JP2015191111A - 光分岐挿入装置、光スイッチおよび製造方法 - Google Patents

光分岐挿入装置、光スイッチおよび製造方法 Download PDF

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克己 中津原
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喜紀 端山
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Abstract

【課題】 半導体により形成された導波路を用いた光分岐挿入装置、該光分岐挿入装置を含む光スイッチ、および光分岐挿入装置の製造方法を提供すること。【解決手段】 本光分岐挿入装置100は、半導体で形成され、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する導波路構造と、導波路構造中に形成され、入力部からの光信号を分岐させる分岐素子114と、分岐素子114により分岐された光信号がそれぞれ伝播する導波路構造中の複数の導波路であって、互いに略同一のグレーティングが形成された複数のグレーティング導波路120,122と、複数のグレーティング導波路120,122のグレーティングに接して形成され、電気的に屈折率が変化する媒体層140と、媒体層140上に形成された電極層144とを含む。電極層140に対する印加電圧に応じて、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出が切り替えられる。【選択図】 図1

Description

本発明は、光分岐挿入装置に関し、より詳細には、半導体により形成された導波路を用いた光分岐挿入装置、該光分岐挿入装置を含む光スイッチ、および光分岐挿入装置の製造方法に関する。
波長分割多重方式(WDM:Wavelength Division Multiplex)は、複数の異なる波長の光信号を一つのファイバで伝送する光通信方式である。光通信ネットワークにおいて通信路を増加させずに大容量化および高速化を図れることから、WDMによる光通信ネットワークの実現が期待されている。光通信ネットワークにおいては、光信号のルーティングの際に光スイッチが必要となり、光スイッチとしては、特定波長のチャネルに対し、光の分岐、挿入および切替を行う機能が要求される。
これまで、再構成可能な光分岐挿入岐装置として、非特許文献1に開示された技術が知られている。非特許文献1は、熱光学効果を用いたシリコングレーティング導波路に基づく再構成可能な光分岐挿入装置を開示する。非特許文献1に開示される光スイッチは、シリコン導波路と、方向性カプラと、シリコン導波路中に形成されたシリコングレーティングとを備える。シリコングレーティング上に金属薄膜の加熱素子および電極パッドが設けられ、加熱素子を発熱させることにより、シリコンの屈折率を変化させ、波長選択的に光の分岐、挿入が行われる。
また、本発明者等は、非特許文献2において、強誘電性液晶を装荷したシリコングレーティング導波路構造の光波長可変フィルタを報告している。
T. Chu, et al.,"Tunable Optical Add-Drop Multiplexer Based on Silicon Photonic Wire Waveguides",IEEE Photonics Technology Letters,Vol. 18,No. 13,July 2006. A. Kato, et al.,"A Sampled Grating in an SOI Waveguide for Narrow-band Tunable Wavelength Filter",OECC2013, ThK3-6, Kyoto, Japan, July, 2013.
しかしながら、上記非特許文献1に開示される従来技術では、熱光学効果により屈折率を変化させている。このため、光スイッチの切り替え時のみならず、状態を維持する際にも絶えず温度を維持する必要があり、消費電力の観点から充分なものではなかった。さらに、高密度に集積した場合の素子間の熱干渉の観点から充分なものではなかった。また、スイッチング動作の応答速度の観点からも充分なものではなかった。上記非特許文献2に開示される従来技術では、1入力1出力であるため、反射光を取り出すことが難しかった。
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、状態維持のための消費電力を低減し、素子間の干渉が起こり難く、応答速度も改善された、波長チャネル選択的に光信号の分岐および挿入を切り替えることが可能な、新規な光分岐挿入装置、光スイッチおよび製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、下記特徴を有する光分岐挿入装置を提供する。本光分岐挿入装置は、半導体で形成され、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する導波路構造を有する。上記導波路構造中には、入力部からの光信号を分岐させる分岐素子と、該分岐素子により分岐された光信号がそれぞれ伝播する複数の導波路であって、互いに略同一のグレーティングが形成された複数のグレーティング導波路とが形成される。本光分岐挿入装置は、さらに、上記複数のグレーティング導波路のグレーティングに接して形成され、電気的に屈折率が変化する媒体層と、媒体層上に形成された電極層とを含み、上記電極層に対する印加電圧に応じて、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出が切り替えられる。
本発明によれば、また、1以上の光分岐挿入部を含む光スイッチであって、光分岐挿入部が、それぞれ、半導体で形成され、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する導波路構造と、導波路構造中に形成され、入力部からの光信号を分岐させる分岐素子と、分岐素子により分岐された光信号がそれぞれ伝播する導波路構造中の複数の導波路であって、互いに略同一のグレーティングが形成された複数のグレーティング導波路と、複数のグレーティング導波路のグレーティングに接して形成され、電気的に屈折率が変化する媒体層と、媒体層上に形成された電極層とを含む。上記光スイッチでは、上記電極層に対する印加電圧に応じて、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出が切り替えられる。
本発明によれば、さらに、光分岐挿入装置を製造する製造方法が提供される。本製造方法は、半導体層をパターニングして、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する導波路構造であって、導波路構造中の入力部からの光信号を分岐させる分岐素子と、該分岐素子により分岐された光信号をそれぞれ伝播させ、互いに略同一のグレーティングが形成された導波路構造中の複数のグレーティング導波路とを含む導波路構造を形成する工程と、上記複数のグレーティング導波路のグレーティングに接し、かつ、上記半導体層と電極層との間に、電気的に屈折率が変化する媒体層を形成する工程とを含む。
上記構成により、状態維持のための消費電力を低減し、素子間の干渉が起こり難く、応答速度も改善された、波長チャネル選択的に光信号の分岐および挿入を切り替えることが可能な、新規な光分岐挿入装置、光スイッチおよび製造方法が提供される。
本発明の実施形態による光分岐挿入装置の構造の模式図。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置における(A)導波路の断面図および(B)グレーティング導波路のグレーティング構造の断面図。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置の製造方法を示す図。 他の実施形態による光分岐挿入装置におけるグレーティング導波路のグレーティング構造の断面図。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置の素子構成を示す模式図。 (A,B)出力ポートおよび抜出ポートの理論特性を示すグラフおよび(C,D)出力ポートおよび抜出ポートの測定された出力特性を示すグラフ。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置における波長選択的なスイッチ動作を説明する図。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置を複数集積させた光スイッチの例を示す図。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置を複数集積させた光スイッチの他の例を示す図。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置を複数集積させた光スイッチのさらに他の例を示す図。 本発明の実施形態による光分岐挿入装置を複数集積させた光スイッチのまたさらに他の例を示す図。
以下、本発明の実施形態について、図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明の実施形態は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態による光分岐挿入装置は、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する半導体の導波路構造を有し、この導波路構造中に、互いに略同一のグレーティングが形成された複数のグレーティング導波路を備えた、干渉型の光分岐挿入装置である。本光分岐挿入装置は、上記複数のグレーティング導波路のグレーティングに接して形成された電気的に屈折率が変化する媒体層と、上記媒体層上に形成された電極層とを含む。上記電極層に対する印加電圧に応じて、上記媒体層の屈折率が変化し、これに伴い上記複数のグレーティング導波路の等価屈折率が変化する。これによって、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出が切り替えられるよう構成されている。
以下、図1〜図7を参照しながら、本発明の実施形態による光分岐挿入装置について説明する。図1は、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100の構造を模式的に示す図である。図1(A)は、斜視図を示し、図1(B)は、側面図を示す。
図1に示す光分岐挿入装置100は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いたシリコン導波路を基本として構成されており、下部シリコン層102と、二酸化シリコンなどの絶縁層104と、導波路が形成されたガイド層106とを含み構成される。
ガイド層106には、フォト・リソグラフィ法などにより、所定の導波路構造がパターニングされている。導波路構造には、2つのマルチモード干渉(MMI:Multi-Mode Interferometer)カプラ114,128と、略同一のグレーティングを有する2つの並列なグレーティング導波路120,122とが形成されている。図1に示す光分岐挿入装置100は、Mach−Zehnder干渉計型の構造を有している。
導波路構造には、入力(INPUT)ポート110、抜出(DROP)ポート112、出力(THROUGH)ポート130および挿入ポート(ADD)132が形成されている。入力ポート110および抜出ポート112は、それぞれ、第1のMMIカプラ114に接続され、第1のMMIカプラ114からは、両グレーティング導波路122,122それぞれへアーム116,118が延びている。両グレーティング導波路122,122のもう一方側からは、それぞれ第2のMMIカプラ128へアーム124,126が延びており、第2のMMIカプラ128は、出力ポート130および挿入ポート132それぞれへ接続される。
入力ポート110には、典型的には、波長分割多重方式の光信号が入力される。第1のMMIカプラ114は、入力ポート110からの光信号を等分岐させて複数のグレーティング導波路120,122各々へ伝搬させるとともに、複数のグレーティング導波路120,122各々で反射された特定波長チャネルの光信号を抜出ポート112へ合流させる。第1のMMIカプラ114は、本実施形態における分岐素子および第1の分岐合流素子を構成する。
第2のMMIカプラ128は、挿入ポート132からの光信号を分岐させて両グレーティング導波路120、122各々に伝搬させる。第2のMMIカプラ128は、同時に、入力ポート110から複数のグレーティング導波路120、122を透過してきた特定波長以外の波長チャネルの光信号および挿入ポート132からの複数のグレーティング導波路120,122各々で反射された特定波長チャネルの光信号を出力ポート130へ合流させる。第2のMMIカプラ128は、本実施形態における第2の分岐合流素子を構成する。
グレーティング導波路120,122は、典型的には、ガイド層106の表面をエッチングして形成された表面レリーフグレーティングとして構成される。グレーティング導波路120,122は、所定のBragg波長を有しており、Bragg波長を中心とした鋭利な波長選択性を有するストップバンドを示す。グレーティング導波路120,122のグレーティング構造は、電子線ビーム・リソグラフィ法でなどによって作成される。
本実施形態においては、ガイド層106上には、電極層144が設けられており、ガイド層106および電極層144に挟まれるように、グレーティング導波路122,122に接して媒体層140が形成されている。媒体層140は、液晶または電気光学結晶といった、印加電圧に応じて屈折率を変化させられる材料で形成される。
電力消費を低減する観点からは、好ましい実施形態では、媒体層140として、強誘電性液晶材料(FLC:Ferro-electric Liquid Crystal)を用いることができる。以下、説明する実施形態では、媒体層140にFLCを用いるものとして説明を続ける。
FLCは、配向をそろえるためのラビング処理が行われた後に注入され、特定の配向特性を有する。FLC分子の配向方向は、FLCに印加される電圧に応じて傾き、屈折率を変化させる。このFLCをクラッド層として用いることで、グレーティング導波路120,122のBragg条件を変化させ、波長選択性を与えることが可能となる。強誘電性液晶材料は、他の電気光学効果に比べて大きな屈折率差を有し、かつ、双安定性を有している。FLCが有する双安定性により、電力消費することなくスイッチ状態を維持することが可能となる。このような観点から、媒体層140として、FLCを好適に用いることができる。
電極層144は、酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO:Aluminum doped Zinc Oxide)やガリウムドープ酸化亜鉛(GZO:Gallium doped Zinc Oxide)などの透明電極材料などを用いることができる。
電極層144と、ガイド層106との間には、外部電源からの電圧が印加されており、電極層144およびガイド層106の間に挟まれた媒体層140に所定方向の電界が印加される。
FLC分子は、光異方性を有し、電極層144の表面に被覆される配向膜142によって初期配向が与えられる。そして、上部クラッドとして装荷したFLCへの印加電界の方向を変えることで、光の伝播方向に対するFLC分子の配向方向を初期配向から±θtiltで変化させることができる。
導波路から媒体層140に染み出したエバネッセント成分は、印加電圧の極性による媒体層140の屈折率変化の影響を受ける。このため、媒体層140を装荷したグレーティング導波路120,122における等価屈折率(TE偏光に対する屈折率)が変化し、グレーティング導波路120,122のストップバンドの中心波長であるBragg波長がシフトする。これにより、印加電圧に応答して、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出の切り替えが実現される。
グレーティング導波路120,122は、UG(Uniform Grating)構造またはSG(Sampled Grating)構造を有することができる。ストップバンドを狭くする観点からは、好ましい実施形態では、グレーティング導波路120,122としては、UG構造に対して周期的にグレーティング構造を間引いた構造を有するSG構造を採用することができる。SG構造を採用することで、結合係数を等価的に低減することが可能となる。
また、グレーティング領域間の位相整合を取り易くする観点からは、より好ましい実施形態では、SG構造を構成するグレーティング領域およびスペース領域におけるスペース領域に、Bragg波長の異なる短周期のサブグレーティング領域を同一のデューティ比で設けることができる。これによって、SG構造全体として等価屈折率が一定となるようにし、位相整合を容易とすることが可能となる。
図2は、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100における(A)導波路の断面図および(B)グレーティング導波路120,122のグレーティング構造の断面図である。図2に示す実施形態では、導波路構造は、厚みDを有するガイド層106をパターニングして形成されたリブ型導波路であり、リブ型導波路は、高さHおよび幅Wを有する。
パターニングされたガイド層106上には、スペーサ層として、二酸化シリコン層108が堆積されており、そのうちのグレーティング導波路120,122に対応する領域で二酸化シリコン層108が除去されている。二酸化シリコン層108の除去された空間にFLCが充填され、媒体層140が構成される。グレーティング導波路120,122に対応する領域以外の部分を二酸化シリコン層108で覆いクラッドとすることによって、他の部分の屈折率がFLCにより変化しないよう保護している。
図2(B)に示すように、好ましい実施形態では、上記グレーティング導波路120,122のグレーティングは、それぞれ異なる2つの周期構造が交互に配置された構造を有することができる。間引いたスペース部分に、短周期のサブグレーティング領域を設けることで、ストップバンドを狭くするとともに、SG構造全体で等価屈折率が一定になるようにしつつ位相整合を容易にしている。
図2(B)に示すグレーティング導波路120,122のグレーティングは、深さHを有し、メイングレーティング構造が第1周期Λで形成され、サブグレーティング構造が第2周期Λで形成されている。そして、それぞれのメイングレーティング構造およびサブグレーティング構造の長さをそれぞれメイングレーティング構造の3周期分3Λ(例示では、サブグレーティング構造の4周期分4Λに等しい。)とし、交互にN組形成することで、全体のグレーティング領域長L(=6×Λ×N)としている。
グレーティングの深さHが大きくなると、凹凸による屈折率の変化が大きくなるため、強く反射され、ストップバンドが広くなる。シリコン導波路では、クラッドとコアとの屈折率差が大きいため、わずかな深さでも比較的大きな結合係数となる。このため、深さHをより浅くすることにより、ストップバンドをより狭くすることができる。好ましい実施形態では、例えば、高さHを50〜100nmとし、幅Wを1〜3μmとした導波路において、深さHは、好ましくは、5nm〜15nm程度とすることができる。
また、ストップバンドを狭くする観点からは、好適な実施形態では導波路およびクラッドの屈折率の中間の屈折率を有する材料で、グレーティングの溝を埋めるようにしてもよい。例えば、シリコンの屈折率である3.48と、二酸化シリコンの屈折率である1.45との中間の2.0程度の屈折率を有する材料で、グレーティングの溝を埋めることができる。このように、他の材料でグレーティングの溝を埋めることで、グレーティング構造における屈折率の変化を小さくし、ストップバンドを狭くすることができる。
さらに、図2(B)に示す例では、メイングレーティング構造およびサブグレーティング構造の長さを等しくしている。しかしながら、ストップバンドを狭くする観点からは、より好ましい実施形態では、所定波長をターゲットとしたメイングレーティング領域と、間引きのためのサブグレーティング領域との比を、サブグレーティング領域の方が大きくなるように構成することができる。このように、間引き量を増やすことによって、ストップバンドをより狭くすることができる。
図3は、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100を作成する製造方法を示す図である。図3(A)〜図3(E)には、本発明の実施形態による製造方法の各段階におけるグレーティング導波路のグレーティング構造の断面図が示されている。
図3(A)に示すように、製造方法の第1の工程では、まず、半導体のガイド層106をパターニングし、入力ポート、出力ポート、挿入ポートおよび抜出ポートを有する導波路構造を形成する。ここで形成される導波路構造中には、導波路構造中の入力ポートからの光信号を分岐させる複数のMMIカプラ114と、MMIカプラ114により分岐された光信号をそれぞれ伝播させ、互いに略同一のグレーティングが形成された2つのグレーティング導波路120,122とが含まれる。
グレーティング構造は、好ましくはフィールドサイズ変調法を用いて、電子線ビーム・リソグラフィによりパターニングすることができる。電子線描画によりパターンを描画し、反応性イオンエッチング(RIE)によってシリコンのガイド層106上にSG構造を形成することができる。また、導波路構造は、グレーティングのパターニングを行った後、既存のフォト・リソグラフィ法により、ガイド層106をパターニングして作成することができる。
続く、製造方法の第2の工程では、図3(B)に示すように、パターニングされたガイド層106上に二酸化シリコン層108を堆積させる。第3の工程では、図3(C)に示すように、二酸化シリコン層108の一部をエッチング除去し、グレーティング構造を露出させる。エッチングは、RIE、ウエットエッチング、またはこれらの組み合わせにより実施することができる。
第4の工程では、ITO基板など表面に電極層144を有するガラス基板146をSOI基板に張り合わせて接着封止し、二酸化シリコン層108のエッチング除去された空間を形成する。二酸化シリコン層108は、ガイド層106と電極層144との間に所定の間隔を与えるスペーサ層としてはたらく。
第5の工程では、除去した二酸化シリコン層108の間隔により構成される空間内にFLCを充填する。FLCの充填は、真空注型法により行うことができる。真空注型法では、まず、封止された空間に小さな穴をあけて、その穴にFLCを塗布し、デバイスを真空チャンバ中に置く。そして、チャンバ内を真空引きした後、FLCが流動化する温度までチャンバ内の温度を上昇させる。このとき、常圧に戻すことにより、圧力差によりFLCが空間内に流入する。開けた小さな穴は、紫外線硬化樹脂などにより封止される。
図3に示した製造方法により、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100を好適に作成することが可能となる。
なお、図1〜図3に示した構造は、リブ型のシリコン導波路を用いて説明した。リブ型のシリコン導波路は、線状導波路に比較して、加工が容易であるという観点から好ましい。しかしながら、他の実施形態では、角形状の細線状の導波路構造としてもよい。また、導波路に形成されるグレーティングとしては、リブ型導波路の表面にグレーティングの溝を刻む表面レリーフグレーティングを用いて説明した。表面レリーフグレーティングは、グレーティングを電子ビーム・リソグラフィ法で、導波路構造をグレーティングとは別のフォト・リソグラフィ法で、分けて形成することができ、製造が容易といえる。また、溝構造上にFLCを堆積すると、FLC分子の配向状態を良好に保持しやすいという利点もある。しかしながら、グレーティングの具体的形状は、限定されるものではなく、細線状の導波路の側面に溝を刻む構造としてもよい。
また、図1〜図3に示した構造では、スペーサ層として、単一材料で構成された二酸化シリコン層108のみを用いる構造とした。しかしながら、他の実施形態では、スペーサ層を複数の材料で複層構成してもよい。図4は、他の実施形態による光分岐挿入装置におけるグレーティング導波路のグレーティング構造の断面図を示す。図4に示す構造では、スペーサ層は、2層構造108,148となっており、これにより、液晶領域と、非液晶領域の屈折率の整合をとることができる。例えばTaをSiOに混合し、負電圧印加時のFLCの屈折率に適合するよう屈折率を調整した下部スペーサ層148をガイド層106の上および二酸化シリコン層108の下に設けることができる。液晶領域と、非液晶領域との屈折率の整合をとることで、液晶装荷領域に入る際の余計な反射を防止することができる。
図5は、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100の素子構成を模式的に示す上面図である。図5(A)は、図1に示したMach−Zehnder干渉計型の構成を有する光分岐挿入装置100の素子構成を例示する。
図5(A)に示すように、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100の素子構成200には、2つのMMIカプラ202,210が含まれる。入力(INPUT)ポートに光信号が入射されると、MMIカプラ202によって等分岐されるが、このとき、MMIカプラ202は、対角のアームに出力される光の位相が入射光より90°遅れるように、設計されている。
このため、図5(A)中の吹き出しで示しているように、入力(INPUT)ポートに入射され、上段の矢印で示す方向に伝搬する光信号に対して、下段の矢印で示す方向に伝播する光信号の位相が90°遅れることになる。ここで、グレーティング導波路204,206のストップバンドに対応する波長チャンネルの光信号を考えると、グレーティング導波路204,206のグレーティングによって反射された光信号に対しても、この位相関係が適用される。
つまり、グレーティング導波路204,206各々のからの反射光は、MMIカプラ202に入力されると、入力(INPUT)ポートに対しては、上段および下段の導波路で反射された光信号の位相が逆相となり、このため、反射光が出力されない。一方で、抜出(DROP)ポートに対しては、上段のグレーティング導波路204のグレーティングで反射された光信号が、対角の抜出(DROP)ポートに伝搬するときに90°位相が遅れるため、下段のグレーティング導波路206のグレーティングで反射された反射光と−90°で同相になる。このため、抜出(DROP)ポートからのみ、グレーティングで反射された光信号が出力される。
挿入(ADD)ポートから挿入された光信号についても同様であり、挿入(ADD)ポートから出力(THROUGH)ポートへ出射される。挿入(ADD)ポートから挿入され、上段および下段の導波路各々で反射された光信号の位相は、逆相となり、挿入(ADD)ポートへは反射光が出力されない。
ここで、グレーティング導波路204,206のストップバンド以外の領域に対応する波長チャンネルの光信号を考える。入力(INPUT)ポートからMMIカプラ202で分岐され、上段のグレーティング導波路204を透過してきた光信号が後段のMMIカプラ210に入力されると、対角の出力(THROUGH)ポートに伝搬するときに90°移動が遅れる。一方、下段のグレーティング導波路206のグレーティングを透過し、そのまま出力(THROUGH)ポートに出力された透過光は、前段のMMIカプラ202で90°位相が遅れている。このため、2つの経路を透過してきた信号は、−90°で同相になり、出力(THROUGH)ポートからのみ、入力ポートに入射したストップバンド以外の領域に対応する波長チャンネルの光信号および挿入ポートに挿入されたストップバンドに対応する波長チャンネルの光信号が出力される。
図5(A)に示す光分岐挿入装置100は、両グレーティング導波路204,206に接して強誘電性液晶および電極スタック208が装荷されている。電極層に対する印加電圧に応じて、スタック208の強誘電性液晶の屈折率が変化し、これに伴いグレーティング導波路204,206の等価屈折率が変化することによって、ストップバンドがシフトされ、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出が切り替えられる。
図6(A)および図6(B)は、出力(THROUGH)ポートおよび抜出(DROP)ポートの理論特性を示すグラフである。図6(C)および図6(D)は、出力(THROUGH)ポートおよび抜出(DROP)ポートのデバイスの出力特性を光スペクトル・アナライザで計測されたグラフである。図6(C)および図6(D)では、電極層144に対して、ガイド層106を基準として+10Vおよび−10Vの電圧が印加されている。
図6(A)および図6(B)で示す理論特性で解析した構造および図6(C)および図6(D)で示す出力特性を評価したデバイス構造は、300nmのSOI基板に作成し、幅Wを2μmとし、高さHを75nmとしたリブ型導波路構造である。MMIカプラは、11.5×168μmで形成されている。シリコンの屈折率は、3.48を仮定し、二酸化シリコンのクラッドは、1.45を仮定している。FLCは、常光屈折率が1.55であり、異常光屈折率が1.69であり、ティルト角θtiltが22.5°である材料を用いている。
また、図6で解析および測定したグレーティング構造は、深さHを10nmおよびデューティ比50%とし、第1周期Λを257nmとし、第2周期Λを193nmとし、メイングレーティング構造およびサブグレーティング構造の長さをそれぞれメイングレーティング構造の3周期分3Λとし、交互に208組形成することによって、全体のグレーティング領域長Lを320μm(=6×Λ×208)とした。このとき、結合係数は、波長1550nmに対して、約150cm−1であり、この得られた結合係数を有するグレーティング導波路についてFマトリックス法により透過率の波長特性を計算した。
図6(A)に示す出力(THROUGH)ポートの論理特性を参照してみると、約3.2nm幅の明瞭なストップバンドが表れていることが理解される。また、FLCへの印加電圧の極性を切り替えることにより、約1.3nmのストップバンドのシフトが得られることが理解される。さらに、図6(B)に示す抜出(DROP)ポートの論理特性を参照してみると、図6(A)に対して反対の特性となっており、明瞭にパスバンドが得られることが理解される。同様に、反射光についても印加電圧の極性の切り替えによって、約1.3nmのパスバンドのシフトが得られることが理解される。
図6(C)に示す出力(THROUGH)ポートの測定された出力特性を参照してみると、約3.6nm幅のストップバンドが観測されており、Bragg波長は、1550nmであることがわかる。また、FLCへの印加電圧の極性を切り替えることにより、約0.7nmのストップバンドのシフトが観測された。また、図6(D)に示す抜出(DROP)ポートについて参照してみると、同様のストップバンドのシフトが観測された。なお、図6(C)および図6(D)に示す出力特性を評価したデバイス構造の応答特性を計測したところ、100Hzおよび±10Vの印加電圧の周波数および振幅における立ち下がり時間および立ち上がり時間は、それぞれ1156μsおよび216μsであった。
図7は、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100における波長選択的なスイッチ動作を説明する図である。図7は、出力ポートの透過率の波長特性を示しており、複数の波長チャネル(λ〜λ)が模式的に示されている。
図7(A)および図7(B)では、それぞれ、ストップバンド幅が異なっており、図7(A)に示す場合は、5波長チャンネル分のストップバンド幅を有し、印加電圧の極性により1波長チャネル分のシフトが実現される。
図7(A)に示す例では、波長チャネルλに関しては、−電圧が印加されると、波長λがストップバンドに入り、出力ポートがオフ状態となり、抜出ポートがオン状態となる。反対に、+電圧が印加されると、波長λがストップバンドから外れ、出力ポートがオン状態となり、抜出ポートがオフ状態となる。波長チャネルλに関しては、逆であり、+電圧が印加されると、波長λがストップバンドに入り、出力ポートがオフ状態、抜出ポートがオン状態となる。波長チャネルλ〜λに関しては、印加電圧の極性にかかわらず、出力ポートがオフ状態となり、抜出ポートがオン状態となる。波長チャネルλ1,λに関しては、電圧の極性にかかわらず、たえず出力ポートがオン状態となり、抜出ポートがオフ状態となる。
図7(B)の場合は、1波長チャンネル分のストップバンド幅を有し、印加電圧の極性により1波長チャネル分のシフトが実現される。図7(B)に示す例では、波長チャネルλに関しては、−電圧が印加されると、波長λがストップバンドに入り、出力ポートがオフ状態となり、抜出ポートがオン状態となる。反対に、+電圧が印加されると、波長λがストップバンドから外れ、出力ポートがオン状態となり、抜出ポートがオフ状態となる。波長チャネルλに関しては、逆であり、+電圧が印加されると、出力ポートがオフ状態となり、抜出ポートがオン状態となる。それ以外の波長チャネルλ〜λ,λ〜λに関しては、電圧の極性にかかわらず、たえず出力ポートがオン状態となり、抜出ポートがオフ状態となる。
以上、図1〜図7を参照して説明した光分岐挿入装置100は、単一の波長チャネルの光信号の入力に対して、その波長チャネルの光信号の抜出および挿入を印加電圧で切り替えることができる光スイッチとして動作させることができる。あるいは、波長分割多重された光信号の入力に対して、一括して抜出および挿入を行う複数の波長チャネルを印加電圧で切り替えることができる光スイッチとして動作させることができる。
以下、図8〜図11を参照しながら、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100を複数集積させた光スイッチについて説明する。図8〜図11は、本発明の実施形態による光分岐挿入装置100を複数集積させた光スイッチを示す図である。
図8に示す光スイッチは、複数の光分岐挿入装置200−1,200−2が、横に並べられたものである。これに対して、図9に示す光スイッチは、複数の光分岐挿入装置200−1〜200−3が、縦に並べられたものである。なお、図8および図9では、グレーティング導波路の向きを横方向とし、2つのグレーティング導波路が並べられる方向を縦方向としている。
また、図8および図9に示す光スイッチでは、光を入射させる入力ポートおよび挿入ポート、光を取り出す出力ポートおよび抜出ポートは、光スイッチの両側に混在している。これに対して、図10および図11に示す光スイッチでは、入力ポートおよび複数の挿入ポートは、紙面左側に設けられ、出力ポートおよび複数の抜出ポートは、紙面右側に設けられ、光を入射させるポートおよび光を取り出すポートが形成される側が揃えられている。図10は、3素子構成の場合を例示し、図11は、4素子構成の場合を例示する。
図8〜図11のいずれの構造においても、前段の光分岐挿入装置200−1の後方のMMIカプラ210−1からの出力ポートが、後段の光分岐挿入装置200−2の前方のMMI202−2への入力ポートに接続されており、光分岐挿入装置200が直列に接続されている。それぞれの光分岐挿入装置200には、1つずつの抜出ポートおよび挿入ポートが備えられている。
好適な実施形態では、直列に接続される複数の光分岐挿入装置200は、異なるBragg波長のグレーティングを有しており、これにより、各光分岐挿入装置200に対する印加電圧の極性に応じて、異なる波長チャネルの光信号の挿入および抜出を独立して切り替えることができるように構成されている。このように構成することによって、波長分割多重方式の光信号に対し、複数の光分岐挿入装置200に対する印加電圧の極性の組み合わせを制御することで、複数の波長チャンネルの信号に対する挿入および分岐の操作をより柔軟に行うことが可能となる。
以上説明した本発明の実施形態では、グレーティング導波路120,122に接して、電気的に屈折率が変化する媒体層140、好ましくは強誘電性液晶の媒体層140が形成されており、媒体層140に印加する電界の方向に応じてスイッチ状態が切り替えることができる。
電界で媒体層140の屈折率変化を制御する構成であるため、従来技術の熱光学効果や電流注入を利用する場合とは異なり、平均消費電力が非常に少なくなる。また、素子間での熱干渉の心配がなく、高密度集積化に有利な構成といえる。
さらに、上記構成を採用することにより、従来技術の熱光学効果を利用する場合と比較して応答速度を改善することができる。例えば、従来技術の熱光学効果による光スイッチであれば、数ミリ秒の応答速度が限界であったが、特に強誘電性液晶を用いることによって、数百マイクロ秒まで改善され、今後さらに数十マイクロ秒まで改善することができることが期待される。さらに、入力ポートに反射光が戻らないので、入射ポートから反射光を取り出す高価なバルクのサーキュレータを別途設ける必要もない。
また、強誘電性液晶の媒体層を形成する好適な実施形態では、強誘電性液晶の双安定性により、電圧パルスを印加するだけでスイッチ状態を変更することができ、状態維持に継続的な電圧の印加を要さない。このため、状態維持のための消費電力を実質的に削減することが可能であり、上述した熱光学効果を利用する従来技術に比べて、さらに消費電力を低くすることができる。
なお、上述した実施形態では、分岐合流素子として、MMIカプラを用いていた。しかしながら、他の実施形態では、MMIカプラに代えて、2つの導波路を近接させて形成した方向性カプラを用いてもよい。しかしながら、MMIカプラは、製作誤差に強い観点から望ましい。さらに、MMIカプラを用いる場合は、グレーティングは、2つの導波路中に同じ位置で形成されていればよく、方向性カプラを用いる場合に比較して、グレーティングを形成する位置を精密に制御する必要がない。また、装荷したFLCによる、方向性カプラを構成する導波路間の結合への影響が考えられ得るが、MMIカプラを用いる場合には、その影響を考慮する必要がない。したがって、上述した構成は、製造方法が簡素であるという利点もある。
また、上述した実施形態では、シリコン導波路を利用して光挿入分岐装置が構成されているので、光軸調整が不要で、かつ、シリコン導波路の強い光閉じ込めにより超小型プローブの実現も期待できる。さらに、CMOSプロセスを用いた導波路形成プロセスを利用することができ、CMOS技術との互換性を保ちながら光機能素子を実現できるため、ハイブリッド集積素子にも応用可能であり、量産プロセスへの展開も容易である。
また、上述した実施形態では、FLCの媒体層140には、+電圧または−電圧レベルの直流電圧を印加するものとして説明した。しかしながら、FLCの媒体層140に対して、FLCの応答速度に比較して速い周波数の交流電圧を印加してもよい。媒体層140に対し交流電圧を印加し、そのデューティ比を制御することにより、FLCの分子の配向方向の変化の遅さを利用して、中間的な配向状態を形成し、中間的な屈折率変化を生じさせ、ひいては、ストップバンドの中間的なシフト状態を形成してもよい。
なお、上述まででは、Mach−Zehnder干渉計型の構造を有する光分岐挿入装置について説明した。以下、図5(B)を参照しながら、他の実施形態による干渉型の光分岐挿入装置について説明する。
図5(B)は、図5(A)と同じく干渉型の光分岐挿入装置220を例示するが、図5(B)に示す実施形態では、2つのMMIカプラに代えて、単一の方向性カプラ222が含まれている。複数のグレーティング導波路224,224は、方向性カプラ222に包含され、これらのグレーティングが、方向性カプラ222の略中央に形成されている。
図5(B)に示す光分岐挿入装置220は、図5(A)に示した第1のカプラ202、グレーティング導波路204,206および第2のカプラ210の間の距離を近接させた極限の構造に対応する。方向性カプラ222におけるグレーティング導波路224,224のグレーティングがなす仮想的な反射面より前方部分が、第1のカプラ202の機能を果たし、仮想的な反射面の後方部分が、第2のカプラ210の機能を果たしている。グレーティングは、その仮想的な反射面が、光信号が2つの導波路に等分岐される点に位置するように形成される。
より具体的には、方向性カプラ222は、入力(INPUT)ポートからの光信号を複数のグレーティング導波路224,226に等分岐させるとともに、グレーティング導波路224,226を通過してきた光信号を出力(THROUGH)ポートへ合流させる。同時に、方向性カプラ222は、複数のグレーティング導波路224,226各々のグレーティングの反射面で反射された光信号を抜出(DROP)ポートへ合流させる。方向性カプラ222は、同時に、挿入(ADD)ポートからの光信号を複数のグレーティング導波路224,226に等分岐させるとともに、挿入(ADD)ポートから複数のグレーティング導波路各々へ伝搬されてグレーティングの反射面で反射された光信号を出力(THROUGH)ポートへ合流させる。
図5(B)に示す構造は、図5(A)に示す構造と等価であるが、図5(A)に示す構造の方が、グレーティング構造に対する公差を緩和することができる。
以上、説明したように、本発明によれば、状態維持のための消費電力を低減し、素子間の干渉が起こり難く、応答速度も改善された、波長チャネル選択的に光信号の分岐および挿入を切り替えることが可能な、新規な光分岐挿入装置、光スイッチおよび製造方法が提供される。
これまで本発明を、特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は、上述までの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
100…光分岐挿入装置、102…下部シリコン層、104…絶縁層、106…ガイド層、108…二酸化シリコン層、110…入力(INPUT)ポート、112…抜出(DROP)ポート、114,128…MMIカプラ、120,122…グレーティング導波路、130…出力(THROUGH)ポート、132…挿入ポート(ADD)、140…媒体層、142…配向膜、144…電極層、146…ガラス基板、200,220…素子構成、202,210…MMIカプラ、204,206,224,226…グレーティング導波路、208,228…スタック、222…方向性カプラ

Claims (14)

  1. 光分岐挿入装置であって、
    半導体で形成され、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する導波路構造と、
    前記導波路構造中に形成され、前記入力部からの光信号を分岐させる分岐素子と、
    前記分岐素子により分岐された光信号がそれぞれ伝播する前記導波路構造中の複数の導波路であって、互いに略同一のグレーティングが形成された複数のグレーティング導波路と、
    前記複数のグレーティング導波路のグレーティングに接して形成され、電気的に屈折率が変化する媒体層と、
    前記媒体層上に形成された電極層と
    を含み、前記電極層に対する印加電圧に応じて、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出が切り替えられる、光分岐挿入装置。
  2. 前記分岐素子は、前記複数のグレーティング導波路各々の一方に接続され、前記入力部からの光信号を分岐させて前記複数のグレーティング導波路各々に出力するとともに、前記複数のグレーティング導波路各々で反射された特定波長チャネルの光信号を前記抜出部へ合流させる第1の分岐合流素子であり、前記光分岐挿入装置は、
    前記複数のグレーティング導波路各々の他方に接続され、前記挿入部からの光信号を分岐させて前記複数のグレーティング導波路各々に出力するとともに、前記複数のグレーティング導波路各々からの光信号を前記出力部へ合流させる第2の分岐合流素子
    をさらに含む、請求項1に記載の光分岐挿入装置。
  3. 前記分岐合流素子は、マルチモード干渉カプラである、請求項2に記載の光分岐挿入装置。
  4. 前記分岐素子は、前記複数の導波路を包含し、前記複数のグレーティング導波路のグレーティングが前記分岐素子の略中央に形成されており、前記分岐素子は、
    前記入力部からの光信号を前記複数のグレーティング導波路各々に分岐させるとともに、前記複数のグレーティング導波路各々のグレーティングを透過した光信号を前記出力部へ合流させ、かつ、
    前記入力部から前記複数のグレーティング導波路各々へ伝搬されて反射面で反射された光信号を前記抜出部へ合流させ、かつ、
    前記挿入部からの光信号を前記複数のグレーティング導波路各々に分岐させるとともに、前記挿入部から前記複数のグレーティング導波路各々へ伝搬されて反射面で反射された光信号を前記出力部へ合流させる、請求項1に記載の光分岐挿入装置。
  5. 前記媒体層は、液晶である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光分岐挿入装置。
  6. 前記液晶は、強誘電性液晶である、請求項5に記載の光分岐挿入装置。
  7. 前記媒体層は、電気光学結晶である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光分岐挿入装置。
  8. 前記導波路構造は、リブ型のシリコン導波路であり、前記複数のグレーティング導波路各々のグレーティングは、複数のシリコン導波路の表面が溝切られて形成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光分岐挿入装置。
  9. 前記複数のグレーティング導波路のグレーティングは、それぞれ異なる複数の周期構造が交互に配置された構造を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光分岐挿入装置。
  10. 前記導波路構造のグレーティングが形成された領域以外の導波路を覆う下部スペーサ層と、下部スペーサ上の上部スペーサ層とを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光分岐挿入装置。
  11. 1以上の光分岐挿入部を含む光スイッチであって、前記光分岐挿入部は、それぞれ、
    半導体で形成され、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する導波路構造と、
    前記導波路構造中に形成され、前記入力部からの光信号を分岐させる分岐素子と、
    前記分岐素子により分岐された光信号がそれぞれ伝播する前記導波路構造中の複数の導波路であって、互いに略同一のグレーティングが形成された複数のグレーティング導波路と、
    前記複数のグレーティング導波路のグレーティングに接して形成され、電気的に屈折率が変化する媒体層と、
    前記媒体層上に形成された電極層と
    を含み、前記光分岐挿入部は、前記電極層に対する印加電圧に応じて、特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出が切り替えられる、光スイッチ。
  12. 第1の光分岐挿入部の出力部と、第2の光分岐挿入部の入力部とが接続され、前記第1の光分岐挿入部および前記第2の光分岐挿入部は、異なる特定波長チャネルの光信号の挿入および抜出を切り替えるものである、請求項11に記載の光スイッチ。
  13. 光分岐挿入装置を製造する製造方法であって、
    半導体層をパターニングして、入力部、出力部、挿入部および抜出部を有する導波路構造であって、前記導波路構造中の前記入力部からの光信号を分岐させる分岐素子と、前記分岐素子により分岐された光信号をそれぞれ伝播させ、互いに略同一のグレーティングが形成された前記導波路構造中の複数のグレーティング導波路とを含む導波路構造を形成する工程と、
    前記複数のグレーティング導波路のグレーティングに接し、かつ、前記半導体層と電極層との間に、電気的に屈折率が変化する媒体層を形成する工程と
    を含む、製造方法。
  14. 前記媒体層を形成する工程は、前記電極層が表面に形成された基板を、前記導波路構造を有する基板に間隔を設けて貼り合わせる工程と、前記間隔が構成する空間に強誘電性材料を真空注型法により充填する工程とを含む、請求項13に記載の製造方法。
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