露光する方法)にも適用することができる。これによって、ウエハ面に対する残水及び/又は異物の残留を低減できる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態につき、図8(A)〜図20(B)を参照して説明する。本実施形態においても図1の露光装置EXを用いて露光が行われる。なお、以下で参照する図において図4(A)及び(B)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
(奇数行のショットに対する分割露光の一例)
上述の第1の実施形態では、最初に露光するショット及び最後に露光するショットに関して、残水及び/又は異物の残留が少なくなるように、ショットに対する液浸領域IAの相対的な走査方向を設定していた。以下で説明する分割露光方法では、最初と最後に露光されるショットの間に露光されるショットに関しても、さらに、液浸領域IAを次の行又は群(右群GR)に移動するためのステップ移動に関しても、ウエハ面及び/又はウエハWとプレート体28との間のギャップ領域gaに対する残水及び/又は異物の残留が低減されるようにする。なお、ギャップ領域ga(図2参照)に残水又は異物の残留があると、ウエハWをアンロードする際にその残水又は異物がウエハWのエッジ部及びこの近傍の領域に付着して、最終的に製造される電子デバイスの歩留まりが低下する恐れがある。
まず、図4(A)のウエハWのように、ショットSAがウエハ面でY方向に奇数行(図4(A)では行R1〜R17の17行)に渡って配置されている場合につき説明する。この配置の複数のショットSAは、最終的に一例として、図8(A)に示すように、ウエハWのX方向のほぼ中心に沿って階段状に折れ曲がる仮想的な分割線48Aによって、ウエハ面のほぼ+X方向側の左群GLAと、ウエハ面の−X方向側の右群GRAとに分けられる。分割線48Aは、ショットSA間のスクライブライン領域SLに沿って設定される。これは以下の例でも同様である。左群GLAは16個の行RL1〜RL16のショットSAを含み、右群GRAは17個の行RR17〜RR1のショットSAを含んでいる。
図8(A)において、分割線48Aは途中でX方向に折れ曲がっているが、そのX方向の段差の幅は、常にショットSAのX方向の幅以下である。また、元の図4(A)の複数のショットSAに対して付加された斜線を施したショットDS1,DS2,DS3,DS4,DS5(大きさはショットSAと同じである)は、露光光を照射することなく、ショットSAの露光時と同様に、液浸領域IAを相対的に移動する領域である。このようなショットDS1〜DS5等を以下ではダミーショットDS1〜DS5等と称する。なお、ダミーショットDS1等は、実際には露光されないため、その大きさはほぼショットSAと同じ程度でよい。
また、左群GLAにおいては、最初に位置(1,13)のショットSAdが走査方向SAY(ここでは外内走査)で露光され、その後、経路CA1に沿って第1の行RL1のショットSAd〜SAeの露光、及び行RL1に付加されたダミーショットDS1,DS2の液浸領域IAによる走査が行われる。その後、第2の行から第16の行RL16の最後のショットSAjまで順次、液浸領域IAの走査方向を反転しながら露光が行われる。なお、図8(A)及び以下で参照する図において、各行内のショットSA(例えば行RLi)に付された矢印は、液浸領域IAの走査方向が方向SYA又はSYBのいずれであるかを表している。また、矢印が付されていないショットに対する走査方向は、同じ行内で隣接するショットの走査方向と逆の方向である。
そして、液浸領域IAを経路CA3に沿って右群GRAの1番目に露光する行RR17の最初に露光されるショットSAbの手前に移動する。さらに、右群GRAにおいて、経路CA2に沿って行RR17のショットSAb等の露光、及び行RR17に付加されたダミーショットDS3,DS4の液浸領域IAによる走査が行われる。その後、第16の行RR16から第1の行RR1の最後のショットSAzまで順次、液浸領域IAの走査方向を反転しながら露光が行われる。最後に、行RR1に付加されたダミーショットDS5に対して液浸領域IAが方向SYA(ここでは外内走査)に走査された後、液浸領域IAが図4(B)の軌跡TR7と同様の軌跡に沿って低速でウエハWの外部に移動して、ウエハWの全部のショットSAに対する露光が終了する。これ以外の露光動作は図5の露光方法と同様である。図8(A)の複数のショットSAの配列、露光順序を示す経路CA1,CA3,CA2の情報、及び最初に露光されるショットSAdに対する液浸領域IA(露光領域EA)の走査方向、ひいては全部のショットSAに対する走査方向の情報は、ショットマップとして、図3の記憶装置27のショットマップファイルSMFに記録される。
次に、図4(A)の複数のショットSAを図8(A)の2つのグループ(左群GLA及び右群GRA)に分けてショットマップを作成する方法の一例につき、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、このショットマップの作成において、後述のステップ124で定める1番目に露光するショットの位置は、後の動作によって変更される場合がある。さらに、後述のステップ132の動作は、実際には例えばステップ136の動作の前後で複数回実行されることがある。これに関して、ステップ134,136の動作をステップ130の前に行うことも可能である。このショットマップの作成は、露光装置EXの主制御装置20が行ってもよいが、露光装置EXの工程管理等を行うホストコンピュータ(不図示)等で行い、得られたショットマップの情報を主制御装置20に供給するようにしてもよい。
まず、図9のステップ122において、ウエハWの全部のショットSAを左群GL及び右群GRに暫定的に分けるための図4(A)の仮想的な分割線48(ショットマップにおける分割線)をウエハWのX方向のほぼ中心に設定する。
次に、1番目に露光するショット(ここではショットSAa)に対する液浸領域IAの走査方向を内外走査に設定した後(ステップ124)、同じ左群GL(又は右群GR)内で露光が済んだある行から隣接する行に液浸領域IAが移動(ステップ移動)するときに、X方向への移動量がショットSAのX方向の幅のN倍(Nは2以上の整数)以上になる複数ショット飛びがあるかどうかを確認する(ステップ126)。このようなX方向への複数ショット飛びをロングステップと称する。ロングステップがあると、例えばウエハステージWSTの振動を抑制するために、ウエハステージWSTが一時的に静止する場合がある。この後、ウエハWに対する液浸領域IAの走査を開始すると、液浸領域IAのX方向の端部にロングテイルが生じ、ウエハ面に残水及び/又は異物の残留が生じる恐れがある。
そこで、ロングステップがある場合で、かつ露光が済んだ行に対して隣接する行の端部のショットがウエハWの外側に出ている場合には、その露光が済んだ行の端部に(N−1)個のダミーショットを付加する(ステップ128)。一方、露光が済んだ行に対して隣接する行の端部のショットがウエハWの内側に位置している場合には、その隣接する行の端部に(N−1)個のダミーショットを付加する。この動作によって、図4(B)のショットSAの配列に対して、図8(A)に示すように、左群GLAの1番目の行RL1にダミーショットDS1,DS2が付加され、右群GRAの17番目の行RR17にダミーショットDS3,DS4が付加される。これによって、ロングステップが防止できる。その後、及びステップ126でロングステップがない場合に、動作はステップ130に移行する。
ここで、露光が済んだ行(ダミーショットが付加されている場合には、ダミーショットの走査及び通常のショットの露光が済んだ行。以下同様。)から、隣接する行に液浸領域IAが移動することを行替えと称する。また、一例として、図8(A)の左群GLAの第3の行の端部のショットSAfから隣接する行の端部のショットSAg(ショットSAfとは列が1列異なるショット)へ移行する場合のように、隣接する行の端部のショットSAgに対して液浸領域IAが外内走査(ここでは方向SYAに走査される場合)となるときの行替えをC型の行替えと称する。
図8(C)は、図8(A)のショットSAf,SAgを含む部分の拡大図である。図8(C)において、ショットSAfを液浸領域IAが方向SYB(ここでは内外走査)に走査しているため、その次の行の最初のショットSAgに対する液浸領域IAの走査方向は逆の方向SYA(ここでは外内走査)となっている。この場合、ショットSAfを走査した液浸領域IAは、C字型の軌跡TR9に沿って、ウエハWの外側から内側に向かって次のショットSAgを走査するため、このときの行替えをC型と称している。
この場合、液浸領域IAのうちで、図1のノズル部材32のランド部32bの底面側の圧力の高い部分の液体が、ウエハWのエッジ部Wf及びウエハWとプレート体28との間のギャップ領域gaに接している時間が短くなっている。このため、エッジ部Wf及びギャップ領域gaに対する残水及び/又は異物の残留が低減されて、最終的に製造される電子デバイスの歩留まりが向上する。
なお、図8(A)の隣接する2つの行の端部のショットSAh,SAiのように、X方向の位置(列)が同じショット間で行替えを行う場合には、液浸領域IAは、ショットSAhを走査した後、I字型の軌跡に沿って走査方向を反転してから、次のショットSAiを走査する。このように端部のショットの列が同じ2つの行間での行替えをI型の行替えと称する。I型の行替えにおいても、図1のノズル部材32のランド部32bの底面側の圧力の高い部分の液体が、ウエハWのエッジ部Wf及びウエハWとプレート体28との間のギャップ領域gaに接している時間は比較的短いため、エッジ部Wf及びギャップ領域gaに対する残水及び/又は異物の残留が低減される。
これに対して、図8(B)に示すように、仮に、ショットSAfを液浸領域IAが方向SYAに走査しているため、その次の行の最初のショットSAgに対する液浸領域IAの走査方向が逆の方向SYB(ここでは内外走査)となっている場合の行替えを想定する。このとき、ショットSAfを走査した液浸領域IAは、文字αのような軌跡TR8に沿って、ウエハWの内側から外側に向かって次のショットSAgを走査するため、このときの行替えをα型の行替えと称する。
α型の行替えでは、液浸領域IAのうちで、図1のノズル部材32のランド部32bの底面側の圧力の高い部分の液体が、ウエハWのエッジ部Wf及びウエハWとプレート体28との間のギャップ領域gaに接している時間が長くなる。このため、エッジ部Wf及びギャップ領域gaに対する残水及び/又は異物の残留が増加し、最終的に製造される電子デバイスの歩留まりが低下する恐れがある。そこで、本実施形態では、前の行の最後に露光されるショットSAと、次の行で最初に露光されるショットSAとがウエハWのエッジ部の近傍にある場合の行替え時で、かつそれら2つのショットSAの列が異なる場合に、行替えがC型又はI型となるようにしている。
そのため、図9のステップ130で、これまでに作成されたショットマップ中にα型の行替えがあるかどうかを検査し、α型の行替えがない場合にはステップ134に移行し、α型の行替えがある場合には、ステップ132に移行して、そのα型の行替えをC型又はI型の行替えに変更してから、ステップ132に移行する。そのようにC型の行替えに変更する方法としては、分割線48の少なくとも一部のX方向の位置をショットSAのX方向の幅分だけずらす方法がある。また、I型の行替えに変更する方法としては、ダミーショットの追加がある。なお、この実施形態のようにウエハWのショット配列が奇数行の場合には、すべてのα型の行替えは分割線48の少なくとも一部の位置の変更によってC型の行替えに変更可能である。
一例として、図8(A)において、左群GLAの2番目の行の最初に露光されるショットを外内走査にするために、1番目の行RL1中で最後に走査されるダミーショットDS2に対する走査方向を方向SYBに設定している。この場合、ステップ124で設定したショットSAaに対する走査方向も方向SYBとなってしまうため、この部分の分割線48(図4(A)参照)の位置を−X方向にずらして、最初に露光されるショットを位置(1,13)のショットSAd(走査方向が方向SYA)としている。
一方、後述のように、ウエハWのショット配列が偶数行の場合には、分割線48の少なくとも一部の位置の変更によっては必ずしも全部のα型の行替えをC型の行替えに変更できないことがあり、このときには、ダミーショットの付加によってI型の行替えに変更されることがある(詳細後述)。
次のステップ134において、左群GLAの露光後に液浸領域IAが右群GRAに移行する際にロングステップがあるかどうかを検査する。この実施形態のようにショット配列が奇数行である場合には、図4(B)に示すように、単にほぼ中央に分割線48を設定すると、左群GLから右群GRに液浸領域IAが移行するときに、経路C3で示すようにロングステップが生じる。このようなロングステップは、上述のように残水及び/又は異物の残留の要因になるとともに、ウエハステージWSTの移動距離が長くなり、スループットも低下する。
そこで、右群GRに移行する際にロングステップがあるときには、ステップ136に移行して、図8(A)の第14〜第17の行における分割線48Abのように、分割線48Aの一部を階段状に変更する。この際に、隣接する2つの行間での分割線48Abの段差は、ショットSAのX方向の幅以下として、隣接する2つの行間で液浸領域IAが移動する際にも、ロングステップが生じないよういしている。この結果、図8(A)の場合には、一例として、第17の行R17における分割線48Abの位置が、この行R17の+X方向の端部となり、第17の行R17は、全体として右群GRAの第17の行RR17となっている。これによって、一例として、左群GLAの最後(第16)の行RL16で最後に露光されるショットSAjと、右群GRAの最初に露光される第17の行RR17で最初に露光されるショットSAbとは同じ列となり、ショットSAjからショットSAbに移行する際の経路CA3は、I型の行替え時と同じく、X方向の移動量が0となっている。
なお、実際には、この後、右群GRAにおいて、α型の行替えをC型又はI型の行替えに変更する際に、ステップ132の動作が実行されて、分割線48Aがさらに変更されることになる。これについては、次のショットマップの詳細な作成方法の項で説明する。そして、右群GRAにおいて、α型の行替えがC型又はI型の行替えに変更された後に、動作はステップ138に移行する。これに対して、後述のようにショット配列が偶数行の場合には、左群から右群に移行する際にロングステップは生じない。このようにロングステップがない場合には、右群GRAにおいてα型の行替えをC型又はI型の行替えに変更した後に、動作はステップ138に移行する。
ステップ138において、最後に露光されるショットSAz、又は最後に走査されるダミーショットが内外走査であるかどうかを検査する。図8(A)の例では、最後に露光されるショットSAzが内外走査となっているため、動作はステップ140に移行して、ショットSAzに隣接してダミーショットDS5を付加することで、図8(A)のショットマップが完成する。この結果、ダミーショットDS5に対して、液浸領域IAは外内走査になるため、ウエハ面に対する残水及び/又は異物の残留が低減される。その後、動作はステップ142に移行する。ステップ138において、最後に露光されるショットSAzが外内走査となっている場合にも、ショットマップが完成していることになるため、動作はステップ142に移行する。
ステップ142において、完成したショットマップが露光装置EXの記憶部27のショットマップファイルSMFに記録される。この後、同じレチクルRを用いてウエハWと同じ大きさのウエハの全部のショットに対して露光を行う場合には(ステップ144)、ショットマップファイルSMFに記録されたショットマップに基づいて露光順序及び走査方向が制御される。
この実施形態の奇数行のショットに対する分割露光方法によれば、第1の実施形態の効果に加えて、隣接する行間での液浸領域IAの複数ショット飛び(ロングステップ)、α型の行替え、及び左群から右群に液浸領域IAが移行するときのロングステップが防止されているため、液浸方式で例えば450mmウエハのような大型のウエハWを露光する際に残水及び/又は異物の残留をさらに低減できる。
なお、この実施形態において、複数ショット飛びを防止するためにダミーショットを付加することは、分割露光以外の通常の露光方法にも適用できる。この場合の露光方法は、ウエハ面の複数のショットSAを、照明光IL(露光光)によって液浸領域IAを介して走査して順次露光する露光方法であって、複数のショットSAは、Y方向(第1方向)に沿って配列された複数の行R1〜R17と、X方向(第2方向)に沿って配列された複数の列とで区分けされている。
そして、その露光方法は、複数の行R1〜R17のうちの1番目の行R1(一の行)に属する複数のショットSAに対する露光が、ウエハWの内側から外側に向かってX方向に順次行われるとともに、1番目の行R1で最後に露光されるショットSAeに対して、2番目の行R2(二の行)のショットSA内で最初に露光されるショットSAが、その最後に露光されるショットSAeに対してX方向にずれているときに、X方向に沿ってウエハWの内側から外側に向かう方向に、ショットSAのX方向における幅のN倍(Nは2以上の整数)だけずれているとき、1番目の行R1の最後に露光されるショットSAeに隣接して(N−1)個のダミーショットDS1,DS2を付加し、(N−1)個のダミーショットに対して液浸領域IAを介して走査する動作を行った後、2番目の行R2の最初に露光されるショットSAに対する露光を行うものである。
この露光方法によれば、ロングステップが防止されるため、残水及び/又は異物の残留を低減できる。なお、付加されるダミーショットの数が多くなると、ウエハステージWSTの走査露光時間が長くなり、露光工程のスループットが低下する。そのため、ロングステップを防止できる範囲内で、付加するダミーショットの個数は少ないことが好ましい。このため、付加するダミーショットの個数を(N−1)個にしている。
(奇数行のショット用のショットマップの詳細な作成方法の一例)
次に、図4(A)のウエハWの奇数行のショット配列を図8(A)に示す2つのグループ(左群GLA及び右群GRA)に分けてショットマップを作成するための方法の一例につき詳細に説明する。
まず、図10(A)に示すように、ウエハWのX方向の中心(以下、ウエハ中心と言う)に暫定的な分割線48を設定し、複数ショット飛び(行間のロングステップ)を防止するために、左群GLの行RL1の端部に経路E1aに沿ってダミーショットDS1,DS2を付加し、右群GRの行RR17の端部に経路E2aに沿ってダミーショットDS3,DS4を付加する。ダミーショットDS1〜DS4には斜線を施している。なお、図10(A)及び以下で参照する図面において、移動方向STYA(+Y方向)は左群GLの隣接する2つの行間の液浸領域IAのステップ移動の方向を示し、移動方向STYB(−Y方向)は右群GRの隣接する2つの行間の液浸領域IAのステップ移動の方向を示す。
次に、図10(B)に示すように、左群GLの1番目の行RL1で1番目に露光するショットを外内走査(液浸領域IAの走査方向が方向SYA(+Y方向))に設定すると、行RL1で最後に走査されるダミーショットDS2から次の行への行替えが、液浸領域IAの相対的な軌跡TR8で示すようにα型となっている。そこで、図11(A)に示すように、2番目の行RL2に対する行替えをC型にするために、分割線48を1行分−X方向にずらして分割線48Bとして、1番目に外内走査で露光されるショットをSAdとすることによって、ダミーショットDS2を内外走査にする。なお、図11(A)及び以下で参照する図において、一つの行内の複数のショットに対する液浸領域IAの走査方向は交互に反転する。このため、原則として、走査方向が方向SYAとなるショットにのみその方向SYAを表す矢印を付している。
次に、図11(B)に示すように、左群GLで最後に露光されるショットから右群GRで最初に露光されるショットに対する液浸領域IAの移動がロングステップにならないように、分割線を上部の直線状の分割線48B1と、これに続く階段状に変化する分割線48Cとに分ける。これによって、左群GLの最後の行(第17の行)は一つのショットSAbのみになる。そして、図12(A)に示すように、左群GLにおいて、第2及び第3の1対の行RL2,RL3、第4及び第5の1対の行、〜第14及び第15の1対の行をそれぞれ行カップル50A,50B,50C,50D,50E,50F,50G(液浸領域IAがウエハWの外周から内部を経て外周部に移動する2つの行)と称する。行カップル50A〜50Gは、後述のように、行替えをC型等に最適化する場合に使用される。なお、図12(A)において、偶数番目の行カップル50B等にはハッチングを施してある。
次に、図12(B)に示すように、左群GLの第3の行から第4の行への行替えがα型となっている。そこで、第3の行の最後のショットSAfに対する走査方向を反転させるために、分割線48B1の第3行以降の部分を+X方向(ウエハ中心に近い方向)に一つのショット分だけシフトさせて分割線48B2として、α型の行替えが発生している行カップル50Aの右下の1つのショットSAを右群GRに移す。これによって、行カップル50A内のショット数が1個減少して、行カップル50Aの最後のショットSAfの走査方向が反転し、図13(A)に示すように、行替えがC型になる。
次に、図13(B)に示すように、左群GLの第7の行RL7から第8の行RL8への行替えがα型となっている。そこで、今度は、分割線48B2の第7行以降の部分を−X方向(ウエハ中心に近い方向)に一つのショット分だけシフトさせて分割線48B3として、α型の行替えが発生している行カップル50Cに、右群GRの一つのショットSAを移す。これによって、行カップル50C内のショット数が1個増加して、行カップル50Cの最後のショットSAの走査方向が反転し、図14(B)に示すように、行替えがC型になる。
なお、図13(B)のα型の行替えをC型に変更するための分割線48B2の第7の行以降の部分の変更後の位置としては、図14(A)に示すように、ちょうどウエハの中心に位置する位置E4と、この位置E4の1つ右に位置する位置E5(分割線48B4及び48B3)が考えられる。この場合、ウエハ中心はショットSAの境界部(スクライブライン領域)にあるため、一例として、ウエハ中心に対して−X方向に一つのショットだけずれた位置にある分割線48B3を選択するようにする。ここで、図14(A)の上部の分割線48B2、中央部の分割線48B3、及び階段状の分割線48Cを合わせた線を図14(B)の分割線48Cとする。なお、上記の分割線48B4及び48B3を選択する理由としては、例えば上述の階段状の分割線を設定するときにウエハの中心に対して左側の群に位置するショット数が右側のショット数の群より少なくなりがちになるためである。このような事情から、本実施形態では左側の群のショット数をできるだけ増やすために位置E5を選択することとした。
次に、図15(A)に示すように、左群GLの第13の行RL13から第14の行RL14への行替えがα型(液浸領域IAの軌跡TR8A)となっている。そこで、分割線48Cの第12の行の部分を+X方向(ウエハ中心に近い方向)に一つのショット分だけシフトさせて分割線48C1として、α型の行替えが発生している行カップル50Fの一つのショットSAを右群GRに移す。これによって、行カップル50F内のショット数が1個減少して、行カップル50Fの最後のショットSAの走査方向が反転し、図15(B)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9A)になる。変更後の分割線を48Dとする。
次に、図16(A)に示すように、右群GRの第17の行RR17から第16の行R616への行替えがα型(軌跡TR8B)となっている。この右群GRの行替えの変更では、既に最適化したショットに対する走査方向をそのまま維持する必要がある。そこで、分割線48Dのうち、第10の行以降の階段状の部分を+X方向に一つのショット分だけシフトさせて分割線48D1として、左群GLの行カップル50E〜50Gからそれぞれ2つのショットSAを右群GRに移す。これにより、左群GLにおける液浸領域IAの走査方向をそれまでの方向に維持しつつ、右群GRの行RR17等に1つのショットSAを加えることができ、行RR17の最後のショット(ダミーショットDS4)の走査方向が反転し、図17(A)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9B)になる。変更後の分割線を48Eとする。
なお、分割線としては、図16(B)の分割線48D2のように、段差が2つのショットの幅以上になるものは採用しない。この場合、右群GRの行RR12から行RR11に移行する際の液浸領域IAの経路E2B1がロングステップとなるためである。これは左群GLの露光時にも同様である。これに対して、分割線が図16(C)に示す段差が1つのショットの幅以下となる分割線48Dであれば、右群GRの行RR12から行RR11に移行する際の経路E2B2のX方向の移動量は1つのショットの幅以下となる。
次に、図17(A)に示すように、右群GRにおいて、第16及び第15の1対の行、第14及び第13の1対の行、…、第2及び第1の1対の行をそれぞれ行カップル51A,51B,51C,51D,51E,51F,51G,51Hと称する。左群GLの行カップル50A〜50Gと右群GRの行カップル51A〜51Hとは、Y方向に一つのショットSA分だけ位置がずれている。なお、図17(B)において、左群GLの偶数番目の行カップル50B等、及び右群GRの奇数番目の行カップル51A等には互いに異なるハッチングを施してある。
次に、図17(B)に示すように、右群GRの第11の行RR11から第10の行RR10への行替えがα型(軌跡TR8B)となっている。そこで、分割線48Eの第8の行から第11の行の部分を+X方向に一つのショット分だけシフトさせて分割線48E1として、α型の行替えが発生している行カップル51Cに左群GLの一つのショットSAを移す。この際に、階段状の分割線48E1としているのは、段差を2つのショットSAの幅以下にするためである。また、左群GLの行カップル50D,50Eではそれぞれ2つのショットSAが減少するため、左群GLにおける走査方向は反転しない。一方、行カップル51Cの最後のショットSAの走査方向が反転し、図18(A)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9B)になる。変更後の分割線を48Fとする。
次に、図18(B)に示すように、右群GRの第3の行RR3から第2の行RR2への行替えがα型(軌跡TR8C)となっている。そこで、分割線48Fの第2の行から第3の行の部分を+X方向に一つのショット分だけシフトさせて分割線48F1として、α型の行替えが発生している行カップル51Gに左群GLの一つのショットSAを移す。この際に、左群GLの行カップル50Aでは2つのショットSAが減少するため、左群GLにおける走査方向は反転しない。一方、行カップル51Gの最後のショットSAの走査方向が反転し、図19(A)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9C)になる。変更後の分割線は図8(A)の分割線48Aとなる。
なお、行カップル51Gの最後のショットSAの走査方向を反転させるためには、図19(B)に示すように、分割線48Fの第2の行から第3の行の部分を−X方向に一つのショットSAの幅分だけずらして分割線48F2としてもよい。しかしながら、この分割方法では、分割線が右側に偏るため、好ましくない。
次に、図20(A)に示すように、右群GRで最後に露光されるショットSAzが内外走査になっており、このままでは残水等の恐れがある。そこで、図20(B)に示すように、ショットSAzの−X方向の隣にダミーショットDS5を付加する。このダミーショットDS5は外内走査されるため、残水等が防止できる。これによって、図8(A)のショットマップが完成したことになる。
このショットマップの作成方法によれば、どのような奇数行のショット配列であっても、図9のフローチャートの条件を満たして、最適なショットマップを作成することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態につき、図21(A)〜図32(B)を参照して説明する。本実施形態においても図1の露光装置EXを用いて露光が行われる。なお、以下で参照する図において図4(A)、(B)及び図8(A)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述の第2の実施形態では、奇数行のショット配列に対して最適な露光方法を説明したが、本実施形態では偶数行のショット配列に対して最適な露光方法を説明する。
(偶数行のショットに対する分割露光の一例)
図21(A)は、本実施形態のウエハステージWST(図2参照)に載置された状態のウエハWの表面(ウエハ面)におけるショット配列の一例を示す。一例として、ウエハWは450mmウエハである。図21(A)において、ウエハWの複数のショットSB(欠けショットを含む)は、一例としてY方向(走査方向)に16行で、かつX方向に23列で配列されている。ショットSB(ショット領域)は上記の第1及び第2の実施形態のショットSAに対応しているが、ショットSAとは大きさが異なっている。
以下の説明では、ウエハWの−Y方向の端部の行(図2のウエハステージWSTの計測プレート60に最も近い位置にある行)を1番目の行R1、+X方向の端部の列を1番目の列として、+Y方向にi番目の行Riで(iは1以上の整数)、−X方向にj番目の列にあるショットSBを位置(i,j)のショットとも言う(jは1以上の整数)。
本実施形態では、まず最も簡単な露光方法として、図21(A)の複数のショットSBを、計測プレート60に近いX方向の中央にあり、かつY方向(走査方向)に平行なスクライブライン領域SL上にある仮想的な分割線49によって、+X方向の半面側の複数行のショットSBを含む左群GLB、及び−X方向の半面側の複数行のショットSAを含む右群GRBに分ける。この場合、第i番目の行Ri中で(ここではi=1〜16)、分割線49よりも+X方向の行RLi中のショットSBが左群GLBに属し、分割線49よりも−X方向の行RRi中のショットSBが右群GRBに属する。
そして、計測プレート60を用いてレチクルRのレチクルマークの像(不図示)の位置を計測した後、左群GLB中の1番目の行RL1中で、計測プレート60に最も近い位置(1,12)にあるショットSBaから走査露光を開始し、液浸方式で1番目の行RL1の走査露光が終了した後、移動経路CB1に沿って、順次、液浸領域IAを+Y方向(移動方向STYA)にステップ移動させながら、2番目、3番目、…16番目の行RL16等のショットSBを露光する。本実施形態では、左群GLBで最後に露光されるショットSBbは、右群GRBで最初に露光されるショットSBcにX方向に隣接している。
このため、左群GLBの露光後に、連続的に右群GRBの複数のショットSBを経路CB2に沿って順に露光する。すなわち、16番目の行RR16の複数のショットSBの露光が終了した後、順次、液浸領域IAを−Y方向(移動方向STYB)にステップ移動させながら、15番目、…1番目の行RR1等のショットSBを露光する。そして、右群GRBの最後に露光される1番目の行RR1中で最後に露光されるショットSBzは、計測プレート60に最も近い位置にある。これ以外の露光動作は図5の露光方法と同様である。このため、この後、ウエハステージWSTをアンローディング位置UP(図2参照)に短時間で移動でき、露光工程のスループットを高く維持できる。
次に、ウエハ面における残水及び/又は異物の残留をより低減できる分割露光方法の一例につき説明する。
ここでは、複数のショットSBを、一例として図21(B)に示すように、ウエハWのX方向のほぼ中心に沿って階段状に折れ曲がる仮想的な分割線49Aによって、ウエハ面のほぼ+X方向側の左群GLCと、ウエハ面の−X方向側の右群GRCとに分ける。左群GLCは16個の行RL1〜RL16のショットSBを含み、右群GRCは16個の行RR16〜RR1のショットSBを含んでいる。
図21(B)において、元の図21(A)の複数のショットSBに対して斜線を施したダミーショットDB1〜DB10が付加されている。ダミーショットDB1等は実際には露光されることなく液浸領域IAで相対的に走査されるだけであるため、その大きさはほぼショットSBと同じ程度でよい。
また、左群GLCにおいては、最初に位置(1,11)のショットSBdが走査方向SAY(ここでは外内走査)で露光され、その後、経路CC1に沿って第1の行RL1のショットSBd等の露光、及び付加されたダミーショットDB1,DB2の液浸領域IAによる走査が行われる。その後、第2の行から第16の行RL16の最後のショットまで順次、液浸領域IAの走査方向を反転しながら露光が行われる。なお、図21(B)及び以下で参照する図において、各行内のショットSB(例えば行RLi)に付された矢印は、液浸領域IAの走査方向が方向SYA(+Y方向)又は方向SYB(−Y方向)のいずれであるかを表している。また、矢印が付されていないショットに対する走査方向は、同じ行内で隣接するショットの走査方向と逆の方向である。
そして、右群GRCにおいて、経路CC2に沿って行RR16のショットSB等の露光、及び付加されたダミーショットDB5,DB6,DB7の液浸領域IAによる走査が行われる。その後、第15の行から第1の行RR1の最後のショットSBa(図21(A)で最初に露光されたショット)まで順次、液浸領域IAの走査方向を反転しながら露光が行われる。最後のショットSBaは外内走査で露光される。また、1番目に露光されるショットから最後に露光されるショットまでの間で、液浸領域IAのロングステップ及びα型の行替えが生じないように、分割線49Aの設定及びダミーショットの付加が行われている。これ以外の露光動作は図5の露光方法と同様である。図21(B)の複数のショットSB及びダミーショットDB1〜DB10の配列、露光順序を示す経路CC1,CC2の情報、及び最初に露光されるショットSBdに対する液浸領域IA(露光領域EA)の走査方向、ひいては全部のショットSBに対する走査方向の情報は、ショットマップとして、図3の記憶装置27のショットマップファイルSMFに記録される。主制御装置20はそのショットマップに基づいて各ショットSBに対する露光を制御する。
この露光方法によれば、第1の実施形態の効果に加えて、隣接する行間での液浸領域IAの複数ショット飛び(ロングステップ)、及びα型の行替えが防止されているため、液浸方式で例えば450mmウエハのような大型のウエハWを露光する際に残水及び/又は異物の残留をさらに低減できる。
(偶数行のショット用のショットマップの詳細な作成方法の一例)
次に、図21(A)のウエハWの偶数行のショット配列を図21(B)に示す2つのグループ(左群GLC及び右群GRC)に分けてショットマップを作成するための方法の一例につき詳細に説明する。
まず、図22(A)に示すように、ウエハWのX方向の中心(ウエハ中心)に最も近いY方向に平行なスクライブライン領域SL(図21(A)参照)に沿って暫定的な分割線49を設定し、複数ショット飛び(行間のロングステップ)を防止するために、左群GLBの行RL1の端部にダミーショットDB1,DS2を付加し、行RL16の端部にダミーショットDB3,DB4を付加し、右群GRBの行RR16の端部にダミーショットDB5,DS6を付加し、行RR1の端部にダミーショットDB9を付加する。
次に、図22(B)に示すように、左群GLBにおいて、第2及び第3の1対の行、第4及び第5の1対の行、〜第14及び第15の1対の行をそれぞれ行カップル52A,52B,52C,52D,52E,52F,52G(図12(A)の行カップル50A〜50Gと同様に、液浸領域IAがウエハWの外周から内部を経て外周部に移動する2つの行)と称する。また、右群GRBにおいて、第15及び第14の1対の行、第13及び第12の1対の行、〜第3及び第2の1対の行をそれぞれ行カップル53A,53B,53C,53D,53E,53F,53Gと称する。左群GLBの行カップル52A〜52Gと右群GRBの行カップル53A〜53Gとは、Y方向の位置が同じである点が奇数行のショット配列の場合と異なっている。なお、図22(B)において、左群GLBの偶数番目の行カップル52B等、及び右群GRBの奇数番目の行カップル53A等には互いに異なるハッチングを施してある。
また、左群GLBにおいて、行カップル52A〜52G間の行替えの型がI型である形態が連続している行カップル52B〜52Fを、まとめてI型の行替えグループ54Aと称する。このI型の行替えグループ54Aは、右群GRBの行替えの型を変更する際に使用される。
次に、図23(A)に示すように、左群GLBの1番目の行RL1で1番目に露光するショット(ここではショットSBa)を外内走査(液浸領域IAの走査方向が方向SYA)に設定すると、行RL1で最後に走査されるダミーショットDB2から次の行への行替えが、液浸領域IAの相対的な軌跡TR8で示すようにα型となっている。そこで、分割線49を1行分+X方向(ウエハ中心に近い方向)にずらして分割線49Bとして、1番目に外内走査で露光されるショットをショットSBdとすることによって、ダミーショットDB2を内外走査にする。これによって、図23(B)に示すように、第2の行への行替えがC型(軌跡TR9)となる。
次に、図24(A)に示すように、左群GLBの第3の行から第4の行への行替えがα型となっている。そこで、第3の行の最後のショットに対する走査方向を反転させるために、分割線49Bの第3の行以降の部分を−X方向(ウエハ中心に近い方向。以下同様)に一つのショット分だけシフトさせて分割線49B1として、α型の行替えが発生している行カップル52Aの右下に右群GRBの1つのショットSBを追加する。これによって、行カップル52Aの最後のショットの走査方向が反転し、図24(B)に示すように、行替えがC型になる。
次に、図25(A)に示すように、左群GLBの第13の行から第14の行への行替えがα型(液浸領域IAの軌跡TR8A)となっている。そこで、今度は、分割線49B1の第13行以降の部分を+X方向に一つのショット分だけシフトさせて分割線49B2として、α型の行替えが発生している行カップル52Fの右下の一つのショットSBを右群GRBに移す。これによって、行カップル52F内のショット数が1個減少して、行カップル52Fの最後のショットSBの走査方向が反転し、図25(B)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9A)になる。
次に、図26(A)に示すように、左群GLBの第15の行RL15から第16の行RL16への行替えがα型となっている。そこで、分割線49B2の第15の行以降の部分を−X方向に一つのショット分だけシフトさせて分割線49B3として、行カップル52Gに右群GRBの一つのショットSBを移す。これによって、行カップル52G内のショット数が1個増加して、行カップル52Gの最後のショットSBの走査方向が反転し、図26(B)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9A)になる。
次に、図27(A)に示すように、右群GRBの第17の行RR17から第16の行R616への行替えがα型(軌跡TR8B)となっている。この右群GRBの行替えの変更では、既に最適化したショットに対する走査方向をそのまま維持する必要がある。しかしながら、仮に、図16(A)を参照して説明した奇数行のショット配列の場合の方法を適用して、分割線49B3のうち、第12の行以降の部分を+X方向に一つのショット分だけシフトさせて分割線49B4として、左群GLBの行カップル52G等からそれぞれ2つのショットSBを右群GRBに移しても、右群GRBの走査方向も変化しない。
そこで、偶数行のショット配列では、図27(B)に示すように、右群GRBのα型の行替えが発生している行RR16の端部に一つのダミーショットDB7を付加する。これによって、行RR16の最後のショット(ダミーショットDB7)の走査方向が反転し、行替えがC型(軌跡TR9B)になる。
図28(A)に示すように、奇数行のショットマップでは、左群GLの行カップル50A〜50Gと右群GRの行カップル51A〜51HとがY方向に一行分ずれているため、分割線48C等の部分的なシフトによって、左群GLの行カップル50A〜50Gから右群GRの行カップル51A〜51Hの未最適化領域に一つのショットSAを移動できる。これに対して、図28(B)に示すように、偶数行のショットマップでは、左群GLBの行カップル52A〜52Gと右群GRBの行カップル53A〜53BとのY方向の位置が同じであるため、左群GLBの行カップル52A〜52Gから右群GRBの行カップル53A〜53Bに偶数個のショットSBを移動しても、行カップル52A〜52Gにおける走査方向は変化しないため、α型の行替えをC型に変更することはできないことになる。
次に、図29(A)に示すように、右群GRBの第12の行RR12から第11の行RR11への行替えがα型(軌跡TR8B)となっている。この場合、α型の行替えが発生している行カップル53B,53Cは、右群GRBのI型の行替えグループ54Aと同じ行の範囲内に入っている。そこで、奇数行のショット配列の場合の分割線の部分的なシフトを適用して、分割線49B3の第11の行から第12の行の部分を+X方向に一つのショット分だけシフトさせて、右群GRBの2つのショットSBf,SBeを左群GLBのI型の行替えグループ54Aに移す。この際に、行替えグループ54A内の行カップル52E,52Fの境界部では走査方向が反転するが、行替えがI型であるため、問題にはならない。そして、右群GRBの行カップル53Bには右群GRBから一つのショットSBが追加されて、行カップル53Bの最後のショットSBの走査方向が反転し、図29(B)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9B)になる。変更後の分割線を49Cとする。
次に、図30(A)に示すように、右群GRBの第6の行RR6から第5の行RR5への行替えがα型(軌跡TR8C)となっている。この場合、α型の行替えが発生している行カップル53E,53Fは、右群GRBのI型の行替えグループ54Aと同じ行の範囲内に入っている。そこで、分割線49Cの第5の行から第6の行の部分を+X方向に一つのショット分だけシフトさせて、右群GRBの2つのショットSBh,SBgを左群GLBのI型の行替えグループ54Aに移す。この際に、行替えグループ54A内の行カップル52B,52Cの境界部では走査方向が反転するが、行替えがI型であるため、問題にはならない。そして、右群GRBの行カップル53Eには右群GRBから一つのショットSBが追加されて、行カップル53Eの最後のショットSBの走査方向が反転し、図30(B)に示すように、行替えがC型(軌跡TR9C)になる。変更後の分割線は、図21(B)の分割線49Aとなる。
次に、図31(A)に示すように、右群GRBの第4の行RR4から第3の行RR3への行替えがα型となっている。この場合、α型の行替えが発生している行カップル53F,53Gは、右群GRBのI型の行替えグループ54Aと同じ行の範囲から外れているため、I型の行替えグループ54Aを使用する方法は適用できない。そこで、図31(B)に示すように、右群GRBの第3の行RR3の端部にダミーショットDB8を付加して、第4の行RR4から第3の行RR3に液浸領域IAがY軸に平行な方向F4に移動できるように、すなわち行替えをI型にする。
次に、図32(A)に示すように、右群GRBで最後に露光されるショットSBaが内外走査になっており、このままでは残水等の恐れがある。そこで、図32(B)に示すように、右群GRBの第1の行RR1の−X方向の端部にダミーショットDB10を付加する。これによって最後に露光されるショットSBaは外内走査されるため、残水等が防止できる。これによって、図21(B)のショットマップが完成したことになる。
このショットマップの作成方法によれば、どのような偶数行のショット配列であっても、図9で例示したフローチャートの条件を満たして、最適なショットマップを作成することができる。
なお、上述の各実施形態では、一つのウエハWで複数のショットSA(又はSB)の大きさは互いに等しい。これに対して、図32(A)に示すように、例えばウエハWの−Y方向の端部では、ウエハステージWSTの可動範囲等の関係から、それ以外の領域のショットSAに比べてY方向の長さが短いショットSCが配列されることがある。
この場合、液浸領域IAを軌跡TR20に沿って移動させて、液浸領域IAを介して一行の複数のショットSCを露光した後、液浸領域IAを軌跡TR21に沿って移動させて、次の行の複数のショットSAを露光する前に、例えば照明系ILS内の固定の視野絞りの開口の形状を変更することがある。この場合、位置P1のショットSCの露光後にα型の行替えを行うものとすると、液浸領域IAは、次の行の最初に露光する位置P2のショットSAの手前の位置A7(ウエハW上の位置)で一度停止する。この後で液浸領域IAの相対的な走査を開始すると、ウエハ面にある端部IAaがロングテイルとなり、ウエハ面に残水及び/又は異物の残留が生じる恐れがある。
そこで、このような場合には、図32(B)に示すように、−Y方向の端部の行にダミーショットDC1を付加し、次の行の端部にダミーショットDC2を付加して、行替えをC型としてもよい。そして、液浸領域IAでダミーショットDC1を内外走査した後、次の行のダミーショットDC2の手前の位置A8(ウエハWの外部の位置)で液浸領域IAを停止させた後、走査露光を開始する。この際に、液浸領域IAの端部IAaがロングテイルとなっても、その部分はウエハ面の外部にあるため、ウエハ面に残水及び/又は異物の残留が生じることがない。
なお、上記の実施形態では、投影光学系PLを支持するフレーム側に検出ヘッド14を配置し、ウエハステージWST側に回折格子12A,12Bを配置している。この他の構成として、そのフレーム側に回折格子12A,12Bを配置し、ウエハステージWST側に検出ヘッド14を配置してもよい。
なお、エンコーダシステム6と並列に、又はエンコーダシステム6の代わりに、ウエハステージWST及び/又は計測ステージMSTの3次元的な位置を計測するレーザ干渉計システムを設け、このレーザ干渉計システムの計測値を用いて、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを駆動してもよい。
また、上記の実施形態では、ウエハWは450mmウエハであるが、例えば直径が300mmのウエハ、又はそれ以外の大きさのウエハを使用する場合にも、上記の実施形態の露光方法又は露光装置が適用できる。
また、上記の各実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図34に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたレチクル(マスク)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置(露光方法)によりレチクルのパターンを基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理(現像等)することと、を含んでいる。この際に、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法によれば、基板を大型にして極めて高いスループット(生産性)を得ることができるとともに、高い歩留まりで電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、上記の第1の実施形態の露光方法(分割露光方法)は、液浸方式でないドライ型で走査露光型の投影露光装置(スキャナ)、又はステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ等)で露光する場合にも適用できる。さらに、その走査露光型の投影露光装置としては、露光光として極端紫外光(Extreme Ultraviolet Light:以下、EUV光という)を用いるEUV露光装置も使用できる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、SA,SB…ショット(ショット領域)、GL,GLA,GLB…左群、GR,GRA,GRB…右群、Ri…ショットが配列された行、RLi…左群の行、RRi…右群の行、C1〜C3,CA1〜CA3…移動経路、IA…液浸領域、8…局所液浸機構、48,48A,49,49A…分割線

Claims (41)

  1. 複数のショット領域の配列を規定する配列情報に基づいて、基板上の複数の領域に対して液浸領域を介して露光する露光方法であって、
    前記配列情報に含まれる第1配列に属する複数の領域に対し、その液浸領域を介して順次走査して露光を行う第1露光工程と、
    前記第1露光工程の後に、前記第1配列と異なる第2配列に属する複数の領域に対し、前記液浸領域を介して順次走査して露光を行う第2露光工程と、
    前記第2露光工程の後に、前記第1配列に属する領域であって前記第1露光工程で露光した領域と異なる領域に対し、前記液浸領域を介して順次走査して露光する第3露光工程と、
    を含む露光方法。
  2. 前記配列情報を含む露光マップにおいて、前記複数のショット領域は第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされてなり、
    前記第1配列および前記第2配列は、前記複数の行のうちそれぞれ異なる行に属する請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記露光マップは、
    前記第1行に属する一部の領域を含む第1群の領域で最初に露光される領域と、前記第1行に属する前記異なる領域を含む第2群の領域で最初に露光される領域とが、それぞれ異なる行に配置されるよう設定されている請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記第1群の領域と前記第2群の領域とを分ける仮想的な分割線が設定される請求項3に記載の露光方法。
  5. 前記露光マップで規定される各行に属する前記領域のうち、前記走査する方向の端部における行を除く複数行の前記領域に関して、前記走査する方向に直交する方向に沿った一方の端部側の前記領域が前記第1群に属し、前記直交する方向に沿った他方の端部側の前記領域が前記第2群に属するように前記分割線が設定される請求項4に記載の露光方法。
  6. 前記露光マップにおいて前記第1行と前記第2行とが隣接する場合において、前記第1行の領域に対する露光が、前記基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、前記第1行の領域内で最後に露光される前記領域に対して、前記第2行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記最後に露光される前記領域に対して前記走査する方向と直交する方向にずれているときに、
    前記最初に露光される前記領域に対する露光時の前記基板に対する前記液浸領域の相対的な走査方向が、前記基板の外側から内側に向かうように、前記分割線が設定されている請求項4に記載の露光方法。
  7. 前記露光マップにおいて前記第1行と前記第2行とが隣接する場合において、前記第1行の領域に対する露光が、前記基板の内側から外側に向かって行われるとともに、前記第1行の領域内で最後に露光される前記領域に対して、前記第2行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記最後に露光される前記領域に対して前記走査する方向と直交する方向にずれているとともに、
    前記最後に露光される前記領域に対する露光時の前記基板に対する前記液浸領域の相対的な走査方向が、前記基板の外側から内側に向かうときに、
    前記第1行の前記最後に露光される前記領域に隣接してダミー領域を付加し、
    前記ダミー領域に対して前記液浸領域を前記基板の内側から外側に相対的に走査した後、
    前記第2行の領域の露光を行う請求項4に記載の露光方法。
  8. 前記露光マップで配列された前記複数の領域の行数が奇数であるとき、
    前記第1群の領域と前記第2群の領域とを分ける前記分割線は階段状に設定される請求項4〜7のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 前記第1行の領域内で最後に露光される前記領域に対して、前記第2行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記走査する方向と直交する方向に沿って前記基板の内側から外側に向かう方向に、前記領域の前記直交する方向の幅のN倍(Nは2以上の整数)だけずれているとき、
    前記第1行の前記最後に露光される前記領域に隣接してダミー領域を(N−1)個付加し、
    (N−1)個の前記ダミー領域に対して前記液浸領域を介して走査する動作を行った後、前記第2行の領域の露光を行う請求項4〜8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 前記第2群の領域内で最後に露光される前記領域を露光する際の前記液浸領域の相対的な走査方向が前記基板の内側から外側に向かうときに、
    前記最後に露光される前記領域に前記走査する方向と直交する方向に隣接してダミー領域を付加し、
    前記ダミー領域に対して前記液浸領域を前記基板の外側から内側に相対的に走査した後、前記液浸領域を前記基板から離脱させる請求項4〜9のいずれか一項に記載の露光方法。
  11. 前記第1群の領域内で最初に露光される前記領域を露光する際の前記液浸領域の相対的な走査方向が前記基板の外側から内側に向かうように、前記相対的な走査方向が設定されている請求項5〜10のいずれか一項に記載の露光方法。
  12. 前記第1行の領域への露光と、前記第2行の領域への露光との間に、前記液浸領域と前記基板との相対移動がほぼ停止する期間があるとともに、
    前記第1行の領域で最後に露光される前記領域に対する露光時に、前記液浸領域が前記基板に対して前記基板の外側から内側に向かう方向に相対的に走査されるときに、
    前記最後に露光される前記領域、又は前記第2行の領域で最初に露光される前記領域に隣接してダミー領域を付加し、
    前記液浸領域と前記基板との相対移動がほぼ停止する期間の後で、
    前記ダミー領域に対して前記液浸領域を前記基板の外側から内側に向かう方向に相対的に走査した後、前記第2行の領域の露光を行う請求項2〜11のいずれか一項に記載の露光方法。
  13. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して走査して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、
    前記複数の行のうちの一の行に属する複数の前記領域に対する露光が、前記基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、
    前記一の行で最後に露光される前記領域に対して、前記一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記最後に露光される前記領域に対して前記第2方向にずれているときに、
    前記最初に露光される前記領域に対する露光時の前記基板に対する前記液浸領域の相対的な走査方向が、前記基板の外側から前記基板に向かう露光方法。
  14. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して走査して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、
    前記複数の行のうちの一の行に属する複数の前記領域に対する露光が、前記基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、
    前記一の行で最後に露光される前記領域に対して、前記一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記最後に露光される前記領域に対して前記第2方向にずれているときに、前記第2方向に沿って前記基板の内側から外側に向かう方向に、前記領域の前記第2方向における幅のN倍(Nは2以上の整数)だけずれているとき、
    前記一の行の前記最後に露光される前記領域に隣接してダミー領域を(N−1)個付加し、
    (N−1)個の前記ダミー領域に対して前記液浸領域を介して走査する動作を行った後、前記二の行の領域で前記最初に露光される領域に対する露光を行う露光方法。
  15. 前記複数の領域は、第1群に属する領域と、前記第1群に隣接する第2群に属する領域に分けられ、
    前記第1群に属する領域の露光が完了した後に、前記第2群に属する領域に対する露光が行われる請求項13または14に記載の露光方法。
  16. 前記第1群の領域と前記第2群の領域との間に仮想的な分割線が設定されている請求項15に記載の露光方法。
  17. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域のうち、第1方向に配列された複数行の前記領域を含む第1群の領域に関して順次露光することと、
    前記複数の領域のうち、前記第1群の領域に隣接するとともに、前記第1方向に配列された複数行の前記領域を含む第2群の領域に関して順次露光することと、を含み、
    前記第1群の領域と前記第2群の領域とを分ける仮想的な分割線が、少なくとも一部の前記分割線により同一の行における前記第1群に属する領域の数と前記第2群に属する領域の数とが異なるように、設定されている露光方法。
  18. 少なくとも一部が階段状となるように前記分割線が設定されている請求項16または17に記載の露光方法。
  19. 前記分割線により、前記第1方向に沿って段階的に前記第1群に属する各行の領域の数が増加または減少する請求項16〜18のいずれか一項に記載の露光方法。
  20. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、
    前記複数の領域のうち、前記第1方向に配列された複数行の前記領域を含む第1群の領域に関して順次露光を行うことと、
    前記複数の領域のうち、前記第1群の領域に隣接するとともに、前記第1方向に配列された複数行の前記領域を含む第2群の領域に関して順次露光を行うことと、を含み、
    前記第1群に属する行の数と、前記第2群に属する行の数が異なるように、前記第1群の領域と前記第2群の領域とを分ける仮想的な分割線が設定されている露光方法。
  21. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域のうち最後に露光する領域における前記液浸領域の相対的な走査方向が前記基板の外側から内側に向かう方向となるように、前記最後に露光する領域が属する行の最初または最後にダミー領域を付加する露光方法。
  22. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、
    前記複数の行のうちの一の行に属する複数の前記領域に対する露光が、前記基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、
    前記一の行で最後に露光される前記領域に対して、前記一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記最後に露光される前記領域に対して前記第2方向にずれているとき、
    前記一の行で最後に前記液浸領域が走査される領域と、前記二の行の最初に前記液浸領域で走査される領域とが前記第2方向に沿って同じ位置になるように、前記一の行のいずれかの位置にダミー領域が配置される露光方法。
  23. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域のうち最初に露光される領域に対する前記液浸領域の相対的な走査方向が、前記基板の外側から内側に向かう方向となるように、前記最初に露光される領域に隣接してダミー領域が配置される露光方法。
  24. 基板上の複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、
    前記複数の領域うち一の行に属する複数の前記領域に対する露光が、前記基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、
    前記一の行で最後に露光される前記領域での前記液浸領域の相対的な走査方向と、前記一の行に隣接する二の行の領域内で最初に露光される前記領域での前記液浸領域の相対的な前記走査方向とが同一の方向となる場合に、前記最後に露光される前記領域と前記最初に露光される領域との間にダミー領域が配置される露光方法。
  25. 前記ダミー領域は複数個配置される請求項24に記載の露光方法。
  26. 基板の表面に配列された複数の領域を、露光光によって液浸領域を介して順次露光する露光方法であって、
    前記複数の領域は、第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされ、
    前記複数の領域のうち一の行に属する複数の前記領域に対する露光が、前記基板の内側から外側に向かって順次行われるとともに、
    前記一の行に属する前記領域の前記第2方向における幅と、前記一の行に隣接する二の行に属する前記領域の前記第2方向における幅とが異なるとき、前記一の行のうち最後に露光される領域に隣接する第1ダミー領域と、前記二の行のうち最初に露光される領域に隣接する第2ダミー領域とが、それぞれ配置される露光方法。
  27. 前記基板は、直径が300〜450mmの円板状である請求項1〜26のいずれか一項に記載の露光方法。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板の感光層にパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
  29. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び液浸領域を介して、基板上の複数の領域を順次露光する露光装置において、
    前記基板を保持して移動するステージと、
    複数のショット領域の配列を規定する配列情報を記憶する記憶部と、
    前記配列情報に従って前記ステージを駆動して、前記基板と前記液浸領域とを相対移動させながら複数の前記領域の露光を制御する制御部と、を備え、
    前記配列情報に含まれる第1配列に属する複数の領域に対し、前記液浸領域を介して順次走査して露光を行う第1露光処理と、
    前記第1露光処理の後に、前記第1配列と異なる第2配列に属する複数の領域に対し、前記液浸領域を介して順次走査して露光を行う第2露光処理と、
    前記第2露光処理の後に、前記第1配列に属する領域であって前記第1露光処理で露光した領域と異なる領域に対し、前記液浸領域を介して順次走査して露光する第3露光処理と、
    を行う露光装置。
  30. 前記配列情報を含む露光マップにおいて、前記複数のショット領域は第1方向に沿って配列された複数の行と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配列された複数の列とで区分けされてなり、
    前記第1配列および前記第2配列は、前記複数の行のうちそれぞれ異なる行に属する請求項29に記載の露光装置。
  31. 前記露光マップは、
    前記第1行に属する一部の領域を含む第1群の領域で最初に露光される領域と、前記第1行に属する前記異なる領域を含む第2群の領域で最初に露光される領域とが、それぞれ異なる行に配置されるよう設定されている請求項30に記載の露光装置。
  32. 前記第1群の領域と前記第2群の領域とを分ける仮想的な分割線が設定される請求項31に記載の露光装置。
  33. 前記基板上に配列される各行に属する前記領域のうち、前記走査する方向における端部の行を除く複数行の前記領域に関して、前記走査する方向に直交する方向に沿った一方の端部側の前記領域が前記第1群に属し、前記走査する方向に直交する方向に沿った他方の端部側の前記領域が前記第2群に属するように前記分割線が設定される請求項32に記載の露光装置。
  34. 前記第1群又は前記第2群の領域内のうち前記第1方向に隣接する第1行及び第2行の領域に順次露光するときに、
    前記第1行の領域の露光が、前記基板の内側から外側に向かって行われるとともに、前記第1行の領域内で最後に露光される前記領域に対して、前記第2行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記最後に露光される前記領域に対して前記走査する方向と直交する方向にずれているときに、
    前記露光マップは、
    前記最初に露光される前記領域に対する露光時の前記基板に対する前記液浸領域の相対的な走査方向が、前記基板の外側から内側に向かうように、前記第1群の領域と前記第2群の領域とを分ける前記分割線が設定されている請求項33に記載の露光装置。
  35. 前記第1群又は前記第2群の領域内のうち前記第1方向に隣接する第1行及び第2行の領域に順次露光するときに、
    前記第1行の領域の露光が、前記基板の内側から外側に向かって行われるとともに、前記第1行の領域内で最後に露光される前記領域に対して、前記第2行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記最後に露光される前記領域に対して前記走査する方向と直交する方向にずれているとともに、
    前記最後に露光される前記領域に対する露光時の前記基板に対する前記液浸領域の相対的な走査方向が、前記基板の外側から内側に向かうときに、
    前記露光マップは、
    前記第1行の前記最後に露光される前記領域に隣接してダミー領域が付加され、
    前記ダミー領域に対して前記液浸領域を前記基板の内側から外側に相対的に走査した後、
    前記第2行の領域の露光を行うように設定されている請求項33に記載の露光装置。
  36. 前記複数の領域の行数が奇数であるとき、
    前記第1群の領域と前記第2群の領域とを分ける前記分割線が階段状に設定される請求項32〜35のいずれか一項に記載の露光装置。
  37. 前記第1行の領域内で最後に露光される前記領域に対して、前記第2行の領域内で最初に露光される前記領域が、前記走査する方向と直交する方向に沿って前記基板の内側から外側に向かう方向に、前記領域の前記直交する方向の幅のN倍(Nは2以上の整数)だけずれているとき、
    前記露光マップは、
    前記第1行の前記最後に露光される前記領域に隣接してダミー領域が(N−1)個付加され、
    (N−1)個の前記ダミー領域に対して前記液浸領域を介して走査露光動作を行った後、前記第2行の領域の露光を行うように設定されている請求項30〜36のいずれか一項に記載の露光装置。
  38. 前記第2群の領域内で最後に露光される前記領域を露光する際の前記液浸領域の相対的な走査方向が前記基板の内側から外側に向かうときに、
    前記露光マップは、
    前記最後に露光される前記領域に前記第2方向に隣接してダミー領域が付加され、
    前記ダミー領域に対して前記液浸領域を前記基板の外側から内側に相対的に走査した後、前記液浸領域を前記基板から離脱させるように設定されている請求項31〜36のいずれか一項に記載の露光装置。
  39. 前記露光マップは、
    前記第1群の領域内で最初に露光される前記領域を露光する際の前記液浸領域の相対的な走査方向が前記基板の外側から内側に向かうように、前記相対的な走査方向が設定されている請求項31〜36のいずれか一項に記載の露光装置。
  40. 前記第1行の領域への露光と、前記第2行の領域への露光との間に、前記液浸領域と前記基板との相対移動がほぼ停止する期間があるとともに、
    前記第1行の領域で最後に露光される前記領域に対する露光時に、前記液浸領域が前記基板に対して前記基板の外側から内側に向かう方向に相対的に走査されるときに、
    前記露光マップは、
    前記最後に露光される前記領域、又は前記第2行の領域で最初に露光される前記領域に隣接してダミー領域が付加され、
    前記液浸領域と前記基板との相対移動がほぼ停止する期間の後で、
    前記ダミー領域に対して前記液浸領域を前記基板の外側から内側に向かう方向に相対的に走査した後、前記第2行の領域の露光を行うように設定されている請求項30〜39のいずれか一項に記載の露光装置。
  41. 請求項29〜40のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板の感光層にパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
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