JP2015191268A - 人物頭部検知装置及び姿勢推定装置 - Google Patents

人物頭部検知装置及び姿勢推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多大な労力と費用を必要とせずに人物頭部の位置又は距離の検知精度を向上可能とする人物頭部検知装置等を提供すること。【解決手段】本人物頭部検知装置は、対象物体の画像を取得し、前記対象物体までの距離を検知する距離検知手段と、前記距離検知手段からの前記画像及び前記距離の情報に基づいて所定数の画素からなる所定サイズ画像を生成し、前記所定サイズ画像において動体画像と背景画像とを分離する背景分離手段と、前記背景分離手段により背景画像が分離された動体画像の中から円形状の物体を検知する円検知手段と、前記円検知手段が検知した円形状の物体の半径r(pixel)と、前記距離検知手段から前記対象物体までの距離d(m)とに"A≰r?d≰B"の関係が成立する場合に、前記円形状の物体を人物頭部として判定する頭部判定手段と、を有し、前記A及びBの値は、前記所定サイズ画像において、成人の頭部の半径の大きさから統計的に求めた値(pixel)である。【選択図】図1

Description

本発明は、人物頭部検知装置及び姿勢推定装置に関する。
従来、2D−RGB(2次元画像)を用いた人物検知技術は多く存在している。又、人物検知技術を活用した商品として、例えば、デジタルカメラの自動焦点調整、監視カメラの侵入者報告機能、或いは、空調制御装置における温度や風向風量調整機能等が知られている。更に、近年では、人物の姿勢や行動を検知することで、その人物の次に行う行動を予測する、異常行動を検知する、ジェスチャーによるパーソナルコンピュータ等の機器操作やゲームのコントロールをするという研究や商品も多く見受けられる。
例えば、人体の位置(距離と向き)を検知する位置検知装置と、それを用いた気流制御の高精度化により、省エネルギー及び快適性の向上を可能とする空気調和機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この位置検知装置は、距離変位検知手段と、人物判別手段とを有しており、人物として形状特定化された距離変位領域までの方向及び距離を人物位置として検知する。
具体的には、距離変位検知手段は、TOF(Time Of Flight)方式の距離画像センサからの距離情報に基づいて、室内空間の物体までの距離変位を検知する。又、人物判別手段は、距離変位検知手段で検知された距離変位領域の物体を、既に登録された特定形状とのマッチングによって人物かどうか判別する。
又、距離画像算出手段と、頭部位置検知手段とを備えた頭部検知装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この頭部検知装置において、距離画像算出手段は、2台以上の撮像装置により(ステレオカメラ方式)得られた画像から距離画像を算出する。頭部位置検知手段は、距離画像算出手段で算出された距離画像を3次元空間内に展開し、XY平面に射影して頭部の大きさを正規化してから円あてはめ処理を行って頭部を検知する。
しかしながら、上記の位置検知装置では、距離画像から人物を判別する手法が、登録画像とのマッチングによるものであり、登録画像を収集するための労力や費用が多大であるという問題がある。又、上記の頭部検知装置では、ステレオカメラによる距離画像を算出するので、計算量が膨大になるうえ、エッジ部分での距離算出はできるが、面状全体での距離を算出しようとすると、更に膨大な演算が必要となるという問題がある。
すなわち、従来の人物検知技術は、その実現のために多くの形状パターンを登録したり、多くの学習用データを必要としたりする。特に、人の姿勢等の様々な形状が考えられるものを検知するためには、可能な限り想定される形状の登録及び学習を実施しないと、未検知及び誤検知等が多く発生し、検知性能の低下を招くことになる。このように、これまで実用化された人物検知技術では、形状登録及び学習のために多大な労力と費用を要している。
又、画像情報を用いた人物の頭部と距離を検知する手法では、頭部の検知精度の向上は期待できるものの、頭部までの距離を検知する場合、例えばステレオカメラによる三角測量で任意の複数のポイントを全部演算処理しようとすると計算量が膨大になり、多大な労力と費用を要する。そのため、これを実現する手段が高コストになることは避けられない。又、この手法では、エッジまでの距離は測定できるが、面状の全てのポイントでの距離測定することは実現性に乏しい。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、多大な労力と費用を必要とせずに人物頭部の位置又は距離の検知精度を向上可能とする人物頭部検知装置等を提供することを課題とする。
本人物頭部検知装置は、対象物体の画像を取得し、前記対象物体までの距離を検知する距離検知手段と、前記距離検知手段からの前記画像及び前記距離の情報に基づいて所定数の画素からなる所定サイズ画像を生成し、前記所定サイズ画像において動体画像と背景画像とを分離する背景分離手段と、前記背景分離手段により背景画像が分離された動体画像の中から円形状の物体を検知する円検知手段と、前記円検知手段が検知した円形状の物体の半径r(pixel)と、前記距離検知手段から前記対象物体までの距離d(m)とに"A≦r×d≦B"の関係が成立する場合に、前記円形状の物体を人物頭部として判定する頭部判定手段と、を有し、前記A及びBの値は、前記所定サイズ画像において、成人の頭部の半径の大きさから統計的に求めた値(pixel)であることを要件とする。
開示の技術によれば、多大な労力と費用を必要とせずに人物頭部の位置又は距離の検知精度を向上可能とする人物頭部検知装置等を提供できる。
本実施の形態に係る人物頭部検知装置の要部の構成を例示する図である。 本実施の形態に係る人物頭部検知装置における距離検知について説明する図である。 本実施の形態に係る人物頭部検知装置におけるハフ変換について説明する図である。 本実施の形態に係る人物頭部検知装置におけるフィルタ処理について説明する図(その1)である。 本実施の形態に係る人物頭部検知装置におけるフィルタ処理について説明する図(その2)である。 本実施の形態に係る人物頭部検知装置におけるフィルタ処理について説明する図(その3)である。 本実施の形態に係る頭部検知装置のフローチャートの一例である。 本実施の形態に係る姿勢推定装置の要部の構成を例示する図である。 本実施の形態に係る姿勢推定装置の動作について説明する図である。 本実施の形態に係る姿勢推定装置の姿勢判定手段の判定について説明する図である。 本実施の形態に係る頭部検知装置及び姿勢推定装置のフローチャートの一例である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図1は、本実施の形態に係る人物頭部検知装置の要部の構成を例示する図である。図1を参照するに、本実施の形態に係る人物頭部検知装置1は、人物の頭部の位置(方向と距離)を検知する装置であり、距離検知手段10と、人物頭部検知手段20とを備えている。距離検知手段10は、発光手段11と、受光手段12とを有する。距離検知手段10は、対象物体の画像を取得し、対象物体までの距離を検知する。
なお、人物頭部検知装置1を構成する各手段は、例えば、CPU、ROM、メインメモリ等を含み、各手段の機能は、ROM等に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現することができる。ただし各手段の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、各手段は、物理的に複数の装置により構成されてもよい。後述の姿勢推定装置5を構成する各手段に関しても同様である。
発光手段11は、投射光の発光タイミングの制御部と駆動部を含むLED(Light Emitting Diode)ドライバ111と、LEDドライバ111で駆動されて複数の投射光を発光するLEDモジュール112と、投射光の放射角度を調整するレンズ113とを備えている。
受光手段12は、対象物体からの反射光の入射角度を調整するレンズ121と、受光した反射光から対象物体までの距離に応じた信号を複数の画素夫々から出力するTOF距離画像センサ122とを備えている。
TOF距離画像センサ122は、反射光を受光して光電変換により夫々の信号電荷を生成する画素アレイ部1221と、各画素で生成された信号を増幅させるバッファアンプ1222と、信号の読み出しタイミング信号を生成するTG(Timing Generator)1223と、バッファアンプ1222からのアナログ出力をディジタル信号に変換して出力するADC(Analog to Digital Converter)1224とを備えている。TOF距離画像センサ122は、対象物体までの距離に対応する夫々の画素の距離データを、例えば16ビットのディジタル信号として後段の人物頭部検知手段20に出力する。
人物頭部検知手段20は、背景分離手段21と、頭部検知手段22とを備えている。背景分離手段21は、例えば、背景統計量の累積手法に基づいて動体画像と背景画像とを分離する。具体的には、例えば、受光手段12からの各画素の距離データをもとに、距離変化のない部分を背景画像とし、距離変化のある部分を動体画像として夫々を分離する。
頭部検知手段22は、円検知手段221と、誤検知防止手段222と、頭部判定手段223とを備えており、背景分離手段21で分離された動体画像の中から人物の頭部を検知する。具体的には、円検知手段221は、画像内の円形に近い物体をハフ変換により検知する。誤検知防止手段222は、人物頭部の特徴によってフィルタ処理を行い、円検知手段221で検知した円の中から適切な円を抽出する。頭部判定手段223は、最終的に検知した円の中から人物の頭部を判定する。
例えば、図2(a)に示すように、距離検知手段10において、光源である発光手段11から距離計測の対象物体Sに対して投光信号(投射光)が投射され、投光信号の対象物体Sからの反射信号(反射光)を受光手段12が受光する。人物頭部検知手段20は、受光手段12からの受光情報に基づいて対象物体Sとしての人物頭部を検知する。
具体的には、投光信号の速度をc(光速)、投光信号の投射から反射信号の受光までの時間(光の飛行時間)をTとすると、受光手段12からの受光情報に基づいて対象物体Sまでの光の飛行時間Tを検知することができる。そして、下記に示す式(1)のように、既知の光の速度cとの演算により、対象物体Sまでの距離Lを求めることができる(TOF技術)。画素アレイ部1221は複数の画素から構成されているため、画素毎の複数点の位置情報を用いて、立体的に高精度に人物頭部の位置(方向と距離)を検知することができる。
L=c×T/2・・・・・式(1)
より詳しく説明すると、TOF距離画像センサ122の画素アレイ部1221は、例えば、数万画素が平面上にマトリクス状に配列された構成とすることができる。そして、画素アレイ部1221の1画素単位には、例えば、対象物体Sからの反射光を受光する受光部が中央部に光電変換領域として設けられている。
又、画素アレイ部1221の1画素単位には、中央部の光電変換領域の両側に、第1及び第2の電荷転送ゲートを介して画素出力電極が設けられている。そして、各画素出力電極から読み出される各信号電荷を、タイミング的に第1及び第2の電荷転送ゲートへの相反するゲート信号によって振り分けている。
すなわち、対象物体Sまでの距離Lに相当した光の飛行時間(遅れ時間)に依存して分配された信号電荷を各画素出力電極から出力し、その信号電荷は夫々、距離に応じた出力電圧情報に変換されて、TOF距離画像センサ122から距離情報として出力される。
具体的には、図2(b)に示すように、距離検知手段10において、光源である発光手段11から対象物体Sに対してパルス光である投光信号を投射し、投光信号と反射信号の位相差を計測することにより、距離を測定することができる。投光信号と反射信号の位相差は、例えば、投光信号と位相をずらして複数の受光を行い、夫々の位相の電荷を蓄積及び平均化し、その変化を比較することで計測できる。
図2(b)に示す受光Aは、投光信号に対して位相差が0degである第1の電荷転送ゲートを介して画素出力電極から出力される信号である。又、図2(b)に示す受光Bは、投光信号に対して位相差が180degである第2の電荷転送ゲートを介して画素出力電極から出力される信号である。
受光部と対象物体Sとの距離が0(m)の場合には受光Aの出力として100%の電圧が発生し、受光Bの出力として0%の電圧が発生する(全く電圧が発生しない)。受光A及びBの出力は受光部と対象物体Sとの距離が遠ざかるに従って変化し、投光信号と反射信号との位相差φでは、図2(b)の斜線の部分を積分した電圧が出力される。そして、受光A及びBの出力の差により位相差を推測し、距離の算出を行う。なお、2つの位相(受光A及びB)だけではなく、より多くの位相の受光出力を比較することにより、距離検知の精度を向上できる。
ここで、円検知手段221におけるハフ変換による円検知について詳説する。直交座標上の点(xi、yi)を通る全ての円は、下記に示す式(2)の通りに円の中心点(a、b)と半径(r)で表わされる。点(xi、yi)をa、b、rの組み合わせに変換することをハフ変換という。
=(xi−a)+(yi−b)・・・・・式(2)
図3は、左側に示す円上の点(x1、y1)、点(x2、y2)、及び点(x3、y3)を右側のハフ変換した空間上に示したものである。図3に示すように、ハフ変換した空間上で表される円が共有する点kがあれば、それは元のxy直交座標上では(xi、yi)を通る1個の円の中心となる。
本実施の形態では、式(2)に下記に示す式(3)を代入することで、下記に示す式(4)のように2次元ハフ空間(a、b)に変換し、半径(r)を変化させながら直交座標上の点(xi、yi)を最も多く通る円の中心座標(a、b)と半径(r)を検知する。
r=(xi−a)/cosθ・・・・・式(3)
b=a×tanθ−xi×tanθ+ yi・・・・・式(4)
ハフ変換を用いて検知された円には、人物の頭部以外の物体も含まれていることが往々にしてある(誤検知)。この誤検知があると、精度のよい検知装置とは言えなくなり、実使用上で利用ケースが極端に減ってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、誤検知防止手段222のフィルタ処理により、誤検知を防止している。誤検知防止手段222による処理には、人物の頭部を表す特徴量をTOF距離画像センサ122から得られた距離データを使って表す工夫がされている。例えば、そのうちの一つとして、人物の頭部の大きさは、ある範囲内に収まる大きさであるという特徴を持っている。
身長170cm程度の一般の成人の場合、距離1mにおける画像サイズVGA(640画素×480画素)に表される頭部の大きさは、統計的なデータに基づいて、半径の範囲が50画素〜100画素の範囲に入ると言える。又、統計的なデータ(例えば、経済産業省統計データ等)に基づいて、身長170cm程度の一般成人の頭部半径は、8〜8.8cm程度である。この頭部半径は、対象物体までの距離に反比例している。
従って、図4に示すように、対象物体が人物頭部である場合、その対象物体までの距離d(m)とVGA画像に描画される対象物体の半径r(pixel(画素))の間には、下記に示す式(5)の関係が成り立つと言える。言い換えれば、式(5)が成立する場合には、対象物体が人物頭部である確率が高いと言える。
50≦r×d≦100・・・・・式(5)
又、対象物体が受光手段12に最接近した場合に、人物頭部の大きさから所定の閾値を算出し、その閾値未満のもののみを人物頭部とする条件を誤検知防止手段222による処理に追加することも有効である。
加えて、人物頭部が胴体に繋がっているという特徴を活かし、図5に示すように、上述の動体画像から円検知した対象物体(円形状の物体)の中心からx方向(水平方向)の右方向にr/2移動したポイントをR、左方向にr/2移動したポイントをLとする。そして、更に、Rからy下方向(重力方向)に2r移動したポイントをRD、Lからy下方向に2r移動したポイントをLDとする。
この場合、検知した円の中心までの距離cd(m)とRDまでの距離rd(m)、及び検知した円の中心までの距離cd(m)とLDまでの距離ld(m)がほとんど同じ距離範囲に存在することが言える。この特徴より、検知物体において、下記に示す式(6)及び式(7)の関係が成り立てば、それが人物頭部である確率が高いと言える。
式(6)及び式(7)における『0.3(30cm)』という値は統計的に求めたものであり、必ずしも『0.3(30cm)』に限定されるものではない。
|cd−rd|≦0.3・・・・・式(6)
|cd−ld|≦0.3・・・・・式(7)
図6は、VGA画像サイズから切り抜いた一部の実験画像を示している。図6では、発光手段11の投射光が人物に反射した反射光を受光手段12で受光し、人物頭部検知手段20で人物頭部を検知した結果を画像上の円で示している。又、図6では、検知した円(画像上の円)の中心、半径r、上述の測距ポイントであるRD及びLDを描画している。
図7は、本実施の形態に係る頭部検知装置のフローチャートの一例を示すものである。TOF距離画像センサ122から入力される距離情報をもとに、まず、背景分離手段21がグレイスケールのVGAサイズの形状画像に変換する。そして、ステップS101において、円検知手段221は、グレイスケールのVGAサイズの形状画像を使いハフ変換等を用いた円形状の検知(円検知)を行う。
ステップS101で円を検知した場合には、ステップS102において、誤検知防止手段222は、検知された円を有する距離画像から、検知された円の半径(r(pixel))と中心までの距離情報(d(m))を抽出する。そして、検知された円の半径(r)が70pixel以下であるか否かを判定する。なお、ここで半径の最大範囲をVGAサイズ画像上で70pixel以下とすることは一例である。
ステップS102で半径(r)が70pixel以下であると判定した場合には、ステップS103において、誤検知防止手段222は、検知した円の半径と中心までの距離の関係をr×dで抽出し、その値が50以上であるか否かを判定する。ステップS103でr×dの値が50以上であると判定された場合には、ステップS104において、誤検知防止手段222は、r×dの値が100以下であるか否かを判定する。
ステップS104でr×dの値が100以下であると判定した場合には、ステップS105において、誤検知防止手段222は、左右の胸部位置と目される部分の距離を抽出し、右側の距離差分|cd−rd|が0.3m以下であるか否かを判定する。ステップS105で|cd−rd|が0.3m以下であると判定した場合には、ステップS106において、誤検知防止手段222は、左側の距離差分|cd−ld|が0.3m以下であるか否かを判定する。
ステップS106で左側の距離差分|cd−ld|が0.3m以下であると判定した場合には、ステップS107において、頭部判定手段223は、頭部であると判定する。すなわち、ステップS101〜S106の条件が全てそろった対象物体のみが、ステップS107において頭部として検知される。
図8は、本実施の形態に係る姿勢推定装置の要部の構成を例示する図である。図8を参照するに、本実施の形態に係る姿勢推定装置5は、姿勢推定手段50を有する。姿勢推定手段50は、距離算出手段51と、空間認識手段52と、姿勢判定手段53とを有する。
姿勢推定装置5は、図1に示す人物頭部検知装置1で検知した人物頭部の中心座標と人物頭部の中心までの距離(X(m))を入力とし、人物頭部の中心と床面との距離(L)を算出する装置である。
距離算出手段51は、人物頭部検知装置1で検知した人物頭部と床面との距離を算出する。空間認識手段52は、受光手段12で描画できる範囲内での空間に存在する物体を予め登録する。姿勢判定手段53は、距離算出手段51から出力された人物頭部と床面までの距離と、空間認識手段52で登録されたその空間に存在する物体とを考慮して、対象人物の姿勢を判定する。
より詳しくは、距離算出手段51は、人物頭部検知装置1から入力された人物頭部の中心座標(x、y)と、人物頭部から人物頭部検知装置1までの距離Xに基づいて、人物頭部と床面との距離を算出する。例えば、図9は、人物頭部検知装置1に搭載された距離検知手段10(例えば、距離カメラ等)で撮像されるVGAサイズ画像1a内に人物頭部を検知した場合を示している。図9の場合、検知した人物頭部の中心座標1b(x、y)と距離検知手段10の受光手段12の中心座標1cとの距離Xが出力される。
ここで、受光手段12を設置した時の水平方向との間に生じた仰角φと、受光手段12の下面から床面1dとの距離h(高さ)と受光手段12の垂直方向の視野角(ρ)が既知であるとする。その場合、受光手段12の視野角の真ん中を飛行する光線と受光手段12から検知した人物頭部の中心座標1bに飛行する光線が成す角度ωは、下記に示す式(8)で算出できる。
ω=(ρ/480)×(y−480/2)・・・・・式(8)
又、受光手段12から人物頭部の中心座標1bに飛行する光線と水平線とが成す角度θは、下記に示す式(9)で算出できる。
θ=φ−ω・・・・・式(9)
又、検知した人物頭部の中心座標1bから床面1dまでの距離L(高さ)は、下記に示す式(10)で算出できる。
L=h−Xsin(φ−ω)・・・・・式(10)
姿勢判定手段53は、距離算出手段51で算出された人物頭部と床面との距離Lに基づいて、頭部を検知されている人物の姿勢を判定することができる。姿勢判定手段53は、例えば、距離Lを所定閾値la及びlbと比較し、下記に示す式(11)が成り立つ場合は、『立っている姿勢』と判定することができる(図10(a))。又、下記に示す式(12)が成り立つ場合は、『座っている姿勢』と判定することができる(図10(b))。又、下記に示す式(13)が成り立つ場合は、『寝ている姿勢』と判定することができる(図10(c))。
L≧la・・・・・式(11)
la<L<lb・・・・・式(12)
L≦lb・・・・・式(13)
図11は、本実施の形態に係る頭部検知装置及び姿勢推定装置のフローチャートの一例を示すものである。まず、ステップS201において、人物頭部検知装置1の距離検知手段10が距離を検知し、画像及び距離の情報を人物頭部検知手段20に送る。次に、ステップS202において、人物頭部検知手段20の背景分離手段21が背景を分離してグレイスケールのVGAサイズの形状画像に変換する。
次に、ステップS203及びS204において、頭部検知手段22は、グレイスケールのVGAサイズの形状画像を使いハフ変換等を用い、頭部の検知及び追跡を行う。そして、検知した人物頭部の中心座標と人物頭部の中心までの距離を姿勢推定装置5に送る。なお、頭部の検知等の詳しい手法については、前述の通りである。
次に、ステップS205において、姿勢推定装置5の距離算出手段51が人物頭部と床面との距離を算出する。なお、人物頭部と床面との距離を算出する詳しい手法については、前述の通りである(図9等参照)。次に、ステップS206において、姿勢推定装置5の姿勢判定手段53が距離算出手段51で算出された人物頭部と床面との距離に基づいて、頭部を検知されている人物の姿勢を判定する。なお、姿勢判定の詳しい手法については、前述の通りである(例えば、式(11)〜式(13)等参照)。
ステップS206の後に、ステップS207に示す空間認識のステップを追加してもよい。具体的には、例えば、予め距離検知手段10から提供される画像の範囲に物体の位置座標を指定しておく。例えば、物体として椅子の位置座標を指定しておくことにより、指定された位置座標で頭部を検知された人物が『座っている姿勢』であった場合、その人物は『椅子に座っている』と判定することができる。同様に、好適な物体の位置座標を指定しておくことにより、『しゃがみ込んでいる』、『床に倒れている』、『ベッドで寝ている』等と判定することができる。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 人物頭部検知装置
5 姿勢推定装置
10 距離検知手段
11 発光手段
12 受光手段
20 人物頭部検知手段
21 背景分離手段
22 頭部検知手段
50 姿勢推定手段
51 距離算出手段
52 空間認識手段
53 姿勢判定手段
111 LEDドライバ
112 LEDモジュール
113 レンズ
121 レンズ
122 TOF距離画像センサ
221 円検知手段
222 誤検知防止手段
223 頭部判定手段
1221 画素アレイ部
1222 バッファアンプ
1223 TG
1224 ADC
特開2009−174830号公報 特開2005−092451号公報

Claims (6)

  1. 対象物体の画像を取得し、前記対象物体までの距離を検知する距離検知手段と、
    前記距離検知手段からの前記画像及び前記距離の情報に基づいて所定数の画素からなる所定サイズ画像を生成し、前記所定サイズ画像において動体画像と背景画像とを分離する背景分離手段と、
    前記背景分離手段により背景画像が分離された動体画像の中から円形状の物体を検知する円検知手段と、
    前記円検知手段が検知した円形状の物体の半径r(pixel)と、前記距離検知手段から前記対象物体までの距離d(m)とに"A≦r×d≦B"の関係が成立する場合に、前記円形状の物体を人物頭部として判定する頭部判定手段と、を有し、
    前記A及びBの値は、前記所定サイズ画像において、成人の頭部の半径の大きさから統計的に求めた値(pixel)である人物頭部検知装置。
  2. 前記背景分離手段は、背景統計量の累積手法に基づいて動体画像と背景画像とを分離し、
    前記円検知手段は、ハフ変換の手法に基づいて円形状の物体を検知する請求項1記載の人物頭部検知装置。
  3. 前記頭部判定手段は、前記関係が成立し、かつ、前記円形状の物体の半径が前記所定サイズ画像上の統計的な頭部半径から算出した所定閾値未満であるという第2の関係が成立した場合に前記円形状の物体を人物頭部として判定する請求項1又は2記載の人物頭部検知装置。
  4. 前記頭部判定手段は、前記関係が成立し、かつ、" |cd−rd|≦C、かつ、|cd−ld|≦C"という第3の関係が成立する場合に前記円形状の物体を人物頭部として判定する請求項1乃至3の何れか一項記載の人物頭部検知装置。
    ここで、rは前記円形状の物体の半径、Rは前記円形状の物体の中心から右方向にr/2移動したポイント、Lは前記中心から左方向にr/2移動したポイント、RDは前記Rから下方向に2r移動したポイント、LDは前記Lから下方向に2r移動したポイント、cdは前記距離検知手段から前記中心までの距離、rdは前記距離検知手段から前記RDまでの距離、ldは前記距離検知手段から前記LDまでの距離、Cは統計的に求めた距離である。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項記載の人物頭部検知装置が検知した人物頭部及び前記人物頭部までの距離に基づいて、所定の面から前記人物頭部までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段が算出した前記距離に基づいて、前記人物頭部を備えた人物の姿勢を推定する姿勢判定手段と、を有する姿勢推定装置。
  6. 前記姿勢判定手段は、
    前記距離が第1の閾値以上であれば前記人物は『立っている姿勢』と推定し、
    前記距離が第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下であれば前記人物は『寝ている姿勢』と推定し、
    前記距離が前記第1の閾値よりも小さく、かつ、前記第2の閾値よりも大きければ『座っている姿勢』と推定する請求項5記載の姿勢推定装置。
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