JP2015196360A - 複合台板及び化粧合板 - Google Patents
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Abstract
【課題】針葉樹合板を利用した良好な品質の複合台板を提供する。
【解決手段】水分を排出させるための有底孔が配列された第1のプレス面と第2のプレス面との間隙で湿潤繊維マットを加圧して板状に成形した湿式硬質繊維板12が、針葉樹合板11の表面に積層された複合台板1であって、湿式硬質繊維板12は、有底孔に繊維が流入して形成された凸状部が配列されたエンボス層125を有していると共に、エンボス層125が針葉樹合板11側に面する状態で圧着接合されており、圧着接合前の湿式硬質繊維板12は、板厚に対するエンボス層の割合が35%〜70%である。
【選択図】図5
【解決手段】水分を排出させるための有底孔が配列された第1のプレス面と第2のプレス面との間隙で湿潤繊維マットを加圧して板状に成形した湿式硬質繊維板12が、針葉樹合板11の表面に積層された複合台板1であって、湿式硬質繊維板12は、有底孔に繊維が流入して形成された凸状部が配列されたエンボス層125を有していると共に、エンボス層125が針葉樹合板11側に面する状態で圧着接合されており、圧着接合前の湿式硬質繊維板12は、板厚に対するエンボス層の割合が35%〜70%である。
【選択図】図5
Description
本発明は、針葉樹単板が積層された針葉樹合板を利用した複合台板及び化粧合板に関する。
従来、合板として積層される単板の材質は、ラワン材等の広葉樹が一般的であった。しかし、ラワン材等の南洋材は、主たる原産国が属する東南アジア等において伐採が進み、資源が枯渇してきている。そこで、近年、ラワン材などの広葉樹単板の代替として、針葉樹単板を積層した針葉樹合板の利用が進められている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、針葉樹合板では、次のような問題がある。すなわち、広葉樹に比べて節等が多い針葉樹単板が積層された針葉樹合板は、節穴に起因する凹み等の表面欠陥が多いという問題がある。例えば、突き板等の化粧板や樹脂フイルム等の化粧シートを針葉樹合板の表面に圧着接合する場合、針葉樹合板の凹みの箇所で圧着荷重が不足して化粧表面にくすみや凹みが生じるおそれがある。化粧板等を上手く圧着できたように見えても、針葉樹合板の凹みに起因する空隙が内部に残っていることがある。このような空隙が残る化粧合板では、長期間に渡る使用期間の途中で化粧表面に凹みが生じたり、破れや割れ等が生じたりするおそれがある。特に、床材への適用時には、家具の脚やヒール靴の踵による局所的な荷重が空隙に作用して化粧表面が凹んだり割れたりすることが多い。MDF(中質繊維板)や高比重MDFを針葉樹合板の表面に圧着接合しても、針葉樹合板の表面欠陥を完全に近く覆い隠すことは非常に困難である。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、針葉樹合板を利用した優れた品質の複合台板及び化粧合板を提供するための発明である。
本発明の一態様は、水分を排出させるための有底孔が配列された第1のプレス面と第2のプレス面との間隙で湿潤繊維マットを加圧することにより板状に成形された湿式硬質繊維板が、針葉樹合板の表面あるいは表裏面に圧着接合された複合台板であって、前記湿式硬質繊維板は、前記湿潤繊維マットの繊維が前記有底孔に充填されて形成された凸状部が配列されたエンボス層を有していると共に、該エンボス層が前記針葉樹合板に面する状態で圧着接合されており、圧着接合前の湿式硬質繊維板は、板厚に対する前記エンボス層の割合が35%〜70%である複合台板にある(発明1)。
本発明の一態様は、表面あるいは表裏面に化粧加工が施された化粧合板であって、本発明の他の態様をなす複合台板の表面あるいは表裏面のうち、湿式硬質繊維板が積層された側の面に化粧板あるいは化粧シートが積層された化粧合板にある(発明5)。
水分を排出しながら加圧成形される湿式硬質繊維板のエンボス層の凸状部は、前記第1のプレス面の有底孔に繊維が入り込み、その有底孔の深さの分だけ周囲よりも膨らむように形成される。加圧成形時の凸状部に対する圧力は、当然ながら周囲よりも低くなる。そのため、このエンボス層は、低圧縮で比較的柔らかい凸状部と、周囲の高圧縮の硬い部分と、が交互に現れる層となる。
このようなエンボス層を内側にして前記湿式硬質繊維板を圧着したとき、押し付ける相手方の面の凸凹に応じて前記エンボス層の凸状部が適宜変形する。このエンボス層を内側にして前記針葉樹合板に圧着すれば、前記凸状部の変形に応じて、該針葉樹合板の表面等の凹みを効果的に吸収可能である。前記針葉樹合板の表面のうち凹みのある部分では、前記凸状部の潰れが小さくなって圧着後の前記エンボス層の厚さが大きくなる一方、凹みのない部分ではその厚さが小さくなる。前記エンボス層のこのような変形に応じて、前記針葉樹合板の表面等の凹みが埋められた前記複合台板では、前記針葉樹合板と前記湿式硬質繊維板との間に空隙が残るおそれが少ない。
内部に空隙が残っていない前記複合台板であれば、その後、突き板等の化粧板や樹脂フイルム等の化粧シートを圧着する際、圧着荷重のムラを抑制でき、化粧表面のくすみや凹みを低減できる。このように化粧板等が圧着された化粧合板では、前記針葉樹合板の凹みに当たる箇所に局所的な大荷重が作用しても化粧表面が凹んだり破れたりするおそれが少ない。
従来、一般的な湿式硬質繊維板では、板厚に対する前記エンボス層の占有割合が25%程度となっている。湿式硬質繊維板の裏面をなすエンボス層は、排水しながら加圧成形が行われるという製法上不可避であり、一般的に平滑性が求められる板材にとっての欠点でもある。このエンボス層の厚さは薄ければ薄いほど良いが、生産効率とのバランスによりエンボス層の占有割合が一般的には25%となっている。
これに対して、本発明への適用では、前記針葉樹合板の表面等の凸凹を吸収することを目的として前記湿式硬質繊維板のエンボス層が積極的に活用されている。このエンボス層を構成する前記凸状部の潰れ変形によって、凹み等の前記針葉樹合板の表面欠陥が吸収されている。本発明におけるエンボス層の占有割合はある程度、大きい方が良く一般的な25%程度では不十分である。25%程度の薄いエンボス層では、前記針葉樹合板の表面等の凸凹を吸収するという作用効果が不十分になる。
本発明における湿式硬質繊維板では、板厚に対する前記エンボス層の割合が35〜70%と格段に大きく設定されている。このような厚いエンボス層を備えた湿式硬質繊維板を圧着接合すれば、前記針葉樹合板の凹み等の表面欠陥を効果的に吸収できる。
このように本発明の複合台板は、厚いエンボス層を含む湿式硬質繊維板を圧着することで前記針葉樹合板の表面欠陥が吸収された優れた特性の合板であり、この複合台板を利用した化粧合板は、化粧板等がなす化粧表面が美しく、さらにその美しい化粧表面を長期に及ぶ使用期間に渡って長く維持できる優れた品質を備えている。
本発明における化粧板としては、突き板等の木質単板や、金属板や、樹脂板等がある。また、化粧シートとしては、樹脂シートや、樹脂系フイルムや、コート紙や、アフターコート紙等がある。
本発明における針葉樹合板に対して湿式硬質繊維板を圧着接合する方法としては、熱間プレス(ホットプレス)による熱圧接着でもよく、冷間プレス(コールドプレス)による圧着でも良い。熱圧接着の場合であれば、熱硬化性樹脂を接着剤として利用することも良い。湿式硬質繊維板を加圧成形する前の湿潤繊維マットに熱硬化性樹脂繊維を混入しておくことも良い。熱圧接着時に前記針葉樹合板と前記湿式硬質繊維板との間に粉末熱硬化性樹脂を介在させたり、液状の熱硬化性樹脂を前記エンボス層に含浸させた状態で、針葉樹合板に熱圧接着したりすることも良い。冷間プレスの場合、酢酸ビニル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、合成ゴム等から選択される接着剤を利用すれば、針葉樹合板に対する湿式硬質繊維板の接合強度を向上できる。
本発明における好適な一態様における第1のプレス面側に配列された有底孔について、隣り合う有底孔との間を仕切る側壁の厚さtに対する有底孔の深さdの比率d/tが1を超えている(発明2)。
一般的な湿式硬質繊維板の製板工程では、前記第1のプレス面に相当する一方のプレス面に金網等が載置され、この金網の編み目によって前記有底孔が形成されている。鉄線等が編み込みされた金網では、当然ながら、その線径が、隣り合う有底孔との側壁となると共に、有底孔の最小深さとなる。そのため、側壁の厚さtと有底孔の深さdとの比率d/tの最小値は1となる。この比率d/tが小さいと凸状部の高さが低くなり、エンボス層が薄くなる。上記の通り、エンボス層の厚さが十分でないと、前記針葉樹合板の表面等の凸凹を吸収するという作用効果が不十分となる。なお、比率d/tについては、2〜20程度に設定するのが良い。
一方、本発明における湿式硬質繊維板は、前記有底孔の全周に渡って前記比率d/tが1を超える深い有底孔が配列された前記第1のプレス面を用いて加圧成形されたものである。この湿式硬質繊維板では、前記比率d/tの値が大きいほど前記凸状部が高く形成され、前記エンボス層が厚くなっている。このように厚いエンボス層を備えた湿式硬質繊維板を圧着接合すれば、前記針葉樹合板の表面等の凸凹を効果的に吸収できる。
前記比率d/tが1を超えるような有底孔は、例えば、編み目の位置が一致する状態で複数枚の金網等を重ねてプレス面に載置することにより形成できる。あるいは、前記側壁をなす仕切板によって区画されたハニカム孔が複数設けられたハニカム板等をプレス面に戴置して前記有底孔を形成することも良い。
本発明における好適な−態様における針葉樹合板は、針葉樹単板が複数積層された合板であり、前記エンボス層の厚さは、前記針葉樹合板の表面あるいは表裏面に積層された針葉樹単板の板厚の120〜300%である(発明3)。針葉樹単板よりも厚いエンボス層であれば、針葉樹合板の表面等の凹みの箇所でも前記凸状部が十分に圧縮される。それ故、圧着後のエンボス層の密度を十分に確保でき、前記複合台板の内部に密度が不足する領域が生じるおそれを抑制できる。なお、厚さが上記の範囲を下回っているエンボス層であっても、前記針葉樹合板の表面の凹み等をある程度、吸収可能である。当然ながら、エンボス層の厚さを上記の範囲に設定することは、本発明において必須の要件ではない。
本発明における好適な一態様の複合台板においては、前記エンボス層に熱硬化性樹脂を保持する前記湿式硬質繊維板が前記針葉樹合板の表面あるいは表裏面に熱圧接着されている(発明4)。前記エンボス層に熱硬化性樹脂を保持する湿式硬質繊維板を熱圧接着すれば、樹脂の熱硬化作用により、前記針葉樹合板の表面の凸凹に応じて変形したエンボス層をそのまま固めることが可能になる。このように製板された複合台板では、前記針葉樹合板の表面等の凹みの箇所であるか否かによらず、熱硬化したエンボス層によって十分な硬度が実現される。なお、前記エンボス層に熱硬化性樹脂材料を保持させる方法としては、前記エンボス層の表面に粉末状の熱硬化性樹脂を散布したり、液体状態の熱硬化性樹脂を前記エンボス層に含浸させたり等、様々な方法がある。
本発明によれば、針葉樹合板を利用した優れた品質の複合台板及び化粧合板を提供することができる。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、針葉樹合板11の表面に湿式硬質繊維板12が積層された複合台板1、及びこの複合台板1に突き板(木質単板よりなる化粧板)15が積層された化粧合板10に関する例である。この内容について、図1〜図7を用いて説明する。
本例は、針葉樹合板11の表面に湿式硬質繊維板12が積層された複合台板1、及びこの複合台板1に突き板(木質単板よりなる化粧板)15が積層された化粧合板10に関する例である。この内容について、図1〜図7を用いて説明する。
(針葉樹合板)
本例の針葉樹合板11は、図1のごとく、針葉樹単板111が5層積層された板厚12mmの5プライの合板である。針葉樹単板111としては、杉、桧、松等を薄くスライスした単板が利用される。この針葉樹合板11では、同図中、上段から、第1層のフェース、第2層のクロスバンド、第3層のコア、第4層のクロスバンド、第5層のバックをなす各針葉樹単板111が積層されている。第1層、第3層、第5層の板厚が2mm、第2層及び第4層の板厚が3mmとなっている。なお、針葉樹単板111の積層数(プライ数)については、本例の5層(5プライ)には限定されない。
本例の針葉樹合板11は、図1のごとく、針葉樹単板111が5層積層された板厚12mmの5プライの合板である。針葉樹単板111としては、杉、桧、松等を薄くスライスした単板が利用される。この針葉樹合板11では、同図中、上段から、第1層のフェース、第2層のクロスバンド、第3層のコア、第4層のクロスバンド、第5層のバックをなす各針葉樹単板111が積層されている。第1層、第3層、第5層の板厚が2mm、第2層及び第4層の板厚が3mmとなっている。なお、針葉樹単板111の積層数(プライ数)については、本例の5層(5プライ)には限定されない。
一般的に、ラワン材等の広葉樹に比べて節等が多い針葉樹では、単板として加工した際、節穴などに起因する孔や欠け等が不可避である。本例の針葉樹合板11についても、フェースやバックをなす針葉樹単板111の節穴や欠け等に起因する凹み119等の表面欠陥が生じている。
(湿式硬質繊維板)
湿式硬質繊維板(HB)12(図4、図5参照。)は、図2のごとく、湿潤繊維マット120を熱圧成形して得られる繊維板である。湿潤繊維マット120は、木質パルプを解繊した繊維と水を混合した懸濁液であるスラリーを脱水して30mmの厚さに抄造して得られるマットである。プレス面220をなす熱板221を備えるプレス装置22を利用し、一対のプレス面220の間隙でこの湿潤繊維マット120を加圧して板状に成形すると本例の湿式硬質繊維板12が得られる。なお、本例の湿式硬質繊維板12を製板する際のプレス条件は、熱板温度170〜230℃、圧力20〜30kg/平方cm、時間2〜10分という条件である。
湿式硬質繊維板(HB)12(図4、図5参照。)は、図2のごとく、湿潤繊維マット120を熱圧成形して得られる繊維板である。湿潤繊維マット120は、木質パルプを解繊した繊維と水を混合した懸濁液であるスラリーを脱水して30mmの厚さに抄造して得られるマットである。プレス面220をなす熱板221を備えるプレス装置22を利用し、一対のプレス面220の間隙でこの湿潤繊維マット120を加圧して板状に成形すると本例の湿式硬質繊維板12が得られる。なお、本例の湿式硬質繊維板12を製板する際のプレス条件は、熱板温度170〜230℃、圧力20〜30kg/平方cm、時間2〜10分という条件である。
湿式硬質繊維板12の熱圧成形時には、湿潤繊維マット120に含まれる水が流出する。一般的な湿式硬質繊維板の製板工程では、この水を排水するため、下側のプレス面220に金網が載置される。一般的な湿式硬質繊維板の裏面にみられる編み目模様は、この金網の編み目が転写された凸凹模様である。湿式硬質繊維板では、この凸凹模様の形成層がエンボス層となっている。本例の湿式硬質繊維板12は、金網に代えてハニカム板21を利用して熱圧成形され、通常よりも厚いエンボス層125(図4を参照して後述する)が形成されている点に特徴がある。
熱圧成形に用いるハニカム板21は、図3のごとく、板厚d1が3.0mmであり、ハニカム構造を形成する仕切板(側壁)215の厚さtが0.5mmとなっている。仕切板215により取り囲まれたハニカム孔210は、内接円の径が約1.8mmである大きさの孔である。
ハニカム板21の各ハニカム孔210は、プレス面220を底面とした有底孔229を形成する。ハニカム孔210は、一般的な湿式硬質繊維板を成形する際の金網の編み目に相当している。それ故、本例の湿式硬質繊維板12の裏面には、編み目に相当するハニカム模様が形成される。プレス面220にハニカム板21を裁置して形成される有底孔229の深さdは、ハニカム板21の板厚d1に一致し3.0mmとなる。仕切板215の厚さtが0.5mmであるので、有底孔229のd/tの比率は6.0となる。このd/tの比率が大きいほど、湿式硬質繊維板12の裏面のハニカム模様の彫りが深くなる。なお、一般的に使用される金網の場合、金網として編み込まれた線材の線径がd(最小値)及びtとなるため、d/tの比率の最小値が1となっている。
なお、プレス面220に接する側の仕切板215の端部は、熱板221に接する箇所と、熱板221と隙間を空けて対面する箇所と、がハニカム孔210の周方向に交互に現れるように波状(図示略)に形成されている。このような仕切板215の端部の波形状は、熱圧成形時に発生する水を効率良く排水するために有効である。なお、この端部の形状に変えて、ハニカム板21とプレス面220との間に金網等を介在させておくことも排水のために有効である。
本例の湿式硬質繊維板12の裏面には、図4のごとく、ハニカム模様に凸状部126が配列されたエンボス層125が形成されている。凸状部126は、ハニカム孔210により形成される有底孔229(図3)に湿潤繊維マット120の木質繊維が流入して形成される。隣り合う凸状部126を区画するように凹む外周部分は、ハニカム板21の仕切板215によって加圧されて形成される。当然ながら、高密度で硬い外周部分に比べて、凸状部126は圧縮率が低くなり低密度で比較的柔らかくなっている。
本例の湿式硬質繊維板12では、板厚(th)5.0mmに対してエンボス層125の厚さ(te)が3.0mmとなっている。この湿式硬質繊維板12では、板厚thに対するエンボス層125の厚さteの占有割合が約60%となっている。なお、湿式硬質繊維板12の板厚thは2〜7mmが好ましく、エンボス層125の厚さteの占有割合は、一般的な湿式硬質繊維板の25%を超える35%以上が良い。
湿式硬質繊維板12を加圧成形する際、プレス面220に離型材が塗布されることがある。ハニカム板21が載置されない上側のプレス面220によって加圧された表面については、研磨により離型材を除去すれば平滑性を向上できる。このような研磨を実施する際には、平滑性を確保するのに必要最小限の研磨量に留めておき、表面側に形成される高強度の岩盤層を残した方が良い。湿式硬質繊維板12の表面の強度を向上すれば、その表面によって形成される複合台板1の表面側の強度を向上できる。
(複合台板)
本例の複合台板1は、図5及び図6のごとく、板厚(th)5.0mmの湿式硬質繊維板12が針葉樹合板11の表面に熱圧接着された合板である。複合台板1では、熱圧接着された後の湿式硬質繊維板12の厚さ(ta)が約2.5mmとなっている。なお、本例では、熱圧接着に際して、予め、湿式硬質繊維板12のエンボス層125に液状のフェノール樹脂を含浸させてある。
本例の複合台板1は、図5及び図6のごとく、板厚(th)5.0mmの湿式硬質繊維板12が針葉樹合板11の表面に熱圧接着された合板である。複合台板1では、熱圧接着された後の湿式硬質繊維板12の厚さ(ta)が約2.5mmとなっている。なお、本例では、熱圧接着に際して、予め、湿式硬質繊維板12のエンボス層125に液状のフェノール樹脂を含浸させてある。
エンボス層125を内側にして針葉樹合板11に湿式硬質繊維板12を熱圧接着すると、針葉樹合板11の表面の凸凹に応じてエンボス層125の凸状部126が適宜変形する。針葉樹合板11の表面のうち凹み119の箇所では、エンボス層125の凸状部126をなす木質繊維が凹み119に流入して凸状部126の潰れ度合いが小さくなり、圧着後のエンボス層125F(図6)が厚くなる。一方、凹み119のない箇所では凸状部126の潰れ度合いが大きくなり圧着後のエンボス層125Fが薄くなる。
エンボス層125の凸状部126の上記のような変形に応じて針葉樹合板11の表面の凹み119に流入した木質繊維は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂によりその流入状態を維持したまま固められる。このように針葉樹合板11の表面の凹み119が、湿式硬質繊維板12をなす木質繊維により埋め固められた複合台板1では、針葉樹合板11と湿式硬質繊維板12との間に空隙が残るおそれが少ない。
特に、本例では、針葉樹合板11の表面をなす針葉樹単板111の2mmの板厚(tf)に対して、圧着前の湿式硬質繊維板12のエンボス層125の厚さ(te)が3.0mmとなっている。エンボス層125の厚さ(te)は、針葉樹合板11の表面をなす針葉樹単板111の板厚(tf)の150%となっている。複合台板1では、厚いエンボス層125によって針葉樹合板11の表面の凹み119が確実性高く埋め固められ、内部の空隙が確実性高く低減されている。
(化粧合板)
本例の化粧合板10は、上記のように製板された複合台板1の表面に、化粧板としての突き板(木質単板)15が積層された台板である(図7参照。)。本例では、冷間プレスにより、複合台板1の表面に突き板15を圧着接合して化粧合板10を製板している。
本例の化粧合板10は、上記のように製板された複合台板1の表面に、化粧板としての突き板(木質単板)15が積層された台板である(図7参照。)。本例では、冷間プレスにより、複合台板1の表面に突き板15を圧着接合して化粧合板10を製板している。
一般に、突き板を接着する複合台板の内部に空隙があると、その空隙の部分で突き板に対する圧着荷重が周囲よりも小さくなり、これにより、化粧表面の凹みやくすみ等が生じるおそれがある。一方、本例の複合台板1は、厚いエンボス層125を含む湿式硬質繊維板12(図4〜図6参照。)を針葉樹合板11に熱圧接着して製板された合板であり、上記のごとく内部に空隙がほとんど残っていない。内部に空隙が残っていない本例の複合台板1であれば、突き板15を圧着接合する際、均一性高く加圧でき化粧表面の凹みやくすみの発生を未然に抑制できる。さらに、内部に空隙が少ない複合台板1あるいは化粧合板10であれば、温度や湿度等、環境の変化に応じた空隙内の空気の膨張等に起因して層間剥離等が生じるおそれもない。
以上のように、本例の複合台板1は、針葉樹合板11を基材としながら、その表面に積層された湿式硬質繊維板12のエンボス層125によって針葉樹合板11の表面欠陥が吸収され、内部の空隙が低減された優れた品質の合板となっている。このような複合台板1の表面に突き板15を圧着接合した化粧合板10は、化粧表面のくすみや凹みがない良好な品質の製品となり得る。この化粧合板10は内部に空隙がほとんどないので、長期間に渡って使用されたときに化粧表面の凹みや割れ等を生じるおそれが少なく、長期間に渡って美しい化粧表面を維持できる。特に、床材への適用時においても、家具の脚やヒールの踵等に踏まれても化粧表面が凹んだりするおそれが少ない。
本例は、複合台板1の表面に化粧板(本例では突き板15)を冷間プレスにより圧着した例である。これに代えて、化粧板を熱圧接着することも可能である。複合台板1の内部に空隙があると、化粧板を熱圧接着する際、加熱ムラが生じ易くなり、化粧表面のくすみ等が一層顕在化するおそれがある。したがって、化粧板を熱圧接着して化粧合板10を製板する場合には、内部の空隙が少ないという本例の複合台板1が一層有用になる。
なお、本例では、針葉樹合板11に対して湿式硬質繊維板12を熱圧接着して複合台板1を製板し、その後、この複合台板1に対して突き板15を圧着接合して化粧合板10を製板している。これに代えて、針葉樹合板11の表面に、湿式硬質繊維板12及び突き板15を同時に熱圧接着し、複合台板1としての独立した形態を経由することなく直接、化粧合板10を製板することもできる。
本例の複合台板1については、中間製品としての出荷が考えられる。この複合台板1を仕入れした加工業者は、化粧板等を接合する化粧加工によって最終製品としての化粧合板10を製板可能である。複合台板1については、畳床等への適用も考えられる。この場合には、化粧合板10として加工されることなく、複合台板1が建築板としての最終製品となる。
本例では、針葉樹合板11の表面に湿式硬質繊維板12を接合しているが、針葉樹合板11の表裏面に湿式硬質繊維板12を接合することも良い。表裏面に湿式硬質繊維板12を接合するに当たっては、表面、裏面を1面ずつ加工しても良いが、2枚の湿式硬質繊維板12の間隙に針葉樹合板11を配置して加圧プレスすることで表裏面を同時に加工することも良い。
本例では、湿式硬質繊維板12を製板する際の排水用の有底孔229がハニカム板21により形成されている。これに代えて、同じ仕様の複数枚の金網を編み目が一致するように重ね合わせ、プレス面220に戟置することも良い。この場合には、編み目により形成される有底孔の最小深さdが、金網をなす線材の線径Eの2倍となる一方、隣り合う有底孔を仕切る側壁の厚さtが線径Eに一致する。この場合のd/tの比率は2以上となる。
化粧加工に用いる化粧板としては、本例の突き板15に代えて、繊維化粧板や、ポリエステルやメラミンあるいはフェノール等の樹脂板や、アルミやステンレス等の金属板を適用することも良い。化粧板に代えて、シート状を呈する化粧シートを適用することも良い。化粧シートとしては、塩化ビニールの樹脂シートや、フェノールやポリオレフィン等の樹脂系フイルムや、コート紙や、アフターコート紙等を利用可能である。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
1 複合台板
10 化粧合板
11 針葉樹合板
111 針葉樹単板
119 凹み
12 湿式硬質繊維板
120 湿潤繊維マット
125 エンボス層
126 凸状部
15 突き板
21 ハニカム板
215 仕切板(側壁)
220 プレス面
221 熱板
229 有底孔
10 化粧合板
11 針葉樹合板
111 針葉樹単板
119 凹み
12 湿式硬質繊維板
120 湿潤繊維マット
125 エンボス層
126 凸状部
15 突き板
21 ハニカム板
215 仕切板(側壁)
220 プレス面
221 熱板
229 有底孔
Claims (5)
- 水分を排出させるための有底孔が配列された第1のプレス面と第2のプレス面との間隙で湿潤繊維マットを加圧することにより板状に成形された湿式硬質繊維板が、針葉樹合板の表面あるいは表裏面に庄着接合された複合台板であって、
前記湿式硬質繊維板は、前記湿潤繊維マットの繊維が前記有底孔に充填されて形成された凸状部が配列されたエンボス層を有していると共に、該エンボス層が前記針葉樹合板に面する状態で圧着接合されており、
圧着接合前の湿式硬質繊維板は、板厚に対する前記エンボス層の割合が35%〜70%
である複合台板。 - 請求項1において、前記第1のプレス面側に配列された有底孔について、隣り合う有底孔との問を仕切る側壁の厚さtに対する有底孔の深さdの比率d/tが1を超えている複合台板。
- 請求項1又は2において、前記針葉樹合板は、針葉樹単板が複数積層された合板であり、前記エンボス層の厚さは、前記針葉樹合板の表面あるいは表裏面に積層された針葉樹単板の板厚の120%〜300%である複合台板。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、前記エンボス層に熱硬化性樹脂を保持する前記湿式硬質繊維板が前記針葉樹合板の表面あるいは表裏面に熱圧接着された複合台板。
- 表面あるいは表裏面に化粧加工が施された化粧合板であって、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合台板の表面あるいは表裏面のうち、湿式硬質繊維板が積層された側の面に化粧板あるいは化粧シートが積層された化粧合板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014076519A JP2015196360A (ja) | 2014-04-02 | 2014-04-02 | 複合台板及び化粧合板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014076519A JP2015196360A (ja) | 2014-04-02 | 2014-04-02 | 複合台板及び化粧合板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015196360A true JP2015196360A (ja) | 2015-11-09 |
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ID=54546369
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014076519A Pending JP2015196360A (ja) | 2014-04-02 | 2014-04-02 | 複合台板及び化粧合板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015196360A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109203171A (zh) * | 2018-09-28 | 2019-01-15 | 成都市荣胜木业有限公司 | 一种新型复合板材及其一次性热压成型工艺 |
CN109249660A (zh) * | 2018-09-28 | 2019-01-22 | 成都市荣胜木业有限公司 | 一种新型复合板材及其制造方法 |
CN109648676A (zh) * | 2019-03-01 | 2019-04-19 | 太和县金鑫木业有限公司 | 一种胶合板的加工方法 |
CN109648660A (zh) * | 2019-03-01 | 2019-04-19 | 太和县金鑫木业有限公司 | 一种胶合板热压方法 |
-
2014
- 2014-04-02 JP JP2014076519A patent/JP2015196360A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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