JP2015201487A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】コア成形時のプレス荷重を低減し、かつ、磁気特性の低下を抑制する技術を提供する。
【解決手段】リアクトル10は、巻回軸方向の平面視にて、コア一端部35(又はコア他端部36)の四隅に切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)が設けられている。巻回径方向の正面視にて、張出部35a、35b(張出部36a、36b)の両縁が2つの巻回部35c、35d(巻回部36c、36d)と夫々重なり合っている。切欠部41〜44(切欠部45〜48)により面積が減るためコア30のプレス成形時に必要なプレス荷重が低減する。また、切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)により切り欠かれた張出部35a、35b(張出部36a、36b)の両端部が2つの巻回部35c、35d(巻回部36c、36d)と夫々重なり合うため切欠部41〜44(切欠部45〜48)付近の磁路の形成に与える影響が少なく磁気特性の低下を抑制する。
【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、エッジワイズ巻きのコイルを備えるリアクトルに関する。なお、リアクトルとは、コイルを利用した受動素子であり、「インダクタ」と称されることもある。また、エッジワイズ巻きとは、平角線の平坦な面をコイルの軸線方向に向けて平坦な面が重なるように巻回することである。
ハイブリッド車を含む電動車両は、バッテリの出力電力を走行用モータの駆動に適した電力に変換する電力変換装置を搭載している。電力変換装置は、典型的にはインバータ回路と電圧コンバータ回路を備える。電圧コンバータに用いられるデバイスとして、エッジワイズ巻きのコイルを備えるリアクトルがある。例えば、下記特許文献1、2に開示される技術がある。これら特許文献1、2のリアクトルは、いずれも、電気的には直列に接続されており平行に配置された2個のコイルと、夫々のコイルを通過する環状のコアを備える。環状のコアの一部は、平行に並んだコイルの軸線方向の両側に突出する。以下、この突出した部位をコア端部と称する。
特開2004−327569号公報 特開2013−138257号公報
車載のデバイスは小型であることが望ましく、リアクトルも例外ではない。例えば、コイルの軸線方向の長さを短くする要請に対しては、コア端部の厚みを薄くすることにより対処可能ではあるが、コア端部が薄くなった分だけコア断面積(即ち磁路面積)が減少する。そのため、単にコア端部を薄くしただけでは、リアクトル損失が増加し磁気特性の低下を招く。これを防ぐためには、コイルの巻回部分のコア断面積と同等のコア断面積をコア端部においても確保する必要がある。
コアの製造方法の一つに、磁性体粉体を金型に入れて加圧・固化させる方法がある。この方法は、複雑な形状を製造できる利点がある。また、磁性体粉体と樹脂粉体の混合粉体が用いられることもある。
粉体を加圧・固化させてコアを製造する場合、コア端部の断面積として相応の大きさを確保するには、例えば、図7に示すように、コア端部における厚さcと幅dの積(c×d)を巻回部分のコア断面積(a×b)に近づけるために、コア端部の厚さcを薄くした分だけ、コア端部の幅dを広くする。しかし、コア端部の幅dを拡げた場合には、コアの製造工程において、プレス成形時にプレス装置により加圧される面積(図7に示す斜線範囲)も拡がる。そのため、成形に必要なプレス荷重が増大することから、既存設備においてプレス荷重の増加を望めない場合には十分な成形が難しくなる。逆に、プレス荷重を高めるために大型のプレス装置を導入するにはコストが嵩む。本明細書は、コア成形時のプレス荷重を低減し、かつ、磁気特性の低下を抑制する技術を提供する。
本明細書が開示するリアクトルは、直列に接続される2つのエッジワイズ巻きのコイルと、これらのコイルが巻回径方向に並んで巻回される環状のコアを備える。環状のコアは、2つのコイルが重なって見える巻回径方向の側面視において、巻回軸方向の端部に巻回軸方向に突出するコア端部から巻回軸の直交方向両側に張り出す一対の張出部と、2つのコイルが夫々巻回される2つのコイル巻回部と、を有する。そして、巻回軸方向の平面視において、コア端部は、張出部を含んだ形状が矩形であり、矩形状の四隅の角部に切欠部が設けられている。また、2つのコイルが並んで見える巻回径方向の正面視において、切欠部により切り欠かれた張出部の両縁が、2つのコイル巻回部と夫々重なり合っている。別言すれば、正面視において、張出部の両縁の夫々が、2つのコイル巻回部を巻回軸方向に延長した範囲の中に位置している。この構造により、巻回軸方向の平面視におけるコア端部の張出部を含んだ形状は、切欠部が設けられる分だけ面積が減る。そのため、コア端部の厚さを薄くした分だけコア端部の幅を拡張した構成を採用しても、巻回軸方向の平面視におけるコア端部の面積の増加が抑えられ、このようなコアのプレス成形に必要なプレス荷重の増大が抑制される。また、2つのコイルが並んで見える巻回径方向の正面視において、切欠部により切り欠かれた張出部の両縁が2つのコイル巻回部と夫々重なり合うため、切欠部の付近における磁路の形成に与える影響が少ない。なお、切欠部が位置するコア端部の四隅の角部は、張出部の中央部に比べて磁束密度が低い。このため、そのような角部に切欠部を設けてもそれが磁路に与える影響は小さく、磁気特性の低下をさほど招かない。したがって、コア成形時のプレス荷重を低減し、かつ、磁気特性の低下を抑制する。
本明細書が開示する技術は、環状のコアとそのコアに巻回されている2つのコイルを備えるリアクトルに関し、コア成形時のプレス荷重を低減し、かつ、磁気特性の低下を抑制する。本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
実施例のリアクトルの斜視図である。 (A)は図1のII-A方向矢視による正面図であり、(B)は図1のII-B方向矢視による側面図である。 (A)は図1のIII-A方向矢視による平面図であり、(B)は図2(B)におけるIII-B方向矢視による断面図である。 コア端部(コア一端部及びコア他端部)の斜視図である。 (A)はコア端部(コア一端部及びコア他端部)の平面視における磁束の流れの様子を表した説明図であり、(B)は(A)に表す灰色に着色した部分の拡大した図で、切欠部を巻回部の幅まで拡げた場合における磁束の流れの様子を表した説明図である。 (A)はコア端部(コア一端部及びコア他端部)の解析領域を表した説明図であり、(B)〜(G)は、切欠部の形状の違いによる磁束密度コンター図である。 コア端部におけるその厚さc、幅d、及び、巻回部分のコア断面積(a×b)等を表した説明図である。
図面を参照して実施例のリアクトルを説明する。本実施例のリアクトル10は、ハイブリッド車や電気自動車などの電動車両に搭載される電力変換装置に用いられるものである。ハイブリッド車や電気自動車は、走行用モータとして、誘導モータやPMモータ等の交流モータを備える。そのため、これらの車両では、バッテリの直流電力を昇圧する電圧コンバータ回路と、昇圧された直流電力を走行用モータの駆動に適した周波数の交流電力に変換するインバータ回路を含む電力変換装置を搭載している。例えば、リアクトル10は、このうちの電圧コンバータ回路に使用される。電力変換装置等が搭載される車内空間は、バッテリや走行用モータ等々、種々の車載機器が搭載される。そのため、電力変換装置やそれに用いられるリアクトル10についても小型化が望まれる。本実施例では、空間効率の良いリアクトル10を提供する。
リアクトル10の構成について図1〜4を参照して説明する。図1に実施例のリアクトルの斜視図を示す。図2(A)に図1のII-A方向矢視による正面図を示し、また、図2(B)に図1のII-B方向矢視による側面図を示す。図3(A)に図1のIII-A方向矢視による平面図を示し、図3(B)に図2のIII-B方向矢視による断面図を示す。さらに、図4にコア端部(コア一端部及びコア他端部)の斜視図を示す。これらの図において表されている座標系L、W、Hは、リアクトル10の長さ(L)、幅(W)、高さ(H)の夫々の方向を示すものである。以下、L軸方向を「長さ方向L」、W軸方向を「幅方向W」、H軸方向を「高さ方向H」、と夫々称する。
リアクトル10は、コイル21、22、コア30等から構成されている。コイル21、22は、例えば、銅からなる平角線25をエッジワイズ巻きに巻回した巻線コイルである。即ち、これらのコイル21、22では、平角線25の幅広の平坦面が巻回軸Jの方向(長さ方向L)を向いて積層されるように平角線25を巻回している。平角線25の平坦面の幅(線幅)は、リアクトル10の電気的な特性若しくは仕様によって適宜設定される。本実施例では、例えば、巻回軸Jの方向から見て矩形状(ほぼ正方形状)を成すようにコイル21、22を巻回する。巻回されたコイル21、22は、巻回の径方向に並ぶように配置され直列に接続されてコア30に装着される。
本実施例では、コイル21、22は、1本の平角線25を巻回している。そのため、平角線25の一端側がコイル21の引出部25aに相当し、平角線25の他端側がコイル21の引出部25bに相当する。また、両コイルの接続部は、コイル21の終端(又は始端)とコイル22の始端(又は終端)に繋がる平角線25の中間部分25cがこれに相当する。なお、図2及び図3においては、コイル21、22の積層により現れる線を一部省略して表現している。
コア30は、コイル21、22のインダクタンスを高めるための磁性体部材であり、コア中央部31、コア一端部35及びコア他端部36により構成されている。本実施例では、2つのコイル21、22が並んで見える巻回径方向の正面視(以下、単に「リアクトル10の正面視」と称する)において(図2(A)参照)、磁気回路(磁路)がロ字形状を成すように、2つのコア中央部31、コア一端部35及びコア他端部36を組み合わせて環状のコア30を構成している。これらのコア部材は、鉄や鋼等の磁性材料により構成されており、軟磁性の金属粒子を樹脂粉体に混合した混合粉体を金型に入れて圧縮成形して形成されている。
本実施例では、コイル21、22が巻回軸Jの方向から見て矩形状を成すように巻回される。そのため、コア中央部31、並びに、周囲がコイル21、22に囲まれるコア一端部35の巻回部35c、35d及びコア他端部36の巻回部36c、36dは、角柱形状に形成されている(図4参照)。コア30には、図示しないボビンを介してコイル21、22が巻回される。なお、コア一端部35とコア他端部36は、同じ形状をなすが、本実施例では、各部に異なる符号を付している。そのため、図4では、コア他端部36に対応する符号や座標系は、同図において括弧内に表していることに注意されたい。
これに対して、2つのコイル21、22が重なって見える巻回径方向の側面視(以下、単に「リアクトル10の側面視」と称する)においては(図2(B)参照)、コア中央部31を中心に、コア一端部35が一端方向に、またコア他端部36が他端方向に、夫々突出している。本実施例では、リアクトル10の長さ方向Lを小さくしつつも、長さ方向Lが大きい場合と同等の磁路面積を確保するため、コア中央部31に比べてコア一端部35とコア他端部36を高さ方向Hに突出する形状に構成している。
即ち、図3(B)に示すように、コア一端部35は、コイル21、22の径方向の外周面21a、22aと同一面まで、換言すると、外周面21a、22aと面一になるまで、巻回軸Jの直交方向両側に張り出す張出部35a、35bを有している。コイル21、22の径方向の外周面21a、22aとは、リアクトル10の側面視において、高さ方向Hの両側に向けてコイル21、22の最も外側に位置する外周端面を平角線25の積層方向に繋げた面のことである。同様に、コア他端部36も、コイル21、22の径方向の外周面21a、22aと同一面まで、巻回軸Jの直交方向両側に張り出す張出部36a、36bを有している。
このようにコア30では、張出部35a、35bを有するコア一端部35を巻回軸Jの一端側に設け、また張出部36a、36bを有するコア他端部36を巻回軸Jの他端側に設けている。そのため、このような張出部35a、35b、36a、36bが形成されないコアが平面的であるのに対して、コア30は三次元的な段付き形状を成している。これにより、コア30の体積を増加させてリアクトル10の長さ方向Lの短縮化を可能にしている。つまり、リアクトル10の小型化を可能にしている。しかしその反面、コア一端部35及びコア他端部36を、張出部35a、35b、36a、36bを有する段付き形状に設定したことにより、[発明が解決しようとする課題]の欄で図7を参照しながら述べたような製造工程における課題が生じている。
図4に示すように、コア一端部35やコア他端部36は、その圧縮成形時においては、巻回軸J方向の平面視(以下、単に「リアクトル10の平面視」と称する)の方向から加圧される。そのため、コア一端部35及びコア他端部36を、このような張出部35a等を有する段付き形状にした場合には、プレス装置により加圧される面積(以下、単に「プレス面積」と称する)が拡がることから(図7に示す斜線範囲相当)、成形に必要なプレス荷重の増大を招く。そこで、本実施例では、リアクトル10の平面視における、コア一端部35及びコア他端部36の四隅の角部を切り欠くことによって、プレス面積を削減している。
即ち、巻回軸J方向の平面視において、コア一端部35は、張出部35a、35bを含んだ形状が矩形であり、矩形状の四隅の角部に切欠部41、42、43、44(以下、「切欠部41〜44」と総称する)が設けられている。また、同平面視において、コア他端部36も、張出部36a、36bを含んだ形状が矩形であり、矩形状の四隅の角部に切欠部45、46、47、48(以下、「切欠部45〜48」と総称する)が設けられている。これら切欠部41〜44の形成範囲は、コア一端部35の幅方向Wにおいて、巻回部35c、35dの存在範囲内に収まるように設定される。
例えば、切欠部41を形成することにより削られてしまう張出部35aの一部が巻回部35cと重なり合うように、巻回部35cの幅の範囲内に切欠部41が形成される。また、切欠部42を形成することにより削られてしまう張出部35aの一部が巻回部35dと重なり合うように、巻回部35dの幅の範囲内に切欠部42が形成される。さらに、切欠部43(又は切欠部44)を形成することにより削られてしまう張出部35bの一部が巻回部35d(又は巻回部35c)と重なり合うように、巻回部35d(又は巻回部35c)の幅の範囲内に切欠部43(又は切欠部44)が形成される。別言すれば、リアクトル10の正面視(図2(A))において、切欠部41〜44により切り欠かれた張出部35a、35bの両縁が、巻回部35c、35dと夫々重なり合う。
また、切欠部45〜48もコア他端部36の張出部36a、36bと巻回部36c、36dの関係において同様に形成される。例えば、切欠部45を形成することにより削られてしまう張出部36aの一部が巻回部36cと重なり合うように、巻回部36cの幅の範囲内に切欠部45が形成される。また、切欠部46を形成することにより削られてしまう張出部36aの一部が巻回部36dと重なり合うように、巻回部36dの幅の範囲内に切欠部46が形成される。さらに、切欠部47(又は切欠部48)を形成することにより削られてしまう張出部36bの一部が巻回部36d(又は巻回部36c)と重なり合うように、巻回部36d(又は巻回部36c)の幅の範囲内に切欠部47(又は切欠部48)が形成される。別言すれば、リアクトル10の正面視において、切欠部45〜48により切り欠かれた張出部36a、36bの両縁が、巻回部35c、35dと夫々重なり合う。
上述したように、切欠部41〜44により切り欠かれた張出部35a、35bの両縁が2つの巻回部35c、35dと夫々重なり合う。また、切欠部45〜48により切り欠かれた張出部36a、36bの両縁も、2つの巻回部36c、36dと夫々重なり合う。ここで、このような張出部35a、35b、36、36bと巻回部35c、35d、36c、36dの重なりの効果について、図5及び図6を参照して説明する。図5(A)に、コア一端部35及びコア他端部36の平面視における磁束の流れの様子を表した説明図を示す。また、図5(B)には、図5(A)に表す灰色に着色した部分の拡大図において、切欠部Xを巻回部35cの幅まで拡げた場合における磁束の流れの様子を表した説明図を示す。また、図6(A)に、コア一端部35及びコア他端部36の解析領域を表した説明図を示す。図6(B)〜(G)に、切欠部の形状の違いによる磁束密度コンター図を示す。
図5(A)に示すように、切欠部41〜44(図5(A)に示すクロスハッチングの範囲)により切り欠かれた張出部35a、35bの両端部(同図に示す一点鎖線の範囲)が2つの巻回部35c、35dと夫々重なり合う。これにより、切欠部41〜44の付近における磁路の形成に与える影響を少なくしている(同図において、太矢印が磁路の概念を表す)。このことは、例えば、図6(B)等に示す磁束密度コンター図を参照すると、理解することができる。
例えば、図6(A)に示すように、コア一端部35(又はコア他端部36)に形成される磁束密度分布を解析領域100においてコンピュータ解析すると、切欠部44(又は切欠部48)が形成されるコア一端部35(又はコア他端部36)の解析面101については図6(B)に示す磁束密度コンターが現れる。また、コア一端部35(又はコア他端部36)の解析面103については図6(E)に示す磁束密度コンターが現れる。これらの磁束密度コンター図においては、色が濃い部分が磁束密度が高く、色が薄い部分は磁束密度が低い。図6(B)及び(E)に示す磁束密度コンター図から、切欠部44(又は切欠部48)は、磁束密度が低い範囲を切り欠いており、磁束密度が高い部分に与える影響は少ないことがわかる。
これに対して、例えば、図5(B)に示すように、切欠部41により切り欠く範囲を巻回部35cの幅と同じか、巻回部35cの幅以上に設定する(図5(B)に示す符号X)。すると、この場合には、張出部35aと巻回部35cが重なり合う部分が存在しなくなるため、図5(A)においては形成されていた磁路の一部が図5(B)においては形成されなくなり(図5(B)に示す白抜き破線の太矢印)、磁路の一部が短くなる。そのため、磁路の形成に与える影響が高まる。例えば、図6(C)に示す磁束密度コンターは、切り欠く範囲が広い切欠部44(又は切欠部48)の例であり、巻回部35c(又は巻回部36c)の幅よりも狭い範囲に形成されているものの、その幅に近い位置まで切り欠かれている。そのため、図6(B)に示すものよりも磁束密度が高い部分が一部において欠けていることがわかる。
また、図6(C)に示す磁束密度コンターは、切り欠く範囲が狭い切欠部44(又は切欠部48)の例であり、磁束密度が低い範囲だけを切り欠いており、磁束密度が高い部分に与える影響は極めて少ないことがわかる。なお、図6(E)〜(G)に示す解析面103における磁束密度コンターから、コア一端部35(又はコア他端部36)の中心部分は、いずれの切欠部44(又は切欠部48)についてもその影響を受けないことがわかる。また、切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)の切り欠き範囲がインダクタンスに与える影響についても、ほとんど変動がないことを確認している。
ここで、コア一端部35及びコア他端部36の製造工程の概要について説明する。コア30は、樹脂粉体に磁性粒子を混合した混合粉体を金型に入れ、圧縮・固化させて成形される。別言すれば、コア30は、プレス成形にて作られる。コア一端部35(又はコア他端部36)は、前述したように、張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)を有するため、三次元的な段付き形状を成している。そのため、コア一端部35(又はコア他端部36)のプレス成形工程においては、加圧面が平坦面を成す上型と、受け面が段付き形状に合わせた凹部形状を成す下型と、2つの成形型で加圧成形すると、次のような問題が生じ得る。即ち、張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)が成形される範囲と、巻回部35c、35d(又は巻回部36c、36d)が成形される範囲と、では、加圧時に上下両型で加圧される圧力が異なることから、圧縮成形される複合軟磁性材料の密度に差が生じてしまう。そのため、成形されたコア端部において機械的な強度差が生じたり、予定した磁気特性が得られなかったりするという問題を生じ得る。またプレス成形してもコア端部の形状に固まらない場合もあり得る。
したがって、本実施例では、コア一端部35及びコア他端部36のプレス成形工程においては、下型において、張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)を加圧成形する範囲と、巻回部35c、35d(又は巻回部36c、36d)を加圧成形する範囲と、を分けた分割型を用いる。これにより、加圧時に上下両型で加圧される圧力を成形範囲に関わらず一定にすることが可能になるため、圧縮成形される複合軟磁性材料の密度をほぼ均一に維持することができる。したがって、上述したような問題を解消することができる。なお、張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)を加圧成形する範囲については、張り出し部分の厚さが薄い場合には、分割した下型が座屈する虞があるため、張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)の厚さは、下型に座屈が生じない値に設定する必要がある。
以上説明したように本実施例のリアクトル10では、直列に接続される2つのエッジワイズ巻きのコイル21、22と、これらのコイル21、22が巻回径方向に並んで巻回される環状のコア30と、を備える。そして、環状のコア30は、2つのコイル21、22が重なって見える巻回径方向の側面視において、巻回軸J方向の端部に巻回軸J方向に突出するコア一端部35(又はコア他端部36)から巻回軸Jの直交方向両側に張り出す一対の張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)と、2つのコイル21、22が夫々巻回される2つの巻回部35c、35d(又は巻回部36c、36d)と、を有する。また、巻回軸J方向の平面視において、コア一端部35(又はコア他端部36)は、張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)を含んだ形状が矩形であり、矩形状の四隅の角部に切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)が設けられる。さらに、2つのコイル21、22が並んで見える巻回径方向の正面視において、切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)により切り欠かれた張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)の両端部(両縁)は、2つの巻回部35c、35d(又は巻回部36c、36d)と夫々重なり合う。
これにより、巻回軸J方向の平面視におけるコア一端部35の張出部35a、35b(又はコア他端部36の張出部36a、36b)を含んだ形状は、切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)が設けられるぶん面積が減る。そのため、コア一端部35(又はコア他端部36)の厚さを薄くしたぶん、コア一端部35(又はコア他端部36)の幅を拡げた構成を採っても、巻回軸J方向の平面視におけるコア一端部35(又はコア他端部36)の面積の増加が抑えられ、このようなコア30のプレス成形に必要なプレス荷重の増大を抑制する。したがって、コア成形時のプレス荷重が低減する。また、2つのコイル21、22が並んで見える巻回径方向の正面視において、切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)により切り欠かれた張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)の両端部(両縁)が2つの巻回部35c、35d(又は巻回部36c、36d)と夫々重なり合うため、切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)の付近における磁路の形成に与える影響が少ない。なお、切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)が位置するコア一端部35(又はコア他端部36)の四隅の角部は、張出部35a、35b(又は張出部36a、36b)の中央部に比べて磁束密度が低い。このため、そのような角部に切欠部41〜44(又は切欠部45〜48)を設けてもそれが磁路に与える影響は小さく、磁気特性の低下をさほど招かない。したがって、磁気特性の低下を抑制する。
実施例技術に関する留意点を述べる。コア30が「環状のコア」の一例に相当する。コア一端部35及びコア他端部36が「コア端部」の一例に相当する。張出部35a、35bが「一対の張出部」の一例に相当する。また、張出部36a、36bも「一対の張出部」の一例に相当する。巻回部35c、35d、36、36dがコイル巻回部の一例に相当する。図2(A)に表すリアクトル10が「2つのコイルが並んで見える巻回径方向の正面視」によるリアクトルの一例に相当する。図2(B)に表すリアクトル10が「2つのコイルが重なって見える巻回径方向の側面視」によるリアクトルの一例に相当する。図3(A)に表すリアクトル10が「巻回軸方向の平面視」によるリアクトルの一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:リアクトル
21、22:コイル
25:平角線
25a、25b:引出部
25c:中間部分
30:コア
31:コア中央部
32:ギャップ
35:コア一端部
35a、35b、36a、36b:張出部
35c、35d、36c、36d:巻回部
36:コア他端部
41、42、43、44、45、46、47、48:切欠部
L:長さ方向
W:幅方向
H:高さ
J:巻回軸
100:解析領域
101、103:解析面

Claims (1)

  1. 直列に接続されている2つのエッジワイズ巻きのコイルと、これらのコイルが巻回径方向に並んで巻回される環状のコアと、を備えるリアクトルであり、
    前記環状のコアは、
    2つのコイルが重なって見える巻回径方向の側面視において、巻回軸方向の端部に巻回軸方向に突出するコア端部から巻回軸の直交方向両側に張り出す一対の張出部と、
    前記2つのコイルが夫々巻回される2つのコイル巻回部と、を有しており、
    巻回軸方向の平面視において、前記コア端部は、前記張出部を含んだ形状が矩形であるとともに、前記矩形の四隅の角部に切欠部が設けられており、
    前記2つのコイルが並んで見える巻回径方向の正面視において、前記切欠部により切り欠かれた前記張出部の両縁が、前記2つのコイル巻回部と夫々重なり合っている、
    ことを特徴とするリアクトル。
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