JP2015189722A - 新規なアントラセン化合物及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

新規なアントラセン化合物及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なアントラセン化合物及びこれを用いた高効率な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるアントラセン化合物。
Figure 2015189722

(Zは、式(2)で表される構造を有する基であり、R11〜R18のうち少なくとも1組の隣接する2つの基は、互いに結合して式(3)で表される環構造を形成する。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアントラセン化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般に有機EL素子は、発光層及び該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結合し、励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際にエネルギーを光として放出する。
従来の有機EL素子は、無機発光ダイオードに比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低く、さらなる発光効率の向上等が要求されている。有機EL用発光材料の改良により有機EL素子の性能は徐々に改善されてきている。有機EL素子の発光効率の向上はディスプレイの消費電力の低下につながる重要な課題である。これまで種々検討により改善されてきたが、さらなる改良が求められている。
これら問題を解決すべく、特許文献1には、アントラセン骨格の9位に3−カルバゾリル基を、10位に種々のアリール基を有するアントラセン誘導体を発光材料に用いた有機EL素子が開示されていた。3−カルバゾリル基が連結基を介さずにアントラセン骨格と結合していることにより、高Tg(ガラス転移温度)、低電圧駆動で長寿命な素子が提供できると記載されているが、さらなる高発光効率化が求められている。
国際公開第2009/099133A号
本発明の目的は、新規なアントラセン化合物及びこれを用いた高効率の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明の一態様によれば、以下の新規なアントラセン化合物、これを用いた有機EL素子等が提供される。
下記式(1)で表されるアントラセン化合物。
Figure 2015189722
式(1)中、
、R、R〜R10のいずれか1つはLとの結合に用いられ、Lとの結合に用いられるものは単結合であり、残りのR、R、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基から選択される基であり、
101〜R103は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択される基である。
は、式(1)のアントラセン骨格とZとを結合する連結基であり、該連結基は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、
mは0〜4の整数であり、mが0のとき、Lは単結合である。mが2以上のとき、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
は、R,R,R〜R10のいずれかとYとを結合する連結基であり、該連結基は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、
nは0〜4の整数であり、nが0のとき、Lは単結合である。nが2以上のとき、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
Yは、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のビフェニリル基、置換若しくは無置換のフルオレニル基、置換若しくは無置換のターフェニリル基、置換若しくは無置換のジベンゾフラニル基、置換若しくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換若しくは無置換のトリフェニレニル基、置換若しくは無置換のベンゾ[c]フェナントリル基、置換若しくは無置換のベンゾ[g]クリセニル基、置換若しくは無置換のピリジル基、置換若しくは無置換のピリミジニル基、置換若しくは無置換のトリアジニル基、及び置換若しくは無置換のピラジニル基から選択される基であり、
Zは、下記式(2)で表される構造を有する基である。
Figure 2015189722
式(2)中、
11〜R18のうち少なくとも1組の隣接する2つの基は、互いに結合して下記式(3)で表される環構造を形成する。
Figure 2015189722
式(3)の環構造の形成に寄与しないR11〜R18、及びR20〜R23のいずれか1つはLとの結合に用いられ、Lとの結合に用いられるものは単結合であり、それ以外のR11〜R18及びR20〜R23は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基から選択される基であり、R101〜R103は前記定義の通りである。
19は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基である。
但し、上記式(1)中、カルバゾール骨格は式(2)で表される基のみである。
上記式(1)で表されるアントラセン化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
陰極と陽極の間に、発光層を含む1以上の有機薄膜層が挟持されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機薄膜層の少なくとも一層が、上記式(1)で表されるアントラセン化合物を単独若しくは混合物の成分として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明によれば、新規なアントラセン化合物及びこれを用いた高効率の有機EL素子が提供できる。
(アントラセン化合物)
本発明の一態様のアントラセン化合物は、下記式(1)で表されるアントラセン化合物である。
Figure 2015189722
式(1)中、
、R、R〜R10のいずれか1つはLとの結合に用いられ、Lとの結合に用いられるものは単結合であり、残りのR、R、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基から選択される基であり、
101〜R103は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択される基である。
は、式(1)のアントラセン骨格とZとを結合する連結基であり、該連結基は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、
mは0〜4の整数であり、mが0のとき、Lは単結合である。mが2以上のとき、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
は、R、R、R〜R10のいずれかとYとを結合する連結基であり、該連結基は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、
nは0〜4の整数であり、nが0のとき、Lは単結合である。nが2以上のとき、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
Yは、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のビフェニリル基、置換若しくは無置換のフルオレニル基、置換若しくは無置換のターフェニリル基、置換若しくは無置換のジベンゾフラニル基、置換若しくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換若しくは無置換のトリフェニレニル基、置換若しくは無置換のベンゾ[c]フェナントリル基、置換若しくは無置換のベンゾ[g]クリセニル基、置換若しくは無置換のピリジル基、置換若しくは無置換のピリミジニル基、置換若しくは無置換のトリアジニル基、及び置換若しくは無置換のピラジニル基から選択される基であり、
Zは、下記式(2)で表される構造を有する基である。
Figure 2015189722
式(2)中、
11〜R18のうち少なくとも1組の隣接する2つの基は、互いに結合して下記式(3)で表される環構造を形成する。
Figure 2015189722
式(3)の環構造の形成に寄与しないR11〜R18、及びR20〜R23のいずれか1つはLとの結合に用いられ、Lとの結合に用いられるものは単結合であり、それ以外のR11〜R18及びR20〜R23は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基から選択される基であり、R101〜R103は前記定義の通りである。
前記「式(3)の環構造の形成に寄与しないR11〜R18」とは、例えば、下記式で示すように、式(2)において隣接するR11及びR12が式(3)の環構造を形成する場合において、式(3)の環構造の形成に関与していない残りのR13〜R18を意味する。
Figure 2015189722
19は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基である。
但し、上記式(1)中、カルバゾール骨格は式(2)で表される基のみである。
式(1)で表されるアントラセン化合物は、縮環カルバゾール骨格を有することにより、π電子の分布の広がりが大きくなるため電荷移動が容易となり、キャリアバランスが良好となる。その結果、特に発光効率の面での向上効果が得られる。式(1)で表されるアントラセン化合物を含有する有機EL素子用材料を用いることで、高効率な有機EL素子が得られる。
式(1)中、カルバゾール骨格は式(2)で表される基1つのみである。つまり、式(2)で表されるカルバゾール骨格以外の、カルバゾール骨格及び縮環したカルバゾール骨格を含まない。
カルバゾール骨格はドナー性が強く、この骨格を有する分子は正孔が入り易いという性質を持つ。しかしながら、1分子中に2個以上のカルバゾール骨格を有していると、正孔量の増大に伴い相対的に電子量が不足しやすくなると考えられ、キャリアバランスが崩れ易くなるため好ましくない。
また、式(1)で表されるアントラセン化合物は、下記式(1−2)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2015189722
式(1−2)中、R,R,R〜R,R,R10、L,m、L,n,Y及びZは前記定義の通りである。
式(1)及び(1−2)において、Lは、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基であることが好ましい。
式(1)及び(1−2)において、Lは、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基であることが好ましい。
式(1)で表されるアントラセン化合物は、下記式(1−3)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2015189722
式(1−3)中、R,R,R〜R,R,R10、L,n、Y及びZは前記定義の通りである。
式(1−3)は、式(1−2)において、m=0である。
式(1)で表されるアントラセン化合物は、m=0又は、m=1且つLが置換若しくは無置換のフェニレニル基、置換若しくは無置換のナフチレニル基、置換若しくは無置換のビフェニレニル基から選ばれる基であることが好ましい。
式(1)で表されるアントラセン化合物は、nが、0又は1であることが好ましい。
式(1)で表されるアントラセン化合物は、下記式(1−4)で表される構造を有することがさらに好ましい。
Figure 2015189722
式(1−4)中、R,R,R〜R,R,R10、Y及びZは前記定義の通りである。
式(1−4)は、式(1−2)において、m=0、かつn=0である。
Zは、下記式(5)〜(14)で表される構造を有する基から選択されることが好ましい。
Figure 2015189722
式(5)〜(14)中、R11〜R23は前記定義の通りである。
Zは、前記式(5)〜(7)で表される構造を有する基から選択されることがより好ましい。
式(2)において、R13が、Lと結合することが好ましい。
m=0の場合には、R13は式(1)のアントラセン骨格と単結合で結合する。
式(1−4)で表されるアントラセン化合物は、下記式(20)又は(21)で示されることがより好ましい。
Figure 2015189722
式(20)及び(21)中、R,R,R〜R,R,R10,R11,R12,R14〜R16,R19〜R23及びYは前記定義の通りである。
上記式(20)または(21)で表されるアントラセン化合物を有機EL素子に用いることで、該有機EL素子の発光効率が特に良好となるため好ましい。
さらに、上記式(20)で表されるアントラセン化合物を有機EL素子に用いることにより、該有機EL素子の発光効率が特に良好となるとともに、駆動電圧が低下するため好ましい。
Yは、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のフルオレニル基、置換若しくは無置換のジベンゾフラニル基、及び置換若しくは無置換のジベンゾチオフェニル基から選択されることが好ましい。
Yは、置換若しくは無置換のフェニル基、又は置換若しくは無置換のナフチル基であることがさらに好ましい。
各基の「置換若しくは無置換の」における置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基(式中、R101〜R103は前記定義の通りである。)で表される基から選択される基であることが好ましい。
各基の「置換若しくは無置換の」における置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、及び置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択される基であることがより好ましい。
Yにおける「置換若しくは無置換の」の置換基は、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択されることが好ましい。
Yは無置換、又は置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のビフェニリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、9位に2つ置換基を持つフルオレニル基から選択される基で置換されていることが好ましい。
フルオレニル基の9位の置換基は、前記の置換基と同様に定義され、好ましくはメチル基、t−ブチル基、フェニル基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基から選択される。
Yが、無置換、又は、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基及び置換若しくは無置換のビフェニリル基から選択される基で置換されていることがより好ましい。
、R、R〜R10のうちのLと結合しない基は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択されることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上記アリール基において、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のビフェニリル基であることが好ましく、上記ヘテロアリール基においては、置換若しくは無置換のジベンゾフラニル基、置換若しくは無置換のジベンゾチオフェニル基であることが好ましい。
11〜R18のうちの、Lと結合しない基、及び前記式(3)で表される環形成に寄与しない基及びR20〜R23のうちのLと結合しない基は、水素原子であることが好ましい。即ち、具体的には下記に示す構造のいずれかであることが好ましい。
Figure 2015189722
上記各構造中の縮環カルバゾール環を構成するいずれか1つの炭素原子はLと結合する。
19は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のビフェニリル基であることがより好ましい。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は環形成原子数は6であり、キナゾリン環は環形成原子数が10であり、フラン環の環形成原子数が5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
本明細書において、「置換若しくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換若しくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
「置換若しくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、三重水素(tritium)を包含する。
本明細書において、特に断らない限り、隣接する置換基同士で環を形成してもよい。
上記式(1)、(1−2)〜(1−4)、(2)〜(13)、(20)及び(21)における各基の具体例を以下に挙げる。
環形成炭素数6〜30のアリール基の例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、6−クリセニル基、1−ベンゾ[c]フェナントリル基、2−ベンゾ[c]フェナントリル基、3−ベンゾ[c]フェナントリル基、4−ベンゾ[c]フェナントリル基、5−ベンゾ[c]フェナントリル基、6−ベンゾ[c]フェナントリル基、1−ベンゾ[g]クリセニル基、2−ベンゾ[g]クリセニル基、3−ベンゾ[g]クリセニル基、4−ベンゾ[g]クリセニル基、5−ベンゾ[g]クリセニル基、6−ベンゾ[g]クリセニル基、7−ベンゾ[g]クリセニル基、8−ベンゾ[g]クリセニル基、9−ベンゾ[g]クリセニル基、10−ベンゾ[g]クリセニル基、11−ベンゾ[g]クリセニル基、12−ベンゾ[g]クリセニル基、13−ベンゾ[g]クリセニル基、14−ベンゾ[g]クリセニル基、1−ベンゾ[a]アントリル基、2−ベンゾ[a]アントリル基、3−ベンゾ[a]アントリル基、4−ベンゾ[a]アントリル基、5−ベンゾ[a]アントリル基、6−ベンゾ[a]アントリル基、7−ベンゾ[a]アントリル基、8−ベンゾ[a]アントリル基、9−ベンゾ[a]アントリル基、10−ベンゾ[a]アントリル基、11−ベンゾ[a]アントリル基、12−ベンゾ[a]アントリル基、13−ベンゾ[a]アントリル基、14−ベンゾ[a]アントリル基、1−トリフェニル基、2−トリフェニル基、1−フルオレニル、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、等が挙げられる。
好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−フルオレニル、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、5−ベンゾ[c]フェナントリル基、4−ベンゾ[a]アントリル基、7−ベンゾ[a]アントリル基、1−トリフェニル基、2−トリフェニル基である。
1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基及び4−フルオレニル基は、9位の炭素原子に、前述した置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基が置換されていることが好ましい。等が挙げられる。
環形成炭素数6〜30のアリーレン基としては上記のアリール基に対応する2価の基が挙げられる。
環形成原子数5〜30のヘテロアリール基の例としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、2−ベンゾフラチオフェニル基、3−ベンゾチオフェニル基、4−ベンゾチオフェニル基、5−ベンゾチオフェニル基、6−ベンゾチオフェニル基、7−ベンゾチオフェニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナントロリン−2−イル基、1,7−フェナントロリン−3−イル基、1,7−フェナントロリン−4−イル基、1,7−フェナントロリン−5−イル基、1,7−フェナントロリン−6−イル基、1,7−フェナントロリン−8−イル基、1,7−フェナントロリン−9−イル基、1,7−フェナントロリン−10−イル基、1,8−フェナントロリン−2−イル基、1,8−フェナントロリン−3−イル基、1,8−フェナントロリン−4−イル基、1,8−フェナントロリン−5−イル基、1,8−フェナントロリン−6−イル基、1,8−フェナントロリン−7−イル基、1,8−フェナントロリン−9−イル基、1,8−フェナントロリン−10−イル基、1,9−フェナントロリン−2−イル基、1,9−フェナントロリン−3−イル基、1,9−フェナントロリン−4−イル基、1,9−フェナントロリン−5−イル基、1,9−フェナントロリン−6−イル基、1,9−フェナントロリン−7−イル基、1,9−フェナントロリン−8−イル基、1,9−フェナントロリン−10−イル基、1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−1−イル基、2,9−フェナントロリン−3−イル基、2,9−フェナントロリン−4−イル基、2,9−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−6−イル基、2,9−フェナントロリン−7−イル基、2,9−フェナントロリン−8−イル基、2,9−フェナントロリン−10−イル基、2,8−フェナントロリン−1−イル基、2,8−フェナントロリン−3−イル基、2,8−フェナントロリン−4−イル基、2,8−フェナントロリン−5−イル基、2,8−フェナントロリン−6−イル基、2,8−フェナントロリン−7−イル基、2,8−フェナントロリン−9−イル基、2,8−フェナントロリン−10−イル基、2,7−フェナントロリン−1−イル基、2,7−フェナントロリン−3−イル基、2,7−フェナントロリン−4−イル基、2,7−フェナントロリン−5−イル基、2,7−フェナントロリン−6−イル基、2,7−フェナントロリン−8−イル基、2,7−フェナントロリン−9−イル基、2,7−フェナントロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ベンズイミダゾリル基、2−ベンズイミダゾリル基、4−ベンズイミダゾリル基、5−ベンズイミダゾリル基、6−ベンズイミダゾリル基、7−ベンズイミダゾリル基、2−イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、3−イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、5−イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、6−イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、7−イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、8−イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、ベンズイミダゾール−2−オン−1−イル基、ベンズイミダゾール−2−オン−3−イル基、ベンズイミダゾール−2−オン−4−イル基、ベンズイミダゾール−2−オン−5−イル基、ベンズイミダゾール−2−オン−6−イル基、ベンズイミダゾール−2−オン−7−イル基等が挙げられる。
環形成原子数6〜30のヘテロアリーレン基としては、上記のヘテロアリール基に対応する2価の基が挙げられる。
置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基から選ばれる。
置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基の例には、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等のアラルキル基も含む。
置換又は無置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。
置換又は無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基は、−OYで表される基であり、Yの例としては、前記炭素数1〜20のアルキル基および炭素数3〜20のシクロアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基は、−SYで表される基であり、Yの例としては、アルキルオキシ基におけるYと同じである。
置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基は、−OYと表され、Yの例としては前記環形成原子数5〜30のヘテロアリール基において挙げたものと同様のものが挙げられる。
置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基は、−SYと表され、Yの例としては、アリールオキシ基におけるYと同じである。
ハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
以下に、本発明の一態様のアントラセン化合物の具体例を示す。
Figure 2015189722
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前記式(1)で表されるアントラセン化合物は、後記する合成例に記載の方法及びこれに準ずる方法で製造できる。
(有機エレクトロルミネッセンス素子用材料)
前記式(1)で表されるアントラセン化合物は、有機EL素子用材料、有機EL素子用発光材料として使用できる。
有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、前記式(1)で表されるアントラセン化合物を含有する。
有機EL素子用材料は、前記式(1)で表されるアントラセン化合物の他、必要に応じて各種の有機EL素子の材料として使用される化合物、添加剤等の成分を含有してもよい。
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
本発明の一態様の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陰極と陽極の間に、発光層を含む1以上の有機薄膜層が挟持されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機薄膜層の少なくとも一層が、前記式(1)で表されるアントラセン化合物を単独若しくは混合物の成分として含有する。
前記式(1)で表されるアントラセン化合物を含有させることにより、良好な発光効率の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。
上記の有機EL素子は、好ましくは発光層及び/又は電子輸送層(電子注入層)が上記のアントラセン化合物を含有する。好ましくは、上記アントラセン化合物は発光層のホスト材料である。
有機薄膜層が複数層型の有機EL素子としては、(陽極/正孔注入層/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入層/陰極)、(陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極)、(陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極)等の構成で積層したものが挙げられる。
また、上記の有機EL素子において、上記アントラセン化合物は、上記のどの有機層に用いられてもよいが、発光帯域に含有されることが好ましい。特に好ましくは発光層に含有される。含有量は特に制限されず、適宜調整可能であるが、通常、1〜100質量%、より好ましくは30〜100質量%である。
有機EL素子は、前記有機薄膜層を複数層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができる。必要があれば、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を組み合わせて使用することができる。また、ドーピング材料により、発光輝度や発光効率が向上する場合がある。また、正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されてもよい。その際には、正孔注入層の場合、電極から正孔を注入する層を正孔注入層、正孔注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔を輸送する層を正孔輸送層と呼ぶ。同様に、電子注入層の場合、電極から電子を注入する層を電子注入層、電子注入層から電子を受け取り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送層と呼ぶ。これらの各層は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機層又は金属電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。
上記のアントラセン化合物と共に発光層に使用できる材料としては、例えば、ナフタレン、フェナントレン、ルブレン、アントラセン、テトラセン、ピレン、ペリレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン等の縮合多環芳香族化合物及びそれらの誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機金属錯体、トリアリールアミン誘導体、スチリルアミン誘導体、スチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、オキサゾン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、ケイ皮酸エステル誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の有機EL素子においては、所望により発光層に、上記の発光材料の他に、発光性ドーパント(りん光性ドーパント及び/又は蛍光性ドーパント)を含有してもよい。また、上記の化合物を含む発光層に、これらのドーパントを含む発光層を積層してもよい。
蛍光性ドーパントは一重項励起子から発光することのできる化合物である。蛍光性ドーパントとしては、アミン系化合物、芳香族化合物、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体等から、要求される発光色に合わせて選ばれる化合物であることが好ましく、スチリルアミン化合物、スチリルジアミン化合物、アリールアミン化合物、アリールジアミン化合物、フルオランテン化合物がより好ましく、縮合多環アミン誘導体がさらに好ましい。これらの蛍光性ドーパントは単独でもまた複数組み合わせて使用してもよい。
縮合多環アミン誘導体としては、下記式(A)で表されるものが好ましい。
Figure 2015189722
式(A)中、Yは置換若しくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合芳香族炭化水素基を示す。
Ar101、Ar102は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基を示す。
Yの具体例としては、上記の縮合アリール基が挙げられ、好ましくは置換若しくは無置換のアントリル基、置換若しくは無置換のピレニル基、置換若しくは無置換のクリセニル基である。Ar101、Ar102の具体例としては、式(1)で表される化合物における環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50の複素環基と同様のものが挙げられる。
nは1〜4の整数であり、1〜2の整数であることが好ましい。
前記式(A)は、下記式(16)又は(17)で表されるものが好ましい。
Figure 2015189722
式(16)、(17)中、R及びRはそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換若しくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、置換若しくは無置換の炭素数1〜30のアルキルシリル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールシリル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜50のアルキルゲルマニウム基、又は置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールゲルマニウム基である。R及びRはそれぞれ独立に、縮合多環骨格を構成するベンゼン環のいずれの結合位置に結合してもよい。
及びRの好ましい例としては置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基であり、より好ましくは、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基等である。
tは0〜10の整数を示す。uは0〜8の整数を示す。
tが2〜10の場合、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
uが2〜8の場合、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
Ar〜Arの好ましい例としては、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のジベンゾフラニル基等である。Ar〜Arの置換基の好ましい例としては、アルキル基、シアノ基、置換若しくは無置換のシリル基である。
また、蛍光性ドーパントとしては、下記式(18)で表わされる縮合環アミン誘導体も好ましい。
Figure 2015189722
式(18)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換若しくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、置換若しくは無置換の炭素数1〜30のアルキルシリル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールシリル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜50のアルキルゲルマニウム基、又は置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールゲルマニウム基である。
は、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換若しくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、置換若しくは無置換の炭素数1〜30のアルキルシリル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールシリル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜50のアルキルゲルマニウム基、又は置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールゲルマニウム基である。Rは、式(18)のフルオレン骨格上のいずれの置換位置に置換してもよい。
qは0〜7の整数である。qが2〜7の整数の場合、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、隣接するR同士が結合して環を形成してもよい。
は単結合又は連結基である。Lは式(18)のフルオレン骨格上のRが結合していない結合位置に結合する。
Ar、Arは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
pは1〜4の整数である。
式(16)〜(18)においてアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アルキルシリル基、アリールシリル基の例として上記で例示したものが挙げられる。
アラルキル基は、−Y−Zと表され、Yの例として上記のアルキルの例に対応するアルキレンの例が挙げられ、Zの例として上記のアリールの例が挙げられる。アラルキル基は、炭素数7〜50アラルキル基(アリール部分は炭素数6〜49(好ましくは6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12)、アルキル部分は炭素数1〜44(好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6))であることが好ましく、例えばベンジル基、フェニルエチル基、2−フェニルプロパン−2−イル基である。
シクロアルキル基としては、環形成炭素数3〜20(好ましくは環形成炭素数3〜10、より好ましくは環形成炭素数3〜8)のシクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。
アルキルゲルマニウム基としては、メチルヒドロゲルミル基、トリメチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、トリプロピルゲルミル基、ジメチル−t−ブチルゲルミル基等が挙げられる。
アリールゲルマニウム基としては、フェニルジヒドロゲルミル基、ジフェニルヒドロゲルミル基、トリフェニルゲルミル基、トリトリルゲルミル基、トリナフチルゲルミル基等が挙げられる。
スチリルアミン化合物及びスチリルジアミン化合物としては、下記式(17)及び(18)で表されるものが好ましい。
Figure 2015189722
式(17)中、Ar301はk価の基であり、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベン基、スチリルアリール基、ジスチリルアリール基に対応するk価の基であり、Ar302及びAr303はそれぞれ独立に、環形成炭素数が6〜20のアリール基であり、Ar301、Ar302及びAr303は置換されていてもよい。
kは1〜4の整数であり、そのなかでもkは1〜2の整数であるのが好ましい。Ar301〜Ar303のいずれか一つはスチリル基を含有する基である。さらに好ましくはAr302又はAr303の少なくとも一方はスチリル基で置換されている。
ここで、環形成炭素数が6〜20のアリール基としては、具体的には上述したアリール基が挙げられ、好ましくはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ターフェニル基等が挙げられる。
式(18)中、Ar304〜Ar306は、v価の置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリール基である。vは1〜4の整数であり、そのなかでもvは1〜2の整数であるのが好ましい。
ここで、式(18)中の環形成炭素数が6〜40のアリール基としては、具体的には上述したアリール基が挙げられ、ナフチル基、アントラニル基、クリセニル基、ピレニル基、又は式(20)で示されるアリール基が好ましい。
フルオランテン化合物としては、下記式(25)で表されるものが好ましい。
Figure 2015189722
式(25)において、R21〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のシリル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、及び置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基から選ばれる。
また、式(25)において、R21とR22、R22とR23、R25とR26、R26とR27、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R30とR31、及びR31とR32は、互いに結合して飽和若しくは不飽和の環を形成する場合と、飽和若しくは不飽和の環を形成しない場合とがあり、当該環は、置換若しくは無置換である。
式(25)のR24が、水素原子であることが好ましい。
式(25)のR27及びR32が、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。R27及びR32は置換若しくは無置換のフェニル基であることが好ましい。
又は、式(25)のR21〜R22、R24〜R26及びR28〜R31が水素原子であり、式(21)のR23、R27及びR32が、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
式(25)のR21〜R22、R24〜R26及びR28〜R31が水素原子であり、式(25)のR27及びR32が置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、式(25)のR23が、−Ar21−Ar22であり、Ar21及びAr22は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
この場合、前記Ar21又は前記Ar22が、シアノ基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、又はカルバゾリル基を置換基として有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。
又は、式(25)のR21〜R22、R24〜R26及びR28〜R31が、水素原子であり、式(25)のR27及びR32が、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、式(25)のR23が、−Ar21−Ar22−Ar23であり、Ar21、Ar22及びAr23は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
この場合、前記Ar21、前記Ar22又は前記Ar23が、シアノ基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、又はカルバゾリル基を置換基として有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。
尚、前記アリール基に置換する好ましい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、環形成炭素数6〜40のアリール基、環形成炭素数6〜40のアリール基で置換されたアミノ基、環形成炭素数5〜40のアリール基を有するエステル基、炭素数1〜6のアルキル基を有するエステル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
正孔注入材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ベンジジン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン等と、それらの誘導体、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の有機EL素子において使用できる正孔注入材料の中で、さらに効果的な正孔注入材料は、フタロシアニン誘導体である。
フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体及びナフタロシアニン誘導体があるが、これらに限定されるものではない。
また、正孔注入材料にTCNQ誘導体等の電子受容物質を添加することによりキャリアを増感させることもできる。
上記の有機EL素子において使用できる好ましい正孔輸送材料は、芳香族三級アミン誘導体である。
芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等、又はこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマー若しくはポリマーであるが、これらに限定されるものではない。
電子注入材料としては、電子を輸送する能力を持ち、陰極からの電子注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。
上記の有機EL素子において、さらに効果的な電子注入材料は、金属錯体化合物及び含窒素複素環誘導体である。
前記金属錯体化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記含窒素複素環誘導体としては、例えば、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、フェナントロリン、ベンズイミダゾール、イミダゾピリジン等が好ましく、中でもベンズイミダゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、イミダゾピリジン誘導体が好ましい。
好ましい形態として、これらの電子注入材料にさらにドーパントを含有し、陰極からの電子の受け取りを容易にするため、より好ましくは第2有機層の陰極界面近傍にアルカリ金属で代表されるドーパントをドープする。
ドーパントとしては、ドナー性金属、ドナー性金属化合物及びドナー性金属錯体が挙げられ、これら還元性ドーパントは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記の有機EL素子においては、発光層中に、式(1)で表されるアントラセン化合物から選ばれる少なくとも一種の他に、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料、正孔輸送材料及び電子注入材料の少なくとも一種が同一層に含有されてもよい。また、得られた有機EL素子の、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル、樹脂等により素子全体を保護したりすることも可能である。
上記の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが適しており、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等及びそれらの合金、ITO基板、NESA基板に使用される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。陰極に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが適しており、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム、フッ化リチウム等及びそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。合金の比率は、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により制御され、適切な比率に選択される。陽極及び陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていてもよい。
上記の有機EL素子では、効率良く発光させるために、少なくとも一方の面は素子の発光波長領域において充分透明にすることが望ましい。また、基板も透明であることが望ましい。透明電極は、上記の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保されるように設定する。発光面の電極は、光透過率を10%以上にすることが望ましい。基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものであれば限定されるものではないが、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。
上記の有機EL素子の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれの方法を適用することができる。膜厚は特に限定されるものではないが、適切な膜厚に設定する必要がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になり効率が悪くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な発光輝度が得られない。通常の膜厚は5nm〜10μmの範囲が適しているが、10nm〜0.2μmの範囲がさらに好ましい。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の適切な溶媒に溶解又は分散させて薄膜を形成するが、その溶媒はいずれであってもよい。
このような湿式成膜法に適した溶液として、有機EL材料として上記のアントラセン化合物と溶媒とを含有する有機EL材料含有溶液を用いることができる。
いずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
上記の有機EL素子は、様々な電子機器に使用でき、例えば壁掛けテレビのフラットパネルディスプレイ等の平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト又は計器類等の光源、表示板、標識灯等に利用できる。また、本発明の化合物は、有機EL素子だけでなく、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー等の分野においても使用できる。
以下、合成例、実施例等を記載して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの合成例及び実施例に限定されるものではない。
合成例1:化合物1の合成
下記のスキームに従い、化合物1の合成を行った。
Figure 2015189722
(1−1)8−ブロモ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]カルバゾールの合成
1L三口フラスコに1−テトラロン(23.66g)、エタノール(330mL)、4−ブロモヒドラジンクロリド(22.35g)及び酢酸(1g)を加え、窒素置換した後、オイルバスで7時間加熱還流した。冷却後、エタノールの一部を減圧留去し、純水160mLを加え、固体を析出させた。固体を濾過、乾燥することで目的の8−ブロモ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]カルバゾール(24.3g:収率81.5%)を得た。
(1−2)8−ブロモ−11H−ベンゾ[a]カルバゾールの合成
500mL三口フラスコに8−ブロモ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]カルバゾール(19.38g)を入れ、窒素置換した後、さらにキシレン(240mL)及びクロラニル(22.13g)を加えた。1時間加熱還流し、冷却した後、10%水酸化ナトリウム水溶液30gを加えた。キシレンを減圧留去した後、300mLのヘキサンを加えてスラリー溶液を形成、固形物をろ過した。固形物に酢酸エチルを加えた後、不溶解分をろ過し、ろ液を濃縮して、粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルクロマトグラフィー及び再結晶で精製し、8−ブロモ−11H−ベンゾ[a]カルバゾール(15.0g:収率77.7%)を得た。
(1−3)8−ブロモ−11フェニルベンゾ[a]カルバゾールの合成
500mL三口フラスコにヨードベンゼン(154g)、8−ブロモ−11H−ベンゾ[a]カルバゾール(14.0g)、銅粉(6g)及び炭酸カリウム(19.6g)を投入し、窒素置換した後、160℃で22時間、加熱撹拌した。冷却後、ろ過により固形分を取り除いた後、ヨードベンゼンを減圧留去した。ここにヘキサンを加え、析出した固体をろ過、乾燥することで目的の8−ブロモ−11フェニルベンゾ[a]カルバゾール(15.0g:収率77.2%)を得た。
(1−4)化合物1の合成
100mL三口フラスコに8−ブロモ−11フェニルベンゾ[a]カルバゾール(2.50g)、9‐(1‐ナフチル)‐10‐アントラセンボロン酸(2.57g)、酢酸パラジウム(150mg)、S−Phos(550mg)、リン酸三カリウム(4.28g)を投入し、窒素置換後、1,2‐ジメトキシエタン(45mL)及び純水(10mL)を加え、さらに窒素置換した。7時間加熱還流後、冷却し、塩化メチレンを加えた後、分液ロートに移し、純水で洗浄した。塩化メチレン溶液から塩化メチレンを除去後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物1を得た。(3.08g:収率77.0%)を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量595.23に対してm/e=595であった。
合成例2:化合物2の合成
下記のスキームに従い、化合物2の合成を行った。
Figure 2015189722
(2−1)1−(2−ニトロフェニル)ナフタレンの合成
窒素雰囲気下、2−ブロモニトロベンゼン(20.2g)、1−ナフタレンボロン酸(18.9g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(2.89g)、炭酸カリウム(27.6g)、トルエン(150mL)、エタノール(50mL)及び水(100mL)の混合物を5時間還流した。反応液を室温に冷却し、トルエンで抽出を行いトルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的とする1−(2−ニトロフェニル)ナフタレン(22.7g:収率91%)を得た。
(2−2)7H−ベンゾ[c]カルバゾールの合成
窒素雰囲気下、1−(2−ニトロフェニル)ナフタレン(22.4g)、トリフェニルホスフィン(59.0g)及びo−ジクロロベンゼン(150mL)の混合物を180℃にて22.5時間攪拌した。得られた反応液を室温に冷却し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的とする7H−ベンゾ[c]カルバゾール(15.2g:80%)を得た。
(2−3)10−ブロモ−7H−ベンゾ[c]カルバゾールの合成
窒素雰囲気下、7H−ベンゾ[c]カルバゾール(15.7g)のN,N−ジメチルホルムアミド(250mL)溶液に、氷冷下、N−ブロモコハク酸イミド(12.6g)を加え、室温に昇温し2時間攪拌した。得られた反応液をトルエンで抽出し、トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的とする10−ブロモ−7H−ベンゾ[c]カルバゾール(16.2g:収率77%)を得た。
(2−4)10−ブロモ−7−フェニルベンゾ[c]カルバゾール
窒素雰囲気下、10−ブロモ−7H−ベンゾ[c]カルバゾール(16.0g)、ヨードベンゼン(22.0g)、ヨウ化銅(I)(5.14g)、エチレンジアミン(6.49g)、リン酸三カリウム(22.9g)及びトルエン(100mL)の混合物を21.5時間還流した。反応液を室温に冷却し、トルエンで抽出し、トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶にて精製し、目的とする10−ブロモ−7−フェニルベンゾ[c]カルバゾール(7.52g:収率37%)を得た。
(2−5)化合物2の合成
窒素雰囲気下、10−ブロモ−7−フェニルベンゾ[c]カルバゾール(7.45g)、9‐(1‐ナフチル)‐10‐アントラセンボロン酸(8.36g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.31g)、炭酸ナトリウム(4.24g)、トルエン(50mL)、1,2−ジメトキシエタン(100mL)及び水(20mL)の混合物を12時間還流した。反応液を室温に冷却し、トルエンにて抽出を行い、トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶にて精製し、目的の化合物2(3.58g:収率30%)を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量595.23に対してm/e=595であった。
下記実施例及び比較例で用いた化合物は次の通りである。
Figure 2015189722
実施例1
<有機EL素子の作製>
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HT−1を蒸着し、膜厚10nmの化合物HT−1膜を形成した。このHT−1膜は、正孔注入層として機能する。
このHT−1膜の成膜に続けて、化合物HT−2を蒸着し、HT−1膜上に膜厚80nmのHT−2膜を成膜した。このHT−2膜は、第一の正孔輸送層として機能する。
さらにHT−2膜の成膜に続けて、化合物HT−3を蒸着し、HT−2膜上に膜厚10nmのHT−膜を成膜した。このHT−3膜は、第二の正孔輸送層として機能する。
このHT−2膜上に化合物1(ホスト材料)及びBD−1(ドーパント材料)をBD−1の割合が4%となるように共蒸着し、膜厚25nmの発光層を成膜した。
この発光層上にET−1を蒸着し、膜厚25nmの電子輸送層を形成した。
この障壁層上に電子輸送材料であるET−2を蒸着して、膜厚10nmの電子注入層を形成した。
この電子注入層上にLiFを蒸着して、膜厚1nmのLiF膜を形成した。
このLiF膜上に金属Alを蒸着して、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
このようにして、実施例1の有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の評価>
上記の手順で作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
・初期性能
電流密度が1mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加し、そのときの駆動電圧(V)、発光効率(cd/A)及びEL発光スペクトルを分光放射輝度計(CS−1000:コニカミノルタ社製)にて計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、外部量子効率EQE(%)を算出した。
実施例2及び比較例1
化合物1の代わりに、表1に記載の化合物を用いた他は実施例1と同様に有機EL素子の作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
尚、比較例化合物1は、特許文献1に開示の化合物(20)である。
Figure 2015189722
表1の結果から、縮環カルバゾール構造を有する化合物1及び2を用いた実施例1及び2の素子では、縮環構造を有しないカルバゾール構造を有する比較例化合物1を用いた比較例1の素子と比べて、発光効率及び外部量子収率が向上しており、駆動電圧は同等又はより低くなっていることがわかる。

Claims (28)

  1. 下記式(1)で表されるアントラセン化合物。
    Figure 2015189722
    式(1)中、
    、R、R〜R10のいずれか1つはLとの結合に用いられ、Lとの結合に用いられるものは単結合であり、残りのR、R、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基から選択される基であり、
    101〜R103は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択される基である。
    は、式(1)のアントラセン骨格とZとを結合する連結基であり、該連結基は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、
    mは0〜4の整数であり、mが0のとき、Lは単結合である。mが2以上のとき、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
    は、R、R、R〜R10のいずれかとYとを結合する連結基であり、該連結基は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、
    nは0〜4の整数であり、nが0のとき、Lは単結合である。nが2以上のとき、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
    Yは、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のビフェニリル基、置換若しくは無置換のフルオレニル基、置換若しくは無置換のターフェニリル基、置換若しくは無置換のジベンゾフラニル基、置換若しくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換若しくは無置換のトリフェニレニル基、置換若しくは無置換のベンゾ[c]フェナントリル基、置換若しくは無置換のベンゾ[g]クリセニル基、置換若しくは無置換のピリジル基、置換若しくは無置換のピリミジニル基、置換若しくは無置換のトリアジニル基、及び置換若しくは無置換のピラジニル基から選択される基であり、
    Zは、下記式(2)で表される構造を有する基である。
    Figure 2015189722
    式(2)中、
    11〜R18のうち少なくとも1組の隣接する2つの基は、互いに結合して下記式(3)で表される環構造を形成する。
    Figure 2015189722
    式(3)の環構造の形成に寄与しないR11〜R18、及びR20〜R23のいずれか1つはLとの結合に用いられ、Lとの結合に用いられるものは単結合であり、それ以外のR11〜R18及びR20〜R23は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基から選択される基であり、R101〜R103は前記定義の通りである。
    19は、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基である。
    但し、上記式(1)中、カルバゾール骨格は式(2)で表される基のみである。
  2. 下記式(1−2)で表される請求項1に記載のアントラセン化合物。
    Figure 2015189722
    式(1−2)中、R,R,R〜R,R,R10、L,m、L,n,Y及びZは前記定義の通りである。
  3. Zが下記式(5)〜(14)で表される構造を有する基から選択される請求項1又は2に記載のアントラセン化合物。
    Figure 2015189722
    式(5)〜(14)中、R11〜R23は前記定義の通りである。
  4. Zが、前記式(5)〜(7)で表される構造を有する基から選択される請求項3に記載のアントラセン化合物。
  5. 13が、Lと結合する請求項4に記載のアントラセン化合物。
  6. が、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基である請求項1〜5のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  7. が、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基である請求項1〜6のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  8. 下記式(1−3)で表される請求項1〜7のいずれかに記載のアントラセン化合物。
    Figure 2015189722
    式(1−3)中、R,R,R〜R,R,R10、L,n、Y及びZは前記定義の通りである。
  9. nが0又は1である請求項1〜8のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  10. 下記式(1−4)で表される請求項8又は9に記載のアントラセン化合物。
    Figure 2015189722
    式(1−4)中、R,R,R〜R,R,R10、Y及びZは前記定義の通りである。
  11. Yが、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のフルオレニル基、置換若しくは無置換のジベンゾフラニル基、及び置換若しくは無置換のジベンゾチオフェニル基から選択される請求項1〜10のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  12. Yが、置換若しくは無置換のフェニル基、又は置換若しくは無置換のナフチル基である請求項11に記載のアントラセン化合物。
  13. 前記各基の「置換若しくは無置換の」における置換基が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基及び−Si(R101)(R102)(R103)で表される基(式中、R101〜R103は前記定義の通りである。)から選択される基である請求項1〜12のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  14. 前記各基の「置換若しくは無置換の」における置換基が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、及び置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択される基である請求項13に記載のアントラセン化合物。
  15. Yにおける「置換若しくは無置換の」の置換基が、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択される請求項1〜14のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  16. Yが、無置換、又は、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基及び置換若しくは無置換のビフェニリル基から選択される基で置換されている請求項1〜15のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  17. 、R、R〜R10のうちのLと結合しない基が、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換若しくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基から選択される請求項1〜16のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  18. 、R、R〜R10のうちのLと結合しない基が、水素原子である請求項1〜17のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  19. 11〜R18のうちの、Lと結合しない基、及び前記式(3)で表される環形成に寄与しない基及びR20〜R23のうちのLと結合しない基が、水素原子である請求項1〜18のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  20. 19が、置換若しくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基である請求項1〜19のいずれかに記載のアントラセン化合物。
  21. 19が、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、又は置換もしくは無置換のビフェニリル基である請求項20に記載のアントラセン化合物。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載のアントラセン化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  23. 陰極と陽極の間に、発光層を含む1以上の有機薄膜層が挟持されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機薄膜層の少なくとも一層が、請求項1〜21のいずれかに記載のアントラセン化合物を単独若しくは混合物の成分として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  24. 前記発光層が、前記アントラセン化合物を含有する請求項23に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  25. 前記アントラセン化合物がホスト材料である請求項24に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  26. 前記発光層がさらに蛍光性ドーパント及びりん光性ドーパントの少なくとも1つを含有する請求項24又は25に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  27. 前記蛍光性ドーパントがアリールアミン化合物である請求項26に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  28. 請求項23〜27のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子機器。
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