JP2015203231A - コンクリートポール - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも高い変形性能すなわち、高じん性能を有するコンクリートポールを提供する。
【解決手段】コンクリートポール11は、外径300〜450mmの円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体12と、このコンクリート本体12の内部に円周状に配列された複数の緊張鋼材13と、これらの緊張鋼材13の間に配列された複数の耐圧縮鉄筋14と、上記各緊張鋼材13および上記各耐圧縮鉄筋14の周囲を拘束するらせん筋15とを具備している。
【選択図】図1
【解決手段】コンクリートポール11は、外径300〜450mmの円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体12と、このコンクリート本体12の内部に円周状に配列された複数の緊張鋼材13と、これらの緊張鋼材13の間に配列された複数の耐圧縮鉄筋14と、上記各緊張鋼材13および上記各耐圧縮鉄筋14の周囲を拘束するらせん筋15とを具備している。
【選択図】図1
Description
本発明は、高い変形性能(じん性能)を有するコンクリートポールに関するものである。
従来のコンクリートポールは、PC構造が主で、主鉄筋として緊張鋼材(PC鋼材)および非緊張鋼材と、これらの主鉄筋の周囲をらせん筋で拘束した配筋となっている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図2に示されたコンクリートポール1は、コンクリート本体2と、緊張鋼材(PC鋼材)3と、この緊張鋼材3に対し同程度の径を有するとともに3本対1本の割合で配置された非緊張鋼材4と、らせん筋5とで構成されている。
JIS規格や大口使用者(電力、通信)からのコンクリートポールに対しての要求性能は、風荷重作用時のひび割れ幅が0.25mm以下であること、および破壊荷重が設計荷重の2倍で破壊しないことが規定されている。
そして、鉄道向けコンクリートポールについては、上記要求性能以外に風荷重作用時のポールの変位量についてもJISにより規定されている。しかし、破壊形態や繰り返し荷重がコンクリートポールに作用した場合の変形性能についての規定は無い。
東日本大震災では、鉄道電化柱としてのコンクリートポールが大地震により発生した力によって折損したため、災害復旧に手間を要した。
これは、現状のコンクリートポールの主構造であるPC構造では、ポール破壊時に圧縮側コンクリートがぜい性的な破壊形態となることが影響している。
そこで、東日本大震災クラスの大地震時(以下、単に大地震時という)にも高い変形性能を有する、高じん性能のコンクリートポールが求められている。
しかし、現状では、このようなコンクリートポールが存在しないため、鋼管ポールが使用されている。
この鋼管ポールは、コンクリートポールと比較して、高価であることおよび鋼管の防錆対策を施す必要があるなどの問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、従来よりも高い変形性能すなわち、高じん性能を有するコンクリートポールを提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体と、このコンクリート本体の内部に円周状に配列された複数の緊張鋼材と、これらの緊張鋼材の間に配列された複数の耐圧縮鉄筋と、上記各緊張鋼材および上記各耐圧縮鉄筋の周囲を拘束するらせん筋とを具備したコンクリートポールである。
請求項2に記載された発明は、外径300〜450mmの円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体と、このコンクリート本体の内部に円周状に配列された複数の緊張鋼材と、これらの緊張鋼材の間に配列された複数の耐圧縮鉄筋と、上記各緊張鋼材および上記各耐圧縮鉄筋の周囲を拘束するらせん筋とを具備したコンクリートポールである。
請求項3に記載された発明は、請求項2記載のコンクリートポールにおいて、現行の鉄道電化柱として用いられるコンクリートポールが耐え得る破壊強度と同程度の破壊強度に設定したコンクリートポールである。
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれか記載のコンクリートポールにおける耐圧縮鉄筋を、直径25mm、22mmまたは19mmの異形鉄筋としたコンクリートポールである。
請求項1記載の発明によれば、コンクリート本体と、緊張鋼材と、らせん筋とからなるコンクリートポールに耐圧縮鉄筋を適用してPRC構造とすることにより、現行コンクリートポールと比較して、じん性能の大幅な増加を図ることができる。また、この耐圧縮鉄筋を用いたコンクリートポールは、耐圧縮鉄筋によりコンクリート本体の耐圧縮力を補完するのみならず、耐圧縮鉄筋による座屈耐力の向上により、ぜい性的な破壊を起こさないので、大地震時に部分的に損壊箇所が生じた場合でも、災害復旧が容易である。よって、鋼管ポールより安価かつメンテナンスフリーで高じん性能を有するコンクリートポールを提供できる。
請求項2記載の発明によれば、外径300〜450mmの円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体と、緊張鋼材と、らせん筋とからなるコンクリートポールに耐圧縮鉄筋を適用してPRC構造とすることにより、鉄道電化柱として好適なコンクリートポールを提供でき、現行の鉄道電化柱と比較して、じん性能の大幅な増加を図ることができ、大地震時に鉄道電化柱が部分的に損壊した場合でも、耐圧縮鉄筋による座屈耐力の向上により、ぜい性的な破壊を起こさないので、部分的に補修することにより鉄道の迅速な災害復旧に役立ち、かつ、鋼管ポールより安価でメンテナンスフリーの鉄道用コンクリートポールを提供できる。
請求項3記載の発明によれば、現行の鉄道電化柱として用いられるコンクリートポールと比較して、じん性能が大幅に増加するとともに、現行の鉄道電化柱が耐え得る破壊強度と同程度の破壊強度に設定したコンクリートポールは、大地震時に頑強過ぎる鉄道電化柱が鉄道高架橋などの鉄道施設を破損してしまうおそれを防止できる。
請求項4記載の発明によれば、直径25mm、22mmまたは19mmの異形鉄筋は、耐圧縮鉄筋として十分な耐圧縮性能を有するのみならず、座屈抵抗材として十分な太さを有しており、大地震時などの発生時でもコンクリートポール破壊時の座屈に耐え得るので、高じん性能を発揮できるとともに、コンクリート最小かぶりも確保できる径である。
以下、本発明を、図1に示された一実施の形態と、図3乃至図8に示された比較試験とに基いて詳細に説明する。
高じん性コンクリートポールとするために、構造はPRC構造とする。
すなわち、図1に示されたコンクリートポール11は、外径300〜450mmの円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体12と、このコンクリート本体12の内部に円周状に配列された複数の緊張鋼材13と、これらの緊張鋼材13の間に配列された複数の耐圧縮鉄筋14と、上記各緊張鋼材13および上記各耐圧縮鉄筋14の周囲を拘束するらせん筋15とを具備している。
例えば、コンクリート本体12の外径が400mmで、壁厚が70mmの場合、緊張鋼材13は、直径10mmのPC鋼材であり、耐圧縮鉄筋14は、直径25mm、22mmまたは19mmの異形鉄筋(例えば材質SD345)であり、これらの緊張鋼材13と耐圧縮鉄筋14とを交互に8本ずつ配置する。また、らせん筋15は、径6.5mmの高強度鉄筋(例えば、降伏点685N/mm2以上、引張強度800N/mm2以上の高強度らせん用線材)を100mm間隔で巻き付ける。
このように、主鉄筋は緊張鋼材(PC鋼材)13と太径の耐圧縮鉄筋(異形鉄筋)14の組み合わせとし、らせん筋15は高強度鉄筋を用いて、荷重作用時の圧縮側鉄筋の座屈を防止する。
また、このコンクリートポール11の破壊強度を上げ過ぎると、東日本大震災時の最大震度7クラスの大地震時(以下、単に大地震時という)において、コンクリートポール11がこのポールを支える鉄道高架橋などを破損する要因となるおそれがあるので、コンクリートポール11の破壊強度は、後述するように現行のコンクリートポール1と同程度となるように設定する。
次に、図1に示された本コンクリートポール11と、図2に示された現行のコンクリートポール1との比較試験を、表1と表2に示されたコンクリートポール仕様と、図3と図4に示された試験方法と、表3と表4および図5乃至図8に表示された試験結果に基づき説明する。
(1)試験体A
試験体Aは、図1に示された本コンクリートポール11と、図2に示された現行コンクリートポール1である。
試験体Aは、図1に示された本コンクリートポール11と、図2に示された現行コンクリートポール1である。
本コンクリートポール11の仕様は、下記の表1に示すとおりであり、さらに、らせん筋15は、径6.5mmの高強度鉄筋を100mm間隔で巻き付ける。また、コンクリート設計基準強度は、80N/mm2であり、降伏曲げモーメントMyは、225.3kN・mであり、降伏曲げモーメントMyと設計曲げモーメントMdの関係は、My/2Md=0.75である。
現行コンクリートポール1の仕様は、下記の表2に示すとおりであり、さらに、らせん筋5は、径3mmの鉄筋を50mm間隔で巻き付ける。また、コンクリート設計基準強度は、63.7N/mm2であり、降伏曲げモーメントMyは、263.5kN・mであり、降伏曲げモーメントMyと設計曲げモーメントMdの関係は、My/2Md=0.88である。
(2)試験方法
(2-1) 単曲げ試験
図3は、コンクリートポールの単曲げ試験方法を示し、JIS・A5373付属書(規定)ポール類に準拠して、水平に据えた試験体(コンクリートポール)Aの基端部を固定台B,Bにより挟んで固定し、試験体Aの中間部をローラCにより床面で移動自在に支えて、反力壁Dと試験体Aの頂部との間に設置した載荷試験器(図示せず)により、ポール軸と直角方向に緩やかな速さで水平に荷重P1を加えては戻す載荷サイクルを、試験体Aが破壊するか、試験体Aの曲げモーメントが降伏曲げモーメントを下回るまで繰り返し、ひび割れ幅を測定するとともに、頂部などの変位を変位計Eにより測定する。
(2-1) 単曲げ試験
図3は、コンクリートポールの単曲げ試験方法を示し、JIS・A5373付属書(規定)ポール類に準拠して、水平に据えた試験体(コンクリートポール)Aの基端部を固定台B,Bにより挟んで固定し、試験体Aの中間部をローラCにより床面で移動自在に支えて、反力壁Dと試験体Aの頂部との間に設置した載荷試験器(図示せず)により、ポール軸と直角方向に緩やかな速さで水平に荷重P1を加えては戻す載荷サイクルを、試験体Aが破壊するか、試験体Aの曲げモーメントが降伏曲げモーメントを下回るまで繰り返し、ひび割れ幅を測定するとともに、頂部などの変位を変位計Eにより測定する。
(2-2) 正負交番載荷試験
図4は、コンクリートポールの正負交番載荷試験方法を示し、試験体(コンクリートポール)Aの2箇所を正負両方向の力に対抗できる支持部Bによりそれぞれ支持し、試験体Aの中央部に、せん断破壊防止用の鋼管による補強部Cを介して、載荷試験器Dにより正方向および負方向の荷重を加える載荷サイクルを、試験体Aの曲げモーメントが降伏曲げモーメントを下回るまで繰り返し、載荷点などのたわみ(変位)を変位計Eにより測定する。
図4は、コンクリートポールの正負交番載荷試験方法を示し、試験体(コンクリートポール)Aの2箇所を正負両方向の力に対抗できる支持部Bによりそれぞれ支持し、試験体Aの中央部に、せん断破壊防止用の鋼管による補強部Cを介して、載荷試験器Dにより正方向および負方向の荷重を加える載荷サイクルを、試験体Aの曲げモーメントが降伏曲げモーメントを下回るまで繰り返し、載荷点などのたわみ(変位)を変位計Eにより測定する。
(3)試験結果
要求性能は、最大変位(δu)が降伏変位(δy)の現行コンクリートポールを超える5倍以上であること、すなわち、「じん性率=(δu/δy)>5」の条件を満たすことと、東日本大震災クラスの大地震が発生したときの傾斜量(変位量)の制限値は、地際から5.21mにおける傾斜量が、750mm以下であることから、規格750mm以下の条件を満たすことであり、以下に説明するとおり、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)は、これらの条件を満たしていることが確認された。
要求性能は、最大変位(δu)が降伏変位(δy)の現行コンクリートポールを超える5倍以上であること、すなわち、「じん性率=(δu/δy)>5」の条件を満たすことと、東日本大震災クラスの大地震が発生したときの傾斜量(変位量)の制限値は、地際から5.21mにおける傾斜量が、750mm以下であることから、規格750mm以下の条件を満たすことであり、以下に説明するとおり、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)は、これらの条件を満たしていることが確認された。
(3-1) 単曲げ試験の試験結果
図5は、単曲げ試験方法によって得られた本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の変位と作用曲げモーメントの関係を示すグラフである。
図5は、単曲げ試験方法によって得られた本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の変位と作用曲げモーメントの関係を示すグラフである。
図6は、単曲げ試験方法によって得られた現行コンクリートポール1(N柱)の変位と作用曲げモーメントの関係を示すグラフである。
下記の表3は、上記単曲げ試験方法によって得られた試験結果をまとめた表である。
図5、図6および表3に示された試験結果から明らかなように、設計曲げモーメント作用時(Md作用時)は、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)において18本に最大幅0.100mmのひび割れが発生し、現行コンクリートポール1(N柱)においてひび割れは確認されなかったが、降伏曲げモーメント作用時(My作用時)は、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)において37本に最大幅0.200mmのひび割れが発生したのに対して、現行コンクリートポール1(N柱)においては53本に最大幅0.200mmのひび割れが発生したことが確認された。
さらに、最大頂部変位は、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)においては5.7δy(1410.9mm)であり、要求性能である最大変位5δy以上を満足していることが確認された。一方、現行コンクリートポール1(N柱)の最大頂部変位は2.3δy(717.6mm)であった。
また、コンクリートポール11(PRC柱)は、大地震時を想定した5δy発生時の地際から5.21mにおける変位量も、規格の750mm以下の条件を満たしている621.5mmであった。
加えて、図5および図6に示された単曲げ試験方法によって得られた試験結果から明らかなように、試験体Aが破壊するか試験体Aの曲げモーメントが降伏曲げモーメントを下回るまで繰り返した載荷サイクルの回数は、図5の本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の方が、図6の現行コンクリートポール1(N柱)より多く、この点でもコンクリートポール11は高じん性能を有することが確認された。
(3-2) 正負交番載荷試験の試験結果
図7は、正負交番載荷試験方法によって得られた本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の変位と作用曲げモーメントの関係を示すグラフである。
図7は、正負交番載荷試験方法によって得られた本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の変位と作用曲げモーメントの関係を示すグラフである。
図8は、正負交番載荷試験方法によって得られた現行コンクリートポール1(N柱)の変位と作用曲げモーメントの関係を示すグラフである。
下記の表4は、上記正負交番載荷試験方法によって得られた試験結果をまとめた表である。
図7、図8および表4に示された試験結果から明らかなように、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の最大変位は、6.0δy(122.5mm)であり、要求性能である最大変位5δy以上を満足していることが確認された。一方、現行コンクリートポール1(N柱)の最大変位は、3.5δy(75.9mm)であった。
また、コンクリートポール11(PRC柱)は、最大変位である6.0δy時でも、設計曲げモーメントMd(=150kN・m)の2倍以上の耐力(作用曲げモーメント=333.8kN・m)を確保できることが確認された。
さらに、図7および図8に示された正負交番載荷試験方法によって得られた試験結果から明らかなように、試験体Aの曲げモーメントが降伏曲げモーメントを下回るまで繰り返した載荷サイクルの回数は、図7の本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の方が、図8の現行コンクリートポール1(N柱)より多く、この点でもコンクリートポール11は高じん性能を有することが確認された。
(4)まとめ
本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)と、現行コンクリートポール1(N柱)とを比較すると、単曲げ試験および正負交番載荷試験の両試験において、最大作用曲げモーメントに大きな差はないが、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の最大変位は、現行コンクリートポール1(N柱)の最大変位より顕著に大きくなり、高い変形性能を有し、高じん性コンクリートポールであることが確認された。
本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)と、現行コンクリートポール1(N柱)とを比較すると、単曲げ試験および正負交番載荷試験の両試験において、最大作用曲げモーメントに大きな差はないが、本発明に係るコンクリートポール11(PRC柱)の最大変位は、現行コンクリートポール1(N柱)の最大変位より顕著に大きくなり、高い変形性能を有し、高じん性コンクリートポールであることが確認された。
以上のように、コンクリート本体12と、緊張鋼材13と、らせん筋15とからなるコンクリートポールに耐圧縮鉄筋14を適用してPRC構造としたコンクリートポール11は、現行コンクリートポールと比較して、じん性能を約70%も大幅に増加させることができる。また、この耐圧縮鉄筋14を用いたコンクリートポール11は、耐圧縮鉄筋14によりコンクリート本体12の耐圧縮力を補完するのみならず、耐圧縮鉄筋14による座屈耐力の向上により、ぜい性的な破壊を起こさないので、大地震で部分的に損壊箇所が生じた場合でも、災害復旧が容易である。よって、鋼管ポールより安価かつメンテナンスフリーで高じん性能を有するコンクリートポールを提供できる。
特に、外径300〜450mmの円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体12と、緊張鋼材13と、らせん筋15とからなるコンクリートポール11に耐圧縮鉄筋14を適用してPRC構造とすることにより、鉄道電化柱として好適なコンクリートポールを提供でき、現行鉄道電化柱と比較して、じん性能の大幅な増加を図ることができ、大地震時に鉄道電化柱が部分的に損壊した場合でも、耐圧縮鉄筋14による座屈耐力の向上により、ぜい性的な破壊を起こさないので、部分的に補修することにより鉄道の迅速な災害復旧に役立ち、かつ、鋼管ポールより安価でメンテナンスフリーの鉄道電化柱を提供できる。
また、このコンクリートポール11は、現行の鉄道電化柱として用いられるコンクリートポールと比較して、じん性能が大幅に増加するとともに、現行の鉄道電化柱が耐え得る破壊強度(破壊曲げモーメント:314.4kN・m)と同程度の破壊強度(破壊曲げモーメント:310.7kN・m)に設定したので、このコンクリートポール11を鉄道電化柱として用いることにより、大地震時に頑強過ぎる鉄道電化柱がポール取付基礎となっている鉄道高架橋などの鉄道施設を破損するおそれを防止できる。
なお、表1に示された各部材の数値は、一例を示すもので、その数値に限定されるものてはない。例えば、耐圧縮鉄筋14は、直径25mmよりも小径の直径22mmまたは19mmの異形鉄筋(例えば材質SD345)を用いた場合でも、現行の直径9.2mmの非緊張鋼材4を用いたコンクリートポール1より、格段に高いじん性能を得ることができる。
要するに、直径25mm、22mmまたは19mmの異形鉄筋は、耐圧縮鉄筋14として十分な耐圧縮性能を有するのみならず、座屈抵抗材として十分な太さを有しており、大地震時などの発生時でもコンクリートポール破壊時の座屈に耐え得るので、高じん性能を発揮できるとともに、コンクリート最小かぶりも確保できる径である。
本発明は、コンクリートポールの製造、販売または施工などに携わる事業者にとって利用可能性がある。
11 コンクリートポール
12 コンクリート本体
13 緊張鋼材
14 耐圧縮鉄筋
15 らせん筋
12 コンクリート本体
13 緊張鋼材
14 耐圧縮鉄筋
15 らせん筋
Claims (4)
- 円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体と、
このコンクリート本体の内部に円周状に配列された複数の緊張鋼材と、
これらの緊張鋼材の間に配列された複数の耐圧縮鉄筋と、
上記各緊張鋼材および上記各耐圧縮鉄筋の周囲を拘束するらせん筋と
を具備したことを特徴とするコンクリートポール。 - 外径300〜450mmの円環状断面に成形された長尺のコンクリート本体と、
このコンクリート本体の内部に円周状に配列された複数の緊張鋼材と、
これらの緊張鋼材の間に配列された複数の耐圧縮鉄筋と、
上記各緊張鋼材および上記各耐圧縮鉄筋の周囲を拘束するらせん筋と
を具備したことを特徴とするコンクリートポール。 - 現行の鉄道電化柱として用いられるコンクリートポールが耐え得る破壊強度と同程度の破壊強度に設定した
ことを特徴とする請求項2記載のコンクリートポール。 - 耐圧縮鉄筋は、直径25mm、22mmまたは19mmの異形鉄筋である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のコンクリートポール。
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