JP2015188973A - ラフィングエンドミル - Google Patents

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【課題】外周刃がなす波形の形状や寸法が不均一となるのは抑えつつ、重切削の場合でもビビリ振動が発生するのを防止する。【解決手段】軸線回りに回転させられるエンドミル本体1の先端部外周に、エンドミル本体1の先端から後端側に延びる外周刃6が形成され、この外周刃6はエンドミル回転方向Tから見てエンドミル本体1の半径方向に凹凸する波状に形成されているとともに、この外周刃6のうち少なくともエンドミル本体1の外周側に凸となる凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側には、このエンドミル回転方向T後方側に向かうに従い凸部6aにおいて外周刃6が軸線回りになす円Cに近づく切れ上がり部5aが形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、軸線回りに回転させられるエンドミル本体の先端部外周に、エンドミル回転方向から見てエンドミル本体の半径方向に凹凸する波状の外周刃が形成されたラフィングエンドミルに関するものである。
このようなラフィングエンドミルとして、例えば特許文献1には、シャンクの一端に回転方向にねじれを有する複数の刃溝が設けられ、複数の刃溝間に、回転軸を中心とする回転軌跡が凸円弧部と凹円弧部を有する波状であるラフィング刃を持ったものが記載されている。このようなラフィングエンドミルでは、エンドミル本体の周方向に隣接する複数の波状のラフィング刃において互いの波形の位相をずらされており、専ら粗加工においてラフィング刃が凸となる部分によって切削を行うことにより、切屑を分断して生成して切削抵抗の低減を図ることができる。
また、特許文献2には、このようなラフィングエンドミルを、切刃がなす波形に対応した断面形状を有する研削面を備えた砥石を用いて、該砥石を上記波形のピッチに基づいた間隔で切刃に沿って移動させつつ、該切刃を研削することにより製造するラフィングエンドミルの製造方法が記載されている。外周刃がエンドミル本体の半径方向に凹凸する波状をなすラフィングエンドミルでは、このような砥石が外周刃のエンドミル回転方向後方側に連なる外周逃げ面を断面波状に研削することになる。
特開2008−137121号公報 特許第4211655号公報
ところで、このようなエンドミルの外周逃げ面は、通常は外周刃からエンドミル回転方向後方側に向かうに従い、漸次エンドミル本体の内周側に向かうように、すなわちエンドミル本体の軸線に直交する断面において外周刃が軸線回りになす円から漸次離れるように逃げ角が与えられるのが一般的であり、これはラフィングエンドミルにおいても同様である。このため、ラフィングエンドミルでは、上述のような砥石を外周刃からエンドミル回転方向後方側に向かうに従いエンドミル本体の内周側に向かうように、いわゆるバッキングさせて外周逃げ面を形成している。
ところが、その一方で、このようなラフィングエンドミルでも、切り込みや送り量が大きい重切削となるとエンドミル本体に作用する抵抗が大きくなってビビリ振動を生じるおそれがある。このようなビビリ振動の発生を防ぐためには、外周逃げ面の外周刃側に逃げ角が0°のマージン部を形成したり、あるいは外周刃側における外周逃げ面の逃げ角をエンドミル回転方向後方側よりも小さくしたりすることにより、このマージン部や外周刃側の外周逃げ面を被削材の加工面に押し付けるようにしてバニシング効果を持たせるとともに外周刃の剛性を向上させることが考えられる。
しかしながら、このように外周逃げ面の外周刃側とエンドミル回転方向後方側とで逃げ角を異なるようにするには、特に特許文献2に記載されたような砥石を用いた製造方法では、砥石の外周刃に対する傾き角も異なる大きさとして研削を行わなければならず、そのようにして製造されたラフィングエンドミルでは、外周刃がエンドミル回転方向から見てなす波形の形状や寸法が不均一となってしまうおそれがある。そして、このように外周刃がなす波形の形状や寸法が不均一となると、外周刃が凸となる部分のうちでも部分的に被削材に大きく切り込まれる箇所が発生してしまい、そのような箇所に欠損や異常摩耗が発生することになる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように外周刃がなす波形の形状や寸法が不均一となるのは抑えつつ、重切削の場合でもビビリ振動が発生するのを防止することが可能なラフィングエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転させられるエンドミル本体の先端部外周に、該エンドミル本体の先端から後端側に延びる外周刃が形成されており、この外周刃はエンドミル回転方向から見て上記エンドミル本体の半径方向に凹凸する波状に形成されているとともに、この外周刃のうち少なくとも上記エンドミル本体の外周側に凸となる凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側には、このエンドミル回転方向後方側に向かうに従い上記凸部において上記外周刃が上記軸線回りになす円に近づく切れ上がり部が形成されていることを特徴とする。
従って、このように構成されたラフィングエンドミルにおいては、外周刃のうち少なくともエンドミル本体の外周側に凸となる凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側に切れ上がり部が形成されており、この切れ上がり部は、エンドミル回転方向後方側に向かうに従い上記凸部において外周刃が上記軸線回りになす円に近づくように形成されているので、重切削の際にこの切れ上がり部を被削材の加工面に押し付けてバニシング効果を得るとともに、外周刃のエンドミル回転方向後方側にエンドミル本体の肉厚を確保して剛性の向上を図ることができる。すなわち、この切れ上がり部により、外周逃げ面にマージン部や逃げ角の小さな部分を形成した場合と同様の効果を得ることができるので、重切削の場合でもビビリ振動の発生を抑えることができ、円滑かつ高精度の加工を行うことが可能となる。
なお、このような切れ上がり部を形成するには、例えば上述のような砥石によってバッキングさせつつ外周逃げ面を研削する際に、砥石が外周逃げ面から抜けきる手前でバッキングを止めて、そのまま砥石を外周逃げ面から離せばよい。この場合には、砥石の円周形状が外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側の部分に転写されて、外周逃げ面がエンドミル回転方向後方側に向かうに従い外周刃が上記軸線回りになす円に近づくように切れ上がることになる。
ここで、このような切れ上がり部は、上記外周刃のすべての上記凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側に形成されていてもよいが、例えば上述のような方法で形成される切れ上がり部は、その軸線方向の大きさや、外周刃が上記軸線回りになす円からの離間量を正確に制御することが難しく、このようにすべての凸部の外周逃げ面に切れ上がり部を形成したときに、これらの切れ上がり部の大きさが小さすぎたり上記離間量が大きすぎたりすると、ビビリ振動を十分に防止することができなくなるおそれがある一方、切れ上がり部が大きすぎたり上記円よりも外周側に突出していたりすると、重切削の際に切り上がり部が加工面に押し付けられすぎてしまい、過剰な切削抵抗の増大を招くおそれがある。
そこで、このような場合には、上記切れ上がり部を、1つの外周刃の上記凸部のうち一部の凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側に形成するとともに、残りの凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側には形成しないようにして、切れ上がり部の数を制御することにより、ビビリ振動の発生と切削抵抗の増大を防ぐようにしてもよい。
また、エンドミル本体に複数条の外周刃が形成されている場合には、このうち一部の外周刃の少なくとも一部の凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側に上記切れ上がり部を形成するとともに、残りの外周刃の凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側には切れ上がり部を形成しないようにして、やはり切れ上がり部の数を制御するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、外周刃がなす波形の形状や寸法が不均一となることによって欠損や異常摩耗が生じるのは抑制しつつ、重切削の場合でもビビリ振動が発生するのを防止して円滑で高精度の切削加工を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態を軸線方向先端側から見た正面図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の外周刃を(a)エンドミル本体の軸線に垂直な平面に沿ってエンドミル回転方向から見たときの図、(b)エンドミル本体の軸線に垂直な平面に沿ってエンドミル本体の外周側から見た図である。 図4(a)、(b)におけるZZ拡大断面図である。 図1に示す実施形態のエンドミルを製造する際の外周刃と砥石の位置関係を示すエンドミル回転方向後方側から見た側面図である。 図1に示す実施形態のエンドミルを製造する際の外周刃と砥石の位置関係を示すエンドミル本体の軸線に直交する断面図である。 本発明の第2の実施形態の外周刃を(a)エンドミル本体の軸線に垂直な平面に沿ってエンドミル回転方向から見たときの図、(b)エンドミル本体の軸線に垂直な平面に沿ってエンドミル本体の外周側から見た図である。
図1ないし図5は本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態においてエンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料によって軸線Oを中心とした外形略円柱状に形成されており、その後端部(図1において右上部分、図3において上側部分)は円柱状のままのシャンク部2とされるとともに、先端部(図1において左下部分、図3において下側部分)は切刃部3とされている。このようなラフィングエンドミルは、シャンク部2が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転させられつつ、通常は軸線Oに垂直な方向に送り出されて被削材に切削加工を施してゆく。
切刃部3の外周には、エンドミル本体1の先端から後端側に向けて延びる切屑排出溝4が形成されており、この切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tを向く壁面の外周側辺稜部には、この壁面をすくい面とするとともに該すくい面に交差する切刃部3の外周面を外周逃げ面5とする外周刃6が形成されている。本実施形態では、切刃部3に4条の切屑排出溝4が周方向に間隔をあけて形成され、従って外周刃6も4条が周方向に間隔をあけて形成されている。
なお、各切屑排出溝4の先端部には、図3に示すように略V字の凹溝状をなすギャッシュ7が形成されており、これらのギャッシュ7のエンドミル回転方向Tを向く壁面の先端縁には、この壁面をすくい面とする底刃8が各外周刃6の先端から内周側に延びるように形成されている。本実施形態のラフィングエンドミルは、この底刃8が外周刃6と円弧等の凸曲線状のコーナ刃を介して交差するラジアスタイプのラフィングエンドミルとされている。
ここで、底刃8は、図2に示すように外周刃6の先端から軸線Oの近傍に延びる長底刃(図2において上下に延びる底刃)8と軸線Oから離れた位置までに延びる短底刃(図2において左右に延びる底刃)8とが周方向に交互に形成されている。また、長底刃8からそのエンドミル回転方向Tに隣接する短底刃8までの間隔は、短底刃8からそのエンドミル回転方向Tに隣接する長底刃8までの間隔よりも大きくされている。
各切屑排出溝4は、エンドミル本体1の先端から後端側に向かうに従い軸線O回りにエンドミル回転方向Tの後方側に捩れるように形成されており、従って各外周刃6も同様にエンドミル本体1の先端から後端側に向かうに従い軸線O回りにエンドミル回転方向Tの後方側に捩れる螺旋状に形成されている。本実施形態では、4条の外周刃6がなす螺旋の捩れ角は互いに等しくなるように形成されており、従って4条の外周刃6の周方向の間隔は、長底刃8に連なる外周刃6からそのエンドミル回転方向Tに隣接する外周刃6までの間隔が、短底刃8に連なる外周刃6からそのエンドミル回転方向Tに隣接する外周刃6までの間隔よりも大きくされている。
さらに、これらの外周刃6の上記外周逃げ面5は、エンドミル本体1の先端から後端側に向けて半径方向(エンドミル本体1の内外周)に凹凸するように形成されており、これに伴い外周刃6もエンドミル回転方向Tから見て図4(a)に示すようにエンドミル本体1の軸線Oに対する半径方向に凹凸する波状に形成されている。この外周刃6がなす波形は、本実施形態ではエンドミル回転方向Tから見たときにエンドミル本体1の外周側に凸となる凸円弧と内周側に凹となる凹円弧とが一定の周期(ピッチ)で連続した形状に形成されている。
また、4条の外周刃6同士では、各外周刃6がなす波形の形状や大きさ、すなわち周期や振幅は互いに等しくされており、ただしこの波形の位相は、周方向に隣接する外周刃6間で軸線O方向にずらされている。本実施形態では、1つの外周刃6とそのエンドミル回転方向T後方側に隣接する外周刃6との間で、波形の1周期の1/4ずつ位相が順次軸線O方向先端側にずらされている。
そして、上記外周逃げ面5には、外周刃6のうち少なくともエンドミル本体1の外周側に凸となる凸部6aに連なる部分のエンドミル回転方向T後方側に、このエンドミル回転方向Tの後方側に向かうに従い凸部6aにおいて外周刃6が軸線O回りになす円Cに近づく切れ上がり部5aが形成されている。ここで、本実施形態では、図4(b)に示すように外周刃6のすべての凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側に切れ上がり部5aが形成されている。
すなわち、軸線Oに直交する断面において外周逃げ面5は、外周刃6からエンドミル回転方向Tの後方側に向かうに従い、本実施形態ではエンドミル本体1の外周側に凸となる凸曲線を描きつつエンドミル本体1の内周側に向かった後に、図4(b)にハッチングで示した上記切れ上がり部5aにおいて上記凸曲線に接する凹曲線をなして外周側に切れ上がるように形成されている。なお、この外周逃げ面5の切れ上がり部5aのさらにエンドミル回転方向T後方側には、該外周逃げ面5が連なる外周刃6のエンドミル回転方向T後方側に隣接する外周刃6が形成される切屑排出溝4のエンドミル回転方向T後方側を向く壁面が、鈍角に交差するように連なっている。
このような切れ上がり部5aは、図6に示すような外周刃6がなす凹凸を反転させた断面形状の外周面を有する円板状の砥石Gによって外周逃げ面5を研削加工して外周刃6を形成する際に、図7に矢線Bで示すように示すように外周逃げ面5の外周刃6側では砥石Gをエンドミル回転方向T後方側に向かうに従い上述のような断面凸曲線状をなすようにエンドミル本体1の内周側に移動させてバッキングさせ、砥石Gが外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側に達したところで移動を止めてそのまま外周逃げ面5から砥石Gを離間させればよい。砥石Gの外周面がなす円周が転写させられることにより、切れ上がり部5aの断面が上述のような凹曲線状に形成される。
このように構成されたラフィングエンドミルにおいては、こうして外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側に切れ上がり部5aが形成されていて、外周刃6が軸線O回りになす円Cに外周逃げ面5が近づけられているので、特に送りや切り込みの大きい重切削の際に、この切れ上がり部5aを外周刃6によって形成された被削材の加工面に擦りつけるようにしてバニシング効果を得ることができ、切削加工中にエンドミル本体1を安定して支持することができる。
また、こうして切れ上がり部5aが形成されることにより、外周刃6のエンドミル回転方向T後方側におけるエンドミル本体1の肉厚も大きく確保することができて、外周刃6の剛性の向上を図ることができ、これらによってエンドミル本体1にビビリ振動が発生するのを防止することができる。従って、上記構成のラフィングエンドミルによれば、上述のような重切削でも高精度の切削加工を安定して円滑に行うことが可能となる。
その一方で、このように外周刃6から離れた外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側の切れ上がり部5aによってバニシング効果や高い剛性を得ることができるので、外周逃げ面5の外周刃6に連なる部分にマージン部や逃げ角の小さな部分を形成する必要がない。従って、このような部分を形成するために砥石Gの傾き角を異なる大きさとする必要もなく、外周刃6についてはエンドミル回転方向Tから見たときになす波形の形状や寸法を均一として、欠損や異常摩耗が生じるのを防ぐことができる。
ここで、このように外周刃6が軸線O回りになす円Cに近づけられた切れ上がり部5aの該円Cからの離間量(本実施形態では、軸線Oに直交する断面において切れ上がり部5aと、この切れ上がり部5aのエンドミル回転方向T後方側に隣接する切屑排出溝4のエンドミル回転方向T後方側を向く壁面との交点から円Cまでの最短距離。以下、ドロップ量と称する。)Dは、切れ上がり部5aが円Cよりも外周側に突出していなければ0であってもよく、すなわち図5に示したように切れ上がり部5aの最外周が円C上に位置していてもよい。一方、このドロップ量Dが大きすぎると、上述のような効果を得ることができなくなるおそれがあるので、このドロップ量Dは上記円Cの直径(外周刃6の外径)の0.03倍以下とされるのが望ましい。
また、本実施形態では、このような切れ上がり部5aが、外周刃6がなす凹凸のすべての凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側に形成されている。このため、すべての外周刃6の凸部6aに対して剛性の向上を図ることができるとともに、凸部6aが被削材に切り込まれている間は常に安定してエンドミル本体1を支持することが可能となる。
ただし、上述のように切れ上がり部5aは被削材の加工面に摺接してバニシング効果を奏するものであることから、このように切れ上がり部5aがすべての外周刃6の凸部6aに連なる外周逃げ面5に形成されていると、波状をなす外周刃6によって切屑が分断されることによる効果を上回って切削抵抗が却って過剰に増大してしまうおそれがある。そのような場合には、上記ドロップ量Dを大きくしたり切れ上がり部5aの面積を小さくしたりしてバニシング効果を弱くすればよいが、これらを正確に制御することは難しい。
そこで、このような場合には、ドロップ量Dや切れ上がり部5aの面積を制御するのではなく、図8に示す本発明の第2の実施形態のように、上記切れ上がり部5aを、1つの外周刃6の凸部6aのうち一部の凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側に形成するとともに、残りの凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側には形成しないようにして、切れ上がり部5aの数を制御すればよい。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
ここで、この第2の実施形態では、1つの外周刃6に沿って1つおきの一部の凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側だけに切れ上がり部5aが形成されており、これらの凸部6aの間のやはり1つおきの残りの凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側には切れ上がり部5aは形成されず、外周刃6側と同様にエンドミル回転方向T後方側に向かうに従いエンドミル本体1の内周側に向かうように形成されている。また、他の外周刃6においても同様の構成とされている。
従って、このような第2の実施形態のラフィングエンドミルによれば、切れ上がり部5aが形成されていない外周逃げ面5においてはバニシング効果が生じないので、エンドミル本体1全体としての切削抵抗の増大を抑えることができる。また、1つの外周刃6の外周逃げ面5に切れ上がり部5aが等間隔に配置されるので、部分的にバニシング効果の強弱が生じて切削抵抗が不規則に増減するようなこともない。ただし、切れ上がり部5aは不等間隔に形成されていてもよく、また外周刃6同士で異なる間隔や数の切れ上がり部5aが形成されていてもよい。
また、このように1つの外周刃6の一部の凸部6aに連なる外周逃げ面5だけに切れ上がり部5aを形成するのに代えて、エンドミル本体1に複数条の外周刃6が形成されている場合には、そのうち一部の外周刃6の少なくとも一部の凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側に切れ上がり部5aを形成するとともに、残りの外周刃6の凸部6aに連なる外周逃げ面5のエンドミル回転方向T後方側には切れ上がり部5aを形成しないようにして、やはり切れ上がり部5aの数を制御することにより、バニシング効果を調整するようにしてもよい。
例えば、第1の実施形態のように偶数条の外周刃6が形成されている場合には、周方向に交互に切れ上がり部5aが外周逃げ面5に形成された外周刃6と形成されていない外周刃6とが配設されていてもよく、またこれ以外に一定数条ごとに切れ上がり部5aが外周逃げ面5に形成された外周刃6と形成されていない外周刃6とが配設されていてもよく、さらにはこれらの外周刃6が不規則に配設されていてもよい。また、切れ上がり部5aが形成された外周刃6は、第1の実施形態のようにすべての凸部6aのエンドミル回転方向T後方側に切れ上がり部5aが形成されていてもよく、第2の実施形態のように一部の凸部6aに連なる外周逃げ面5だけに切れ上がり部5aが形成されていてもよい。
1 エンドミル本体
2 シャンク部
3 切刃部
4 切屑排出溝
5 外周逃げ面
5a 切れ上がり部
6 外周刃
6a 外周刃6の凸部
7 ギャッシュ
8 底刃
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル回転方向
C 外周刃6の凸部6aが軸線O回りになす円
D ドロップ量(軸線Oに直交する断面における切れ上がり部5aの円Cからの離間量)

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転させられるエンドミル本体の先端部外周に、該エンドミル本体の先端から後端側に延びる外周刃が形成されており、この外周刃はエンドミル回転方向から見て上記エンドミル本体の半径方向に凹凸する波状に形成されているとともに、この外周刃のうち少なくとも上記エンドミル本体の外周側に凸となる凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側には、このエンドミル回転方向後方側に向かうに従い上記凸部において上記外周刃が上記軸線回りになす円に近づく切れ上がり部が形成されていることを特徴とするラフィングエンドミル。
  2. 上記切れ上がり部は、上記外周刃のすべての上記凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラフィングエンドミル。
  3. 上記切れ上がり部は、1つの上記外周刃の上記凸部のうち一部の凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側に形成されているとともに、残りの凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側には上記切れ上がり部が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載のラフィングエンドミル。
  4. 上記エンドミル本体には複数条の上記外周刃が形成されており、このうち一部の外周刃の少なくとも一部の凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側には上記切れ上がり部が形成されているとともに、残りの外周刃の凸部に連なる外周逃げ面のエンドミル回転方向後方側には上記切れ上がり部が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載のラフィングエンドミル。
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