JP2015192115A - スクライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】丸断面形状を有する溝加工ツールを効率的に用いることができるとともに、ツールの使用寿命を延ばすことができるスクライブ装置を提供する。【解決手段】ツールホルダ12を介して溝加工ツール8を保持するスクライブヘッド10と、基板Wを載置するテーブル1とを備え、スクライブヘッド10を太陽電池基板Wに対して相対的に移動させることにより、溝加工ツール8の刃先で太陽電池基板W表面に溝を加工するスクライブ装置であって、溝加工ツール8は、棒状のボディ81と、ボディ81下部に形成された先細り状のテーパ部82と、テーパ部82の先端部又はテーパ部82に連なる円柱部31先端の底面83角部に形成された刃先84とを備え、溝加工ツール8が、当該ツールの軸心周囲で所望の角度だけ回転可能にスクライブヘッド10に保持される構成とする。【選択図】図2
Description
本発明は、カルコパイライト化合物やテルル化カドミウムなどを用いた化合物系等の集積型薄膜太陽電池を製造する際に用いられる溝加工ツール並びにこの溝加工ツールを取り付けたスクライブ装置に関する。
ここで、カルコパイライト化合物とは、CIGS(Cu(In,Ga)Se2)の他に、CIGSS(Cu(In,Ga)(Se,S)2)、CIS(CuInS2)等が含まれる。
ここで、カルコパイライト化合物とは、CIGS(Cu(In,Ga)Se2)の他に、CIGSS(Cu(In,Ga)(Se,S)2)、CIS(CuInS2)等が含まれる。
化合物半導体を光吸収層として用いる薄膜太陽電池においては、基板上に複数のユニットセルを直列接続した集積型構造が一般的である。
従来のカルコパイライト化合物系集積型薄膜太陽電池の製造方法について説明する。図8は、CIGS薄膜太陽電池の製造工程を示す模式図である。まず、図8(a)に示すように、ソーダライムガラス(SLG)等からなる絶縁基板21上に、プラス側の下部電極となるMo電極層22をスパッタリング法によって形成した後、スクライブ加工により下部電極分離用の溝P1を形成する。
その後、図8(b)に示すように、Mo電極層22上に、化合物半導体(CIGS)薄膜からなる光吸収層23を積層して、その上に、ヘテロ接合のためのZnS薄膜等からなるバッファ層24を形成し、さらにその上に、ZnO薄膜からなる絶縁層25を形成する。そして、下部電極分離用の溝P1から横方向に所定距離離隔した位置に、スクライブ加工によりMo電極層22にまで到達する電極間コンタクト用の溝P2を形成する。
続いて、図8(c)に示すように、絶縁層25の上からZnO:AI薄膜からなる上部電極としての透明電極層26を形成し、スクライブ加工により下部のMo電極層22にまで到達する電極分離用の溝P3を形成する。
上述した集積型薄膜太陽電池を製造する工程において、電極分離用の溝P2およびP3をスクライブにより溝加工する技術として、レーザスクライブ法とメカニカルスクライブ法が用いられてきた。
レーザスクライブ法は、例えば特許文献1で開示されているように、アークランプ等の連続放電ランプによって、Nd:YAG結晶を励起して発信したレーザ光を照射することにより電極分離用の溝を形成するものであるが、スクライブ時にレーザ光の熱によって光吸収層23の光電変換特性が劣化するおそれがあった。
また、メカニカルスクライブ法は、例えば特許文献2および特許文献3で開示されているように、先端が先細り状となった溝加工ツールの刃先を、所定の圧力をかけて基板に押しつけながら移動させることによって、電極分離用の溝を加工する技術である。現在ではこのメカニカルスクライブ法が多く行われている。
メカニカルスクライブ法で用いられる溝加工ツールは、一般的には安いコストで、かつ高精度に仕上げることのできる旋盤を使用した丸断面形状のものが多い。このような丸断面形状の溝加工ツールとして、図9(a)に示すような、棒状のボディ27の下方を先細り状の円錐台形のテーパ部28としてその先端を水平にカットし、水平な底面29の角部30を刃先としたものが特許文献2、3で開示されている。
また、加工される溝の左右側壁の平行度を精密に仕上げるために、図9(b)に示すような、テーパ部28の下部に上下均等な直径の円柱部31を形成し、その先端角部32を刃先としたものがある。ツール先端の水平な底面29は、溝加工の際に鋭利な刃先先端とすることによってMo電極層を傷つけないようにするために設けられたものである。
また、加工される溝の左右側壁の平行度を精密に仕上げるために、図9(b)に示すような、テーパ部28の下部に上下均等な直径の円柱部31を形成し、その先端角部32を刃先としたものがある。ツール先端の水平な底面29は、溝加工の際に鋭利な刃先先端とすることによってMo電極層を傷つけないようにするために設けられたものである。
この溝加工ツールを、薄膜太陽電池基板から離れないように一定の圧力で押しつけながら、スクライブ予定ラインに沿って相対的に移動させて溝加工を行うのであるが、被加工面の凹凸で溝加工ツールは慣性力による上下方向の力を受けてバウンドするため、それを抑えるためには一定の押圧力、例えば0.5N以上の力が必要となる。
しかし、溝加工ツールの刃先を上記の押圧力で薄膜太陽電池に押しつけながら使用していると、図10(a)の新品の状態から、加工溝の深さhに相当する刃先部分の左右周面が太陽電池基板の膜との接触によって摩耗し、図10(b)に示すように、刃先の左右幅が小さくなるとともに切れ味が劣化する。刃先先端部の左右幅が小さくなると、加工される溝幅が狭くなって規定された寸法の溝を精度よく加工することができず、図8の電極分離用の溝P2、P3では充分な絶縁効果が得られない場合も発生する。また、刃先の切れ味が劣化すると、溝をきれいに加工することができないだけでなく、一部の薄膜が不規則に大きく剥がれて必要以上に除去してしまうことがあり、太陽電池の特性および歩留まりが低下するといった問題点があった。
しかし、溝加工ツールの刃先を上記の押圧力で薄膜太陽電池に押しつけながら使用していると、図10(a)の新品の状態から、加工溝の深さhに相当する刃先部分の左右周面が太陽電池基板の膜との接触によって摩耗し、図10(b)に示すように、刃先の左右幅が小さくなるとともに切れ味が劣化する。刃先先端部の左右幅が小さくなると、加工される溝幅が狭くなって規定された寸法の溝を精度よく加工することができず、図8の電極分離用の溝P2、P3では充分な絶縁効果が得られない場合も発生する。また、刃先の切れ味が劣化すると、溝をきれいに加工することができないだけでなく、一部の薄膜が不規則に大きく剥がれて必要以上に除去してしまうことがあり、太陽電池の特性および歩留まりが低下するといった問題点があった。
図11のグラフは、図9(a)で示した従来の溝加工ツールで太陽電池基板の溝を連続加工したときの溝幅の変化を示したものである。なお、ここで用いた溝加工ツールは、超硬合金製で刃先先端の直径が44.5μmのものを使用した。
その結果、加工距離が約40000mまでの場合において、溝幅が初期溝幅44μmから約27μmまで急激に減少し、実に初期溝幅44μmから約38%減少した。これは、連続使用によって先端角部の刃先30が摩耗により損傷を受け、図10(b)上段に示したように細くなることに起因する。
なお、図12は、上記実験に用いたツール先端の左右幅の形状変化を示す断面図および底面図であって、図12(a)は新品、図12(b)は加工距離6000m、図12(c)は加工距離12000mのときの状態をそれぞれ示している。図12(b)の加工距離6000mでは、ツール底面の左右幅L2が初期左右幅L1の44.5μmから38.3μmに減少し、図12(c)の加工距離12000mでは、左右幅L2が31.1μmまで減少した。
したがって、溝幅減少率の許容範囲を30%とするならば、溝加工ツールの使用寿命は12000m近傍で限界に達することになり、早期のツール交換が求められることになる。
その結果、加工距離が約40000mまでの場合において、溝幅が初期溝幅44μmから約27μmまで急激に減少し、実に初期溝幅44μmから約38%減少した。これは、連続使用によって先端角部の刃先30が摩耗により損傷を受け、図10(b)上段に示したように細くなることに起因する。
なお、図12は、上記実験に用いたツール先端の左右幅の形状変化を示す断面図および底面図であって、図12(a)は新品、図12(b)は加工距離6000m、図12(c)は加工距離12000mのときの状態をそれぞれ示している。図12(b)の加工距離6000mでは、ツール底面の左右幅L2が初期左右幅L1の44.5μmから38.3μmに減少し、図12(c)の加工距離12000mでは、左右幅L2が31.1μmまで減少した。
したがって、溝幅減少率の許容範囲を30%とするならば、溝加工ツールの使用寿命は12000m近傍で限界に達することになり、早期のツール交換が求められることになる。
そこで本発明は、上記した丸断面形状を有する従来の溝加工ツールを無駄なく効率的に用いることができ、その使用寿命を延ばすことができるスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のスクライブ装置は、ツールホルダを介して溝加工ツールを保持するスクライブヘッドと、加工すべき太陽電池基板を載置するテーブルとを備え、前記スクライブヘッドを太陽電池基板に対して相対的に移動させることにより、前記溝加工ツールの刃先で前記太陽電池基板の表面に溝を加工するスクライブ装置であって、前記溝加工ツールは、棒状のボディと、当該ボディの下部に形成された先細り状のテーパ部と、前記テーパ部の先端部、もしくは、当該テーパ部に連なって形成される円柱部の先端部の底面角部に形成された刃先とを備え、前記溝加工ツールが、当該ツールの軸心の周りで所望の角度だけ回転できるように前記スクライブヘッドに保持されている構成とした。
本発明は上記のごとく構成されているので、溝加工ツールの刃先部分の左右周面が太陽電池基板の膜との接触によって許容限界値まで摩耗したときに、摩耗していない前後の周面がツール進行方向に対して左右側となるようにツールを回転させることができる。これにより、刃先底面の左右幅が新品のときの外径寸法と同じになり、初期設定の溝幅で溝を加工することができるとともに、溝加工ツールを無駄なく効率的に使用することができ、その使用寿命を延ばすことができる。
本発明において、前記溝加工ツールが前記ツールホルダに回転可能に取り付けられて締結具により固定され、当該締結具を緩めることにより前記溝加工ツールを手で所望の角度だけ回転できるようにするのがよい。
この場合、前記溝加工ツールの露出した周面、もしくは、前記ツールホルダの外面にツールの回転角を表す目盛が設けられ、前記ツールホルダの外面、もしくは、前記溝加工ツールの周面で前記目盛に対応した位置に基準マークが設けられている構成とするのがよい。
これにより、ツールホルダの構成を簡素化できると共に、目盛を見ながら溝加工ツールを手で所望の角度だけ容易に回転させることができる。
この場合、前記溝加工ツールの露出した周面、もしくは、前記ツールホルダの外面にツールの回転角を表す目盛が設けられ、前記ツールホルダの外面、もしくは、前記溝加工ツールの周面で前記目盛に対応した位置に基準マークが設けられている構成とするのがよい。
これにより、ツールホルダの構成を簡素化できると共に、目盛を見ながら溝加工ツールを手で所望の角度だけ容易に回転させることができる。
本発明において、前記溝加工ツールが前記ツールホルダに取り付けられ、当該ツールホルダにモータが連結されており、このモータの回転によって前記溝加工ツールがツールホルダと共に当該ツールの軸心の周りで所望の角度だけ回転できるように形成されている構成とするのがよい。
これにより、溝加工ツールの回転をモータにより所望の角度だけ迅速かつ正確に回動させることができる。
これにより、溝加工ツールの回転をモータにより所望の角度だけ迅速かつ正確に回動させることができる。
また、前記モータによる溝加工ツールの回転は、45°のピッチで定角回転ができるようにするのがよい。
これにより、ツール進行方向の左右周面が限界値まで摩耗したときに45°ピッチで回転させて使用することによって、ツール刃先の全周面を無駄なく効率的に使用することができ、ツールの使用寿命を延ばすことができる。
これにより、ツール進行方向の左右周面が限界値まで摩耗したときに45°ピッチで回転させて使用することによって、ツール刃先の全周面を無駄なく効率的に使用することができ、ツールの使用寿命を延ばすことができる。
以下において、本発明の詳細を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る集積型薄膜太陽電池用スクライブ装置の実施形態を示す概略的な正面図であり、図2(a)は溝加工ツールを保持したツールホルダを含むスクライブヘッドの斜視図であり、図2(b)はツールホルダ部分の拡大図であり、図3は図2に示すスクライブヘッドの断面図である。
図1は本発明に係る集積型薄膜太陽電池用スクライブ装置の実施形態を示す概略的な正面図であり、図2(a)は溝加工ツールを保持したツールホルダを含むスクライブヘッドの斜視図であり、図2(b)はツールホルダ部分の拡大図であり、図3は図2に示すスクライブヘッドの断面図である。
スクライブ装置は、太陽電池基板Wを載置して保持するテーブル1を備えている。テーブル1は、水平なレール2に沿ってY方向(図1の前後方向)に移動できるようになっており、モータ(図示略)によって回転するネジ軸3により駆動される。さらに、テーブル1はモータを内蔵する回転駆動部4により水平面内で回動できるようになっている。
テーブル1を挟んで設けてある両側の支持柱5、5と、X方向に水平に延びるビーム(横桟)6とを備えたブリッジ7が、テーブル1上を跨ぐようにして設けられている。
ビーム6には、X方向に水平に延びるガイド9が設けられ、このガイド9にはスクライブヘッド10がモータ11によってX方向に移動できるように取り付けられている。
ビーム6には、X方向に水平に延びるガイド9が設けられ、このガイド9にはスクライブヘッド10がモータ11によってX方向に移動できるように取り付けられている。
スクライブヘッド10には、テーブル1上に載置される太陽電池基板Wの薄膜表面をスクライブ加工する溝加工ツール8を保持するツールホルダ12が設けられている。ツールホルダ12は、溝加工ツール8のボディ81部分(図4参照)を受け入れて回動可能に保持する取付孔12aを備えており、この取付孔12aに挿入された溝加工ツール8をセットビス等の締結具12bで固定できるように形成されている。さらに、ツールホルダ12は流体シリンダ13のシャフト13aに連結されて溝加工ツール8と共に昇降できるようになっている。
本発明のスクライブ装置で使用される溝加工ツールは、従来の丸断面形状のツールと同じ形態のものが用いられる。図4で示した溝加工ツール8は、上記図9(a)で示した形態のツールを用いた実施例を示すものであるが、下端部分を円柱部31で形成した図9(b)の形態としたツールを用いることもできる。
溝加工ツール8は、実質的にツールホルダ12への取付部となる丸棒状のボディ81と、このボディ81の下部に連なって当該ボディ81と軸心を同じくして形成された先細り状のテーパ部82と、このテーパ部82の先端部に形成された平らな底面83と、この底面83とテーパ部82の外周側面85との角部に形成された刃先84とによって形成されている。底面83の直径は従来同様40〜50μmである。そして、ボディ81の周面にはツールの回転角を45°単位で表す目盛86が設けられ、ツール8を取り付けるツールホルダ12の外面で目盛86に対応する位置に基準マーク12cが設けられている。
溝加工ツール8は、実質的にツールホルダ12への取付部となる丸棒状のボディ81と、このボディ81の下部に連なって当該ボディ81と軸心を同じくして形成された先細り状のテーパ部82と、このテーパ部82の先端部に形成された平らな底面83と、この底面83とテーパ部82の外周側面85との角部に形成された刃先84とによって形成されている。底面83の直径は従来同様40〜50μmである。そして、ボディ81の周面にはツールの回転角を45°単位で表す目盛86が設けられ、ツール8を取り付けるツールホルダ12の外面で目盛86に対応する位置に基準マーク12cが設けられている。
上述したスクライブ装置で太陽電池基板Wにスクライブ加工を行う際は、テーブル1をY方向に移動させて太陽電池基板Wのスクライブ予定ラインが溝加工ツール8の直下になるよう位置決めをした後に、溝加工ツール8を下動させてその刃先84を流体シリンダ12により太陽電池基板Wの表面に押しつけた状態でX方向に移動させてX方向のスクライブ加工を行う。また、太陽電池基板Wの表面にY方向のスクライブ加工を行う場合には、テーブル1を水平面上で90度回転させて、上記と同様の動作を行う。
このスクライブの過程において、ツール先端部の左右側面の摩耗が進行して左右幅が減少し、その減少率が許容限界の30%近傍になったときに、ツールホルダ12の締結具12bを緩めて溝加工ツール8を手で45°回転させて固定する。許容限界の値は先に述べた実験値から加工距離を計測することによって認識することができる。前述の実験値では、加工距離12000m近傍で減少率の許容限界30%に達したので、本実施例ではこれを参照して加工距離10000mで溝加工ツール8を回転させることにした。
図5は、溝加工ツール8の刃先84の外周側面85部分の摩耗と回転順位をツール底面側から見た図を示したものであって、直線の矢印はツールの進行方向を示し、円弧の矢印は45°の回転方向を示すものである。
まず、溝加工ツール8が新品の(A)の状態から、10000m走行して(B)の状態になったときにブザーやアラームランプ等によって作業者に通知する。そして作業者は、スクライブ装置を停止させた後、締結具12bを緩めて目盛り86を参照しながら溝加工ツール8を図5(C)の状態まで45°回転させて固定し、スクライブ装置を再駆動する。この45°回転させた状態では、摩耗していない刃先周面が進行方向の左右側に位置することになって、底面の左右幅が新品の外径寸法と同じになる。これにより、初期設定の溝幅で溝を加工することができる。その後、上記と同様の操作を繰り返すことによって(D)から順次(E)、(F)、(G)を経て最終(H)の状態まで摩耗したときに溝加工ツール8を新品と交換する。
これにより、溝加工ツール8を刃先全周にわたって無駄なく効率的に使用することができ、その使用寿命を延ばすことができる。
まず、溝加工ツール8が新品の(A)の状態から、10000m走行して(B)の状態になったときにブザーやアラームランプ等によって作業者に通知する。そして作業者は、スクライブ装置を停止させた後、締結具12bを緩めて目盛り86を参照しながら溝加工ツール8を図5(C)の状態まで45°回転させて固定し、スクライブ装置を再駆動する。この45°回転させた状態では、摩耗していない刃先周面が進行方向の左右側に位置することになって、底面の左右幅が新品の外径寸法と同じになる。これにより、初期設定の溝幅で溝を加工することができる。その後、上記と同様の操作を繰り返すことによって(D)から順次(E)、(F)、(G)を経て最終(H)の状態まで摩耗したときに溝加工ツール8を新品と交換する。
これにより、溝加工ツール8を刃先全周にわたって無駄なく効率的に使用することができ、その使用寿命を延ばすことができる。
図6並びに図7は本発明の別の実施例を示すものである。
この実施例では、溝加工ツール8を保持するツールホルダ12がモータMによって回転する垂直な軸14を介して昇降部材15に保持されている。これにより、モータMを駆動することによって溝加工ツール8をその軸心周囲でツールホルダ12と共に所望角度だけ回転させることができるようになっている。さらに、昇降部材14は流体シリンダ13によって溝加工ツール8と共に昇降できるように形成されている。
この実施例では、溝加工ツール8を保持するツールホルダ12がモータMによって回転する垂直な軸14を介して昇降部材15に保持されている。これにより、モータMを駆動することによって溝加工ツール8をその軸心周囲でツールホルダ12と共に所望角度だけ回転させることができるようになっている。さらに、昇降部材14は流体シリンダ13によって溝加工ツール8と共に昇降できるように形成されている。
本実施例において、モータMによる溝加工ツール8の回転は、45°ピッチで定角回転できるように設定されている。すなわち、モータMは、これの電源スイッチ(図示略)を押すことにより溝加工ツール8を45°だけ回転させて停止し、再度電源スイッチを押すと再び同方向に45°回転するように設定されている。このように規定角度分だけ正確に定角回転させることが可能なモータとして、例えばステッピングモータ(パルスモータ)を用いることができる。
このモータMによって溝加工ツール8を10000m走行毎に45°回転させることにより、上記実施例と同様に、溝加工ツール8の刃先部分の全周を無駄なく効率的に使用することができる。
このモータMによって溝加工ツール8を10000m走行毎に45°回転させることにより、上記実施例と同様に、溝加工ツール8の刃先部分の全周を無駄なく効率的に使用することができる。
なお、溝加工ツールの左右幅減少率の許容限界値を知る手段として、上記実施例では溝加工ツールの加工距離を計測することによって行うようにしたが、これに代えて太陽電池基板に加工される溝の幅寸法をカメラで観察し、限界値まで細くなったときにブザーやアラームランプ等で警告するようにすることもできる。
また、溝加工ツールの左右幅減少率が許容限界近傍まで迫ったときに、当該許容限界値に相当する溝加工ツールの加工距離又は太陽電池基板の溝幅を検出して、コンピュータ制御によりモータMを駆動して自動的に溝加工ツールを定角回転するようにすることも可能である。
また、溝加工ツールの左右幅減少率が許容限界近傍まで迫ったときに、当該許容限界値に相当する溝加工ツールの加工距離又は太陽電池基板の溝幅を検出して、コンピュータ制御によりモータMを駆動して自動的に溝加工ツールを定角回転するようにすることも可能である。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものではない。例えば、上記実施例では溝加工ツール8の回転角度を表す目盛86を溝加工ツール8の周面に設けたが、これをツールホルダ12側に設けて、基準マーク12cを溝加工ツール8の周面に設けるようにしてもよい。その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明は、カルコパイライト化合物やテルル化カドミウムなどの化合物系半導体膜を用いた集積型薄膜太陽電池の製造に用いることのできるスクライブ装置に適用することができる。
W 太陽電池基板
P1、P2、P3 スクライブ溝
8 溝加工ツール
81 ボディ
82 テーパ部
83 底面
84 刃先
85 外周側面
86 目盛
10 スクライブヘッド
12 ツールホルダ
12b 締結具
12c 基準マーク
P1、P2、P3 スクライブ溝
8 溝加工ツール
81 ボディ
82 テーパ部
83 底面
84 刃先
85 外周側面
86 目盛
10 スクライブヘッド
12 ツールホルダ
12b 締結具
12c 基準マーク
Claims (5)
- ツールホルダを介して溝加工ツールを保持するスクライブヘッドと、加工すべき太陽電池基板を載置するテーブルとを備え、前記スクライブヘッドを太陽電池基板に対して相対的に移動させることにより前記溝加工ツールの刃先で前記太陽電池基板の表面に溝を加工するスクライブ装置であって、
前記溝加工ツールは、棒状のボディと、当該ボディの下部に形成された先細り状のテーパ部と、前記テーパ部の先端部、もしくは、当該テーパ部に連なって形成される円柱部の先端部の底面角部に形成された刃先とを備え、
前記溝加工ツールが、当該ツールの軸心の周りで所望の角度だけ回転できるように前記スクライブヘッドに保持されているスクライブ装置。 - 前記溝加工ツールが前記ツールホルダに回転可能に取り付けられて締結具により固定され、当該締結具を緩めることにより前記溝加工ツールを手で所望の角度だけ回転できるように形成されている請求項1に記載のスクライブ装置
- 前記溝加工ツールの露出した周面、もしくは、前記ツールホルダの外面にツールの回転角を表す目盛が設けられ、前記ツールホルダの外面、もしくは、前記溝加工ツールの周面で前記目盛に対応した位置に基準マークが設けられている請求項2に記載のスクライブ装置。
- 前記溝加工ツールが前記ツールホルダに取り付けられ、当該ツールホルダにモータが連結されており、このモータの回転によって前記溝加工ツールがツールホルダと共に当該ツールの軸心の周りで所望の角度だけ回転できるように形成されている請求項1に記載のスクライブ装置。
- 前記モータによる溝加工ツールの回転は、45°のピッチで定角回転ができるように設定されている請求項4に記載のスクライブ装置。
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JP (1) | JP2015192115A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114203857A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-18 | 凯盛光伏材料有限公司 | 一种cigs薄膜太阳能电池的刻划机构及其控制方法 |
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2014
- 2014-03-28 JP JP2014070214A patent/JP2015192115A/ja active Pending
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CN114203857A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-18 | 凯盛光伏材料有限公司 | 一种cigs薄膜太阳能电池的刻划机构及其控制方法 |
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