JP2015193018A - 大型構造物用溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型構造物の溶接品質を維持しつつ溶接の高速化が図れ、溶接作業も容易で低コストの大型構造物用溶接装置を提供する。【解決手段】大型構造物用溶接装置100は、大型構造物の上を移動可能な溶接用台車101と、溶接用台車101に追従するワイヤ用台車102とを含む。溶接用台車101には、ワイヤ支持部1およびワイヤ支持部2が所定の位置関係になるように固定可能に構成される。ワイヤ支持部1は、アークを発生させる溶接ワイヤ3を支持する。ワイヤ支持部2は、アークを発生させない溶接ワイヤ4を溶接ワイヤ3のアーク入熱部に供給する。好ましくは、溶接用台車101は、溶接対象である大型構造物(母材)8の上を自走可能に構成される。ワイヤ用台車102は、ワイヤ保持部27およびワイヤ保持部28を搭載し、溶接用台車101に追従して自走する。【選択図】図1

Description

この発明は、大型構造物用溶接装置に関する。
アークを発生する電極として消耗電極ワイヤを用い、消耗電極ワイヤの後方に、2本目の溶接ワイヤであるアークを発生しないフィラーワイヤを送給する、2ワイヤ溶接が知られている。
このような、2ワイヤ溶接の一例が、特開2010−069494号公報(特許文献1)に示されている。このワイヤ溶接方法は、消耗電極ワイヤとしてのワイヤと溶接母材との間に電圧を印加することにより消耗電極ワイヤからアークを発生させながら溶接方向に進行させるとともに、溶接方向後方からフィラーワイヤを供給する。このようなアークを発生しないフィラーワイヤをアークを発生する消耗電極ワイヤに追随させる溶接を、本明細書では、以下「コールドタンデム溶接」ということとする。
特開2010−069494号公報 特開2008−055509号公報
コールドタンデム溶接は、主に自動車の薄板溶接用(板厚2mm以下)に開発された技術であり、高電流高速アークのハンピング現象の発生を抑えることができるので、高速溶接を低スパッタで実現できる。溶接対象物は自動車が想定されるため、特開2010−069494号公報(特許文献1)に開示される溶接システムでは、消耗電極ワイヤおよびフィラーワイヤの先端部を支持するトーチをロボットアームによって移動させる構成を採用している。
本願発明者は、コールドタンデム溶接を橋梁、船舶および防波壁などの長尺の大型構造物に適用することを検討した。検討の結果、板厚4.5mmを超える大型構造物のすみ肉溶接などにおいて、溶接速度の高速化およびそり変化量の低減にフィラーワイヤを用いる溶接方法が極めて有効であることを確認した。しかし、特開2010−069494号公報(特許文献1)に開示されるようなロボットアームによってトーチを移動させる方法では、ロボットアームの届く範囲が限られているので、コールドタンデム溶接を大型構造物の溶接に適用することができない。また、橋梁や船舶等の大型構造物に使用可能とするためにロボットアームを大型化することは、ロボットアームが極めて高額となってしまうので現実的ではない。ロボット溶接装置が使えない大型構造物についてコールドタンデム溶接を適用するにあたり、溶接場所を選ばずに長尺の連続溶接を行なうことが可能な溶接装置が求められる。
また、特開2008−055509号公報(特許文献2)には、造船又は橋梁の水平すみ肉溶接の高能率化のために、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを先行電極および後行電極として使用し、先行電極と後行電極との極間の湯溜り中にフィラーワイヤを挿入することが開示されている。しかし、特開2008−055509号公報(特許文献2)では、トーチの移動を行なう手段については検討されていない。したがって、どのような手段でトーチを移動させることにするかが問題となる。
また、大型構造物の溶接では、トーチを移動させる距離が長くなる。固定されたリールからトーチの移動に合わせて溶接ワイヤを伸ばすのでは溶接ワイヤの無駄が多く、残量が短くなった場合にすぐに溶接ワイヤのリールを交換しなくてはならないという問題も生じる。
この発明は上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、大型構造物の溶接品質を維持しつつ溶接の高速化が図れ、溶接作業も容易で低コストの大型構造物用溶接装置を提供することである。
この発明は、要約すると、大型構造物用溶接装置であって、アークを発生させる第1溶接ワイヤを支持する第1ワイヤ支持部と、アークを発生させない第2溶接ワイヤを第1溶接ワイヤのアーク入熱部に供給する第2ワイヤ支持部と、第1ワイヤ支持部および第2ワイヤ支持部が所定の位置関係になるように固定可能に構成され、大型構造物の上を移動可能な溶接用台車とを備える。
上記構成によれば、コールドタンデム溶接を大型構造物に適用し、かつ溶接用台車でトーチを移動させることとしたので、大型構造物の高速化と溶接品質の維持が両立でき、かつ溶接作業も容易な大型構造物用溶接装置を低コストで実現できる。
好ましくは、溶接用台車は、自走可能に構成される。大型構造物用溶接装置は、第1ワイヤ支持部に供給する第1溶接ワイヤを保持する第1ワイヤ保持部と、第2ワイヤ支持部に供給する第2溶接ワイヤを保持する第2ワイヤ保持部と、第1ワイヤ保持部および第2ワイヤ保持部を搭載し、溶接用台車に追従して自走するワイヤ用台車とをさらに備える。
上記構成によれば、溶接用台車をワイヤ用台車と分けたので、溶接用台車の速度すなわち溶接速度を精度よく安定させることができるとともに、ワイヤを運搬させることができる。
この発明は、他の局面では、大型構造物用溶接装置であって、アークを発生させる溶接ワイヤを支持するワイヤ支持部と、ワイヤ支持部を搭載する溶接用台車と、ワイヤ支持部に供給する溶接ワイヤを保持するワイヤ保持部と、ワイヤ保持部を搭載し、溶接用台車に追従して自走するワイヤ用台車とを備える。
上記構成によれば、溶接用台車をワイヤ用台車と分けたので、溶接用台車の速度すなわち溶接速度を精度よく安定させることができるとともに、ワイヤを運搬させることができる。
好ましくは、大型構造物用溶接装置は、溶接ワイヤを送給する送給装置をさらに備える。ワイヤ用台車は、送給装置をさらに搭載する。
上記構成によれば、溶接用台車をさらに軽く構成することが可能となり、溶接用台車の速度すなわち溶接速度を精度よく安定させやすい。
より好ましくは、溶接用台車は、第1駆動輪を含み、ワイヤ用台車は、第1駆動輪の駆動源とは異なる駆動源によって駆動される第2駆動輪を含む。
さらに好ましくは、ワイヤ用台車は、ワイヤ用台車が所定距離よりも溶接用台車に近づくと、溶接用台車を減速または停止させるように第2駆動輪の回転を制御するためにワイヤ用台車と溶接用台車との距離を検出する距離検出部をさらに含む。
本発明によれば、大型構造物の高速化と溶接品質の維持が両立でき、かつ溶接作業も容易な大型構造物用溶接装置を低コストで実現できる。
実施の形態1の大型構造物用溶接装置の概略図である。 実施の形態1の大型構造物溶接装置の斜視図である。 溶接用台車の詳細を説明するための図である。 ワイヤ用台車の詳細を説明するための側面図である。 ワイヤ用台車の詳細を説明するための上面図である。 溶接用台車とワイヤ用台車の間の連結部を示した図である。 連結部の第1状態を示した図である。 連結部の第2状態を示した図である。 連結部の第3状態を示した図である。 連結部の第4状態を示した図である。 実施の形態1の変形例を示した図である。 実施の形態2の大型構造物用溶接装置の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の大型構造物用溶接装置の概略図である。図2は、実施の形態1の大型構造物溶接装置の斜視図である。図1、図2を参照して、大型構造物用溶接装置100は、大型構造物の上を移動可能な溶接用台車101と、溶接用台車101に追従するワイヤ用台車102とを含む。
大型構造物用溶接装置100は、さらに、アークを発生させる溶接ワイヤ3を支持するワイヤ支持部1と、アークを発生させない溶接ワイヤ4を溶接ワイヤ3のアーク入熱部に供給するワイヤ支持部2とを含む。溶接用台車101は、ワイヤ支持部1およびワイヤ支持部2が所定の位置関係になるように固定可能に構成される。具体的には、ワイヤ支持部1,2は溶接トーチ14に固定されている。
大型構造物用溶接装置100は、さらに、溶接用台車101に搭載される電源装置22を含む。電源装置22は、ワイヤ支持部1にアーク発生用の電流および電圧を供給する溶接用電源23と、ワイヤ3のアーク発生および停止に連動して、ワイヤ支持部2へのワイヤ4の送給を制御するフィラーワイヤ制御装置24とを含む。
好ましくは、溶接用台車101は、溶接対象である大型構造物(母材)8の上を自走可能に構成される。図2には、大型構造物の一例として、橋梁の床板の裏面にリブを溶接している例が示されている。大型構造物用溶接装置100は、ワイヤ支持部1に供給する溶接ワイヤ3を保持するワイヤ保持部27と、ワイヤ支持部2に供給する溶接ワイヤ4を保持するワイヤ保持部28とをさらに含む。ワイヤ用台車102は、ワイヤ保持部27およびワイヤ保持部28を搭載し、溶接用台車101に追従して自走する。なお、図1、図2にはワイヤ保持部27,28はリール状である例を示したが、ワイヤを保持しておくものであれば他の形状であっても良い。
大型構造物用溶接装置100は、溶接ワイヤ3をワイヤ保持部27からワイヤ支持部1に送給するワイヤ送給装置25と、溶接ワイヤ4をワイヤ保持部28からワイヤ支持部2に送給するワイヤ送給装置26とをさらに含む。ワイヤ送給装置25,26は、溶接用台車101に搭載されていてもよいが、図1,図2に示すようにワイヤ用台車102に搭載されるほうが溶接用台車101を軽量化できるので好ましい。また、図1,図2では、ワイヤ送給装置25の上にワイヤ送給装置26が縦に積み上げられて溶接用台車101に配置されているが、同じ高さに横に並べて溶接用台車101に配置されてもよい。
溶接用台車101は、溶接速度に連動させて移動させる必要があり、移動速度が速すぎると脚長不足となり、移動速度が遅すぎるとオーバーラップとなり、移動速度が不安定だと溶接ビードが乱れる。したがって、溶接用台車101の移動速度は、安定している必要があり、また微調整が可能である必要がある。重量が大きい台車は、このように速度を制御することが難しく、溶接用台車101の重量を大きくすると、駆動するモータやそれを制御する装置などにコストがかかってしまう。また、溶接用台車101が重すぎると、溶接中に溶接の方向を転換する際に作業者が動かして向きを変えることが困難になる。
このため、本実施の形態では、溶接用台車101は、電源装置22と溶接トーチ14とを搭載する程度にしておき合計15kg程度に重量を抑え、速度を一定に調整しやすいようにしている。そして、他の重量が重い装置は、ワイヤ用台車102に搭載している。溶接用台車101を軽くすることにより、溶接トーチの移動速度を精度良く制御しやすくなる。また、溶接用台車101が軽量であるため向きを変えやすい。たとえば、図2のような長尺物の往復の溶接を行なう場合、1つのリブについて往路の溶接が完了したら、復路は隣のリブについて溶接用台車101を反転させ、ワイヤ用台車102は向きを変えずに後退させて溶接するようなこともやりやすくなる。
特に、大型構造物を溶接する場合、溶接用ワイヤの重量は20kgを超える。コールドタンデム溶接では、2ワイヤを使用するので、ワイヤの重量もこの2倍になる。ワイヤ用台車102は、ワイヤ3,4で溶接用台車101とつながっているが、ワイヤ3,4は長さに余裕を持たせてあるため、ワイヤ用台車102が溶接用台車101と全く同じ速度で移動しなくても問題ない。
そして、駆動するモータを別々に設けておき、ワイヤ用台車102が所定距離よりも離れないように溶接用台車101に追従走行する。
溶接用台車101は、駆動輪18と、駆動輪18を駆動するモータ16とを含む。ワイヤ用台車102は、駆動輪122と、駆動輪122を駆動するモータ29とを含む。モータ29は、駆動輪18の駆動源であるモータ16とは異なる駆動源である。
ワイヤ用台車102は、ワイヤ用台車102が所定距離よりも溶接用台車101に近づくと、ワイヤ用台車102を減速または停止させるように駆動輪122の回転を減速または停止させる距離検出部110をさらに含む。この距離検出部110を設けることによって、ワイヤ用台車102を溶接用台車101に追従走行させている。ワイヤ用台車102のモータ29は、ある程度追従走行してくれればよいため、溶接用台車101ほど速度を調整できなくてもよい。したがって、ワイヤ用台車102の駆動用モータ29は安価なものを採用することが可能となる。
続いて、溶接用台車101およびワイヤ用台車102の構成および距離検出部110の動作について、さらに詳細に説明する。
図3は、溶接用台車の詳細を説明するための図である。図3を参照して、溶接用台車101には、トーチ支持アーム120と、電源装置22とが固定されている。トーチ支持アーム120には、横アーム114が取り付けられている。横アーム114にはワイヤ支持部1,2が所定の位置関係を保つように固定されている。横アーム114の角度および長さを調節することによって、溶接位置を微調整することが可能である。
図3では隠れて見えないが、溶接用台車101は、駆動輪と駆動輪を駆動するモータが台車の下部に設けられている。溶接用台車101には、さらに、溶接対象である縦リブに倣うガイドローラ103,104が進行方向から見て側方に突き出している。
電源装置22の上部には操作パネルが設けられており、電源スイッチ、溶接開始スイッチ、溶接停止スイッチ、速度調整ボリュームスイッチなどが配置されている。
図4は、ワイヤ用台車の詳細を説明するための側面図である。図5は、ワイヤ用台車の詳細を説明するための上面図である。図4、図5を参照して、ワイヤ用台車102は、ワイヤ送給装置25,26と図示しないワイヤ保持部27,28と、モータ29とを搭載している。モータ29の回転軸は、チェーン等によって駆動輪122と接続されており、テンションギヤ121によってチェーンのテンションが一定に保たれている。台車の底面には、駆動輪122とともに台車を支持する従動輪123が取り付けられている。なお従動輪123と駆動輪122の位置は前後で入れ替えてもよい。
溶接用台車101と進行方向左右方向の位置がずれないように、溶接用台車101にもガイドローラ115〜118が設けられている。ガイドローラ115〜118は、溶接する縦リブを両側から挟み込んでいる。
図6は、溶接用台車とワイヤ用台車の間の連結部を示した図である。図6を参照して、連結部には距離検出部110が設けられている。距離検出部110は、溶接用台車101に取り付けられた台車走行検知用ドック112と、近接スイッチ113と、ワイヤ用台車102に取り付けられ近接スイッチ113を支持するセンサ支持部111とを含む。台車走行検知用ドック112は、台車走行範囲A1と、台車停止範囲A2とを含む。台車走行範囲A1は、台車停止範囲A2よりも近接スイッチ113に対する鉛直方向高さが高くなっている。なお、台車走行範囲A1を、台車停止範囲A2よりも近接スイッチ113に対する鉛直方向高さを低くしてもよく、近接スイッチ113との間の鉛直方向高さが、範囲A1とA2とが区別可能な程度に違っておればよい。
図7は、連結部の第1状態を示した図である。図7では、ワイヤ用台車102も溶接用台車101も停止状態であり、図6の範囲A2に近接スイッチ113が位置している。近接スイッチ113と台車走行検知用ドック112との距離はH1である。
図8は、連結部の第2状態を示した図である。図8では、矢印に示すように、溶接用台車101が走行開始し、台車走行検知用ドック112が台車進行方向に移動した状態を示す。近接スイッチ113が台車走行検知用ドック112の台車走行範囲A2にさしかかり、近接スイッチ113がOFF状態からON状態に変化する。近接スイッチ113は、ワイヤ用台車102のモータ29の駆動スイッチと連動しており、近接スイッチ113がON状態では、モータ29が駆動する。
図9は、連結部の第3状態を示した図である。図9には、図8の状態の後の時点において、溶接用台車101とワイヤ用台車102とがともに走行している状態が示される。この時、近接スイッチ113は、台車走行検知用ドック112の範囲A1と対向しており、台車走行検知用ドック112と近接スイッチ113との間の距離は、H2となっている。この状態では、モータ29が駆動状態に制御されるので、ワイヤ用台車102は、溶接用台車101に追従して走行する。なお、ワイヤ用台車102の走行速度は、溶接用台車101の走行速度と同じか、それ以上の速度に調整されることが望ましい。
図10は、連結部の第4状態を示した図である。図10には、図9の状態の後の時点において、溶接用台車101が停止したか、または逆走した場合の状態が示される。溶接用台車101が停止したか、または逆走すると、近接スイッチ113の位置は、図6の台車走行範囲A1から台車停止範囲A2に移動することとなる。すると、近接スイッチ113と台車走行検知用ドック112との距離は、H2からH1に変化する。この変化に応答して、近接スイッチ113はON状態からOFF状態に変化する。この近接スイッチ113の状態変化に応じて、モータ29が駆動状態から停止状態に変化するので、ワイヤ用台車102は溶接用台車101に衝突する前に停止することができる。
図11は、実施の形態1の変形例を示した図である。図11には、床板にリブをすみ肉溶接する際に、リブの両側から同時に溶接することが可能な大型構造物溶接装置600が示されている。この場合には、溶接用台車101Bは、リブの上部を走行し、リブを両側から挟んでいる。溶接用台車101Bの両側の各々に、消耗電極ワイヤとフィラーワイヤとを支持する支持部が設けられている。
溶接用台車101Bは、溶接対象物である床板の上を走行し、ワイヤ用台車102Bは、走行用レールの上を走行する。この走行用レールは、溶接対象物である床板に平行に配置されたレールであり、溶接対象物ではない。溶接用台車101Bとワイヤ用台車102Bとの間には、アーム110Bが配置されている。アーム110Bの溶接用台車側またはワイヤ用台車側のいずれかには、図6〜図10で説明したような距離検出部110が設けられている。
追従走行するワイヤ用台車102Bには、消耗電極ワイヤ2本とフィラーワイヤ2本を送給する送給装置とワイヤ4本を保持するワイヤ保持部が設けられている。
図11には、リブの両側を同時に溶接する例を示したが、アームを使用し溶接対象物と平行に配置されたレール上にワイヤ用台車を走行させる変形例は、リブの片側を溶接するものにも適用可能である。
実施の形態1によれば、コールドタンデム溶接を大型構造物に適用し、かつ溶接用台車でトーチを移動させることとしたので、大型構造物の高速化と溶接品質の維持が両立でき、かつ溶接作業も容易な大型構造物用溶接装置を低コストで実現できる。
また、溶接用台車をワイヤ用台車と分けて、駆動モータを別々にしたので、溶接速度を精度よく安定させることができるとともに、ワイヤを運搬させることができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、消耗電極ワイヤとフィラーワイヤとを使用するコールドタンデム溶接を行なうことが可能な大型構造物溶接装置について説明した。実施の形態2では、溶接台車とワイヤ用台車とを備える1本のワイヤのみを使用する大型構造物溶接装置について説明する。
図12は、実施の形態2の大型構造物用溶接装置の概略図である。図12を参照して、大型構造物用溶接装置500は、大型構造物の上を移動可能な溶接用台車101Aと、溶接用台車101Aに追従するワイヤ用台車102Aとを含む。
大型構造物用溶接装置500は、さらに、アークを発生させる溶接ワイヤ3を支持するワイヤ支持部1を含む。溶接用台車101には、ワイヤ支持部1が固定可能に構成される。具体的には、ワイヤ支持部1は溶接トーチ14に固定されている。
大型構造物用溶接装置500は、さらに、溶接用台車101Aに搭載される電源装置22Aを含む。電源装置22Aは、ワイヤ支持部1にアーク発生用の電流および電圧を供給する溶接用電源23を含む。
好ましくは、溶接用台車101Aは、溶接対象である大型構造物(母材)8の上を自走可能に構成される。大型構造物用溶接装置500は、ワイヤ支持部1に供給する溶接ワイヤ3を保持するワイヤ保持部27をさらに含む。ワイヤ用台車102Aは、ワイヤ保持部27を搭載し、溶接用台車101Aに追従して自走する。
好ましくは、大型構造物用溶接装置500は、溶接ワイヤ3を送給するワイヤ送給装置25をさらに備える。ワイヤ用台車102Aは、ワイヤ送給装置25をさらに搭載する。
より好ましくは、溶接用台車101Aは、駆動輪18を含み、ワイヤ用台車102Aは、駆動輪18の駆動源(モータ16)とは異なる駆動源(モータ29)によって駆動される駆動輪122を含む。
さらに好ましくは、ワイヤ用台車102Aは、ワイヤ用台車102Aが所定距離よりも溶接用台車101Aに近づくと、溶接用台車101Aを減速または停止させるように駆動輪122の回転を減速または停止させる距離検出部110をさらに含む。
なお、距離検出部110の構成および動作については、図6〜図10で説明したので、ここでは説明は繰返さない。
また、実施の形態2においても、実施の形態1の変形例と同様に、溶接用台車またはワイヤ用台車にアームを設けて、溶接対象物ではない走行レール上にワイヤ用台車を追従走行させる構成としても良い。
実施の形態2によれば、大型構造物の高速化と溶接品質の維持が両立でき、かつ溶接作業も容易な大型構造物用溶接装置を低コストで実現できる。
また、実施の形態2においても、溶接用台車をワイヤ用台車と分けたので、溶接用台車が軽量化され、溶接用台車の速度すなわち溶接速度を精度よく安定させることができるとともに、ワイヤを運搬させることができる。
なお、実施の形態1,2では、溶接ワイヤ3が消耗電極ワイヤである例を示したが、溶接ワイヤ3はTIG溶接のように別途電極を設けた場合の溶接ワイヤであっても良い。また、距離検出部110に近接スイッチ113を使用した例を示したが、溶接用台車とワイヤ用台車の距離を検出可能な構成であれば距離検出部110は他の構成でも良い。
また、実施の形態1,2では近接スイッチを使用して、ワイヤ用台車の駆動モータの走行と停止を切替える例を示したが、停止させる代わりにワイヤ用台車の走行速度を溶接用台車の走行速度よりも減速させるものであっても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 ワイヤ支持部、3,4 溶接ワイヤ、18,122 駆動輪、14 溶接トーチ、16,29 モータ、22,22A 電源装置、23 溶接用電源、24 フィラーワイヤ制御装置、25,26 ワイヤ送給装置、27,28 ワイヤ保持部、100,500 大型構造物用溶接装置、101,101A,101B 溶接用台車、102,102A,102B ワイヤ用台車、103,104,115,118 ガイドローラ、110 距離検出部、110B アーム、111 センサ支持部、112 台車走行検知用ドック、113 近接スイッチ、114 横アーム、120 トーチ支持アーム、121 テンションギヤ、123 従動輪。

Claims (6)

  1. アークを発生させる第1溶接ワイヤを支持する第1ワイヤ支持部と、
    アークを発生させない第2溶接ワイヤを前記第1溶接ワイヤのアーク入熱部に供給する第2ワイヤ支持部と、
    前記第1ワイヤ支持部および前記第2ワイヤ支持部が所定の位置関係になるように固定可能に構成され、大型構造物の上を移動可能な溶接用台車とを備える、大型構造物用溶接装置。
  2. 前記溶接用台車は、自走可能に構成され、
    前記第1ワイヤ支持部に供給する前記第1溶接ワイヤを保持する第1ワイヤ保持部と、
    前記第2ワイヤ支持部に供給する前記第2溶接ワイヤを保持する第2ワイヤ保持部と、
    前記第1ワイヤ保持部および前記第2ワイヤ保持部を搭載し、前記溶接用台車に追従して自走するワイヤ用台車とをさらに備える、請求項1に記載の大型構造物用溶接装置。
  3. アークを発生させる溶接ワイヤを支持するワイヤ支持部と、
    前記ワイヤ支持部を搭載する溶接用台車と、
    前記ワイヤ支持部に供給する前記溶接ワイヤを保持するワイヤ保持部と、
    前記ワイヤ保持部を搭載し、前記溶接用台車に追従して自走するワイヤ用台車とを備える、大型構造物用溶接装置。
  4. 前記溶接ワイヤを送給する送給装置をさらに備え、
    前記ワイヤ用台車は、前記送給装置をさらに搭載する、請求項3に記載の大型構造物用溶接装置。
  5. 前記溶接用台車は、第1駆動輪を含み、
    前記ワイヤ用台車は、前記第1駆動輪の駆動源とは異なる駆動源によって駆動される第2駆動輪を含む、請求項2または3に記載の大型構造物用溶接装置。
  6. 前記ワイヤ用台車は、
    前記ワイヤ用台車が所定距離よりも前記溶接用台車に近づくと、前記溶接用台車を減速または停止させるように前記第2駆動輪の回転を制御するために前記ワイヤ用台車と前記溶接用台車との距離を検出する距離検出部をさらに含む、請求項5に記載の大型構造物用溶接装置。
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