JP2015199891A - 粘着剤層形成用塗剤 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、タッチパネル用途においては、ポリカーボネート等の透明プラスチック基板と、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の貼り合わせや、ハードコートフィルムとPETフィルムの貼り合わせに粘着シートが使用されている。
また、特許文献2に記載されたような粘着剤層を用いた場合、粘着剤層の白化をある程度抑えることができるがその程度は十分ではなく、さらに、一般的なアクリル系粘着剤と混合した場合に、その粘着力が著しく低下するということが本発明者らの検討により明らかとなった。
従来、溶剤系や無溶剤系粘着剤組成物(水系粘着剤組成物を除く)に水系成分を添加すると、硬化阻害が発生し凝集力不足となり、その結果、粘着剤層の白化が進行したり、外観異常が発生したりするものと考えられていた。このため、溶剤系や無溶剤系粘着剤組成物には極力水系成分が含まれないように調製することが通常であった。しかし、本発明者らは、溶剤系や無溶剤系粘着剤組成物中に敢えて水系成分を添加することを試みた。その結果、驚くべきことに、粘着剤層の白化を抑制することができ、かつ、硬化阻害を生じさせず、水系成分の凝集による外観異常の発生を抑えることに成功した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]前記水系成分は、前記界面活性剤の質量に対して1〜50質量%含まれることを特徴とする[1]に記載の粘着剤層形成用塗剤。
[3]前記界面活性剤は、前記粘着剤層形成用塗剤の全質量に対して0.01〜5質量%含まれることを特徴とする[1]又は[2]に記載の粘着剤層形成用塗剤。
[4]前記粘着剤層形成用塗剤は、さらに架橋剤を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着剤層形成用塗剤。
[5]前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着剤層形成用塗剤。
[6]前記非イオン性界面活性剤がオキシアルキレン鎖型界面活性剤であることを特徴とする[5]に記載の粘着剤層形成用塗剤。
[7]前記オキシアルキレン鎖型界面活性剤がエーテル型界面活性剤であることを特徴とする[6]に記載の粘着剤層の粘着剤層形成用塗剤。
[8]前記エーテル型界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルであることを特徴とする[7]に記載の粘着剤層形成用塗剤。
[9]前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキル基の炭素数が8〜22であることを特徴とする[8]に記載の粘着剤層形成用塗剤。
[10]前記界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着剤層形成用塗剤。
[11]前記アニオン系界面活性剤がジアルキルスルホコハク酸金属塩であることを特徴とする[10]に記載の粘着剤層形成用塗剤。
本発明の粘着剤層形成用塗剤は、アクリル系ポリマーと界面活性剤を含む溶剤系又は無溶剤系粘着剤組成物(水系粘着剤組成物を除く)と水系成分とを含有する。本発明の粘着剤層形成用塗剤は、このようにアクリル系ポリマーと界面活性剤と水系成分を含む。本発明の粘着剤層形成用塗剤は、粘着剤層を形成する際の塗布液となる。ここで、溶剤系粘着材層組成物とは、有機溶剤等の溶媒にアクリル系ポリマー等の成分を溶解させたものであって、溶剤系粘着材層形成用塗剤を塗布し、溶剤を揮散させることによって、粘着層を形成するものである。また、無溶剤系粘着剤組成物は、溶剤を使用しない塗剤であり、粘着剤層を形成する際は、熱や光等のエネルギーを利用する。なお、本発明で用いる溶剤系又は無溶剤系粘着剤組成物には、水系粘着剤組成物は含まないものとする。
通常、溶剤系又は無溶剤系粘着剤組成物に水系成分が含まれることは好ましくないとされる。これは、水系成分を含むことで硬化阻害が生じ、凝集力不足となることにより、水系成分が凝集し、ムラ(粒状感)を生じさせる場合があるためである。しかし、本発明では、敢えて、界面活性剤と水系成分を共存させることにより、硬化阻害の発生を抑制すると同時に粘着剤層の粒状感の発生によるムラの発生をより効果的に抑制することに成功した。なお、本発明において、粒状感が生じることは、白色の微粒子(ツブ)状の凹凸又は斑が発生することを意味する。
本発明の粘着剤層形成用塗剤は、アクリル系ポリマーを含む。本発明で用いることができるアクリル系ポリマーには、特に制限はなく、一般的なアクリル系ポリマーを用いることができる。また、本発明では、架橋剤を必要としない自己硬化性アクリル系ポリマーを用いることができる。
「単量体単位」とは、単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する単位を意味する。重合反応によって直接形成された単位であってもよく、重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「単量体」とは、エチレン性不飽和基を有する化合物を意味する。
「架橋性基」とは、架橋剤と反応することにより架橋構造を形成可能な基、または架橋性基同士が反応して架橋構造を形成可能な基を意味し、「架橋剤」とは、架橋性基と反応可能な基を2個以上有し、架橋性基と反応することにより架橋構造を形成可能な化合物を意味する。
「非架橋性単量体」とは架橋性基を有しない単量体を意味し、「架橋性単量体」とは架橋性基を有する単量体を意味する。
「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸のいずれか一方または両方を意味する。
「アクリル単量体」は(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基のいずれか一方または両方を意味する。
「非架橋性アクリル単量体」とは、架橋性基を有しないアクリル単量体を意味する。
本発明で用いるアクリル系ポリマーは、非架橋性アクリル単量体単位(a1)と、架橋性単量体単位(a2)を有する。
これらの中でも、生産性や粘着特性の観点より、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸n−ブチル(BA)、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)がより好ましい。
架橋性単量体単位(a2)を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などを挙げることができる。
アクリル系ポリマー全体における単量体単位(a3)のモル比率は、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。なお、アクリル系ポリマーにおける各単量体単位のモル比率は、各単量体単位を与えるモノマーの仕込み量のモル比率にほぼ等しくなる。
粘着剤層形成用塗剤中の全ポリマーにおける他のポリマーの割合は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。粘着剤層形成用塗剤中のポリマーはアクリルポリマーのみであることが、特に好ましい。
アクリル系ポリマーの重合の際には、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、及びアルミキレート系等が挙げられるが、本発明では、カルボキシル基、ヒドロキシル基などと高い反応性を示すことから、イソシアネート系架橋剤を使用することが好ましい。
アクリル系ポリマーの重合の際には、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2'−アゾビスブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4'−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ソーダ、酸性亜硫酸ソーダ等との組み合せからなる、いわゆるレドックス系の重合開始剤等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、通常重合に供するモノマー全量に対して、0.2〜2質量%、より好ましくは、0.3〜1質量%の範囲で調節される。
本発明で用いることができる界面活性剤としては、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、脂肪酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、脂肪族アミン塩、第4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン系界面活性剤、多価アルコールの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン縮合物、脂肪酸アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明では、上述した界面活性剤の中でも、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。非イオン性界面活性剤は、粘着剤層の浮きや剥がれを抑制することができるため、好ましく用いられる。例えば、グリセリン誘導体、ソルビタン誘導体、エチレングリコール誘導体、プロピレングリコール誘導体、ペンタエリスリトール誘導体、ポリグリセリン誘導体等が好ましい材料として挙げられる。
また、本発明で用いる界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であってもよい。アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸カリウム、ラウリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンジアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸塩等を例示することができる。アニオン系界面活性剤の中でも、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムやジアルキルスルホコハク酸カリウム等のジアルキルスルホコハク酸金属塩系の界面活性剤は好ましく用いられ、特にジアルキルスルホコハク酸ナトリウムが好ましく用いられる。
本発明で用いることができる水系成分としては、水や水溶液等が挙げられる。水はイオン含有水であってもよく、超純水を用いてもよい。また、水溶液として、例えば、各種塩を含んだ水溶液を用いてもよい。そのような水系成分としては、通常の水系粘着剤組成物に使用することが可能な公知の水系成分の中から適宜選択して本発明に用いることができる。
粘着剤層形成用塗剤は、上述したような成分の他に他の添加剤を含有してもよい。他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、アクリル樹脂等の中から必要に応じて選択できる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、粘着剤の相溶性や効果の高さから、ベンゾリアゾール系樹脂が好ましい。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。ただし、完全硬化時の活性エネルギー線に紫外線を用いる場合は、重合反応を阻害しない範囲で添加する必要がある。
本発明では、粘着剤層は、上述した粘着剤層形成用塗剤から形成される。具体的には、粘着剤層形成用塗剤を支持体上に塗布して乾燥させることにより、粘着剤層を形成することができる。
上述したような粘着剤層形成用塗剤を用いて形成される粘着剤層は、両面粘着シートとして各部材間の接着に用いることができる。このような粘着剤層は、一対の剥離シート間に形成することが好ましい。剥離シートは、粘着剤層の少なくとも一方に設けられてもよいが、両面に設けられることが好ましい。このような剥離シートは、両面粘着シートを使用する際に、剥離され、露出した粘着面と被着体が貼合される。このように剥離シートを設けることによって、両面粘着シートを使用する前に粘着剤層にゴミや埃等の付着物が付いて、粘着力が低下することを抑制することができる。また、剥離シートは、粘着剤層を形成する際の支持体として機能することもできる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材としては、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−4527、SD−7220等や、信越化学工業(株)製のKS−3600、KS−774、X62−2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH3)3SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−843、SD−7292、SHR−1404等や、信越化学工業(株)製のKS−3800、X92−183等が挙げられる。
本発明で得られる粘着剤層は、白化が抑制されており、かつ、水系成分の凝集による外観異常の発生を抑えられているため、様々な用途に用いることができるが、各種表示装置等に特に好ましく用いられる。粘着剤層が各種表示装置等に用いられる場合は、光学部材等の被着体の貼合に用いることができる。本発明は、粘着剤層と一対の光学部材を有する積層体とすることもできる。例えば、図1のPETフィルム1とガラス板3を本発明で得られる粘着剤層3で貼合した積層体50が挙げられる。また、ポリカーボネート板10、第1の粘着剤層11、第1のITOフィルム12、第2の粘着剤層13、第2のITOフィルム14をこの順に積層した積層体100が光学部材の例として挙げられる。
<粘着剤層形成用塗剤の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチル100質量部を添加した。次いで、反応装置内に、非架橋性アクリル単量体単位(a1)として、アクリル酸ブチル(BA)42.5重量部、アクリル酸メチル(MA)42.5重量部、架橋性単量体単位(a2)としてアクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)15.0重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3質量部とを、モノマー濃度が凡そ50質量部となるように酢酸エチル中に添加した。その後、攪拌しながら窒素ガス気流中、50℃で8時間攪拌した後、氷水浴にて急冷することにより重合反応を停止させて、重量平均分子量70万のアクリル系ポリマーを得た。
このアクリル系ポリマーの固形分100質量部に対し、界面活性剤としてポリオキシアルキレントリデシルエーテル(日本乳化剤製、Newcol1308−FA(90)、界面活性剤100質量部に対して水系成分を10質量部含む)を0.1質量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系3官能性アダクト体〔旭化成(株)製:P301−75E〕を3.6質量部加え、酢酸エチルにて濃度35質量部の溶液となるように希釈して、粘着剤層形成用塗工液を得た。
第1の剥離シートとして、PETフィルムに剥離剤層を備えた剥離フィルム(王子エフテックス製、38μRL−07(2))を用意し、その第1の剥離シートの剥離剤層に、上記粘着剤層形成用塗剤をナイフコータにより塗工し、60℃で2分間、100℃で3分間それぞれ加熱し、厚さ50μmの粘着剤層を形成した。
粘着剤層形成用塗剤の配合比を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして粘着剤層を形成した。
粘着剤層形成用塗剤の配合比を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして粘着剤層を形成した。なお、比較例1は、界面活性剤を含んでいない。
<耐久試験前後のヘイズ・外観比較>
上記のようにして得られた両面粘着シート(厚さ:50μm)の片面の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層3に、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを卓上ラミネート機を用いて圧着し、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離フィルムを剥がして、厚み1mmのガラス板(松浪硝子株式会社製、「MICRO SLIDE GLASS」、全光線透過率91.8%、ヘイズ0.1%)に重さ2Kgのローラーを用いて圧着し積層体を得た。この積層体を、加圧脱法装置(株式会社栗原製作所:YK−350S)内で温度40℃、圧力0.5MPaの条件下で圧力を30分間付与した後、積層体を用いて実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた粘着剤層を評価した。
積層体を温度23℃、相対湿度50%の条件下で24時間静置した。その後、卓上型精密万能試験機(株式会社島津製作所、オートグラフAGS−J)によりPETフィルムの一端を180°の方向に剥離速度300mm/分で引っ張り、180°剥離における粘着力を測定した。
積層体を温度23℃、相対湿度50%RH環境下に1時間静置し、全光線透過率を測定した。全光線透過率の測定は、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社、NDH5000)を用いてJIS K7361−1に準拠して行った。
<評価3:ヘイズ>
積層体を温度23℃、相対湿度50%RH環境下に1時間静置し、ヘイズを測定した。ヘイズの測定は、ヘイズメーター(NDH5000、日本電色工業株式会社)を用いてJIS K7136に準拠して行った。
積層体を、温度60℃、相対湿度95%環境下に静止し、250時間経過後、積層体を取り出して、15分以内にヘイズを測定し、耐久試験後のヘイズ値とした。また、目視で外観を確認した。評価内容は下記の通りである。
×:白化、もしくは粒状感あり
△:やや白化あり
○: 異常なし
一方、比較例1では、粘着剤層形成用塗剤に界面活性剤を含んでいないため、粘着剤層の白化が進行している。また、耐久性が著しく悪化しており、粘着剤層に粒状感が発生していた。また、比較例2〜5においては、粘着剤層形成用塗剤に水系成分を含んでいないため、粘着剤層の白化が進行しており、粘着剤層に粒状感が発生していた。すなわち、比較例1〜5では、光学特性が劣っている。
3 粘着剤層
5 ガラス板
10 ポリカーボネート板
11 第1の粘着剤層
12 第1のITOフィルム
13 第2の粘着剤層
14 第2のITOフィルム
50 積層体
100 ITO積層体
Claims (11)
- アクリル系ポリマーと界面活性剤を含む溶剤系又は無溶剤系粘着剤組成物(水系粘着剤組成物を除く)と水系成分とを含有する粘着剤層形成用塗剤。
- 前記水系成分は、前記界面活性剤の質量に対して1〜50質量%含まれることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記界面活性剤は、前記粘着剤層形成用塗剤の全質量に対して0.01〜5質量%含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記粘着剤層形成用塗剤は、さらに架橋剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記非イオン性界面活性剤がオキシアルキレン鎖型界面活性剤であることを特徴とする請求項5に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記オキシアルキレン鎖型界面活性剤がエーテル型界面活性剤であることを特徴とする請求項6に記載の粘着剤層の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記エーテル型界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項7に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキル基の炭素数が8〜22であることを特徴とする請求項8に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤層形成用塗剤。
- 前記アニオン系界面活性剤がジアルキルスルホコハク酸金属塩であることを特徴とする請求項10に記載の粘着剤層形成用塗剤。
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