JP2015199803A - プレコートメタル用下塗り塗料組成物、塗膜、塗膜の形成方法、プレコート鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機樹脂(A)、硬化剤(B)、バナジン酸カルシウム(C)、シリカ(D)、ケイ酸塩(E)、およびトリポリリン酸金属塩(F)を含有し、実質的にクロムを含有しないプレコートメタル用下塗り塗料組成物であって、バナジン酸カルシウム(C)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して20〜65質量部であり、シリカ(D)の固形分質量が、(A)および(B)成分の合計固形分100質量部に対して3〜12質量部であり、ケイ酸塩(E)の固形分質量が、(A)および(B)成分の合計固形分100質量部に対して合計5〜15質量部であり、記トリポリリン酸金属塩(F)が、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれる少なくとも1つの元素を含む金属塩であり、かつ、その1質量%水溶液の電気伝導度が5〜50μS/cmであり、その固形分質量が、(A)および(B)成分の合計固形分100質量部に対して合計4〜25質量部である、プレコートメタル用下塗り塗料組成物である。
【選択図】なし
Description
に関する。
さらに、特許文献7には、(A)水酸基含有塗膜形成性樹脂、(B)架橋剤および(C)防錆顔料混合物を含有する塗料組成物であって、該防錆顔料混合物(C)が、(1)五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウムおよびメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物、(2)コバルトおよびニッケルのうちの少なくとも1種を含有する、リン酸、亜リン酸、トリポリリン酸のうちの少なくとも1種の塩であるリン酸系金属塩、(3)コバルト塩、ニッケル塩およびカルシウム塩のうちの少なくとも1種であるケイ酸金属塩からなる、塗料組成物が提案されている。
しかしながら、更なる防食性の要請に伴い、これらの塗料組成物においても、上述の特許文献1〜4と同様、屋外用途への適用に対して端部並びに加工部における耐食性が十分でなく、更なる改善の余地があった。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
〔1〕 有機樹脂(A)、硬化剤(B)、バナジン酸カルシウム(C)、シリカ(D)、ケイ酸塩(E)、およびトリポリリン酸金属塩(F)を含有し、実質的にクロムを含有しないプレコートメタル用塗料組成物であって、前記バナジン酸カルシウム(C)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して20〜65質量部であり、前記シリカ(D)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して3〜12質量部であり、前記ケイ酸塩(E)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して合計5〜15質量部であり、前記トリポリリン酸金属塩(F)が、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれる少なくとも1つの元素を含む金属塩であり、かつ、前記トリポリリン酸金属塩(F)の1質量%水溶液の電気伝導度が5〜50μS/cmであり、前記トリポリリン酸金属塩(F)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して合計4〜25質量部である、プレコートメタル用下塗り塗料組成物。
〔2〕 前記ケイ酸塩(E)が、アルミニウム、カリウム、およびナトリウムから選ばれる少なくとも1種の金属の塩である、〔1〕に記載の下塗り塗料組成物。
〔3〕 前記有機樹脂(A)がビスフェノール型エポキシ樹脂を含有し、前記硬化剤(B)が、ブロックイソシアネートおよび/またはメラミン樹脂を含有するものである、〔1〕または〔2〕に記載の下塗り塗料組成物。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の塗料組成物を用いて形成された塗膜。
〔5〕 〔1〕〜〔3〕に記載のプレコートメタル用塗料組成物を鋼板に塗布した後、前記鋼板の温度が120〜300℃の範囲内となるまで加熱することにより焼付けを行なう、塗膜の形成方法。
〔6〕 前記焼付けの加熱時間が3〜90秒である、〔5〕に記載の塗膜の形成方法。
〔7〕 〔4〕に記載の塗膜を有するプレコート鋼板。
本発明のプレコートメタル用下塗り塗料組成物(以下「塗料組成物」ともいう)は、有機樹脂(A)、硬化剤(B)、バナジン酸カルシウム(C)、シリカ(D)、ケイ酸塩(E)、およびトリポリリン酸金属塩(F)を含有し、実質的にクロムを含有しないプレコートメタル用塗料組成物であって、前記バナジン酸カルシウム(C)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して20〜65質量部であり、前記シリカ(D)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して3〜12質量部であり、前記ケイ酸塩(E)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して合計5〜15質量部であり、前記トリポリリン酸金属塩(F)が、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれる少なくとも1つの元素を含む金属塩であり、かつ、前記トリポリリン酸金属塩(F)の1質量%水溶液の電気伝導度が5〜50μS/cmであり、前記トリポリリン酸金属塩(F)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して合計4〜25質量部である。
また、本明細書中において、「耐湿性が向上する」とは、被塗物が高湿環境下に置かれた場合でも塗膜にフクレや剥がれが生じにくくなることを意味しており、基本的には塗膜の透湿抑制性能を大きくすることで向上する。しかしながら塗膜の透湿抑制性能を向上しすぎると、防錆顔料であるバナジン酸カルシウム(C)、トリポリリン酸金属塩(F)の溶出性を低下させ、塗膜の耐食性を低下させることになる。したがって、従来に比べ高い水準で耐湿性と端面及び加工部の耐食性とを両立させるためには、従来と比較して透湿抑制性能が高いものの、透湿抑制性能が過度に高くなり過ぎず、適度な透湿性を備えることが重要になる。
本発明の塗料組成物に用いられる有機樹脂(A)としては、後述する硬化剤(B)と反応しうる官能基を有しかつ、塗膜形成能を有する樹脂である限り特に制限されず、たとえば、エポキシ樹脂およびその変性物(アクリル変性エポキシ樹脂等);ポリエステル樹脂およびその変性物(ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂等);アクリル樹脂およびその変性物(ウレタン変性アクリル樹脂等);ウレタン樹脂およびその変性物(エポキシ変性ウレタン樹脂等);フェノール樹脂およびその変性物(アクリル変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂等);フェノキシ樹脂;アルキド樹脂およびその変性物(ウレタン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂等)などの樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化剤(B)としては、ポリイソシアネート化合物;ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を活性水素含有化合物でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物(e);アミノ樹脂;フェノール樹脂などを挙げることができ、なかでも、ブロックポリイソシアネート化合物(e)およびアミノ樹脂から選択される1種以上を用いることが好ましい。
本発明の塗料組成物に用いられる防錆顔料であるバナジン酸カルシウム(C)は、特定の電気伝導度を有するものであり、具体的には、その1質量%水溶液の電気伝導度が200〜2000μS/cmである。この範囲内の電気伝導度を有するバナジン酸カルシウム(C)を所定量用いることにより、耐食性と耐湿性とがともに向上された塗膜を得ることができる。また、この範囲内の電気伝導度を有するバナジン酸カルシウム(C)は、適度な溶解性を示すことから、被塗物(鋼板など)の塗装面だけでなく、端面部の腐食を効果的に防止することができる。バナジン酸カルシウム(C)の1質量%水溶液の電気伝導度は、好ましくは200〜1000μS/cmである。
本発明の塗料組成物に用いられるシリカとしては、特に限定されないが、例えば、表面が無処理のシリカ微粒子、表面が有機物で処理されたシリカ微粒子、有機溶剤分散性コロイダルシリカ等を挙げることができる。
有機溶剤分散性コロイダルシリカは、オルガノシリカゾルとも呼称され、アルコール類、グリコール類、エーテル類などの有機溶剤中に、粒子径が約5〜120nm程度のシリカ微粒子が安定に分散されたものであって、市販品としては、オスカル(OSCAL)シリーズ(日揮触媒化成社製)、オルガノゾル(日産化学社製)等を挙げることができる。
なお、上記平均粒子径は、レーザー散乱法や回折法等を用いた通常の測定機器により求めた重量平均粒子径を指すものであり、例えば、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2000」を使用して得ることができる。
本発明の塗料組成物に用いられるケイ酸塩(E)は、二酸化ケイ素と金属酸化物とからなる塩であり、オルトケイ酸塩、ポリケイ酸塩等のいずれであってもよい。そして、ケイ酸塩(E)は、該金属塩がアルミニウム、カリウム、およびナトリウムから選ばれる少なくとも1種の金属の塩である。
ケイ酸塩(E)としては、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、オルトケイ酸アルミニウム、オルトケイ酸カリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸アルミニウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム等を挙げることができる。
ケイ酸塩(E)としては、なかでもケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウムが好ましく、ケイ酸アルミニウムがより好ましい。
本発明の塗料組成物に用いられる防錆顔料であるトリポリリン酸金属塩(F)は、特定の電気伝導度を有するものであり、具体的には、その1質量%水溶液の電気伝導度が5〜50μS/cmである。この範囲内の電気伝導度を有するトリポリリン酸金属塩(F)を所定量用いることにより、加工部の白錆発生が抑制され、また防錆効果が得られる。
本発明において、上記トリポリリン酸金属塩(F)の含有量は、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して4〜25質量部であり、8〜22質量部が好ましく、12〜20質量部がより好ましい。トリポリリン酸金属塩(F)の含有量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して上記範囲内であることにより、加工部の白錆の発生が抑制され、防錆効果が得られる。
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、上記以外のその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、たとえば、上記バナジン酸カルシウム(C)以外の防錆顔料;上記シリカ(D)以外の体質顔料;着色顔料、染料等の着色剤;溶剤;紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等);酸化防止剤(フェノール系、スルフォイド系、ヒンダードアミン系酸化防止剤等);可塑剤;表面調整剤(有機高分子等);タレ止め剤;増粘剤;ワックス等の滑剤;顔料分散剤;顔料湿潤剤;レベリング剤;色分かれ防止剤;沈殿防止剤;消泡剤;防腐剤;凍結防止剤;乳化剤;防かび剤;抗菌剤;安定剤;硬化触媒などがある。これらの添加剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化剤(B)としてブロックポリイソシアネート化合物(e)および/またはポリイソシアネート化合物を用いる場合、本発明の塗料組成物は、硬化触媒を含有してもよい。硬化触媒としては、たとえば、スズ触媒、アミン触媒、鉛触媒などを挙げることができ、なかでも有機スズ化合物が好ましく用いられる。有機スズ化合物としては、たとえば、ジブチルスズジラウレート(DBTL)、ジブチルスズオキサイド、テトラ−n−ブチル−1,3−ジアセトキシスタノキサンなどを用いることができる。硬化触媒の含有量は、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して、通常0.1〜10質量部であり、0.1〜1質量部であることが好ましい。硬化触媒の含有量が上記範囲内であることにより、塗料組成物の貯蔵安定性が維持される。
本発明の塗膜は、上述の塗料組成物を用いて形成されたものである。本発明の塗膜は、このように上述の塗料組成物を用いて形成されるため、耐食性、密着性、耐湿性および耐スクラッチ性に優れ、上塗塗膜の遮断性が不十分であっても、端面および加工部分の耐食性に優れる。
鋼板は、リン酸亜鉛処理、日本ペイント社製サーフコートEC2200等のクロムフリー処理、塗布型クロメート等の表面処理が施されたものであってもよい。
塗膜の乾燥膜厚は、電磁膜厚計(フィッシャー社製)を用い、任意に選択した10箇所を測定し、その平均値から算出される。
塗布方法は特に制限されず、ロールコーター、エアレススプレー、静電スプレー、カーテンフローコーターなど従来公知の方法を採用することができる。
焼付け処理における焼付け時間は特に制限されず、上記と同様の観点から、好ましくは3〜90秒、より好ましくは10〜80秒、更に好ましくは30〜60秒である。
なお、以下の実施例および比較例では、以下の原料等を用いた。
(1)エポキシ樹脂 BPA 1007 タイプ
「jER1007」:三菱化学社製、水酸基含有エポキシ樹脂〔不揮発分:30%(不揮発分が30%となるようシクロヘキサンを加えて濃度調整を行なった)、Mn:2900〕
(2)エポキシ樹脂 BPA 1009 タイプ
「jER1009」:三菱化学社製、水酸基含有エポキシ樹脂〔不揮発分:30%(不揮発分が30%となるようシクロヘキサンを加えて濃度調整を行なった)、数平均分子量(Mn):3800〕
(3)芳香族ブロックイソシアネート
「デスモサーム2170」:住化バイエルウレタン社製、ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアヌレート型、ブロック剤:活性メチレン基含有化合物)、熱による解離温度(無触媒状態):120℃、イソシアネート基含有率:5.7%、不揮発分:70%〕。
(4)脂肪族ブロックイソシアネート
「デスモジュールBL317」:住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート(イソシアヌレート型、ブロック剤:メチルエチルケトンオキシム)、熱による解離温度(無触媒状態):160℃、イソシアネート基含有率:14.9%、不揮発分:75%〕。
(5)メラミン樹脂
「マイコール715」:日本サイテックインダストリーズ社製、イミノ基型メラミン樹脂〔不揮発分:80%〕
(6)バナジン酸カルシウム:調製方法を後述する。
(7)バナジン酸アンモニウム
太陽鉱工社製
(9)トリポリリン酸二水素アルミニウム
「Kホワイト#105」:テイカ社製、トリポリリン酸二水素アルミニウムのカルシウム処理品
(10)ケイ酸アルミニウムおよびケイ酸カルシウム:市販試薬
(11)シリカ
「ニップシールE−200」:東ソー・シリカ社製、シリカ無処理品、二酸化ケイ素
(12)DBTL
日東化成社製、「TVS Tin Lau」〔ジブチルスズジラウレート、不揮発分:100%〕。
(13)DBSA
楠本化成社製、「NACURE 5076」〔ドデシルベンゼンスルホン酸、不揮発分:70%〕。
(14)ソルベッソ150
エクソンモービル社製、芳香族系溶剤
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)549gと、五酸化バナジウム(V2O5)451gを水10Lに添加し、60℃に昇温後、同温度で2時間攪拌した。得られた反応生成物(白色固体)を水洗後脱水し、100℃にて乾燥した後、粉砕することにより、バナジン酸カルシウムを得た。
得られたバナジン酸カルシウムの1質量%水溶液の電気伝導度とpHは、次のとおりである。ここで、1質量%水溶液の調製およびその電気伝導度とpHの測定方法は、上述したとおりである。
1質量%水溶液の調製の電気伝導度は、上述したとおりであるが、詳細について、ここにも記載する。
(電気伝導度の測定手順)
(i)イオン交換水で洗浄したポリエチレン製細口瓶に、イオン交換水99g及び試料1gを添加する。
(ii)イオン交換水で洗浄したスターラーチップを投入して、室温下で4時間撹拌する。(iii)撹拌後、電気伝導度計(東亜電波工業社製電導度計「CM−30ET」)を用いて、温度 25℃における電気伝導度を測定する。
トリポリリン酸ナトリウム(Na5(P3O10)367gと、塩化アルミニウム・6水和物(AlCl3・6H2O)402gを水10Lに添加し、60℃に昇温後、同温度で2時間攪拌した。得られた反応生成物(白色固体)を水洗後脱水し、100℃にて乾燥した後、粉砕することにより、トリポリリン酸アルミニウムを得た。
トリポリリン酸ナトリウム(Na5(P3O10)367gと、塩化亜鉛・6水和物(ZnCl2)227gを水10Lに添加し、60℃に昇温後、同温度で2時間攪拌した。得られた反応生成物(白色固体)を水洗後脱水し、100℃にて乾燥した後、粉砕することにより、トリポリリン酸亜鉛を得た。
(i)試料を0.01g単位で、18〜20g精秤し(m0)、これをビーカーに入れ常温のイオン交換水を200ml入れ、常温で1時間継続撹拌する。
(ii)250mlのメスフラスコに、上記混合溶液を移し、イオン交換水で目盛り線まで薄める。その後、均一になるよう混合し、ろ過もしくは遠心分離にて完全に透明なろ液(又は遠心分離液)を得る。
(iii)完全に透明なろ液(又は遠心分離液)の100mlを、あらかじめ乾燥、秤量した蒸発皿にピペットで取り、水浴上で蒸発させる。
(iv)蒸発皿の残渣を105℃±2℃の乾燥機で乾燥し、デシケーターに入れ冷却し、1mg単位で量る。(m1)
(v)水溶分Mは以下の式で計算する。
M=((m1×2.5)/m0)×100
有機樹脂(A)である「jER1007」 222部、シクロヘキサノン 30部および「ソルベッソ150」 30部からなる混合物に、酸化チタン 80部を混合し、分散機(大平システム社製 卓上式SGミル1500W型)に、得られた混合物とガラスビーズ 332部とを入れ、酸化チタン粗粒子の粒子径が15μm以下となるまで顔料分散を実施し、顔料分散塗料を調製した。その後、この顔料分散塗料に、ブロックポリイソシアネート化合物(e)である「デスモジュールBL3175」 45部、ジブチルスズジラウレート(DBTL)(「TVS Tin Lau」) 0.5部、シクロヘキサノン 45部およびソルベッソ150 45部を加えて均一に混合し、塗料組成物Aを得た。
厚さ0.4mmのアルミニウム亜鉛めっき鋼板をアルカリ脱脂した後、日本ペイント製のリン酸処理剤「サーフコートEC2310」を、鋼板表面および裏面に塗布することにより、ノンクロム化成処理を施し、乾燥した。ついで、得られた鋼板の裏面に上記で得られた塗料組成物Aを、乾燥塗膜が7μmとなるように塗布し、最高到達温度180℃にて30秒間焼き付けを行なって、裏面塗膜を形成した。次に、鋼板の表面に実施例1〜16、比較例1〜9のいずれかの塗料組成物を、乾燥塗膜が5μmとなるように塗布し、最高到達温度200℃にて30秒間焼き付けを行なって、表面下塗り塗膜を形成した。さらに、上記下塗り塗膜上に日本ペイント製のポリエステル系上塗り塗料「NSC300HQ」を、乾燥塗膜が10μmとなるように塗布し、最高到達温度210℃にて40秒間焼き付けを行なって、表面上塗り塗膜を形成し、塗装鋼板を得た。
次に示す項目<1>〜<8>について、塗膜性能の評価試験を行なった。結果を表5〜6に併せて示す。
上記で得られた各塗装鋼板(表面下塗り塗膜が、それぞれ実施例1〜16、比較例1〜9の塗料組成物からなるもの)を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、約100℃の沸騰水中に2時間浸漬した後、引き上げて表面側の塗装外観を、ASTM D714−56に従って評価した(平面部フクレ評価)。ASTM D714−56は、各フクレの大きさ(平均径)と密度について、標準判定写真と対比して評価し、等級記号を示すものである。大きさについては8(直径約1mm)、6(直径約2mm)、4(直径約3mm)、2(直径約5mm)の順に4段階、密度については、小さい方からF、FM、M、MD、Dの5段階に級別するものであり、フクレがなければ、10とする。8FM以上の評点を、良好と評価した。評価の点数は、以下に示すとおりである。
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、純水により50℃×98RH%とした条件下に500時間放置した後、耐沸騰水性試験と同様にして、ASTM D714−56に従って平面部のフクレ評価を行なった。8FM以上の評点を、良好と評価した。
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×15cmとなるよう切断した。この際、切断は表面からと裏面からの交互に行ない、各試験片の断面が上バリ(裏面より切断)、下バリ(表面より切断)の両方を有するように試験片を作製した。次に、表面側中央部に素地に達する狭角30度、カット幅0.5mmのクロスカットをカッターナイフにて入れ、塗装鋼板上部エッジ部を防錆塗料にてシールし、下端部に4T折り曲げ加工部(塗装板の表面部を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工。加工後4枚の板は取り除く。)を設けた。以上のようにして得られた塗装鋼板試験片の模式図を図1に示す。図1は、得られた塗装鋼板試験片の上バリおよび下バリの断面を模式的に示す図であり、図2は、得られた塗装鋼板試験片が有するクロスカット部および4T折り曲げ加工部を模式的に示す図である。
4T折り曲げ加工部における白錆及びフクレの発生面積を求め、次の基準により評価した。
5:白錆及びフクレの発生面積が5%未満、
4:白錆及びフクレの発生面積が5%以上20%未満、
3:白錆及びフクレの発生面積が20%以上50%未満、
2:白錆及びフクレの発生面積が50%以上75%未満、
1:白錆及びフクレの発生面積が75%以上。
塗装鋼板試験片の左右の長辺(すなわち、上バリを有する長辺と下バリを有する長辺)の表面のエッジクリープ幅(フクレの幅)の平均値を求め、次の基準により評価した。
5:フクレ幅が5mm未満、
4:フクレ幅が5mm以上かつ10mm未満、
3:フクレ幅が10mm以上かつ15mm未満、
2:フクレ幅が15mm以上かつ20mm未満、
1:フクレ幅が20mm以上。
クロスカット部における白サヒ゛の発生長さを求め、次の基準により評価した。
5:白サヒ゛の発生長さが5%未満、
4:白サヒ゛の発生長さが5%以上20%未満、
3:白サヒ゛の発生長さが20%以上50%未満、
2:白サヒ゛の発生長さが50%以上75%未満、
1:白サヒ゛の発生長さが75%以上。
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、23℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に48時間浸漬した後、取り出し洗浄し、室温にて乾燥した。この塗装鋼板試験片について、耐沸騰水性試験と同様にして、ASTM D714−56に従って平面部のフクレ評価を行なった。8FM以上の評点を、良好と評価した。
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、23℃の5%硫酸水溶液に48時間浸漬した後、取り出し洗浄し、室温にて乾燥した。この塗装鋼板試験片について、耐沸騰水性試験と同様にして、ASTM D714−56に従って平面部のフクレ評価を行なった。8FM以上の評点を、良好と評価した。
23℃の温度条件下、各実施例、比較例で得られた塗装鋼板に、当該塗装鋼板と同じ亜鉛めっき鋼板の金属素地(厚み0.5mm)を1枚当て、これを支点として塗装鋼板を180°折り曲げた。折り曲げ部にポリエステルテープを密着させ、45°の角度でテープを剥離させた後、素地から剥離した塗膜部面積を以下の基準によって評価した。
1:塗膜剥離が全くない、
2:塗膜剥離が5%以下、
3:塗膜剥離が5%超〜10%以下、
4:塗膜剥離が10%超〜30%以下、
5:塗膜剥離が30%超。
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×10cmに切断し、試験片を得た。23℃の室温において、コインスクラッチテスターを用いて、各各塗装鋼板試験片の表面の塗面に10円銅貨の縁を45度の角度に保ち、1Kgの加重をかけて押しつけながら10円銅貨を10mm/秒の速度で50mm引っ張って塗面に5本の傷をつけた。傷全体の面積に対する金属の素地露出の度合いを下記基準に従って評価した。4点以上を良好と評価した。
5:傷の部分に金属の素地が認められない、
4:傷の部分の面積の10%以上かつ25%未満に金属の素地が認められる、
3:傷の部分の面積の25%以上かつ50%未満に金属の素地が認められる、
2:傷の部分の面積の50%以上かつ75%未満に金属の素地が認められる、
1:傷の部分に塗膜がほとんど残らず金属の素地が認められる。
Claims (7)
- 有機樹脂(A)、硬化剤(B)、バナジン酸カルシウム(C)、シリカ(D)、ケイ酸塩(E)、およびトリポリリン酸金属塩(F)を含有し、実質的にクロムを含有しないプレコートメタル用下塗り塗料組成物であって、
前記バナジン酸カルシウム(C)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して20〜65質量部であり、
前記シリカ(D)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して3〜12質量部であり、
前記ケイ酸塩(E)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して合計5〜15質量部であり、
前記トリポリリン酸金属塩(F)が、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれる少なくとも1つの元素を含む金属塩であり、かつ、前記トリポリリン酸金属塩(F)の1質量%水溶液の電気伝導度が5〜50μS/cmであり、前記トリポリリン酸金属塩(F)の固形分質量が、有機樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して合計4〜25質量部であることを特徴とするプレコートメタル用下塗り塗料組成物。 - 前記ケイ酸塩(E)が、アルミニウム、カリウム、およびナトリウムから選ばれる少なくとも1種の金属の塩である請求項1に記載の下塗り塗料組成物。
- 前記有機樹脂(A)がビスフェノール型エポキシ樹脂を含有し、
前記硬化剤(B)が、ブロックイソシアネートおよび/またはメラミン樹脂を含有するものである請求項1または2に記載の下塗り塗料組成物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の塗料組成物を用いて形成された塗膜。
- 請求項1〜3に記載のプレコートメタル用塗料組成物を鋼板に塗布した後、前記鋼板の温度が120〜300℃の範囲内となるまで加熱することにより焼付けを行なう、塗膜の形成方法。
- 前記焼付けの加熱時間が3〜90秒である、請求項5に記載の塗膜の形成方法。
- 請求項4に記載の塗膜を有するプレコート鋼板。
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