JP2015190630A - ヒートポンプ式給湯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯湯タンクを備えるヒートポンプ式給湯機において、ヒートポンプサイクルの成績係数をユーザにとって有効となるように適切に向上させる。【解決手段】浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際に、目標沸上温度変更手段が、ヒートポンプサイクルの水−冷媒熱交換器における給湯水の目標沸上温度Twを、貯湯タンク内のレジオネラ菌を死滅させるように決定された貯湯用沸上温度T1(90℃)から、浴槽用給湯端末Bからの目標出湯温度TTwよりも低く、かつ、水道水よりも高い温度に設定された浴槽用沸上温度T2(40℃)に変更する。これにより、浴槽用給湯端末Bの出湯特性に応じてヒートポンプサイクルの加熱能力を変更することができ、ヒートポンプサイクルのCOPを、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができる。【選択図】図3
Description
本発明は、ヒートポンプサイクルにて加熱された給湯水を貯湯タンクに貯湯するヒートポンプ式給湯機に関する。
従来、ヒートポンプサイクルにて加熱された高温の給湯水(湯)を貯湯タンクに貯湯し、貯湯タンクに貯湯された給湯水に水道水を混合させることによって目標出湯温度に調整された給湯水をキッチンや風呂場等に配置された給湯端末(蛇口、シャワー等)から出湯させるヒートポンプ式給湯機が知られている。
この種のヒートポンプ式給湯機に適用されるヒートポンプサイクルでは、圧縮機から吐出された高温高圧冷媒と給湯水とを熱交換させる水−冷媒熱交換器を有しており、この水−冷媒熱交換器にて給湯水を加熱している。従って、水−冷媒熱交換器にて加熱される給湯水の目標沸上温度を低下させることで、圧縮機の冷媒吐出能力を低下させてサイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
ところが、貯湯タンクに貯湯される給湯水の温度は、衛生的な理由で定められる基準温度(例えば、レジオネラ菌等を死滅させることのできる温度)以上に維持しておく必要がある。
このため、貯湯タンクに貯湯される給湯水を沸き上げる沸上運転時に、ヒートポンプサイクルのCOPを向上させるために目標沸上温度を低下させることは好ましくない。従って、沸上運転時に、ヒートポンプサイクルのCOPを向上させることによって、貯湯タンクに貯えられる給湯水を沸き上げるために必要なコストを低減させることは難しい。
これに対して、特許文献1には、夜間の安価な商用電力(深夜電力)を利用して沸上運転を行うことで、貯湯タンクに貯えられる給湯水を沸き上げるために必要なコストを低減させることが記載されている。
さらに、特許文献1のヒートポンプ式給湯機では、比較的小型な貯湯タンクを採用し、例えば、風呂場のシャワーから出湯させる際に、給湯水の目標沸上温度を、シャワーから出湯される給湯水に要求される目標出湯温度(具体的には、42℃程度)に設定してヒートポンプサイクルを作動させている。
そして、ヒートポンプサイクルにて目標出湯温度に加熱された給湯水を、貯湯タンクへ流入させることなくシャワーから出湯させている。一方、貯湯タンクに貯湯された高温の給湯水については、ヒートポンプサイクルの起動時等に、水−冷媒熱交換器にて加熱された給湯水に混合させることによって、シャワーから出湯される給湯水の温度を速やかに上昇させるために利用している。
これにより、特許文献1のヒートポンプ式給湯機では、貯湯タンクに貯湯された給湯水の温度が衛生的な理由で定められる基準温度より低くなってしまうことを抑制しつつ、ヒートポンプサイクルのCOPを向上させている。
しかしながら、特許文献1のヒートポンプ式給湯機では、ヒートポンプサイクルのCOPを向上させることはできるものの、深夜電力時間帯以外にヒートポンプサイクルを作動させる頻度が増加してしまう。このため、ヒートポンプサイクルのCOPを向上させたとしても、目標出湯温度となるまで給湯水を加熱するために必要なコストを低減させることができなくなってしまうおそれがある。
つまり、特許文献1のヒートポンプ式給湯機では、ヒートポンプサイクルのCOPを向上させたことによるエネルギ消費量低減効果を、ユーザにとって有効となるように活用できていない。
本発明は、上記点に鑑み、ヒートポンプサイクルにて加熱された給湯水を貯湯タンクに貯湯するヒートポンプ式給湯機において、ヒートポンプサイクルの成績係数をユーザにとって有効となるように適切に向上させることを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1に記載の発明では、給湯水と高圧冷媒とを熱交換させて給湯水を加熱する水−冷媒熱交換器(12)を有するヒートポンプサイクル(10)と、水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を貯湯する貯湯タンク(20)と、少なくとも水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水、貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水、および水道水のうち、2種以上を混合させた給湯水を下流側へ流出させる混合水流出手段(23)と、混合水流出手段(23)から流出した給湯水を出湯させる複数の給湯端末(F、S、B)と、複数の給湯端末(F…B)のうち予め定めた所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていることを判定する出湯要求判定手段(S1)と、水−冷媒熱交換器(12)から流出する給湯水の目標沸上温度(Tw)を変更する目標沸上温度変更手段(S3)と、を備え、
目標沸上温度(Tw)は、水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を貯湯タンク(20)に貯湯する沸上運転を行う際には、予め定めた貯湯用沸上温度(T1)に設定されており、
目標沸上温度変更手段(S3)は、出湯要求判定手段(S1)によって所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていると判定された際には、目標沸上温度(Tw)を、貯湯用沸上温度(T1)よりも低く、かつ、水道水よりも高い温度(T2)に変更するものであるヒートポンプ式給湯機を特徴としている。
目標沸上温度(Tw)は、水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を貯湯タンク(20)に貯湯する沸上運転を行う際には、予め定めた貯湯用沸上温度(T1)に設定されており、
目標沸上温度変更手段(S3)は、出湯要求判定手段(S1)によって所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていると判定された際には、目標沸上温度(Tw)を、貯湯用沸上温度(T1)よりも低く、かつ、水道水よりも高い温度(T2)に変更するものであるヒートポンプ式給湯機を特徴としている。
これによれば、貯湯タンク(20)に水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を貯湯する沸上運転時には、目標沸上温度(Tw)が予め定めた貯湯用沸上温度(T1)に設定されているので、貯湯タンク(20)に貯湯される給湯水の温度を、例えば、衛生的な理由で定められる基準温度以上とすることができる。
さらに、出湯要求判定手段(S1)によって所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていると判定された際には、目標沸上温度変更手段(S3)が、貯湯用沸上温度(T1)よりも低い温度となるように、目標沸上温度(Tw)を変更する。従って、沸上運転時よりも、ヒートポンプサイクル(10)の成績係数(COP)を向上させることができる。
この際、所定給湯端末(B)の出湯特性に応じて、貯湯用沸上温度(T1)よりも低い温度、かつ、水道水よりも高い温度となる温度範囲内で、目標沸上温度(Tw)を適切に変更することで、ヒートポンプサイクル(10)のCOPを、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができる。
例えば、所定給湯端末が、給湯水を浴槽へ出湯させる浴槽用給湯端末(B)である場合は、比較的長時間に亘って連続的に大量の給湯水が出湯されることになる。従って、目標沸上温度(Tw)を充分に低下させてヒートポンプサイクル(10)のCOPを向上させたことによるエネルギ消費量低減効果を、給湯水を加熱するために必要なコストを低減させるために活用しやすい。
そして、目標沸上温度(Tw)を目標出湯温度(TTw)よりも低い温度に変更した場合は、混合水流出手段(23)から、水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水と貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水とを混合させた給湯水を流出させることによって、目標出湯温度(TTw)に調整された給湯水を所定給湯端末(B)から出湯させることができる。
一方、目標沸上温度(Tw)を目標出湯温度(TTw)よりも高い温度に変更した場合は、混合水流出手段(23)から、水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水と水道水とを混合させた給湯水を流出させることによって、目標出湯温度(TTw)に調整された給湯水を所定給湯端末(B)から出湯させることができる。
つまり、本請求項に記載のヒートポンプ式給湯機によれば、所定給湯端末(B)における出湯特性に応じてヒートポンプサイクル(10)の加熱能力を変更することができ、ヒートポンプサイクル(10)の成績係数(COP)を、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができる。
ここで、本請求項に記載された混合水流出手段(23)は、少なくとも水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水、貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水、および水道水のうち、2種以上を混合させた給湯水を下流側に流出させるものであればよく、これに加えて、水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水あるいは貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水を、水道水と混合させることなく下流側に流出させる機能を有するものであってもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜図4により、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、図1の全体構成図に示すように、ヒートポンプサイクル10、貯湯タンク20、および水循環回路30等を備えている。
図1〜図4により、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、図1の全体構成図に示すように、ヒートポンプサイクル10、貯湯タンク20、および水循環回路30等を備えている。
ヒートポンプサイクル10は、給湯水を加熱する蒸気圧縮式の冷凍サイクルである。貯湯タンク20は、ヒートポンプサイクル10にて加熱された給湯水を貯湯する貯湯手段である。さらに、水循環回路30は、ヒートポンプサイクル10の水−冷媒熱交換器12と貯湯タンク20との間で給湯水を循環させる水回路である。
より詳細には、ヒートポンプサイクル10は、圧縮機11、水−冷媒熱交換器12、電気式膨張弁13、および蒸発器14を順次配管で接続して構成されたものである。
また、本実施形態のヒートポンプサイクル10では、冷媒として二酸化炭素を採用しており、圧縮機11の吐出口側から電気式膨張弁13の入口側へ至るサイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを構成している。この冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、ヒートポンプサイクル10において冷媒を吸入し、臨界圧力以上となるまで圧縮して吐出するもので、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機である。固定容量型圧縮機構としては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。
電動モータは、後述する制御装置40から出力される制御信号によって、その回転数が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機11の冷媒吐出能力が変更される。従って、本実施形態の電動モータは、圧縮機11の吐出能力変更手段を構成している。
圧縮機11の吐出口には、水−冷媒熱交換器12の冷媒通路12a入口側が接続されている。水−冷媒熱交換器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を流通させる冷媒通路12aと、水循環回路30を循環する給湯水を流通させる水通路12bとを有し、冷媒通路12aを流通する高圧冷媒と水通路12bを流通する給湯水とを熱交換させて、給湯水を加熱する加熱用熱交換器である。
このような水−冷媒熱交換器12の具体的構成として、冷媒通路12aの外周に水通路12bを配置して冷媒と冷却水とを熱交換させる構成や、冷媒通路12aとして冷媒を流通させる蛇行状のチューブあるいは複数本のチューブを採用し、隣り合うチューブ間に水通路12bを形成し、さらに、冷媒と冷却水との間の熱交換を促進するコルゲートフィンやプレートフィンを設ける構成等を採用してもよい。
さらに、本実施形態では、水−冷媒熱交換器12として、冷媒通路12aを流通する冷媒の流れ方向と水通路12bを流通する給湯水の流れ方向が対向流となる対向流型の熱交換器を採用している。
このような対向流型の熱交換器では、冷媒通路12a入口側の冷媒と水通路12b出口側の給湯水とを熱交換させ、冷媒通路12a出口側の冷媒と水通路12b入口側の給湯水とを熱交換させることができるので、熱交換領域の全域に亘って給湯水と冷媒との温度差を確保して熱交換効率を向上させることができる。
また、本実施形態のヒートポンプサイクル10は、前述の如く、超臨界冷凍サイクルを構成しているので、水−冷媒熱交換器12の冷媒通路12aでは、冷媒は凝縮することなく超臨界状態のまま放熱する。
水−冷媒熱交換器12の冷媒通路12a出口側には、電気式膨張弁13の入口側が接続されている。電気式膨張弁13は冷媒通路12aから流出した冷媒を減圧させる減圧手段である。
より具体的には、電気式膨張弁13は、絞り開度を変更可能に構成された弁体、およびこの弁体の絞り開度を変化させる電動アクチュエータを有する可変絞り機構で構成されている。この電動アクチュエータは、制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
電気式膨張弁13の出口側には、蒸発器14の冷媒入口側が接続されている。蒸発器14は、電気式膨張弁13にて減圧された低圧冷媒と送風ファン14aにより送風された外気(室外空気)とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用の室外熱交換器である。送風ファン14aは、制御装置40から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される外気送風手段である。
蒸発器14の冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。なお、蒸発器14の冷媒出口側から圧縮機11の吸入口側へ至る冷媒経路に、蒸発器14から流出した冷媒の気液を分離し、分離された気相冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させるとともに、分離された液相冷媒を余剰冷媒として貯えるアキュムレータを配置してもよい。
なお、図1の破線で囲まれたヒートポンプサイクル10の各構成機器11〜14、送風ファン14a等は、1つの筐体内に収容されてヒートポンプユニット100として一体的に構成されている。さらに、ヒートポンプユニット100は、室外に配置されている。
貯湯タンク20は、耐食性に優れた金属(例えば、ステンレス)で形成され、その外周を断熱材で覆う断熱構造あるいは二重タンクによる真空断熱構造等を有し、高温の給湯水を長時間保温することができる温水タンクである。また、本実施形態の貯湯タンク20は、中空円柱状に形成され、軸方向が略鉛直方向に延びる縦長形状に形成されている。
貯湯タンク20の上方側には、貯湯タンク20内に貯湯されている給湯水を流出させる流出用配管(流出用通路)21、および水循環回路30を構成する高温側水配管32が接続されている。一方、貯湯タンク20の下方側には、水道水を流入させる給水用配管(給水用通路)22、および水循環回路30を構成する低温側水配管31が接続されている。
さらに、高温側水配管32の給湯水流れ最下流部となる給湯水出口32aおよび流出用配管21の給湯水流れ最上流部となる給湯水入口21aは、高温側水配管32から貯湯タンク20内へ流入した直後の給湯水の少なくとも一部が直接流出用配管21へ流入可能な程度に、互いに近接配置されている。
一方、給水用配管22の水道水流れ最下流部となる水道水出口22aおよび低温側水配管31の給湯水流れ最上流部となる給湯水入口31aは、給水用配管22から貯湯タンク20内へ流入した直後の低温の水道水の少なくとも一部が直接低温側水配管31へ流入可能な程度に、互いに近接配置されている。
流出用配管21の出口側には、温度調整弁23が接続されている。温度調整弁23は、ヒートポンプサイクル10の水−冷媒熱交換器12にて加熱された直後の給湯水、貯湯タンク20に貯湯された給湯水、および水道水のうち、2種以上を混合させた給湯水を下流側に接続された給湯端末側へ流出させる混合水流出手段である。
この温度調整弁23では、ヒートポンプサイクル10にて加熱された給湯水(水−冷媒熱交換器12にて加熱された直後の給湯水および貯湯タンク20に貯湯された給湯水の双方を含む)と水道水との混合比率を変化させることによって、給湯端末側へ流出させる給湯水の温度を調整することができる。
より具体的には、温度調整弁23は、ヒートポンプサイクル10にて加熱された給湯水を流通させる通路の通路断面積と水道水を流通させる通路の通路断面積とを同時に変化させる弁体、およびこの弁体を変位させて各通路の通路断面積を変化させる電動アクチュエータを有する三方式流量調整弁で構成されている。この電動アクチュエータは、制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、本実施形態の温度調整弁23は、給湯水を流通させる通路および水道水を流通させる通路のうち、一方の通路を全開として他方の通路を全閉とすることができる。従って、温度調整弁23は、流入した給湯水に水道水を混ぜ合わせることなく給湯端末側へ流出させることができる。
給湯端末は、温度調整弁23から流出した給湯水を出湯させるためのもので、本実施形態では、具体的に、キッチンや洗面所に配置された蛇口、シャワー、および図1に示す風呂場に配置された蛇口F、シャワーS、浴槽へ給湯水を出湯させる浴槽用給湯端末B等が設けられている。
なお、図1の一点鎖線で囲まれた貯湯タンク20、流出用配管21、温度調整弁23等は、1つの筐体内に収容されてタンクユニット200として一体的に構成されている。さらに、タンクユニット200は、ヒートポンプユニット100と同様に、室外に配置されている。
水循環回路30は、低温側水配管31および高温側水配管32を有して構成されている。低温側水配管31は、給湯水入口31a側から水−冷媒熱交換器12の水通路12b入口側へ低温の給湯水を導く低温側水通路である。高温側水配管32は、水−冷媒熱交換器12の水通路12b出口側から給湯水出口32a側へ高温の給湯水を導く高温側水通路である。
低温側水配管31には、水循環ポンプ33が配置されている。水循環ポンプ33は、貯湯タンク20の下方側から流出した給湯水を吸入して、水−冷媒熱交換器12の水通路12b側へ圧送する水圧送手段である。この水循環ポンプ33の回転数(水圧送能力)は、制御装置40から出力される制御電圧によって制御される。
高温側水配管32には、流量割合調整弁34が配置されている。さらに、流量割合調整弁34には、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水を、貯湯タンク20を迂回させて、流出用配管21の最下流部へ配置された温度調整弁23の上流側へ導く分岐用水配管(分岐用水通路)35が接続されている。
流量割合調整弁34は、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水のうち、貯湯タンク20側へ流入させる給湯水の流量(タンク側流量)と貯湯タンク20を迂回させて温度調整弁23側へ流入させる給湯水の流量(端末側流量)との流量割合を調整する機能を果たすものである。
より詳細には、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水の全流量をQAとし、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水のうち分岐用水配管35を介して温度調整弁23へ導かれる給湯水の端末側流量をQ1とし、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水のうち貯湯タンク20へ導かれる給湯水のタンク側流量をQ2としたときに、流量割合調整弁34は、全流量QAに対する端末側流量Q1の流量割合Q1/QAを調整する流量割合調整手段である。
なお、上記の説明から明らかなように、全流量QAは、端末側流量Q1とタンク側流量Q2との合算値となる。
また、本実施形態では、流量割合調整弁34として、温度調整弁23と同様の構成の三方式流量調整弁を採用している。
より詳細には、温度調整弁23は、給湯水の流れと水道水の流れとを合流させて給湯端末側へ流出させる合流部としての機能を果たすように適用された三方式流量調整弁である。流量割合調整弁34は、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水の流れを、貯湯タンク20側へ導かれる流れと温度調整弁23側へ導かれる流れとに分流する分岐部としての機能を果たすように適用された三方式流量調整弁である。
さらに、本実施形態の流量割合調整弁34は、貯湯タンク20側へ導かれる給湯水の通路および温度調整弁23側へ導かれる給湯水の通路のうち、一方の通路を全開として他方の通路を全閉とすることができる。従って、流量割合調整弁34は、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水の全部を、貯湯タンク20および温度調整弁23のいずれか一方へ導く給湯水通路切替手段としての機能を兼ね備えている。
なお、本実施形態では、水循環回路30に配置された水循環ポンプ33も、図1の破線で示すように、ヒートポンプユニット100の筐体内に収容されている。
次に、図2のブロック図を用いて、本実施形態の電気制御部の概要を説明する。制御装置40は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。
制御装置40の出力側には、圧縮機11の電動モータ、電気式膨張弁13の電動アクチュエータ、送風ファン14a、温度調整弁23、水循環ポンプ33、および流量割合調整弁34等の各種制御対象機器が接続されている。
一方、制御装置40の入力側には、タンク内温度センサ41、入水温度センサ42、沸上温度センサ43、蒸発器温度センサ44、外気温センサ45、吐出圧力センサ46等が接続され、これらのセンサ群の検出信号が制御装置40へ入力される。
タンク内温度センサ41は、貯湯タンク20内に貯湯された給湯水の温度を検出するタンク内温度検出手段である。より具体的には、本実施形態のタンク内温度センサ41は、貯湯タンク20内に上下方向に並んで配置された複数個(本実施形態では、5つ)の温度センサによって構成されている。
これにより、制御装置40では、複数のタンク内温度センサ41の出力信号によって、貯湯タンク20内の水位レベルに応じた給湯水の温度、および貯湯タンク20内の温度分布を検出することができる。
入水温度センサ42は、水−冷媒熱交換器12の水通路12b入口側の給湯水温度である入水温度Twiを検出する入水温度検出手段である。沸上温度センサ43は、水通路12b出口側の給湯水温度である沸上温度Twoを検出する沸上温度検出手段である。
蒸発器温度センサ44は、蒸発器14における冷媒蒸発温度(蒸発器14の温度)Teを検出する蒸発器温度検出手段である。より具体的には、本実施形態の蒸発器温度センサ44は、蒸発器14内の冷媒温度を検出している。もちろん、蒸発器温度検出手段として、蒸発器14の熱交換フィン温度を検出する温度検出手段を採用してもよいし、蒸発器14のその他の部位の温度を検出する温度検出手段を採用してもよい。
外気温センサ45は、蒸発器14にて低圧冷媒と熱交換する外気の温度である外気温Tamを検出する外気温検出手段である。吐出圧力センサ46は、圧縮機11から吐出された吐出冷媒圧力(高圧側冷媒圧力)Pdを検出する吐出冷媒圧力検出手段である。
さらに、制御装置40の入力側には、室内に配置されたリモコン(操作パネル)50が接続されている。このリモコン50には、ヒートポンプ式給湯機1の作動を要求する作動要求信号および停止を要求する停止要求信号を出力する作動スイッチ50a、各給湯端末から出湯される給湯水の温度(目標出湯温度)TTwを設定する温度設定スイッチ50b、浴槽の湯張りを行うことを要求する湯張りスイッチ50c等が設けられており、これらのスイッチの操作信号が制御装置40へ入力される。
なお、本実施形態の制御装置40は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体的に構成されたものであるが、制御装置40のうちそれぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。
例えば、制御装置40のうち、圧縮機11の作動(圧縮機11の冷媒吐出能力)を制御する構成が圧縮機制御手段を構成している。さらに、圧縮機制御手段を制御装置40に対して別の装置で構成してもよいし、制御装置40のうちヒートポンプサイクル10構成機器の作動を制御する制御装置をヒートポンプ側制御装置として制御装置40に対して別の装置で構成してもよい。
次に、上記構成における本実施形態のヒートポンプ式給湯機1の作動について説明する。ヒートポンプ式給湯機1に外部から電源が供給された状態で、リモコン50の作動スイッチ50aが投入されると、制御装置40が予め記憶回路に記憶している制御処理(制御プログラム)を実行する。
この制御処理のメインルーチンでは、貯湯タンク20にヒートポンプサイクル10の水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水を貯湯する沸上運転と、給湯端末から出湯される給湯水の温度をユーザの所望の温度(すなわち、リモコン50の温度設定スイッチ50bによって設定された目標出湯温度TTw)に調整する出湯運転が実行される。
まず、沸上運転では、制御装置40が流量割合調整弁34の作動を制御する。具体的には、給湯水を貯湯タンク20側へ導く通路を全開とし、温度調整弁23へ導く通路を全閉とするように(すなわち、流量割合Q1/QAが0となるように)、流量割合調整弁34の作動を制御する。さらに、制御装置40は、給湯水を加熱するためのサブルーチン(以下、給湯水加熱ルーチンという。)を実行する。
給湯水加熱ルーチンでは、制御装置40が、リモコン50の操作信号およびセンサ群41〜46等により検出された検出信号を読み込み、読み込まれた操作信号および検出信号に基づいて、ヒートポンプサイクル10の各種制御対象機器11、13、14a、および水循環ポンプ33へ出力される制御信号あるいは制御電圧を決定する。
例えば、圧縮機11(具体的には、圧縮機11の電動モータ)へ出力される制御信号については、外気温センサ45により検出された検出外気温Tam、および水−冷媒熱交換器12から流出する給湯水の目標沸上温度Twに基づいて、予め制御装置40に記憶された制御マップを参照して決定される。具体的には、外気温Tamの低下および目標沸上温度Twの上昇に伴って、圧縮機11の目標回転数(目標冷媒吐出能力)が増加するように決定される。
また、電気式膨張弁13(具体的には、電気式膨張弁13の電動アクチュエータ)へ出力される制御信号については、フィードバック制御手法等を用いて、吐出圧力センサ46によって検出された吐出冷媒圧力Pdが目標高圧となるように決定される。この目標高圧は、外気温Tamおよび吐出冷媒圧力Pd等に基づいて、予め制御装置40に記憶された制御マップを参照して、ヒートポンプサイクル10の成績係数(COP)が極大値となるように決定される。
また、送風ファン14aへ出力される制御電圧については、外気温Tamに基づいて、予め制御装置40に記憶された制御マップを参照して決定される。また、水循環ポンプ33へ出力される制御電圧については、フィードバック制御手法等を用いて、沸上温度センサ43によって検出された沸上温度Twoが目標沸上温度Twに近づくように決定される。
ここで、沸上運転時の目標沸上温度Twは、予め定めた貯湯用沸上温度T1(本実施形態では、90℃)に設定されている。貯湯用沸上温度T1は、制御装置40に初期値(デフォルト値)として記憶されており、沸上運転によって貯湯タンク20に貯えられる給湯水の温度が、貯湯タンク20内のレジオネラ菌を死滅させることのできる温度以上、あるいは、レジオネラ菌の繁殖を抑制可能な温度以上となるように設定されている。
そして、制御装置40は、上記の如く決定した制御信号および制御電圧を各種制御対象機器へ出力する。その後、予め定めた沸上運転の終了条件が成立するまで、検出信号および操作信号の読み込み→各種制御対象機器の制御状態の決定→各種制御対象機器への制御電圧および制御信号の出力といった給湯水加熱ルーチンが繰り返される。
従って、給湯水加熱ルーチンが実行されている間は、ヒートポンプサイクル10の圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒が、水−冷媒熱交換器12の冷媒通路12aへ流入して、水循環ポンプ33によって水通路12bへ圧送された給湯水と熱交換する。これにより、水通路12bへ流入した給湯水が目標沸上温度Tw(沸上運転時には、貯湯用沸上温度T1)となるように加熱される。
水−冷媒熱交換器12から流出した高圧冷媒は、電気式膨張弁13にて減圧される。電気式膨張弁13にて減圧された冷媒は、蒸発器14へ流入し、送風ファン14aから送風された外気から吸熱して蒸発する。蒸発器14から流出した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
一方、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水は、高温側水配管32および流量割合調整弁34を介して、その全流量が貯湯タンク20の上方側へ流入して貯湯タンク20内に貯湯される。なお、本実施形態の貯湯タンク20は、その軸方向が略鉛直方向に延びる縦長形状に形成されているので、沸上運転が終了した際の貯湯タンク20内の給湯水には、上方側から下方側へ向かって徐々に温度低下する温度分布が生じる。
以上の如く、沸上運転時には、目標沸上温度Twが、比較的高い温度である貯湯用沸上温度T1(90℃)に設定されているので、貯湯タンク20に貯湯される給湯水の温度を、貯湯タンク20内のレジオネラ菌を死滅させることのできる温度以上、あるいは、レジオネラ菌の繁殖を抑制可能な温度以上とすることができる。
ここで、本発明者らの検討によれば、貯湯用沸上温度T1を65℃以上とすることで、貯湯タンク20に貯湯される給湯水の温度を、貯湯タンク20内のレジオネラ菌を死滅させることのできる温度以上、あるいは、レジオネラ菌の繁殖を抑制可能な温度以上とすることができる。
また、沸上運転の如く、水−冷媒熱交換器12にて給湯水を比較的高い温度に設定された貯湯用沸上温度T1となるまで加熱する運転条件では、圧縮機1の冷媒吐出能力を増加させて吐出冷媒圧力Pdを上昇させなければならない。従って、沸上運転時には、圧縮機1の駆動動力が増加してしまい、ヒートポンプサイクル10の成績係数(COP)を向上させることが難しい。
そこで、本実施形態の制御装置40では、タイマー手段等を用いて、夜間の安価な商用電力を利用できる深夜電力時間帯(例えば、23時から翌朝7時迄)に沸上運転を実行している。これにより、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、貯湯タンク20に貯えられる給湯水を沸き上げるために必要な電力コストを低減させている。
次に、図3のフローチャートを用いて、出湯運転について説明する。出湯運転は、沸上運転が実行されたことによって、貯湯タンク20内に高温の給湯水が貯湯されている状態で、各種給湯端末からの出湯が要求された際に実行される。ここで、図3に示すフローチャートの各制御ステップは、制御装置40が有する各種の機能実現手段を構成している。このことは、他のフローチャートについても同様である。
また、本実施形態における「各種給湯端末からの出湯が要求された際」とは、蛇口、シャワーについては、「ユーザによって出湯操作(開栓操作)が行われた際」を意味しており、浴槽用給湯端末Bについては、「リモコン50の湯張りスイッチ50cが投入(ON)された際」を意味している。さらに、「リモコン50の湯張りスイッチ50cが投入された際」には、ユーザの操作によって湯張りスイッチ50cが投入された際に限定されず、タイマー手段等によって湯張りスイッチ50cが投入された際も含まれる。
まず、図3のステップS1では、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されているか否かが判定される。具体的には、リモコン50の湯張りスイッチ50cが投入されている際には、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定し、湯張りスイッチ50cが投入されていない際には、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていないと判定する。
ステップS1にて、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際には、ステップS2へ進み、流量割合調整弁34の作動が制御される。具体的には、ステップS2では、流量割合Q1/QAを、沸上運転用に定められた0から出湯運転用に決定された基準流量割合KQへ増加させるように、流量割合調整弁34の作動が制御されて、ステップS3へ進む。
ここで、基準流量割合KQは、リモコン50の温度設定スイッチ50bによって設定された浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTwに基づいて、予め制御装置40に記憶された制御マップを参照して、浴槽用給湯端末Bから出湯される給湯水が目標出湯温度TTwとなるように決定される。具体的には、本実施形態の基準流量割合KQは、0.1以上、かつ、1未満の値に決定される。
ステップS3では、目標沸上温度Twを浴槽用沸上温度T2に変更して、ステップS4へ進む。浴槽用沸上温度T2は、貯湯用沸上温度T1よりも低く、かつ、水道水よりも高い温度に設定されている。具体的には、本実施形態の浴槽用沸上温度T2は、40℃に決定されている。
より詳細には、本実施形態の浴槽用沸上温度T2は、ヒートポンプサイクルのCOPを効果的に向上させるために、リモコン50の温度設定スイッチ50bによって設定された浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTw(概ね、42℃)よりも低く、かつ、水道水よりも高い温度に設定されている。
ステップS4では、沸上運転時と同様の給湯水加熱ルーチンが実行される。この出湯運転時の給湯水加熱ルーチンでは、ステップS3にて目標沸上温度Twが貯湯用沸上温度T1よりも低い浴槽用沸上温度T2に設定されているので、沸上運転時よりも圧縮機1の目標回転数(目標冷媒吐出能力)が減少する。
続くステップS5では、温度調整弁23の作動が制御される。具体的には、ステップS5では、給湯端末から出湯される給湯水の温度が、リモコン50の温度設定スイッチ50bによって設定された各給湯端末の目標出湯温度TTwとなるように、温度調整弁23の作動が制御されて、メインルーチンへ戻る。
一方、ステップS1にて、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていない(すなわち、浴槽用給湯端末B以外の給湯端末からの出湯が要求されている)と判定された際には、ステップS6へ進み、沸上運転と同様に、流量割合Q1/QAが0となるように、流量割合調整弁34の作動が制御されて、ステップS7へ進む。
ステップS7では、目標沸上温度Twを貯湯用沸上温度T1に変更して、ステップS8へ進む。ステップS8では、ヒートポンプサイクル10(具体的には、圧縮機11、送風ファン14a等)の作動を停止させるとともに、水循環ポンプ33の作動を停止させて、ステップS5へ進む。
従って、出湯運転の制御処理では、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際には、水−冷媒熱交換器12にて浴槽用沸上温度T2となるように加熱された給湯水の一部が分岐用水配管35を介して温度調整弁23側へ導かれ、残余の給湯水が高温側水配管32を介して貯湯タンク20側へ導かれる。
このように、貯湯用沸上温度T1(90℃)よりも低い温度である浴槽用沸上温度T2(40℃)となるように加熱された給湯水が貯湯タンク20へ導かれると、貯湯タンク20内の給湯水の温度を大きく低下させて、貯湯タンク20内のレジオネラ菌を死滅させることや、レジオネラ菌の繁殖を抑制することができなくなってしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態の高温側水配管32の給湯水出口32aおよび流出用配管21の給湯水入口21aは、高温側水配管32から貯湯タンク20内へ流入した直後の給湯水の少なくとも一部が直接流出用配管21へ流入可能な程度に、互いに近接配置されている。
従って、貯湯タンク20へ流入した給湯水は、貯湯タンク20内の給湯水の温度を大きく低下させてしまうことなく、その一部が流出用配管21を介して温度調整弁23側へ流出する。この際、貯湯タンク20内の上方側の高温の給湯水も、流出用配管21を介して温度調整弁23側へ流出する。
そして、分岐用水配管35を介して温度調整弁23へ導かれた給湯水と貯湯タンク20から流出した給湯水が混合されることによって、浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTwに調整された給湯水が、温度調整弁23から流出して浴槽用給湯端末Bから出湯される。
一方、浴槽用給湯端末B以外の給湯端末からの出湯が要求されていると判定された際には、流量割合調整弁34が流量割合Q1/QAを0とするので、温度調整弁23にて貯湯タンク20の上方側から流出用配管21を介して流出した高温の給湯水と水道水とを混合させて、目標出湯温度TTwに調整された給湯水を各給湯端末から出湯させることができる。
以上の如く、出湯運転時には、いずれの給湯端末からの出湯が要求された場合であっても、目標出湯温度TTwに調整された給湯水を給湯端末から出湯させることができる。
さらに、本実施形態の出湯運転では、制御ステップS1にて、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際に、制御ステップS3にて、目標沸上温度Twを、貯湯用沸上温度T1(90℃)よりも低い温度である浴槽用沸上温度T2(40℃)に変更している。
従って、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際には、沸上運転時よりも、圧縮機1の冷媒吐出能力を減少させて、ヒートポンプサイクル10のCOPを向上させることができる。ここで、本発明者らの検討によれば、目標沸上温度Twを90℃から40℃に変更することによって、図4に示すように、理論的なCOPを1.5倍以上向上できることが判っている。
さらに、浴槽の湯張りを行うために浴槽用給湯端末Bから給湯水を出湯させる際には、他の給湯端末から給湯水を出湯させる際に対して、比較的長時間に亘って連続的に大量の給湯水を出湯させることになる。具体的には、15〜20分に亘って、合計200リットル程度の給湯水を出湯させることになる。
従って、浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際には、目標沸上温度Twを充分に低下させてヒートポンプサイクル10のCOPを向上させたことによるエネルギ消費量抑制効果を、給湯水を加熱するために必要なコストを低減させるために活用しやすい。
さらに、目標沸上温度Twを充分に低下させても、温度調整弁23から、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水と貯湯タンク20に貯湯された給湯水とを混合させた給湯水を流出させることによって、目標出湯温度TTwに調整された給湯水を浴槽用給湯端末Bから出湯させることができる。この際、前述の如く、貯湯タンク20内の給湯水の温度を大きく低下させてしまうこともない。
つまり、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1によれば、浴槽用給湯端末Bにおける出湯特性に応じてヒートポンプサイクル10の加熱能力を変更することができ、ヒートポンプサイクル10のCOPを、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における浴槽用給湯端末Bは、特許請求の範囲に記載された所定給湯端末を構成しており、図3で説明した制御ステップS1は、特許請求の範囲に記載された出湯要求判定手段を構成しており、制御ステップS3は、特許請求の範囲に記載された目標沸上温度変更手段を構成している。
また、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、流量割合調整弁34を備えているので、浴槽用沸上温度T2が目標出湯温度TTwよりも低くなっていても、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水と貯湯タンク20内に貯湯された給湯水を混合させることによって、浴槽用給湯端末Bから出湯される給湯水を容易に目標出湯温度TTwに調整することができる。
さらに、本実施形態では、出湯運転時に浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際に、流量割合調整弁34が沸上運転時よりも流量割合Q1/QAを増加させる。従って、温度の低い給湯水が、貯湯タンク20内へ大量に流入して不必要に貯湯タンク20内の給湯水の温度を低下させてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水の沸上温度Twoが目標沸上温度Twに近づくように水循環ポンプ33の作動を制御している。これによれば、圧縮機1の冷媒吐出能力を変化させても、沸上温度Twoを容易に目標沸上温度Twに近づけることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図5の全体構成図に示すように、流量割合調整弁34および分岐用水配管35を廃止した例を説明する。なお、図5では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面においても同様である。
本実施形態では、第1実施形態に対して、図5の全体構成図に示すように、流量割合調整弁34および分岐用水配管35を廃止した例を説明する。なお、図5では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面においても同様である。
さらに、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、流量割合調整弁34が廃止されているので、出湯運転時の制御処理についても、図6のフローチャートに示すように、第1実施形態に対して、制御ステップS2およびS6が廃止されている。また、本実施形態の制御ステップS3では、目標沸上温度Twを浴槽用沸上温度T3に変更する。
この浴槽用沸上温度T3は、リモコン50の温度設定スイッチ50bによって設定された浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTwに基づいて、予め制御装置40に記憶された制御マップを参照して、浴槽用給湯端末Bから出湯される給湯水が目標出湯温度TTwとなるように決定される。具体的には、本実施形態の浴槽用沸上温度T3は、目標出湯温度TTwよりも2〜3℃低い値に決定される。
その他のヒートポンプ式給湯機1の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1においても、沸上運転時には、第1実施形態と同様に、貯湯タンク20に貯湯される給湯水の温度を、貯湯タンク20内のレジオネラ菌を死滅させることのできる温度以上、あるいは、レジオネラ菌の繁殖を抑制可能な温度以上とすることができる。
また、出湯運転時に浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際には、水−冷媒熱交換器12にて浴槽用沸上温度T3となるように加熱された給湯水の全部が、貯湯タンク20内へ流入する。
このように、貯湯用沸上温度T1よりも低い温度である浴槽用沸上温度T3となるように加熱された給湯水の全部を貯湯タンク20内へ流入させても、第1実施形態と同様に、高温側水配管32の給湯水出口32aおよび流出用配管21の給湯水入口21aが互いに近接配置されていることによって、貯湯タンク20内の給湯水の温度を大きく低下させてしまうことを抑制できる。
さらに、貯湯タンク20へ流入した給湯水は、貯湯タンク20内の上方側の高温の給湯水とともに、流出用配管21を介して温度調整弁23側へ流出する。これにより、流出用配管21を介して温度調整弁23側へ流出する給湯水の温度が、浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTwに調整されて、温度調整弁23を介して浴槽用給湯端末Bから出湯される。
一方、出湯運転時に浴槽用給湯端末B以外の給湯端末からの出湯が要求されていると判定された際には、第1実施形態と全く同様に、目標出湯温度TTwに調整された給湯水を各給湯端末から出湯させることができる。
従って、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1においても、第1実施形態と同様に、ヒートポンプサイクル10のCOPを、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができる。さらに、本実施形態では、流量割合調整弁34および分岐用水配管35が廃止されているので、簡素な構成で、ヒートポンプサイクル10のCOPを、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図7の全体構成図に示すように、中温側流出用配管(中温側流出用通路)24および水回路切替弁25を追加した例を説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、図7の全体構成図に示すように、中温側流出用配管(中温側流出用通路)24および水回路切替弁25を追加した例を説明する。
より具体的には、中温側流出用配管24は、流出用配管21と同様に、貯湯タンク20内に貯湯されている給湯水を温度調整弁23側へ流出させる配管であって、流出用配管21よりも鉛直方向に長く形成されている。従って、中温側流出用配管24の給湯水流れ最上流部となる中温用給湯水入口24aは、流出用配管21の給湯水入口21aよりも下方側であって、貯湯タンク20内の鉛直方向中間部に位置付けられている。
ここで、第1実施形態で説明したように、沸上運転終了後の貯湯タンク20内の給湯水には、上方側から下方側へ向かって徐々に温度低下する温度分布が生じている。そこで、本実施形態では、中温側流出用配管24から温度調整弁23側へ流出する給湯水の温度が、流出用配管21から温度調整弁23側へ流出する給湯水の温度よりも低く、かつ、目標出湯温度TTwよりも高い温度となるように、中温側流出用配管24を配置している。
水回路切替弁25は、給湯水を、貯湯タンク20から流出用配管21を介して温度調整弁23側へ流出させる経路と、貯湯タンク20から中温側流出用配管24を介して温度調整弁23側へ流出させる経路とを切り替える水流出通路切替手段である。より具体的には、水回路切替弁25は、電気式三方弁で構成されており、制御装置40から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。
さらに、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、図8のフローチャートに示すように、第1実施形態に対して、制御ステップS2およびS6が、それぞれ制御ステップS2’およびS6’に変更されている。
これにより、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、出湯運転時に浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際には、水回路切替弁25が貯湯タンク20内の給湯水を中温側流出用配管24を介して温度調整弁23側へ流出させる。一方、出湯運転時に浴槽用給湯端末B以外の給湯端末からの出湯が要求されていると判定された際には、水回路切替弁25が貯湯タンク20内の給湯水を流出用配管21を介して温度調整弁23側へ流出させる。
その他のヒートポンプ式給湯機1の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1においても、沸上運転時には、第1実施形態と同様に、貯湯タンク20に貯湯される給湯水の温度を、貯湯タンク20内のレジオネラ菌を死滅させることのできる温度以上、あるいは、レジオネラ菌の繁殖を抑制可能な温度以上とすることができる。
また、出湯運転時に浴槽用給湯端末Bからの出湯が要求されていると判定された際には、第1実施形態と同様に、浴槽用沸上温度T2となるように加熱された給湯水の一部が分岐用水配管35を介して温度調整弁23側へ導かれ、残余の給湯水が高温側水配管32を介して貯湯タンク20側へ導かれる。
この際、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、水回路切替弁25が中温側流出用配管24を介して貯湯タンク20内の給湯水を流出させる経路に切り替えているので、流出用配管21を介して貯湯タンク20内の給湯水を流出させる場合よりも低い温度の給湯水が温度調整弁23側へ流出する。
そして、分岐用水配管35を介して温度調整弁23へ導かれた給湯水と貯湯タンク20から流出した給湯水が混合されることによって、浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTwに調整された給湯水が、温度調整弁23から流出して浴槽用給湯端末Bから出湯される。
このため、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、高温側水配管32から貯湯タンク20内へ流入した直後の給湯水を流出用配管21を介して流出させることができず、貯湯タンク20内の給湯水の温度を大きく低下させてしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態では、中温側流出用配管24を介して、貯湯タンク20内の上方側に貯湯された給湯水よりも温度の低い給湯水を流出させているので、第1実施形態よりも貯湯タンク20内の上方側に貯湯された給湯水の温度が低下しやすいものの、貯湯タンク20内の全給湯水の有する総熱量が低減してしまうことを抑制できる。
従って、貯湯タンク20内の給湯水の温度を大きく低下させてしまうことを抑制できるとともに、貯湯タンク20内の上方側に貯湯された給湯水よりも温度の低い給湯水を有効に利用することができる。
一方、出湯運転時に浴槽用給湯端末B以外の給湯端末からの出湯が要求されていると判定された際には、第1実施形態と全く同様に、目標出湯温度TTwに調整された給湯水を各給湯端末から出湯させることができる。従って、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1においても、第1実施形態と同様に、ヒートポンプサイクル10のCOPを、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、給湯端末として、蛇口、シャワー、浴槽内へ給湯水を出湯させる浴槽用給湯端末B等を設けた例を説明したが、給湯端末として、床暖房用の温水パネルや壁暖房用の温水パネル等を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、所定給湯端末を浴槽用給湯端末Bとした例を説明したが、所定給湯端末は、他の給湯端末であってもよい。この場合は、所定給湯端末として給湯端末の出湯特性に応じて、目標沸上温度Tw等を決定すればよい。
例えば、第1実施形態のヒートポンプ式給湯機1において、流所定給湯端末を、使用頻度が比較的少なく、1回あたりの連続使用時間が比較的短い給湯端末とした場合は、所定給湯端末からの出湯が要求されていると判定された際に、目標沸上温度Twを、リモコン50の温度設定スイッチ50bによって設定された目標出湯温度TTwに設定し、流量割合調整弁34の流量割合Q1/QAを1にしてもよい。
これによれば、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水の全部が、分岐用水配管35を介して温度調整弁23へ導かれるので、貯湯タンク20内に温度の低い給湯水が流入してしまうことがない。従って、貯湯タンク20に貯湯される給湯水の温度を、貯湯タンク20内のレジオネラ菌を死滅させることのできる温度、あるいは、レジオネラ菌の繁殖を抑制可能な温度よりも低下させてしまうこともない。
(2)上述の第1実施形態では、浴槽用沸上温度T2として、浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTwよりも低く、かつ、水道水よりも高い温度を採用した例を説明したが、浴槽用沸上温度T2はこれに限定されない。
ヒートポンプサイクル10のCOPを、ユーザにとって有効となるように適切に向上させることができれば、浴槽用沸上温度T2として、貯湯用沸上温度T1よりも低く、かつ、浴槽用給湯端末Bの目標出湯温度TTwよりも高い温度を採用してもよい。
この場合は、流量割合調整弁34の流量割合Q1/QAを1として、温度調整弁23にて、水−冷媒熱交換器12にて加熱された給湯水と水道水とを混合させることによって、浴槽用給湯端末Bから出湯される給湯水の温度が目標出湯温度TTwとなるように調整すればよい。
(3)上述の実施形態では、沸上運転の終了条件の詳細について説明していないが、沸上運転の終了条件としては、例えば、複数個の温度センサによって構成されるタンク内温度センサ41のうち所定の温度センサ(例えば、最下方側に配置された温度センサ)によって検出された温度が予め定めた沸上運転終了温度となった際に、沸上運転を終了させるようにしてもよい。
また、沸上温度センサ43によって検出された沸上温度Two、水循環ポンプ33の水圧送能力、およびヒートポンプサイクル10の作動時間等から算出される貯湯タンク20内に給湯水に供給された総熱量が予め定めた基準総熱量以上となった際に、沸上運転を終了させるようにしてもよい。また、沸上運転の開始から予め定めた所定時間が掲載した際に、沸上運転を終了させるようにしてもよい。
(4)上述の実施形態のヒートポンプサイクル10では、冷媒として二酸化炭素を採用し、超臨界冷凍サイクルを構成しているが、これに限らず、冷媒としてフロン系冷媒、HC系冷媒等を採用して、サイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成してもよい。
10 ヒートポンプサイクル
12 水−冷媒熱交換器
20 貯湯タンク
23 温度調整弁
B 浴槽用給湯端末
12 水−冷媒熱交換器
20 貯湯タンク
23 温度調整弁
B 浴槽用給湯端末
Claims (8)
- 給湯水と高圧冷媒とを熱交換させて前記給湯水を加熱する水−冷媒熱交換器(12)を有するヒートポンプサイクル(10)と、
前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を貯湯する貯湯タンク(20)と、
少なくとも前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水、前記貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水、および水道水のうち、2種以上を混合させた給湯水を下流側へ流出させる混合水流出手段(23)と、
前記混合水流出手段(23)から流出した給湯水を出湯させる複数の給湯端末(F、S、B)と、
前記複数の給湯端末(F…B)のうち予め定めた所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていることを判定する出湯要求判定手段(S1)と、
前記水−冷媒熱交換器(12)から流出する給湯水の目標沸上温度(Tw)を変更する目標沸上温度変更手段(S3)と、を備え、
前記目標沸上温度(Tw)は、前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を前記貯湯タンク(20)に貯湯する沸上運転を行う際には、予め定めた貯湯用沸上温度(T1)に設定されており、
前記目標沸上温度変更手段(S3)は、前記出湯要求判定手段(S1)によって前記所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていると判定された際には、前記目標沸上温度(Tw)を、前記貯湯用沸上温度(T1)よりも低く、かつ、前記水道水よりも高い温度(T2)に変更するものであることを特徴とするヒートポンプ式給湯機。 - 前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を前記貯湯タンク(20)側へ導く高温側水通路(32)と、
前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を前記混合水流出手段(23)側へ導く分岐用水通路(35)と、
前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水の全流量(QA)に対する前記分岐用水通路(35)を介して前記混合水流出手段(23)側へ導かれる給湯水の端末側流量(Q1)の流量割合(Q1/QA)を調整する流量割合調整手段(34)と、を備え、
前記流量割合調整手段(34)は、前記出湯要求判定手段(S1)によって前記所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていると判定された際に、前記流量割合(Q1/QA)を増加させることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯機。 - 前記流量割合調整手段(34)は、前記出湯要求判定手段(S1)によって前記所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていると判定された際に、前記流量割合(Q1/QA)が1となるように増加させることを特徴とする請求項2に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水を前記混合水流出手段(23)側へ導く流出用通路(21)と、
前記貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水のうち前記混合水流出手段(23)から流出する給湯水よりも低い温度の給湯水を前記混合水流出手段(23)側へ導く中温側流出用通路(24)と、
前記貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水を、前記流出用通路(21)を介して前記混合水流出手段(23)側へ導く経路と前記中温側流出用通路(24)を介して前記混合水流出手段(23)側へ導く経路とを切り替える水流出通路切替手段(25)と、を備え、
前記水流出通路切替手段(25)は、前記出湯要求判定手段(S1)によって前記所定給湯端末(B)からの出湯が要求されていると判定された際に、前記貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水を、前記中温側流出用通路(24)を介して前記混合水流出手段(23)側へ導く経路に切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のヒートポンプ式給湯機。 - 前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水を前記貯湯タンク(20)側へ導く高温側水通路(32)と、
前記貯湯タンク(20)に貯湯された給湯水を前記混合水流出手段(23)側へ導く流出用通路(21)と、を備え、
前記高温側水通路(32)の給湯水出口(32a)および前記流出用通路(21)の給湯水入口(21a)は、前記高温側水通路(32)から前記貯湯タンク(20)内へ流入した給湯水の少なくとも一部が前記流出用通路(21)へ流入可能に近接配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のヒートポンプ式給湯機。 - 前記貯湯用沸上温度(T1)は、65℃以上に設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記所定給湯端末は、前記混合水流出手段(23)から流出した給湯水を浴槽へ出湯させる浴槽用給湯端末(B)であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記貯湯タンク(20)から流出した給湯水を前記水−冷媒熱交換器(12)の水通路(12b)側へ圧送する水圧送手段(33)を備え、
前記水圧送手段(33)の水圧送能力は、前記水−冷媒熱交換器(12)にて加熱された給湯水の沸上温度(Two)が前記目標沸上温度(Tw)に近づくように調整されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のヒートポンプ式給湯機。
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2014
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