JP2015200518A - 監視装置、監視方法および監視プログラム - Google Patents

監視装置、監視方法および監視プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】風力発電施設への鳥類等の衝突確率を算出して警報を発する監視装置、監視方法および監視プログラムを得る。
【解決手段】飛翔データ221と、飛翔パターンデータベース222と、風車位置情報223とを記憶する第1記憶手段220と、判別結果入力部210と、飛翔パターンデータベース222と照合して予測飛翔航路FPを予測して、風車位置情報223から得られる風車のブレード18への衝突リスクの有無を判断する衝突リスク出力部230と、衝突リスクがある場合に物標Biの現在位置を端末70の画面に表示する衝突回避処理部240とを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電施設に設置したレーダによって飛翔中の鳥類等を探知して鳥類等の種を判別した判別結果データを用いて、風力発電施設への鳥類等の衝突確率を算出して警報を発する監視装置、監視方法および監視プログラムに関する。
以前より、航空機に鳥類やコウモリ類(以下「鳥類等」という)が衝突するバードストライクによる危険性が報告されている。
また近年、クリーンエネルギーとしての風力発電に注目が集まり、大型の風力発電施設の建設が盛んになってきているが、風力発電施設の建設場所は、風力発電に必要な安定した風が発生する場所に限定されるため、猛禽類やカモメ類が風を利用して飛翔する場所だったり、鳥たちの渡りの経路になっている場所だったりするため、これらの鳥類等が風力発電施設のブレード(羽根)等に衝突するバードストライクの危険性も重大な課題として報告されるようになった。
環境省では、鳥類等の保護の観点から、平成23年1月に「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」を発行している。
この手引きには、鳥類等の渡りルート、集結地、休息地等、一時的に飛翔の密度が高くなり、衝突リスクが高まることが懸念される場合や、濃霧・下層雲の発生に伴い、視程が悪化することにより衝突リスクが懸念される場合に備えて、飛翔状況や視程をリアルタイムで監視するため、船舶レーダによる鳥類等のリアルタイム把握のシステムの検討が挙げられている。
このような船舶レーダによる鳥類等のリアルタイム把握のシステムとして、特許文献1に開示されているように、所定角度範囲を走査可能なレーダ装置によって得られる複数シーンのレーダ画像データから背景画像データを生成し、各レーダ画像データからこの背景画像データを減算したのち2値化して移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成し、2値化エコー画像データに含まれる移動体から雨及び雪を除去することで鳥類と認識したものを連続する2値化エコー画像データにより追跡し、この鳥類と認識したものが監視領域内に入る場合、警告メッセージを生成する監視システムが開発されている。
特許文献1の監視システムでは、レーダ画像データから移動体を抽出し、抽出された移動体から雨及び雪を除去することで、残りの移動体を鳥類と認識しているだけであり、鳥類の種までは判別できていない。
また、特許文献1の監視システムでは、2次元の画像データから鳥類と認識したものが、予め設定した監視領域内に入っているか否かを判定しているため、鳥類の飛翔高度までは把握できていない。
そこで、高度の把握を行うために、マイクロ波を利用した高出力パルスレーダを採用した飛翔する鳥類の水平方向の位置を探知する水平レーダと高度を把握する垂直レーダで構成されたレーダ装置と、撮影した画像によって鳥類を探知する鳥映像監視装置(カメラ)等を組み合わせた監視システムの空港施設への設置例が報告されている。
しかし、水平レーダは、設置地点から水平方向に数キロメートルまでレーダが届くため、広範囲を監視できるが、垂直レーダは、レーダの幅だけの範囲しか監視できないため、飛行機や風車など保護すべき物の近距離に設置する必要があり、バードストライクが発生するか否かを高度により判定できるのは、鳥類等が飛行機や風車に接近した段階となり、その段階で警報メッセージを発しても対応する時間が短くなってしまう。
そこで、本発明者らは、飛翔高度が計測できるレーダで得たデータから鳥類等の種を判別する鳥類等判別レーダ装置を開発している。
鳥類等判別レーダ装置は、鳥類等の種ごとに異なる特徴となる点を、予めレーダによって観測して蓄積したデータにより数値化した指標として作成された鳥類等指標データベースを用い、レーダで観測されるリアルタイムの飛翔中の鳥類等のデータと比較し、最もデータの一致度の高い鳥類等の種を判定することで、飛翔中の鳥類等の種を判別する。
観察時に飛翔中の鳥類等を見分けるための識別ポイントには、「大きさ」、「翼・尾・体等の形と色」、「風切羽と体下面や尾の模様」、「飛び方」、群れで飛翔する鳥類等の場合は「群れの大きさ」等があり、レーダのデータとして取得できる「大きさ」、「飛び方」、および「群れの大きさ」に関して数値化した指標によって鳥類等指標データベースを作成する。
「大きさ」に関しては、鳥類等の種ごとに既に計測されている全長と翼開張があるが、レーダのデータとしては、レーダの反射波から求めることができるレーダ反射断面積を指標とする。
「飛び方」に関した飛翔には、上昇気流を利用して翼と尾を広げて旋回しながら高度を上げる帆翔、羽ばたかないで滑るように飛ぶ滑翔、羽ばたきながら空中の一点にとどまるホバリングと羽ばたかずにとどまるハンギングがある停空飛翔、急降下や急上昇をしたり追いかけ合ったりするディスプレイフライト等がある。
以下の例のように、鳥類等の種ごとに「飛び方」には特徴がある。
・ミサゴは、ときどき滑翔を交えながらゆっくり羽ばたいて飛び、獲物探索中は水面の上空で停空飛翔を行う。
・トビは、大きく輪を描くように帆翔したり、ゆっくり羽ばたいて滑翔したりする。
・オジロワシは、ゆっくり羽ばたいてまっすぐ飛び、ほとんど羽ばたかないで輪を描くように帆翔する。
・オオタカは、速い羽ばたきと滑翔を交互に行い、直線的に飛ぶ。
・オオノスリは、獲物探索中は高空で帆翔したり、停空飛翔したりする。
・ハヤブサは、獲物捕捉中は深くて速い羽ばたきで、翼をすぼめて逆三角形になり急降下する。
・チゴハヤブサは、獲物捕捉中は急降下したり、急旋回したりとスピード感にあふれる。
・アカアシチョウゲンボウは、ひらひら直線的に飛び、ときどき風上に向かって体を立て気味にしながらホバリングをする。
・コチョウゲンボウは、地上近くを力強い羽ばたきと滑翔を交えて、すばやく飛ぶ。
このように、鳥類等の種ごとの「飛び方」は異なり、さらに単に移動しているだけの時と、獲物を探している時と、獲物を補足しようとしている時では、同じ鳥類等の種でも「飛び方」が異なる。
したがって、「飛び方」に関する指標を鳥類等の行動ごとに細分化して決定することで、より正確に鳥類等の種を判別することが可能となる。
そこで、飛翔中の鳥類等の行動を「巡航中」、「獲物探索中」、「獲物捕捉中」の3種に分類して、行動ごとに指標を決定する。
「巡航中」とは、滑翔を交えながら羽ばたいて飛翔している状態をいい、飛翔方向、飛翔高度、および飛翔速度が一定時間にわたってほとんど変化しない。
「獲物探索中」とは、一定の空域で旋回する帆翔や停空飛翔をしている状態をいい、旋回したり停空したりするので飛翔方向は直線的でなく、上昇気流に利用して飛翔高度は徐々に上昇する。
旋回を行う場合、旋回半径やどれだけ上昇するかを示す上昇率を指標とすることができる。
「獲物捕捉中」とは、急降下や急旋回をしている状態をいい、飛翔方向、飛翔高度、および飛翔速度が急激に変化する。この場合も急降下や急旋回の下降率や旋回半径を指標とすることができる。
鳥類等判別レーダ装置によって、レーダによって探知された鳥類等の飛翔パターンを3次元の物標航跡として記録し、大きさや移動速度等によって特定した当該鳥類等の種の名称とともに出力できるようになる。
風力発電施設の場合、回転する風車のブレードに鳥類等が接触・衝突する可能性を衝突リスクいい、鳥類等が回転する風車に接触・衝突するメカニズムは明らかにされていないが、鳥類等の飛翔頻度と衝突リスクには何らかの関係があるとされ、その関係のモデル化が検討されている。
監視システムによって鳥類等が風車のブレードに接触・衝突するバードストライクの可能性を事前に予測し、管理者に警報を送信して風車を止めることでバードストライクを防ぐとしても、風車を止めることによる負担や影響が大きいため、予測する衝突リスクの確率を高める必要がある。
特開2012−8021号公報
従来の監視システムや監視装置は、レーダで探知した物標が鳥類等であるかをどのように判別するかという点に重点が置かれていた。
例えば、レーダのデータから求められる物標の大きさや物標の移動軌跡から判別したり、レーダ以外にカメラを使って物標の画像を撮影して判別したりしていた。
管理者にとって最も重要である衝突リスクに関しては、鳥類等と認識した物標が監視領域内に飛翔してきた場合に警報を管理者に送信するという機能のみであった。
最終的には警報を受信した管理者による目視によって確認する必要があるため、監視領域を広範囲に設定すれば警報が頻発し管理者の監視負担が大きくなり、管理者の監視負担を少なくするために監視領域を狭く設定すれば、警報を受信しても対処作業が間に合わなくなる可能性が高くなる。
このように、レーダで探知した鳥類等が監視領域内を飛翔しているかどうかを判断するだけでは、風力発電施設の監視機能としては不十分である。
鳥類等が風車のブレードに接触・衝突する衝突リスクの確率をより正確に、かつ衝突する前のより早い段階に算出して、衝突リスクの高い場合にのみ警報を送信するように監視機能を向上させる必要がある。
以上の課題を解決するために、本発明は、レーダによって計測された物標データを用いて鳥類等の種を特定した結果から、鳥類等の種ごとの飛翔パターンを参照することで、鳥類等をレーダによって探知したあとの飛翔航路を予測し、衝突リスクの確率を算出する監視装置、監視方法および監視プログラムを得ることを目的とする。
本発明の監視装置は、判別結果データに設定された探知した物標ごとにまとめた物標座標と物標探知時刻によって表された物標航跡と鳥類等の名称とを含む飛翔データと、鳥類等の名称ごとに複数の飛翔パターンを蓄積した飛翔パターンデータベースと、風車の風車位置情報とを記憶する第1記憶手段と、レーダに接続され、判別結果データが生成されるたびに当該判別結果データを受信して、飛翔データを第1記憶手段に記憶する判別結果入力部と、判別結果入力部に起動され、飛翔データに記録されている物標の物標航跡を、物標の鳥類等の名称をキー情報に検索した飛翔パターンデータベースに登録されている鳥類等の名称の飛翔パターンと照合し、今後の物標の予測飛翔航路を予測して、風車位置情報から得られる風車のブレードの回転範囲への衝突確率を算出し、衝突リスクの有無を判断する衝突リスク出力部と、衝突リスクがある場合に衝突リスク出力部に起動され、物標の物標航跡に含まれる最後の物標座標で示された物標の現在位置を、衝突確率の値別に指定された色で端末画面に表示する衝突回避処理部とを含むことを要旨とする。
また、本発明の監視方法は、レーダによって飛翔中の物標を探知して、当該物標の鳥類等の名称を判別した判別結果データを用いて、第1記憶手段に記憶された鳥類等の名称ごとに複数の飛翔パターンを蓄積した飛翔パターンデータベースと風車の風車位置情報から、風車への当該物標の衝突確率を算出する監視方法であって、レーダに接続され、判別結果データが生成されるたびに当該判別結果データを受信して、当該判別結果データに設定された探知した物標ごとにまとめた物標座標と物標探知時刻によって表された物標航跡と鳥類等の名称とを含む飛翔データを第1記憶手段に記憶する判別結果入力工程と、飛翔データに記録されている物標の物標航跡を、物標の鳥類等の名称をキー情報に検索した飛翔パターンデータベースに登録されている鳥類等の名称の飛翔パターンと照合し、今後の物標の予測飛翔航路を予測して、風車位置情報から得られる風車のブレードの回転範囲への衝突確率を算出し、衝突リスクの有無を判断する衝突リスク出力工程と、衝突リスクがある場合に、物標の物標航跡に含まれる最後の物標座標で示された物標の現在位置を、衝突確率の値別に指定された色で端末の画面に表示する衝突回避処理工程とを含むことを要旨とする。
さらに、本発明の監視プログラムは、レーダによって飛翔中の物標を探知して、当該物標の鳥類等の名称を判別した判別結果データを用いて、第1記憶手段に記憶された鳥類等の名称ごとに複数の飛翔パターンを蓄積した飛翔パターンデータベースと風車の風車位置情報から、風車への当該物標の衝突確率を算出する監視プログラムであって、コンピュータに、レーダに接続され、判別結果データが生成されるたびに当該判別結果データを受信して、当該判別結果データに設定された探知した物標ごとにまとめた物標座標と物標探知時刻によって表された物標航跡と鳥類等の名称とを含む飛翔データを第1記憶手段に記憶する判別結果入力手段と、飛翔データに記録されている物標の物標航跡を、物標の鳥類等の名称をキー情報に検索した飛翔パターンデータベースに登録されている鳥類等の名称の飛翔パターンと照合し、今後の物標の予測飛翔航路を予測して、風車位置情報から得られる風車のブレードの回転範囲への衝突確率を算出し、衝突リスクの有無を判断する衝突リスク出力手段と、衝突リスクがある場合に、物標の物標航跡に含まれる最後の物標座標で示された物標の現在位置を、衝突確率の値別に指定された色で端末の画面に表示する衝突回避処理手段としての機能を実行させることを要旨とする。
本発明の監視装置、監視方法および監視プログラムでは、鳥類等をレーダによって探知したあとに、レーダによって計測した航跡データと鳥類等の種ごとの飛翔パターンを照合して飛翔航路を予測し、予測した飛翔航路から衝突リスクの確率を算出することにより、衝突リスクの確率をより正確にかつ衝突する前のより早い段階に算出することができる。
本発明の実施の形態のイメージ図 監視装置の詳細な構成図 飛翔データの構成図 飛翔パターンデータベースの構成図 風車のブレードと風車位置情報を示すイメージ図 風車位置情報の構成図 判別結果入力部のフローチャート 飛翔パターン入力部のフローチャート 風車位置情報入力部のフローチャート 衝突リスク出力部のフローチャート 衝突リスク出力部のフローチャート 衝突リスク出力部のフローチャート 衝突回避処理部のフローチャート 飛翔パターンデータベースの作成工程図 鳥類等判別レーダ装置の構成図 センサー部の(a)正面図、(b)側面図、(c)上面図 一次データの構成要素図 一次データの蓄積状況を示すイメージ図 二次データの構成要素図 判別結果データの構成要素図 鳥類等指標データベースの構成図 指標データ選択テーブルの構成要素図 時期別指標データの構成要素図 指標重み付けデータの構成要素図 送受信部のフローチャート 信号処理部のフローチャート データ処理部のフローチャート データ処理部のフローチャート 表示部のフローチャート 鳥類等指標入力部のフローチャート 鳥類等指標データベースの作成工程図
本発明の監視装置200の実施の形態は、図1に示したように、風車のブレード18とともに設置するアンテナ12から発射したレーダにより、一定のレーダ捕捉距離内を飛翔している鳥類Qaや鳥類Qb、また群れで飛翔する鳥類Qcなどを探知し、探知した鳥類等の種を判別した上で、探知した鳥類等がブレード18に衝突する可能性を計算して、端末70に監視データを表示したり、場合によっては、風車に制御信号を送信してブレード18の停止制御を実施したりする。
図1に示したように、風力発電施設1には、アンテナ12と接続してレーダ信号(反射波)を受信する鳥類等判別レーダ装置100が設置され、鳥類等判別レーダ装置100に接続して監視装置200が設置される。
監視装置200の詳細な構成については、図2を参照しながら後述するが、監視装置200は、判別結果入力部210と、飛翔パターン入力部211と、風車位置情報入力部212と、第1記憶手段220と、衝突リスク出力部230と、衝突回避処理部240とを含んでいる。
第1記憶手段220には、飛翔データ221と、飛翔パターンデータベース222と、風車位置情報223とが記憶される。
飛翔データ221は、鳥類等判別レーダ装置100が受信したレーダ信号から鳥類等の種を判別して作成する判別結果データ33を、判別結果入力部210が読み込んで作成される。
衝突回避処理部240は、風車制御装置(図示せず)等を介して、風車(ブレード18)に接続され、制御信号を送信できるようになっている。
端末70からは、飛翔パターン入力部211と風車位置情報入力部212によって、それぞれ飛翔パターンデータベース222と風車位置情報223のデータが入力できるようになっている。
端末70には、衝突回避処理部240によって監視データが表示されるが、風力発電施設1に望遠カメラ2を設置して、レーダによって探知した鳥類等の映像を表示して確認できるようにしてもよい。
なお、図1はイメージ図であり、風車(ブレード18)とアンテナ12の大きさ、形状、設置位置等は実際の形態とは異なる。
図2に例示した本発明の監視装置200は、鳥類等判別レーダ装置100などにより観測されるリアルタイムの飛翔中の鳥類等のデータを、鳥類等の種ごとに異なる特徴点を予めレーダにより観測して蓄積したデータにより数値化した指標と比較することで鳥類等の種を判定して得られる判別結果データ33をもとに、鳥類等の種ごとの飛翔パターンを参照して衝突リスクの確率を算出し、確率が高い場合に警報を送信する。
なお、本発明の説明において、「鳥類等の種」とは、生物学上の厳密な種を常に意味するものではなく、飛翔パターンなどの特徴点が類似していて厳密な種まで判別するのが困難な鳥類等を1つのグループとして把握する場合の当該グループをも意味する。
厳密な種まで判別しなくても、飛翔パターンが同様であれば衝突リスクの確率算出に支障がないため、グループを「鳥類等の種」に相当するものとして扱う。
(監視装置200の構成)
本発明の監視装置200は、図2の構成図に例示するように、判別結果入力部210と、飛翔パターン入力部211と、風車位置情報入力部212と、第1記憶手段220と、衝突リスク出力部230と、衝突回避処理部240とを含む。
第1記憶手段220には、鳥類等判別レーダ装置100などで作成される判別結果データ33を判別結果入力部210によって入力される飛翔データ221と、監視装置200に接続された端末70から飛翔パターン入力部211によって入力される飛翔パターンデータベース222と、端末70から風車位置情報入力部212によって入力される風車位置情報223が記憶される。
衝突リスク出力部230は、第1記憶手段220に記憶された飛翔データ221を読み出す飛翔データ読出し手段231と、第1記憶手段220に記憶された飛翔パターンデータベース222から目的の鳥類等の種の飛翔パターンFkを読み出す飛翔パターン読出し手段232と、飛翔データ221に記録された物標航跡Pと飛翔パターン読出し手段232によって読み出した複数の飛翔パターンFkのそれぞれを比較して、最も類似する飛翔パターンFkを決定し、今後どのような航路で飛翔していくかを予測する飛翔航路予測手段233と、第1記憶手段220に記憶された風車位置情報223を読み出し、飛翔航路予測手段233によって予測された飛翔航路が風車位置情報223の示すブレード18の回転範囲に突入する確率を算出する衝突確率算出手段234と、衝突確率算出手段234によって算出された衝突確率から衝突リスクの有無を判断して、衝突リスクがあると判断した場合に、衝突回避処理部240を起動する衝突リスク判断手段235とを含む。
衝突回避処理部240は、衝突リスクがあると判断された鳥類等の位置を端末70の画面に表示し、鳥類等の名称Qiや衝突までの時間などの詳細情報を合わせて端末70の画面に表示する。設定によっては、風車へ制御信号を送信したりする。
(データの構成)
第1記憶手段220に記憶される飛翔データ221と、飛翔パターンデータベース222と、風車位置情報223の構成要素について説明する。
(飛翔データ221)
飛翔データ221は、後述する鳥類等判別レーダ装置100によって生成される判別結果データ33を読み込んだものである。
各構成要素について説明する前に、レーダのよって計測されるデータから得られる物標探知時刻Tn、受信信号振幅値AS、ドップラ周波数fd(Hz)、ドップラ周波数の広がりwfd(Hz)、物標方向D、レーダから物標までの距離Rについて説明する。
・物標探知時刻Tnは、発射したレーダが物標に反射して戻ってきた反射波を受信した時刻である。
・受信信号振幅値ASは、レーダの探知能力を表す係数k、物標のレーダ反射断面積RCS、物標までの距離R(m)から式(1)によって示される。
AS=k×RCS/R^2 ・・・(1)
・ドップラ周波数fd(Hz)は、レーダの送信電波の波長λ(m)、物標のレーダ方向速度Vr(m/s)から式(2)によって示される。
fd=2×Vr/λ ・・・(2)
・ドップラ周波数の広がりwfd(Hz)は、異なるレーダ方向速度Vrを持つ複数の物標が同一距離に存在する場合や、一つの物標であっても物標各部のレーダ方向速度Vrが異なる場合等に発生するもので、後者の場合は物標の特性を表す。
・物標方向Dは、方向値AZ(度)と仰角値EL(度)によって表され、測角機能を持たないレーダの場合、アンテナから送受される電波のビーム方向を表す。一方、測角機能を持つレーダの場合、モノパルス測角法により、同一反射信号を隣接する複数の部分アンテナで受信して、各受信信号間の位相もしくは振幅の差異からビームの中心方向からのズレ角を求め、上述のビーム方向を補正した値を表す。
・レーダから物標までの距離Rは、光速C(m/s)、レーダで送信した信号が物標で反射されてレーダに戻るまでの時間Δt(s)から式(3)によって示される。
R=C×Δt/2 ・・・(3)
次に、上記のように得られたデータをもとに作成される図3に示した飛翔データ221の構成要素について説明する。
・物標番号Biは、レーダによって飛翔体と認識できた物標に付与した通し番号である。
・物標航跡Pは、アンテナが360度回転する度に記録されるデータから算出する各周の物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・・、(Xun,Yun,Zun)とそのときの物標探知時刻T1、・・・、Tnを組として物標ごとにまとめた履歴で、各物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・・、(Xun,Yun,Zun)は、物標までの距離Rと方向値AZと仰角値ELから算出する。
・物標移動速度(Vx,Vy,Vz)は、物標航跡Pとして記録された連続した物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・・、(Xun,Yun,Zun)の時間変化から算出する。
・物標のレーダ反射断面積RCSは、受信信号振幅値ASから式(1)により算出する。
・物標のレーダ方向速度Vr(m/s)は、ドップラ周波数fdから式(2)により算出する。
・レーダ方向速度の広がりVd(m/s)は、一つの物標であっても物標各部のレーダ方向速度Vrが異なる場合等に発生するものであり、ドップラ周波数の広がりwfd(Hz)から求める。
・鳥類等の名称Qiは、上記の構成要素と鳥類等の種ごとに異なる特徴点を予めレーダによって観測して蓄積したデータにより数値化した指標と比較することで判別した鳥類等の種の名称である。
(飛翔パターンデータベース222)
図4に示した飛翔パターンデータベース222の構成について説明する。
飛翔パターンデータベース222は、いままで観測によって蓄積された種々の飛翔パターンFkを鳥類等の名称Qiごとにデータベース化したものである。
飛翔パターンFkは、任意の位置(例えば第1座標の位置)を原点とした空間の相対座標をプロットすることで表現する。
図4に示した例では、トビQ1について、第1座標Q1f1(X1,Y1,Z1)から第n座標Q1f1(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンF1と、第1座標Q1f2(X1,Y1,Z1)から第n座標Q1f2(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンF2と、第1座標Q1fk(X1,Y1,Z1)から第n座標Q1fk(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンFkが定義されている。
同様に、オジロワシQ2について、第1座標Q2f1(X1,Y1,Z1)から第n座標Q2f1(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンF1と、第1座標Q2f2(X1,Y1,Z1)から第n座標Q2f2(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンF2と、第1座標Q2fk(X1,Y1,Z1)から第n座標Q2fk(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンFkが定義されている。
さらに、オオタカQ3については、第1座標Q3f1(X1,Y1,Z1)から第n座標Q3f1(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンF1と、第1座標Q3f2(X1,Y1,Z1)から第n座標Q3f2(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンF2と、第1座標Q3fk(X1,Y1,Z1)から第n座標Q3fk(Xn,Yn,Zn)によって数値化された飛翔パターンFkが定義されている。
上述したように鳥類等の種ごとに「飛び方」は異なり特徴があるため、鳥類等の名称Qiごとに複数の飛翔パターンFkを定義して蓄積しておくことで、鳥類等の名称Qiが分かれば、どのような「飛び方」をしていくかを判断することが可能である。
(風車位置情報223)
風力発電施設の場合、鳥類等が接触・衝突するのは回転する風車のブレード18であり、衝突リスクを監視すべき範囲は、風車のブレード18の回転範囲になる。
したがって、図5に示したように、風車のブレード18の回転範囲を、上端座標G(XU,YU,ZU)、右端座標G(XR,YR,ZR)、左端座標G(XL,YL,ZL)、および下端座標G(XD,YD,ZD)によって定義する。
図6に示したように、風車位置情報223に、上端座標G(XU,YU,ZU)、右端座標G(XR,YR,ZR)、左端座標G(XL,YL,ZL)、および下端座標G(XD,YD,ZD)を設定する。
または、風車の中心位置の座標とブレード18の長さが分かれば回転範囲を求めることができるので、風車の中心位置の座標とブレード18の長さを風車位置情報223の構成要素としても構わない。
各座標は、例えば全世界的航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)を利用して計測したデータから算出し、レーダ装置から入力されるデータに含まれる座標と同じ座標系によって表現された値を使用する。
図6には、一か所の風車についてのデータのみを記載しているが、複数の風車を監視する場合は、それぞれの風車についてのデータを設定する。
(各部の詳細な処理の説明)
次に、監視装置200に含まれる判別結果入力部210、飛翔パターン入力部211、風車位置情報入力部212、衝突リスク出力部230、および衝突回避処理部240について説明する。
(判別結果入力部210)
判別結果入力部210は、鳥類等判別レーダ装置100などレーダによって鳥類等を探知しながらリアルタイムに判別結果データ33を生成する装置とデータ通信できるように接続される。
図7に示すように、判別結果入力部210は、鳥類等判別レーダ装置100などから生成するたびに送信されてくる判別結果データ33を受信する(S71)。
判別結果入力部210は、受信した判別結果データ33を第1記憶手段200に飛翔データ221として記憶する(S72)。
判別結果入力部210は、飛翔データ221の記憶が完了すると、今回記憶した分の飛翔データ221から衝突確率を算出させるために、衝突リスク出力部230を起動する(S73)。
(飛翔パターン入力部211)
図8に示すように、飛翔パターン入力部211は、予め観測によって蓄積された鳥類等の種ごとの飛翔パターンFkを、監視装置200に接続された端末70から入力させる(S74)。
飛翔パターン入力部211は、入力された飛翔パターンFkを、第1記憶手段200に飛翔パターンデータベース222として記憶する(S75)。
(風車位置情報入力部212)
図9に示すように、風車位置情報入力部212は、衝突リスクを監視すべき風車のブレード18の回転範囲を示す座標情報を、監視装置200に接続された端末70から入力させる(S76)。
風車位置情報入力部212は、入力された風車位置を示す座標情報を、第1記憶手段200に風車位置情報223として記憶する(S77)。
(衝突リスク出力部230)
衝突リスク出力部230は、飛翔データ221に記録されている各物標Bi(物標番号Biで識別される物標)の物標航跡Pを、各物標Biの鳥類等の名称Qiをキー情報に検索した飛翔パターンデータベース222に登録されている鳥類等の名称Qiの飛翔パターンFkと照合し、今後の各物標Biの鳥類等の飛翔航路を予測して、風車位置情報223から得られるブレード18の回転範囲への衝突確率を算出することで、衝突リスクの有無を判断する機能を有する。
衝突リスク出力部230は、飛翔データ読出し手段231と、飛翔パターン読出し手段232と、飛翔航路予測手段233と、衝突確率算出手段234と、衝突リスク判断手段235とを含む。
図10、図11、および図12のフローチャートを参照しながら、衝突リスク出力部230について、各手段の処理を順に説明する。
(飛翔データ読出し手段231)
飛翔データ読出し手段231は、第1記憶手段220に飛翔データ221を記憶した判別結果入力部210によって起動される(S81)。
飛翔データ読出し手段231は、第1記憶手段220に記憶された飛翔データ221を読み出す(S82)。
飛翔データ読出し手段231は、読み出した飛翔データ221に含まれる物標Biのデータを順番に抽出して、飛翔パターン読出し手段232に引き渡し、飛翔パターン読出し手段232を起動する(S83)。
飛翔データ読出し手段231は、飛翔データ221に含まれる物標Biのデータがまだあるか判断し、ある場合はステップS83に戻り、ない場合は処理を終了する(S84)。
(飛翔パターン読出し手段232)
飛翔パターン読出し手段232は、飛翔データ読出し手段231から飛翔データ221の物標Biのデータを受け取る(S85)。
飛翔パターン読出し手段232は、引き渡された物標Biのデータから、鳥類等の名称Qiを抽出する(S86)。
飛翔パターン読出し手段232は、抽出した鳥類等の名称Qiをキー情報として、第1記憶手段220に記憶された飛翔パターンデータベース222から目的の鳥類等の飛翔パターンFkを検索して読み出す(S87)。
(飛翔航路予測手段233)
飛翔航路予測手段233は、飛翔データ221の物標Biの物標航跡Pに含まれる物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・・、(Xun,Yun,Zun)を抽出する(S88)。
飛翔航路予測手段233は、抽出した物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・・、(Xun,Yun,Zun)を、最初の物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)を原点とした相対座標に変換して、物標Biの鳥類等の飛翔してきた航跡を求める(S89)。
飛翔航路予測手段233は、求めた航跡を飛翔パターン読出し手段232によって読み出した複数の飛翔パターンFkのそれぞれと照合して、最も類似する航路を含む飛翔パターンFkを決定する(S90)。
飛翔航路予測手段233は、決定した最も類似する航路を含む飛翔パターンFkの第1座標Qifk(X1,Y1,Z1)から第n座標Qifk(Xn,Yn,Zn)までの座標から、物標Biの鳥類等の飛翔してきた航跡に該当する部分の座標以後の座標を抽出する(S91)。
飛翔航路予測手段233は、抽出した座標の最初の座標に、物標Biの物標航跡Pに含まれる最後の物標座標(Xun,Yun,Zun)を当てはめ、抽出した座標の残りの座標を変換して、物標Biの今後の飛翔航路(予測飛翔航路FPという)を予測する(S92)。
(衝突確率算出手段234)
衝突確率算出手段234は、第1記憶手段220に記憶された風車位置情報223を読み出す(S93)。
衝突確率算出手段234は、飛翔航路予測手段233によって予測された物標Biの予測飛翔航路FPの座標から、風車位置情報223から得られるブレード18の回転範囲と最短となる距離(最接近距離という)を算出する(S94)。
衝突確率算出手段234は、算出した最接近距離により衝突確率を算出する。たとえば、最接近距離が0から10mなら衝突確率90%、10mから15mなら衝突確率80%、・・・と誤差を考慮して決定する(S95)。
衝突確率算出手段234は、飛翔データ221の物標Biの物標移動速度(Vx,Vy,Vz)から、物標Biの鳥類等が最接近距離に到達するまでの時間を計算し、到達時刻を算出する(S96)。
(衝突リスク判断手段235)
衝突リスク判断手段235は、衝突確率算出手段234によって算出された衝突確率が所定の値(例えば30%)未満か判定して、衝突リスクの有無を判断する(S97)。
衝突リスク判断手段235は、衝突リスクがあると判断した場合に、物標Biの鳥類等の名称Qi、物標航跡P、予測飛翔航路FP、および衝突確率算出手段234によって算出された衝突確率と到達時刻を、衝突回避処理部240に引き渡して、衝突回避処理部240を起動する(S98)。
(衝突回避処理部240)
衝突回避処理部240は、衝突リスクがある場合に、衝突しそうな物標Biの鳥類等の現在位置を、端末70の画面に衝突確率別に指定された色(例えば30%以上70%未満は黄色、70%以上90%未満はオレンジ色、90%以上は赤色など)で表示する機能を有する。
他に、衝突回避処理部240は、衝突しそうな物標Biの鳥類等のレーダ探知圏内に入ってからこれまでの物標航跡Pや今後の予測飛翔航路FP、鳥類等の名称Qiと衝突までの時間または到達時刻などの詳細情報を端末70の画面に表示したり、風車の制御装置に接続している場合には、風車の制御装置へ制御信号を送信したりする機能を有する。
図13のフローチャートを参照しながら、衝突回避処理部240の処理について説明する。
衝突回避処理部240は、衝突リスク出力部230の衝突リスク判断手段235から、物標Biの鳥類等の名称Qiと物標航跡P、および衝突リスク出力部230の衝突確率算出手段234によって算出された衝突確率と到達時刻を受信する(S101)。
衝突回避処理部240は、受信した物標航跡Pに含まれる最後の物標座標(Xun,Yun,Zun)で示された物標Biの鳥類等の現在位置を、衝突確率の値別に指定された色で端末70の画面に表示する(S102)。
衝突回避処理部240は、物標Biの鳥類等のレーダ探知圏内に入ってからこれまでの物標航跡Pと今後の予測飛翔航路FPを端末70の画面に表示する(S103)。
また、衝突回避処理部240は、物標Biの鳥類等の名称Qiと衝突までの時間または到達時刻を端末70の画面に表示する(S104)。
さらに、衝突回避処理部240は、受信した衝突確率が警報閾値以上かどうか判定する(S105)。
衝突回避処理部240は、接続された風車の制御装置に風車を減速または停止させる制御信号を送信する(S106)。
以上、本発明の監視装置200の構成および機能と処理の詳細について説明した。
つづいて、監視装置200に記憶する飛翔パターンデータベース222の作成工程について、図14を参照しながら説明する。
レーダ装置100aは、アンテナ12の送信部12aから送信したレーダの反射波を受信部12bで受信し、送受信部16によって反射波のデータを一次データ31として保存し、信号処理部17によって一次データ31からクラッタ(海面,地面,雨雪等からの反射波)のデータを除去し移動する物標Biからの反射波のデータのみを二次データ32として保存する。
一次データ31と二次データ32の構成については、後述する鳥類等判別レーダ装置100の説明のところに記載する。
また、レーダ装置100aによる観測と同時に、観察者の目視等によって移動する物標Biの鳥類等の種を判別して、物標Biの鳥類等を観察した位置や時刻とともに鳥類等の名称Qiを観察データ34として記録する。
まず、物標データ入力工程K81では、レーダ装置100aの二次データ32を読み出す。
次に、観察データ照合工程K82では、観察データ34を読み出し、二次データ32の物標航跡Pのデータと位置や時刻が符合する観察記録を検索し、該当する観察記録に記入された鳥類等の名称Qiを二次データ32のそれぞれの物標Biに割り当てる。
種別統計データ作成工程K83では、鳥類等の名称Qiを割り当てた二次データ32から種々の指標値を抽出し、抽出した指標値を鳥類等の種ごとにまとめた統計データ35を作成する。
つづいて、種別飛翔データ抽出工程K84は、統計データ35に鳥類等の種ごとにまとめられた各指標値から、物標航跡Pに含まれる物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・・、(Xun,Yun,Zun)を抽出し、物標航跡Pの任意の位置(例えば最初の物標座標(Xu1,Yu1,Zu1))を原点とした空間の相対座標に変換して、鳥類等の名称Qiの飛翔パターンFkを表現する第1座標Qifk(X1,Y1,Z1)から第n座標Qifk(Xn,Yn,Zn)として飛翔パターンデータベース222に登録する。
このようにして、一定期間、レーダ装置100aによる観測と観察者の目視等による観察を繰り返し、二次データ32と観察データ34が得られる度に統計データ35に鳥類等の種ごとの指標値を蓄積し、さらに飛翔パターンデータベース222に鳥類等の名称Qiごとの飛翔パターンFkを蓄積し、図4に例示したような飛翔パターンデータベース222として監視装置200に入力される。
次に、本発明の監視装置200に記憶する飛翔データ221として判別結果入力部210から入力される判別結果データ33の生成方法の一例について説明する。
以下に、判別結果データ33を生成する鳥類等判別レーダ装置100の構成と、鳥類等判別レーダ装置100によって判別結果データ33が生成される手順を説明する。
鳥類等判別レーダ装置100は、図15の構成図に例示するように、センサー部10と、制御部20と、第2記憶手段30と、データ処理部40と、表示部50と、鳥類等指標入力部60と、鳥類等指標データベース61と、端末70とを含む。
図示していないが、鳥類等判別レーダ装置100にはデータの処理を行う際に現在の時刻を提供するタイマが内蔵されている。
センサー部10は、図16に構造の(a)正面図、(b)側面図、および(c)上面図を示したように、レーダを送信する送信部12aと送信したレーダに対する反射波を受信する受信部12bで構成されたアンテナ12と、アンテナ12の方向を設定する方向設定部11と、アンテナの垂直方向の傾きを制御する仰角設定部13と、アンテナの水平方向の傾きを制御する水平調整部15と、アンテナを360度回転させるアンテナ駆動部14と、アンテナ12に接続され送信部12aからレーダを送信させ受信部12bで受信した反射波のデータを一次データ31として第2記憶手段30に保存する送受信部16と、送受信部16が第2記憶手段30に保存した一次データ31からクラッタ(海面,地面,雨雪等からの反射波)のデータを除去し移動する物標からの反射波のデータのみを二次データ32として第2記憶手段30に保存する信号処理部17によって構成されている。
第2記憶手段30には、図17に示した構成要素を含むレーダの反射波のデータを保存した一次データ31と、図19に示した構成要素を含む一次データ31からクラッタのデータを除去した二次データ32と、図20に示した構成要素を含む二次データ32に判別した鳥類等の名称Qiを付加した判別結果データ33が記憶される。
一次データ31にはアンテナ12が360度回転しながら受信した反射波のデータが時刻T1からTnへと逐次保存されており、図18に示したように、1周目U1のデータ31a、2周目U2のデータ31b、3周目U3のデータ31c、・・、n周目Unのデータ31nと区分することができる。
鳥類等指標データベース61には、図21に示したように、冬季日中用指標データ63a、冬季夕方用指標データ63b、冬季夜間用指標データ63c、春季日中用指標データ63d、春季夕方用指標データ63e、春季夜間用指標データ63f、夏季日中用指標データ63g、夏季夕方用指標データ63h、夏季夜間用指標データ63i、秋季日中用指標データ63j、秋季夕方用指標データ63k、秋季夜間用指標データ63mなど、月や時間に対応した複数の指標データを含む図23に示した時期別指標データ63と、図22に示した月や時間で決められた時期と参照すべき指標データとを関連付けて定義した指標データ選択テーブル62と、図24に示した時期別指標データ63に設定された各指標の重み付け値K(i)を定義した指標重み付けデータ64が含まれる。
制御部20は、方向設定部11と、仰角設定部13と、水平調整部15と、アンテナ駆動部14と、送受信部16と、信号処理部17と、端末70に接続され、端末70から入力される姿勢制御命令により、方向設定部11と、仰角設定部13と、水平調整部15と、アンテナ駆動部14を動作させて、アンテナ12の位置を制御し、送受信部16にレーダの発射命令を出し、信号処理部17に反射波のデータからクラッタのデータを除去した二次データ32の作成命令を出す。
データ処理部40は、信号処理部17によって第2記憶手段30に作成された二次データ32を読み出すレーダデータ入力手段41と、読み出した二次データ32の中から物標が鳥類等であるデータを抽出する鳥類等データ抽出手段42と、二次データ32に含まれる物標航跡Pから鳥類等の行動を分類する行動分類手段43と、鳥類等指標データベース61の指標データ選択テーブル62を参照して現在の月Mと時間Hに対応する時期別指標データ63を決定し、時期別指標データ63の行動分類手段43によって分類された行動に対応した各指標と鳥類等の二次データ32を比較して該当する指標を決定するデータ比較手段44と、鳥類等指標データベース61の指標重み付けデータ64に設定された該当した指標の重み付け値K(i)を合計して一致度を算出する一致度算出手段45と、算出した一致度が最大となる鳥類等の名称を二次データ32に付加して判別結果データ33として第2記憶手段30に保存する判別結果出力手段46を含む。
表示部50は、端末70からの命令に従って、第2記憶手段30に保存された一次データ31、二次データ32、および判別結果データ33を読み出して、指定されたデータを端末70に表示する。
鳥類等指標入力部60は、外部で作成され、端末70から入力される指標データ選択テーブル62、時期別指標データ63、および指標重み付けデータ64を鳥類等指標データベース61に設定する。また、一旦設定した鳥類等指標データベース61の内容の変更を行うことも可能である。
(レーダの仕様)
本発明の鳥類等判別レーダ装置100で使用するレーダの仕様は、たとえば以下の通りである。
・主探知対象:大型鳥類等および群れを成す小型鳥類等で、レーダ反射断面積が0.05m^2、最大飛翔速度が30m/s
・レーダ方式:FM−CW方式
・周波数:Kuバンド
・距離範囲:2.5km
・角度範囲:方位方向:全周、高低方向:−5〜30度
・距離分解能:10m
・角度分解能:方位方向:2.5度、高低方向:15度(測角精度:1度)
・速度分解能:3m/s
・データレート:4s/回(アンテナ回転速度に相当)
・レーダのビーム幅:約60度
上記の仕様が本発明の鳥類等判別レーダ装置100に必要なレーダデータを取得するのに最適ではあるが、判定処理に必要なデータが取得できるレーダであれば、この仕様に限定するものではない。
(一次データ31の構成要素)
図17に示した一次データ31の構成要素について説明する。
・物標探知時刻Tnは、発射したレーダが物標に反射して戻ってきた反射波を受信した時刻である。
・受信信号振幅値ASは、レーダの探知能力を表す係数k、物標のレーダ反射断面積RCS、物標までの距離R(m)から前述の式(1)によって示される。
レーダ反射断面積RCSは、物標の大きさや種別によって異なるので、物標の種別を推定するに利用できる。
・ドップラ周波数fd(Hz)は、レーダの送信電波の波長λ(m)、物標のレーダ方向速度Vr(m/s)から前述の式(2)によって示される。
式(2)で得られるレーダ方向速度Vrは極めて正確であり、物標の速度変化等を知ることができる。
・ドップラ周波数の広がりwfd(Hz)は、異なるレーダ方向速度Vrを持つ複数の物標が同一距離に存在する場合や、一つの物標であっても物標各部のレーダ方向速度Vrが異なる場合等に発生するもので、後者の場合は物標の特性を表す。
ドップラ周波数の広がりwfd(Hz)もしくはレーダ方向速度の広がりVd(m/s)は、物標の種別を識別する際に利用することができる。
・物標方向Dは、方向値AZ(度)と仰角値EL(度)によって表され、測角機能を持たないレーダの場合、アンテナから送受される電波のビーム方向を表す。一方、測角機能を持つレーダの場合、モノパルス測角法により、同一反射信号を隣接する複数の部分アンテナで受信して、各受信信号間の位相もしくは振幅の差異からビームの中心方向からのズレ角を求め、上述のビーム方向を補正した値を表す。
・レーダから物標までの距離Rは、光速C(m/s)、レーダで送信した信号が物標で反射されてレーダに戻るまでの時間Δt(s)から前述の式(3)によって示される。
(二次データ32の構成要素)
図19に示した二次データ32の構成要素について説明する。
・物標番号Biは、図18に示したように蓄積された一次データ31からクラッタ除去等を行って飛翔体と認識できた物標に付与した通し番号である。
・物標航跡Pは、アンテナが360度回転する度に1周目U1のデータ31a、2周目U2のデータ31b、3周目U3のデータ31c、・・、n周目Unのデータ31nとして記録される一次データ31から算出する各周の物標座標(Xun,Yun,Zun)とそのときの物標探知時刻Tnを組として物標ごとにまとめた履歴で、物標座標(Xun,Yun,Zun)は、物標までの距離Rと方向値AZと仰角値ELから算出する。
・物標移動速度(Vx,Vy,Vz)は、物標航跡Pとして記録された連続した物標座標(Xun,Yun,Zun)の時間変化から算出する。
・物標のレーダ反射断面積RCSは、受信信号振幅値ASから式(1)により算出する。
・物標のレーダ方向速度Vr(m/s)は、ドップラ周波数fdから式(2)により算出する。
・レーダ方向速度の広がりVd(m/s)は、一つの物標であっても物標各部のレーダ方向速度Vrが異なる場合等に発生するものであり、ドップラ周波数の広がりwfd(Hz)から求める。
(判別結果データ33の構成要素)
図20に示した判別結果データ33は、図19に示した二次データ32の構成要素の他に、各物標の二次データ32から判別した鳥類等の名称Qiを、当該物標のデータに追加したものである。
(鳥類等指標データベース61の構成)
鳥類等指標データベース61には、図21に示したように、指標データ選択テーブル62によって、月や時間によって定義された時期と各時期に参照する指標データ(63a、63b、63c、・・・、63m)が関連付けられ、各時期に参照する指標データ(63a、63b、63c、・・・、63m)が設定された時期別指標データ63が入力されている。
さらに、鳥類等指標データベース61には、時期別指標データ63に設定された各指標の重み付け値K(i)を定義した指標重み付けデータ64が入力されている。
(指標データ選択テーブル62の構成要素)
図22に示した指標データ選択テーブル62の構成要素について説明する。
鳥類等指標データベース61に全鳥類等の指標データをまとめて入力しておけば、どのような場合でも判別を行うことは可能となるが、比較する鳥類等の種数が大量になるため、無駄が発生して時間がかかることになる。
そこで、上述したように季節、時刻によって飛翔してくる鳥類等の種は大きく変わるので、比較する鳥類等の種を季節や時刻にともなって限定することで、処理時間が短くなり、さらに判定結果の精度が上がることになる。
指標データ選択テーブル62では、一年を月Mによって区分して季節を定義し、さらに一日を時間Hによって区分し、区分した各時期にどの指標データ(63a、63b、63c、・・・、63m)を参照するかを参照指標データ名Lとして定義している。
図22に示した値は例であり、区分の仕方は、飛翔してくる鳥類等の種が変わる時期に合わせて、さらに詳細に区分してもよいし、鳥類等の種がほとんど変わらない観測地域では区分をなくしてもよい。
(時期別指標データ63の構成要素)
図23に示した時期別指標データ63の構成要素について説明する。
上述したように、時期別指標データ63は、レーダによって探知した鳥類等の種を判別するために、飛翔中の鳥類等を見分ける識別ポイントとして、レーダのデータとして取得できる「大きさ」、「飛び方」、および「群れの大きさ」に関して数値化した指標である。
図23に示した時期別指標データ63は一例であり、その他の特徴について数値化した指標を追加しても構わない。
たとえば、鳥類等の種ごとの「飛び方」の例で示したように、トビやオジロワシなどはゆっくり羽ばたき、オオタカなどは速い羽ばたきをする特徴があり、この羽ばたきの頻度を反射波のドップラ聴音により数値化した指標とすることができる。
・鳥類等の名称Qiは、判別する鳥類等の種の名称であり、同じ特徴を有する鳥類等を一種に限定できない場合は、同じ特徴を有する複数の種の鳥類等をグループ化して、その名称を設定する。
・レーダ反射断面積指標Srcsは、鳥類等の「大きさ」を表す指標であり、鳥類等からの反射波の受信信号振幅値ASから式(1)により算出されるレーダ反射断面積RCSの平均的な値である。
なお、実測したレーダのデータがないなどでレーダ反射断面積RCSが不明な種については、その種について既に調査されている全長と翼開張をもとに、同程度の全長と翼開張の種のレーダ反射断面積RCSから推定しても構わない。
・群れの規模Swは、鳥類等の「群れの大きさ」を表す指標であり、例えば群れを形成する個体数が十羽以内なら小、百羽以内なら中、百羽以上なら大などとする。
・飛翔高度指標Shiは、鳥類等が飛翔している高度を表す指標であり、物標までの距離Rと方向値AZと仰角値ELから算出される物標座標(Xun,Yun,Zun)のZ座標(Zun)の値である。
上述したように、同じ種でも「巡航中」、「獲物探索中」、および「獲物捕捉中」のそれぞれの行動中では「飛び方」が異なるため、以下のように行動ごとに指標を決定する。
「巡航中」、「獲物探索中」、もしくは「獲物捕捉中」であるかは、物標航跡Pとして記録される連続した物標座標(Xun,Yun,Zun)によって描かれる軌跡から決定される。
(i)巡航中の飛翔高度指標Sh1
(ii)獲物探索中の飛翔高度指標Sh2
(iii)獲物捕捉中の飛翔高度指標Sh3
・飛翔速度指標Sviは、鳥類等が飛翔している速度を表す指標であり、物標航跡Pとして記録される連続した物標座標(Xun,Yun,Zun)の時間変化から算出する物標移動速度(Vx,Vy,Vz)の値である。
飛翔高度指標Shiと同様に、同じ種でも「巡航中」、「獲物探索中」、および「獲物捕捉中」のそれぞれの行動中では「飛び方」が異なるため、以下のように行動ごとに指標を決定する。
(i)巡航中の飛翔速度指標Sv1
(ii)獲物探索中の飛翔速度指標Sv2
(iii)獲物捕捉中の飛翔速度指標Sv3
・レーダ方向速度の広がり指標SVdiは、飛翔している鳥類等のレーダ方向速度の広がりを表す指標であり、鳥類等からの反射波のドップラ周波数の広がりwfdから求めた値である。
飛翔高度指標Shiや飛翔速度指標Sviと同様に、同じ種でも「巡航中」、「獲物探索中」、および「獲物捕捉中」のそれぞれの行動中では「飛び方」が異なるため、以下のように行動ごとに指標を決定する。
(i)巡航中のレーダ方向速度の広がり指標SVd1
(ii)獲物探索中のレーダ方向速度の広がり指標SVd2
(iii)獲物捕捉中のレーダ方向速度の広がり指標SVd3
・旋回半径指標Srは、鳥類等が一定の空域で旋回して帆翔する場合の旋回の半径を表す指標であり、物標航跡Pとして記録される連続した物標座標(Xun,Yun,Zun)によって描かれる軌跡から算出する。
・上昇率指標Supは、鳥類等が急上昇する飛翔をする場合の上昇率を表す指標であり、物標航跡Pとして記録される連続した物標座標(Xun,Yun,Zun)のZ座標(Zun)の値の変化から算出する。
・下降率指標Sdown、鳥類等が急降下する飛翔をする場合の下降率を表す指標であり、物標航跡Pとして記録される連続した物標座標(Xun,Yun,Zun)のZ座標(Zun)の値の変化から算出する。
なお、同じ種の鳥類等であっても、個体により「大きさ」にばらつきがあるし、「飛び方」についても飛翔高度や飛翔速度などにばらつきがある。
したがって、指標値として1値のみを設定できない項目については、指標値のとり得る範囲(最小値〜最大値)を設定して構わない。
図21に示した冬季日中用指標データ63a、冬季夕方用指標データ63b、冬季夜間用指標データ63c、春季日中用指標データ63d、春季夕方用指標データ63e、春季夜間用指標データ63f、夏季日中用指標データ63g、夏季夕方用指標データ63h、夏季夜間用指標データ63i、秋季日中用指標データ63j、秋季夕方用指標データ63k、秋季夜間用指標データ63mは、上記の指標を時期ごとに設定したものであり、時期ごとに設定される鳥類等の種とその数は異なり、同じ種に対する指標であっても、時期ごとに指標値は変動しうる。
(指標重み付けデータ64の構成要素)
図24に示した指標重み付けデータ64の構成要素について説明する。
上述したレーダによって探知した鳥類等の種を判別するための各指標には、種を判別する上で非常に影響のある指標とあまり影響のない指標とがある。
それらの指標を同一に扱うとむしろ種の判別を誤る可能性があるため、指標ごとにその重要度により重み付けを行う。
この指標ごとの重み付けを重み付け値K(i)として設定したのが指標重み付けデータ64である。
・重み付け値K(Srcs)は、レーダ反射断面積指標Srcsの指標値の重み付けである。
・重み付け値K(sw)は、群れの規模Swの指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sh1)は、巡航中の飛翔高度指標Sh1の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sh2)は、獲物探索中の飛翔高度指標Sh2の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sh3)は、獲物捕捉中の飛翔高度指標Sh3の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sv1)は、巡航中の飛翔速度指標Sv1の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sv2)は、獲物探索中の飛翔速度指標Sv2の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sv3)は、獲物捕捉中の飛翔速度指標Sv3の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(SVd1)は、巡航中のレーダ方向速度の広がり指標SVd1の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(SVd2)は、獲物探索中のレーダ方向速度の広がり指標SVd2の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(SVd3)は、獲物捕捉中のレーダ方向速度の広がり指標SVd3の指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sr)は、旋回半径指標Srの指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sup)は、上昇率指標Supの指標値の重み付けである。
・重み付け値K(Sdown)は、下降率指標Sdownの指標値の重み付けである。
次に、データの処理を行う各部の処理手順について詳細に説明する。
(送受信部16の処理)
図25に示した送受信部16のフローチャートを参照しながら、送受信部16の処理について説明する。
アンテナ12、制御部20、および第2記憶手段30に接続された送受信部16は以下の処理を行う。
送受信部16は、ユーザによる端末70からのレーダ送信開始の命令を制御部20を介して受信すると、アンテナ12の送信部12aからレーダを送信する(S11)。
レーダの送信開始と同時に、アンテナ12はアンテナ駆動部14によって360度の回転を開始する。
送受信部16は、送信したレーダが物標によって反射され、アンテナ12の受信部12bによって受信された反射波を受け取る(S12)。
送受信部16は、反射波を受け取るごとに、反射波を受信した物標探知時刻Tnと、反射波の受信信号振幅値AS、ドップラ周波数fd、ドップラ周波数の広がりwfd、および物標方向Dとして方向値AZと仰角値EL、ならびに式(3)によって算出したレーダから物標までの距離Rを、一次データ31として第2記憶手段30に順次保存する(S13)。
送受信部16によって第2記憶手段30に順次保存される一次データ31は、図18に示したように、アンテナが360度1周回転するのに対応して1周目U1のデータ31a、2周目U2のデータ31b、3周目U3のデータ31c、・・、n周目Unのデータ31nと蓄積されていく。
(信号処理部17の処理)
図26に示した信号処理部17のフローチャートを参照しながら、信号処理部17の処理について説明する。
信号処理部17は、一定の時間(たとえば15秒や30秒など)送受信部16によって第2記憶手段30に蓄積された一次データ31を読み出す(S21)。
信号処理部17は、読み出した一次データ31に含まれる1周目U1のデータ31a、2周目U2のデータ31b、3周目U3のデータ31c、・・n周目Unのデータ31nから、定位置からの定常的な反射波や、短時間に消滅して連続性がない反射波など海面、地面、雨雪等からの反射波をクラッタのデータとして除去する(S22)。
信号処理部17は、1周目U1のデータ31aからクラッタ除去して飛翔体と認識した各物標に通し番号である物標番号Biを付与する(S23)。
信号処理部17は、1周目U1のデータ31aにおける物標番号Biの方向値AZ、仰角値EL、およびレーダから物標までの距離Rから1周目U1の物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出し、物標航跡Pの開始点とする(S24)。
信号処理部17は、2周目U2のデータ31b、3周目U3のデータ31c、・・n周目Unのデータ31nにおける物標番号Biの方向値AZ、仰角値EL、およびレーダから物標までの距離Rからそれぞれの物標座標(Xu2,Yu2,Zu2)、(Xu3,Yu3,Zu3)、・・(Xun,Yun,Zun)を算出し、物標航跡Pに追加していく(S25)。
次に、信号処理部17は、物標航跡Pとして記録された連続した物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)の時間変化から物標移動速度(Vx,Vy,Vz)を算出する(S26)。
つづいて、信号処理部17は、1周目U1のデータ31aからn周目Unのデータ31nまでの物標番号Biのそれぞれの受信信号振幅値ASから、式(1)によりそれぞれのレーダ反射断面積RCSを算出し、その平均値を物標番号Biの物標のレーダ反射断面積RCSとする(S27)。
さらに、信号処理部17は、1周目U1のデータ31aからn周目Unのデータ31nまでの物標番号Biのそれぞれのドップラ周波数fdから、式(2)により物標のレーダ方向速度Vrを算出し、その平均値を物標番号Biの物標のレーダ方向速度Vrとする(S28)。
また、信号処理部17は、1周目U1のデータ31aからn周目Unのデータ31nまでの物標番号Biのそれぞれのドップラ周波数の広がりwfdからそれぞれのレーダ方向速度の広がりVdを求め、その平均値を物標番号Biのレーダ方向速度の広がりVdとする(S29)。
信号処理部17は、算出した以上のデータを二次データ32として第2記憶手段30に記録する(S30)。
(データ処理部40の処理)
図27と図28に示したデータ処理部40のフローチャートを参照しながら、データ処理部40の処理について説明する。
データ処理部40のレーダデータ入力手段41は、信号処理部17によって第2記憶手段30に作成された二次データ32を読み出す(S31)。
読み出した二次データ32は、信号処理部17によって飛翔体と認識した各物標のデータであり、例えば飛行機などの人工物のデータも含まれる。
そこで、データ処理部40の鳥類等データ抽出手段42は、読み出した二次データ32の中から、物標座標(Xun,Yun,Zun)の高度が鳥類等が飛翔できる高さ以上である物標のデータを除去する(S32)。
また、データ処理部40の鳥類等データ抽出手段42は、読み出した二次データ32の中から、物標移動速度(Vx,Vy,Vz)が鳥類等の飛翔速度ではないと判断される物標のデータを除去する(S33)。
さらに、データ処理部40の鳥類等データ抽出手段42は、読み出した二次データ32の中から、レーダ反射断面積RCSから鳥類等の大きさではないと判断される物標のデータを除去する(S34)。
データ処理部40の行動分類手段43は、鳥類等以外のデータを除去した二次データ32の物標の物標航跡Pに含まれる連続した物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)をプロットして鳥類等の飛翔パターンを決定する(S35)。
データ処理部40の行動分類手段43は、決定した鳥類等の飛翔パターンから、「巡航中」か、「獲物探索中」か、または「獲物捕捉中」かを判断する(S36)。
たとえば、鳥類等の飛翔パターンが地表と平行なほぼ一直線である場合は、滑翔を交えながら羽ばたいて飛翔している「巡航中」に行動分類できる。
また、鳥類等の飛翔パターンが円を描くような場合は、帆翔している「獲物探索中」に行動分類できる。
さらに、鳥類等の飛翔パターンが地表に向かった急角度の一直線である場合などは、急降下している「獲物捕捉中」に行動分類できる。
データ処理部40の行動分類手段43は、次のデータ比較手段44に判断結果を渡す(S37)。
データ処理部40のデータ比較手段44は、現在の時刻(月と時間)を装置に内蔵されているタイマから読み出す(S38)。
データ処理部40のデータ比較手段44は、現在の時刻(月と時間)をキーに、鳥類等指標データベース61の指標データ選択テーブル62を参照して、現在の時刻(月と時間)に対応する参照指標データ名Lを読み出す(S39)。
データ処理部40のデータ比較手段44は、読みだした参照指標データ名Lの時期別指標データ63に含まれる指標データ(63a、63b、63c、・・・、63m)を読み出す(S40)。
データ処理部40のデータ比較手段44は、読み出した指標データ(63a、63b、63c、・・・、63m)に設定された鳥類等の全種の各指標と、鳥類等以外のデータを除去した二次データ32の各物標のデータについて以下のように比較する(S41)。
(1)物標のレーダ反射断面積RCSは、レーダ反射断面積指標Srcsの指標値の範囲内か。
(2)行動分類手段43から受け取った行動分類の判断結果を判定して、以下のいずれかの判定を行う。
「巡航中」の場合
・物標の物標航跡Pに含まれる物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)の高度は、巡航中の飛翔高度指標Sh1の指標値の範囲内か。
・物標の物標移動速度(Vx,Vy,Vz)は、巡航中の飛翔速度指標Sv1の指標値の範囲内か。
・物標のレーダ方向速度の広がりVdは、巡航中のレーダ方向速度の広がり指標SVd1の指標値の範囲内か。
「獲物探索中」の場合
・物標の物標航跡Pに含まれる物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)の高度は、獲物探索中の飛翔高度指標Sh2の指標値の範囲内か。
・物標の物標移動速度(Vx,Vy,Vz)は、獲物探索中の飛翔速度指標Sv2の指標値の範囲内か。
・物標のレーダ方向速度の広がりVdは、獲物探索中のレーダ方向速度の広がり指標SVd2の指標値の範囲内か。
「獲物捕捉中」の場合
・物標の物標航跡Pに含まれる物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)の高度は、獲物捕捉中の飛翔高度指標Sh3の指標値の範囲内か。
・物標の物標移動速度(Vx,Vy,Vz)は、獲物捕捉中の飛翔速度指標Sv3の指標値の範囲内か。
・物標のレーダ方向速度の広がりVdは、獲物捕捉中のレーダ方向速度の広がり指標SVd3の指標値の範囲内か。
(3)物標の物標航跡Pに旋回が含まれる場合、物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)から算出される旋回の半径は、旋回半径指標Srの指標値の範囲内か。
(4)物標の物標航跡Pに含まれる物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)から算出される上昇率は、上昇率指標Supの指標値の範囲内か。
(5)物標の物標航跡Pに含まれる物標座標(Xu1,Yu1,Zu1)、・・(Xun,Yun,Zun)から算出される下降率は、下降率指標Sdownの指標値の範囲内か。
(6)物標の物標航跡Pと同調した物標航跡Pを有する他の物標の数をカウントし、群れの規模Swの指標値の「小」、「中」、「大」のどれになるか。
データ処理部40のデータ比較手段44は、物標ごとに、全種について前の比較処理により該当した指標を列挙する(S42)。
データ処理部40の一致度算出手段45は、鳥類等指標データベース61から指標重み付けデータ64を読み出す(S43)。
データ処理部40の一致度算出手段45は、読み出した指標重み付けデータ64から、データ比較手段44によって物標ごとに列挙された全種についての該当した指標のそれぞれの重み付け値K(i)を抽出して、重み付け値K(i)を合計して一致度を算出する(S44)。
データ処理部40の一致度算出手段45は、物標ごとに算出した全種の一致度を比較して、一致度が最大となる種を決定する(S45)。
データ処理部40の判別結果出力手段46は、一致度が最大となった鳥類等の名称Bを当該物標の二次データ32に付加して判別結果データ33として第2記憶手段30に保存する(S46)。
(表示部50の処理)
図29に示した表示部50のフローチャートを参照しながら、表示部50の処理について説明する。
表示部50は、端末70からの表示命令を受信する(S51)。
表示部50は、表示命令がどのデータを指示しているか判定する(S52)。
表示部50は、表示命令が第2記憶手段30に保存された一次データ31を指示している場合、一次データ31に記録されているレーダのデータを端末70の画面に表示する(S53)。
この場合、鳥類等を含む飛翔体からの反射波と、海面、地面、雨雪等からの反射波のすべての物標について画面にリアルタイムに画像表示される。
表示部50は、表示命令が第2記憶手段30に保存された二次データ32を指示している場合、二次データ32に記録されているクラッタ除去した物標のデータを端末70の画面に表示する(S54)。
この場合、鳥類等を含む飛翔体の位置を端末70の画面に表示することになり、物標航跡Pのデータにより、各物標の飛翔軌跡も画面に表示できる。
表示部50は、表示命令が第2記憶手段30に保存された判別結果データ33を指示している場合、判別結果データ33に記録されている鳥類等のデータを端末70の画面に表示する(S55)。
この場合、鳥類等と判別された飛翔体の位置を端末70の画面に表示することになり、物標航跡Pのデータにより、各鳥類等の飛翔軌跡も画面に表示できる。
さらに、判別結果データ33に設定された鳥類等の種ごとに、各物標をマークの色や形状を変えて表示し、各物標のマークをクリックすることで、判別結果データ33に設定された各物標の詳細データを端末70の画面に表示できる。
(鳥類等指標入力部60の処理)
図30に示した鳥類等指標入力部60のフローチャートを参照しながら、鳥類等指標入力部60の処理について説明する。
鳥類等指標入力部60は、外部で作成され、端末70から入力される指標データ選択テーブル62、時期別指標データ63、および指標重み付けデータ64を受信する(S61)。
鳥類等指標入力部60は、受信した各データを鳥類等指標データベース61に設定する(S62)。
鳥類等指標入力部60は、端末70から入力されるデータによって、鳥類等指標データベース61に設定された内容の変更も行うことができる。
以上が、監視装置200に記憶する飛翔データ221として判別結果入力部210から入力される判別結果データ33の生成する鳥類等判別レーダ装置100の説明である。
なお、鳥類等判別レーダ装置100で使用する鳥類等指標データベース61として入力する指標データ選択テーブル62、時期別指標データ63、および指標重み付けデータ64は、予め外部で作成するデータである。
そこで、図31を参照しながら、鳥類等指標データベース61の作成工程について説明する。
レーダ装置100aは、アンテナ12の送信部12aから送信したレーダの反射波を受信部12bで受信し、送受信部16によって反射波のデータを一次データ31として保存し、信号処理部17によって一次データ31からクラッタ(海面,地面,雨雪等からの反射波)のデータを除去し移動する物標Biからの反射波のデータのみを二次データ32として保存する。
一次データ31と二次データ32の構成については、鳥類等判別レーダ装置100の説明に記載した通りである。
また、レーダ装置100aによる観測と同時に、観察者の目視等によって移動する物標Biの鳥類等の種を判別して、物標Biの鳥類等を観察した位置や時刻とともに鳥類等の名称Qiを観察データ34として記録する。
まず、物標データ入力工程K81では、レーダ装置100aの二次データ32を読み出す。
次に、観察データ照合工程K82では、観察データ34を読み出し、二次データ32の物標航跡Pのデータと位置や時刻が符合する観察記録を検索し、該当する観察記録に記入された鳥類等の名称Qiを二次データ32のそれぞれの物標Biに割り当てる。
種別統計データ作成工程K83では、鳥類等の名称Qiを割り当てた二次データ32から種々の指標値を抽出し、抽出した指標値を時期ごとおよび鳥類等の種ごとにまとめた統計データ35を作成する。
さらに、種別統計データ作成工程K83では、統計データ35から時期ごとに飛翔する鳥類等の種の一覧を、名称を付した各時期用の指標データのテーブルを時期別指標データ63に作成する。
また、種別統計データ作成工程K83では、各時期の区分条件(月や時間)と各指標データの名称を参照指標データ名Lと関連付けた指標データ選択テーブル62を作成する。
つづいて、種別指標値決定工程K85では、統計データ35にまとめられた鳥類等の種の各指標値から、鳥類等の種の判別に有効な指標値、または指標値の範囲を決定し、時期別指標データ63に作成された各時期用の指標データのテーブルに設定して、時期別指標データ63を完成させる。
指標重み付け値決定工程K86では、時期別指標データ63に設定した各指標の重要度を統計データ35から判断し、各指標の重み付けを行い、各指標の重み付け値K(i)を指標重み付けデータ64として作成する。
このようにして、鳥類等指標データベース61が作成され、鳥類等判別レーダ装置100に入力される。
以上に示した実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置の構成や処理手順を例示するものであって、構成部品の配置や組み合わせ、および処理の順番等を限定するものではない。
本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。図面は模式的なものであり、装置の構成等は現実のものとは異なることに留意すべきである。
10 センサー部
11 方向設定部
12 アンテナ
12a 送信部
12b 受信部
13 仰角設定部
14 アンテナ駆動部
15 水平調整部
16 送受信部
17 信号処理部
18 ブレード
20 制御部
30 第2記憶手段
31 一次データ
32 二次データ
33 判別結果データ
34 観察データ
35 統計データ
40 データ処理部
41 レーダデータ入力手段
42 鳥類等データ抽出手段
43 行動分類手段
44 データ比較手段
45 一致度算出手段
46 判別結果出力手段
50 表示部
60 鳥類等指標入力部
61 鳥類等指標データベース
62 指標データ選択テーブル
63 時期別指標データ
64 指標重み付けデータ
70 端末
100 鳥類等判別レーダ装置
100a レーダ装置
200 監視装置
210 判別結果入力部
211 飛翔パターン入力部
212 風車位置情報入力部
220 第1記憶手段
221 飛翔データ
222 飛翔パターンデータベース
223 風車位置情報
230 衝突リスク出力部
231 飛翔データ読出し手段
232 飛翔パターン読出し手段
233 飛翔航路予測手段
234 衝突確率算出手段
235 衝突リスク判断手段
240 衝突回避処理部

Claims (18)

  1. レーダによって飛翔中の物標Biを探知して、当該物標Biの鳥類等の名称Qiを判別した判別結果データを用いて、風車への当該物標Biの衝突確率を算出する監視装置であって、
    前記判別結果データに設定された探知した前記物標Biごとにまとめた物標座標(Xun,Yun,Zun)と物標探知時刻Tnによって表された物標航跡Pと前記鳥類等の名称Qiとを含む飛翔データと、
    前記鳥類等の名称Qiごとに複数の飛翔パターンFkを蓄積した飛翔パターンデータベースと、
    前記風車の風車位置情報
    とを記憶する第1記憶手段と、
    前記レーダに接続され、前記判別結果データが生成されるたびに当該判別結果データを受信して、前記飛翔データを前記第1記憶手段に記憶する判別結果入力部と、
    前記判別結果入力部に起動され、前記飛翔データに記録されている前記物標Biの前記物標航跡Pを、前記物標Biの前記鳥類等の名称Qiをキー情報に検索した前記飛翔パターンデータベースに登録されている前記鳥類等の名称Qiの前記飛翔パターンFkと照合し、今後の前記物標Biの予測飛翔航路FPを予測して、前記風車位置情報から得られる前記風車のブレードの回転範囲への前記衝突確率を算出し、衝突リスクの有無を判断する衝突リスク出力部と
    を含むことを特徴とする監視装置。
  2. 衝突リスクがある場合に前記衝突リスク出力部に起動され、前記物標Biの前記物標航跡Pに含まれる最後の物標座標(Xun,Yun,Zun)で示された前記物標Biの現在位置を、前記衝突確率の値別に指定された色で端末の画面に表示する衝突回避処理部をさらに含む請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記衝突回避処理部は、前記物標Biの前記物標航跡P、前記予測飛翔航路FP、前記鳥類等の名称Qi、衝突までの時間または到達時刻の少なくともいずれかを端末の画面に表示することをさらに含む請求項2に記載の監視装置。
  4. 前記衝突回避処理部は、前記衝突確率が警報閾値以上である場合、前記風車に制御信号を送信することをさらに含む請求項2または3に記載の監視装置。
  5. 前記鳥類等の名称Qiごとの複数の飛翔パターンFkを端末から入力させ、前記第1記憶手段に前記飛翔パターンデータベースとして記憶する飛翔パターン入力部をさらに含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の監視装置。
  6. 前記風車のブレードの回転範囲を示す座標情報を端末から入力させ、前記第1記憶手段に前記風車位置情報として記憶する風車位置情報入力部をさらに含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の監視装置。
  7. レーダによって飛翔中の物標Biを探知して、当該物標Biの鳥類等の名称Qiを判別した判別結果データを用いて、第1記憶手段に記憶された前記鳥類等の名称Qiごとに複数の飛翔パターンFkを蓄積した飛翔パターンデータベースと風車の風車位置情報から、前記風車への当該物標Biの衝突確率を算出する監視方法であって、
    前記レーダに接続され、前記判別結果データが生成されるたびに当該判別結果データを受信して、当該判別結果データに設定された探知した前記物標Biごとにまとめた物標座標(Xun,Yun,Zun)と物標探知時刻Tnによって表された物標航跡Pと前記鳥類等の名称Qiとを含む飛翔データを前記第1記憶手段に記憶する判別結果入力工程と、
    前記飛翔データに記録されている前記物標Biの前記物標航跡Pを、前記物標Biの前記鳥類等の名称Qiをキー情報に検索した前記飛翔パターンデータベースに登録されている前記鳥類等の名称Qiの前記飛翔パターンFkと照合し、今後の前記物標Biの予測飛翔航路FPを予測して、前記風車位置情報から得られる前記風車のブレードの回転範囲への前記衝突確率を算出し、衝突リスクの有無を判断する衝突リスク出力工程と
    を含むことを特徴とする監視方法。
  8. 衝突リスクがある場合に、前記物標Biの前記物標航跡Pに含まれる最後の物標座標(Xun,Yun,Zun)で示された前記物標Biの現在位置を、前記衝突確率の値別に指定された色で端末70の画面に表示する衝突回避処理工程をさらに含む請求項7に記載の監視方法。
  9. 前記衝突回避処理工程は、前記物標Biの前記物標航跡P、前記予測飛翔航路FP、前記鳥類等の名称Qi、衝突までの時間または到達時刻の少なくともいずれかを端末の画面に表示することをさらに含む請求項8に記載の監視方法。
  10. 前記衝突回避処理工程は、前記衝突確率が警報閾値以上である場合、前記風車に制御信号を送信することをさらに含む請求項8または9に記載の監視方法。
  11. 前記鳥類等の名称Qiごとの複数の前記飛翔パターンFkを端末から入力させ、前記第1記憶手段に前記飛翔パターンデータベースとして記憶する飛翔パターン入力工程をさらに含む請求項7ないし10のいずれか1項に記載の監視方法。
  12. 前記風車のブレードの回転範囲を示す座標情報を端末から入力させ、前記第1記憶手段に前記風車位置情報として記憶する風車位置情報入力工程をさらに含む請求項7ないし11のいずれか1項に記載の監視方法。
  13. レーダによって飛翔中の物標Biを探知して、当該物標Biの鳥類等の名称Qiを判別した判別結果データを用いて、コンピュータの第1記憶手段に記憶された前記鳥類等の名称Qiごとに複数の飛翔パターンFkを蓄積した飛翔パターンデータベースと風車の風車位置情報から、前記風車への当該物標Biの衝突確率を算出する監視プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記レーダに接続され、前記判別結果データが生成されるたびに当該判別結果データを受信して、当該判別結果データに設定された探知した前記物標Biごとにまとめた物標座標(Xun,Yun,Zun)と物標探知時刻Tnによって表された物標航跡Pと前記鳥類等の名称Qiとを含む飛翔データを前記第1記憶手段220に記憶する判別結果入力手段と、
    前記飛翔データに記録されている前記物標Biの前記物標航跡Pを、前記物標Biの前記鳥類等の名称Qiをキー情報に検索した前記飛翔パターンデータベースに登録されている前記鳥類等の名称Qiの前記飛翔パターンFkと照合し、今後の前記物標Biの予測飛翔航路FPを予測して、前記風車位置情報から得られる前記風車のブレードの回転範囲への前記衝突確率を算出し、衝突リスクの有無を判断する衝突リスク出力手段
    としての機能を実行させるための監視プログラム。
  14. 前記コンピュータに、衝突リスクがある場合に、前記物標Biの前記物標航跡Pに含まれる最後の物標座標(Xun,Yun,Zun)で示された前記物標Biの現在位置を、前記衝突確率の値別に指定された色で端末の画面に表示する衝突回避処理手段としての機能をさらに実行させるための請求項13に記載の監視プログラム。
  15. 前記衝突回避処理手段は、前記物標Biの前記物標航跡P、前記予測飛翔航路FP、前記鳥類等の名称Qi、衝突までの時間または到達時刻の少なくともいずれかを端末の画面に表示することをさらに含む請求項14に記載の監視プログラム。
  16. 前記衝突回避処理手段は、前記衝突確率が警報閾値以上である場合、前記風車に制御信号を送信することをさらに含む請求項14または15に記載の監視プログラム。
  17. 前記コンピュータに、前記鳥類等の名称Qiごとの複数の前記飛翔パターンFkを端末から入力させ、前記第1記憶手段に前記飛翔パターンデータベースとして記憶する飛翔パターン入力手段)としての機能をさらに実行させるための請求項13ないし16のいずれか1項に記載の監視プログラム。
  18. 前記コンピュータに、前記風車のブレードの回転範囲を示す座標情報を端末から入力させ、前記第1記憶手段に前記風車位置情報として記憶する風車位置情報入力手段としての機能をさらに実行させるための請求項13ないし17のいずれか1項に記載の監視プログラム。
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