JP2015203378A - 内燃機関のインバランス率学習装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関10の各気筒において燃焼に供される混合気同士の空燃比のばらつき度合いであるインバランス率を高精度に学習すること。【解決手段】WGR32を固定した状態で、空燃比センサ50の出力値VAFの傾きを算出する。そして、算出された傾きを、内燃機関10の回転速度と負荷とによって補正することで、気筒間の空燃比のばらつき度合いを定量化したインバランス率を算出する。インバランス率に基づき、目標空燃比に対応した空燃比センサ50の出力値VAF0がリッチ側に補正される。メインフィードバック制御部M12では、空燃比センサ50の出力値VAFを目標値VAF*にフィードバック制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、過給機と、過給機のタービンを迂回する経路の流路面積を調整するウェストゲートバルブとを備えた多気筒内燃機関に適用される多気筒内燃機関のインバランス率学習装置に関する。
たとえば特許文献1には、ウェストゲートバルブを全開状態としたときの空燃比センサの出力波形の傾きに基づき、内燃機関の各気筒において燃焼に供される混合気の空燃比のインバランス異常を判定する異常診断装置が記載されている。この装置は、ウェストゲートバルブを全開状態とすることで、空燃比センサに到達する排気の大部分をタービンを迂回した排気とすることで、インバランスの影響が空燃比センサの出力波形に大きく現れることを狙ったものである。
特開2011−185159号公報
ところで、空燃比センサの傾きは、内燃機関の回転速度や負荷に応じて変動する。このため、インバランスが生じた場合に、これを補償する制御をするためにインバランス率を学習値として数値化する場合、回転速度や負荷に応じてインバランス率が変化する。このため、回転速度や負荷の影響により、インバランス率の学習精度が低下するおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、多気筒内燃機関の各気筒において燃焼に供される混合気同士の空燃比のばらつき度合いであるインバランス率を高精度に学習することのできる多気筒内燃機関のインバランス率学習装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
技術的思想1:過給機と、過給機のタービンを迂回する経路の流路面積を調整するウェストゲートバルブとを備えた多気筒内燃機関に適用され、前記ウェストゲートバルブの開口度を固定する固定処理部と、該固定処理部によって前記開口度が固定された状態における前記ウェストゲートバルブの下流に設けられた空燃比センサの出力の傾きに基づき、前記多気筒内燃機関の各気筒において燃焼に供される混合気同士の空燃比のばらつき度合いであるインバランス率を学習する学習処理部とを備え、前記学習処理部は、前記傾きに基づきインバランス率を学習するに際し、前記多気筒内燃機関の回転速度および負荷を加味する多気筒内燃機関のインバランス率学習装置。
インバランス率が同一であったとしても、回転速度や負荷に応じて空燃比センサの出力の傾きは変動する。この点に鑑み、上記装置では、空燃比センサの出力の傾きに基づきインバランス率を学習するに際し、回転速度および負荷が加味される。これにより、学習されるインバランス率から、空燃比センサの出力の傾きに対する回転速度や負荷の影響を抑制することができる。このため、多気筒内燃機関の各気筒において燃焼に供される混合気同士の空燃比のばらつき度合いであるインバランス率を高精度に学習することができる。
一実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるインバランス率の学習処理の手順を示す流れ図。
以下、内燃機関のインバランス率学習装置を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、内燃機関10には複数の気筒が設けられており、シリンダヘッド12には各気筒に対応させてインジェクタ14がそれぞれ設けられている。インジェクタ14は、気筒内の燃焼室に燃料を噴射供給する。また、シリンダヘッド12には新気を気筒内に導入するための吸気ポートと、燃焼ガスを気筒外へ排出するための排気ポートとが各気筒に対応してそれぞれ設けられている。各気筒の燃焼室では、燃料および新気からなる混合気が点火プラグの火花点火によって着火されて燃焼に供される。
吸気ポートにはインテークマニホールド16が接続されている。インテークマニホールド16は吸気通路18に接続されている。吸気通路18内にはその流路断面積を調整するスロットルバルブ20が設けられている。
排気ポートにはエキゾーストマニホールド22が接続されている。エキゾーストマニホールド22は排気通路24に接続されている。
排気通路24の途中には、排気を利用して気筒に導入される吸入空気を過給する過給機26が設けられている。詳しくは、過給機26は、コンプレッサ26aおよびタービン26bを備え、排気通路24の途中には、排気によって回転するタービン26bが設けられている。一方、コンプレッサ26aは、吸入空気を過給するものであり、吸気通路18の途中に設けられている。
過給機26の排気上流側と排気下流側とは、バイパス通路30にて連通されており、このバイパス通路30の途中には、同バイパス通路30を開閉するウェストゲートバルブ(WGV)32が設けられている。WGV32の開口度が大きくなるほど、バイパス通路30を流れる排気の量、つまりタービン26bを迂回して流れる排気の量が多くなり、過給圧は低下する。
コンプレッサ26aとスロットルバルブ20との間の吸気通路18にはインタークーラ19が設けられている。インタークーラ19によって、過給機26の過給により温度上昇した吸入空気が冷却される。
また、排気通路24の途中にあって、過給機26のタービン26bよりも排気下流側には、排気を浄化するコンバータ40が設けられている。コンバータ40の内部には、排気浄化用の触媒42(三元触媒)が配設されている。
過給機26のタービン26bとコンバータ40との間であってWGV32の下流側の排気通路24には、空燃比センサ50が設けられている。空燃比センサ50は、排気中の酸素濃度を感知し、混合気の空燃比に応じて出力値を略リニアに変化させるセンサである。また、排気通路24のうちコンバータ40の下流側には、酸素センサ52が設けられている。酸素センサ52は、排気中の酸素濃度を感知し、混合気の空燃比が目標空燃比よりもリーンであるかリッチであるかに応じて出力値を急激に変化させるセンサである。
上記空燃比センサ50の出力信号や、酸素センサ52の出力信号は、制御装置60に入力される。制御装置60は、内燃機関10を制御対象とし、混合気の空燃比を制御量とする制御装置である。以下、これについて説明する。なお、図1においては、制御装置60が実行する処理のうち、空燃比に関する制御の一部をブロック図として示している。
基本噴射量算出部M10は、図示しないアクセルペダルの操作量等に基づき、インジェクタ14の噴射量の基本値(基本噴射量Qbase)を算出する。メインフィードバック制御部M12は、空燃比センサ50の出力値VAFを目標値VAF*にフィードバック制御するための操作量として、基本噴射量Qbaseを補正する補正量Kmを算出する。
噴射量補正部M14は、基本噴射量Qbaseを補正量Kmによって補正する。そして、インジェクタ操作部M16は、補正量Kmによって補正された基本噴射量Qbaseに基づき、インジェクタ14の操作量TQを算出し、同操作量TQをインジェクタ14に出力する。これにより、インジェクタ14から上記補正された基本噴射量Qbaseの燃料が噴射される。
サブフィードバック制御部M18は、酸素センサ52の出力値に基づき実際の空燃比を理論空燃比に制御するための操作量としての補正量Ksを算出する。
インバランス率学習処理部M20は、空燃比センサ50の出力値VAFの傾きに基づき、内燃機関10のうちの一部の気筒における混合気の空燃比が他の気筒における混合気の空燃比に対してリッチ側にずれる度合いであるインバランス率IRを学習する。そして、学習されたインバランス率IRに応じて、補正量Kiを算出する。補正量Kiは、一部の気筒における混合気の空燃比が他の気筒における混合気の空燃比に対してリッチ側にずれることに起因して、空燃比センサ50の出力値VAFが全気筒における混合気の平均空燃比よりもリッチ側の値となることに鑑みたものである。このため、補正量Kiは、インバランス率IRが大きいほど、目標値VAF*をよりリッチ側の値とする量とされる。なお、インバランス率学習処理部M20は、学習したインバランス率IRが、補正量Kiを用いても排気特性を許容範囲に収めることができないおそれがある値である場合には、図示しないインターフェースを通じて外部にその旨を通知する機能を有する。
目標値補正部M22は、全気筒における混合気の空燃比が理論空燃比であるときの空燃比センサ50の出力値VAF0を、補正量Ksおよび補正量Kiによって補正することで、目標値VAF*を算出する。偏差算出部M24は、空燃比センサ50の出力値VAFに対する目標値VAF*の差を算出し、メインフィードバック制御部M12に出力する。
WGV操作部M26は、実際の過給圧を要求過給圧に制御するためにWGV32の開口度θを操作する。詳しくは、要求過給圧に応じて開口度θを設定し、設定した開口度θとするための操作信号MθをWGV32に出力する。ここで、要求過給圧は、図示しないアクセルペダルの操作量に応じて定まる要求トルクと、内燃機関10の回転速度とに基づき設定される。また、開口度θの制御は、フィードバック制御であることが望ましい。すなわち、図示しない開口度センサを備え、開口度センサの検出値を要求過給圧に応じて設定される値にフィードバック制御することが望ましい。ただし、開口度センサを備えず、WGV32に流す電流量や、バイパス通路30内の圧力と開口度との関係を示すマップを備えることで、電流量や圧力から実際の開口度を把握してもよい。
また、WGV操作部M26は、インバランス率学習処理部M20がインバランス率IRを学習する処理を実行する場合には、インバランス率学習処理部M20の指令により、開口度θを所定の開口度θ0に固定する。次に、インバランス率IRの学習処理について説明する。
図2に、本実施形態にかかるインバランス率IRの学習処理の手順を示す。この処理は、インバランス率学習処理部M20によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理においては、まずインバランス率学習処理部M20は、インバランス率の学習処理の前提条件が成立したか否かを判断する(S10)。本実施形態では、前提条件を、以下の各条件が成立することとする。
(a)空燃比センサ50が活性化していること。これは、インバランス率IRの学習処理が空燃比センサ50の出力値VAFを入力としてなされることに鑑みて設けられたものである。空燃比センサ50が活性化していることを条件とすることで、学習処理の精度を高く維持することが可能となる。
(b)パージ量が所定値以下であること。これは、パージ量が多い場合、インジェクタ14の個体差や経年変化等に起因した気筒間の空燃比のばらつきを空燃比センサ50の出力値VAFによって検出することが困難となることに鑑みて設けられたものである。上記所定値は、インジェクタ14の個体差や経年変化等に起因した気筒間の空燃比のばらつきを要求される精度で検出可能な値に設定される。
(c)フューエルカットからの復帰後、所定時間以上経過していること。これは、フューエルカットからの復帰直後には、内燃機関10における燃焼が安定しないおそれがあることに鑑みたものである。燃焼が安定することを条件とすることで、空燃比センサ50の出力値VAFに基づきインバランス率IRを高精度に学習することが可能となる。なお、所定時間は、燃焼が安定すると想定される時間に設定される。
(d)内燃機関10の回転速度が上限値および下限値によって規定される所定の速度領域内にあること。これは、気筒間の混合気の空燃比にばらつきが生じる場合に、空燃比センサ50の出力値VAFにその影響が顕著に表れる領域において学習を行うためのものである。すなわち、内燃機関10の回転速度が高回転となる場合、気筒間の混合気の空燃比のばらつきに起因した出力値VAFのリッチ側への周期的な変化が生じにくくなる。上記所定の速度領域は、気筒間の空燃比のばらつきに起因した出力値VAFのリッチ側への周期的な変化が生じにくくなる高回転領域を含まないように設定される。
(e)内燃機関10の負荷率が上限値および下限値によって規定される所定の領域内にあること。これは、気筒間で空燃比にばらつきが生じる場合に、空燃比センサ50の出力値VAFにその影響が顕著に表れる領域において学習を行うためのものである。すなわち、負荷率が高い場合、噴射量が多くなることから、負荷率が低い場合と比較して、気筒間のインジェクタ14の噴射量ばらつきの影響が空燃比センサ50の出力値VAFに顕著に現れる。上記所定の領域は、気筒間のインジェクタ14の噴射量ばらつきの影響が空燃比センサ50の出力値VAFに顕著に現れる領域に設定される。なお、負荷率とは、内燃機関10の回転速度および気筒内への吸入新気量を所与とした場合について、内燃機関10が与えられた回転速度でスロットルバルブ20を全開として定常運転しているときの気筒内への吸入新気量を基準「1」とした場合の上記所与の吸入新気量の比率である。
インバランス率学習処理部M20は、前提条件が成立すると判断する場合(S10:YES)、WGV32の開口度θを所定の開口度θ0に固定する(S12)。すなわち、WGV操作部M26に開口度θを所定の開口度θ0に固定するように指示する。ここで、所定の開口度θ0は、インバランス率IRの学習精度を向上させる上で適切な値となるように、極力大きい値に設定する。すなわち、開口度θが小さい場合、タービン26bを通過する排気量が増加し、タービン26bを通過する排気量が増加する場合には、空燃比センサ50に到達する排気が、各気筒から排出される排気が混ざり合ったものとなりやすくなる。そしてこの場合には、空燃比センサ50の出力値VAFに、気筒間の空燃比のばらつきの影響が現れにくくなる。
また、この処理においてWGV32の開口度θを固定するのは、WGV32の開口度θの変化による空燃比センサ50の出力値VAFの変動を回避するためである。すなわち、WGV32の開口度θが変化すると、空燃比センサ50への排気の当たり方が変化する。そして、排気の当たり方が変化すると、気筒間の空燃比ばらつきに起因した空燃比センサ50の出力値VAFの傾きが変化する。
次にインバランス率学習処理部M20は、空燃比センサ50の出力値VAFが周期的にリッチ側にずれる現象が生じる場合に、リッチ側にずれる際の出力値VAFの傾きΔVAFを算出する(S14)。なお、リッチ側へのずれが生じていない場合には、傾きΔVAFはゼロとされる。
そしてインバランス率学習処理部M20は、上記傾きΔVAFに補正係数Kを乗算することで、インバランス率IRを算出する(S16)。ここで、補正係数Kは、内燃機関10の回転速度と、負荷とに基づき算出される。ここで、傾きΔVAFを回転速度に基づき補正するのは、気筒間の空燃比のばらつきが同一であっても、傾きΔVAFが回転速度に応じて変化するためである。また、傾きΔVAFを負荷に応じて補正するのは、気筒間の空燃比のばらつきが同一であっても、傾きΔVAFが負荷に応じて変化するためである。なお、傾きΔVAFは、基本的には、低回転速度且つ高負荷の領域において他の領域よりも大きくなる傾向がある。ちなみに、上記負荷としては、負荷率や、トルク、吸入空気量、噴射量等を用いることができる。
こうしてインバランス率IRの学習が完了すると、インバランス率学習処理部M20は、WGV32の開口度θを所定の開口度θ0に固定する処理を解除する(S18)。すなわち、インバランス率学習処理部M20は、WGV操作部M26に、所定の開口度θ0への固定の指令を解除する旨を通知する。これにより、WGV操作部M26では、要求過給圧に応じて開口度θを制御する。
なお、インバランス率学習処理部M20は、ステップS18の処理が完了する場合や、ステップS10において否定判断する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に本実施形態の作用を説明する。
インバランス率学習の前提条件が成立すると、WGV32の開口度θが所定の開口度θ0に固定される。そして、空燃比センサ50の出力値VAFの傾きΔVAFが検出される。そして、傾きΔVAFが検出されたときの内燃機関10の回転速度と負荷とに基づき傾きΔVAFが補正されることで、インバランス率IRが算出される。これにより、以後、学習されたインバランス率IRに基づき、目標値VAF*が補正される。ここで、インバランス率IRが大きいほど、空燃比センサ50の出力値VAFは、実際の空燃比よりもリッチ側にずれるため、インバランス率IRに基づく目標値VAF*の補正がなされない場合には、メインフィードバック制御部M12によって、実際の空燃比が目標空燃比よりもリーン側の空燃比に制御される。これに対し、インバランス率IRに基づく目標値VAF*が出力値VAF0よりもリッチ側に補正されることで、空燃比センサ50の出力値VAFが目標空燃比に対応した出力値VAF0よりもリッチ側の値に制御される。これにより、実際の空燃比を目標空燃比に近づけることができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)WGV32の開口度θが所定の開口度θ0に固定された状態で検出された傾きΔVAFを、回転速度および負荷によって補正することでインバランス率IRを算出した。これにより、回転速度や負荷によって傾きΔVAFが変動する場合であっても、インバランス率IRを、気筒間の空燃比のばらつき度合いを表現するに際して回転速度や負荷の影響が低減された量とすることが可能となり、ひいては学習されたインバランス率IRの精度を向上させることができる。
(2)精度のよいインバランス率IRに基づき燃料噴射制御を補正することで、インジェクタ14の異常の誤検出を十分に抑制することができる。すなわち、インバランス率IRの学習精度が低い場合には、排気特性が許容範囲から外れるおそれのあるインバランス率IRのしきい値を低く設定する必要が生じる。そして、この場合、インジェクタ14に許容される公差等に起因してインバランス率IRがしきい値を超えると判断されるおそれがある。これに対し、精度の良いインバランス率IRを用いて燃料噴射制御を補正する場合、排気特性が許容範囲からはずれる事態が生じるおそれがあるのは、インジェクタ14の噴射特性が大きく変化する異常が生じた場合に限られることとなり、しきい値を大きい値に設定することが可能となる。
(3)精度のよいインバランス率IRに基づき燃料噴射制御を補正することで、コストアップや内燃機関10の出力低下を抑制することができる。すなわち、傾きΔVAFを補正する処理を行うことなくインバランス率IRを算出する場合、インバランス率IRの精度を向上させる一手法は、空燃比センサ50の応答性を高めることであるが、これは、個体差のばらつきとして許容される範囲を狭める必要を生じさせ、ひいては空燃比センサ50のコストアップを招く。また、インバランス率IRの算出精度を高めるべく、空燃比センサ50への排気の当たり方を上記算出にとって理想的なものに近づけるために排気通路24の流路面積を縮小する場合には、背圧が上昇し、内燃機関10の出力低下につながる。
<技術的思想と実施形態との対応>
以下、上記「課題を解決するための手段」に記載された技術的思想と、実施形態との代表的な対応関係を記載する。
[技術的思想1:迂回する経路…30、固定処理部…S12、学習処理部…S16]
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「固定処理部について」
上記実施形態では、学習のためのWGV32の開口度を、単一の値としたが、これに限らない。たとえば複数の値を予め用意しておき、上記前提条件が成立する場合、そのときの運転領域に応じて最も適切な値に固定するようにしてもよい。なお、この場合、インバランス率IRの補正係数Kを、開口度θに応じて可変設定することが望ましい。
・「学習処理部について」
補正係数Kを傾きΔVAFに乗算することでインバランス率IRを算出するものに限らない。たとえば、傾きΔVAF、回転速度、および負荷の3つのパラメータと、インバランス率IRとの関係を定めた3次元マップを用いてインバランス率IRを算出するものであってもよい。
・「インバランス率IRの利用法について」
目標値VAF*を補正する補正量Kiの算出に利用するものに限らず、たとえば、偏差算出部M24に入力される空燃比センサ50の出力値VAFや、偏差算出部M24の出力値を補正する補正量の算出に利用するものであってもよい。また、メインフィードバック制御部M12の入力を補正する補正量の算出に利用されるものにも限らず、たとえば、基本噴射量Qbaseを直接補正する補正量の算出に利用されるものであってもよい。
・「学習処理の前提条件について」
上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば上記(d)において、回転速度の上限値のみを定め、上記(e)において負荷率の下限値のみを定めてもよい。また、たとえば、上記(e)において、負荷率に代えて、トルク、噴射量、および吸入空気量のいずれかを用いてもよい。
・「そのほか」
排気通路24のうち空燃比センサ50の上流側の流路断面積を可変にできる装置を搭載してもよい。この場合、インバランス率IRの学習処理時には、流路断面積を小さくして、空燃比センサ50への排気の当たり方をインバランス率IRの算出にとって理想的なものとすることができる。一方、内燃機関10に高出力が要求される時には、流路断面積を最大化することで、内燃機関10の出力を最大化することができる。
また、たとえば過給機26のうちタービン26bの下流にバルブを備えてもよい。この場合、インバランス率IRの学習に際しては、バルブを閉じることで、空燃比センサ50に到達する排気の全てを、バイパス通路30を通過したものとすることができる。
内燃機関10としては、4気筒のものに限らない。
θ…開口度、K…補正係数、IR…インバランス率、Ki,Km,Ks…補正量、Mθ…操作信号、M10…基本噴射量算出部、M12…メインフィードバック制御部、M14…噴射量補正部、M16…インジェクタ操作部、M18…サブフィードバック制御部、M20…インバランス率学習処理部、M22…目標値補正部、M24…偏差算出部、M26…WGV操作部、VAF*…目標値、10…内燃機関、12…シリンダヘッド、14…インジェクタ、16…インテークマニホールド、18…吸気通路、19…インタークーラ、20…スロットルバルブ、22…エキゾーストマニホールド、24…排気通路、26…過給機、26a…コンプレッサ、26b…タービン、30…バイパス通路、32…WGV、40…コンバータ、42…触媒、50…空燃比センサ、52…酸素センサ、60…制御装置。

Claims (1)

  1. 過給機と、過給機のタービンを迂回する経路の流路面積を調整するウェストゲートバルブとを備えた多気筒内燃機関に適用され、
    前記ウェストゲートバルブの開口度を固定する固定処理部と、
    該固定処理部によって前記開口度が固定された状態における前記ウェストゲートバルブの下流に設けられた空燃比センサの出力の傾きに基づき、前記多気筒内燃機関の各気筒において燃焼に供される混合気同士の空燃比のばらつき度合いであるインバランス率を学習する学習処理部とを備え、
    前記学習処理部は、前記傾きに基づきインバランス率を学習するに際し、前記多気筒内燃機関の回転速度および負荷を加味する多気筒内燃機関のインバランス率学習装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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