JP2015188953A - 打撃作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハンマ収容室に封入されたグリースが外に漏れることを抑制できる、インパクトドライバを提供する。
【解決手段】アンビル19を打撃するハンマ33と、ハンマ収容室14Aにハンマ33を動作可能に収容するハンマケース14とを備えたインパクトドライバ10であって、ハンマ収容室14A内に、ハンマ33を隔てて第1の空間B1及び第2の空間B2が形成され、ハンマ収容室14A内のグリースを撹拌する溝45がハンマ33に設けられ、溝45は第1の空間B1と第2の空間B2とをつないでおり、ハンマケース14が固定されるモータケース13内に電動モータ12が収容され、電動モータ12の回転力がハンマ33に伝達されて、ハンマ33が回転し、かつ、ハンマ33がアンビル19を打撃する。
【選択図】図2
【解決手段】アンビル19を打撃するハンマ33と、ハンマ収容室14Aにハンマ33を動作可能に収容するハンマケース14とを備えたインパクトドライバ10であって、ハンマ収容室14A内に、ハンマ33を隔てて第1の空間B1及び第2の空間B2が形成され、ハンマ収容室14A内のグリースを撹拌する溝45がハンマ33に設けられ、溝45は第1の空間B1と第2の空間B2とをつないでおり、ハンマケース14が固定されるモータケース13内に電動モータ12が収容され、電動モータ12の回転力がハンマ33に伝達されて、ハンマ33が回転し、かつ、ハンマ33がアンビル19を打撃する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ハンマで被打撃部材を打撃する打撃作業機に関する。
従来、ハンマで被打撃部材を打撃する打撃作業機が知られており、その打撃作業機の例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された打撃作業機はインパクトドライバであり、インパクトドライバは、中空のケースと、ケース内に設けられたモータ収容室と、モータ収容室に設けた電動モータと、ケース内に設けられたハンマ収容室と、ハンマ収容室に設けられた減速機と、ハンマ収容室に設けられ、かつ、減速機の動力が伝達されるハンマと、ケース内外に亘って設けられた被打撃部材としてのアンビルと、を有する。
さらに、モータ収容室とハンマ収容室とを隔てる隔壁が設けられている。さらに、ハンマ収容室にグリースが封入される。グリースは減速機を潤滑する。隔壁に貫通孔が設けられており、貫通孔は、ハンマ収容室とモータ収容室とをつないでいる。ハンマ収容室には、貫通孔を塞ぐようにフェルトが設けられている。フェルトは、空気は通るがグリースは通さない構造である。
特許文献1に記載されたインパクトドライバにおいては、電動モータの回転力が減速機を介してハンマに伝達され、ハンマの回転力がアンビルに伝達される。アンビルの回転抵抗が増加すると、ハンマが往復動作し、かつ、ハンマがアンビルを回転方向に打撃する。
そして、減速機、ハンマの動作により、ハンマ収容室の温度が上昇して、ハンマ収容室内の空気が膨張すると、ハンマ収容室内の空気は貫通孔を通り外に排出される。また、貫通孔はフェルトにより塞がれているため、ハンマ収容室のグリースが貫通孔を通って外に漏れることを抑制できる。
上述の特許文献1に記載された打撃作業機においては、ハンマ収容室に封入したグリースが、貫通孔を介して外に漏れる可能性があり、改善の余地があった。
本発明の目的は、ケースハンマ収容室に封入されたグリースが外に漏れることを抑制できる、打撃作業機を提供することにある。
本発明の打撃作業機は、被打撃部材に回転方向の打撃力を加えるハンマと、前記ハンマを回転方向及び軸線方向に動作可能に収容したハンマ収容室とを備えた打撃作業機であって、前記ハンマ収容室内のグリースを撹拌する撹拌機構が、前記ハンマに設けられている。
本発明の打撃作業機によれば、ハンマ収容室内のグリースは撹拌機構により撹拌されるため、ハンマ収容室内の圧力が上昇することを抑制できる。したがって、ハンマ収容室内のグリースが外に漏れることを抑制できる。
以下、本発明の打撃作業機の一実施形態であるインパクトドライバを、図1及び図2を用いて詳細に説明する。インパクトドライバ10は、充電及び放電が可能な電池セルを収容した電池パック11と、電池パック11から電力が供給されて駆動する電動モータ12と、を有する。電動モータ12は、電気エネルギを運動エネルギに変換する動力源であり、例えば、ブラシレスモータを用いることができる。インパクトドライバ10はモータケース13を有しており、電動モータ12はモータケース13の内部に配置されている。モータケース13は、モータハウジングとも呼ばれる。また、モータケース13の開口部を塞ぐハンマケース14が設けられており、ハンマケースは14モータケース13に対して着脱が可能である。
電動モータ12は、回転子15と固定子16と、を有する。回転子15は回転軸17に固定されており、かつ、回転軸17と共に一体回転可能である。回転軸17は2個の軸受18a,18bにより回転可能に支持されている。軸受18aは、モータケース13により支持されている。
また、固定子16は、回転子15を囲むように配置されており、固定子16のコイルを電流が通ると回転磁界が形成されて、回転子15で回転力、つまり、トルクが発生する。電動モータ12は、固定子16のコイルに通す電流の向きを切り替えることにより、回転子15の回転方向を正逆に切り替えることができる。
ハンマケース14は筒形状であり、ハンマケース14の内部にアンビル19が設けられている。アンビル19は金属製であり、アンビル19には軸線A1と同心に工具取付孔19aが設けられている。工具取付孔19aは、アンビル19のうち、モータケース13の外部に露出した部分に開口されており、工具取付孔19aは先端工具20を着脱するために設けられている。先端工具20はねじ部材を締め付けたり緩めたりするためのドライバビットである。
ハンマケース14は、大径筒部21と、大径筒部21よりも内径が小さい小径筒部22とを有し、大径筒部21はモータケース13に固定されている。大径筒部21と小径筒部22とは、半径方向に延ばされた環状の接続部14Bにより接続されている。また、小径筒部22内にメタル軸受23が固定されている。そして、アンビル19はメタル軸受23の軸孔23a内に配置され、かつ、メタル軸受23により回転可能に支持されている。アンビル19は軸線A1を中心として回転可能である。
アンビル19における大径筒部21側の端部には、半径方向に突出された突部19cが設けられている。突部19cは、アンビル19の円周方向において180度の間隔で2個設けられている。さらに、アンビル19における大径筒部21側の端部には、軸線A1と同心の保持孔19bが設けられている。アンビル19は、保持孔19bからアンビル19の外周面に至る油路19dを有する。
一方、ハンマケース14の大径筒部21内に減速機24が設けられている。減速機24は、電動モータ12の回転力をアンビル19に伝達する動力伝達装置であり、減速機24はシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。減速機24は、回転軸17と同心状に配置されたサンギヤ25と、サンギヤ25の外周側を取り囲むように設けたリングギヤ26と、サンギヤ25及びリングギヤ26に噛み合わされた複数のピニオンギヤ27を自転、かつ、公転可能に支持したキャリヤ28と、を有する。リングギヤ26はハンマケース14に固定されており、回転不可能である。
また、キャリヤ28と共に軸線A1を中心として一体回転するスピンドル29が設けられている。つまり、電動モータ12の回転軸17、減速機24、スピンドル29、アンビル19は、軸線A1を中心として設けられている。スピンドル29は、軸線A1に沿った方向でアンビル19と減速機24との間に配置されており、スピンドル29におけるアンビル19側の端部には、軸線A1を中心とする軸部30が形成されている、軸部30は保持孔19bに回転可能に挿入されている。このため、アンビル19とスピンドル29とは、軸線A1を中心として相対回転可能である。さらに、スピンドル29の外周面に2本の第1カム溝29aが設けられている。
モータケース13内から大径筒部21内に亘り、筒形状のインナカバー31が設けられている。インナカバー31は環状であり、インナカバー31の外周端は、大径筒部21内挿入されている。インナカバー31は回転不可能であり、大径筒部21とインナカバー31との隙間をシールするシール部材44が設けられている。このシール部材44は、ゴム状弾性材により一体成形されたOリングである。インナカバー31の内周に、軸受32が取り付けられている。スピンドル29の長手方向の端部は、軸受32を介してインナカバー31により回転可能に支持されている。また、軸受18bは、インナカバー31により支持されている。軸受18bはシール部材を備えている。
そして、ハンマケース14内において、軸線A1に沿った方向で、インナカバー31と接続部14Bとの間に、ハンマ収容室14Aが形成されている。大径筒部21は、軸線A1を中心とする半径方向で、ハンマ収容室14Aの外側を囲んでいる。ハンマ収容室14Aは、シール部材44、オイルシール49、軸受18bに設けたシール部材によりシールされている。ハンマ収容室14Aに、減速機24、スピンドル29、ハンマ33、圧縮ばね36、軸受32、突部19cを有するアンビル19の一部が収容されている。
また、スピンドル29の外周には、環状のハンマ33が取り付けられている。ハンマ33は、軸線A1方向に動作可能である。ハンマ33は、内筒部33bと、内筒部33bの外側に配置された外筒部33cと、を有する。内筒部33bと外筒部33cとは同心状に配置されており、内筒部33bの中心に軸孔33dが設けられている。スピンドル29は軸孔33dに配置されている。ハンマ収容室14Aに、ハンマ33を隔てて第1の空間B1と第2の空間B2とが形成されている。
第1の空間B1は、ハンマ33とインナカバー31との間に形成されている。減速機24及びサンギヤ25及び軸受32は、第1の空間B1に配置されている。アンビル19のうち、突部19cが形成された箇所は、第2の空間B2に配置されている。また、インナカバー31は、モータケース13内の第3の空間B3と、第1の空間B1とを隔てており、第3の空間B3に電動モータ12が収容されている。そして、ハンマ収容室14A、特に、第1の空間B1にグリースが封入されている。グリースは、減速機24、軸受32、ボール34の転動箇所を潤滑する。グリースは保持孔19b内にも保持されている。
ハンマ33は、スピンドル29と相対回転可能であり、かつ、軸線A1に沿った方向でスピンドル29と相対移動可能である。ハンマ33の外筒部33cの外周面は、ハンマケース14の大径筒部21の内周面と接触しない。つまり、ハンマ33の外筒部33cの外周面と、ハンマケース14の大径筒部21の内周面との間に隙間が形成されている。内筒部33bの内周面には、軸線A1に沿った方向に延ばされた2つの第2カム溝33aが形成されている。
そして、第1カム溝29a及び第2カム溝33aを1組として、1個のボール34が保持されている。ボール34は、金属製の転動体である。このため、ハンマ33は、スピンドル29に対して、ボール34が転動可能な範囲で軸線A1に沿った方向に移動可能である。また、ハンマ33は、スピンドル29に対して、ボール34が転動可能な範囲で軸線A1を中心とする円周方向に回転可能である。
さらに、スピンドル29の外周であって、軸線A1に沿った方向で第1カム溝29aとキャリヤ28との間には、環状のプレート35が取り付けられている。また、軸線A1に沿った方向で、ハンマ33とプレート35との間には、圧縮ばね36が圧縮された状態で設けられている。キャリヤ28は、軸受32、インナカバー31に接触することで、軸線A1に沿った方向の移動が規制されており、圧縮ばね36の押圧力はハンマ33に加えられている。ハンマ33は、圧縮ばね36の押圧力により、軸線A1に沿った方向でアンビル19に向けて押されている。
また、ハンマ33におけるアンビル19側の端部には、軸線A1に沿った方向に突出された突部38が設けられている。突部38は、ハンマ33の円周方向において180度の間隔で2個設けられている。突部38及び突部19cは、軸線A1を中心とする同一円周上で互いに異なる位置に配置されており、突部38と突部19cとは係合及び解放が可能である。
さらに、ハンマ33の外筒部33cの外周面に、図3に示す溝45が形成されている。溝45は、外筒部33cの円周方向で異なる位置に複数設けられている。溝45は、軸線A1に沿った方向に直線状に形成されている。溝45は、第1の空間B1と第2の空間B2とをつないでいる。
メタル軸受23にオイルシール49が取り付けられている。オイルシール49のリップ部は、アンビル19の外周面に接触している。アンビル19の外周面とメタル軸受23の内周面との隙間は、第2の空間B2につながっており、オイルシール49は、アンビル19の外周面とメタル軸受23の内周面との隙間をシールする。
先端工具20がアンビル19から抜けることを防止する抜け止め機構50が設けられている。抜け止め機構50は、アンビル19がハンマケース14から露出している箇所に設けられている。抜け止め機構50は、アンビル19に設けたボール保持穴51と、ボール保持穴51に配置された金属製のボール52と、アンビル19に取り付けられたリング53と、リング53の内面に設けたストッパ54と、弾性部材55とを有する。
ボール保持穴51は、アンビル19を半径方向に貫通し、かつ、工具取付孔19aにつながっている。リング53はアンビル19に対して軸線A1に沿った方向に移動可能である。弾性部材55は、圧縮コイルばねであり、弾性部材55の押し付け力はストッパ54に対して軸線A1に沿った方向に加えられている。
先端工具20が工具取付孔19aに挿入されると、先端工具20に設けた溝にボール52が押し付けられるため、先端工具20が工具取付孔19aから抜けることが防止される。ここで、ストッパ54はボール52の外側に位置しているため、ボール52がアンビル19の半径方向で外側に移動することはない。
これに対して、作業者が、リング53を弾性部材55の押し付け力に抗して移動させると、ストッパ54が軸線A1に沿った方向に移動する。すると、ボール52が、アンビル19の半径方向で外側に移動可能となる。そして、作業者が先端工具20をアンビル19から抜く向きで引くと、ボール52と先端工具20との係合が解除され、先端工具20をアンビル19から取り外すことができる。
モータケース13に連続してグリップ39が設けられている。グリップ39は、グリップハウジングとも呼ばれる。グリップ39は、軸線A1に対して交差する向きで、モータケース13の外面から延ばされている。グリップ39は、作業者が手で握る箇所であり、グリップ39とモータケース13との接続箇所に、トリガレバー40が設けられている。
さらに、グリップ39におけるモータケース13とは反対の端部に装着部41が設けられており、装着部41に本体側端子42が設けられている。この装着部41に電池パック11が着脱される。電池パック11内に複数の電池セルが収容されている。電池セルは、充電及び放電が可能な二次電池であり、電池セルは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケルカドミウム電池等を用いることができる。電池パック11は、電池セルの電極に接続された電池側端子43を有し、電池パック11が装着部41に取り付けられて、本体側端子42と電池側端子43とが接続される。
次に、先端工具20をアンビル19で支持したインパクトドライバ10の使用例を説明する。トリガレバーが操作されていなければ、電動モータ12に電力が供給されず、回転軸17は停止している。
これに対して、トリガレバー40が操作されて、電動モータ12の固定子16に電流が通されると回転軸17が回転する。回転軸17の回転力は減速機24のサンギヤ25に伝達される。サンギヤ25に回転力が伝達されると、リングギヤ26が反力要素となり、キャリヤ28が出力要素となる。すなわち、サンギヤ25の回転力がキャリヤ28に伝達されるとき、サンギヤ25の回転速度に対してキャリヤ28の回転速度が低速となることで、回転力が増幅される。
キャリヤ28に回転力が伝達されると、スピンドル29がキャリヤ28と共に一体回転する。スピンドル29の回転力は、ボール34を介してハンマ33に伝達される。ハンマ33の回転力は、突部38と突部19cとの係合力によりアンビル19に伝達され、アンビル19が回転する。ねじ部材を締め付けるために必要な回転力が高くなると、アンビル19は停止して、ボール34と第2カム溝33aの内面との接触箇所で生じる反力により、ボール34が第1カム溝29a及び第2カム溝33a内を転動し、ハンマ33がアンビル19から離れる向きで移動する。
ここで、ハンマ33は、圧縮ばね36の押圧力に抗して軸線A1に沿って移動する。すると、突部38と突部19cとが解放され、ハンマ33の回転力はアンビル19に伝達されなくなる。さらに、ハンマ33の回転が継続されて、突部38が突部19cを乗り越えると、ハンマ33をアンビル19から離れさせる向きの力よりも、圧縮ばね36がハンマ33に加える押圧力の方が高くなる。すると、ボール34が第1カム溝29a及び第2カム溝33a内を転動することで、ハンマ33とスピンドル29とが所定の角度範囲内で相対回転し、かつ、ハンマ33はアンビル19に近づく向きで移動する。
その後、回転しているハンマ33の突部38が、停止しているアンビル19の突部19cに衝突し、ハンマ33がアンビル19に回転方向の打撃力を加える。なお、作業者が切り替えスイッチを操作して、電動モータ12の回転軸17が逆回転すると、ねじ部材を緩めることができる。
上記のインパクトドライバ10において、第1の空間B1内のグリースは、減速機24、軸受32を潤滑する。また、シール部材44、軸受18bのシール部材は、第1の空間B1内のグリースが、第3の空間B3へ漏れることを防止する。
さらに、保持孔19b内にグリースが保持されており、グリースは油路19dを経由して、アンビル19の外周面と、メタル軸受23の内周面との接触箇所に供給され、グリースは、アンビル19の外周面と、メタル軸受23の内周面との接触箇所を潤滑する。オイルシール49は、アンビル19の外周面と、メタル軸受23の内周面との接触箇所に供給されたグリースが、ハンマケース14の外に漏れることを防止する。
ところで、減速機24が動作すると、ギヤ同士の噛み合い部分で生じる摩擦熱で、第1の空間B1内の温度が上昇し、第1の空間B1内の空気が膨張して圧力が上昇する。特に、ハンマ33が減速機24に近づく向きで動作すると、第1の空間B1の容積が縮小するため、ポンプ作用により第1の空間B1の圧力が、一層上昇する。
本実施形態では、ハンマ33が動作して、ハンマ収容室14A内のグリースを撹拌できる。具体的には、グリースが、溝45を通り第1の空間B1と第2の空間B2とを行き来する。このため、第1の空間B1の圧力が上昇することを抑止できる。つまり、第1の空間B1の圧力が、溝45を通り第2の空間B2へ排出されるため、第1の空間B1内の圧力が上昇することを抑制できる。したがって、ハンマ収容室14A内に収容したグリースが、ハンマ収容室14Aの外に漏れることを抑制できる。特に、第1の空間B1内のグリースが、ハンマケース14とインナカバー31との隙間、または、軸受18bを通り、第3の空間B3へ漏れることを防止できる。
さらに、外筒部33cの外周面を平面的に展開することを仮定した場合、溝45が占める面積は、溝45以外の箇所の面積よりも狭い。したがって、ハンマ33の質量の減少を抑制でき、ハンマ33がアンビル19を打撃する際に、ハンマ33のイナーシャにより生じるトルクを確保できる。
さらに、オイルシール49は、第1の空間B1から第2の空間B2へ移動したグリースが、アンビル19とメタル軸受23との接触箇所を介して、ハンマケース14の外に漏れることを防止する。
次に、図2のハンマ33の他の構造例を、図4を参照して説明する。図4(A)のハンマ33は、通路46を有する。通路46は、ハンマ33を軸線A1に沿った方向に貫通している。通路46は、第1の空間B1と第2の空間B2とをつないでいる。通路46は、ハンマ33の同一円周上に複数設けられている。
図4(A)のハンマ33を図2のインパクトドライバ10に用いると、ハンマ33が動作して、ハンマ収容室14A内のグリースを撹拌できる。具体的には、グリースが、通路46を通り第1の空間B1と第2の空間B2とを行き来する。このため、第1の空間B1の圧力が上昇することを抑止できる。また、第1の空間B1の圧力が、通路46を通り第2の空間B2へ排出されるため、第1の空間B1内の圧力が上昇することを抑制できる。したがって、図4(A)のハンマ33を備えたインパクトドライバ10は、図3のハンマ33を備えたインパクトドライバ10と同様の効果を得ることができる。
また、図4(B)のハンマ33は、溝47を有する。溝47は、外筒部33cの外周面に螺旋状に形成されている。溝47は、第1の空間B1と第2の空間B2とをつないでいる。
図4(B)のハンマ33を図2のインパクトドライバ10に用いると、ハンマ33が動作して、ハンマ収容室14A内のグリースを撹拌できる。具体的には、グリースが、溝47を通り第1の空間B1と第2の空間B2とを行き来する。このため、第1の空間B1の圧力が上昇することを抑止できる。また、第1の空間B1の圧力が、溝47を通して第2の空間B2へ排出されるため、第1の空間B1内の圧力が上昇することを抑制できる。したがって、図4(B)のハンマ33を備えたインパクトドライバ10は、図3のハンマ33を備えたインパクトドライバ10と同様の効果を得ることができる。
さらに、外筒部33cの外周面を平面的に展開することを仮定すると、溝47が占める面積は、溝47以外の箇所の面積よりも狭い。したがって、ハンマ33の質量の減少を抑制でき、ハンマ33がアンビル19を打撃する際に、ハンマ33のイナーシャにより生じるトルクを確保できる。
さらに、図4(C)のハンマ33は、環状の溝48を有する。溝48は、外筒部33cの外周面に、円周方向に形成されている。溝48は、軸線A1に沿った方向で異なる位置に2つ形成されている。図4(C)のハンマ33を図2のインパクトドライバ10に用いると、ハンマ33が動作して、ハンマ収容室14A内のグリースを撹拌できる。このため、第1の空間B1の圧力が上昇することを抑止できる。具体的には、溝48が設けられているため、ハンマ33の表面積が増加してハンマ33の放熱効果が向上し、ハンマの33の動作熱により、第1の空間B1内の圧力が上昇することを抑制できる。したがって、図4(C)のハンマ33を備えたインパクトドライバ10は、図3のハンマ33を備えたインパクトドライバ10と同様の効果を得ることができる。
さらに、外筒部33cの外周面を平面的に展開することを仮定すると、溝48が占める面積は、溝48以外の箇所の面積よりも狭い。したがって、ハンマ33の質量の減少を抑制でき、ハンマ33がアンビル19を打撃する際に、ハンマ33のイナーシャにより生じるトルクを確保できる。
本実施形態で説明した構成と、本発明の構成との対応関係を説明すると、インパクトドライバ10が、本発明の打撃作業機に相当し、アンビル19が、本発明の被打撃部材に相当し、ハンマ33が、本発明のハンマに相当し、溝45,47,48及び通路46が、本発明の撹拌機構及び通路に相当する。さらに、軸線A1に沿った方向が、本発明におけるハンマの動作方向に相当する。さらに、シール部材44が、本発明のシール部材に相当し、インナカバー31が本発明の隔壁に相当し、減速機24、スピンドル29、ボール34が、本発明の動力伝達機構に相当する。また、ボール34、第1カム溝29a、第2カム溝33a、突部19c,38、圧縮ばね36が、本発明の変換機構に相当する。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、ハンマに設ける通路または溝の数は、任意に設定可能である。さらに、アンビルに着脱される先端工具は、ドライバビットの他、ドリルビットでもよい。つまり、本発明の打撃作業機は、回転方向の打撃力を先端工具に伝達し、かつ、先端工具により穴あけが行われるインパクトドリルを含む。
さらに、被打撃部材は、先端工具を直接支持する被打撃部材、連結工具を介して間接的に先端工具を支持する被打撃部材を含む。さらに、本発明の打撃作業機は、電池パックの電力が電動モータに供給される構造の他、商用電源の電力が電力ケーブルを介して電動モータに供給される構造を含む。さらに、本発明において、被打撃部材に伝達する動力を発生するモータは、電動モータの他、油圧モータ、空気圧モータ、内燃機関等を含む。
10…インパクトドライバ、13…モータケース、14…ハンマケース、14A…ハンマ収容室、19…アンビル、24…減速機、31…インナカバー、33…ハンマ、44…シール部材、45,47,48…溝、46…通路、B1…第1の空間、B2…第2の空間、B3…第3の空間。
Claims (11)
- 被打撃部材に回転方向の打撃力を加えるハンマと、前記ハンマを回転方向及び軸線方向に動作可能に収容したハンマ収容室とを備えた打撃作業機であって、
前記ハンマ収容室内のグリースを撹拌する撹拌機構が、前記ハンマに設けられている、打撃作業機。 - 前記撹拌機構は、前記ハンマが前記軸線方向に動作するとグリースを撹拌する、請求項1に記載の打撃作業機。
- 前記ハンマ収容室は、前記ハンマによって前記軸線方向に隔てられた第1の空間及び第2の空間を含み、
前記撹拌機構は、前記第1の空間と前記第2の空間とをつなぐ通路を含む、請求項2に記載の打撃作業機。 - 前記ハンマは筒形状であり、前記通路は、前記ハンマの外周面に設けられている、請求項3に記載の打撃作業機。
- 前記通路は、前記軸線方向に沿って設けられた溝を含む、請求項4に記載の打撃作業機。
- 前記通路は、前記ハンマの外周面に螺旋状に形成された溝を含む、請求項4に記載の打撃作業機。
- 前記通路は、前記ハンマの外周面に円周方向に形成された溝を含む、請求項4に記載の打撃作業機。
- 前記ハンマの外周面において前記通路の面積は、前記ハンマの外周面において前記通路以外の箇所の面積よりも狭い、請求項4〜7のいずれか1項に記載の打撃作業機。
- 前記通路は、前記ハンマを貫通している、請求項3に記載の打撃作業機。
- 前記第1の空間及び前記第2の空間が内部に形成されたケースと、
前記ケース内に形成された第3の空間と、
前記第1の空間と前記第3の空間とを隔てる隔壁と、
前記第3の空間に収容され、かつ、前記ハンマに伝達する回転力を発生するモータと、
前記第2の空間に収容され、かつ、前記モータから伝達される回転力を前記ハンマに伝達する動力伝達機構と、
前記動力伝達機構から伝達された回転力を、前記ハンマの回転方向における打撃力に変換する変換機構と、
が設けられている、請求項3〜9のいずれか1項に記載の打撃作業機。 - 前記ケースと前記隔壁との間をシールするシール部材が設けられている、請求項10に記載の打撃作業機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014066557A JP2015188953A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | 打撃作業機 |
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JP2014066557A JP2015188953A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | 打撃作業機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20230373067A1 (en) * | 2020-09-28 | 2023-11-23 | Milwaukee Electric Tool Corporation | Power tool with impulse assembly including a valve |
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-
2014
- 2014-03-27 JP JP2014066557A patent/JP2015188953A/ja active Pending
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