JP2015196639A - カーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はカーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法に関する。【解決手段】本発明のカーボンナノチューブアレイの転移方法は、代替基板及び成長基板を提供する第一ステップであって、成長基板の表面にカーボンナノチューブアレイを有し、カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体をカーボンナノチューブアレイから連続に引き出すことを保証できる、第一ステップと、カーボンナノチューブアレイを成長基板から代替基板に転移する第二ステップであって、カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体をカーボンナノチューブアレイから連続に引き出すことを保証できる、第二ステップと、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法に関し、特に、カーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブフィルム或いはカーボンナノチューブワイヤの製造方法に関する。
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube,CNT)は1991年に飯島によって発見され、21世紀において重要な新素材の1つであると期待されている。カーボンナノチューブは機械・電気・熱特性に優れていることから、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、エネルギー、複合材料等、広範な分野での応用が期待されている。しかし、一本のカーボンナノチューブがナノスケールの大きさであるので、利用し難い。現在、複数のカーボンナノチューブを原材料として、大きい寸法の巨視的なカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。巨視的なカーボンナノチューブ構造体は、例えば、複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブフィルム、及び複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブワイヤである。
特許文献1に、カーボンナノチューブアレイから直接にカーボンナノチューブフィルムが引き出されることが開示されている。該カーボンナノチューブフィルムは分子間力で端と端で接続される複数のカーボンナノチューブからなる自立構造体であり、優れた透明度及び巨視的な寸法を有する。カーボンナノチューブアレイから直接に引き出されるカーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されるので、カーボンナノチューブの軸方向における優れた導電性及び熱伝導性を有し、広範な分野で応用できる。例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、スピーカ、加熱装置、薄膜トランジスタなどの分野である。
カーボンナノチューブフィルムを形成する原理は、超配列カーボンナノチューブアレイにおけるカーボンナノチューブが分子間力で緊密に結合され、一部のカーボンナノチューブが引き出される際、隣接するカーボンナノチューブが分子間力の作用で端と端で接続されて引き出されるので、端と端で接続される複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブフィルムを形成することができる。しかし、カーボンナノチューブの間に分子間力のみによって、カーボンナノチューブが相互に吸着され、カーボンナノチューブフィルムが形成されるので、いったんカーボンナノチューブアレイの形態が破壊されたり、或いは変化したりすると、均一なカーボンナノチューブフィルムを連続に引き出すことができない。従って、従来の方法は、成長基板(一般的に、単結晶のシリコン)の表面にカーボンナノチューブアレイを成長させた後、成長基板に直接に成長したカーボンナノチューブアレイを引き出す工程を行い、カーボンナノチューブフィルムを獲得する。
現在、カーボンナノチューブアレイの生産者はカーボンナノチューブアレイと成長基板とを共に、ユーザーに提供する。しかし、これにより、成長基板の回収までの期間が長くなり、新たなカーボンナノチューブアレイの成長基板として迅速に利用することができない。また、コストが高い単結晶のシリコンは運送中に破壊され易い。また、カーボンナノチューブアレイから直接にカーボンナノチューブワイヤを引き出すことには、以上の問題が存在する。
中国特許出願公開第101239712号明細書
従って、前記課題を解決するために、本発明はカーボンナノチューブ構造体及びこの応用物の生産コストを低くして、生産プロセスを簡略化できるカーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法を提供する。
本発明のカーボンナノチューブアレイの転移方法は、代替基板及び成長基板を提供する第一ステップであって、前記成長基板の表面にカーボンナノチューブアレイを有し、前記カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続的に引き出すことを保証できる、第一ステップと、前記カーボンナノチューブアレイを前記成長基板から前記代替基板に転移する第二ステップであって、前記カーボンナノチューブアレイの形態は前記カーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続的に引き出すことを保証できる、第二ステップと、を含み、前記第二ステップは、前記代替基板の表面を、前記成長基板から離れる前記カーボンナノチューブアレイの表面と接触させる第三ステップと、前記代替基板及び前記成長基板のうちの少なくとも一方を移動させて、前記代替基板と前記成長基板とを離れさせ、前記カーボンナノチューブアレイを前記成長基板から脱離させ、前記代替基板に転移する第四ステップと、を含み、前記カーボンナノチューブ構造体は端と端で接続される複数のカーボンナノチューブを含む。
カーボンナノチューブ構造体の製造方法は、第一基板及び第二基板を提供する第一ステップであって、前記第一基板の表面にカーボンナノチューブアレイを有し、前記カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続的に引き出すことを保証できる、第一ステップと、前記第二基板の表面を、前記第一基板から離れる前記カーボンナノチューブアレイの表面と接触させる第二ステップと、前記第一基板及び前記第二基板のうちの少なくとも一方を移動させて、前記第一基板と前記第二基板とを離れさせ、前記カーボンナノチューブアレイを前記第一基板から脱離させ、前記第二基板に転移する第三ステップであって、前記カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続的に引き出すことを保証できる、第三ステップと、前記第二基板に転移したカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ構造体を引き出す第四ステップと、を含み、前記カーボンナノチューブ構造体は端と端で接続される複数のカーボンナノチューブを含む。
従来の技術と比べて、本発明のカーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法は以下の有利な効果を有する。カーボンナノチューブアレイを成長させる工程及びカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ構造体を引き出す工程において、カーボンナノチューブアレイが成長基板から異なる基板に転移設置されるので、カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ構造体を引き出す工程において、カーボンナノチューブアレイが設置される基板はコストが低い材料からなることができる。これにより、カーボンナノチューブアレイの生産者はカーボンナノチューブアレイを代替基板に転移でき、カーボンナノチューブアレイと代替基板とを共にユーザーを提供でき、コストが高い成長基板を迅速に回収でき、生産プロセスを簡単にする。よって、本発明のカーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法は、カーボンナノチューブフィルム及びカーボンナノチューブワイヤに対しての産業的応用に有利であり、生産方式を変えて、生産コストを低くする。
本発明の実施形態1に係るカーボンナノチューブアレイの転移方法を示す図である。 本発明の実施形態1に係るカーボンナノチューブアレイから引き出されたカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施形態2に係るカーボンナノチューブ構造体の製造方法を示す図である。 本発明の実施形態1に係る代替基板に転移したカーボンナノチューブアレイから引き出されたカーボンナノチューブフィルムの写真である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1を参照すると、本発明のカーボンナノチューブアレイ10の転移方法は、代替基板30及び成長基板20を提供し、成長基板20の表面にカーボンナノチューブアレイ10を有するステップであって、カーボンナノチューブアレイ10の形態はカーボンナノチューブ構造体40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S1)と、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から代替基板30に転移するステップであって、代替基板30に転移されたカーボンナノチューブアレイ10の形態はカーボンナノチューブ構造体40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S2)と、を含む。
カーボンナノチューブ構造体40は、端と端で接続される複数のカーボンナノチューブを含み、複数のカーボンナノチューブが分子間力で相互に結合され、且つ端と端で接続されて形成される巨視的な構造体であり、例えば、カーボンナノチューブフィルム或いはカーボンナノチューブワイヤである。好ましくは、カーボンナノチューブ構造体40は、端と端で接続される複数のカーボンナノチューブのみからなる。
カーボンナノチューブアレイ10は、CVD(化学気相堆積)法によって成長基板20の表面に成長する。カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブは相互に基本的に平行であり、且つ成長基板20の表面と垂直である。隣接するカーボンナノチューブは相互に接触して、且つ分子間力で結合される。成長条件を制御することによって、カーボンナノチューブアレイ10は基本的に不純物を含まない。不純物は、例えば、アモルファスカーボン或いは残留した触媒の金属粒である。カーボンナノチューブアレイ10が基本的に不純物を含まず、且つカーボンナノチューブが相互に緊密に接触して、且つ隣接するカーボンナノチューブの間に、大きな分子間力を有するので、一部のカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブセグメント)を引き出す際、隣接するカーボンナノチューブが分子間力の作用によって端と端で接続され、連続的に引き出され、自立構造体(例えば、カーボンナノチューブフィルム或いはカーボンナノチューブワイヤである)を形成する。カーボンナノチューブが端と端で接続されて引き出される前記カーボンナノチューブアレイ10は、超配列カーボンナノチューブアレイである。超配列カーボンナノチューブアレイについては特許文献1に掲載されている。
成長基板20は超配列カーボンナノチューブアレイの成長に適した基板であり、その材料は、例えば、P型シリコン、N型シリコン、或いは酸化シリコンである。
カーボンナノチューブアレイ10から引き出されるカーボンナノチューブ構造体40は、端と端で接続される複数のカーボンナノチューブを含む。具体的に、カーボンナノチューブ構造体40はカーボンナノチューブフィルムでもよい。該カーボンナノチューブフィルムは自立構造体であり、基本的に同じ方向に沿って配列される複数のカーボンナノチューブを含む。図2を参照すると、カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されている。複数のカーボンナノチューブの延伸する方向はカーボンナノチューブフィルムの表面と基本的に平行である。また、複数のカーボンナノチューブは分子間力で接続されている。具体的には、複数のカーボンナノチューブにおける各カーボンナノチューブは、延伸する方向における隣接するカーボンナノチューブと、分子間力で端と端とが接続されているので、カーボンナノチューブフィルムが自立構造を実現できる。更に、カーボンナノチューブフィルムは、複数のカーボンナノチューブセグメントを含むことができる。複数のカーボンナノチューブセグメントは、長軸方向に沿って、分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメントは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブを含む。単一のカーボンナノチューブセグメントにおいて、複数のカーボンナノチューブの長さは同じである。
また、カーボンナノチューブフィルムは、少数のランダムなカーボンナノチューブを含む。しかし、大部分のカーボンナノチューブは同じ方向に沿って配列されているので、このランダムなカーボンナノチューブの延伸方向は、大部分のカーボンナノチューブの延伸方向には影響しない。具体的には、カーボンナノチューブフィルムにおける多数のカーボンナノチューブは、絶対的に直線状ではなくやや湾曲している。または、延伸する方向に完全に配列せず、少しずれている場合もある。従って、同じ方向に沿って配列されている多数のカーボンナノチューブの中において、隣同士のカーボンナノチューブが部分的に接触する可能性がある。実際に、カーボンナノチューブフィルムは複数の空隙を有し、即ち、隣接するカーボンナノチューブの間に空隙を有する。これにより、カーボンナノチューブフィルムは優れた透明度を有する。且つ、隣接するカーボンナノチューブの接触する部分の分子間力及び端と端で接続される部分の分子間力がカーボンナノチューブフィルムの自立構造を維持できる。カーボンナノチューブフィルムの厚さは0.5nm〜100μmであり、好ましくは、0.5nm〜10μmである。カーボンナノチューブ構造体40の幅が小さい場合、カーボンナノチューブ構造体40は自立構造を有するカーボンナノチューブワイヤである。
自立構造体とは、支持体材を利用せず、カーボンナノチューブフィルムを独立して利用することができる形態のことである。すなわち、カーボンナノチューブフィルムを対向する両側から支持して、カーボンナノチューブフィルム或いはカーボンナノチューブワイヤの構造を変化させずに、カーボンナノチューブフィルムを懸架できることを意味する。カーボンナノチューブフィルム或いはカーボンナノチューブワイヤにおけるカーボンナノチューブが、分子間力で接続されているので、自立構造体が実現される。
カーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブフィルムを引き出す方法は、特許文献1に掲載されている。
代替基板30は、固体の基板であり、軟質基板或いは硬質基板である。代替基板30は、カーボンナノチューブアレイ10が設置される表面を有する。カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から代替基板30に転移する工程において、カーボンナノチューブアレイ10の形態を基本的に維持し、カーボンナノチューブ構造体40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できる。即ち、カーボンナノチューブアレイ10は超配列カーボンナノチューブアレイの形態を維持する。
カーボンナノチューブアレイ10の形態を維持することを前提に、カーボンナノチューブアレイ10を代替基板30に転移した後、カーボンナノチューブアレイ10は代替基板30の表面に逆さに設置される。具体的には、カーボンナノチューブアレイ10は第一表面102及び第一表面102と対向する第二表面104を含む。各カーボンナノチューブは成長基板20の表面に成長し、カーボンナノチューブアレイ10を形成する。各カーボンナノチューブが成長基板20と隣接する一端をカーボンナノチューブの下端と定義し、下端と対向する端部をカーボンナノチューブの上端と定義する。成長基板20において、第一表面102はカーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブの下端に形成され、第二表面104はカーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブの上端に形成される。カーボンナノチューブアレイ10の第一表面102は、成長基板20の表面と近接し、或いは成長基板20の表面に設置される。該第一表面102はカーボンナノチューブアレイ10における各カーボンナノチューブの成長下端である。第二表面104は成長基板20の表面から離れ、カーボンナノチューブアレイ10における各カーボンナノチューブの成長上端である。カーボンナノチューブアレイ10を代替基板30に転移した後、カーボンナノチューブアレイ10の第二表面104は代替基板30の表面と近接し、或いは代替基板30の表面に設置される。カーボンナノチューブアレイ10の第一表面102は、代替基板30の表面から離れる。
ステップ(S2)は、代替基板30の表面を、カーボンナノチューブアレイ10の成長基板20から離れる表面と接触させるステップ(S21)と、代替基板30及び成長基板20のうちの少なくとも一方を移動させて、代替基板30と成長基板20とを離れさせ、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させ、代替基板30に転移するステップ(S22)と、含む。
ステップ(S2)を常温で行うことができる。ステップ(S21)及びステップ(S22)において、カーボンナノチューブアレイ10の形態はカーボンナノチューブ構造体40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できる。カーボンナノチューブアレイ10が代替基板30に転移した後、カーボンナノチューブ構造体40を連続的に引き出すことができるために、代替基板30の表面とカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104の間に分子間力のみで結合する、代替基板30とカーボンナノチューブアレイ10の間の結合力(FBC)は、カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブ同士の間の分子間力(FCC)より小さい。また、代替基板30とカーボンナノチューブアレイ10の間の結合力(FBC)は、成長基板20とカーボンナノチューブアレイ10の間の結合力(FAC)より大きい。これにより、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させ、代替基板30に転移させる。即ち、FAC<FBC<FCCである。
AC<FBC<FCCを満たすために、代替基板30の表面は適切な表面エネルギーを有することができ、且つ代替基板30の表面とカーボンナノチューブアレイ10の間に適切な表面エネルギーを有することができる。これにより、代替基板30の表面とカーボンナノチューブアレイ10とが接触することのみによって、代替基板30の表面とカーボンナノチューブアレイ10との間に、十分な結合力(例えば、分子間力)を発生させて、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させる。代替基板30の表面は平面である。本実施形態において、代替基板30の材料はポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
代替基板30を接着剤でカーボンナノチューブアレイ10に貼り付けることはしない。従来の接着剤によっても、FAC<FBCを満たし、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させることができる。しかし、カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブ同士の間の分子間力が小さいので、従来の任意の接着剤では、FBC>FCCとなる。これにより、後のカーボンナノチューブ構造体40を引き出すステップを行うことができない。ステップ(S21)及びステップ(S22)において、代替基板30は固体状態を維持する。
ステップ(S2)において、代替基板30の表面とカーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブの上端とを十分に接触させるために、代替基板30にカーボンナノチューブアレイ10に小さい圧力(f)を印加できる。この圧力の大小はカーボンナノチューブアレイ10の形態を維持でき、カーボンナノチューブ構造体40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことができることを保証する。好ましくは、圧力は0<f<2N/cmである。好ましくは、圧力を印加する方向は成長基板20のカーボンナノチューブが成長する表面と垂直である。カーボンナノチューブアレイ10の形態を維持するために、代替基板30はカーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブを倒してはいけない。カーボンナノチューブアレイ10に圧力を印加する際、カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブは基本的に成長基板20の表面と垂直である。
ステップ(S22)において、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させる工程では、好ましくは、カーボンナノチューブアレイ10におけるすべてのカーボンナノチューブを同時に成長基板20から脱離させる。即ち、代替基板30及び成長基板20のうちの少なくとも一方の移動方向は、成長基板20のカーボンナノチューブが成長する表面と垂直であり、カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブを、カーボンナノチューブの成長方向に沿って成長基板20から脱離させる。代替基板30及び成長基板20が共に移動する場合、両者の移動方向は、成長基板20のカーボンナノチューブが成長する表面と垂直である。
ステップ(S21)及びステップ(S22)において、まず、カーボンナノチューブアレイ10が成長基板20から押される力を受け、次に、代替基板30に向けて引かれる力を受ける。
(実施形態2)
図3を参照すると、本発明のカーボンナノチューブ構造体40の製造方法を提供する。カーボンナノチューブ構造体40の製造方法は、前記ステップ(S1)及びステップ(S2)を含み、更に、代替基板30におけるカーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブ構造体40を引き出すステップ(S3)と、含む。
図4を参照すると、ステップ(S3)が従来のカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ構造体を引き出すステップと異なる点は以下のとおりである。カーボンナノチューブ構造体40は代替基板30に転移したカーボンナノチューブアレイ10から引出されたものであり、成長基板20に成長したカーボンナノチューブアレイ10から直接に引き出されたものではない。好ましくは、カーボンナノチューブ構造体40は、代替基板30の表面に逆さに設置されるカーボンナノチューブアレイ10から引き出される。即ち、カーボンナノチューブアレイ10の成長下部からカーボンナノチューブ構造体40を引き出す。
ステップ(S3)は、引き道具50で、代替基板30の表面に設置されたカーボンナノチューブアレイ10における一部のカーボンナノチューブセグメントを選択するステップ(S31)と、引き道具50を移動させることによって、特定の速度で選択したカーボンナノチューブセグメントを引き、端と端で接続される複数のカーボンナノチューブセグメントを引き出し、連続なカーボンナノチューブ構造体40を形成するステップ(S32)と、を含む。
ステップ(S31)において、カーボンナノチューブフィルムを引き出す場合、特定の幅を有する接着テープ或いは接着を有するストリップを採用し、カーボンナノチューブアレイ10と接触させ、特定の幅を有するカーボンナノチューブセグメントを選択する。カーボンナノチューブワイヤを引き出す場合、幅が狭い道具(ピンセット)によって、幅が狭いカーボンナノチューブセグメントを選択する。ステップ(S32)において、選択したカーボンナノチューブセグメントの引き出す方向は、カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブの成長方向と角αを成す。角αは0°〜90°(0°は含まず)であり、好ましくは、30°〜90°である。
ステップ(S22)はステップ(S3)と異なる。ステップ(S22)はカーボンナノチューブアレイ10全体を成長基板20から脱離でき、且つカーボンナノチューブアレイ10が成長基板20から脱離した後、カーボンナノチューブアレイ10の形態を維持できることを目指す。ステップ(S3)はカーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブフィルム或いはカーボンナノチューブワイヤを引き出すことを目指す。従って、カーボンナノチューブアレイ10全体が代替基板30から脱離せず、一部のカーボンナノチューブ、例えば、カーボンナノチューブセグメントを代替基板30から脱離させ、引き出したカーボンナノチューブセグメントが隣接するカーボンナノチューブセグメントを動かし、隣接するカーボンナノチューブセグメントが端と端で接続されて引き出され、次々に代替基板30から脱離する。
本発明のカーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法は以下の有利な効果を有する。カーボンナノチューブアレイを成長させる工程及びカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ構造体を引き出す工程において、カーボンナノチューブアレイが成長基板から異なる基板に転移設置されたので、カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ構造体を引き出す工程において、カーボンナノチューブアレイが設置される基板がコストが低い材料からなることができる。これにより、カーボンナノチューブアレイの生産者はカーボンナノチューブアレイを代替基板に転移でき、カーボンナノチューブアレイと代替基板とを共にユーザーを提供でき、コストが高い成長基板を迅速に回収でき、生産プロセスを簡単にする。よって、本発明のカーボンナノチューブアレイの転移方法及びカーボンナノチューブ構造体の製造方法は、カーボンナノチューブフィルム及びカーボンナノチューブワイヤに対しての産業的応用に有利であり、生産方式を変えて、生産コストを低くする。
10 カーボンナノチューブアレイ
102 第一表面
104 第二表面
20 成長基板
30 代替基板
40 カーボンナノチューブ構造体
50 引き道具

Claims (2)

  1. 代替基板及び成長基板を提供する第一ステップであって、前記成長基板の表面にカーボンナノチューブアレイを有し、前記カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続的に引き出すことを保証する、第一ステップと、
    前記カーボンナノチューブアレイを前記成長基板から前記代替基板に転移する第二ステップであって、前記カーボンナノチューブアレイの形態は前記カーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続に引き出すことを保証する、第二ステップと、を含むカーボンナノチューブアレイの転移方法であって、
    前記第二ステップは、前記代替基板の表面を、前記成長基板から離れる前記カーボンナノチューブアレイの表面と接触させる第三ステップと、
    前記代替基板及び前記成長基板のうちの少なくとも一方を移動させて、前記代替基板と前記成長基板とを離れさせ、前記カーボンナノチューブアレイを前記成長基板から脱離させ、前記代替基板に転移する第四ステップと、を含み、
    前記カーボンナノチューブ構造体は端と端で接続される複数のカーボンナノチューブを含むことを特徴とするカーボンナノチューブアレイの転移方法。
  2. 第一基板及び第二基板を提供する第一ステップであって、前記第一基板の表面にカーボンナノチューブアレイを有し、前記カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続的に引き出すことを保証する、第一ステップと、
    前記第二基板の表面を、前記第一基板から離れる前記カーボンナノチューブアレイの表面と接触させる第二ステップと、
    前記第一基板及び前記第二基板のうちの少なくとも一方を移動させて、前記第一基板と前記第二基板とを離れさせ、前記カーボンナノチューブアレイを前記第一基板から脱離させ、前記第二基板に転移する第三ステップであって、前記カーボンナノチューブアレイの形態はカーボンナノチューブ構造体を前記カーボンナノチューブアレイから連続的に引き出すことを保証する、第三ステップと、
    前記第二基板に転移したカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ構造体を引き出す第四ステップと、を含み、
    前記カーボンナノチューブ構造体は端と端で接続される複数のカーボンナノチューブを含むことを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の製造方法。
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