JP2015192936A - 磁気造粒器及びこれを用いたフィルター装置並びに高勾配磁気分離法 - Google Patents

磁気造粒器及びこれを用いたフィルター装置並びに高勾配磁気分離法 Download PDF

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高広 雄鹿
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高広 雄鹿
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Abstract

【課題】 微細な磁性粒子を含む流体から、高勾配磁気分離法を併用し、磁性を有する特定物質等を効果的に抽出、あるいは除去分離する。【解決手段】 イオン状又は粒子状の有害物質を含む流体に磁性吸着剤又は磁性凝集剤を添加混合することにより生成する磁性粒子を磁気造粒器1に通じることで団塊化してその粒径を増大せしめ、さらに強磁性細線からなる磁気フィルター6に外部から磁場を印加し、団塊化した磁性粒子を高勾配磁場により磁気吸着させ、有害物質と磁性吸着剤又は磁性凝集剤からなる磁性粒子を流体から効果的に分離除去する。【選択図】 図3

Description

本発明は、流体に含まれる磁性粒子を分離するための装置及び方法に関する。
磁気分離法は、鉱石スラリーなどから磁性体を選択的に吸着させたり、白色カオリン粘土から着色分と磁性を付与する微小鉄粒子を除去するなどの鉱工業原料の精製や、地下水、土壌水、排水等に溶解又は分散している有害物質を磁性吸着剤で吸着させて除去するなどの水処理等に用いられている。
後者の場合、処理対象の汚染土壌に水と鉄粉と重金属の移動を促す薬品とを加えて攪拌し、土壌中の重金属を鉄粉に吸着させ、湿式磁選機により鉄粉と共に重金属を磁気吸着して分離する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、汚泥に磁性粉を添加することによって汚泥自体に着磁性を持たせ、永久磁石や超伝導磁石を用いて処理水から汚泥を分離する方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、廃水に磁性粉体と凝集剤を添加し、廃水との混合処理及び磁化処理を経て、円筒型固液分離装置を用いてフロックを分離する方法が提案されている(特許文献3参照)。
また、磁気分離効率を高める方法として、高勾配磁気分離法(HGMS)がある。これは、強磁性ステンレスの繊維材を磁場内に置いて、磁力線を繊維材に集中させて繊維材を磁化し、繊維材及びその周辺に大きな磁気勾配を生じさせる。この繊維材でフィルターを形成すると、強力な磁気吸着力を備えたろ過装置を構成できる。
この高勾配磁気分離法を用いた装置としては、例えば、内側超電導コイルと、磁気双極子モーメントがほぼ等しく、逆極性の外側超電導コイルとを備え、磁性粒子を捕獲するフィルターを内側超伝導コイルの内部のみでなく、内側超伝導コイルと外側超伝導コイルの間にも設けることによって、被処理流体中の磁性粒子の処理量を高めたものが提案されている(特許文献4参照)。
特開2000−51835号公報 特開昭57−135091号公報 特開平2−290290号公報 特開平3−229603号公報
上記のような従来技術では、被処理物質を処理するために磁性粒子を大量に添加しなければならず、この結果大量の廃棄物が生じる。また、被処理物質を含む磁性粒子の除去効率が悪く、作業性に難がある。
即ち、特許文献1記載の湿式磁選機では、磁気分離能力が低く、土壌中の重金属を含む鉄粉を十分に除去できない。
特許文献2記載の凝集沈澱法では、大量の汚水を処理するための設備面積を大きくとらざるを得ないし、磁性材料を添加し、混合するための設備も加わり、省スペース化が困難である。
特許文献3記載の方法は、凝集剤と磁性粉体を廃水に添加し、凝集物(フロック)を生成してから、着磁することでフロックの沈降を速めるが、沈降汚泥物の量は変わらず、依然として大量の廃棄物が生じる。
特許文献4記載の装置による高勾配磁気分離法においては、分離対象となる磁性粒子が磁気フィルターの強磁性細線の直径以下の粒径であると強磁性細線に磁気吸着し難い。処理すべき流体に含まれる磁性粒子の粒径分布がある程度一様であれば、これに対応する直径の強磁性細線を用いることができるが、鉱工業原料を精製する既設の設備において、処理対象の変更に伴い、対応する強磁性細線を用いた磁気フィルターをその都度製作し交換設置するとすれば、処理前の準備作業に多大な労力及び時間を要する。
汚染土壌の洗浄工事等で発生する廃水に含まれる汚染物質を磁性吸着剤に吸着させて汚染物質を磁気的に分離する場合、工事サイトによって汚染物質が異なるため、これらを吸着、担持するための磁性粒子の粒径分布が工事サイトごとに異なる可能性があり、先と同様の問題がある。汚染物質がシルト、粘土等の微細粒子に強く吸着された懸濁状態の工事廃水に対し、磁性凝集剤を添加して汚染物質を磁気的に分離する場合、工事サイトによって土質が異なるため、同じく磁性粒子の粒径分布が工事サイトごとに異なる。
そこで本発明は、既存の高勾配磁気分離を用いた磁気フィルターで捕獲・分離し難い小さな磁性粒子を団塊化して磁気フィルターの捕獲効率の向上を図ること、地下水、土壌水、排水等に溶解又は分散している特定物質を含む磁性粒子を効率的に磁気分離することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、高勾配磁気分離法において、磁性粒子を含む流体から磁性粒子を分離する強磁性細線からなる磁気フィルター6に通じる流路途上に磁気造粒器1を配置し、この磁気造粒器1に、流体に磁場を印加し、磁性粒子間に磁気的引力を付与することにより、磁性粒子同士を結合し、粒径の拡大を促進させる永久磁石3を具備させて磁気造粒器1を構成する。
永久磁石3は、S極とN極を対向配置し、両極間の磁束を収束するヨークの役割を果たすホルダ2を設ける。
磁気造粒器1を用い、この直後に配した磁気フィルター6で、流体から磁性粒子を分離することにより対象物質を分離する磁気式フィルター装置を構成する。
磁性粒子を含む流体を磁界強度の高勾配領域に通過させて磁性粒子を分離する高勾配磁気分離法において、予め流体に磁場を印加し、磁性粒子間に磁気的引力を付与することにより、磁性粒子同士を結合し、磁性粒子の粒径を拡大させる方法を採用した。
流体に予め磁性吸着剤を添加し、イオン状又は粒子状の対象物質を磁性吸着剤に吸着させて磁性粒子を生成してから担磁し分離する高勾配磁気分離法を採用した。
流体に予め磁性凝集剤を添加し、イオン状又は粒子状の対象物質を磁性凝集剤に吸着・凝集させ、担磁し分離する高勾配磁気分離法を採用した。
本発明によれば、流体に含有される磁性粒子を相互に吸着させて磁性粒子の粒径を拡大することで、高勾配磁気分離法における磁気フィルターに捕獲・分離し易くし、既存の磁気フィルターを変更することなく、磁性粒子の捕獲効率を向上させることができる。また、簡易な構成であるから、磁界強度の変更が容易で、磁性粒子として分離処理される対象物質や既存の細線径の強磁性細線フィルターに応じて容易に調整することができる。
本発明に係る磁気造粒器の概略的構成図である。 図1の磁気造粒器を用いた粒径分布の比較試験の結果を示すグラフである。 図1の磁気造粒器を用いた磁気式フィルター装置の概略的構成図である。 磁気造粒器付磁気式フィルター装置を用いた車載型排水処理システムの概略的構成図である。 図4の排水処理システムの処理フローを示すブロック図である。
本発明に係る磁気造粒器について図面を参照して説明する。
高勾配磁気分離法により流体に含まれる磁性粒子を分離するための磁気フィルターは、例えばクロムフェライト系ステンレス等の強磁性細線で構成される。強磁性細線の直径程度以下の粒径の磁性粒子は、磁気フィルターによる捕獲が困難となることから、鉱工業原料の精製や、土壌汚染水あるいは工場排水等の浄化に適用される磁気フィルターは、処理対象の磁性粒子の粒径分布を考慮した径の強磁性細線が採用される。
ところで、磁性粒子を含む流体が磁場を通過するときに作用する磁気力Fは、次式で表される。
Figure 2015192936

ここで、H:磁性粒子に作用する磁場,d:磁性粒子の半径,χp:磁性粒子の磁化率,χf:流体の磁化率,μ0:真空の透磁率 とする。
(1)式は、除去対象の磁性粒子の半径dの3乗に比例して、磁性粒子と強磁性細線に作用する磁気力Fが強化し、磁性粒子を強磁性細線に吸着しやすいことを示す。
そこで、本発明においては、図1に示すように、流体の流路途上の磁気フィルターの直前位置に磁気造粒器1を配置する。磁気造粒器1は、流路を構成する流通管P周りにヨークを兼ねる強磁性体製のホルダ2を設け、ホルダ2の内側に流通管Pを挟んでS極とN極を対向させた一対の永久磁石3を固定した構成である。磁気造粒器1は、ホルダ2により永久磁石3,3間の磁束を収束させ磁気印加領域からの磁束の漏えいを低減しつつ磁場を形成し、この磁場内を通過する流体中の磁性粒子の磁化を促進し、磁性粒子間の磁力で結合することにより団塊化して粒径を拡大する。
磁気造粒器1に用いる永久磁石は、磁性粒子を磁力で結合する磁界強度の磁場を形成するものであればよく、例えば、ネオジム磁石、サマリウム磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石などの公知の磁石材料を適用でき、焼結磁石、ボンド磁石などの材質に特に限定されるものではない。
本発明に係る磁気造粒器によって対象物質を吸着・凝集させる際の磁性粒子は比表面積が大きな微粒子にすると吸着効率が向上する一方、磁気フィルターによって磁気分離する際の磁性粒子は粗大粒子にすると分離効率が向上する。
発明者は磁気造粒器1による磁性粒子の粒径増大の効果を確認するための測定試験を行った。測定試験は、磁性粒子を含む試料を水とそれぞれ混合して攪拌した後、この混合水を流通管Pに流し、磁気造粒器1を通過した混合水を直接レーザー回折式粒子径分布測定装置に通水投入することにより磁性粒子の粒径分布を測定するものである。
試料は以下の三種について粒径分布を比較した。
1)園芸用の赤玉土を粉砕したもの
2)上記赤玉土にこれの質量比1%の磁性凝集剤を添加したもの
3)上記赤玉土にこれの質量比10%の磁性凝集剤を添加したもの
蛍光X線分析によると赤玉土には約10wt%程度の磁性体である鉄が含まれているが、より坦磁させるために磁性凝集剤を添加した。磁性凝集剤については、平均粒径50μmのベントナイト粒子粉末100部、平均粒径0.25μmのマグネタタイト粒子粉末100部および硫酸バンド溶液(8%Al)5部を乾式混合して調製した後、80℃で乾燥させて得た。この磁性凝集剤の平均粒径は27μm、飽和磁化値σsは48.0emu/g(A・m/kg)であった。
測定試験の条件は、磁気造粒器1にネオジム磁石により形成する磁界の磁束密度約570mT、流通管の内径4mm、混合水の流速19.9cm/s、混合水の磁場通過時間0.07秒とした。
測定試験の結果、粒径分布を磁気造粒器1による磁場の有無及び磁性凝集剤の添加率について比較すると、図2に示すように、磁気造粒器1により磁場が付加され、かつ磁性凝集剤の添加率が高いほど、粒径増大の効果が認められた。具体的には、磁場の有無による50%粒子径(D50)に対する増大比は、添加率0%が1.0、添加率1%が1.4、添加率10%が1.6となった。なお、使用したレーザー回折式粒子径分布測定装置の測定上限が最大1000μmであるために、磁性凝集剤の添加率10%の試料の磁場ありのデータが途切れたことを考慮すると増大比は1.6より大きいと考えられる。
上記磁気造粒器1を用いて図3に示すように磁気式フィルター装置を構成することができる。この磁気式フィルター装置は、イオン状又は粒子状の対象物質を含む流体を収容した原水槽4に磁性吸着剤又は磁性凝集剤を添加・混合して磁性粒子を生成し、原水槽4からポンプ5で磁気造粒器1を介して磁気フィルター6に送り、流体中の磁性粒子を予め永久磁石で相互に吸着・結合させて粒子径を拡大してから、磁性粒子を分離するものである。
発明者は、上記磁気式フィルター装置による高勾配磁気分離法により磁性粒子捕獲率の測定試験を行った。測定試験は、原水槽4において磁性粒子を含む試料を水とそれぞれ混合して攪拌した後、この混合水を流通管Pに流して磁気造粒器1を通過させてから、磁気フィルター6に通して磁性粒子を捕獲・分離し、これを恒温槽にて乾燥し、試料の初期乾燥質量と秤量比較することにより捕獲率を測定した。
試料は、園芸用の赤玉土を粉砕したものに、前記ベントナイト粒子、マグネタイト粒子および硫酸バンドの混合複合物からなる磁性凝集剤を質量比10%添加し、水と混合して2500mg/Lの懸濁液とした。
測定試験の条件は、先と同様に磁気造粒器1にネオジム磁石により形成する磁界の磁束密度約280mT、流通管の内径14mm、混合水の流速54.1cm/s、混合水の磁場通過時間0.09秒とした。
測定試験の結果、磁気造粒器1を通さない場合、通水時間1分で磁性粒子の捕獲率65.0%、磁気造粒器1を通した場合、通水時間1分で磁性粒子の捕獲率74.4%となった。従って、磁気造粒器1による磁性粒子の粒径が拡大した結果、捕獲率が10%程度向上したことが認められる。
本発明に係る高勾配磁気分離法を用いた排水処理システムを図4に示す。
この排水処理システムにおける対象物質は、排水基準や環境基準によって規制対象となっている有害物質であり、例えばカドミウム、鉛、六価クロム、砒素、水銀等の重金属類イオン、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90等の放射性物質イオン、これらのコロイド状粒子およびこれらが吸着した有機又は無機粒子等が挙げられる。
この排水処理システムは、排水処理用車両Cに搭載して移動可能に構成する。この排水処理システムは、図4,図5に示すように、先ず担磁工程において、イオン状又は粒子状の有害物質を含む原水を予め引き入れた原水槽7から原水ポンプ8で撹拌槽9に送り、薬剤投入器10で前記磁性吸着剤又は磁性凝集剤を撹拌槽9に投入し、送水ポンプ11で撹拌槽9に流し戻して攪拌することにより、イオン状又は粒子状の有害物質を含む磁性粒子を生成する。原水がSS(浮遊物質)を多く含む場合には、磁性凝集剤を適用して磁性フロックを形成し、SSが極めて低い場合や低濃度の有害物質を含む場合には、磁性吸着剤を適用する。
磁性吸着剤は、磁性を有する無機粒子であればよく、例えばマグネタイト(Fe)、マグへマイト(γ‐Fe)、マンガン亜鉛フェライト、金属Fe等の強磁性体粒子や、この強磁性体粒子とカオリナイト、モンモリロナイト、ゼオライト等の粘土鉱物系吸着剤との複合物等を用いることができる。
磁性凝集剤は、マグネタイト(Fe)、マグへマイト(γ‐Fe)、マンガン亜鉛フェライト、金属Fe等の磁性粒子と、火山灰土、ベントナイト等の粘土鉱物、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、高分子凝集剤等の凝集剤との複合物等を用いることができる。
磁性吸着剤及び磁性凝集剤の平均粒子径は1〜200μmが好ましく、BET比表面積は1〜50m/gが好ましい。また、磁性吸着剤及び磁性凝集剤の飽和磁化値は5〜100emu/g(A・m/kg)が好ましく、保磁力については特に限定されない。
原水中の有害物質を磁性吸着剤又は磁性凝集剤と混合接触させて有害物質を含む磁性粒子に生成させる方法としては、特に制限はないが、好ましくは機械式攪拌である。
原水中の有害物質を磁性吸着剤又は磁性凝集剤と混合接触させる際の液温については、特に制限はなく、通常使用される温度範囲の5〜90℃が好ましく、より好ましくは10〜50℃である。
原水中の有害物質を磁性吸着剤又は磁性凝集剤と混合接触させる際のpHは弱酸性〜弱アルカリ性であることが好ましく、3〜9好ましくは4〜9である。pH調整には、塩酸等の鉱酸もしくは炭酸ナトリウム等のアルカリを用いることができる。
有害物質を含む原水に対する磁性吸着剤又は磁性凝集剤の添加量は、原水1Lあたり0.05〜2.0g、もしくは粒子状有害物質に対して1〜20wt%が望ましい。
次いで、排水処理システムの集磁工程においては、撹拌槽9の原水を送水ポンプ11により磁気造粒器1を介して集磁器12へ流し、帯磁された有害物質を含む磁性吸着剤又は磁性凝集剤からなる磁性粒子を分離し、開放した自動開閉弁15を介して撹拌槽9に回収する。ここで、自動切替弁14は送水ポンプ11による撹拌槽9の攪拌モードから集磁器12への送水モードに切替える。一対の集磁器12,13は、高勾配磁気分離用の磁気フィルター12a,13aを内蔵する。磁気フィルター12a、13aは集磁器筐体内周に配置した磁石12b、13bにより磁場を印加されることにより、強力な磁気吸着力を得る。ここで、磁石12b、13bは永久磁石、または電磁石、超伝導磁石等を適宜使用してよい。磁気フィルター12a,13aは、例えばSUS430で代表されるフェライト系ステンレスなどの強磁性細線を網状に不規則に絡め纏めたものであり、外部からの磁場印加により帯磁することにより、原水に含まれる磁性粒子を強磁性細線に磁気吸着して捕獲収集する。磁気フィルター12a,13aは、集磁器12,13の磁場領域内の集磁位置と、付着した磁性粒子を洗浄水により剥離するための磁場領域外の洗浄位置とに、エア駆動あるいは電動駆動等により移動させて交互に切り換えることにより磁性粒子を一旦吸着して低下した捕獲収集能力が磁性粒子を剥離することで再生する。一対の集磁器12,13は、一方を集磁工程に他方を洗浄工程に同時進行で使用するように自動開閉弁15で交互に切り換える。原水は磁気フィルター12a,13aを適当回数繰り返して通過することにより磁性粒子が捕獲され、捕獲後の処理水は撹拌槽9に回収される。
なお、図5において、集磁工程と洗浄工程とを同時に行えるように一対の集磁器12、13と用いているが、処理能力に応じて適宜増設してもよく、集磁器を一つとし同じ集磁器で集磁工程と洗浄工程とを交互に行っても良い。
集磁工程において、磁気造粒器1により形成する磁界の磁束密度は0.1〜1Tが好ましく、磁石12b、13bにより形成する磁界の磁束密度は0.05〜5Tが好ましい。また、原水を送水ポンプ11により磁気造粒器1及び集磁器12,13へ流す際の線速度は、10〜200cm/sが好ましく、1回あたりの処理時間は、1〜10分間が好ましい。また、磁気フィルター12a、13aの細線の直径は0.1〜1000μmが好ましい。さらに、磁気造粒器1における原水の磁場通過時間は、0.05〜1.00秒が好ましく、原水の磁気フィルター12a、13aの通過時間は0.1〜2.0秒が好ましい。
次いで、排水処理システムの洗浄工程において、清水槽16の洗浄水を洗浄用ポンプ17で既に磁性粒子を捕獲分離した集磁器13へ流し、ろ過器18を通してろ過槽20に溜める。集磁器13を流れる洗浄水は洗浄位置に配置された磁気フィルター13aに吸着した有害物質を含む磁性吸着剤又は磁性凝集剤等の磁性粒子を剥離する。ろ過器18は、磁気フィルター13aを洗浄した洗浄水を不織布フィルター19でろ過して磁性粒子を収集する。不織布フィルター19に蓄積される磁性粒子は、洗浄工程終了後に自然ろ過(重力ろ過)し、図示しない廃棄物容器に収容する。被処理物質が放射性物質である場合には放射性廃棄物容器に収容して処理管理する。なお、ろ過促進と磁性粒子の圧密収集のため不織布フィルター19の底部に永久磁石を設けて、磁性粒子を磁気吸引してもよい。被処理物質が放射性物質である場合には、不織布フィルター19に収集した磁性粒子を放射線モニター21で監視し、過大な放射線量を感知したら警報を発するようにしてもよい。ろ過槽20のろ過液は、洗浄工程の洗浄水に再利用するものとし、一定の貯水量を下回ると、自動切替弁22により清水槽16の洗浄水に切り換える。清水槽16の洗浄水は、さらに設備、装置等清掃時の洗浄水に用いる。また、ろ過槽20は、フロートスイッチ等により各集磁器12,13直下の自動開閉弁15を閉鎖してオーバーフローを防止する。ろ過槽20のろ過水は、自動切替弁23で洗浄ポンプ17の出力先を切り換え、手動開閉弁24を開放して撹拌槽9に送られる。
排水処理システムの放流工程においては、集磁工程により処理された撹拌槽9の処理水及び洗浄工程によりろ過されたろ過槽20のろ過水は、手動開閉弁24を開けて放流槽26に移され、有害物質についての各種計測を実施し、あるいは計測用検体の採取を行うなど監視しつつ、排水可能と判断された場合、手動排水弁28を開放することで下水道、河川等へ放流する。
この高勾配磁気分離法を用いた排水処理システムにおいて、原水中の有害物質を分離除去するには、担磁工程後の集磁工程及び洗浄工程を2回〜5回程度繰り返し行えばより効果的である。
コンプレッサ29は、集磁器12,13の工程切替に伴う位置変更及び自動切替弁14,15,22,23等の動作を駆動する。制御盤30は、工程の切替制御、自動切替弁14,15,22,23等の動作制御、各ポンプの入り切り制御を行う。コンプレッサ29及び制御盤30の駆動用電源は発電機Gでまかなう。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
図5に示す攪拌槽9に、水4Lと砒素を含有する赤玉土粒子粉末を4g入れて羽根攪拌し、さらに磁性凝集剤0.4gを加えて5分間混合し、赤玉土粒子と磁性凝集剤粒子が複合化した磁性粒子を形成した。磁性凝集剤は、平均粒径50μmのベントナイト粒子粉末100部、平均粒径0.25μmのマグネタタイト粒子粉末100部および硫酸バンド溶液(8%Al)5部を乾式混合した後、80℃で乾燥して得た。この磁性凝集剤の平均粒径は27μm、飽和磁化値σsは48.0emu/g(A・m/kg)であった。
得られた磁性粒子を含む水懸濁液を、送水ポンプ11により磁気造粒器1(磁界の磁束密度は250mT)の間を流量2.5L/min、線速度27cm/sで通過させ、さらに集磁器12に通水することによって磁気フィルター12aに磁性粒子を捕獲し、通過した処理水を攪拌槽9に回収した。この操作を3分間行った後、磁気フィルター12aを逆洗位置に移動させ、清水槽16の洗浄水を磁気フィルター12aに流して、磁性粒子を不織布フィルター19に回収した(第1回通水処理)。回収した赤玉土を乾燥した結果、赤玉土は当初添加量の74.6%となった。
第1回通水処理により攪拌槽9に回収された水懸濁液を再度同じ条件で処理して(第2回通水処理)、磁気フィルター12aに磁性粒子を捕獲した結果、赤玉土は当初の13.6%であった(累積捕獲率88.2%)。第2回通水処理により攪拌槽9に回収された水懸濁液を再度同じ条件で処理して(第3回通水処理)、磁気フィルター12aに磁性粒子を捕獲した結果、磁性粒子の回収率は当初の8.8%であった(累積捕獲率97.0%)。
なお、図5に示す排水処理システムの磁気造粒器1を取り外して、上記実施例と同じ条件で比較試験を行った結果、回収された磁性粒子は、第1回通水処理で63.3%、第2回通水処理で17.3%(累積80.6%)、第3回通水処理で7.0%となった(累積87.6%)。
以上、分散液中に存在する対象物質を分離・除去する方法について詳述したが、本発明では、気体中に分散する対象物質を磁性粒子を用いて分離・除去することもできる。この場合、空気などを媒体として用いて、磁性粒子を気体中に分散させて、分離・除去することができる。
1 磁気造粒器
2 ホルダ
3 永久磁石
4 原水槽
5 ポンプ
6 磁気フィルター
6a 磁石
7 原水槽
8 原水ポンプ
9 攪拌槽
10 薬剤投入器
11 送水ポンプ
12 集磁器
12a 磁気フィルター
12b 磁石
13 集磁器
13a 磁気フィルター
13b 磁石
14 自動切替弁
15 自動開閉弁
16 清水槽
17 洗浄用ポンプ
18 ろ過器
19 不織布フィルター
20 ろ過槽
21 放射線モニター
22 自動切替弁
23 自動開閉弁
24 手動開閉弁
25 手動開閉弁
26 放流槽
27 放射線モニター
28 手動排水弁
29 コンプレッサ
30 制御盤
C 除染処理用車両
G 発電機
P 流通管

Claims (6)

  1. 磁性粒子を含む流体から高勾配磁気分離法により磁性粒子を分離する強磁性細線からなる磁気フィルターに通じる流路途上に配置され、前記流体に磁場を印加し、磁性粒子間に磁気的引力を付与することにより、磁性粒子同士を結合し、粒径の拡大を促進させる永久磁石を具備することを特徴とする磁気造粒器。
  2. 前記永久磁石は、S極とN極が対向配置され、両極間の磁束を収束するヨークを具備することを特徴とする請求項1に記載の磁気造粒器。
  3. 前記磁気フィルターを具備し、前記流体から前記磁性粒子を分離することにより対象物質を分離することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気造粒器を用いた磁気式フィルター装置。
  4. 磁性粒子を含む流体を磁界強度の高勾配領域に通過させて前記磁性粒子を分離する高勾配磁気分離法において、
    予め前記流体に磁場を印加し、磁性粒子間に磁気的引力を付与することにより、磁性粒子同士を結合し、磁性粒子の粒径を拡大させることを特徴とする高勾配磁気分離法。
  5. 前記磁性粒子がイオン状又は粒子状の対象物質を吸着する磁性吸着剤により担磁されることを特徴とする請求項4に記載の高勾配磁気分離法。
  6. 前記磁性粒子がイオン状又は粒子状の有害物質を含む磁性凝集剤により担磁されることを特徴とする請求項4に記載の高勾配磁気分離法。
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