JP2015201485A - エピタキシャルウエハ及び発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光効率の高い発光素子、及びその発光素子を構成するエピタキシャルウエハを提供する。
【解決手段】一実施の形態において、n型半導体基板11と、n型半導体基板11の一方の面上に、n型半導体基板11と接するように形成されたp型半導体層13と、p型半導体層13の、n型半導体基板11の反対側に形成されたn型半導体層15と、p型半導体層13とn型半導体層15に挟まれた発光層14と、を有する、エピタキシャルウエハ10を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】一実施の形態において、n型半導体基板11と、n型半導体基板11の一方の面上に、n型半導体基板11と接するように形成されたp型半導体層13と、p型半導体層13の、n型半導体基板11の反対側に形成されたn型半導体層15と、p型半導体層13とn型半導体層15に挟まれた発光層14と、を有する、エピタキシャルウエハ10を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エピタキシャルウエハ及び発光素子に関する。
従来、n型クラッド層とp型クラッド層に挟まれた発光層がn型半導体基板上に形成された縦型の発光素子が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2の発光素子においては、n型半導体基板であるn型SiC基板又はn型GaN基板上にn型クラッド層が形成されている。n型半導体基板とn型クラッド層は、同じ導電型であるため、容易にオーミック接続させることができる。
一方、特許文献1、2の発光素子においては、p型クラッド層には電極が接続されるが、p型の半導体層はn型の半導体層よりも導電性が低いため、p型クラッド層と電極とのコンタクト抵抗を低くして発光効率を向上させることが難しい。
本発明の目的の1つは、発光効率の高い発光素子、及びその発光素子を構成するエピタキシャルウエハを提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、以下の[1]〜[5]のエピタキシャルウエハを提供する。
[1]n型半導体基板と、前記n型半導体基板の一方の面上に、前記n型半導体基板と接するように形成されたp型半導体層と、前記p型半導体層の、前記n型半導体基板の反対側に形成されたn型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層に挟まれた発光層と、を有する、エピタキシャルウエハ。
[2]前記n型半導体基板の前記p型半導体層側の表面に高濃度n型領域が形成され、前記n型半導体基板において、前記高濃度n型領域のn型ドーパント濃度が前記高濃度n型領域以外の領域n型ドーパント濃度よりも高い、前記[1]に記載のエピタキシャルウエハ。
[3]前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、又はSiC結晶を母結晶として有する、前記[1]又は[2]に記載のエピタキシャルウエハ。
[4]前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0<x≦0.60)で表される組成を有する結晶を母結晶として有する、前記[3]に記載のエピタキシャルウエハ。
[5]前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)N(0<x≦0.80)で表される組成を有する結晶を母結晶として有する、前記[3]に記載のエピタキシャルウエハ。
また、本発明の他の態様は、上記目的を達成するために、以下の[6]〜[11]の発光素子を提供する。
[6]n型半導体基板と、前記n型半導体基板の第1の面上に、前記第1の面と接するように形成されたp型半導体層と、前記p型半導体層の、前記n型半導体基板の反対側に形成されたn型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層に挟まれた発光層と、前記n型半導体基板又はp型半導体層に電気的に接続される正電極と、前記n型半導体層に電気的に接続される負電極と、を有する、発光素子。
[7]前記n型半導体基板の前記p型半導体層側の表面に高濃度n型領域が形成され、前記n型半導体基板において、前記高濃度n型領域のn型ドーパント濃度が前記高濃度n型領域以外の領域n型ドーパント濃度よりも高い、前記[6]に記載の発光素子。
[8]前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、又はSiC結晶を母結晶として有する、前記[6]又は[7]に記載の発光素子。
[9]前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0<x≦0.60)で表される組成を有する結晶を母結晶として有し、発光波長が280nm以下である、前記[8]に記載の発光素子。
[10]前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)N(0<x≦0.80)で表される組成を有する結晶を母結晶として有し、発光波長が380nm以下である、前記[8]に記載の発光素子。
[11]前記n型半導体層が、前記発光層と反対側の面に凹凸を有する、前記[6]〜[11]のいずれか1項に記載の発光素子。
本発明によれば、発光効率の高い発光素子、及びその発光素子を構成するエピタキシャルウエハを提供することができる。
〔第1の実施の形態〕
(エピタキシャルウエハの構造)
図1は、第1の実施の形態に係るエピタキシャルウエハ10の垂直断面図である。エピタキシャルウエハ10は、n型半導体基板11と、n型半導体基板11の一方の表面に形成された高濃度n型領域12と、n型半導体基板11の高濃度n型領域12が形成された表面上にn型半導体基板11と接するように形成されたp型半導体層13と、p型半導体層13のn型半導体基板11の反対側に形成されたn型半導体層15と、p型半導体層13とn型半導体層15に挟まれた発光層14と、を含む。
(エピタキシャルウエハの構造)
図1は、第1の実施の形態に係るエピタキシャルウエハ10の垂直断面図である。エピタキシャルウエハ10は、n型半導体基板11と、n型半導体基板11の一方の表面に形成された高濃度n型領域12と、n型半導体基板11の高濃度n型領域12が形成された表面上にn型半導体基板11と接するように形成されたp型半導体層13と、p型半導体層13のn型半導体基板11の反対側に形成されたn型半導体層15と、p型半導体層13とn型半導体層15に挟まれた発光層14と、を含む。
n型半導体基板11は、例えば、(AlxGa1−x)2O3(0≦x≦1)結晶、(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)結晶、又はSiC結晶を母結晶として有し、Si等のn型ドーパントを含む。
(AlxGa1−x)2O3結晶は、Alの比率により、吸収する光の波長域が変化する。例えば、x=0のときは波長280nm以下の光を吸収し、x=0.10のときは波長260nm以下の光を吸収し、x=0.35のときは波長240nm以下の光を吸収する。なお、xが0.60を超えると組成の異なる結晶がn型半導体基板11に発生するため、x≦0.60であることが好ましい。
このため、n型半導体基板11が(AlxGa1−x)2O3結晶を母結晶として有するエピタキシャルウエハ10を用いて、発光波長が280nm以下の発光素子を形成する場合は、n型半導体基板11による発光の吸収を抑え、かつn型半導体基板11における多結晶の発生を抑えるため、n型半導体基板11の(AlxGa1−x)2O3結晶が適量のAlを含むことが好ましく、0<x≦0.60であることが好ましい。
より具体的には、例えば、発光素子の発光波長が280nmよりも大きい場合は0≦x≦0.10が好ましく、発光波長が260〜280nmの場合は0.10<x≦0.35が好ましく、発光波長が240〜260nmの場合は0.35<x≦0.50が好ましく、発光波長が240nm以下の場合は0.50<x≦0.60が好ましい。
一方、Alの比率が大きくなるほど、(AlxGa1−x)2O3結晶の電気抵抗が大きくなる。このため、Alの比率は、発光素子の発光の吸収が抑えられる範囲で、なるべく小さいことが好ましい。
また、(AlxGa1−x)N結晶も、Alの比率により、吸収する光の波長域が変化する。例えば、x=0のときは波長380nm以下の光を吸収し、x=0.15のときは波長300nm以下の光を吸収し、x=0.35のときは波長280nm以下の光を吸収し、x=0.65のときは波長240nm以下の光を吸収する。なお、xが0.80を超えると組成の異なる結晶がn型半導体基板11発生するため、x≦0.80であることが好ましい。
このため、n型半導体基板11が(AlxGa1−x)N結晶を母結晶として有するエピタキシャルウエハ10を用いて、発光波長が380nm以下の発光素子を形成する場合は、n型半導体基板11による発光の吸収を抑え、かつn型半導体基板11における多結晶の発生を抑えるため、n型半導体基板11の(AlxGa1−x)N結晶が適量のAlを含むことが好ましく、0<x≦0.80であることが好ましい。
より具体的には、例えば、発光素子の発光波長が380nmよりも大きい場合は0≦x≦0.10が好ましく、発光波長が340〜380nmの場合は0<x≦0.15が好ましく、発光波長が300〜340nmの場合は0.15<x≦0.35が好ましく、発光波長が280〜300nmの場合は0.35<x≦0.50が好ましく、発光波長が260〜280nmの場合は0.50<x≦0.65が好ましく、発光波長が240〜260nmの場合は0.65<x≦0.75が好ましく、発光波長が240nm以下の場合は0.75<x≦0.80が好ましい。
一方、Alの比率が大きくなるほど、(AlxGa1−x)N結晶の電気抵抗が大きくなる。このため、Alの比率は、発光素子の発光の吸収が抑えられる範囲で、なるべく小さいことが好ましい。
また、SiC結晶は波長420nm以下の光を吸収する。このため、n型半導体基板11がSiC結晶を母結晶として有するエピタキシャルウエハ10を用いて発光素子を形成する場合は、n型半導体基板11による発光の吸収を抑えるため、発光素子の発光波長を420nm以上とすることが好ましい。
高濃度n型領域12は、n型半導体基板11の表面にSi等のn型ドーパントを高濃度でイオン注入し、活性化アニールを施すことにより形成される。このため、高濃度n型領域12のn型ドーパントの濃度は、n型半導体基板11のn型ドーパントの濃度よりも高い。高濃度n型領域12の厚さは、例えば、50nmである。
n型半導体基板11のn型ドーパントの濃度は高いほど電気抵抗が下がるが、光吸収が大きくなるという問題がある。そのため、高濃度のn型ドーパントを含む高濃度n型領域12をn型半導体基板11の表面に形成することによりp型半導体層13とのコンタクト抵抗を下げ、n型半導体基板11の高濃度n型領域12以外の領域のn型ドーパントの濃度を高濃度n型領域12のものよりも低くして光吸収を抑えることができる。
n型半導体基板11のn型ドーパントの濃度は、光吸収を抑えるため、1×1019/cm−3以下であることが好ましく、5×1018/cm−3以下であることがより好ましい。また、導電性を確保するために、5×1017/cm−3以上であることが好ましい。
高濃度n型領域12は高濃度のn型ドーパントを含むため、p型半導体層13との界面近傍のショットキー障壁を薄くし、p型半導体層13とトンネルコンタクトすることができる。このため、高濃度n型領域12のn型ドーパントの濃度は、5×1019/cm−3以上であることが好ましい。また、イオン注入によるn型半導体基板11のダメージを抑えるため、1×1021/cm−3以下であることが好ましい。
p型半導体層13は、(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)結晶を母結晶として有し、Mg等のp型ドーパントを含む。p型半導体層13は、p型クラッド層から構成される単層構造、又は発光層14に接するp型クラッド層を含む多層構造を有し、例えば、発光層14に接する厚さ50nmのp型クラッド層と、n型半導体基板11に接する厚さ10nmのp型コンタクト層とからなる多層構造を有する。
発光層14は、例えば、5層の厚さ2nmのアンドープ(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)結晶膜と5層の厚さ6nmのアンドープ(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)結晶膜が1層ずつ交互に積層された多重量子井戸構造を有する。
n型半導体層15は、(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)結晶を母結晶として有し、Si等のn型ドーパントを含む。n型半導体層15は、n型クラッド層から構成される単層構造、又は発光層14に接するn型クラッド層を含む多層構造を有し、例えば、厚さ5μmのn型クラッド層からなる単層構造を有する。
以下に、本実施の形態のエピタキシャルウエハの製造方法の例について説明する。
(第1の製造方法)
第1の製造方法は、p型半導体層13、発光層14、及びn型半導体層15をn型半導体基板11上にエピタキシャル成長させる方法である。
第1の製造方法は、p型半導体層13、発光層14、及びn型半導体層15をn型半導体基板11上にエピタキシャル成長させる方法である。
図2(a)、(b)は、第1の実施の形態に係るエピタキシャルウエハ10の製造工程の一例を表す垂直断面図である。
まず、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理されたn型半導体基板11に有機洗浄、SPM(Sulfuric acid/ hydrogen peroxide mixture)洗浄、及びHF液による洗浄を施す。
次に、図2(a)に示されるように、n型半導体基板11の表面にn型ドーパントをイオン注入し、800℃以上の活性化アニールを施すことにより、高濃度n型領域12を形成する。
ここで、例えば、n型半導体基板11にはn型ドーパントとして濃度5×1018/cm3のSiが含まれており、そのn型半導体基板11の表面に濃度1×1020/cm3のSiを注入することにより、高濃度n型領域12が形成される。また、活性化アニールは、例えば、1000℃、30分間の条件で実施される。
次に、図2(b)に示されるように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等により、n型半導体基板11上に、p型半導体層13、発光層14、n型半導体層15を順次エピタキシャル成長させる。
ここで、p型半導体層13は、例えば、1150℃の成長温度で形成される。発光層14は、例えば、1120℃の成長温度で形成される。n型半導体層15は、例えば、1200℃の成長温度で形成される。
(第2の製造方法)
第2の製造方法は、p型半導体層13、発光層14、及びn型半導体層15をn型半導体基板11とは別の基板上に形成した後、n型半導体基板11に貼り付ける方法である。
第2の製造方法は、p型半導体層13、発光層14、及びn型半導体層15をn型半導体基板11とは別の基板上に形成した後、n型半導体基板11に貼り付ける方法である。
図3(a)〜(d)は、第1の実施の形態に係るエピタキシャルウエハ10の製造工程の一例を表す垂直断面図である。
まず、図3(a)に示されるように、上記の第1の製造方法と同様の工程によりn型半導体基板11の表面に高濃度n型領域12を形成する。
一方で、図3(b)に示されるように、MOCVD法等により、下地基板17上に、AlNバッファ層、n型半導体層15、発光層14、及びp型半導体層13を順次エピタキシャル成長させる。
下地基板は、サファイア基板、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)基板、SiC基板等の、(AlxGa1−x)N結晶のエピタキシャル成長の下地基板として用いることのできる基板である。
ここで、AlNバッファ層は、例えば、1300℃の成長温度で形成される。n型半導体層15は、例えば、1200℃の成長温度で形成される。発光層14は、例えば、1120℃の成長温度で形成される。p型半導体層13は、例えば、1150℃の成長温度で形成される。
次に、図3(c)に示されるように、n型半導体基板11の高濃度n型領域12が形成された面と、下地基板17上に形成されたp型半導体層13の表面とを、表面活性化接合や原子拡散接合等により貼り合わせる。
次に、図3(d)に示されるように、レーザーリフトオフ法等により下地基板17を除去し、続けて、CMP処理等によりAlNバッファ層を除去する。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、第1の実施の形態のエピタキシャルウエハ10を含む発光素子についての形態である。第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態のエピタキシャルウエハ10を含む発光素子についての形態である。第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
(発光素子の構造)
図4は、第2の実施の形態に係る発光素子20の垂直断面図である。発光素子20は、n型半導体基板11と、n型半導体基板11の一方の表面に形成された高濃度n型領域12と、n型半導体基板11の高濃度n型領域12が形成された表面上にn型半導体基板11と接するように形成されたp型半導体層13と、p型半導体層13のn型半導体基板11の反対側に形成されたn型半導体層15と、p型半導体層13とn型半導体層15に挟まれた発光層14と、n型半導体層15の発光層14と反対側の面上の負電極22と、n型半導体基板11のp型半導体層13と反対側の面上の正電極21とを有する。
図4は、第2の実施の形態に係る発光素子20の垂直断面図である。発光素子20は、n型半導体基板11と、n型半導体基板11の一方の表面に形成された高濃度n型領域12と、n型半導体基板11の高濃度n型領域12が形成された表面上にn型半導体基板11と接するように形成されたp型半導体層13と、p型半導体層13のn型半導体基板11の反対側に形成されたn型半導体層15と、p型半導体層13とn型半導体層15に挟まれた発光層14と、n型半導体層15の発光層14と反対側の面上の負電極22と、n型半導体基板11のp型半導体層13と反対側の面上の正電極21とを有する。
正電極21及び負電極22は、それぞれn型半導体基板11及びn型半導体層15にオーミック接合する電極である。
正電極21は、例えば、厚さ50nmのTi膜と厚さ1000nmのAu膜の積層構造を有する。負電極22は、例えば、厚さ50nmのTi膜、厚さ500nmのAl膜と厚さ1000nmのPt/W膜の積層構造を有する。
正電極21及び負電極22は、例えば、フォトリソグラフィーと蒸着により各々の上記の積層構造を形成した後、窒素雰囲気中、500℃、5分間の条件で熱処理を施すことにより得られる。
また、p型半導体層13、発光層14、n型半導体層15から構成される積層体の側面は、SiO2等の絶縁材料からなる絶縁膜23に覆われる。
絶縁膜23は、例えば、フォトリソグラフィーとドライエッチングによりp型半導体層13、発光層14、n型半導体層15から構成される積層体にメサ加工を施した後、その積層体の側面を覆うようにプラズマCVD等により絶縁膜を形成することにより得られる。負電極22上の絶縁膜23は、フォトリソグラフィーとエッチング等により、選択的に除去される。
また、負電極22上には、例えば、厚さ100nmのTi膜と厚さ3000nmのAuSn膜の積層構造を有するパッド電極が形成される。
発光素子20は、ウエハ状態のn型半導体基板11をダイシングにより分割することによりチップ化される。チップ化された発光素子20の平面形状は、例えば、一片の長さが300μmの正方形である。
発光素子20の発光波長は、発光層14を構成する結晶の組成等により決定される。そして、第1の実施の形態において説明したように、n型半導体基板11は、発光素子20の発光波長に応じた組成を有することが好ましい。
発光素子20は、例えば、n型半導体基板11側から光を取り出すLED(Light Emitting Diode)であり、キャンタイプのステムにAuSn共晶接合等を用いて実装される。
また、発光素子20はレーザーダイオードであってもよい。レーザーダイオードである場合、光が発光層14中で反射を繰り返して増幅されるような構造、例えば、発光層14とp型半導体層13、発光層14とn型半導体層15に屈折率差があり、発光層14の側面が劈開面である構造を有する。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、第2の実施の形態の発光素子の変形例に係る形態である。第2の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
第3の実施の形態は、第2の実施の形態の発光素子の変形例に係る形態である。第2の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
(発光素子の構造)
図5(a)〜(c)は、それぞれ第3の実施の形態に係る発光素子30a、30b、30cの垂直断面図である。
図5(a)〜(c)は、それぞれ第3の実施の形態に係る発光素子30a、30b、30cの垂直断面図である。
発光素子30aは、n型半導体基板11の正電極21側の面に高濃度のn型ドーパントを含む高濃度n型領域31が形成されている点で、第1の実施の形態に係る発光素子20と異なる。
高濃度n型領域31は、n型半導体基板11の高濃度n型領域12の形成される面と反対側の面にSi等のn型ドーパントを高濃度でイオン注入し、活性化アニールを施すことにより形成される。このため、高濃度n型領域31のn型ドーパントの濃度は、n型半導体基板11のn型ドーパントの濃度よりも高い。
高濃度n型領域31のn型ドーパントの濃度は、例えば、高濃度n型領域12と同様に、5×1019/cm−3以上かつ1×1021/cm−3以下であることが好ましい。高濃度n型領域31の厚さは、例えば、100nmである。活性化アニールは、例えば、窒素雰囲気中、900℃、30分間の条件で実施される。
高濃度n型領域31を形成するタイミングは特に限定されないが、n型半導体基板11を研磨処理等により薄くする場合は、薄くした後に形成される。
高濃度n型領域31を形成することにより、n型半導体基板11と正電極21とのコンタクト抵抗を低減することができる。
発光素子30bは、正電極21側の面に凹凸33を有するn型半導体基板32がn型半導体基板11の代わりに用いられている点、及び負電極22側の面に凹凸35を有するn型半導体層34がn型半導体層15の代わりに用いられている点において、第2の実施の形態に係る発光素子20と異なる。
n型半導体基板32の凹凸33及びn型半導体層34の凹凸35は、例えば、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより形成される。
凹凸33及び凹凸35を形成することにより、n型半導体基板32の正電極21側の面及びn型半導体層34の負電極22側の面における光の反射を低減し、光取り出し効率を向上させることができる。なお、凹凸33と凹凸35のいずれか一方のみが形成されてもよい。
発光素子30cは、正電極21側に向かって窄まるテーパー形状を有し、かつ正電極21側の面に凹凸37を有するn型半導体基板36がn型半導体基板11の代わりに用いられている点、及び負電極22側の面に凹凸35を有するn型半導体層34がn型半導体層15の代わりに用いられている点において、第2の実施の形態に係る発光素子20と異なる。
n型半導体基板36の凹凸37及びn型半導体層34の凹凸35は、例えば、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより形成される。また、n型半導体基板36のテーパー形状は、例えば、先端形状に傾斜を有するダイシングブレードを用いたダイシング法により形成される。
n型半導体基板36のテーパー形状、凹凸37及び凹凸35を形成することにより、n型半導体基板36の正電極21側の面及びn型半導体層34の負電極22側の面における光の反射を低減し、光取り出し効率を向上させることができる。なお、テーパー形状、凹凸37及び凹凸35のうち、テーパー形状のみが形成されてもよい。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、第2の実施の形態の発光素子の変形例に係る形態である。第2の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
第4の実施の形態は、第2の実施の形態の発光素子の変形例に係る形態である。第2の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
(発光素子の構造)
図6(a)、(b)は、それぞれ第4の実施の形態に係る発光素子40a、40bの垂直断面図である。
図6(a)、(b)は、それぞれ第4の実施の形態に係る発光素子40a、40bの垂直断面図である。
発光素子40aは、主に、正電極の配置において第2の実施の形態に係る発光素子20と異なる。発光素子40aの正電極42は、負電極44と同様にn型半導体層34上に形成され、貫通電極43を介してp型半導体層13に接続される。これにより、n型半導体基板41側から光を取り出す際に、正電極42による光の反射に起因する光取り出し効率の低下を避けることができる。
SiO2等の絶縁材料からなる絶縁膜45は、p型半導体層13、発光層14、n型半導体層34から構成される積層体の側面を保護するとともに、正電極42と負電極44との絶縁、及び貫通電極43と発光層14、n型半導体層34との絶縁を確保している。
また、n型半導体基板41の表面に正電極42が形成されないため、n型半導体基板41の全面に1つ又は複数のテーパー部を形成することができ、これによりn型半導体基板41の表面における光の反射を低減し、光取り出し効率を向上させることができる。
発光素子40bは、正電極42が貫通電極43を介してn型半導体基板41に接続される点において異なる。このような構造により、p型半導体層13よりもn型半導体基板41の電気抵抗が低い場合は、電流の分散を大きくし、発光素子40bの面方向の発光強度の均一性を向上させることができる。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、エピタキシャルウエハにおいてn型半導体基板にp型半導体層を接合させるため、発光素子を製造する際にp型半導体層よりも導電性に優れるn型半導体層に負電極を接続することができる。このため、発光素子の発光効率を向上させることができる。一方、n型半導体基板の表面に高濃度n型領域を形成することにより、n型半導体基板と、異なる導電型のp型半導体層とを低抵抗で接合させることができる。
上記実施の形態によれば、エピタキシャルウエハにおいてn型半導体基板にp型半導体層を接合させるため、発光素子を製造する際にp型半導体層よりも導電性に優れるn型半導体層に負電極を接続することができる。このため、発光素子の発光効率を向上させることができる。一方、n型半導体基板の表面に高濃度n型領域を形成することにより、n型半導体基板と、異なる導電型のp型半導体層とを低抵抗で接合させることができる。
また、発光素子の発光層を含む積層体上に光取り出し効率を向上させるための凹凸を形成する場合は、積層体の最上層の厚さが凹凸を形成しない場合よりも厚い必要がある。従来の発光素子のように積層体の最上層がp型半導体層である場合、p型半導体層の電気抵抗が大きいため、厚くすると発光効率が低下するという問題がある。しかし、上記実施の形態の発光素子においては、積層体の最上層が電気抵抗の小さいn型半導体層であるため、凹凸の形成のために厚さを増しても発光効率の低下が少ない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
10…エピタキシャルウエハ、 11…n型半導体基板、 12…高濃度n型領域、 13…p型半導体層、 14…発光層、 15…n型半導体層、 20、30a、30b、30c、40a、40b…発光素子、 21…正電極、 22…負電極
Claims (11)
- n型半導体基板と、
前記n型半導体基板の一方の面上に、前記n型半導体基板と接するように形成されたp型半導体層と、
前記p型半導体層の、前記n型半導体基板の反対側に形成されたn型半導体層と、
前記p型半導体層と前記n型半導体層に挟まれた発光層と、
を有する、エピタキシャルウエハ。 - 前記n型半導体基板の前記p型半導体層側の表面に高濃度n型領域が形成され、前記n型半導体基板において、前記高濃度n型領域のn型ドーパント濃度が前記高濃度n型領域以外の領域n型ドーパント濃度よりも高い、
請求項1に記載のエピタキシャルウエハ。 - 前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、又はSiC結晶を母結晶として有する、
請求項1又は2に記載のエピタキシャルウエハ。 - 前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0<x≦0.60)で表される組成を有する結晶を母結晶として有する、
請求項3に記載のエピタキシャルウエハ。 - 前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)N(0<x≦0.80)で表される組成を有する結晶を母結晶として有する、
請求項3に記載のエピタキシャルウエハ。 - n型半導体基板と、
前記n型半導体基板の第1の面上に、前記第1の面と接するように形成されたp型半導体層と、
前記p型半導体層の、前記n型半導体基板の反対側に形成されたn型半導体層と、
前記p型半導体層と前記n型半導体層に挟まれた発光層と、
前記n型半導体基板又はp型半導体層に電気的に接続される正電極と、
前記n型半導体層に電気的に接続される負電極と、
を有する、発光素子。 - 前記n型半導体基板の前記p型半導体層側の表面に高濃度n型領域が形成され、前記n型半導体基板において、前記高濃度n型領域のn型ドーパント濃度が前記前記高濃度n型領域以外の領域n型ドーパント濃度よりも高い、
請求項6に記載の発光素子。 - 前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、(AlxGa1−x)N(0≦x≦1)で表される組成を有する結晶、又はSiC結晶を母結晶として有する、
請求項6又は7に記載の発光素子。 - 前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)2O3(0<x≦0.60)で表される組成を有する結晶を母結晶として有し、
発光波長が280nm以下である、
請求項8に記載の発光素子。 - 前記n型半導体基板が、(AlxGa1−x)N(0<x≦0.80)で表される組成を有する結晶を母結晶として有し、
発光波長が380nm以下である、
請求項8に記載の発光素子。 - 前記n型半導体層が、前記発光層と反対側の面に凹凸を有する、
請求項6〜10のいずれか1項に記載の発光素子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014078117A JP2015201485A (ja) | 2014-04-04 | 2014-04-04 | エピタキシャルウエハ及び発光素子 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111816739A (zh) * | 2020-08-17 | 2020-10-23 | 西安电子科技大学芜湖研究院 | 基于氧化镓衬底的高效紫外发光二极管及制备方法 |
-
2014
- 2014-04-04 JP JP2014078117A patent/JP2015201485A/ja active Pending
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