JP2015195809A - 医用画像診断装置及び医用画像処理装置 - Google Patents

医用画像診断装置及び医用画像処理装置 Download PDF

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久典 加藤
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明 望月
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Abstract

【課題】表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする医用画像診断装置及び医用画像処理装置を提供すること。【解決手段】実施形態の医用画像診断装置は、生成部と、表示部と、判定部と、画質変更部とを備える。生成部は、画像データから同一の画像である第1の表示画像と第2の表示画像とを生成する。表示部は、生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像をそれぞれ右眼用画像及び左眼用画像として同時に表示する。判定部は、第1の表示画像及び第2の表示画像が表示部にて同時に表示された場合に、観察者が第1の表示画像及び第2の表示画像を同時に視認可能な領域内にいるか否かを判定する。画質変更部は、判定部によって観察者が前記領域内にいると判定された場合に、生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像のうち少なくとも一方の画質を変更する。【選択図】図3

Description

本発明の実施の形態は、医用画像診断装置及び医用画像処理装置に関する。
従来、X線診断装置などの医用画像診断装置においては、表示する画像の画質を向上させるために種々の画像処理が実行される。かかる画像処理としては、例えば、空間分解能を向上させるために画像データのエッジ成分を強調するフィルタリング処理や、濃度分解能(コントラスト分解能)を向上させるために画像データのノイズ成分を除去するフィルタリング処理、或いは、画像データの画素値に対する非線形変換(ガンマカーブ補正)及び線形変換を組み合わせることにより輝度やコントラストを調整するための階調補正処理等が知られている。医用画像処理装置においては、状況に応じて上述した各処理の中から単一又は複数の処理が選択され、選択された各処理における処理パラメータの設定が実行される。しかしながら、上述した従来技術においては、画質の向上に一定の限界があった。
特許第4170767号公報
本発明が解決しようとする課題は、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする医用画像診断装置及び医用画像処理装置を提供することである。
実施の形態の医用画像診断装置は、生成部と、表示部と、判定部と、画質変更部とを備える。生成部は、画像データから同一の画像である第1の表示画像と第2の表示画像とを生成する。表示部は、前記生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像をそれぞれ右眼用画像及び左眼用画像として同時に表示する。判定部は、前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像が前記表示部にて同時に表示された場合に、観察者が前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像を同時に視認可能な領域内にいるか否かを判定する。画質変更部は、前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいると判定された場合に、前記生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像のうち少なくとも一方の画質を変更する。
図1Aは、第1の実施形態に係るX線画像診断システムの一例を説明するための図である。 図1Bは、第1の実施形態に係るX線画像診断システムの一例を説明するための図である。 図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置を含むX線画像診断システムの構成の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示す図である。 図4Aは、第1の実施形態に係るフェイストラッキング装置の一例を説明するための図である。 図4Bは、第1の実施形態に係る位置判定部によって用いられる領域の一例を示す図である。 図5Aは、第1の実施形態に係る裸眼方式の両眼立体視を説明するための図である。 図5Bは、第1の実施形態に係る裸眼方式の両眼立体視を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係るシステム制御部の制御によって表示される表示画像の一例を示す図である。 図7Aは、第1の実施形態に係る画質変更部による処理の一例を説明するための図である。 図7Bは、第1の実施形態に係る画質変更部による処理の一例を説明するための図である。 図7Cは、第1の実施形態に係る画質変更部による処理の一例を説明するための図である。 図8は、第1の実施形態に係るシステム制御部の制御によって表示される表示画像の一例を示す図である。 図9は、第1の実施形態に係るシステム制御部の制御によって表示される情報の一例を示す図である。 図10は、第1の実施形態に係るX線診断装置による処理の手順を示すフローチャートである。 図11は、第2の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示す図である。 図12Aは、第2の実施形態に係る可動部の一例を示す図である。 図12Bは、第2の実施形態に係るシステム制御部による制御の一例を説明するための図である。 図13は、第2の実施形態に係るX線診断装置による処理の手順を示すフローチャートである。 図14は、第3の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示す図である。 図15は、第3の実施形態に係る画像構成部によって構成される表示画像の一例を示す図である。 図16は、第4の実施形態に係る3Dメガネ方式の立体視の一例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、医用画像診断装置及び医用画像処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、本願に係る医用画像診断装置としてのX線診断装置を含むX線画像診断システムを一例に挙げて説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、図1A及び図1Bを用いて、第1の実施形態に係るX線画像診断システムの一例を説明する。図1A及び図1Bは、第1の実施形態に係るX線画像診断システムの一例を説明するための図である。例えば、X線画像診断システムは、図1Aに示すように、消化管、泌尿器、整形、IVR(Interventional Radiology)などの検査及び治療が実施される検査室R1に天板などを備えるX線診断装置本体が配置される。そして、図1Aに示す操作室R2に、装置本体を制御する画像処理装置を含む遠隔操作卓が配置される。ここで図1Aに示すX線診断システムでは、装置本体を遠隔(操作室)から操作する遠隔操作卓の他にも装置本体の近くで装置本体を操作するための近接操作卓を含む。すなわち、操作者は、装置本体に近い位置や、操作室から装置本体を任意に操作することができる。
そして、検査室R1及び操作室R2においては、複数の検査室モニタと、複数の操作室モニタとがそれぞれ設置される。例えば、検査室モニタは、手技を実施する術者や看護師などによって観察される。また、操作室モニタは、装置本体を制御するための操作を実行する操作者や、画像を観察する観察者などによって観察される。
例えば、第1の実施形態に係るX線画像診断システムは、図1Bに示すように、X線管、天板、X線検出器などを備えるX線診断装置本体と、透視モニタなどを備える近接操作卓と、画像処理装置、システムモニタ、透視モニタなどを備える遠隔操作卓とが相互に接続される。例えば、操作室R2にいる操作者が、遠隔操作卓を操作することで患者(被検体)を乗せた天板を起倒させたり、X線管、X線可動絞りなどの映像系を上下動させたりするなどの動作を装置本体に実行させると同時に、透視や撮影を行わせる。そして、操作者は、遠隔操作卓に備えられた透視モニタに表示された透視画像や、システムモニタに表示された撮影画像、透視画像などを観察する。また、例えば、検査室R1にいる操作者が、近接操作卓を操作することで装置本体に対して上述した処理と同様の処理を実行させて、近接操作卓に備えられた透視モニタや、検査室モニタに表示された各種画像を観察する。
ここで、検査室R1に配置された検査室モニタや、近接操作卓に備えられた透視モニタ、及び、操作室R2のシステムモニタや透視モニタにて表示される各種画像は、種々の画像処理によって画質が改善される。例えば、画像処理としては、ノイズを低減してS/N(濃度分解能)を改善するコヒーレントフィルタ処理、同様にノイズを低減してS/Nを改善するリカーシブフィルタ処理、低空間周波数成分を圧縮することにより広い範囲の必要な情報のコントラストを改善するダイナミックレンジ圧縮処理、鮮鋭度(空間分解能)を改善する空間フィルタ処理、非線形変換(ガンマカーブ)と線形変換(ウインドー)の組合せにより、輝度、コントラストを調整する階調処理などが実行される。
このように、各モニタに表示される画像は、種々の画像処理が実行されることにより、例えば、空間分解能、濃度分解能、時間分解能などが改善されるように画質が変更される。例えば、操作者が検査目的や検査対象に応じて処理方法や処理パラメータを調整することで、空間分解能、濃度分解能、時間分解能が改善された画像が各モニタに表示される。
しかしながら、これら透視撮影画質を決定付ける空間分解能、濃度分解能、時間分解能はそれぞれトレードオフの関係にあるため、従来の画像処理技術では空間分解能、濃度分解能、時間分解能を、同時に、それぞれの上限レベルを上回ることが困難であり、画質の向上に一定の限界があった。例えば、濃度分解能を改善するコヒーレントフィルタ処理では、ノイズ低減を強くし過ぎると、ボケが発生して空間分解能が低下する。また、濃度分解能を改善するリカーシブフィルタ処理では、ノイズ低減を強くし過ぎると、残像が発生して時間分解能が低下する。また、空間分解能を改善する空間フィルタ処理では、鮮鋭度を上げ過ぎると、ノイズも強調されて濃度分解能が低下する。また、さらに、被検体及び検査者(操作者)の被曝低減のために線量を低減すると、特に濃度分解能が一段と低下し、画質確保が一層困難になり、画質の向上に一定の限界があった。
そこで、本願に係る医用画像診断装置及び画像処理装置においては、状況によって透視画像や撮影画像の表示方法と観察方法を変更することで、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする。図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置1を含むX線画像診断システムの全体構成の一例を示す図である。図2に示すように、第1の実施形態に係るX線X線診断システムは、X線診断装置1と、表示部220aと、近接操作卓300とを含む。
表示部220aは、複数のモニタを有し、後述するX線診断装置1によって生成された画像を表示する。例えば、表示部220aは、図1Aに示す検査室モニタであり、単一の透視画像又は単一の撮影画像を表示するためのモニタとして、図2に示すように、モニタ221a及びモニタ222aの2つ1組のモニタを有する。なお、モニタ221a及びモニタ222aによって表示される画像については後に詳述する。また、表示部220aは、画像だけではなく、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)などを表示することも可能である。
近接操作卓300は、複数のモニタを有し、後述するX線診断装置1によって生成された画像を表示するとともに、X線診断装置1を操作する各種操作を受け付ける。例えば、近接操作卓300は、単一の透視画像を表示するための透視モニタとして、図2に示すように、モニタ221b及びモニタ222bの2つ1組のモニタを有する。そして、近接操作卓300は、有線又は無線通信によりX線診断装置1と接続され、図示しない入力部を介して受け付けた操作の情報をX線診断装置1に送信することで、遠隔操作卓200のシステム制御部290に各種制御を実行させる。なお、モニタ221b及びモニタ222bによって表示される画像については後に詳述する。また、モニタ221b及びモニタ222bは、画像だけではなく、操作者の指示を受け付けるためのGUIなどを表示することも可能である。
X線診断装置1は、例えば、図2に示すように、装置本体100と遠隔操作卓200とを備える。装置本体100は、図2に示すように、高電圧発生器11と、X線管12と、X線可動絞り13と、天板14と、X線検出器15と、天板移動機構16と、天板機構制御部17と、絞り制御部18と、X線制御部19とを備え、検査室R1に配置される。遠隔操作卓200は、図2に示すように、画像処理装置200aと、入力部210と、表示部220とを有し、位置検出部400と接続され、操作室R2に配置される。なお、図示していないが、X線診断装置1は、被検体に挿入されたカテーテルから造影剤を注入するためのインジェクターなどが接続される場合もある。
位置検出部400は、一組のモニタによって表示される画像を観察する観察者の位置を検出する。例えば、位置検出部400は、遠隔操作卓200付近に配置され、表示部220が備えるモニタ221及びモニタ222によって表示される画像を観察する観察者の位置を検出する。また、例えば、位置検出部400は、表示部220a付近に配置され、モニタ221a及びモニタ222aによって表示される画像を観察する観察者の位置を検出する。また、位置検出部400は、近接操作卓300付近に配置され、モニタ221b及びモニタ222bによって表示される画像を観察する観察者の位置を検出する。また、位置検出部400は、検査室R1を俯瞰できる位置や、操作室R2を俯瞰できる位置に配置され、各モニタによって表示される画像を観察する観察者の位置を検出する。なお、位置検出部400の詳細については、後述する。
高電圧発生器11は、X線制御部19による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管12に供給する。X線管12は、高電圧発生器11から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。
X線可動絞り13は、絞り制御部18による制御の下、X線管12が発生したX線を、被検体の関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。例えば、X線可動絞り13は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。X線可動絞り13は、絞り制御部18による制御の下、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線管12が発生したX線を絞り込んで被検体に照射させる。天板14は、被検体を載せるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。
X線検出器15は、被検体を透過したX線を検出する。例えば、X線検出器15は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体を透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を遠隔操作卓200のA(Analog)/D(Digital)変換部230に送信する。
天板移動機構16は、天板機構制御部17による制御の下、天板14を移動させたり、起倒させたりするための機構である。天板機構制御部17は、後述する遠隔操作卓200のシステム制御部290による制御の下、天板移動機構16を制御することで、天板14の移動及び起倒を調整する。絞り制御部20は、後述する遠隔操作卓200のシステム制御部290による制御の下、X線可動絞り13が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体に対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
X線制御部19は、後述する遠隔操作卓200のシステム制御部290による制御の下、高電圧発生器11に高電圧を発生させ、発生させた高電圧をX線管12に供給させる。例えば、X線制御部19は、システム制御部290から供給されるX線照射条件や、後述する画素値演算部240から供給される画素値情報などに基づいて高電圧発生器11の印加電圧、印加時間、印加タイミングなどを制御することにより、X線管12の管電流、管電圧、X線照射時間、X線照射タイミング、パルス幅などを制御する。
入力部210は、操作室R2に配置され、X線診断装置1を操作する操作者から各種指示を受け付ける。例えば、入力部210は、マウス、キーボード、ボタン、トラックボール、ジョイスティックなどを有する。入力部210は、操作者から受け付けた指示を、後述するシステム制御部290に転送する。
表示部220は、複数のモニタを有し、X線診断装置1によって生成された画像を表示するとともに、操作者の指示を受け付けるためのGUIなどを表示する。例えば、表示部220は、図1Bに示す透視モニタ、或いは、システムモニタであり、単一の透視画像又は単一の撮影画像を表示するためのモニタとして、図2に示すように、モニタ221及びモニタ222の2つ1組のモニタを有する。すなわち、遠隔操作卓200においてシステムモニタ、透視モニタがそれぞれ配置される場合には、2組(4つ)のモニタが配置されることとなる。なお、モニタ221及びモニタ222によって表示される画像については後に詳述する。
画像処理装置200aは、図2に示すように、A/D変換部230と、画素値演算部240と、画像データ生成部250と、画像データ記憶部260と、画像処理部270と、位置判定部280と、システム制御部290とを有する。A/D変換部230は、X線検出器15に接続され、X線検出器15から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号(投影データ)を画像データ生成部250に転送する。
画素値演算部240は、画像データ生成部250から供給される原画像データに対して所定の関心領域を設定し、設定した関心領域の平均画素値を算出する。そして、画素演算部240は、算出した平均画素値と所定の閾値との比較結果をX線制御部19に供給することで、自動輝度調整(ABC)を実行する。かかる制御によって、X線診断装置1は、最適な輝度の原画像データを常時収集することができる。
画像データ生成部250は、A/D変換部230から供給される投影データから原画像データを生成する。具体的には、画像データ生成部250は、A/D変換部230から供給された投影データのデータ要素を画像データ記憶部260に順次格納することによって、2次元の原画像データを生成する。画像データ記憶部260は、画像データ生成部250によって生成された原画像データや、画像処理部270によって生成された表示画像を記憶する。
画像処理部270は、画像データ記憶部260が記憶する原画像データに対して各種画像処理を行う。例えば、画像処理部270は、原画像データに対して、濃度分解能、空間分解能、時間分解能を改善するための各種処理を実行する。ここで、濃度分解能とは、例えば、画像のコントラストや、S(signal)/N(noise)比などを示す。また、空間分解能とは、例えば、画像の鮮鋭度や、画像の解像度などを示す。また、時間分解能とは、例えば、時系列の前の画像の後ろの画像への残像の残り度合いや、単位時間当たりの画像の枚数(フレームレート)などを示す。なお、画像処理部270による処理の詳細については後述する。
位置判定部280は、位置検出部400によって検出された観察者の位置が所定の領域内にあるか否かを判定する。なお、位置判定部280による判定の詳細については後述する。
システム制御部290は、X線画像診断システム全体の動作を制御する。例えば、システム制御部290は、近接操作卓300の入力部や、入力部210から転送された操作者の指示に従ってX線制御部19を制御し、X線管12に供給する電圧を調整することで、被検体に対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、システム制御部290は、操作者の指示に従って天板機構制御部17を制御し、天板14の移動や起倒などを調整する。また、例えば、システム制御部290は、操作者の指示に従って絞り制御部18を制御し、X線可動絞り13が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体に対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
また、システム制御部290は、操作者の指示に従って、画素値演算部240による自動輝度調整や、画像データ生成部250による原画像データ生成処理、画像処理部270による画像処理或いは解析処理、位置判定部280による観察者の位置判定などを制御する。また、システム制御部290は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや画像データ記憶部260が記憶する表示画像などを、表示部220、表示部220a、及び近接操作卓300が備える各モニタに表示するように制御する。また、システム制御部290は、インジェクターに対して、造影剤注入開始及び終了の信号を送信することで、造影剤の注入を制御することも可能である。
以上、X線診断装置1を含むX線画像診断システムの全体構成について説明した。かかる構成の下、本願に係るX線診断装置1は、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする。具体的には、X線診断装置1は、観察者が立体視可能な領域にいる場合に、同一の画像(透視画像又は撮影画像)に対して異なる画像処理(画質変更)を施した2つの表示画像を立体視させることで、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させる。ここで、本願に係るX線診断装置1は、ステレオグラムの2次元の画像を3次元的に見る立体視を応用した画像表示を行うものであり、透視画像や撮影画像を立体視させることを目的とするものではない。しかしながら、説明を容易にするために、以下では、同一の画像に対して異なる画像処理を施した2つの表示画像を表示して観察させることを立体視と呼ぶ。
図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示す図である。ここで、図3においては、位置検出部400としてフェイストラッキング装置400aを用い、操作室R2に配置された表示部220を観察する観察者の位置をフェイストラッキング装置400aによって検出する場合を例に挙げて説明する。また、図3においては、表示部220のモニタ221及びモニタ222に表示画像を表示させる場合について説明するが、表示部220aのモニタ221a及びモニタ222a、及び、近接操作卓300のモニタ221b及びモニタ222bに表示画像を表示する場合も以下の説明と同様に各処理を実行することができる。
図3に示すように、X線診断装置1においては、画像処理部270に原画像データの画質を変更する画質変更部271及び画質変更部272を有し、各画質変更部によって画質が変更された表示画像がモニタ221及びモニタ222に表示される。ここで、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、フェイストラッキング装置400aによって検出された観察者が立体視可能な領域にいた場合に、各画質変更部によって画質を変更した表示画像をモニタ221及びモニタ222に表示する。以下、各部による処理について順に説明する。
フェイストラッキング装置400aは、顔の移動や変化をリアルタイムで追跡する。具体的には、モニタ221及びモニタ222によって表示される表示画像を観察する観察者の顔が現時点でどこにあるかを検出して、検出結果を位置判定部280に転送する。図4Aは、第1の実施形態に係るフェイストラッキング装置400aの一例を説明するための図である。例えば、フェイストラッキング装置400aは、図4Aに示すように、モニタ221及びモニタ222の上部に配置された顔検出カメラを備え、顔検出カメラによって収集された画像に基づいて、モニタ221及びモニタ222の前面に位置する観察者の顔の位置を検出する。
一例を挙げると、フェイストラッキング装置400aは、顔検出カメラによって収集された画像に含まれる特徴量(例えば、Joint Haar-like特徴量など)に基づいて画像中の顔を検出して、位置を算出する。ここで、Joint Haar-like特徴量は、顔の構造に基づいた局所的な明暗パターンの共起性を特徴量として用いるものであり、解像度にかかわらず高速演算可能である。そして、フェイストラッキング装置400aは、画像中の顔を検出すると、実空間における顔の位置(3次元座標)を算出する。ここで、顔検出カメラが単眼カメラの場合、フェイストラッキング装置400aは、検出した顔のサイズから奥行き方向のz座標を推定し、推定したz座標に基づいてx座標及びy座標を算出する。また、顔検出カメラがステレオカメラの場合、フェイストラッキング装置400aは、3角測量の原理により実空間における顔の位置を算出する。そして、フェイストラッキング装置400aは、算出した顔の位置(3次元座標)の情報を位置判定部280に転送する。
位置判定部280は、第1の表示画像及び第2の表示画像がモニタ221及びモニタ222にて同時に表示された場合に、観察者が第1の表示画像及び第2の表示画像を同時に視認可能な領域内にいるか否かを判定する。具体的には、位置判定部280は、フェイストラッキング装置400aから転送された観察者の位置が、裸眼方式の両眼立体視を行うことが可能な領域にあるか否かを判定する。
図4Bは、第1の実施形態に係る位置判定部280によって用いられる領域の一例を示す図である。例えば、モニタ221及びモニタ222にそれぞれ左眼用の画像と右眼用の画像を表示して、裸眼で両眼立体視させる場合、図4Bに示すように、立体視可能な領域(視域)が限定される。すなわち、裸眼方式の両眼立体視では、モニタ221及びモニタ222に表示された画像を左右の眼でそれぞれ分離して見ることができる領域が生じる。従って、位置判定部280は、フェイストラッキング装置400aから転送された観察者の顔の位置が、例えば、図4Bに示す「立体視可能な領域」に入っているか否かを判定する。
ここで、本実施形態に係るモニタでの裸眼方式の両眼立体視では、平行法と交差法のどちらであってもよい。すなわち、実施形態に係る両眼立体視では、図5Aに示すように、モニタ221によって表示される表示画像及びモニタ222によって表示される画像が、左眼及び右眼の焦点よりも手前に配置される平行法であってもよく、図5Bに示すように、モニタ221によって表示される表示画像及びモニタ222によって表示される画像が、左眼及び右眼の焦点よりも遠方に配置される交差法であってもよい。
すなわち、位置判定部280は、平行法で立体視する場合と交差法で立体視する場合のそれぞれの視域の情報(モニタが配置された実空間における座標情報)をあらかじめ保持し、フェイストラッキング装置400aによって転送された顔の位置の座標が視域内にあるか否かを判定する。なお、図5A及び図5Bは、第1の実施形態に係る裸眼方式の両眼立体視を説明するための図である。そして、位置判定部280は、観察者が視域内にいるか否かの判定結果をシステム制御部290に転送する。
システム制御部290は、位置判定部280の判定結果に基づいて、画像処理部270を制御して画像処理を実行させ、表示画像を表示部220に表示させる。具体的には、システム制御部290は、位置判定部280によって観察者が視域内に入っていると判定された場合に、同一の透視画像又は撮影画像から画質の異なる2つの表示画像を生成させて、モニタ221及びモニタ222に表示させることで、観察者に立体視させる。
かかる場合、画像処理部270が、システム制御部290の制御の下、画像データ生成部250によって生成され、画像データ記憶部260によって記憶された同一の原画像データから画質の異なる2つの表示画像を生成する。すなわち、画像処理部270においては、画質変更部271及び画質変更部272のうち少なくとも一方が原画像データの画質を変更した表示画像を生成する。例えば、画質変更部271が、画像データ生成部250によって生成された原画像データに対して第1の画像処理を行なって第1の表示画像を生成する。そして、画質変更部272が、同一の原画像データに対して第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を行なって第2の表示画像を生成する。
ここで、画質変更部271及び画質変更部272は、コヒーレントフィルタ処理、リカーシブフィルタ処理、ダイナミックレンジ圧縮処理、空間フィルタ処理及び階調処理などの画像処理を実行することにより、空間分解能、濃度分解能、時間分解能などが改善されるように画質を変更する。以下、画質変更部271及び画質変更部272によって実行される画像処理の一例を説明する。
例えば、画質変更部271は、原画像データから、原画像に比べて、高い空間分解能を有する第1の表示画像を生成する。一例を挙げると、画質変更部271は、原画像データのエッジ成分を強調する機能を有し、フィルタ処理と加減算処理を実行する。ここで、画質変更部271は、例えば、標準偏差が3ピクセルのガウシアンフィルタを有し、原画像データが有する高い空間周波数成分を除去することによって低い空間周波数成分を抽出する。そして、画質変更部271は、原画像データの画素値から上述のフィルタ処理によって抽出した低い空間周波数成分を有する画素の値を減算する。その後、画質変更部271は、減算処理によって得られた高い空間周波数成分を有する画素の値と原画像データの画素値とを重みづけ加算する。
ここで、画質変更部271は、重み付け加算処理における原画像データの重み付け係数α1と高い空間周波数成分を有した画素の重み付け係数α2との比(α2/α1)が2.0〜2.5となるように処理を実行する。なお、上記した比はあくまでも一例であり、重み付け係数の比は操作者によって任意に決定される。画質変更部271は、以上の処理により、エッジ成分がノイズ成分と共に強調された裸眼方式の両眼立体視に対応する第1の表示画像を生成して、生成した第1の表示画像を画像データ記憶部260に格納する。なお、このようなフィルタ処理と加減算処理によって得られた第1の表示画像は、ガイドワイヤのように微細な形状を有する対象物が高い空間分解能で連続的に表現される。
これに対して、例えば、画質変更部272は、原画像データから、原画像に比べて、ノイズ成分を低減することで濃度分解能を向上した第2の表示画像を生成する。一例を挙げると、画質変更部272は、コヒーレントフィルタリング処理機能を有し、原画像データに存在するノイズ成分を統計的手法を用いて選択的に除去することにより、空間分解能を維持した状態でノイズ成分を低減させる。ここで、画質変更部272は、強いエッジ成分以外の部分に対して加算平均に近いフィルタ処理を実行する。画質変更部272は、以上の処理により、ノイズ成分が低減され、空間分解能が幾分損なわれた裸眼方式の両眼立体視に対応する第2の表示画像を生成して、生成した第2の表示画像を画像データ記憶部260に格納する。なお、このような処理によって得られた第2の表示画像は、ノイズが強く抑制されるとともにエッジ成分も一部抑制されて、背景が非常になめらかではあるが、ガイドワイヤのコントラストがやや弱く表現される。
このように、画質変更部271及び画質変更部272によって第1の表示画像及び第2の表示画像が生成されると、システム制御部290は、生成された第1の表示画像及び第2の表示画像をそれぞれモニタ221及びモニタ222にて表示するように制御する。具体的には、システム制御部290は、画像データ記憶部260によって記憶された第1の表示画像及び第2の表示画像を読み出して、モニタ221及びモニタ222に表示させる。図6は、第1の実施形態に係るシステム制御部290の制御によって表示される表示画像の一例を示す図である。
例えば、システム制御部290は、図6に示すように、位置判定部280によって観察者が立体視可能な領域に入っていると判定されると、画質変更部271によってエッジ成分がノイズ成分と共に強調された第1の表示画像I1をモニタ221に表示させ、画質変更部272によってノイズ成分が低減され、空間分解能が幾分損なわれた第2の表示画像I2をモニタ222に表示させる。観察者は、これら2つの表示画像を立体視すると、ガイドワイヤのような微細な線状の情報が第1の表示画像よりのさらに鮮明で、かつ、線がしっかりとつながって見え、第1の表示画像よりもノイズが少ない画像を観察することができる。
このように、観察者は、第1の表示画像と第2の表示画像とを、それぞれ左眼と右眼とで観察することにより、両眼で原画像データ、第1の表示画像、または第2の表示画像を観察するよりも、高い空間分解能と高い濃度分解能とで、被検体に関する画像を認識することができる。具体的には、エッジを強調した第1の表示画像は、原画像データよりも高い空間分解能である良い点と、ノイズも強調してしまうため原画像データよりも低い濃度分解能である悪い点とを有する。一方、ノイズを低減した第2の表示画像は、ノイズを低減できるため、原画像データよりも高い濃度分解能である良い点と、画像全体としてややぼやけてしまうため、原画像データよりも低い空間分解能である悪い点とを有する。観察者は、例えば、第1の表示画像を左眼で、第2の表示画像を右眼で観察することにより、それぞれの画像の悪い点を目立たなく、且つ、それぞれの画像の良い点の特徴を併せ持つ画像として認識することができる。
また、画質の変更は上述した例の他にも以下のようなものが挙げられる。例えば、画質変更部271においては、上述した画像処理と同様の処理を行って、エッジ成分がノイズ成分と共に強調された第1の表示画像を生成する。そして、画質変更部272は、例えば、リカーシブフィルタリング処理機能を有し、ノイズ成分を低減させる。一例を挙げると、画質変更部272は、1フレーム前の表示画像の比率を示すリカーシブフィルタ係数を「0.6」として画像全体にフィルタリング処理を実行することで、原画像データに存在するノイズ成分を低減させた第2の表示画像を生成する。なお、このような処理によって得られた第2の表示画像は、パルス透視の場合、ノイズが強く抑制されるが残像が強く現れ、画像全体が滑らかではあるが、ガイドワイヤなど動いている部分のコントラストが低下して残像のために数本に見えるように表現される。
観察者は、これら2つの表示画像を立体視すると、ガイドワイヤのような微細な線状の情報は第1の表示画像よりもさらに鮮明で、かつ、線がしっかりとつながって見え、第1の表示画像よりもノイズが少なく、さらに、太くコントラストのあるものは残像が見えるが、ガイドワイヤのような微細な線状の情報については残像がほとんど見えない画像を観察することができる。
なお、上述した画像処理はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、画質変更部271及び画質変更部272は、その他、種々の画像処理を実行することで画質が様々に変更された表示画像をそれぞれ生成することができる。また、表示画像は原画像データの画質が変更されたものだけに限られず、その他の画像が表示画像として生成される場合であってもよい。図7A〜図7Cは、第1の実施形態に係る画質変更部による処理の一例を説明するための図である。
例えば、X線診断装置1においては、図7Aに示すように、原画像データに対して画質変更Aが実行された第1の処理画像と、原画像データに対して画質変更Bが実行された第2の処理画像とが表示画像としてそれぞれ生成される。また、例えば、X線診断装置1においては、図7Bに示すように、原画像データに対して画質変更Aが実行された第1の処理画像と、第1の処理画像に対して画質変更Bが実行された第2の処理画像とが表示画像としてそれぞれ生成される。また、例えば、X線診断装置1においては、図7Cに示すように、原画像データに対して画質変更Aが実行された第1の処理画像と、原画像データに対して画質変更が実行されていない第2の処理画像とが表示画像としてそれぞれ生成される。
このように、第1の実施形態に係るX線診断装置1においては、観察者が立体視可能な領域(視域)内にいる場合に、異なる画質の2画像を表示して立体視させることで、原画像データ、第1の表示画像及び第2の表示画像よりも画質が向上された画像を観察させることができる。ここで、上述した画質を向上させる立体視は、観察者が視域内にいる場合にのみ有効である。従って、位置判定部280によって観察者が視域内にいない(或いは、領域外に観察者がいる)と判定されると、システム制御部290は、モニタ221及びモニタ222に同一の画像処理を実行した表示画像を表示させるか、或いは、モニタ221又はモニタ222のどちらかに表示画像を表示させるように制御する。
図8は、第1の実施形態に係るシステム制御部290の制御によって表示される表示画像の一例を示す図である。例えば、図8に示すように、視域内にいない観察者がいることで、位置判定部280によって領域外に観察者がいると判定されると、システム制御部290は、画質変更部271及び画質変更部272に同一の画像処理を実行させた表示画像I3を生成させて、モニタ221及びモニタ222にそれぞれ表示させる。ここで、画質変更部271及び画質変更部272によって実行される画像処理は、検査目的や検査対象に応じて調整される。このように、X線診断装置1は、観察者が視域外にいる場合には、立体視ではなく通常の観察において最適となる表示画像を生成して表示することで、観察者が視域内にいない場合であっても、観察される画像の画質が従来のものよりも低下することがないように制御することができる。なお、図8では、モニタ221及びモニタ222にそれぞれ表示画像が表示される場合について示すが、実施形態はこれに限定されるものではなく、どちらか一方に表示画像が表示される場合であってもよい。
上述したように、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、観察者が視域内にいるか否かに基づいて、立体視させるか否かを決定し、それに応じた画像処理を実行することで、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする。ここで、第1の実施形態に係るX線診断装置1では、観察者が視域内にいるか否かに基づいて、被検体に照射されるX線の線量を制御して、被曝量を低減させることも可能である。
具体的には、位置判定部280によって観察者が視域内にいると判定された場合に、システム制御部290が、原画像データを収集するために設定された所定のX線量を低下させるようにX線制御部19を制御する。例えば、X線制御部19は、X線管12における管電流やパルス幅を低下させることで、あらかじめ設定されたX線量よりも低い線量で投影データを収集させる。なお、どの程度線量を低下させるかは、操作者によって任意に設定することができる。
画質変更部271及び画質変更部272は、設定よりも低線量で収集された投影データから生成された原画像データに対して各種画像処理を実行することで、画質の異なる第1の表示画像と第2の表示画像とを生成する。上述したように、画質の異なる2画像を立体視することにより、画質が向上された画像を観察することができる。すなわち、X線の線量を低下させることで原画像データの画質が低下したとしても、立体視によってそれを補うことで、通常の線量で投影データを収集する場合と同等か、或いは、それ以上の画質の画像を提供することできる。これにより、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、画質を低下させずに、被曝量を低減させることができる。
一方、観察者が視域内にいない(観察者が視域外にいる)と判定された場合には、X線制御部19は、通常のX線量で原画像データを収集するように制御する。そして、システム制御部290は、画質変更部271及び画質変更部272に通常のX線量で収集された原画像データに対して同一の画像処理を実行させた表示画像を生成させて、モニタ221及びモニタ222にそれぞれ表示させる。或いは、システム制御部290は、通常のX線量で収集された原画像データに対して画像処理を実行させた単一の表示画像をモニタ221又はモニタ222に表示させる。これにより、X線診断装置1は、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させつつ、被曝量の低減も可能となる。
上述したように、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、観察者が視域内にいるか否かで異なる画質の2画像で立体視をさせたり、X線量を制御したりする。そこで、X線診断装置1は、観察者に対して視域と自分との位置関係とを示す情報を提供することで、観察者が視域内に移動することを促し、画質の向上及び被曝量の低減をより確実に行う。図9は、第1の実施形態に係るシステム制御部290の制御によって表示される情報の一例を示す図である。
例えば、システム制御部290は、図9に示すように、観察者と視域との位置関係を示す情報をモニタ221又はモニタ222に表示させる。これにより、観察者は、自分が視域内にいるのか否かを一目で確認することができ、視域内にいないとわかった場合に、視域内に移動することができる。
次に、図10を用いて、第1の実施形態に係るX線診断装置1の処理について説明する。図10は、第1の実施形態に係るX線診断装置1による処理の手順を示すフローチャートである。なお、図10においては、観察者が立体視可能な領域内にいるか否かに基づいて、X線量を制御して、2つの表示画像を立体視させる場合について示す。図10に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置1においては、2画像表示モードであると(ステップS101肯定)、フェイストラッキング装置400aが観察者の位置を検出して、位置の情報を位置判定部280に転送する。位置判定部280は、フェイストラッキング装置400aから観察者の位置の情報を受け付けると、観察者が立体視可能な領域内に入っているか否かを判定する(ステップS102)。
ここで、観察者が領域内に入っていると判定されると(ステップS102肯定)、X線制御部19は、低線量で画像データを収集するように制御する(ステップS103)。そして、画質変更部271及び画質変更部272が、同一の2画像に対してそれぞれ異なる画質変更を実行して(ステップS104)、システム制御部290が、異なる画質変更が実行された2つの表示画像をそれぞれモニタ221及びモニタ222に表示させる(ステップS105)。
一方、ステップS102の判定において、観察者が領域内にいない(観察者が視域外にいる)と判定された場合には(ステップS102否定)、X線制御部19が通常線量で画像データを収集するように制御する(ステップS106)。そして、システム制御部290は、画質変更部271及び画質変更部272が同一の2画像に対してそれぞれ同じ画質変更を実行した2画像、又は、どちらか一方が画質変更した1画像をモニタ221又はモニタ222に表示させる(ステップS107)。
また、ステップS101の判定において、2画像表示モードではない場合には(ステップS101否定)、X線制御部19が通常線量で画像データを収集して、画像変更部271又は画像変更部272が単一の表示画像を生成して、システム制御部290が生成された画像をモニタ221又はモニタ222に表示させる(ステップS108)。
上述したように、第1の実施形態によれば、画像データ生成部250が、投影データから同一の2つの原画像データを生成する。表示部220は、画像データ生成部250によって生成された同一の2つの原画像データをそれぞれ右眼用画像及び左眼用画像として同時に表示可能なモニタ221及びモニタ222を有する。位置判定部280は、同一の2つの原画像データがモニタ221及びモニタ222にて同時に表示された場合に、観察者が同一の2つの原画像データを同時に視認可能な領域内にいるか否かを判定する。画質変更部271及び画質変更部272は、位置判定部280によって観察者が領域内にいると判定された場合に、画像データ生成部250によって生成された同一の2つの原画像データのうち少なくとも一方の画質を変更する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、画質の異なる2画像を観察者に立体視させることができ、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画質変更部271及び画質変更部272は、位置判定部280によって観察者が領域内にいないと判定された場合に、同一の2つの原画像データのうちの一方又は両方における所定の画質を変更する。そして、表示部220は、画質変更部271及び画質変更部272によって所定の画質が変更された一方の画像又は両方の画像を表示する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、観察者が立体視可能な領域にいない場合であっても、表示される画像の画質の低下を抑止することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、X線制御部19は、位置判定部280によって観察者が領域内にいると判定された場合に、投影データを収集するために設定された所定のX線量を低下させるように制御する。そして、画質変更部271及び画質変更部272は、位置判定部280によって観察者が領域内にいると判定された場合に、X線制御部19による制御のもと低線量で収集された投影データから画像データ生成部250によって生成された同一の2つの原画像のうち少なくとも一方の画質を変更する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、画質を低下させずに(或いは、画質を向上させつつ)、被曝量を低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、X線制御部19は、位置判定部280によって観察者が領域内にいないと判定された場合に、通常のX線量で投影データを収集するように制御する。そして、画質変更部271及び画質変更部272は、位置判定部280によって観察者が領域内にいないと判定された場合に、X線制御部19による制御のもと通常のX線量で収集された投影データから画像データ生成部250によって生成された同一の2つの原画像データのうちの一方又は両方における所定の画質を変更する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、観察者が立体視可能な領域にいない場合であっても表示される画像の画質の低下を抑止することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、表示部220は、領域と観察者との位置関係を示す情報を表示する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、観察者が視域内へ移動するように促すことを可能にする。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、モニタ221及びモニタ222が固定され、視域が固定である場合について説明した。第2の実施形態では、モニタ221及びモニタ222を移動させることで視域を変化させる場合について説明する。図11は、第2の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示す図である。図11に示すように、第2の実施形態に係るX線診断装置1は、第1の実施形態に係るX線診断装置1と比較して、可動部500を新たに有する点と、システム制御部290による制御の内容とが異なる。以下、これらを中心に説明する。
可動部500は、位置判定部280によって観察者が領域内にいないと判定された場合に、当該観察者が2つの同一の原画像データを同時に視認可能な領域内に入るように表示部220を可動させる。具体的には、位置判定部280によって観察者が領域内にいないと判定された場合に、システム制御部290が、可動部500を制御することでモニタ221及びモニタ222を可動させ、観察者が視域内に入るように視域を変化させる。図12Aは、第2の実施形態に係る可動部500の一例を示す図である。例えば、可動部500は、図12Aに示すように、モニタ221及びモニタ222の下部にそれぞれ設置される。そして、可動部500は、システム制御部290による制御の下、鉛直方向を回転軸として回転することでモニタ221及びモニタ222の向きを変化させる。
図12Bは、第2の実施形態に係るシステム制御部290による制御の一例を説明するための図である。例えば、システム制御部290は、図12Bの(A)に示すように、位置判定部280が視域外に観察者がいると判定すると、可動部500を制御してモニタ221及びモニタ222を矢印の方向に回転させる。これにより、システム制御部290は、図12Bの(B)に示すように、視域を変化させて観察者全員が視域内に入るように制御する。
かかる場合には、例えば、システム制御部290は、可動部500によってモニタ221及びモニタ222が動くことで変化する実空間における視域の情報(座標情報)に基づいて、顔検出カメラによって収集された画像に含まれる観察者の位置が視域内に入るように可動部500を制御する。すなわち、システム制御部290は、フェイストラッキング装置400aによって転送された観察者の顔の位置の座標が、視域内に入るように視域の範囲を変化させる。なお、可動部500によってモニタ221及びモニタ222が動くことで変化する実空間における視域の情報(座標情報)は、図示しない記憶部にあらかじめ記憶される。
ここで、システム制御部290は、観察者全員が視域内に入るように可動部500を制御することができるが、その他にも観察者全員が視域内に入らない場合に最も多くの観察者を視域内に入れるように制御することも可能である。また、システム制御部290は、複数の観察者の中から所定の人物が視域内に入るように制御することも可能である。かかる場合には、例えば、システム制御部290は、フェイストラッキング装置400aによって収集された画像に含まれる観察者の顔を顔のデータベースと比較することで顔認証を行い、観察者の中に所定の人物(特定の医師など)が含まれている場合に、少なくとも当該所定の人物が視域内に入るように可動部500を制御する。
これにより、例えば、所定の人物が動きながらモニタを観察している場合であっても、フェイストラッキング装置400aによって常に位置が検出され、システム制御部290は、検出された位置が常に視域内に入るように可動部500を制御することで、所定の人物の動きに追従してモニタ221及びモニタ222を動かし、常に立体視可能な状態を保持することも可能である。なお、上述した追従の動きは、所定の人物だけでなく、観察者全員、或いは、最多の観察者を領域内に入れる場合にも同様に実行することができる。
上述したように、可動部500によってモニタ221及びモニタ222を動かすことで観察者を視域内に入れると、システム制御部290は、第1の実施形態で説明したように、X線量を低下させたり、画質の異なる2つの表示画像を立体視させたりするように制御する。ここで、視域内に入らない観察者がいた場合に、通常のX線量で投影データを収集させ、同一の画像処理を実行した2つの表示画像又は単一の表示画像を表示させるように制御することも可能である。
例えば、システム制御部290は、フェイストラッキング装置緒400aによって収集された画像に含まれる観察者全員が視域内に入った場合に、X線量を低下させて投影データを収集するようにX線制御部19を制御するとともに、画質の異なる2つの表示画像を生成するように画質変更部271及び画質変更部272を制御する。一方、フェイストラッキング装置緒400aによって収集された画像に含まれる観察者のうち1人でも視域外にいた場合に、システム制御部290は、通常のX線量で投影データを収集するようにX線制御部19を制御するとともに、同一の画質の2つの表示画像、或いは、単一の表示画像をモニタ221及びモニタ222に表示させるように制御する。
上述したように、第2の実施形態に係るX線診断装置1は、可動部500を有し、観察者が視域外にいる場合に、当該観察者が視域内に入るようにモニタ221及びモニタ222を動かす。ここで、図12A及び図12Bに示す例はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、図12Aにおいてモニタ221及びモニタ222の下部に可動部500が配置され、回転動作することによりモニタ221及びモニタ222の向きを変化させる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、検査室モニタのように検査室の天井に吊られたモニタである場合に、モニタを平行移動させることで視域の位置を変化させることも可能である。
かかる場合には、例えば、天井に設けられたレールにモニタ保持機構を取り付け、該モニタ保持機構に一組のモニタと顔検出カメラが設定される。そして、モニタ保持機構は、回転機構やレールに沿った移動機構などの可動部500と、回転角測定器及び位置測定器などの測定器とを有し、各測定器による測定値をシステム制御部290に送信する。システム制御部290は、回転角測定器及び位置測定器による測定値に基づいて、顔検出カメラに対する各モニタの位置を算出し、算出したモニタの位置から視域を算出する。
次に、図13を用いて、第2の実施形態に係るX線診断装置1の処理について説明する。図13は、第2の実施形態に係るX線診断装置1による処理の手順を示すフローチャートである。なお、図13においては、観察者が立体視可能な領域内にいるか否かに基づいて、X線量を制御して、2つの表示画像を立体視させる場合について示す。また、図13においては、観察者全員が領域内に入るように制御する場合について示す。また、図13においては、図10に示す第1の実施形態に係るX線診断装置1と同様の処理ステップに同一のステップ番号を記す。
図13に示すように、第2の実施形態に係るX線診断装置1においては、2画像表示モードであると(ステップS101肯定)、フェイストラッキング装置400aが観察者の位置を検出して、位置の情報を位置判定部280に転送する。位置判定部280は、フェイストラッキング装置400aから観察者の位置の情報を受け付けると、観察者が立体視可能な領域内に入っているか否かを判定する(ステップS102)。
ここで、観察者が領域内に入っていると判定されると(ステップS102肯定)、X線制御部19は、低線量で画像データを収集するように制御する(ステップS103)。そして、画質変更部271及び画質変更部272が、同一の2画像に対してそれぞれ異なる画質変更を実行して(ステップS104)、システム制御部290が、異なる画質変更が実行された2つの表示画像をそれぞれモニタ221及びモニタ222に表示させる(ステップS105)。
一方、ステップS102の判定において、観察者が領域内にいない(観察者が視域外にいる)と判定された場合には(ステップS102否定)、システム制御部290は、観察者が領域内に入るように可動部500を可動させる(ステップS201)。そして、位置判定部280は、観察者が全員領域内に入ったか否かを判定する(ステップS202)。ここで、観察者が全員領域内に入ったと判定されると(ステップS202肯定)、X線制御部19は、低線量で画像データを収集するように制御する(ステップS103)。
一方、観察者が全員領域内に入っていないと判定されると(ステップS202否定)、X線制御部19が通常線量で画像データを収集するように制御する(ステップS106)。そして、システム制御部290は、画質変更部271及び画質変更部272が同一の2画像に対してそれぞれ同じ画質変更を実行した2画像、又は、どちらか一方が画質変更した1画像をモニタ221又はモニタ222に表示させる(ステップS107)。
また、ステップS101の判定において、2画像表示モードではない場合には(ステップS101否定)、X線制御部19が通常線量で画像データを収集して、画像変更部271又は画像変更部272が単一の表示画像を生成して、システム制御部290が生成された画像をモニタ221又はモニタ222に表示させる(ステップS108)。
上述したように、第2の実施形態によれば、可動部500は、位置判定部280によって観察者が領域内にいないと判定された場合に、当該観察者が2つの原画像データを同時に視認可能な領域内に入るようにモニタ221及びモニタ222を可動させる。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置1は、観察者に立体視させるように制御することができ、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする。
また、第2の実施形態によれば、可動部500は、観察者が複数人である場合に、複数人の観察者全員、最多人数、又は、所定の人物が領域内に入るようにモニタ221及びモニタ222を可動させる。従って、第2の実施形態にX線診断装置1は、状況に応じて視域を変化させることを可能にする。
(第3の実施形態)
上述した第1及び第2の実施形態では、2つのモニタに表示画像をそれぞれ表示させて裸眼方式の両眼立体視によって観察させる場合について説明した。第3の実施形態では、単一のモニタに対して右眼用の表示画像と左眼用の表示画像とを表示して立体視によって観察させる場合について説明する。図14は、第3の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示す図である。図14に示すように、第3の実施形態に係るX線診断装置1は、第2の実施形態に係るX線診断装置と比較して、画像構成部600を新たに有する点と、表示部223が単一のモニタである点とが異なる。以下、これらを中心に説明する。
上述したように、第3の実施形態に係るX線診断装置1は単一のモニタによって右眼用の表示画像と左眼用の表示画像とを表示して立体視させる。ここで、単一のモニタによる立体視では、アクティブシャッターグラスを用いたアクティブ方式や、偏光グラスを用いたパッシブ方式、レンチキュラシート又は視差バリアを用いた裸眼方式が知られている。第3の実施形態に係るX線診断装置1においては、いずれの方法についても適用することが可能である。以下、順に説明する。
まず、アクティブ方式を適用する場合には、表示部223は、右眼用の画像と左眼用の画像とを交互に表示する。そして、観察者はアクティブシャッターグラス方式の3Dメガネをかけて表示部223を観察する。ここで、アクティブシャッターグラス方式の3Dメガネは、両方のレンズ部分に液晶シャッターが組み込まれ、所定の時間間隔で開閉する。すなわち、3Dメガネは、右眼用の画像が表示されている場合に右眼のシャッターが開いて左眼のシャッターが閉じた状態となり、左眼用の画像が表示されている場合に左眼のシャッターが開いて右眼のシャッターが閉じた状態となる。これにより右眼で右眼用の画像のみを観察し、左眼で左眼用の画像のみを観察することができる。
かかる場合には、画像構成部600は、画質変更部271によって生成された第1の表示画像と画質変更部272によって生成された第2の表示画像とを時系列的に交互に配置した表示画像を構成する。図15は、第3の実施形態に係る画像構成部600によって構成される表示画像の一例を示す図である。例えば、画像構成部600は、図15に示すように、画質変更部271によって画質が変更された第1の処理画像「Pa−1、Pa−2、Pa−3」と、画質変更部272によって画質が変更された第2の処理画像「Pb−1、Pb−2、Pb−3」とを時系列的に交互に並べた表示画像「Pc−1(Pa−1)、Pc−2(Pb−1)、Pc−3(Pa−2)、Pc−4(Pb−2)、Pc−5(Pa−3)、Pc−6(Pb−3)」を構成する。
そして、表示部223は、観察者が装着した3Dメガネのシャッターの切り替えの時間間隔と同一のタイミングで画像が入れ替わるように表示画像「Pc−1(Pa−1)、Pc−2(Pb−1)、Pc−3(Pa−2)、Pc−4(Pb−2)、Pc−5(Pa−3)、Pc−6(Pb−3)」を表示する。これにより観察者は、異なる画質の2つの画像を立体視することができる。
ここで、画質変更部271及び画質変更部272は、上述したように観察者が視域に入っている場合に、低線量で収集された投影データに基づいて生成された原画像データに対してそれぞれ異なる画像処理を実行する。また、画質変更部271及び画質変更部272は、観察者が視域内にいない(視域外にいる)場合に、通常線量で収集された投影データに基づいて生成された原画像データに対してそれぞれ同一の画像処理を実行する。
次に、パッシブ方式を適用する場合には、表示部223は、右眼用の画像と左眼用の画像とを画素の縦1ラインおきに交互に表示する。例えば、表示部223は、画素の縦のラインにおいて、奇数のラインに左眼用の画像を表示し、偶数のラインに右眼用の画像を表示する。そして、観察者はパッシブ方式の3Dメガネをかけて表示部223を観察する。ここで、パッシブ方式の3Dメガネは、特定の偏光方向の光だけを通し、それ以外の光を光学的に通さない特性を持つ偏光フィルムが貼り付けられる。そして、表示部223においても左眼用に割り当てたラインに対して、3Dメガネの左眼レンズを透過するような偏光特性の偏光フィルムが貼り付けられ、右眼用に割り当てたラインに対して、3Dメガネの右眼レンズを透過するような偏光特性の偏光フィルムが貼り付けられる。これにより、各画素のラインの光は、3Dメガネの対応するレンズしか透過せず、左眼は左眼用のラインのみを見て、右眼は右眼用のラインのみを見ることとなる。
かかる場合には、画像構成部600は、画質変更部271によって生成された第1の表示画像と画質変更部272によって生成された第2の表示画像とを1ラインおきに表示されるように表示画像を構成する。ここで、画質変更部271及び画質変更部272は、上述したように観察者が視域に入っている場合に、低線量で収集された投影データに基づいて生成された原画像データに対してそれぞれ異なる画像処理を実行する。また、画質変更部271及び画質変更部272は、観察者が視域内にいない(視域外にいる)場合に、通常線量で収集された投影データに基づいて生成された原画像データに対してそれぞれ同一の画像処理を実行する。
次に、レンチキュラシート又は視差バリアを用いた裸眼方式を適用する場合には、表示部223は、レンチキュラシートや視差バリアと呼ばれる縦縞のフィルタが重ねられることによって、単一の画面で右眼と左眼に異なる表示画像を見せる。かかる場合には、画像構成部600は、画質変更部271によって生成された第1の表示画像と画質変更部272によって生成された第2の表示画像とを1ラインおきに交互に表示されるように表示画像を構成する。ここで、画質変更部271及び画質変更部272は、上述したように観察者が視域に入っている場合に、低線量で収集された投影データに基づいて生成された原画像データに対してそれぞれ異なる画像処理を実行する。また、画質変更部271及び画質変更部272は、観察者が視域内にいない(視域外にいる)場合に、通常線量で収集された投影データに基づいて生成された原画像データに対してそれぞれ同一の画像処理を実行する。
上述したように、第3の実施形態によれば、画質変更部271によって生成された第1の表示画像と画質変更部272によって生成された第2の表示画像とを単一のモニタを用い、種々の方法で立体視させることが可能である。
(第4の実施形態)
さて、これまで第1、第2及び第3の実施形態について説明したが、上述した第1、第2及び第3の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した第3の実施形態では、1つのモニタを用いた3Dメガネ方式に適用する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、2つのモニタを用いた3Dメガネ方式に適用する場合であってもよい。図16は、第4の実施形態に係る3Dメガネ方式の立体視の一例を説明するための図である。第4の実施形態に係る3Dメガネ方式の立体視においては、例えば、図16に示すように、モニタ221とモニタ222とが各々の中心軸が直交するように配置される。そして、モニタ221が画像変更部271によって画像処理された第1の処理画像を表示画像として表示し、モニタ222が画像変更部272によって画像処理された第2の処理画像を表示画像として表示する。ここで、操作者は、異なる画像処理によって生成された2つの表示画像をハーフ
ミラー224と偏光メガネ205とを介して観察する。具体的には、モニタ221とモニタ222とは、それぞれ第1の処理画像と第2の処理画像との偏光が互いに直交するように偏光制御を行なう。そして、偏光制御された第2の処理画像は、ハーフミラー224を透過して偏光メガネ205の左眼用レンズに入力され、偏光制御された第1の処理画像は、ハーフミラー224において反射された後、偏光メガネ205の右眼用レンズに入力される。これにより、操作者は、右眼で第1の処理画像を、左眼で第2の処理画像を観察することができる。
また、上述した実施形態に係るX線診断装置1の構成はあくまでも一例であり、各部の統合及び分離は適宜行うことができる。例えば、上述した実施形態では、画像処理部270が2つの画質変更部271及び画質変更部272を備え、各画質変更部がそれぞれ異なる画像処理をして画質を変更する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、1つの画質変更部が異なる画像処理を同時に実行する場合であってもよい。
また、上述した実施形態では、位置検出部400としてフェイストラッキング装置400を用いる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、観察者の位置が検出できるものであればどのようなものであってもよい。例えば、モーショントラッキング装置などを用いて観察者の位置を検出する場合であってもよい。
また、上述した第1、第2及び第3の実施形態においては、消化管、泌尿器、整形、IVR(Interventional Radiology)などの検査及び治療が実施されるX線診断装置によって各種処理が実行される場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、脳や心臓等の循環器系の診断・治療が実施されるX線アンギオグラフィ装置が各種処理を実行する場合であってもよい。
また、上述した第1、第2及び第3の実施形態においては、X線診断装置が各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、X線CT装置や、MRI装置や、超音波診断装置や、放射線治療装置などのその他の医用画像診断装置が各種処理を実行する場合であってもよい。また、上述した種々の医用画像診断装置だけでなく、ワークステーションなどの医用画像処理装置が各種処理を実行する場合であってもよい。かかる場合には、例えば、モニタ付近に位置検出部400が配置され、位置検出部400によって検出された観察者の位置の情報に基づいて、異なる画像処理を実行した2つの表示画像を立体視させる。すなわち、医用画像処理装置は、画像データから同一の画像である第1の表示画像と第2の表示画像とを生成し、生成した第1の表示画像及び第2の表示画像をそれぞれ右眼用画像及び左眼用画像として同時に表示する。そして、医用画像処理装置は、第1の表示画像及び第2の表示画像が表示部にて同時に表示された場合に、観察者が第1の表示画像及び第2の表示画像を同時に視認可能な領域内にいるか否かを判定し、観察者が領域内にいると判定した場合に、生成した第1の表示画像及び第2の表示画像のうち少なくとも一方の画質を変更する。
以上説明したとおり、第1、第2、第3及び第4の実施形態によれば、本実施形態の医用画像診断装置及び医用画像処理装置は、表示される画像の画質を状況に応じてより向上させることを可能にする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線診断装置
200a 画像処理装置
220、220a 表示部
221、222、221a、222a、221b、222b モニタ
250 画像データ生成部
270 画像処理部
271、272 画質変更部
280 位置判定部

Claims (8)

  1. 画像データから同一の画像である第1の表示画像と第2の表示画像とを生成する生成部と、
    前記生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像をそれぞれ右眼用画像及び左眼用画像として同時に表示可能な表示部と、
    前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像が前記表示部にて同時に表示された場合に、観察者が前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像を同時に視認可能な領域内にいるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいると判定された場合に、前記生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像のうち少なくとも一方の画質を変更する画質変更部と、
    を備えたことを特徴とする医用画像診断装置。
  2. 前記画質変更部は、前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいないと判定された場合に、前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像のうちの一方又は両方における所定の画質を変更し、
    前記表示部は、前記画質変更部によって所定の画質が変更された一方の画像又は両方の画像を表示することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
  3. 前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいると判定された場合に、前記画像データを収集するために設定された所定のX線量を低下させるように制御するX線制御部をさらに備え、
    前記画質変更部は、前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいると判定された場合に、前記X線制御部による制御のもと低線量で収集された画像データから前記生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像のうち少なくとも一方の画質を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の医用画像診断装置。
  4. 前記X線制御部は、前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいないと判定された場合に、前記所定のX線量で前記画像データを収集するように制御し、
    前記画質変更部は、前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいないと判定された場合に、前記X線制御部による制御のもと所定のX線量で収集された画像データから前記生成部によって生成された前記第1の画像及び前記第2の画像のうちの一方又は両方における所定の画質を変更することを特徴とする請求項3記載の医用画像診断装置。
  5. 前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいないと判定された場合に、当該観察者が前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像を同時に視認可能な領域内に入るように前記表示部を可動させる可動部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  6. 前記可動部は、前記観察者が複数人である場合に、前記複数人の観察者全員、最多人数、又は、所定の人物が前記領域内に入るように前記表示部を可動させることを特徴とする請求項5記載の医用画像診断装置。
  7. 前記表示部は、前記領域と前記観察者との位置関係を示す情報を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  8. 画像データから同一の画像である第1の表示画像と第2の表示画像とを生成する生成部と、
    前記生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像をそれぞれ右眼用画像及び左眼用画像として同時に表示可能な表示部と、
    前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像が前記表示部にて同時に表示された場合に、観察者が前記第1の表示画像及び前記第2の表示画像を同時に視認可能な領域内にいるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記観察者が前記領域内にいると判定された場合に、前記生成部によって生成された第1の表示画像及び第2の表示画像のうち少なくとも一方の画質を変更する画質変更部と、
    を備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
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