JP2015197620A - プロジェクター用蛍光ホイール及びプロジェクター用発光デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光体層が加熱されるのを抑制することができるプロジェクター用蛍光ホイール及びそれを用いたプロジェクター用発光デバイスを提供する。【解決手段】蛍光体層12と、蛍光体層12より高い熱伝導率を有するリング状の基板11と、蛍光体層12と基板11との間に設けられ、蛍光体層12から出射した蛍光を反射するための反射ガラス層13とを備えることを特徴としている。【選択図】図2

Description

本発明は、プロジェクター用蛍光ホイール及びプロジェクター用発光デバイスに関するものである。
近年、プロジェクターを小型化するため、LED(Light Emitting Diode)と蛍光体とを用いた発光デバイスが提案されている。例えば、特許文献1には、紫外光を発光する光源と、光源からの紫外光を可視光に変換する蛍光体層とを備える発光デバイスを用いたプロジェクターが開示されている。特許文献1においては、リング状の回転可能な透明基板の上に、リング状の蛍光体層を設けることにより作製した蛍光ホイールが用いられている。
特開2004−341105号公報
ところで、光源として高出力の光源を用いる場合、励起光の照射により蛍光体が発熱し、蛍光体層が加熱される。蛍光体層が加熱されると、蛍光強度が低下したり、蛍光体層が基板から剥離するという問題を生じる。
本発明の目的は、蛍光体層が加熱されるのを抑制することができるプロジェクター用蛍光ホイール及びそれを用いたプロジェクター用発光デバイスを提供することにある。
本発明のプロジェクター用蛍光ホイールは、蛍光体層と、蛍光体層より高い熱伝導率を有するリング状の基板と、蛍光体層と基板との間に設けられ、蛍光体層から出射した蛍光を反射するための反射ガラス層とを備える。
本発明においては、基板として、例えば、セラミック基板を用いることができる。
蛍光体層は、第1のガラスマトリクスと、第1のガラスマトリクス中に分散している蛍光体を含むことが好ましい。
反射ガラス層は、第2のガラスマトリクスと、第2のガラスマトリクス中に分散している、第2のガラスマトリクスと異なる屈折率を有する無機粒子を含むことが好ましい。
本発明のプロジェクター用発光デバイスは、上記本発明のプロジェクター用蛍光ホイールと、蛍光ホイールの蛍光体層に励起光を照射する光源とを備える。
本発明によれば、プロジェクター用蛍光ホイールにおける蛍光体層が加熱されるのを抑制することができる。
本発明の第1の実施形態のプロジェクター用蛍光ホイールを示す斜視図である。 図1に示すA−A線に沿う断面図である。 本発明の第1の実施形態のプロジェクター用蛍光ホイールにおける蛍光体層の近傍を拡大して示す部分断面図である。 本発明の第1の実施形態のプロジェクター用発光ホイールを用いたプロジェクター用蛍光デバイスを示す模式的側面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
図1は、本発明の第1の実施形態のプロジェクター用蛍光ホイールを示す斜視図である。図2は、図1に示すA−A線に沿う断面図である。図1及び図2に示すように、蛍光ホイール10は、リング形状を有している。蛍光ホイール10は、リング状の基板11と、基板11の上に設けられる蛍光体層12と、基板11と蛍光体層12との間に設けられ、蛍光体層12から出射した蛍光を反射するための反射ガラス層13とを備えている。
図3は、本発明の第1の実施形態のプロジェクター用蛍光ホイールにおける蛍光体層の近傍を拡大して示す部分断面図である。本実施形態において、蛍光体層12は、第1のガラスマトリクス14と、その中に分散された蛍光体15とから構成されている。本実施形態では、蛍光体15として、無機蛍光体の粒子が用いられている。
第1のガラスマトリクス14は、無機蛍光体等の蛍光体15の分散媒として用いることができるものであれば特に限定されない。例えば、ホウ珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラスなどを用いることができる。第1のガラスマトリクス14の軟化点は、250℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜850℃であることがより好ましい。
蛍光体15は、励起光の入射により蛍光を出射するものであれば、特に限定されるものではない。蛍光体15の具体例としては、例えば、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、塩化物蛍光体、酸塩化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、カルコゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩化物蛍光体、ガーネット系化合物蛍光体から選ばれた1種以上等が挙げられる。励起光として青色光を用いる場合、例えば、緑色光、黄色光または赤色光を蛍光として出射する蛍光体を用いることができる。
蛍光体15の平均粒子径は、1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜25μmであることがより好ましい。蛍光体15の平均粒子径が小さすぎると、発光強度が低下する場合がある。一方、蛍光体15の平均粒子径が大きすぎると、発光色が不均一になる場合がある。
蛍光体層12中での蛍光体15の含有量は、5〜80体積%の範囲内であることが好ましく、10〜75体積%の範囲内であることがより好ましく、20〜70体積%の範囲内であることがさらに好ましい。
蛍光体層12の厚みは、励起光が確実に蛍光体15に吸収されるような厚みである範囲において、薄い方が好ましい。蛍光体層12が厚すぎると、蛍光体層12における光の散乱や吸収が大きくなりすぎ、蛍光の出射効率が低くなってしまう場合があるためである。具体的には、蛍光体層12の厚みは、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.3mm以下であることがさらに好ましい。蛍光体層12の厚みの下限値は、通常、0.03mm程度である。
基板11は、蛍光体層12より高い熱伝導率を有している。このような基板11としては、セラミック基板などが挙げられる。本実施形態では、セラミック基板が用いられている。セラミックとしては、酸化アルミニウム系セラミック、窒化アルミニウム系セラミック、炭化ケイ素系セラミック、窒化ホウ素系セラミック、酸化マグネシウム系セラミック、酸化チタン系セラミック、酸化ニオビウム系セラミック、酸化亜鉛系セラミック、酸化イットリウム系セラミックなどが挙げられる。
基板11の厚みは、0.05mm〜1mmであることが好ましく、0.1mm〜0.8mmであることがより好ましく、0.2mm〜0.5mmであることがさらに好ましい。基板11の厚みが大きすぎると、ホイール自体の重量が大きくなり回転させるモーター(図4におけるモーター21)の負荷が大きくなり過ぎるおそれがある。一方、基板11の厚みが小さすぎると、機械強度が低下して、ホイールとして回転させた場合に破損するおそれがある。
基板11と蛍光体層12との間には、反射ガラス層13が設けられている。本実施形態において、反射ガラス層13は、第2のガラスマトリクス16と、その中に分散した無機粒子17とから構成されている。反射ガラス層13は、入射した励起光及び蛍光を反射させる層である。したがって、無機粒子17としては、第2のガラスマトリクス16と異なる屈折率を有し、一般には、第2のガラスマトリクス16より高い屈折率を有するものであることが好ましい。具体的には、無機粒子17は、Al、Nb、Ti、Ta、La、Zr、Ce、Ga、Mg、Si及びZnからなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化物または窒化物であることが好ましい。無機粒子17の好ましい具体例としては、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛などが挙げられる。無機粒子17として、特に好ましくは、酸化アルミニウムが用いられる。
第2のガラスマトリクス16としては、例えば、第1のガラスマトリクス14についての上記説明で挙げたものを用いることができる。第2のガラスマトリクス16は、第1のガラスマトリクス14と実質的に同じものであることが好ましい。第1のガラスマトリクス14と第2のガラスマトリクス16を実質的に同じガラスから形成することにより、蛍光体層12から反射ガラス層13へ蛍光が効率よく入射しやすくなる。また、蛍光体層12と反射ガラス層13の熱膨張係数差に起因する剥離が生じにくくなる。
無機粒子17の平均粒子径は、0.3μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、0.5μm〜30μmの範囲内であることがより好ましい。無機粒子17の平均粒子径が小さすぎると、十分な反射率が得られにくくなる場合がある。一方、無機粒子17の平均粒子径が大きすぎると、単位体積あたりに存在できる粒子数が少なくなり十分な反射率が得られにくくなる場合がある。
反射ガラス層13中での無機粒子17の含有量は、5〜80体積%の範囲内であることが好ましく、10〜70体積%の範囲内であることがより好ましく、20〜60体積%の範囲内であることがさらに好ましい。無機粒子17の含有量が多すぎると、反射ガラス層13中に空隙が多くなり、結果として、蛍光体層12との接合強度が低下しやすくなる。一方、無機粒子17の含有量が少なすぎると、十分な反射率が得られにくくなる。
反射ガラス層13の厚みは、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜400μmの範囲内であることがより好ましく、80μm〜300μmの範囲内であることがさらに好ましい。反射ガラス層13の厚みが厚すぎると、反射ガラス層13内部を光が伝播して、反射ガラス層13の端面から漏出しやすくなる。結果として、発光強度が低下しやすくなる。一方、反射ガラス層13の厚みが薄すぎると、十分な反射率が得られにくくなる。
反射ガラス層13の内部には、空隙が形成されていることが好ましい。空隙が形成されることにより、さらに反射ガラス層13での反射率を高めることができる。空隙の空気の屈折率は1.0と小さいため、第2のガラスマトリクス16との屈折率差を大きくすることができ、より大きな反射率を得ることができる。空隙率は20〜60%であることが好ましく、30〜50%であることがより好ましい。
本実施形態では、蛍光体層12より高い熱伝導率を有する基板11が用いられている。このため、蛍光体層12で生じた熱は、反射ガラス層13を通り基板11に伝達され、基板11に伝達された熱は、効率よく外部に放出される。したがって、蛍光体層12が加熱されるのを抑制することができる。
蛍光体層12と反射ガラス層13は、例えば、以下の方法で作製することができる。
蛍光体層12の第1のガラスマトリクス14となるガラス粒子と、蛍光体15と、バインダー樹脂や溶剤等の有機成分とを含むスラリーを、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム上にドクターブレード法等により塗布し、加熱乾燥することにより、蛍光体層12用のグリーンシートを作製する。
同様にして、反射ガラス層13の第2のガラスマトリクス16となるガラス粒子と、無機粒子17と、バインダー樹脂や溶剤等の有機成分とを含むスラリーを、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム上にドクターブレード法等により塗布し、加熱乾燥することにより、反射ガラス層13用のグリーンシートを作製する。
得られた蛍光体層12用のグリーンシートと反射ガラス層13用のグリーンシートとを重ね合わせ、重ね合わせたこれらのグリーンシートを焼成することにより、蛍光体層12と反射ガラス層13の積層体を形成することができる。
蛍光体層12及び反射ガラス層13の積層体は、上記の作製方法に限定されるものではなく、例えば、蛍光体層12用のグリーンシートの上に反射ガラス層13形成用スラリーを塗布したり、あるいは反射ガラス層13用のグリーンシートの上に蛍光体層12形成用スラリーを塗布して作製してもよい。
得られた積層体は、溶着または無機接合層により、基板11に取り付けることができる。溶着する方法としては、蛍光体層12と反射ガラス層13の積層体を基板11の上に積層して加熱圧着することで、基板11と、反射ガラス層13における第2のガラスマトリクス16を溶着させる方法が挙げられる。
無機接合層により取り付ける方法としては、基板11の上にゾルゲル法による透明無機材料を塗布し、その上に蛍光体層12と反射ガラス層13の積層体を積層して加熱する方法が挙げられる。ゾルゲル法による透明無機材料としてはポリシラザン等があげられる。ポリシラザンは空気中の水分と反応し、アンモニアを発生して縮合することにより、SiOの被膜を形成する。このように、透明無機材料として、比較的低温(室温〜200℃)で無機質のガラス膜を形成するコーティング剤を使用することができる。その他にも、アルコール可溶型有機ケイ素化合物や、その他金属化合物(有機または無機)を含み、触媒の存在下、比較的低温でガラスと同様のSiOネットワークを形成するコーティング剤を使用することができる。当該コーティング剤は、有機金属化合物として金属アルコキシドを用い、触媒としてアルコールを用いた場合、加水分解及び脱水反応が促進される結果、SiOネットワークが形成される。
図4は、本発明の一実施形態のプロジェクター用発光デバイスを示す模式的側面図である。本実施形態のプロジェクター用発光デバイス30は、蛍光ホイール10と、光源20と、蛍光ホイール10を回転させるためのモーター21とを備えている。リング状の蛍光ホイール10は、モーター21の回転軸22に、回転軸22の中心軸Cを回転中心として周方向に回転するように取り付けられている。本実施形態のプロジェクター用発光デバイス30は反射型の発光デバイスである。
光源20から出射された励起光1は、蛍光ホイール10の蛍光体層12に入射する。蛍光体層12に入射した励起光1は、蛍光体15を励起し、蛍光体15から蛍光2が出射される。反射ガラス層13側に出射された蛍光2は、反射ガラス層13で反射され、蛍光体層12側に出射される。
光源20の具体例としては、LED光源やレーザー光源などが挙げられる。励起光として青色光を発光する光源を、光源20として用いる場合、例えば、蛍光体層12の蛍光体15として、青色光で励起され、黄色光または緑色光を発する蛍光体を用いることができる。蛍光体層12から出射された光は、必要に応じて、フィルターによって所望の波長を有する光のみを取り出すことができる。リング状のフィルターを、回転軸22に取り付け、蛍光ホイール10と同期させて回転させ、出射光をフィルタリングしてもよい。
本実施形態において、蛍光ホイール10は周方向に回転している。上記のように、蛍光体層12から基板11に伝達された熱は、基板11から外部に放出される。蛍光ホイール10が周方向に回転していることにより、基板11から外部への熱放出がさらに促進される。
上記実施形態の蛍光ホイール10では、蛍光体層12の全面にわたって、同じ種類の蛍光体が含有されている。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されるものではない。蛍光体層12が、周方向に沿って複数の領域に分割され、各領域に互いに異なる種類の蛍光体が含まれていてもよい。また、蛍光体が含まれない領域があってもよい。
1…励起光
2…蛍光
10…蛍光ホイール
11…基板
12…蛍光体層
13…反射ガラス層
14…第1のガラスマトリクス
15…蛍光体
16…第2のガラスマトリクス
17…無機粒子
20…光源
21…モーター
22…回転軸
30…プロジェクター用発光デバイス

Claims (5)

  1. 蛍光体層と、
    前記蛍光体層より高い熱伝導率を有するリング状の基板と、
    前記蛍光体層と前記基板との間に設けられ、前記蛍光体層から出射した蛍光を反射するための反射ガラス層とを備える、プロジェクター用蛍光ホイール。
  2. 前記基板が、セラミック基板である、請求項1に記載のプロジェクター用蛍光ホイール。
  3. 前記蛍光体層が、第1のガラスマトリクスと、前記第1のガラスマトリクス中に分散している蛍光体を含む、請求項1または2に記載のプロジェクター用蛍光ホイール。
  4. 前記反射ガラス層が、第2のガラスマトリクスと、前記第2のガラスマトリクス中に分散している、前記第2のガラスマトリクスと異なる屈折率を有する無機粒子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロジェクター用蛍光ホイール。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロジェクター用蛍光ホイールと、
    前記蛍光ホイールの前記蛍光体層に励起光を照射する光源とを備える、プロジェクター用発光デバイス。
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