JP2015195254A - 有機薄膜太陽電池及び太陽光発電モジュール - Google Patents

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崇史 河野
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寿人 野呂
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伸 石川
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Mitsunobu Takahashi
光信 高橋
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Takayuki Kuwabara
貴之 桑原
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Abstract

【課題】発電性能を低下させることなく、材料コスト及び製造コストを削減し、且つ、製造、輸送、設置時の取り扱いを容易にすること。
【解決手段】本発明に係る有機薄膜太陽電池は、太陽電池を機械的に支える支持体及び太陽電池の一構成要素である第1の電極として機能する金属基材と、金属基材に積層された電子捕集層、有機発電層、正孔捕集層、及び第2の電極と、を備える。電子捕集層は亜鉛酸化物によって形成されていることが望ましい。第2の電極は金属材料によって形成されていることが望ましい。金属基材は鉄鋼材料によって形成されていることが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池及び有機薄膜太陽電池を利用して発電する太陽光発電モジュールに関する。
クリーンで非枯渇な太陽光エネルギーの利用技術を開発することは、将来に亘るエネルギー問題を解決する上で必要不可欠な作業である。有機薄膜太陽電池は、シリコン系太陽電池等の他の有力な太陽電池と比較して材料コストや製造コストが低いという利点を有し、将来を担う太陽電池として期待されている。ところが、有機薄膜太陽電池の発電効率は、既に実用化されている太陽電池と比較して低い。このため、有機薄膜太陽電池の実用化に向けて発電効率の向上が求められている。一方、有機薄膜太陽電池が広く実用化されるためには、発電効率の低さをカバーする観点からも、材料コストや製造コストをさらに削減する必要がある。
特開2011−35258号公報
有機薄膜太陽電池の基材としては、通常、ガラス基板が用いられている。しかしながら、有機薄膜太陽電池の材料コストのうち、ガラス基板の材料コストが占める割合は少なくない。また、ガラス基板は、製造、輸送、設置時に割れることがあるために、取り扱いに注意が必要である。さらに、ガラス基板は金属のフレームや筐体に保持されて使用されるため、有機薄膜太陽電池の製造コストを削減することが困難になる。また、有機薄膜太陽電池の透明電極として用いられるITO(Indium Tin Oxide)は希少金属を含むため、価格が高い上に価格が不安定である。
なお、このような問題を解決するために、PET(PolyEthylene Terephthalate)基板等のプラスチック系の基板を基材として用いることが考えられる。しかしながら、プラスチック系の基板を基材として用いた場合であっても、基材が大面積であるときには基材を支持する支持体が必要になるために、製造コストを削減することが困難になる。また、特許文献1には、従来のITO/ガラス基板に代えてアルミニウム基板を用い、同時に他方の集電極をITO等の透明電極とする技術が開示されている。しかしながら、従来のITOを利用した有機薄膜太陽電池の技術をそのまま金属系のアルミニウム基板に適用しても、必ずしも同等の発電特性が安定して得られるとは限らない。また、他方の集電極に透明電極を利用した場合、材料コストの削減効果が十分に得られなくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、発電性能を低下させることなく、材料コスト及び製造コストを削減し、且つ、製造、輸送、設置時の取り扱いを容易にすることが可能な有機薄膜太陽電池及び太陽光発電モジュールを提供することにある。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するべく、従来のガラス基板に代わる支持体及び透明電極に代わる電極材料、さらにはそれらの構成について鋭意検討を重ねた。その結果、本発明の発明者らは、ガラス基板ではなく金属材料を支持体として採用し、且つ、支持体を一方の集電極として利用し、さらにはそれに適合する電極材料及び発電層の材料を開発することによって、本発明を想到するに至った。
本発明に係る有機薄膜太陽電池は、太陽電池を機械的に支える支持体及び太陽電池の一構成要素である第1の電極として機能する金属基材と、前記金属基材に積層された電子捕集層、有機発電層、正孔捕集層、及び第2の電極と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る有機薄膜太陽電池は、上記発明において、前記電子捕集層が主として亜鉛酸化物によって形成されていることを特徴とする。
本発明に係る有機薄膜太陽電池は、上記発明において、前記第2の電極が金属材料によって形成されていることを特徴とする。
本発明に係る有機薄膜太陽電池は、上記発明において、前記金属基材が鉄鋼材料によって形成されていることを特徴とする。
本発明に係る太陽光発電モジュールは、本発明に係る有機薄膜太陽電池を利用して発電することを特徴とする。
本発明によれば、発電性能を低下させることなく、材料コスト及び製造コストを削減し、且つ、製造、輸送、設置時の取り扱いを容易にすることが可能な有機薄膜太陽電池及び太陽光発電モジュールを提供することができる。
図1は、有機薄膜太陽電池の一構成例を示す平面図である。
以下、本発明に係る有機薄膜太陽電池について説明する。
本発明に係る有機薄膜太陽電池は、金属材料を基材とすることによって、基材が、構造材料として太陽電池を機械的に支える支持体としての役割と、機能材料として太陽電池の一構成要素である集電極としての役割と、の2つの役割を担うことを特徴とする。
従来の有機薄膜太陽電池において基材として用いられるガラス基板は、一般的に強度はあるものの靭性に乏しく、製造、輸送、設置時の取り扱いに注意が必要である。また、ガラス基板は、支持体そのものとしても扱い難く、金属のフレームや筐体に保持されて使用される。また、ガラス基板の代わりにPET基板等のプラスチック系の基板を用いた場合には、基板自身の強度が弱いために設置時に何らかの支持体が必要になる。
これに対して、金属材料は、一般的に強度と靭性とを兼ね備えていることから、有機薄膜太陽電池の基材として用いた場合、特に構造材料としての側面で有用である。ここで、金属材料の種類は、特に限定されないが、構造材料としての利点を有効に得られるものであって、一般的に工業製品に用いられる金属材料としては、鉄鋼材料、アルミニウム系材料、チタン系材料等を例示できる。
特に鉄鋼材料は、成分や組織に応じて機械特性や耐食性を広範囲に造り込むことができるため好適である。また、材料コストの面においても、ガラスやプラスチック、さらにはアルミニウムやチタン等と比較しても、原料コストや製造コストが安価であり優位である。なお、鉄鋼材料の中では、耐食性の観点からステンレス鋼を用いることが好ましい。この場合、基材の厚さは特に限定されないが、厚さが0.1mm以上2.0mm以下の範囲内にあるステンレス鋼板が取り扱い安さの点では優れている。厚さが0.1mm未満であるステンレス箔は、強度の点で注意が必要であるが、軽さと柔軟性とに優れるという利点がある。一方、厚さが2.0mm超えである鋼板や鋼材は重量が大きくなるが、用途によっては適用可能である。
本発明に係る有機薄膜太陽電池は、少なくとも一式の電子捕集層、有機発電層、及び正孔捕集層を有し、金属基材からなる電極と第2の電極とによって太陽電池を構成している。電子捕集層、有機発電層、及び正孔捕集層の金属基材側からの積層順は特に限定されないが、金属基材から順に電子捕集層、有機発電層、正孔捕集層、及び第2の電極の順であってもよい。この場合、金属基材が負極になり、第2の電極が正極になる。一方、金属基材から順に正孔捕集層、有機発電層、電子捕集層、及び第2の電極の順であってもよい。この場合には、金属基材が正極になり、第2の電極が負極となる。
電子捕集層、有機発電層、及び正孔捕集層は、基材表面法線方向から見て1組である必要はなく、タンデム型と呼ばれるような2組又はそれ以上の組の電池が積層されていてもよく、金属基材上に少なくとも一式の電子捕集層と有機発電層と正孔捕集層及び電極が積層されていればよい。
電子捕集層とは、有機発電層と負極として働く電極との間に挿入され、電子を効率的に有機発電層から負極に導く機能を有する層である。電子捕集層がなく、電極と有機発電層とが直接積層されている場合、有機発電層から有効に電子を取り出すことができず、系外に取り出せる電力が本来発電されている電力から比較して大幅に減少するので、好ましくない。電子捕集層の構成は特に限定されないが、n型半導体が好適に用いられ、具体的にはチタン酸化物や亜鉛酸化物を用いることができる。
特に金属基材を負極として用い、その上に電子捕集層を形成する構成とした場合、電子捕集層として亜鉛酸化物を用いることによって、より良好な発電特性を得ることができる。亜鉛酸化物とは、ZnO又は若干のO欠損を有するZnO1−Xと標記され得るものである。例えばゾルゲル法で成膜される場合、成膜後に溶媒や水分が残らないよう、130〜300℃程度の温度で熱処理を施すことによって得られる。また、その厚さは、30〜100nmの範囲内とすることが好ましい。また、電子捕集層は、本発明の効果を損なわない限り、亜鉛酸化物以外の他の物質を含んでも良く、通常5質量%未満であれば他の物質を含むことが許容される。
金属基材を負極として用い、その上に電子捕集層を形成する構成とした場合、電子捕集層の材料として亜鉛酸化物を用いることが好ましい理由は、太陽光に含まれる紫外線と関係すると考えられる。電子捕集層に到達する太陽光は、有機発電層及び正孔捕集層を通過した光であり、その過程で太陽光に含まれる紫外線成分は吸収される。理由は定かではないが、例えば電子捕集層としてチタン酸化物を用いた場合、紫外線成分が少ない場合に発電特性が劣化することがある。これに対して、電子捕集層として亜鉛酸化物を用いると、紫外線成分が少ない場合であっても発電特性が劣化しない。但し、亜鉛酸化物であっても高温で処理したものでは発電特性が劣化することがあるので、130〜300℃の温度範囲で処理することが安定的に特性を得る上で好ましい。これには、亜鉛酸化物の結晶性が関係していると推定される。
この問題は、ガラス等の透明基板を用いて基板側から太陽光を照射する構成では問題にならなかったものであり、金属材料を基板とした場合において重要になるものである。従って、本発明では、電子捕集層の材料として紫外線成分が少ない場合にも発電特性が劣化しにくい材料を選定して組み合わせることが好適であり、特に亜鉛酸化物を用いることが好適である。
有機発電層としては、電子受容体と電子供与体とによるバルクヘテロジャンクション型が好適であり、具体的にはP3HT(ポリチオフェン誘導体:poly(3-hexylthiophene))とPCBM(フラーレン誘導体:[6,6]-phenyl-C61-butyric acid methyl ester)とを混合したものを用いることができる。その場合、厚さは70〜300nmの範囲内にすることが好ましい。厚さが70nmより薄い場合、光電変換の絶対量が乏しく、また短絡の危険性が高まる。一方、厚さが300nmより厚い場合には、太陽光が十分に発電層全体に届かなくなり、また発電層の電気抵抗が高くなり、発電効率が低下するために好ましくない。
但し、有機発電層の構成は特に限定されることはない。すなわち、光電変換効率がより高い材料構成によって上記の材料構成が代替されても本発明の効果は損なわれない。将来的により光電変換効率の高い材料構成によって代替されることにより、本発明の効果はより大きなものになる。
正孔捕集層とは、有機発電層と正極として働く電極との間に挿入され、正孔を効率的に有機発電層から正極に導く機能を有する層である。正孔捕集層の構成は特に限定されることはないが、導電性ポリマーであるPEDOT:PSS(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(4-styrene sulfonic acid))を30〜300nmの範囲内の厚さで用いることが望ましい。
本発明に係る有機薄膜太陽電池では、電子捕集層、有機発電層、及び正孔捕集層を有する金属基材上に第2の電極が配置されている。本発明に係る有機薄膜太陽電池では、金属基材側から光を入射できないため、第2の電極側から光が入射される。従って、第2の電極は、有機発電層への光の入射を著しく阻害するものであってはならない。その点では、ITO等の一般に透明電極として用いられるものを流用しても有機薄膜太陽電池の機能を果たすことができる。
しかしながら、一般的な透明電極は高コストである。このため、本発明に係る有機薄膜太陽電池では、第2の電極として安価な金属材料を用いる。金属の種類としては、基材である金属材料との仕事関数の大小で判断することが望ましく、例えば基材を鋼材とした場合、大気中でも安定であるAuが好適である。また、有機発電層への光の入射を著しく阻害しないよう、金属材料を電極とするためには、電極を薄い金属層又はメッシュやスリットのように開口部を有する構造にするとよい。電極を薄い金属層とする場合、光の透過率と電極としての導電性のバランスが重要である。一方、電極を開口部を有する構造とする場合には、その開口率と開口数とが重要であり、開口部の面積率としては、40%以上が好ましい。この場合の開口部の面積率とは、メッシュやスリットの支柱幅と開口幅とから求められるものであり、端部や集電極のように異なる構造の部分は考慮していない。
上述した金属基材と第2の電極との間に挿入される各層は必ずしも1層である必要はなく、複層で上述の1層の役割を担っていてもよく、また、例えば層間の密着性を向上させる層等の上述と異なる目的の層が挿入されていてもよい。また、有機発電層への光の入射を著しく阻害するものでない限りにおいては、有機薄膜太陽電池の表面、側面、及び裏面に、例えば保護の目的等により被覆や塗装がなされていても、本発明の効果を損なうものではない。
<本発明に係る有機薄膜太陽電池の作製>
〔金属基材〕
有機薄膜太陽電池を形成する、第1の電極及び支持体として機能する金属基材として、ステンレス鋼板(SUS430)を使用した。厚さ1.0mmのステンレス鋼板を22mm×38mmの大きさに切り出し、電解砥粒研磨によって表面粗さRa<0.01μmとなるように鏡面研磨を施した。得られたステンレス基板を2−プロパノールで洗浄したものを金属基材とした。その後、以下の通り各層を形成した。
〔電子捕集層〕
ビスアセチルアセトナト亜鉛を10.6質量%のアセチルアセトンを含む2−メトキシエタノール混合溶媒に0.35mol/l溶解させて酸化亜鉛前駆体を調製し、酸化亜鉛前駆体をステンレス基板上にスピンコートした。その後直ちに基板を250℃で1時間加熱することによってステンレス基板上に亜鉛酸化物層を形成した。亜鉛酸化物層の厚さは約60nmであった。
〔有機発電層〕
P3HT(ポリチオフェン誘導体:poly(3-hexylthiophene))とPCBM(フラーレン誘導体:[6,6]-phenyl-C61-butyric acid methyl ester)とを質量比5:4で混合し、混合物の濃度が3.9質量%となるようにクロロベンゼンに溶解した。得られた溶液を亜鉛酸化物層の上にスピンコートした後、室温で30分以上乾燥させることによって有機発電層を形成した。スピンコートの条件は、乾燥後の有機発電層の厚さが約200nmとなるように設定した。
〔正孔捕集層〕
有機発電層の上に、市販のPEDOT(poly(3,4-ethylenedioxythiophene))とPSS(poly(4-styrene sulfonic acid))(質量比1:2.5)が合計で1.3質量%含まれる水分散液をスピンコートし、乾燥させることによって、正孔捕集層を形成した。スピンコートの条件は、乾燥後の正孔捕集層の厚さが約190nmとなるように設定した。
〔集電極〕
正孔捕集層の上に、集電極として、一端が接続されたスリット状のAuスリット電極を作製した。具体的には、幅約200μmのスリット状の開口が約200μm間隔で配列されたステンレス製のマスクで正孔捕集層を覆い、真空ベルジャー中でAuを蒸着した後、Auで形成されたスリット列の一端付近にスリット列を横断するようにバンド状にAuを追加蒸着することで、各スリットを電気的に接続し、スリット状のAu蒸着膜を作製した。Au蒸着膜の厚さは約100nmであった。その後、その表面に保護膜としてポリマーフィルム(クレハエクステック株式会社製、セレールR1150ガスバリヤーシート、膜厚100μm)を圧着することで、本発明例1〜4の有機薄膜太陽電池とした。集電極としてのAu蒸着膜の開口部の面積率は、Auスリット電極中心部の10mm×10mmの領域(図1に示す領域R)において41%〜45%であった。
<比較例の有機薄膜太陽電池の作製>
上記の本発明例1〜4において、金属基材(ステンレス基板)の代わりに、片面にITO膜が成膜されている市販のガラス板(フルウチ化学株式会社製、ガラス板厚さ1mm、ITO厚さ約200nm、シート抵抗約10Ω/sq)を基板として用いたものを比較例1〜4とした。すなわち、ガラス板を22mm×38mmの大きさに切り出し、2−プロパノールで洗浄した後、本発明例1〜4の有機薄膜太陽電池と同条件で、電子捕集層、有機発電層、正孔捕集層、及び集電極の各層と保護膜とを形成し、比較例1〜4の有機薄膜太陽電池とした。
また、上記の本発明例1〜4において、電子捕集層を持たないものを比較例5,6とした。すなわち、電子捕集層を形成せずに金属基材(ステンレス基板)上に直接有機発電層を上記の方法で成膜し、後は上述の通り正孔捕集層と集電極と保護膜とを形成し、比較例5,6の有機薄膜太陽電池とした。
<光電流−電圧特性>
AM1.5Gのスペクトル分布を示し、100mW/cmの光強度を有する擬似太陽光を共試素子のAuスリット電極側から照射した状態で、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)測定を行い、本発明例1〜4及び比較例1〜6の有機薄膜太陽電池の光電流−電圧特性を測定した。この際、太陽電池としての実行面積を明確にするため、素子はAuスリット電極中心部の10mm×10mmの領域を残して遮光マスクを施し、中心部の10mm×10mmの領域(図1に示す領域R)に対しての特性評価とした。測定された光電流−電圧特性から短絡電流JSC、開放電圧VOC、曲線因子FF、及びエネルギー変換効率PCEを算出した。短絡電流JSC及びエネルギー変換効率PCEは、素子毎にAuスリット電極の開口面積を実測して算出した。
<機械特性>
作製したSUS基板太陽電池と、従来のガラス基板太陽電池に対し、4点曲げ試験を実施した。内側支点間距離10mm、外側支点間距離30mm、クロスヘッド速度0.5mm/minとし、たわみの変位を最大2mmまでかけた場合に、基板が割れるか否かで機械特性の良否を判定した。
<評価>
本発明例1〜4及び比較例1〜6の有機薄膜太陽電池の光電流−電圧特性及び機械特性の評価結果を以下の表1に示す。表1中、比較例1〜4の有機薄膜太陽電池はITO/ガラス基板を用いたもの、比較例5,6の有機薄膜太陽電池はステンレス基板で電子捕集層を有していないものである。表1に示すように、鋼板を基板とする本発明例1〜4の有機薄膜太陽電池でも、ITO/ガラス基板を基板とする比較例1〜4の有機薄膜太陽電池と同等の発電効率が得られた。
また、本発明例1〜4の有機薄膜太陽電池の発電効率と比較例5,6の有機薄膜太陽電池の発電効率との比較から、電子捕集層を有していなければ発電効率が著しく低下することが確認された。さらに、機械特性をみると、ITO/ガラス基板を用いた比較例では、曲げ変形に対し基板が割れてしまうのに対し、本発明例のステンレス基板では、曲げ変形に対しても柔軟性を有している。すなわち、製造、輸送、設置時等において基板を変形する力が加わっても、容易に破損しないことを意味している。
以上のことから、ITO/ガラス等の透明電極及び透明基板に代えて鉄鋼材料又は適当な金属材料を電極兼支持体として利用可能であり、本発明によれば、発電性能を低下させることなく、材料コスト及び製造コストを削減し、且つ、製造、輸送、設置時の取り扱いを容易にできることが知見された。
Figure 2015195254

Claims (5)

  1. 太陽電池を機械的に支える支持体及び太陽電池の一構成要素である第1の電極として機能する金属基材と、
    前記金属基材に積層された電子捕集層、有機発電層、正孔捕集層、及び第2の電極と、
    を備えることを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 前記電子捕集層が主として亜鉛酸化物によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記第2の電極が金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 前記金属基材が鉄鋼材料によって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 請求項1〜4のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池を利用して発電することを特徴とする太陽光発電モジュール。
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