JP2015190843A - 食道癌の判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食道癌を早期発見するための非侵襲的で感度、特異度の高い早期診断法の提供。【解決手段】呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度を測定することを特徴とする食道癌の判定方法。【選択図】なし

Description

本発明は、食道癌の判定方法及び食道癌診断装置に関する。
食道癌は無症候性に進行するため、診断時には進行癌で発見される症例が多い。他の消化器癌と比較し進行が早く予後不良であるため早期発見が重要である。従来の食道癌の診断は主に、上部消化管造影検査および上部消化管内視鏡検査が用いられるが、食道癌の早期発見は未だ困難である。血液検査において腫瘍マーカーも測定されるが、感度・特異度ともに低く、必ずしも食道癌の早期診断に有用とは言えないのが現状である。
近年動物などを使った臭気物質の測定の様々な研究が行われており(非特許文献1)、また一部の感染症や悪性腫瘍の存在は患者の代謝化合物の変化によって同定されている。癌の臭気物質である揮発性有機化合物(VOC)を感知する機器の開発も行われている(非特許文献2、3)。 McCullochらは犬による実験で肺癌、乳癌患者の呼気の識別が高い確率で行われたと報告している(非特許文献4)。さらにガスクロマトグラフィーを用いた呼気測定でいくつかの肺癌、乳癌に特異的な揮発性有機化合物が同定されている(非特許文献5〜7)。食道扁平上皮癌に関しては、アルコールを摂取した後、呼気中のアセトアルデヒド濃度の経時変化を測定することによる簡易判定方法(特許文献1、2)が報告されている。
特開2003−215123号公報 特開2008−122211号公報
Neth. J. Med. 2013; 71(6): 300-307 Mini Rev. Med. Chem. 2007; 7(2): 115-129 J. Thorac. Oncol. 2008; 3(7): 774-780 Integr. Cancer Ther. 2006; 5(1): 30-39 J. Chromatogr. 1988; 432: 1-11 Sci. Am. 1992; 267(1): 74-79 Breast Cancer Res. Treat. 2006; 99(1): 19-21
本発明の課題は、食道癌を早期発見するための非侵襲的で感度、特異度の高い早期診断法を提供することにある。
そこで本発明者は、食道癌患者と健常者の呼気中の揮発性成分を測定し、患者群と健常者群とを対比したところ、アセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンの濃度が食道癌患者群で有意に高く、当該成分が食道癌の非侵襲的な早期診断マーカーとして有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔4〕を提供するものである。
〔1〕呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度を測定することを特徴とする食道癌の判定方法。
〔2〕食道癌が、食道扁平上皮癌である〔1〕記載の判定方法。
〔3〕呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度の測定装置からなる食道癌診断装置。
〔4〕固相マイクロ抽出ファイバー及びガスクロマトグラフィーを有する〔3〕記載の食道癌診断装置。
本発明の判定方法によれば、対象者の呼気を採取するだけで非侵襲的、かつ早期に食道癌の診断が可能となる。
SPMEファイバーによる16時間(overnight)吸着物のGC/MS結果を主成分分析し、それぞれのサンプルの分布を図表化した図である。Control:健常者。Patients:食道癌患者。 呼気中のアセトニトリル(A)、アセトン(B)、酢酸(C)及び2−ブタノン(D)の健常者(Control)と食道癌患者(Patients)のGC/MSピークの状況を示す。 呼気中のアセトニトリル(A)、アセトン(B)、酢酸(C)及び2−ブタノン(D)の健常者(Control)と食道癌患者(Patients)のGC/MSピークの状況を示す。 呼気中のアセトニトリル、アセトン、酢酸及び2−ブタノン濃度の健常者(Control)と食道癌患者(Patients)との対比を示す図である。 同定した呼気成分(4成分)のROC曲線を示す図である。
本発明の食道癌の判定方法は、呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度を測定することを特徴とする。すなわち、本発明は、食道癌を診断する目的で、呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度を測定する方法でもある。
対象者は、食道癌が疑われる患者であるが、前述のように食道癌は早期の段階ではほとんど無症状であるため、食道癌が疑われる患者に限らず、健康診断者も対象とするのが望ましい。対象者は、食道扁平上皮癌が疑われる患者がより好ましい。
呼気の収集は、対象者に500mL〜1Lのサンプリングバッグ等の容器に呼気を排出してもらえばよい。
呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度の測定は、これらの成分を測定可能な手段であれば特に限定されないが、ガスクロマトグラフィーによるのが簡便かつ正確である。ガスクロマトグラフィーとしては、前記成分を定量する点から、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GS/MS)を採用するのが好ましい。
また、呼気中の前記成分を抽出するため、固相マイクロ抽出ファイバー(SPMEファイバー)を用いて、呼気中の成分を一晩吸着して、ガスクロマトグラフィーに供するのが好ましい。SPMEファイバーとしては、シグマアルドリッチ社等から販売されているもの(例えば、商品名:camboxen/PDMS)を使用できる。
従って、呼気中の前記4成分濃度の測定装置、例えば固相マイクロ抽出ファイバー及びガスクロマトグラフィーの組み合わせは、食道癌診断装置として有用である。
後記実施例に示すように、呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノン濃度は、食道癌患者、特に食道扁平上皮癌患者において、健常者に比べて有意に高い。従って、呼気中のこれらの成分は、食道癌診断マーカーとして有用である。より具体的には、呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度が健常者のそれに比べて高い場合に、当該呼気を有する対象者が食道癌と診断できる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1
A.方法
(1)対象
2013年5月から2013年11月に順天堂大学医学部附属順天堂医院食道胃外科で食道癌と診断され治療中の食道扁平上皮癌患者17名および癌の既往のない健常者9名の呼気中の揮発性有機化合物を測定した。患者群と健常者群にはそれぞれ問診を行い、加療中の疾患、内服の有無、喫煙の有無、家族歴を確認した。患者群は病理学的に食道扁平上皮癌の診断がついており、代謝に変化を与える可能性のある放射線、化学療法を既に施行されている患者は除外した。本研究は順天堂大学倫理委員会の承認に基づき行われた。
(2)呼気捕集
患者群、健常者群それぞれの呼気は薬剤等の影響がない環境下で、1Lのガスサンプリングバッグ(シグマアルドリッチ社)を用いて収集した。収集前のサンプリングバッグはより他の影響を少なくするため、窒素にて予備洗浄を行った。収集したサンプルは全て低温室に保管し、3日以内に処理を行った。
(3)揮発性有機化合物の抽出と解析
サンプルの解析にはマイクロ固相出(SPME)ファイバー(シグマアルドリッチ社)、およびガスクロマトグラフィー(GC/MS)を用いた。サンプリングバッグに収集した呼気をSPMEファイバーで濃縮し吸着した。SPMEファイバーで16時間(overnight)かけて呼気を吸着した。またSPMEファイバーには85μm carboxen/PDMS(シグマアルドリッチ社:ガス状および低分子化合物 (分子量:30−225)の吸着に優れる。)を用いて検討を行った。抽出した揮発性有機化合物は250℃のインジェクターを用いて離脱させ、GC/MSで測定した。
(4)統計解析
それぞれのサンプリングバッグから抽出した揮発性有機化合物をガスクロマトグラフィーで分析し、得られた種々の物質のピークを差異解析ソフト(SIEVE)を用いて解析し、フィッシャー比から有意なピークを抽出し第1〜第5主成分を求めて主成分分析を行い、それぞれのサンプルの分布を図表化した(図1)。患者群と健常者群の分離の検討には、選択された物質のROC曲線を作成し検討した。主成分分析はSPSS(統計ソフト)を用いて行った。
B.結果
SPMEファイバーでovernight吸着をしたものの主成分分析で比較すると、患者群と健常者群の分離が良好であった。
SPMEファイバーでovernight吸着し分析したピークを患者群と健常者群で比較したところ、アセトニトリル、酢酸、アセトン、2−ブタノンの4成分において差があることが示され(図2、3)、統計学的にも有意差を認めた(図4:アセトニトリルP=0.0037、酢酸P=0.0024、アセトンP=0.0024、2−ブタノンP=0.0037)。
アセトニトリル、酢酸、アセトン、2−ブタノンのROC曲線(図5)を作成したところAUC(area under the curve):0.93と高い確率で食道癌患者の分離が可能となることが示された。

Claims (4)

  1. 呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度を測定することを特徴とする食道癌の判定方法。
  2. 食道癌が、食道扁平上皮癌である請求項1記載の判定方法。
  3. 呼気中のアセトニトリル、酢酸、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる成分の濃度の測定装置からなる食道癌診断装置。
  4. 固相マイクロ抽出ファイバー及びガスクロマトグラフィーを有する請求項3記載の食道癌診断装置。
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