JP2015192112A - 溝加工ツール並びにこの溝加工ツールを取り付けたスクライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】刃先の先端形状を工夫してスクライブによる刃先先端の摩耗を抑制し、使用寿命を延ばした溝加工ツール並びにこれを取り付けたスクライブ装置を提供する。【解決手段】棒状のボディ81と、ボディ81下部に形成された先細り状のテーパ部82と、テーパ部82の先端部、又はテーパ部82に連なって形成される円柱部83の先端部に形成された刃先領域84とを備える溝加工ツールであって、刃先領域84は、水平な底面85と、底面85と円柱部83又はテーパ部82の外周側面86との角部を切除した面取り部87とによって形成されるようにする。【選択図】図2
Description
本発明は、カルコパイライト化合物やテルル化カドミウムなどを用いた化合物系等の集積型薄膜太陽電池を製造する際に用いられる溝加工ツール並びにこの溝加工ツールを取り付けたスクライブ装置に関する。
ここで、カルコパイライト化合物とは、CIGS(Cu(In,Ga)Se2)の他に、CIGSS(Cu(In,Ga)(Se,S)2)、CIS(CuInS2)等が含まれる。
ここで、カルコパイライト化合物とは、CIGS(Cu(In,Ga)Se2)の他に、CIGSS(Cu(In,Ga)(Se,S)2)、CIS(CuInS2)等が含まれる。
化合物半導体を光吸収層として用いる薄膜太陽電池においては、基板上に複数のユニットセルを直列接続した集積型構造が一般的である。
従来のカルコパイライト化合物系集積型薄膜太陽電池の製造方法について説明する。図5は、CIGS薄膜太陽電池の製造工程を示す模式図である。まず、図5(a)に示すように、ソーダライムガラス(SLG)等からなる絶縁基板21上に、プラス側の下部電極となるMo電極層22をスパッタリング法によって形成した後、スクライブ加工により下部電極分離用の溝P1を形成する。
その後、図5(b)に示すように、Mo電極層22上に、化合物半導体(CIGS)薄膜からなる光吸収層23を積層して、その上に、ヘテロ接合のためのZnS薄膜等からなるバッファ層24を形成し、さらにその上に、ZnO薄膜からなる絶縁層25を形成する。そして、下部電極分離用の溝P1から横方向に所定距離離隔した位置に、スクライブ加工によりMo電極層22にまで到達する電極間コンタクト用の溝P2を形成する。
続いて、図5(c)に示すように、絶縁層25の上からZnO:AI薄膜からなる上部電極としての透明電極層26を形成し、スクライブ加工により下部のMo電極層22にまで到達する電極分離用の溝P3を形成する。
上述した集積型薄膜太陽電池を製造する工程において、電極分離用の溝P2およびP3をスクライブにより溝加工する技術として、レーザスクライブ法とメカニカルスクライブ法が用いられてきた。
レーザスクライブ法は、例えば特許文献1で開示されているように、アークランプ等の連続放電ランプによって、Nd:YAG結晶を励起して発信したレーザ光を照射することにより電極分離用の溝を形成するものであるが、スクライブ時にレーザ光の熱によって光吸収層23の光電変換特性が劣化するおそれがあった。
また、メカニカルスクライブ法は、例えば特許文献2および特許文献3で開示されているように、先端が先細り状となった溝加工ツールの刃先を、所定の圧力をかけて基板に押しつけながら移動させることによって、電極分離用の溝を加工する技術である。現在ではこのメカニカルスクライブ法が多く行われている。
メカニカルスクライブ法で用いられる溝加工ツールは、一般的には安いコストで、かつ高精度に仕上げることのできる旋盤を使用した丸断面形状のものが多い。このような丸断面形状の溝加工ツールとして、図6(a)に示すような、棒状のボディ27の下方を先細り状の円錐台形のテーパ部28としてその先端を水平にカットし、水平な底面29の角部30を刃先としたものが特許文献2、3で開示されている。
また、加工される溝の左右側壁の平行度を精密に仕上げるために、図6(b)に示すような、テーパ部28の下部に上下均等な直径の円柱部31を形成し、その先端角部32を刃先としたものがある。ツール先端の水平な底面29は、溝加工の際に鋭利な刃先先端とすることによって、Mo電極層を傷つけないようにするために設けられたものである。
また、加工される溝の左右側壁の平行度を精密に仕上げるために、図6(b)に示すような、テーパ部28の下部に上下均等な直径の円柱部31を形成し、その先端角部32を刃先としたものがある。ツール先端の水平な底面29は、溝加工の際に鋭利な刃先先端とすることによって、Mo電極層を傷つけないようにするために設けられたものである。
この溝加工ツールを、薄膜太陽電池基板から離れないように一定の圧力で押しつけながら、スクライブ予定ラインに沿って相対的に移動させて溝加工を行うのであるが、被加工面の凹凸で溝加工ツールは慣性力による上下方向の力を受けてバウンドするため、それを抑えるためには一定の押圧力、例えば0.5N以上の力が必要となる。
しかし、溝加工ツールの刃先を上記の押圧力で薄膜太陽電池に押しつけながら使用していると、図7(a)の新品の状態から、加工溝の深さhに相当する外周側面と底面との刃先の角部30、32が太陽電池基板の膜との接触によって摩耗し、図7(b)に示すように、刃先の左右幅が小さくなるとともに切れ味が劣化する。刃先先端部の左右幅が小さくなると、加工される溝幅が狭くなって規定された寸法の溝を精度よく加工することができず、図5の電極分離用の溝P2、P3では充分な絶縁効果が得られない場合も発生する。また、刃先の切れ味が劣化すると、溝をきれいに加工することができないだけでなく、一部の薄膜が不規則に大きく剥がれて必要以上に除去してしまうことがあり、太陽電池の特性および歩留まりが低下するといった問題点があった。
しかし、溝加工ツールの刃先を上記の押圧力で薄膜太陽電池に押しつけながら使用していると、図7(a)の新品の状態から、加工溝の深さhに相当する外周側面と底面との刃先の角部30、32が太陽電池基板の膜との接触によって摩耗し、図7(b)に示すように、刃先の左右幅が小さくなるとともに切れ味が劣化する。刃先先端部の左右幅が小さくなると、加工される溝幅が狭くなって規定された寸法の溝を精度よく加工することができず、図5の電極分離用の溝P2、P3では充分な絶縁効果が得られない場合も発生する。また、刃先の切れ味が劣化すると、溝をきれいに加工することができないだけでなく、一部の薄膜が不規則に大きく剥がれて必要以上に除去してしまうことがあり、太陽電池の特性および歩留まりが低下するといった問題点があった。
図3(a)のグラフは、図6(b)に示した従来の溝加工ツールで太陽電池基板の溝を連続加工したときの溝幅の変化を示したものである。なお、ここで用いた溝加工ツールは、超硬合金製で刃先先端の直径が40μmのものを使用した。
その結果、加工距離が約40000mまでの場合において、溝幅は初期溝幅44μmから約27μmまで急激に減少した。具体的には、加工距離10000mで8μm、20000mで約13μm減少し、40000mでは実に初期溝幅44μmから約30%減少した。その後350000mまで計測を続けたところ、25〜30μmの間で略一定に推移することが判明した。これは、連続使用によって刃先の先端角部32が摩耗により損傷し、図7(b)上段に示したように細くなることに起因する。
したがって、溝幅減少率の許容範囲を20%とするならば、溝加工ツールの使用寿命は10000〜20000mで限界に達することになり、早期のツール交換が求められることになる。
その結果、加工距離が約40000mまでの場合において、溝幅は初期溝幅44μmから約27μmまで急激に減少した。具体的には、加工距離10000mで8μm、20000mで約13μm減少し、40000mでは実に初期溝幅44μmから約30%減少した。その後350000mまで計測を続けたところ、25〜30μmの間で略一定に推移することが判明した。これは、連続使用によって刃先の先端角部32が摩耗により損傷し、図7(b)上段に示したように細くなることに起因する。
したがって、溝幅減少率の許容範囲を20%とするならば、溝加工ツールの使用寿命は10000〜20000mで限界に達することになり、早期のツール交換が求められることになる。
上記の摩耗の変化は次のように考えられる。太陽電池基板の溝加工を行うとき、新品のツールでは、図7に示すようにツール外周側面の下端側から加工溝の深さhに相当する部分にかかる抵抗が大きいため、この部分の摩耗が急激に進行する。そして摩耗が一定程度進行した段階に達すると、加工溝の深さhに相当する外周側面と底面との角部30、32が図7(b)に示すように削られて、外周側面の摩耗と底面の摩耗とが均衡して図7(b)の刃先形態を略維持したまま進行するようになる結果、溝幅の急激な減少がなくなるものと考えられる。
このスクライブ初期において、加工溝の深さhに相当する外周側面と底面との刃先角部の摩耗する部分を、以下本発明では「初期スクライブによって摩耗する刃先角部の初期摩耗分」という。図3(a)では新品状態から加工距離約40000m使用後までの摩耗を指している。
なお、この「初期摩耗分」は、加工対象の太陽電池基板で実際に連続して溝加工の実験を行うことで、やがて一定の摩耗形状に収束するまで摩耗を続けることにより一義的に決定することができる。また、「初期摩耗分」は使用初期に見られる急激な変化分と定義することもできる。
なお、この「初期摩耗分」は、加工対象の太陽電池基板で実際に連続して溝加工の実験を行うことで、やがて一定の摩耗形状に収束するまで摩耗を続けることにより一義的に決定することができる。また、「初期摩耗分」は使用初期に見られる急激な変化分と定義することもできる。
本発明は上記した実験結果に着目し、刃先の先端形状に工夫を加えることによって、スクライブによる刃先先端の摩耗を抑制し、使用寿命を延ばすことができる溝加工ツール並びにこれを取り付けたスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の薄膜太陽電池用の溝加工ツールは、薄膜太陽電池基板の薄膜を剥離させて溝を形成する溝加工ツールであって、棒状のボディと、当該ボディの下部に形成された先細り状のテーパ部と、前記テーパ部の先端部、もしくは、当該テーパ部に連なって形成される円柱部の先端部に形成された刃先領域とを備え、前記刃先領域は、水平な底面と、当該底面と前記円柱部又は前記テーパ部の外周側面との角部を切除した面取り部とによって形成されている構成とした。
本発明の溝加工ツールは、スクライブ装置に組み込まれているスクライブヘッドのホルダに取り付けて使用される。スクライブの際、刃先領域となる水平な底面と外周側面との角部には面取り部が形成されているので、この面取り部によって切除される部分を先に述べた「初期摩耗分」とすることにより、スクライブ初期に発生する急激な初期摩耗がなくなり、刃先領域の急激な変形を抑制することができる。また、これにより、加工される溝幅を一定に保持して高精度の溝加工を行うことができると共に、ツール寿命を延ばすことができる。
本発明において、前記面取り部の高さが、加工される太陽電池基板の溝深さより大きい値である構成とするのがよい。
これにより、膜厚によって刃先角部にかかる溝加工時の抵抗が面取り部の傾斜面によって緩和され、刃先の急激な摩耗を抑制することができる。
これにより、膜厚によって刃先角部にかかる溝加工時の抵抗が面取り部の傾斜面によって緩和され、刃先の急激な摩耗を抑制することができる。
以下において、本発明の詳細を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る溝加工ツールを用いた集積型薄膜太陽電池用スクライブ装置の実施形態を示す概略的な正面図である。
スクライブ装置Aは、太陽電池基板Wを載置して保持するテーブル1を備えている。テーブル1は、水平なレール2に沿ってY方向(図1の前後方向)に移動できるようになっており、モータ(図示略)によって回転するネジ軸3により駆動される。さらに、テーブル1はモータを内蔵する回転駆動部4により水平面内で回動できるようになっている。
図1は本発明に係る溝加工ツールを用いた集積型薄膜太陽電池用スクライブ装置の実施形態を示す概略的な正面図である。
スクライブ装置Aは、太陽電池基板Wを載置して保持するテーブル1を備えている。テーブル1は、水平なレール2に沿ってY方向(図1の前後方向)に移動できるようになっており、モータ(図示略)によって回転するネジ軸3により駆動される。さらに、テーブル1はモータを内蔵する回転駆動部4により水平面内で回動できるようになっている。
テーブル1を挟んで設けてある両側の支持柱5、5と、X方向に水平に延びるビーム(横桟)6とを備えたブリッジ7が、テーブル1上を跨ぐようにして設けられている。
ビーム6には、X方向に水平に延びるガイド9が設けられ、このガイド9にはスクライブヘッド10がモータMによってX方向に移動できるように取り付けられている。
ビーム6には、X方向に水平に延びるガイド9が設けられ、このガイド9にはスクライブヘッド10がモータMによってX方向に移動できるように取り付けられている。
スクライブヘッド10の下部には、テーブル1上に載置される太陽電池基板Wの薄膜表面をスクライブ加工する溝加工ツール8を保持するホルダ11が設けられている。ホルダ11は、流体シリンダ12によって溝加工ツール8と共に昇降できるように形成されている。
図2は本発明に係る溝加工ツール8を示すものであって、図2(a)は全体形状を示す斜視図であり、図2(b)は刃先部分の拡大正面図である。この溝加工ツール8は、鋼材や超硬合金等の工具特性に優れた材料で作製される。
溝加工ツール8は、実質的にホルダ11への取付部となる断面円形の棒状のボディ81と、このボディ81の下部に一体的に形成された先細り状のテーパ部82と、テーパ部82の細くなった先端部で一体的に形成された正円柱体からなる細径の円柱部83と、この円柱部83の先端部分に形成された刃先領域84とからなる。ボディ81並びに円柱部83は、それぞれの軸心が同軸となるように形成するのがよい。これにより、ボディ81を旋盤などの加工機械のチャックで掴んで回転させ、バイトでボディ81の先端部分を研削することにより、容易かつ精密にテーパ部82並びに円柱部83を加工することができる。
溝加工ツール8は、実質的にホルダ11への取付部となる断面円形の棒状のボディ81と、このボディ81の下部に一体的に形成された先細り状のテーパ部82と、テーパ部82の細くなった先端部で一体的に形成された正円柱体からなる細径の円柱部83と、この円柱部83の先端部分に形成された刃先領域84とからなる。ボディ81並びに円柱部83は、それぞれの軸心が同軸となるように形成するのがよい。これにより、ボディ81を旋盤などの加工機械のチャックで掴んで回転させ、バイトでボディ81の先端部分を研削することにより、容易かつ精密にテーパ部82並びに円柱部83を加工することができる。
溝加工ツール8の刃先領域84は、円柱部83の水平な底面85と、この底面と円柱部83の外周側面86との角部を斜めに切除した面取り部87によって形成されている。この面取り部87によって切除される部分Sは、先に図3(a)に基づいて述べた40000mまでの初期摩耗分を含んでいる。すなわち、予め角部を面取りすることによってスクライブ初期の急激な溝幅の減少をなくすようにしたものである。ここでの初期摩耗分は、加工対象となる太陽電池基板で所定距離の溝加工の実験を行い、収束した摩耗形状を確認することで初期摩耗分を決定するようにしている。
そして図2(b)に示すように、円柱部83の水平な底面85と円柱部83の外周側面86との角部を実験的に求めた上記の初期摩耗分だけ斜めに面取りして刃先領域84を形成する。
そして図2(b)に示すように、円柱部83の水平な底面85と円柱部83の外周側面86との角部を実験的に求めた上記の初期摩耗分だけ斜めに面取りして刃先領域84を形成する。
具体的に説明すると、刃先領域84の外径寸法を、以下のように当該刃先領域84によって加工される太陽電池基板の溝幅および溝深さに応じて設定する。例えば、溝幅40μmで深さ3μmの溝を加工する場合は、面取り部87の下端部の直径D1が38μm、上端部の直径D2が50μmとする。面取り部87の高さHは、初期摩耗した部分の高さが溝の深さhよりも高いことを考慮して、溝の深さh(加工する膜の厚さ)より大きな寸法、例えば溝深さが3μmの場合は5〜15μmとするのがよい。また面取り部87の下端部の直径D1は、刃先領域84の下端の幅より数μm程度広い幅で形成されることから、形成しようとする溝幅よりも2〜5μm小さな寸法とし、面取り部87の上端部の直径D2は、形成しようとする溝幅よりも大きく、かつ直径D1よりも10〜15μm大きな寸法とするのがよい。
上述した溝加工ツール8を用いてスクライブ加工を行う際は、刃先領域84を下方に向けた姿勢で溝加工ツール8をスクライブヘッド10のホルダ11に取り付ける。そして、テーブル1をY方向に移動させて太陽電池基板Wのスクライブ予定ラインが溝加工ツール8の直下になるよう位置決めをした後に、溝加工ツール8を下動させてその刃先領域84を流体シリンダ12により太陽電池基板Wの表面に押しつけた状態でX方向に移動させてX方向のスクライブ加工を行う。また、太陽電池基板Wの表面にY方向のスクライブ加工を行う場合には、テーブル1を90度回転させて、上記と同様の動作を行う。
上記のスクライブ加工の際、溝加工ツールの刃先領域84となる水平な底面85と円柱部83の角部は、斜めに切除した面取り部87が形成され、この面取り部87によって初期スクライブによって摩耗する刃先角部の初期摩耗分が予め切除されているので、図3(a)で示した加工距離40000mまでの急激な初期摩耗がなくなり、図3(b)に示すように溝幅の変化をスクライブ初期から少なくとも約350000mまで略横ばいに推移させることができる。
これにより、刃先領域の摩耗による損傷を抑制して加工される溝幅を一定に保持し、高精度の溝加工を行うことができると共に、ツール寿命を延ばすことが可能となった。
これにより、刃先領域の摩耗による損傷を抑制して加工される溝幅を一定に保持し、高精度の溝加工を行うことができると共に、ツール寿命を延ばすことが可能となった。
上記実施例では、テーパ部82の下端を円柱部83に形成してその下端を刃先領域84としたが、図4に示すようにテーパ部82をそのまま延長させてその下端を刃先領域84とすることができる。この場合、折れにくくするためにテーパ部82の外周側面の角度αは20°程度が好ましいが、10°〜30°の範囲内で形成するようにしている。
また、刃先領域84に形成される面取り部87は、太陽電池基板Wに形成する溝深さより少し長い程度であって目視が困難な5μm程度の高さであるのに対し、テーパ部82は目視可能なミリオーダの長さであるので、面取り部87でのテーパ形状とは明らかに異なるものである。
また、刃先領域84に形成される面取り部87は、太陽電池基板Wに形成する溝深さより少し長い程度であって目視が困難な5μm程度の高さであるのに対し、テーパ部82は目視可能なミリオーダの長さであるので、面取り部87でのテーパ形状とは明らかに異なるものである。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものでなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明は、カルコパイライト化合物やテルル化カドミウムなどの化合物系半導体膜を用いた集積型薄膜太陽電池の製造に用いることのできる溝加工ツールに適用することができる。
A スクライブ装置
W 太陽電池基板
S 切除部分
P1、P2、P3 スクライブ溝
8 溝加工ツール
81 ボディ
82 テーパ部
83 円柱部
84 刃先領域
85 底面
86 外周側面
87 面取り部
10 スクライブヘッド
11 ホルダ
W 太陽電池基板
S 切除部分
P1、P2、P3 スクライブ溝
8 溝加工ツール
81 ボディ
82 テーパ部
83 円柱部
84 刃先領域
85 底面
86 外周側面
87 面取り部
10 スクライブヘッド
11 ホルダ
Claims (5)
- 薄膜太陽電池基板の薄膜を剥離させて溝を形成する溝加工ツールであって、
棒状のボディと、当該ボディの下部に形成された先細り状のテーパ部と、前記テーパ部の先端部、もしくは、当該テーパ部に連なって形成される円柱部の先端部に形成された刃先領域とを備え、
前記刃先領域は、水平な底面と、当該底面と前記円柱部又は前記テーパ部の外周側面との角部を切除した面取り部とによって形成されている溝加工ツール。 - 前記面取り部の高さが、加工される太陽電池基板の溝深さより大きい値である請求項1に記載の溝加工ツール。
- 前記面取り部の下端の直径は、加工される太陽電池基板の溝幅寸法よりも小さい値であり、
前記面取り部の上端の直径は、加工される太陽電池基板の溝幅寸法よりも大きな値である請求項1又は2に記載の溝加工ツール。 - 前記面取り部の下端の直径は、加工される太陽電池基板の溝幅寸法よりも2〜5μm小さい値であり、
前記面取り部の上端の直径は、前記面取り部の下端の直径よりも10〜15μm大きな値である請求項1又は2に記載の溝加工ツール。 - 前記請求項1〜4のいずれかに記載の溝加工ツールを、ホルダを介して保持するスクライブヘッドと、前記薄膜太陽電池基板を載置するテーブルを備え、前記スクライブヘッドを薄膜太陽電池基板に対して相対的に移動させることにより前記溝加工ツールの刃先で前記薄膜太陽電池基板の表面に溝を加工するようにしたスクライブ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014070210A JP2015192112A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 溝加工ツール並びにこの溝加工ツールを取り付けたスクライブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014070210A Pending JP2015192112A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 溝加工ツール並びにこの溝加工ツールを取り付けたスクライブ装置 |
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